キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【さらば】森崎in異世界完結編【遠き日】

1 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:18:50 ID:???
キャプテン森崎外伝 〜森崎in異世界トーナメント〜


http://intermezzo.cool.ne.jp/report/Lupin/R3_temp.swf?inputStr=
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このスレは以前〜キャプテン森崎ロワイアル〜のタイトル名でそのあまりの
タイトルと内容の違いに遂にタイトル変更となった前代未聞なスレです。
その内容は森崎を中心に色々な作品のキャラとサッカーさせようとする無謀なスレでもあります。
なのでサッカー描写はかなりぶっ飛んだものとなりますが(武器とか魔法とか普通に使用します)
ですがサッカー的に流石にこれは…という場合は遠慮なく突っ込みどうぞ。
キャラ描写は特に気を使ってやるつもりですが、おかしいと感じたときはこれまた遠慮なくどうぞ
なるべく対応してきます。雑談、ご意見、作者への批判等も随時受け付けております。お気軽にどうぞ。

44 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:46:12 ID:???
レナス「さて…次はお前だなデスマスク」

デスマスク「ま、待て!俺はお前の…」

何か言いかけるデスマスクを遮るように彼の体が光に包まれ、徐々に昇ってゆく。

デスマスク「レナス〜ッ!!!」

それでもデスマスクはその流れに逆らうように懸命にもがきながら叫び声を上げる。その勢いたるやそのまま
またこちらに舞い戻ってくるのではと思わせる程であった。それを見てレナスは呆れた様に小さくため息をつく。

レナス「分かった…分かったから…だから叫ぶのはよせ…まずは自分の世界でやるべき事があるのだろう?
全てはそれを終えてからだ…」

デスマスク「!?……クククク…ならばさっさとケリを付けてすぐお前の元に戻ってくるぞ!
レナスよ待っていろ!!ワ〜ハハハハハ!!」

ヤン(彼女も大変な人物に目を付けられたな…根は悪い人物では無いとは…思うが…)

レナスの何かを諦めたような口調の言葉を聞くや否や表情を輝かせ高笑いを見せるデスマスク。

ピエール「デスマスクさん!お元気で!!」

デスマスク「ん?ああ…お前達も精々気張れよ」

森崎(うわぁ…何このぞんざいな扱いは…)
シュナイダー(まぁ…あの人らしいといえばらしい挨拶だな…)

一体先ほどの姿は何だったのかと問い質したくなるほどのピエールの言葉に対するそっけないデスマスクの言葉だったが、
短い付き合いながらもそれこそがデスマスクなりの別れの挨拶だという事は森崎たちも理解はしていた。
その証拠に彼のいつも吊り上げられている口元が緩んでいるのが見えたからである。
そして黄金の光もこの世界から去っていった。

45 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:47:31 ID:???
レナス「さて次は…」

ヤン「ちょっと失礼…少し待ってくれないか?すぐに済む」

レナスが次はヤンの方へ視線を向けると、ヤンはそれを制するように手を上げ、そして森崎達の方へと
視線を移し、ゆっくりと語りだす。

ヤン「ジョアン氏のお陰で我々はこちらの世界の記憶を持ったまま元の世界に戻る事になる。私などはもう二度と
サッカーをプレイするという事は無いだろうから、それは思い出でしかないが、サッカー選手である君達には
経験という点で大きなアドバンテージになるだろう。ただ気を付けて欲しいのは、あくまで持ち帰るのは記憶のみであって
能力では無い…という事だ」

シュナイダー「つまり…こちらの世界で身に付けた事は元の世界の肉体には反映されていない…という事ですよね?」

ヤン「そういう事だ」

森崎「う〜む…いくら時間が止まっているとはいえそれはそれで納得いかないな…」

無論ヤンの言うとおり記憶だけでも持ち帰れるという時点で大きなアドバンテージではあるが、こちらの世界で
やってきた事はシュナイダーやピエールといったライバル達との切磋琢磨もそうだが、ヤンが立てたプランに基づいて
的確にアルスの回復魔法を駆使して通常行う数倍の練習を強引に、しかも短期間でこなしている為、元の世界で普通に
練習するのとは密度も意味合いも全く異なってくる。単純に言えばこちらの1ヵ月を取り戻すには元の世界では数倍…
いや効率まで考えると下手をすれば1年以上掛かるかもしれなかった。

ヤン「まぁそこで…というほどの物でもないが、これまでの試合の君達のプレイを分析して私なりに纏めたものだ。
本当はもっと早く渡すつもりだったんだが…ジョアン氏の持論なども聞くことが出来たからそれも付け足しそうと思って
ギリギリになってしまった…とは言っても所詮は素人の分析だからどこまで役に立てるかは分かりかねるがね…
まぁ私が持っていても無用の長物になってしまうだろうからね。出来れば貰ってくれるとありがたい」

そしてヤンはそれぞれにメモ帳を渡してゆく。貰ったメモ帳に軽く目を通す森崎たちの表情が変化を見せるのには
さほど時間は掛からなかった。

46 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:48:46 ID:???
ピエール「そんな…無用だなんてとんでもないですよ…これは…」

シュナイダー(これは…凄いな…ここまで細かく分析されているとは…プロのスコアラーでもここまでは出来ないはずだ…)

森崎(オイオイ…この分析によると俺なんて弱点だらけじゃねぇか…)

ざっと目を通しただけだが、自分というのを分析するのにこんなにも枚数を費やす必要があるのかというほどの情報量で、
しかも自分では絶対に気が付きようのないような癖、プレースタイル、更には注意点などまで網羅されていた。
確かにこのメモ帳があれば練習効率の面では大幅に改善されるというのは間違いなかった。

ピエール「わざわざ俺達の為に…ありがとうございます」

ヤン「まぁ役に立ちそうなら何よりだ…出来れば君達がせめぎ合う試合も見てみたかったが…まぁこればかりはね…」

シュナイダー「そうですね…」

森崎「……」

手渡されたメモ帳を見ながら、思えばヤンには最初から最後まで世話になりっぱなしでこちらから何かをするという事は
ついぞ無かったような気がする。そしてそれに気が付いたとき自分がいかに周りが見えていない子どもだったという事を
否が応にも自覚させられた。そしてそれはシュナイダーやピエールも同じだったようで、三人とも何となく黙り込んでしまっていた。
そんなしんみりとした空気の中でレナスから声が掛かる。

47 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:50:28 ID:???
レナス「悪いがそろそろいいだろうか?余り時間が無いのでな…」

ヤン「ああ…済まない…やってくれ」

そしてヤンが光に包まれゆっくりと上昇してゆく。

シュナイダー「提督!本当に色々とお世話になりました!!」

森崎「提督には世話になりっぱなしで何も出来なかったけど…色々とありがとうございました!!」

ピエール「どうか末永くお元気で!!」

だからせめて最後に自分の思いの丈をぶつけるようにそれぞれが大声を張り上げる。
それに対し魔術師は柔らかにそして静かに微笑んだ後、姿を消した。

シュナイダー「皆行ってしまったな…」

森崎「ああ…」

これで残るは自分達だけ。そして無言でいるピエールをチラリと見ると、まるで捨てられた子犬の様に今にも
泣き出しそうな表情だった。しかし今ばかりはそれを茶化す気にもなれない。自分も少しでも気を抜くと
同じようになるのは明白だったからだ。

レナス「さて…残るはお前達だな…」

レナスの言葉で何となく周りを見渡すとこの世界の殆どが闇に覆われていた。そして少し離れた所に
ジョアン、アルシオン、コインブラの姿が目に入る。その表情は全てを受け入れ、とてももうすぐ消える運命とは
思えないほどにすがすがしいものだった。彼らがもはや森崎たちに声を掛ける事は無い。彼らとしては対話ならば
先ほどの勝負で終えており、そして加害者である自分達が偉そうに見送る資格も無いと思っているからだ。
そして彼らが無言で見守る中、森崎達は光に包まれ、ゆっくりと上昇してゆく。

48 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:51:29 ID:???
森崎「…くそッ…!!」

シュナイダー「モリサキ…?」

森崎「来いッ!!」

そんな何も言おうとしない彼らに気が付けば森崎は叫び、自らの手をジョアン達に差し出していた。
勿論そんな事をしたところでもう無駄な事は分かっていた。しかしそれでも森崎は手を差し伸べたかったのだ。
もしかすると同じ運命を辿っていたかもしれないある意味自分と同じ境遇の彼らに。
それに対しジョアンは静かに微笑んだ後ゆっくりと首を振り、唇を動かす。しかしもはやそれを聞き取れる距離ではなかった。
だが唇の動きで何を言ったのかははっきりと分かった。

ピエール「ア、リ、ガ、ト、ウ…か…」

シュナイダー「…確かに彼らがしでかした事は許される事では無いだろうが…しかしやり切れんな…」

森崎「くそッ…何がありがとうだ…勝手に呼び出して勝手にハイさよならって…本当最後の最後まで気に食わない奴だぜ…
あのジジイはよ…これじゃあいつらの事俺達が覚えといてやるしかねぇじゃねぇかよ…!」

ピエール「そうだな…だからこの世界の事…彼らのプレイ…そして彼らの思いを俺は絶対に忘れない…」

森崎達の目の前には光が徐々に広がってゆき、それにつれて意識が遠のいてゆく。

森崎「…忘れたくとも…忘れらんねぇよ…こんな事…」

遠のく意識の中で森崎がポツリと呟いたこの言葉がこの世界で発せられた最後の言葉となり、
彼らはそれぞれが在るべきところへと戻る。そしてこの世界における最後の異邦者、戦乙女が姿を消したと同時に
一つの世界が幾多の記憶と共に終焉を迎えた。

49 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:52:31 ID:???
「……なさい…起きなさい…有三」

(ん?何だ?誰だ?)

