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1- レス

【SSです】幻想でない軽業師


[195]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/08(木) 23:51:11 ID:???
ムラサ「ぬえはどうなの? あんたなら身軽でいいでしょ」
ぬえ「ん……」

そして話を振られたのは、この命蓮寺に居候をしているぬえである。
ムラサの言う通り、彼女はこの命蓮寺において大きな役割というものは持っていない。
住んではいるが、お勤めを手伝う訳でもなく。日がな一日ぶらぶらしている。
一番身軽であり、一番暇を持て余しているのがぬえだった。
ならば留学に行って貰っても問題無いのではないか、というムラサの意見は至極まっとうなものだったが……。
省64

[196]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/08(木) 23:53:04 ID:???
となれば他に行けそうな人物など、そう多くは残っていない。
この命蓮寺の代表である白蓮を除けば、自然と絞られてくる。
一同は一度、視線を椛へと集中させ――これを受けた椛は、やや俯きながら、苦笑しつつ口を開く。

椛「……申し訳ないッスけど、自分も妖怪の山の仕事がありますから。 3年なんてとてもとても……」
ナズーリン「ああ……まあ、そうなるだろうね」

元々彼女も妖怪の山に所属をしており、手に職を持つ妖怪であった。 省56

[197]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/08(木) 23:54:05 ID:???
ならば――と、一同は視線を縁側へと向けた。
ここまで話し合いに一度として参加をしていない……この命蓮寺のキャプテン。

白蓮「佐渡くんは……どうでしょうか?」
佐野「………………」

いつものように名前を間違える白蓮に、もはやツッコミを入れる事なく。
佐野満――椛同様、ボッコボコのケチョンケチョンにしてやられてしまった男は、縁側で静かに黄昏ていた。

ナズーリン「……やめておいた方がいい、聖。 今の彼には心の休養が必要だろう。 それと、彼の名前は佐野だ」 省21

[198]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/08(木) 23:56:07 ID:???
その原因といえば、やはりあの大敗が原因なのだろう――と、一同は考える。
反町より後に幻想郷へと呼び出され、命蓮寺へと所属をし、これまで切磋琢磨をしてきた。
幻想郷内の大会で栄光を掴み、かつてからは想像も出来ない程の力をつけた反町に対し、
羨望と嫉妬とを混ぜたような複雑な感情を持ち合わせていた佐野。

そんな彼が初めて反町と対峙をしたのは、命蓮寺としての練習試合。 省31

[199]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/08(木) 23:58:19 ID:???
一旦ここまで。

[200]森崎名無しさん:2018/02/09(金) 02:18:11 ID:???
乙でした
佐野くんすっかり大人しくなっちゃってまあ
復活の軌跡楽しみに待ってます

[201]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:24:30 ID:???
となると結局、誰も留学に行かせる者がいなくなるという結論になってしまう。
その後も一同は喧々囂々と議論を重ねるのだが……。

魅魔「ちょいと邪魔するよ」
白蓮「あら?」
星「ああっ、魅魔さん! お久しぶりです!」

不意に聞こえてきたのは、件の佐野の師匠――魅魔の声であった。
佐野の師匠として普段から命蓮寺で過ごしていた彼女であったが、Jrユース大会が終わってからというもの、姿を見せない。 省32

[202]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:25:53 ID:???
魔理沙「よう」
小町「あれっ、魔理沙じゃないか?」

普通の魔法使い――霧雨魔理沙の姿が、そこにあった。

魔理沙「しかし……改めて見るとどういう集まりだこりゃ?
     寺の連中はともかく、死神に人食い妖怪に白狼天狗。 とんと共通点が見当たらんぜ」
椛「まあ、話せば色々長いッスよ」
魔理沙「じゃあいいや。 そこまで興味はない」
魅魔「バカタレ、興味が無かろうが話くらいは聞いとけ。 少なくとも、あたしがそこそこ長い間滞在したチームの事だ」

パコッ
省34

[203]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:27:08 ID:???
魅魔「……あいつはまだあの調子かい」

大会後、魅魔が一旦命蓮寺のメンバーから離れ魔界へと向かった際、彼女の気がかりとなったのが佐野の事である。
試合中、点差が決定的となった時から糸が切れた人形のように脱力し、試合が終わってからも立ち直る素振りすら見せなかった。
果たしてそんな彼を置いていって大丈夫か――と、後ろ髪を引かれながらも、
しかし、今後を考えて神綺たちと共に魔界へと戻った。
省31

[204]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:29:14 ID:???
軽く声をかけてみても、返ってくるのは上の空の返事。
一目魅魔を見て、しかしすぐに視線を虚空へと向けて溜息を吐く佐野を見て、いよいよもって重症だと魅魔は悟る。

魅魔「(落ち込む事こそあれど……こいつはそこまで引きずるタイプには思わなかったがねぇ。
    ……まぁ、こういう事もあろうさ)」

体育座りこそしていないものの、ジメジメとした佐野の態度に眉を潜めながら、
それでも魅魔は佐野の隣へと腰かけた。

魅魔「……ちゃんと飯は食ってるかい?」 省51


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