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1- レス

【貴公子達の】Another-CU_7【憂鬱】


[523]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/23(金) 14:14:58 ID:???

<フィレンツェ中心部/ホテルアルバ>

フィレンツェの中心部であるサンタマリア・ノヴェッラ駅から僅か200mの好立地。
最高級にまでは遠く及ばないが、それでも一般の観光客が愛用するミドルクラスホテル。
それがバルサBのフィレンツェでの宿泊地であった。

ディエゴ・ブランドーはホテルアルバ敷地内の、よく整備された中庭でエスプレッソを飲んでいた。

ディエゴ「………」

グランディオス「ここに居たのかディオ。」

ディエゴ「む… ペップか。」
省22

[524]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/23(金) 14:16:09 ID:???

グランディオス「ユースとはいえ、頂点に立っておきながらチームの破産で4部落ちか。」

ディエゴ「フロレンティア・ヴィオラのことか。」

グランディオス「うむ。 そんな状況でチームに残り、あまつさえWトーナメント出場を狙っているらしいじゃないか。
         尊敬すべきハングリー精神だ。 中央政府から弾圧を受けつつ、それを跳ね返してきたカタルー
         ニャ民族の反骨精神に通ずるものがあると思うぞ。」
省37

[525]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/23(金) 14:17:13 ID:???

ディエゴ(相変わらず滑稽な奴だ。 サッカー選手なんかよりコメディアンの方が余程向いてるぜ。)

笑いを噛み殺し、ディエゴは少しだけ瞼を閉じた。
血液が沸騰するかのような彼自身の熱量の中に黒い液体による熱が注ぎ込まれた。
10月後半における夜風は既に肌寒いが、ディエゴには丁度良いくらいに心地良かった。

ディエゴ(グランディオス… お前はクライフという男をまるで分かってない。 ま、神格化するのは勝手だがな。 省38

[526]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:44:26 ID:???

 〜 翌朝 AM10:00 〜  <フィレンツェ/フィレンツェ・ペレトラ空港>

一夜が明け、日も大分のぼった午前10時の頃。
ある人物がフィレンツェの玄関口であるペレトラ空港に降り立った。
             ,   ,
            、 !  /
         l  ! .l
          ,ゝ-!‐'‐- 、._
        /         ヽ、
.      /  ,r          ヽヽ
     ,!  / !. !       l /r.i 省46

[527]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:45:35 ID:???

トゥイティー「今日はいいんちょのお願いで視察にきまちた。
       出来るだけ秘密裏にって聞いてまつけどよくわかんないでち。
       だってボクまだひよっこなんでち、ヒヨコだけに。」

トゥイティーの言う視察とは無論ヴィオラとバルサBのテストマッチの観戦である。
『試合の結果および経過詳細を報告せよ』という氏の命により、彼は遠路はるばるやって来たのだが…
このトゥイティー、可愛い外見と裏腹にかなり腹黒い性質だった。
省38

[528]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:46:39 ID:???

トゥイティー「大監督! お初にお目にかかりまちゅ、FIFAのトゥイティーでち!」

クライフ「おや、キミがそうか。」

トゥイティー「はいでち!」

ヘンドリック・ヨハネス・クライフ… つまりはヨハン・クライフその人である。
機械仕掛のオレンジを率い、机上の論理であったトータルフットボールを現実の物とした史上最高峰の選手。
それだけでなく現在はFCバルセロナのトップチーム… いわゆるエル・ドリーム・チームをて率い、前年度は見事 省28

[529]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:47:45 ID:???

保護意欲を掻き立てそうな満面の笑顔で了解の意を示し、トゥイティーはタクシー乗り場へ誘導を始めた。
そして彼は歩きながらもクライフという大人物を持ち上げるべく口を動かし続けた。

トゥイティー「しかし流石は大監督でち。」

クライフ「何がだね?」

トゥイティー「あの人を遠路はるばる呼びつけるなんて、大監督以外の人には出来ない相談でち。」

クライフ「そんな事か。 過去の私との因縁と、現在のヤツ自身の状態。 省14

[530]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:48:50 ID:???

〜 翌朝 同AM10:00 〜 <フィレンツェ/フロレンティア・ヴィオラ練習グラウンド前>

同時刻、テストマッチが行われる予定の練習用グラウンド。

モニカ「今日は非公開だったのね・・・ 全然知らなかった・・・」

モニカ・センペルテ・ディマーレは自身の間の悪さに落胆していた。
いや、落胆というよりもはや絶望と言ってしまって構わない。
色々と顔を出し辛い気持ちのなか、それでも声をかけて貰った義理を無視するのは忍びないと、 省22

[531]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:49:52 ID:???

入場拒否を受けながらもウロツキ廻ってれば、不審の目を浴びたり注意されたりするかも知れない。
しかし今の彼女の精神は捨て身というかヤケクソである。
せめて顔を出した事を選手に伝え、見学に誘ってくれたミハエルの面目が保たれるようにしたかった。
あれからもう随分時間が経ってしまった手前、手遅れかも知れなかったが。

そうこうするうち、彼女は裏口駐車場の前にやって来た。
当然のごとく見知った選手の姿はなく、代わりに警備員が3人立っているのが確認された。
省24

[532]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:52:31 ID:???

プシュー ザッ

バスの扉が開き、人が順次降りてきた。
モニカに視線を向ける者は少なかったが、中には『ヒュー♪』と愛想を示す者も居た。
モニカは三杉のチーム(プリマヴェーラ)以外は知らないが、それにしても初めて見る顔ばかりだった。

モニカ(・・・・・・!)

その中でモニカの目は一人の青年の姿に釘付けられた。
外見的な魅力によってそうなったのではなく、目が合った瞬間、言葉に出来ない圧力に怯んだのである。

ディエゴ「フン・・・」
省25

[533]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/08/26(月) 15:54:04 ID:???

フェルディナンド「チッ、なんだ? さっさと行け。 でないと警備員に摘み出させるぞ。」

苛立ちの一切を隠す事無く、相手は高圧的な物言いをしてきた。
しかしそれは言葉だけの圧力であり、モニカが怖さを感じる程ではなかった。

モニカ「あの・・・。 ヴィオラの選手に伝言をお願い出来ませんでしょうか? 誰でも構いません。
    モニカという人間が見学に来たけれど、非公開と聞いて帰ったって・・・ それだけお願いします。」
省22


0ch BBS 2007-01-24