誰かが自分を呼ぶ声がする。それはかつてはいつも日常的に聞いていてそれでいてどこか懐かしい声。
その声に導かれるように森崎有三はゆっくりと覚醒した。

「いい加減起きなさい!有三!!」

「うわッ!!」

だが導かれるというよりは一般的にそれは叩き起こされるという方が正しいだろう。一気に布団を剥がれ
否応無しに起きる羽目になったのだから。そして未だはっきりしない意識で目の前の人物をぼんやりと見詰める。
その顔には見覚えがある…というよりあって当然で、森崎の母親であった。

「え?あ?ここは…あれ?どこだ?」

異世界での記憶と今の現実の記憶が混濁して目の前に母親がいるという事実とここが自分の部屋という事を
認識するまでしばらくの時間を要した。

「もう…何を寝ぼけてるの。今日は朝練だから早く起こしてくれって言ったのは有三でしょう?
朝ご飯は出来ているから早く着替えて来なさい?」

渋々気だるげに体を起こしながらも、何故か違和感を感じる。今の現実こそがいつもに日常的に行われてきたはずなのに。
そして森崎は立ち上がろうとして自分が両手に何かを握りこんでいるのに気が付いた。

「これは……やっぱり夢じゃ…ないんだよな……俺は…戻ってきたのか…」

右手にはオールスターズメンバーの名前が書かれたスコアブック。左手にはヤンから貰ったメモ帳があった。

50 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:53:32 ID:???
「はぁ…お袋の料理ってあんなに味気なかったけなぁ…」

久方ぶりに食べた母親が作る朝食に何となく物足りないものを感じながら森崎はとぼとぼと通学路を歩いていた。
そこでふと気が付く。

「ん?でも向こうの世界で食ってたのって結局何だったんだ?…そういやヤン提督が言ってたな電脳世界って……」

何となくそれ以上は精神衛生上宜しくないと判断して考えるのを止め、それを振り切るように
今度はヤンから貰ったメモ帳にじっくりと目を落とす事にした。

(…何々…セービング技術は素晴らしいがそれ故にそれのみに頼り過ぎる傾向があり、試合後半息切れする
最大の原因でもあるか…ちぇ、初っ端から痛いとこ付いてくるねぇ…試合データによると…うわぁ…
俺って浮き球でも全然飛び出さないのな…やっぱもう少し選択肢は増やさねぇとなぁ…でこれを解消するには…
フムフム成る程なぁ…いやあ本当に良く分析してるぜ。あの人の頭の中一体どうなってんだろうな?
…後は…ゲッ!このままやってるといずれ腰をやっちまうだって?ウムム……ほう…こんな練習方法もあるのか…
この練習方法なら腰にもそんなに負担を掛けなくても良さそうだ…ん?この練習プランって…ジジイ考案なのか…)

メモを読みふける森崎の耳に突如ボールが弾む音が飛び込んでくる。何となくその音源の方へ視線を向けると
天下の公道でサッカーボールをドリブルしている少年…大空翼が目に入る。そして翼の方も森崎に気が付くと
あからさまに嫌悪感を示しながら顔を逸らす。ここでもし以前の森崎であったならば同じように不快感と共に
翼から目を逸らし、悪態のひとつでもついていた事だろう。

(やっぱり向こうでの記憶は無いみたいだな…)

しかし森崎は特にそれを気にするでもなく、今の態度でやはり翼から異世界の記憶は無くなっていると冷静に分析を行っていた。
もし記憶があれば今の自分みたいに違った反応を見せるはずだからだ。無論それでも翼に対して完全にわだかまりが
無いかといわれれば流石にそこまでは無かったが。だが翼に対して無闇に敵対心をもつ理由はもはや森崎の方には無かった。
だからこそ気づき得たのかもしれない。異世界で見せられた別世界の大空翼と目の前の大空翼の違いに。

51 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:55:09 ID:???
(あいつ…あんなに無表情でボールを蹴ってたか?)

異世界の大空翼はサッカーが好きで好きでたまらないというのが全身からオーラとなって出ていると錯覚させられるほど
サッカー馬鹿で、とにかくサッカーボールを蹴るのが楽しくてしょうがないといった感じだった。では今自分から逃げるように
ドリブルを行う大空翼はというと…無表情でただボールを蹴っているという感じで、下手をすれば義務でそうしているのかと
思われるほど無機質な感じがした。

(いつからだ?昔からあんなんじゃなかったはずだが…)

少なくとも小学生時代は別世界の大空翼のように無邪気にサッカーボールを蹴りまわしていたような気がする。
ではいつから今の大空翼のように無機質になってしまったのか。そして何故そうなってしまったのか。

(やっぱり…俺の…せいなんだろうな…)

思い当たる節はいくらでもある。大まかなところで言えば南葛中三年時のキャプテン選挙…それまで順風満帆な
サッカー人生を歩んでいた大空翼を自分が蹴落とし、初めて挫折を与えた。そしてJrユースでもキャプテンに任命され、
優勝の立役者でさらにはMVPに選出された。かたや翼はというとアルゼンチン戦での退場であやうく戦犯扱い。
そしてベストイレブンにさえ入れずと、優勝という栄冠こそ手に入れたものの散々な結果だった。それらの事が
彼からサッカーを楽しむ余裕を奪った要因の全てとは言い切れないが、一因というのは間違いなかっただろう。
無論だからといって今まで自分のやってきた事を否定するつもりは毛頭無い。それらは全て自分の努力
(余り褒められた内容でないのも含まれているが)で勝ち得たものだからだ。逆にそうしなければ別世界の森崎有三のように
自分も翼の引き立て役に甘んじていた事であっただろう。だから翼の今の現状に対して同情心というのは全く沸かない。
実力勝負というのはそういうものだからだ。しかし森崎には引っ掛かる事が一つだけあった。

52 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:56:30 ID:???
(向こうでの事を覚えていない…って事はやっぱりこれって翼に対して俺が借りを作ってるって事だよな…)

ラブマリーとの試合で敗退した翼に貸しを作り、それを最終戦で返して貰った。ここまではいい。
ただ翼が向こうでの記憶が無いと言うのなら話は変わってくる。何せ自分が作った貸しすらも覚えていないのだから
当然無効ということになり、対してこちらには返して貰ったという記憶はばっちりと残っているのだ。
となればすなわち今は森崎が翼に対して借りがあるという事になる。

「はぁ〜…となりゃやっぱり借りは返さんと駄目か…それにあいつがあのザマじゃ“あいつら”に
対抗できないだろうし…たく仕方ねぇな」

盛大にため息を付く森崎だったが、翼には異世界の記憶が無いのだから知らぬ存ぜぬでも全然通せたはずで、
以前の森崎ならば確実にそうしたはずだろう。しかし今の森崎が取った行動は前方をドリブルでひた走る翼を
追うべく駆け出していた。

だがこの時森崎は気が付いていただろうか。翼に借りを返すという名目は所詮自分に対する
理由付けでしかないという事に。もし仮にこの“借り”が無くとも同じように駆け出していたであろう自分に。

「お〜い!翼〜!!」

そして森崎の己を呼ぶ声に翼は何事かと驚きを見せながらゆっくりと振り返り────

53 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:58:11 ID:O8af4spc
これで更新ageと
ひとまずここまでで、次からは個人個人のエピローグで、三回に分けて投下するつもりです。個人でと言っても
基本原作に繋げるという設定ですので簡潔に終わります…が、ただ一人だけ本編でケリが付いてないので
その人は長くなる…というか何で森崎版でモビルスーツが出てくるんだとおしかりを受けそうな位ちょっとした短編になりそうです…
おかしいなぁ…構想段階だともっと簡潔だったはずなのに…それではまた次の更新で〜

54 :森崎名無しさん:2010/07/09(金) 12:11:33 ID:XKB+uNKg
乙でした。
提督・・・・

55 :森崎名無しさん:2010/07/10(土) 10:12:29 ID:???
>>というか何で森崎版でモビルスーツが出てくるんだとおしかりを受けそうな位ちょっとした短編になりそうです
剣と魔法のファンタジーやら光の巨人が出てくるスレもあるし、今更モビルスーツの一体や二体誰も気にしないはずでござる

56 :森崎名無しさん:2010/07/11(日) 02:37:27 ID:???
森崎がリオカップ編でキャプ森コインブラと遭遇したときの反応が気になる


57 :森崎名無しさん:2010/07/11(日) 18:37:33 ID:???
もしガンダムでなくマクロスだったら柿崎無双が見られ…やっぱないわw

58 :森崎名無しさん:2010/07/11(日) 18:38:44 ID:???
このスレで柿崎が出てたとしたら…

イデオンガン!→柿崎ィィィィイイ!!

