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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[309]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/18(土) 01:16:07 ID:???
振り下ろされる穂先に退くことなく、ヤングがその縦の軌道から半身を逸らしつつ一歩。
下がれば二の槍三の槍が襲う、そのことをヤングは熟知している。
間合いが、槍から剣のそれにまで縮まった。
「斬って悪いか!」
「逃げていれば世話はない! 残されたクレアがどれほど悲しむか、考えもせずに!」
下段から斬り上げるヤングの剣を、しかしネクセラリアが石突で右へと弾く。
そのまま左の肘を支点として逆回しに回転した槍の柄が、ヤングの頭上へと迫る。
省49
[310]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/18(土) 01:20:36 ID:???
「できたさ……今、クレアを護っているのは、俺だ」
「なにィ……!?」
「今のクレアは俺の妻だ。いつまで恋人気取りでいる」
「フン……風の噂には聞いていたが、横恋慕を実らせて満足か?
それが貴様の言う、護るということか!」
構えは互いに正眼。
じり、と摺り足が左右に、そして前後に滑り、間合いを僅かずつ変えていく。
ヤングが右に指一本を動けば、ネクセラリアは前に小石ひとつ分。
応じてヤングは剣先を指の腹一つ上へ。ネクセラリアが、元の位置にまで下がる。
省32
[311]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/18(土) 01:21:41 ID:???
「―――」
光と光が、交わった。
剣閃が華を咲かせる。
血飛沫という、魅惑の華だ。
「ぐ、ぅ……!」
華はネクセラリアの鎧の隙間、肘や、腿や、或いは腹から咲き乱れて真紅の鎧を更に赤く染め、
そして、
「……か、はっ……」
最も大輪の華は、ヤングの胸から、咲いていた。
鉄の甲冑の継ぎ目を正確に貫き通したその槍が、静かに引き抜かれる。
「……さらばだ、ヤング」
省10
[312]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/18(土) 01:22:48 ID:???
「モリサキ! モリサキ、いるか!?」
その一団が駆け込んできたのは、森崎隊が次の攻撃に備えて準備を整えようとしていた頃のことである。
「どうした……って、トニーニョ!? お前、どうしてここに……!?
それに、その傷……」
出てくるなり森崎が目を見開く。
傷ついた一団、傭兵たちの先頭に立っていたのはトニーニョである。
そこかしこに巻かれた汚れ布に滲む血は激戦を潜り抜けてきたことを示していたが、
省38
[313]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/18(土) 01:23:49 ID:???
***
「―――ヤング・マジョラムの子らよ、聞け!!」
その声は朗々と響き渡り、いくさ場を駆け抜ける。
「我が名はヴァルファバラハリアン八騎将が一、『疾風』のネクセラリア!
貴様らが将、ヤング・マジョラムは我が槍で討ち取ったり!
誰ぞ、仇を討つ気概のある者はおらぬのか! 我はいつでも受けて立つぞ!!」
それはいくさの昂揚に任せた挑発であり、あるいは誰も名乗り出てはこまいという侮蔑であり、
そしてまた、散った勇士への手向けでもあった。
省19
[314]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/18(土) 01:25:06 ID:ab6Q1276
***
「……」
森崎は、じっとその声の主の方を見やっている。
「……モリサキ。俺は、お前に任せる」
トニーニョが、拳を握って森崎の胸鎧を叩きながら言う。
その様子に何を感じ取ったか、慌てたようにネイが口を開いた。
「お、おい。やめとけよ、モリサキ。あのヤング隊長でも勝てなかったんだぞ」
「まあね〜。隊長がこんなことになって、君までやられたら、僕らはオシマイだからね〜。
そこんとこ、よく考えてほしいかな〜」
省19
[315]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/08/18(土) 01:26:46 ID:???
******
この後は個人戦闘、それを飛ばせば戦後処理、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。
[316]Q513 ◆RZdXGG2sGw
:2012/08/18(土) 05:25:10 ID:???
A
ここは勝負。ヤングの仇をとりたい
[317]さら ◆KYCgbi9lqI
:2012/08/18(土) 07:40:25 ID:???
A
こういう時に一騎打ちを受けないで騎士を目指すってのは虫が良すぎる気がします。
[318]源氏 ◆rLDAH8Hy8Y
:2012/08/18(土) 07:52:40 ID:???
A
「俺達は傭兵だ。一騎討ちなんて騎士道物語はそれこそ騎士様に任せておけば良い」
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って思ったのだけど、森崎は騎士叙勲を目指していたのであった。
ここで撤退してしまっては、生き残っても意気消沈して傭兵隊を除隊・逃げ出す者達が出るかもしれない。
この一騎討ちが傭兵隊の今後を左右することになるはず。
厳しい戦いになるでしょうが、CPEPの注ぎ時というヤツですかねっ
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0ch BBS 2007-01-24