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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】


[448]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:36:07 ID:4xvP23YM
早乙女「うちの、早乙女家のご先祖様についての話よ。
    昔々、安芸の国、早乙女家が広島の大名だった毛利家に仕えるお侍様だった頃の話。
    関が原で敗者となった毛利家は領地を減らされたうえ、広島から山口へと移るよう命令されたのは知っているわね。
    家来である早乙女家もついていかなければいけなくなった訳だけれども、
    その頃の家中は身分が低く貧しかったから、更に狭くなった見知らぬ領地への移住、
    それ以前にそこまで行くまでの食べ物すらなくて、みんな途方に暮れていたそうね。
    調達の目途もつかず困り果てた一族の当主は、
    早乙女家代々の守り神を祀る鏡山に向かって、これからどうすべきかを伺おうとしたの」

何やら聞き覚えのある地名が耳に入る。既に母親は聖薇だけではなく、僕達全員を見据えるように視点を移していた。

早乙女「巫女の体を借りて現れた神様は当主に、2つの授け物を渡しました。
    1つ目は鎮守の森になる実から作られたトチ餅よ。
    神力のこもった餅を噛み続ける間空腹を感じず、力尽きる事無く歩き続けられると告げられたの。
    お告げに従い一族皆神様の餅を移動中ずっと噛みながら向かったら、
    他の食べ物を一口も入れず1人も欠ける事無く、領地に無事たどり着けたというわ」

聖薇「広島から山口まで。大変だったでしょう」
千早「お餅にそんな力が」
あずみ「あんたのところ、昔は結構苦労してたんだねえ。で、もう1つの授け物って?」
早乙女「ふふふ、それはね」


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