この流れしか思いつかねぇw

59 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:15:31 ID:GQpk4hT6
>>54 ……

>>55 まぁそれはそうなんですが…w判定や選択とは全く無関係で出てくるのでまぁ一応ですねw

>>56 そこらへんのフォローも入れるつもりだったんで、この先にご期待って…程でもないですが…w

>>57 ないでしょうw柿崎だけじゃなくてマクロスの人はいくらマックスとかが天才ゆうてもあくまで
人としてはノーマルですからねぇ(あ、そういえばマックスは巨人化してたっけ)…でもよくよく考えると歌的に
うちのスレでは強いかもしれませんねwただ実はマクロスはスパロボ知識しか無かったりして…

>>58 柿崎ィィィィイイ!!→死んだと思ったらそんな事は無かったぜ(αVer)

ではエピローグ第一弾です。原作ぽくしたので短い人は本当短いですw

60 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:16:39 ID:???
「ファイアーエムブレム」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4240522

光の魔道士 リンダ

英雄戦争で三度ガーネフと合間見えるがこれを遂に討ち取る
戦争終結後はパレスの魔道学院ではたらく
好きな人がいるのか最近とても美しくなった

アリティアの騎士 ドーガ

英雄戦争では常にその身をさらし皆を守り続ける盾となった
戦争終結後はマルスの命を受けてグルニア守備隊の隊長となる
そこでサッカーなる新しい球技を子ども達に教えている

神竜族の王女 チキ

時折寂しそうな姿を見せ周りに心配を掛けていたが
パレスでバヌトゥやみんなに囲まれてしあわせに暮らしている

61 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:17:44 ID:???
「ザナルカンドにて」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4158500

少年は何処か暗い水の底で漂っていた。その少年の周りにこの世界では幻光虫と呼ばれる
人魂のようなものが集まっていく。少年はその光に促されるように気が付き目を覚ます。
そして一旦大きく伸びをすると、そのまま水面を目指し泳いでいく。
少年を出迎えたのは燦燦と輝く太陽と、ビサイド島と呼ばれる島の海岸。

「ハハ…戻って来れたッスか…全く…そうならそうとあの女の人も言ってくれればいいのに…」

そしておもむろに少年…ティーダは口笛を吹く。まるで自分の存在を誰かに知らしめるように…


「Introduction」
http://www.nicovideo.jp/watch/nm7621630

ようやく覚えたボーゲンでなんとか麓のレストハウスまで辿り着き、ぼくは一息ついていた。
真理はそんなぼくの目の前で、雪をけたてて鮮やかに止まった。
ゴーグルが粉雪まみれになって、何も見えない。
「あは、透ったら、雪だるまみたい」
真理の笑い声が聞こえる。
ぼくはゴーグルをはずしながら、からだについた雪を払い落とした。

A「どうせぼくは滑るより転がる方が似合ってますよ」
B「そ、そんなに太ったかな?」
C「オールスターズの皆…どうしてるかなぁ…」

62 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:18:49 ID:hi6HmHxc
C

63 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:19:11 ID:???
「そして伝説へ…」
http://www.nicovideo.jp/watch/nm5273491

「ハァ、ハァ、ハァ…」

息も絶え絶えながら精も根も尽き果てアルスはその場に大の字になって倒れ付す。
そしてそんなアルスを巨大な竜が見下ろしている。

「みごとだっ! この私をたった一人で打ち負かしてしまうとは……。
 久しぶりに心から楽しませてもらったぞ!」

心底満足と言った風にアルスに言葉を掛ける竜は、この世界では神竜と呼ばれる存在。
自分と戦い、それを打ち倒した者に一つだけ願い事をかなえてくれると言う。
しかし今回のアルスの願いは神竜にとっても容易なものではなく、それ故に神竜も条件を提示した。
──すなわちアルスただ独りで自分を打倒すると言うこと。そしてアルスは今それを見事にやってのけたのである。

「いいだろう。そなたの願いを1つだけ叶えてやろう。さあ、願いを言うがいい。」

「僕の願いは……」

64 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:20:22 ID:???
「誰かが君を愛してる」
http://www.youtube.com/watch?v=cg-HISTo328

「なに!?これは… おのれクライシス!ゆ゛る゛さ゛ん゛!゛ 」

またか…こっちの世界に来てからもう何度目になるだろう。アニキのこの言葉を聞くのは。正直なところ
“あの世界”でもしょっちゅうゴルゴムやらクライシスやら言ってたのは正直戯言かと思ってたんだが…
こっちの世界では本当にクライシスの仕業だから困る…そして当然クライシスが絡んでくるとなれば
アニキがおとなしくしている筈も無く…

「よし!ジャン!早速調べるぞ!」

当然こうなるわけだ…勿論アニキの言葉に俺が嫌と言うはずが無く、快く返事を返す。そうそう“あの世界”じゃ
俺はジョーって呼ばれてたんだが、こっちにも霞のジョーってのがいるし、今更フルネームで呼ぶのも…ということで
ジャンらしい…まぁいいんだが…そして大体このタイミングで狙い済ましたかのように現れるのが──

「光太郎。今回の件…どうも裏がありそうだぞ」

何故か壁にもたれて思わせぶりな言葉を吐くのは“あの世界”で出会ったギリアム・イェーガーと言う男。
何かの手違いなのかギリアムもこっちの世界に飛ばされたらしいんだが、妙な事にこいつには“あの世界”での記憶が
残っているらしい。だからと言うわけじゃないがどうにも胡散臭い野郎だ。まぁ当然アニキは純粋に再会を喜んでけどな…
でも時折アニキを見てはもの悲しそうな表情をすんだよなぁ…過去に何かあったのかねぇ?

「何をしてるんだジャン!早く行くぞッ!!」

おっといけねぇ。柄にも無く物思いにふけっちまった…それにしても悪魔騎士と呼ばれた俺が
今では正義の味方のサポートとはねぇ…本当人生何があるもんか分からんもんだ。ま、後悔はしてねぇけどな。
とにかくこんな毎日だが兄弟達よ…俺は元気にやってるぜ

65 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:21:43 ID:???
「永遠ブルー」
http://www.youtube.com/watch?v=uFP8EHEm4dU&feature=related

(流石に2度目ともなると案外何とも無いものだな…)

己を襲うのは2度目となる死という現実。

(やる事はやった…後は…あのヒヨっこどもに任せれば良かろう…)

しかしデスマスクの心はそれに反してとても満ち足りていた。黄金の意思は青銅に託された。
後は彼らの小宇宙次第…そして女神の聖闘士としての使命を全てやり遂げ今、彼はその時を待つだけであった。
やがてその時は来る──

「やっと…来たか…」

「Behave Irrationally」
http://www.youtube.com/watch?v=eKm3j_k-zc4

デスマスクの前に現れたのは神々しく純白の翼を広げ、蒼穹の鎧をまとった戦乙女。
そして彼女はデスマスクに手を差し伸べゆっくりと語る。

「一緒に、生きましょう」

66 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:22:45 ID:???
「それにしてもせっかく軍隊と言う牢獄から脱出しながら、結婚と言う別の牢獄に志願して入るとは、あなたも物好きですな」

「独身生活10年で悟りえぬことが、1週間の結婚生活で悟れるものさ。よき哲学者の誕生を期待しよう」

「しかし、私が思うに、ヤン先輩の生涯最大の戦果は今回の花嫁ですよ。これこそ奇跡の名にふさわしい。
本来なら先輩なんぞのところへ降下する人じゃありませんからね」

本来なら祝福してしかるべき結婚式の二次会の席にもかかわらず遠慮のない毒舌が飛び交う。
最もこれが彼らなりの祝福の仕方であり、逆にまともにこられる方がヤンとしては対応に困ってしまう。
それに士官学校の後輩が言う事など、ヤン自身すら的を得ていると思わず頷きそうにもなる。

「提督、よくこんな人たちを率いて勝ってこられましたね。裏切り者ぞろいじゃありませんか」

そして被保護者も当然そのリズムは心得ている。彼は最近でこそ、その毒舌に影響されつつあるみたいだが、
基本的にはヤンの味方である。だからここはきっちりと今日の主役であるヤンに反撃の機会を与えてくれた。

「私の人格はかくて陶冶されたのさ」

「「「はいはい」」」

もはやこのような毒舌の応酬はヤンの周りにいる連中にとっては殆ど儀式と言っても良いだろう。
ヤンは苦笑しながらブランデーの入ったグラスを傾けると、ふと店の壁に設置されているTVが目に入った。

「ユリアン…あれは?」

そして彼の被保護者…ユリアン・ミンツに詳細を尋ねる。当然ヤンが尋ねたのはTVの事ではなく、
TVに映っている映像に対してである。それはサッカーの試合であった。

67 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:23:56 ID:???
「え〜と…確か同盟と帝国で交流サッカーを行うってニュースでやってましたね…多分それじゃないでしょうか?」

ユリアンが記憶する限り保護者がこのようにスポーツに興味を持ったことなど無かったように思う。
そんな保護者の姿に少し戸惑いながらも記憶を掘り起こして答える。そして周りの者はと言うと
無論こんな絶好の機会を逃すはずも無く…

「おいヤン…いくら結婚するからと言って今からそんな無理に違う一面を出そうとしなくても良いんだぞ?」

「本当ですよ。ヤン先輩がサッカーに興味を持つだなんて正々堂々プレイしている彼らにとっては冒涜ですよ」

「それとも牢獄に入ったのを後悔してもう新たな新天地を求める気ですかな?」

とここぞとばかりに再び毒舌の集中砲火を浴びせるが、その誘いにも乗らずヤンが食い入るようにサッカーを
見続けるため、逆に彼らが顔を合わせて困惑する羽目になってしまった。

そのヤンの視線の先には威風堂々とした金髪のストライカーと誰が見ても好人物と言った金髪の少年と
ゴールキーパーだというのに無謀にもオーバーラップを仕掛けては観客を驚かせている黒髪の少年があった。
そしてその三人が所属する自由惑星同盟のチーム名は──

「オールスターズ…か」

宇宙暦799年 新帝国暦1年 6月 
歴史は再び激動の時代に向けて静かに動き出していた事を今は誰も知る由も無かった…

「歓送の歌」
http://www.youtube.com/watch?v=v8mRXskUEPs&feature=related

──銀河の歴史がまた1ページ──

68 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:26:07 ID:???
>>62 もしかして勘違いさせちゃいましたかね?これかまいたちの冒頭の文なんですよ。申し訳ない。

と第一弾はここまでです。次回は多分結構な長文になると思いますし、時間も掛かりそうです…
気長にお待ちください…それではまた〜

69 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:27:16 ID:???
乙でした!
>>61でうっかり投票しちゃったんだぜ兄貴!
>>63でギャルのパンティおくれーと叫ぶ豚さん連想しちゃったんだぜ提督!!!

70 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:29:38 ID:???
いやいやCの選択肢は「かまいたち」には無かった言葉
すなわち「森崎in異世界・ピンクのしおり編」開始フラグと勝手に妄想しますが構いませんね!

71 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:32:36 ID:???
乙でした!
と言いたいところですけど、タークのエピローグを書き忘れてますぜwww

72 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:40:48 ID:???
乙!

>>71
きっとエピローグ第二弾の方に収録されているはず!

73 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:41:27 ID:???
シスコン皇帝×2の邂逅とか連想したらニヤニヤがとまらないんだぜ・・w

74 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 13:07:33 ID:???
シスコン皇帝1号「姉は良いものだ、卿もそう思わないか?(姉様、アンネローゼ姉様ハァハァ)」
シスコン皇帝2号「残念だがその意見には賛同しかねる。(マリーかわいいよマリー)」


…かくして銀河の極一部を巻き込む新たな火種が生まれるのだが、今の彼らの知る所ではなかった…。

75 :森崎名無しさん:2010/07/17(土) 12:05:40 ID:???
デス様大往生乙!
デス様大勝利おめ!

デスマスク「私は運がいいです。」

76 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:32:01 ID:???
>>69 無問題だぜ!まぁ表記のしかたが悪かったなあと反省しております…
あれは…咄嗟にしてももっとまともな願い事あると思うのです…

>>70 そ、想像するのは構わんですタイ。まぁウチのスレにピンクなんて期待するだけ無(ry

>>71-72 ま、まさかぁ…忘れるわけ無いじゃないですかwまぁ今回は全く登場しませんが… 

>>73 実際問題カイザーの方がサッカーに興味を持っていなさそうですねw
確かあの人オペラに猪さん随行させるような趣味方面まるで興味なしな人だったはず。

>>74 赤毛の人「誰だお前は!ラインハルト様はアンネローゼ様の事を姉様とは呼ばない!!」
あ、いや別に他意はないんです。赤毛の人だったらこんな事いいそうだなと思っただけで…スイマセンorz

>>75 デス様「前々から思っていたが…いるな…ッ!それも一人じゃあない…!
確実に何人かは俺様のファンがいやがる…!ククク」

77 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:33:19 ID:???
「デビルガンダムはどうなっているか?!」

「未だ交戦中です!!」

ラー・カイラムの艦橋で艦長のブライト・ノアが状況を把握せんと声を張り上げる。その声色には明らかな焦燥が混じっている。

今地球は二つの危機に襲われていた。一つは【デビルガンダム】。元は「自己進化」「自己再生」「自己増殖」を備え
地球環境を浄化する為に開発されたものだったが、ある事件により暴走。以降は人類を地球環境浄化の障害と捉え、
全人類の抹殺を遂行せんとする兵器へと化してしまう。そしてもう一つは──

「ならばアクシズの方は!!MS隊はどうか?!」

「…Zガンダムが敵の防衛網を突破したもようです!」

アクシズと呼ばれる小惑星を地球に向けて落下させ、地表付近での核爆発により核の冬を引き起こす【アクシズ落とし】
どちらか片方でも成就されればそれは地球という星に人が住めなくなってしまう。
その為独立部隊「ロンド・ベル」は否応にも水際での二正面作戦を強いられていた。

78 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:34:27 ID:???
【閃光の中のMS】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5522480

「くッ…!何とか防衛網は突破できたけど…アムロさん達は?!」

幾重もの偶然も重なったのだろうが、幸運にもアクシズへの進行を阻む防衛網をかいくぐる事に成功したのはZガンダム。
しかし他の機体はまだ梃子摺っているのだろうか後続がついて来る気配は全く無い。無論いずれも百戦錬磨のパイロット達。
そのうち突破はしてくるだろうが、現実問題それを悠長に待っている時間は残されてはいない。現にアクシズは今の瞬間でも
刻々と地球に向かって進路を取り続けているのである。

「ッ…!?このプレッシャーは…?!」

その時Zガンダムのパイロットであるカミーユ・ビダンの全身を不快感が貫く。このような感覚を持つ人物はカミーユは
一人しか知らない。自らを歴史の立会人と称し、常に自分以外の他者を見下し、傲慢で不遜な男。だが今回は
その不快感の中に同時に違和感も感じる。その男が普段絶対持ち得ない感情が混じっていたからである。
しかし今のカミーユにはそれについてゆっくり考察している暇は無い。カミーユは意を決しZガンダムを巡航形態の
ウェイブライダーに変形させるとその男がいるであろうポイントへ向かうべくブーストペダルを踏みしめた。


「!?…この不愉快な感覚は…フッ…どうやら腐れ縁…というのは存在するものらしいな」

そして彼の存在をカミーユが感じ取ったのと同じように彼…パプテマス・シロッコも脳髄に軽く疼きを感じながら
カミーユの存在を感じ取っていた。相も変わらず生の感情をむき出して見境も無くその感性を撒き散らし、
常に自分の邪魔をする少年の存在に思わず秀麗な眉を顰めるが、次の瞬間思い直し、口の端を吊り上げていた。
自分の置かれている状況があまりにも滑稽だと思えたからだ。そしてシロッコもカミーユを迎え撃つべく動き始めた。

79 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:35:34 ID:???
「──!!」

脳裏に閃光が迸ると同時にカミーユは操縦桿を押し込める。刹那…赤と青の光芒が螺旋状に絡み合いながら
ウェイブライダーの脇を掠めていく。あと数瞬でも回避行動が遅れていれば今の攻撃で宇宙の藻屑と化していたであろう。
その事にひやりとするも、カミーユには今の攻撃に見覚えがあった。そして事態はもっと深刻なものだと告げていた。

「シロッコはジ・Oじゃない…!?それに今のは…!」

シロッコの愛機はジ・Oという「人型を成したモビルアーマー」とも言うべき機体であったはずだが、
ジ・Oに今のような武装は無い。コンソールを忙しなく叩きメインカメラを最大望遠にして捉えたその機影は──

「ヴァルシオン…」

かつて一人の天才科学者が作りし究極ロボ…ヴァルシオンであった。

【ヴァルシオン】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9473631

ヴァルシオンの火力の前にはZガンダムの装甲など紙細工も同然であり、真正面から直進するのは危険だと判断すると、
ヴァルシオンを中心に反時計回りに旋回しつつ距離を徐々に縮める。そして肉眼でもヴァルシオンを捉えられる距離まで
来たときカミーユは反射的に通信回線をオープンにして叫んでいた。

80 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:36:42 ID:???
「パプティマス=シロッコ!」

『カミーユ=ビダンか…』

「こんなことをして、お前は何をなそうとしているんだ!?」

『…俗人には理解できんだろうな』

「出来るわけがない!あんなものが落ちたら地球は誰も住めなくなる!
お前の名は非人道的な悪行をなした男として忌み嫌われる事になるんだぞ!?」

そう、まるで理解できない。行為そのものも無論そうだったが、パプテマス・シロッコという男がこれを行っていると言う事こそ
一番理解できない。シロッコは確かに傲慢ではあるが、彼の場合その傲慢さは優秀さから来ているところが大である。
パイロット技術も無論の事、政戦両略に秀で、人を引き込むカリスマ性も持ち合わせまさに天才と評すべき人物。
だからこそ大勢が決した今、このように戦略的にもなんら意味の成さない殆どヤケとも言える見境の無い大量虐殺に手を
染めようとするほど愚かな人物ではない。…少なくとも次のシロッコの返答を聞くまではカミーユはそう思っていた。

『ふふふふ…私という存在が人々の記憶に残るのならそれでいい…それだけでな』

「存在?…記憶?シロッコ…何を言っている…?」

一瞬シロッコが何を言っているのか本気で理解が出来なかった。しかしここに来てシロッコから発せられる
違和感の正体に気が付く。彼が抱えている感情…それは絶望だった。

81 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:37:44 ID:???
ヴァルシオンの掲げた右腕から先程見せた赤と青の光芒…クロスマッシャーがウェイブライダーに向けて放たれる。
それを予め読んでいたカミーユはその暴力的な光を回避しつつ間合いを詰めながら機体をモビルスーツ形態に変形させ、
同時に右マニピュレーターでサイドスカートアーマーのウェポンラックからビームサーベルを取り出しそのまま切りかかる。

「シロッコッ!分からないのか!?今お前がやろうとしている事こそお前が忌み嫌う、地球の重力に魂を引かれた
人間のする事と同じだと言う事が!!」

『言ったはずだ…俗人には理解できんとな。しかし人類にとっては善き事を私はしている』

それに対しヴァルシオンも左腕に持たせた接近戦用の実体剣ディバインアームで真っ向から受け止めると、
ビームサーベルの粒子が飛び散り互いの機体を照らし上げる。

「善き事だって…?地球の重さと大きさも理解出来ない奴が何を…!」

『ならば聞くが、その重さと大きさとやらを理解した者が何をしてきた?所詮は天才の足を引っ張る事しか
出来なかったではないか!でなければデビルガンダムのような存在を許すはずが無かろう!』

「そんな事、根暗な感情をむき出しにして言えたことか!!」

『その感性…あくまでも私を否定するか…賢しい事だカミーユ=ビダン。ならば、私をもっと憎め。
憎しみを持って私の名をその心に刻むがいい!』

「ああ、それが望みならそうしてやる!そして、俺はお前を…倒す!」

『フッ…良く吼えた…と言いたいところだが、果たして貴様にそれが出来るかな…少年ッ!!』

そしてヴァルシオンがバーニアを噴かすとそれまで一応拮抗を保っていた鍔迫り合いが一気に瓦解し、
あっという間にZガンダムが押し込まれる形となる。

82 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:39:11 ID:???
『そんな軟弱なモビルスーツでこのヴァルシオンは倒せはせんよ!!』

「くぅ!?」

Zガンダムは後方に全力でバーニアを噴かす事で辛くもその圧力から逃れると、再びウェイブライダーに変形し一旦距離を取る。

『フッ…さっきまでの威勢はどうした?私を倒すのではなかったのか?』

「くッ…!」

シロッコのせせら笑いにカミーユは臍を噛むが、実際Zガンダムとヴァルシオンでは機体性能に絶望的な差がある。
火力は勿論の事、今のように馬力、その大出力から運動性すら上を行っており、Zガンダムが勝っているところ言えばせいぜい
変形機能とヴァルシオンより全長が小さいがゆえに小回りが利くといった程度である。
その中でも最も深刻なのは…Zガンダムの火力不足にある。

Zガンダムの最大火力であるハイパーメガランチャーはその大きさゆえシロッコ程のパイロットと対するにはデッドウェイトでしかなく、
すでに投棄している。なので仕方無しにメインウェポンであるビームライフルを三連射するが、一発目、二発目は
ヴァルシオンのバリア装置…歪曲フィールドに弾かれ、最後の三発目は何故か歪曲フィールドに阻まれる事無く、
ヴァルシオンの右肩辺りに命中はしたのだが、せいぜい装甲の塗装が剥げた程度のものでしかなかった。
他の武装と言えば実弾兵器のグレネードランチャーもあるが、ビームライフルより弾速が遅いものをむざむざと食う程
シロッコは甘い相手ではないし、頭部に据え付けられたバルカンなど当たったところでヴァルシオンの装甲にとっては
紙吹雪以下のものでしかないだろう。残る道は接近戦しかないのだが──

83 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:40:22 ID:???
「シロッコめ…どこまでも人を見下して馬鹿にする!」

憤るカミーユ。武器が通じない事に憤っていたわけではない。そんな事は最初から分かっていた事。
本来であればロンド・ベルの全主力をもって当たるべき相手であり、モビルスーツ単体での交戦など自殺行為と同義である。
カミーユが歯痒いのは今の攻撃もシロッコの技量ならば回避できるのをわざわざ歪曲フィールドで弾いた事や、
更にそのフィールドまで外してわざと受けて見せた事でカミーユとZガンダムの無力さを嘲笑っている事にある。
もっと言えば先程の接近戦すらも仕組まれたものだったと気付いてしまった。現に今はヴァルシオンのクロスマッシャーの火力と
シロッコの精密射撃の前にZガンダムは這う這うの体で回避するのがやっとであり、もう一度接近などとても
出来る状態ではなかったからだ。

「くそッ…!どうすればいいんだ…どうすれば…!このままじゃ…」

弱音を吐くというつもりは無いが、流石にヴァルシオンをZガンダム単機で相手をするには荷が勝ちすぎており、
このままではジリ貧になるのは火を見るより明らかであった。故に増援に期待したいところではあるが、
元々二正面作戦によって戦力が分断されており、更に皮肉にもカミーユの戦場全体を把握しうる
類まれなニュータイプ能力が未だ苦戦を続ける友軍の思念を感じ取っていてそれを否定していた。
正に状況は八方塞でカミーユの脳裏に「敗北」の二文字がよぎったその瞬間──

『諦めんじゃねぇ!!』

それを打ち消すかのようにカミーユの脳裏に叱咤激励する声が響き渡る。

「──!?今の声は…?」

幻聴ではない。男…それも少年の声を確かに聞いた。しかしカミーユには今の少年の声に全く聞き覚えが無い…
はずなのだが、その響きにはどこか懐かしいものを感じ、ほんの一瞬だがカミーユは気勢を緩めてしまった。

84 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:41:38 ID:???
「戦場で感傷事かい、少年ッ!!」

そしてそのカミーユが見せたほんの僅かな隙をシロッコは逃すはずも無く、その緩みの呼吸に合わせるように
容赦なくクロスマッシャーを放り込んでくる。これをバランスを崩しながらもギリギリのところで回避するZガンダムだったが、
シロッコからすればこれは想定内で本命はこの次の一撃。

『しま──ッ!?』

「落ちろ!カトンボ!!」

姿勢制御もままならないZガンダムの目の前にバーニア全快で躍り出ると、通信越しに慌てふためくカミーユの声に
優越感を感じながら一気にディバインアームを振り下ろす。…だがこの確信を持った一撃でもZガンダムは咄嗟に
ビームライフルの銃口にビーム刃を形成させ、ロングビームサーベルでディバインアームを受け止めてみせ、
何とか機体を一刀両断されるのだけは免れる。しかし流石にZガンダムのパワーではそれを受けきる事までは不可能で、
ロングビームサーベルは弾き飛ばされ、更に続けざまにヴァルシオンが放つ蹴りをまともに胴体に受けるZガンダム。
重量では約10倍位の差がある特機からの渾身の蹴りをまともに受けてはもはや機体制御どころの話ではなく
慣性の赴くままに吹き飛ばされる。

「ええい!…どこまでも不愉快にさせる奴だ!」

勝敗の帰趨はすでに決したが、最初の一刀で仕留め切れなかった事に明らかな苛立ちと共に舌打ちをするシロッコ。
感情に身を任せて自らピンチを招いたかと思えば、今のように咄嗟の反応では常人ならざるものを見せつけてくる。
敵味方強力なニュータイプがひしめく中でも抜きん出て高い感応力と敏感過ぎると言ってもいい感性を持つカミーユ。
しかもそれがある意味自分の踏み込める領域でない事を思い知らされればシロッコにとっては尚の事不愉快でしかない。

85 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:42:44 ID:???
「だが…ここまでだな。いくらセンスがあろうとも、自らの力の使い方も満足に知らず、感情を碌にコントロール
できんような子供ではこれが限界だ」

そしてもうすでにまともに動けないであろうZガンダムにゆっくりとクロスマッシャーの照準を合わせるシロッコ。
後はトリガーを引くだけで己の天敵ともいえる不愉快な存在を消滅させられる。その事に柄にも無い高揚感を覚えながら
シロッコはクロスマッシャーのトリガーに手を掛ける。

「く…くそッ…ううう…」

コクピット内でロックオン警告音が鳴り響く。それだけではない。機体の異常を示すアラートも同時に鳴り響いている。
何とかしなくては…と頭では思っているのだが、今のヴァルシオンの蹴りの衝撃はZガンダムのショックアブソーバーシステムの
限界を有に超え、カミーユの体は大きく揺すられてしまいどうやら軽い脳震盪を引き起こしているらしく、
操縦桿を握る手は震えるだけで全く動いてはくれない。

そして…ヴァルシオンの右腕から螺旋状に絡む赤と青の光芒がZガンダムに向かって放たれる──

(直撃…!やられる──!?)

こうなってくるとなまじ直感力が高いのは残酷である。自分が撃墜されるのをまるでスロー映像を見るかのように
感じ取ってしまうのだから。だがカミーユを包んだのは赤と青の光芒ではなく…
先程も感じたどこか懐かしい感覚を持つ碧の光だった。

86 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:43:53 ID:???
「バカな…有り得ん…」

我が目を疑い思わず呆然と呟くシロッコ。それはそうだろう。クロスマッシャーの威力からすればZガンダムの装甲など
紙細工にも等しいはずで、直撃すれば文字通り塵一つ残るはずがないのだ。しかし目の前の光景では塵どころか、
さしたる損傷も無くZガンダムは存在していた。そして更にそのZガンダムを粉状の淡い碧の光がオーラのように
覆い尽くしている。その光はまるでZガンダムを護るかのように徐々に広がりつつあった。


どこからか自分の名を呼ぶ声が聞こえる。

(誰だ…誰が俺を呼んでいるんだ?)

それは少年のようであり、少女のようであり、大人の男性のようであり女性でもあり、それらが代わる代わる
カミーユの名を呼んでいる。だがどの声もカミーユの記憶には存在しない。その一方でそれらの声を懐かしいと感じる
自分も確かにいて、知っていそうで知らない、二律背反したもどかしさをカミーユは感じていた。

《カミーユ》
《お兄ちゃん》

「フォウ?ロザミィ?…そうか……だったら…!」

しかし続けて自分の良く知る二人の少女の声がカミーユの名を呼んだ瞬間、全てが理解できた。たとえ記憶が定まらなくとも、
自分が今何をすべきか、そして彼らは自分に何をもたらそうとしているのかをはっきりとその感性で把握出来たからこそ──

「俺の体を皆に貸すぞ!!」

迷う事無く自分の体を預けられた。この時すでにニュータイプの能力とは関係無しにカミーユは何となく理解していたのかもしれない。
この声の主達がかつて自分の仲間であったと言う事を。そしてその仲間達の意思を吸い込んでZガンダムは発動する。

87 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:44:58 ID:???
「ゼ、Zが…どうしたんだ?」

Zガンダムにそう形容してよいのか分からないが、人魂のようなモノが集まるのが見える。果たして気でも触れたのだろうか。
そうでも思わなければ目の前の光景を現実として認識するには余りにも浮世離れしている。
だがそれが真実だと告げるかのようにシロッコの脳髄は不愉快さと共にかつてないほどの疼きを彼に伝えていた。
そして人魂のようなものを吸い込んだZガンダムは燃え盛る炎のような赤いオーラを輝かせながらその身に纏う。

【宇宙を駆ける〜Zの発動】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5522694

「私の知らない武器が内蔵されているのか?」

『わかるまい。人を家畜のように扱い、他人を受け入れようとしないシロッコには。この俺の体を通して出る力が!』

そして自分を諭すようなカミーユの声は通信回線から聞こえてくるものではなく、脳に直接響き渡るような感覚。
それに伴って脳髄の疼きは更に増している。

「体を通して出る力?そんなものが、ヴァルシオンを倒せるものか!」

それでも尚、シロッコは目の前の現実を認めようとはしない。いや認められないのではない。理解できないのだ。
戦闘能力と言う面だけでみるならシロッコのニュータイプ能力は間違いなく優秀と言えただろう。
だがニュータイプの本質…相互理解という概念の方では彼はついぞニュータイプ足りえることは無かった。

《カミーユはその力を表現してくれるマシンに乗っている…》
《Zガンダムにね》

「女の…声?」

だから彼女達の声は聞こえてもその姿を双眸に捉えることは出来ない。
何故なら、それは孤独であるシロッコには絶対に起こしえぬ力だったから。

88 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:46:36 ID:???
「まだ、抵抗するのなら…!」

そしてカミーユがブーストペダルを限界まで踏み抜くと、Zガンダムはまるで意思を持つかのようにデュアル・アイを光らせ
ヴァルシオンに向かって真っ直ぐにバーニアと粉状の碧の光の軌跡を残しながら宇宙を駆ける。

「勝てると思うな…小僧ォォッ!」

全身には鳥肌が立ち、操縦桿を握る手は僅かに震えを見せ、脳髄の疼きはいよいよ我慢できるレベルの物では無くなって来ている。
それは相手を畏れていると言う事に他ならない。しかしそれでも未だ戦う意思を見せているのはカミーユが否定して見せた
自らが天才であると信じて疑わない傲慢さゆえである。無謀とも言えるZガンダムの突進を前にして、自らを奮い立たせるように叫び、
クロスマッシャーを放つ。自分の技量とクロスマッシャーの弾速とZガンダムの性能──瞬時に弾き出した答えは撃墜の確信。
よしんば回避したところで先程のようにバランスを崩したところを間合いを詰めて斬りかかるだけ。
だがそれに対し全く回避行動のそぶりすら見せずにZガンダムのリアクションはシールドを掲げるだけであり、
そのままクロスマッシャーの直撃を受けるZガンダム。余りに簡単に事が運んだことに少々拍子抜けする気持ちもあったが、
しかしシロッコは警戒を解けない。何故なら直後にまたしてもどこからか脳裏に声が響き渡ったからだ。

《守りなら任せろ!》
《チッ…全く世話の焼けるガキだ》

そしてシロッコの懸念どおり爆風から現れ出る、紅だけではなく更に碧のオーラも纏ったZガンダム。そしてシールドは
シロッコの見間違いでなければ一瞬だけだが黄金色に輝いていた。

単発でダメならばと、更に苛烈な砲撃を連続で加えるシロッコだったが…またも脳裏に言葉が走る。

《相手を良く見るんだ。そしてフェイントを入れながら相手とのタイミングをずらせば…》

そして今度は先程と違って悉く回避される。それもこちらへ突進するスピードを全く緩めることなくである。
しかも信じがたい事に今の砲撃は全てZガンダムの動きに翻弄され、誘導されたもの。その動きは今までのZガンダムの
動きからはかけ離れており、蝶のように舞いながら、蜂のように刺す、モビルスーツの動きにしてはどこか人間臭く、
それでいて芸術的とも言える動き。

89 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:48:19 ID:???
「そんなまやかし事で!!」

これ以上好きにさせれば流石にマズイと本能で分かっているからこそシロッコも焦りを見せ、冷静になるべく
一旦距離を置こうと後退をかけようとした瞬間──

《今だ!!》

そのシロッコの考え、動きを読んでいたかのように、そこしかないという絶妙なタイミングでZガンダムの左腕から
グレネードランチャーが発射される。本来であれば何でもない一撃だが、心理的死角を付かれたシロッコにこれを
回避する術は無く、ヴァルシオンは被弾する。無論この程度の攻撃ではヴァルシオンを撃破するにはまだ程遠い。
しかしダメージは無くとも機体は衝撃で揺すられ一瞬だが動きが止まる──そしてその一瞬の隙を付いてZガンダムが
一気にヴァルシオンの間合いに迫り来るのを止める事が出来ない。

ヴァルシオンの懐に飛び込んだZガンダムが右マニピュレーターでビームサーベルを引き抜き、居合い抜きのように
逆袈裟斬りを放つと、ヴァルシオンもディバインアームで応戦。交差する光の刃と銀の刃。激しいスパークが飛散し、
奇しくも初撃と同じような展開。が、今回の激突でパワー負けしてバランスを崩したのは馬力が勝るはずである
ヴァルシオンの方だった。そんな有り得ぬ事態に驚愕で瞳を大きく見開くシロッコ。しかしそのような状況においても咄嗟に
右腕のクロスマッシャーの照準をZガンダムに合わせられる冷静さと技量は宇宙でも指折りである証拠であろうが…
だがそれすらも読んでいたかのようにその右腕も瞬時にZガンダムの振り上げられたビームサーベルに切断される。
そして息も吐かせぬ間にZガンダムはそのまま反時計回りに回転しながら…

《 F I R E !》

烈火の如き激しき右足の蹴りをヴァルシオンの左腕に叩きつけ、ディバインアームをマニピュレーターごと弾き飛ばす。
そしてヴァルシオンの武装を無効化したZガンダムはウェイブライダーに変形しながら急速後退を掛け──

《いけぇぇぇぇぇーっ!!》
「うおおおおおおおおおおおおおおーっ!!」

カミーユは全身から全てを搾り出すかのように雄叫びを上げながらウェイブライダーをヴァルシオンに突撃させる。

90 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:49:54 ID:???

「ヴァルシオン、動け!ヴァルシオン、なぜ動かん!?」

シロッコが操縦桿をいくら動かそうがヴァルシオンは金縛りにでもあったかのように何故か全く反応を示さない。
そんな筆舌に尽くしがたい状況でも最後まで彼は自分が何によって敗れるのかをまるで理解しようとはしないし、出来なかった。
そんなシロッコの眼前に迫り来るウェイブライダー。
そしてウェイブライダーの先端がヴァルシオンのコクピットごとシロッコの体を貫く。

『うおっ!ぐおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

「在るべきところへ戻るんだ!!」

シロッコの断末魔を耳にしながらカミーユは叫ぶ。恐らくそれこそがシロッコが望んでいたことであると理解していたから。

『在るべき…ところか…フフフ…所詮偽りの存在…結局私は何者にもなれなかった…か…
だが…これでいい…これで…な…』

このシロッコの言葉を最後にヴァルシオンからゆっくりと離れていくウェイブライダー。そして爆発するヴァルシオン。
その爆風により慣性のままウェイブライダーは宇宙空間を流されながらも一つ一つギミックを確かめるように変形をし、
モビルスーツ形態に戻る。すでにZガンダムを包んでいた赤と碧のオーラは消えている。

「ハッ!動いてくれた。ハァッ!」

流石にヴァルシオンにウェイブライダーでの突撃は少々無茶をさせすぎたみたいで、変形機構のフレームが
歪んでいたため、背中のフライングアーマーはパージするしかなかったが、それでもZガンダムは健在であった。
そしてカミーユは今だ爆発の光が収まらないヴァルシオンであったモノの方へと視線を向ける。

91 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:50:54 ID:???
「シロッコ…お前は最後まで気づかなかったんだ…その傲慢さが自分自身を追い詰めてるって事に…
人はもっと謙虚になるべきなのに…」

彼の最後の言葉から、今戦っていたパプテマス・シロッコはオリジナルのクローンであったと言う事をカミーユは理解していた。
しかしいかにクローンであろうと彼がシロッコであるという事には変わりは無く、その傲慢さ故に自分が何者かのコピーと言う事に
耐えらなかったのだ。だからこそ彼はアクシズ落しを敢行する。たとえ悪行であろうとも、パプテマス・シロッコという
一個人で自分自身の名を残すために。だが一方ではやはり最後の言葉からその自分自身の存在すら
疎んじていたのではとカミーユは思っている。

『俺は…この世界を肯定する…!』

ふと脳裏に浮かんだ記憶。かつて同じような事があった。この言葉がいつどこで放たれたものかは分からないが、
一つだけはっきりしている事は、この言葉の主はシロッコと違って別世界の自分も受け入れ、
今の自分もまた自分であると受け入れていたはずである。そんな事をぼんやりと考えていると、ふと目に入るモノに視線を止める。
それはコクピットに飾られた掌サイズのハロ。カミーユにはいつからこれを持っていたのかはまるで記憶が無い。
最初から無かったかもしれないし、最初から持っていたような気もする。しかし持っていると不思議と心が落ち着くので
何となくお守り代わりにと常に携帯していた。

92 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:52:16 ID:???
《借りは確かに返したぜ》

「え?」

唐突に響く声に思わずハロを凝視するカミーユだったが、ハロに特に何も変わった様子は無い。それに寧ろ借りを作ったのは
こちらではないかと思うカミーユだったが、言葉と共に感じた“彼ら”の満足そうな感覚に何となくだが、
だったらそういうことなのだろうと妙に納得してしまった。

「またな…」

だから謝辞ではなくあえて再会の言葉を口にするカミーユのその言葉が“彼らに”届いたのかは分からない。
だがそれに対し“彼ら”がカミーユに笑いかけてくれたような…そんな気がした。

そしてアクシズを止めるため、ロンド・ベルにとって最後の作戦…ファイナルオペレーションを行うべく、
アクシズに向けてZガンダムはバーニアを噴かす。
そのバーニアの軌跡からはまるでカミーユの行く末を見守るかのように微かに碧の光が漏れ出ていた──

93 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:53:44 ID:???
さてさていつもながら結構間が空いてしまった…最初はもっと短い予定だったのがやはりどうもZって作品は
私の中じゃかなりウェイトを占めてるようで…書いていくうちに書ける文章力も無いのにあれもこれもってなっちゃって…
このザマですよwもっと文章力があればもうちょっとマシになったんでしうが…まぁもっと長くなってたでしょうけど…
これが限界ですかね…というかそもそも内容的に全然関係なくないか?大丈夫なんだろうかと思うんですがw

後はアレだ…新紋章のせいだ…

「フン…新暗黒のH5も序盤だけでそれほどじゃなかったから俺は最初からルナティックに突撃するぜ!」
                  ↓
「何これ…序章から一手でもミスったら死ぬわけだが…」
                  ↓
「一章…相手は全員銀装備…だと?」
                  ↓
「四章…ああ…うん…シリウスさんはそこでおとなしくしててくださいね?」
                  ↓
「五章…おい!リカードッ!お前なんでそんなとこに…嫌!止めて!大陸一さんに気づかれる!!」
                  ↓
「七章…これってぶっちゃけナバールが必殺出すの待ちですよね?」
                  ↓
「八章…ハーディンのステを見て絶望する」←いまここnew

いや〜これは酷いw(いい意味で)ようやくマイユニがクラスチェンジしたんで少しは楽になるかと思いきや…
勇者軍団で速さ22…だと?追撃できまセン;;リセットも何回した事かwこれは成長ヘタレると詰みますな。

と言うわけで次回更新は多分今回程は掛からないとは思いますが、最後に選択肢がありますので
更新も後二回ということになります。それでは次回更新時に〜。

PS:それにしても昨今はリメイク祭りですなぁ〜。まさかタクティクスオウガまでされるとは…
これでオウガバトル全章製作決定!…とかまでは流石に無いですよね…うん…

94 :森崎名無しさん:2010/07/27(火) 23:58:20 ID:???
乙でした。
シロッコ好きとして胸が熱くなりました。
彼も森崎たちと一緒にサッカーをやっていれば…

95 :森崎名無しさん:2010/07/30(金) 23:15:41 ID:???
乙です
最初はダークスターズにシロッコ(ヴァルシオン)もいるものとばかり思ってました
ロンドベルありだったんだからこっちもありかなと

96 :森崎名無しさん:2010/08/02(月) 23:35:01 ID:???
今更だけどハーディンってSFCだと幸運以外フルカンストじゃなかったっけ それほど強くないけど

97 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:22:36 ID:???
『さあ本日のジャパンカップ第二試合…全日本にとってはハンブルガーSV対サンパウロFCの大事な大事な一戦がもう間もなく、
今か今かとまさに大歓声で迎えようとしております』

「たく…俺達の試合の時より観客多くなってないか?まぁ“あいつ”が出るから仕方が無いと言えばそうなんだろうが…
それよりえ〜と…確かこの辺だって言ってたんだが…」

放送席の実況を背に森崎有三の前に立ちはだかるのは人という人。森崎はそれらを両手で何とか押しのけながら
もうすぐ試合が始まるであろう会場の観客席で探し人を求め歩を進める。本来ならばこの試合の前にGKとして出場していた
森崎の顔を観客も知らないはずは無いのだが、これから行われるであろう試合への期待感と観客の多さによる混乱で
幸いにも彼だと気づかれる事はなかった。

「こっちだモリサキ!!」

そして自分を呼ぶ声に顔を上げるとそこには森崎の探し人でどこぞの王侯貴族かと思わせる程見た目麗しい少年…
エル・シド・ピエールが自分の居場所を知らせるように席から立って手を振っている。その隣にはどこか他人を寄せ付けそうに無い
威風堂々とした佇まいをしている少年…カール・ハインツ・シュナイダーが座っていた。

「ふぅ〜探したぜ…全く試合後の奴に重労働させんなよな?」

ここまで来るのに使った労力に愚痴りながら、シュナイダーが確保していた隣の空いた席に森崎は早速腰掛ける。

「それは悪かったな。…だが生憎俺達もここから身動きが取れなくてな…」

森崎の言葉に呆れた様に周囲を顎で指すシュナイダー。それにつられ周りを見渡すと、シュナイダー達をというか…
主にピエールに熱い視線を送る女性という女性の姿。確かにこれではピエールが移動すればちょっとした騒動位には
発展するかもしれない。

「すまないなモリサキ…本来ならこちらから出向くべきなんだろうが…」

それを感じてかピエールが申し訳なさそうに頭を下げてくる。図体の方はすっかり逞しく成長しているが、
そんな馬鹿丁寧なところはまるで変わっていない事に森崎は思わず苦笑を浮かべる。

98 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:23:37 ID:???
「別に構いやしないさ。でもまぁあれだな…“あの時”以来だなこうして三人揃うのも…」

「そうなるか?…まるで昨日の事のように思い出せるが…」

「そうか…あれからもう三年にもなるのか…」

森崎の言葉にシュナイダーもピエールもそれぞれが“その時”の事を思い出しているだろう。どこか遠くを見るような
眼差しで懐かしむように呟く。それは三人にとってこれから先の人生も含めても間違いなく最も激動であった時の事を。
しかしやはりどうしても思い入れが深いのだろう。結構な時間しんみりとした時間が続いてしまったため、
流石にこれ以上は話が進まないと森崎は二人に兼ねてからの疑問を振る。

「それにしてもさ、二人ともトップでプレイしてんだろ?バイエルンにボルドー…こんな日本くんだりまで来るのを
良くクラブが許可したよな?」

「俺は右足の怪我でな…といっても大した怪我じゃ無くてもうプレイ自体は可能なんだが…
まぁ大事をとってと言う事でクラブから休養を言い渡されててな…」

「そうか…で、ピエールの方は?」

「俺の方は先週UEFAチャンピオンズリーグの予選で出場したから、今週はターンオーバーで丁度休養週だ」

「ふ〜ん…UEFAチャンピオンズリーグねぇ…景気のいい話で羨ましい限りだな」

森崎の言葉に羨望の感情から発せられる毒気が混じっているのは誰も責められないだろう。UEFAチャンピオンズリーグ。
それは欧州クラブシーンにおける最も権威ある国際大会。翻って自分はと言うと決して卑下するわけではないが、
いくら有名クラブを招聘しているとはいえ、所詮ユース代表で、しかもサッカー後進国である島国で開かれている小さな大会。
すでに国際大会に戦いの舞台を広げている二人に置いて行かれているという気持ちが沸くのも仕方の無い事だろう。
そんな森崎の様子にシュナイダーとピエールは顔を合わせて苦笑する。

99 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:24:38 ID:???
「そう腐るな…逆に何故お前が未だジュニオールどまりなのか、俺がパルメイラスのフロント陣に問いただしたい位だ…」

「ああ、それは俺も感じたな…今日の試合のパフォーマンスならば当の昔にトップへ昇格していてもおかしくないと思ったんだが…」

それがシュナイダーとピエールの森崎に対する偽らざる感想だった。つい先ほど行われた試合…
全日本ユース対ウルグアイユースはスコア上では1対0。しかし試合内容はとても全日本が勝ったとは言いがたい内容で、
終始攻められっぱなしで、GKが森崎でなければ大敗を喫していたであろう。得点を決めたのも、試合終了間際のウルグアイの
怒涛の攻撃を森崎が全てシャットアウトし、前掛かりになったところをカウンターで数的有利を作り上げた上での
ようやくもぎ取った1点。全日本の良かった所など全て森崎に帰するといっても過言ではないくらいの獅子奮迅振りであった。
そのパフォーマンスは明らかにユースの範疇には収まっておらず、寧ろ同年代で森崎が守るゴールを脅かせるのは
極限られた存在だけだと知らしめた試合であった。だからこそシュナイダーもピエールもパルメイラスに対して疑問を持つのだが…

「パルメイラスの正GKは余程できる奴なのか?」

「いや…正直トップの奴よりは俺の方がやれるって自信はあんだけどな…何で昇格出来ないのか逆に聞きたいくらいだぜ…
こういう事は余り言いたかないが…やっぱ俺が日本人ってのが駄目なのかねぇ…」

「それが理由ならばそもそも初めからスカウトなどしないと思うんだが…」

「そうなんだよな〜…でも一度だけだがトップに呼ばれたこともあるんだぜ?…何故か次の日には追い返されたけどさ…」

「追い返された?」

思わずオウム返しに聞き返すシュナイダー。何となくだが、今ので話が妙な方へ進んだような気がしてならない。

100 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:25:40 ID:???
「ああ…正直意味がわからん…歓迎会までしてくれたって言うのに…」

「歓迎会…」

歓迎会という言葉にいよいよ嫌な予感を覚え思わずシュナイダーとピエールは顔を合わせる。その表情は若干の恐怖と苦味が
程よく混じっていた。そして自分の想像が外れてくれればいいと思いながら恐る恐るピエールが質問する。

「まさかその歓迎会で何かやったんじゃ…」

「オイオイ。そんな馬鹿な事するかよ。ただ先輩方に芸を披露して見ろって言われたんでな。まあ俺の芸と言えばカラオケだろ?
だから『俺の青春』をフルコーラスで歌った位で後はおとなしくしていたさ」

((それだ…))

それで全てを悟ったシュナイダーとピエールは歓迎会まで開いてくれたという心優しいパルメイラスの選手たちに心から同情した。
不意打ちでしかもフルコーラスとあれば恐らくトラウマ位で済めば御の字であろうから。

『寧ろチームから叩き出されないだけ温情があると見るべきなんだろうな…しかしこのままでは下手をすれば
飼い殺しにされかねんな…ピエール、お前のところで面倒みてやれないか?』

『…そうしてやりたいのは山々だが…生憎今ウチはキーパーの枠は埋まっていてな…お前のところこそどうなんだ?』

『う、う〜む…確かにウチの方は優秀なキーパーは欲しいと言えば欲しいんだが…外国人枠の方がな…』

101 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:27:05 ID:???
「何二人してこそこそ話してんだよ?」

「あ…いや何、もしパルメイラスが駄目なら(というかほぼ絶望的だろうが…)どこか他のチームはどうかと思ってな…
お前の実力なら引く手数多だろうし、何なら俺がどこかに口を利いてもいいが…とはいえ立場的にはまだ俺もトップじゃ
駆け出し同然だからな…それほどツテがあるわけじゃないが…」

シュナイダーの提案に森崎は顎に手にやりながらしばし考え…それからシュナイダー達にとっては
思ってもみなかった事を口にした。

「う〜ん…他ねぇ…と言うより俺はこの三人でチームを組めたら面白いだろうなって思うがね」

「俺たちで…か?」

「ああ…俺たちでチーム組んでさ。国内リーグやら、それこそUEFAチャンピオンズリーグやらタイトルというタイトルを
総ナメにすんのさ。それはさぞかし愉快だろうなって思うけど。どうよ?」

そう言う森崎の表情は悪戯っ子が極上の悪戯を思いついた時のように無邪気なものであった。

「…それも…悪くはないかもな…」

「そうだな…それは楽しそうだな」

かつてオールスターズと言うチームが存在した。だがチームメイトは元の世界へと戻り、もはやそれが復活することはないだろう。
だが自分たち三人は違う。同じ世界、同じ時代を過ごしている。そんな当たり前のことを今森崎は一つの道として示した。
勿論この先自分たちがどうなるのかはまだ分からないし、もしそれを実現するにしても様々な障害もあるだろう。
だがこの時はだけはその事に思いを馳せてもそれは若者の特権として許されるはずであろう。

102 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:28:07 ID:???
『躍動していますっ!サンパウロFC!!さぁ…今ボールを持つのは……10番の……』

『大空翼選手ですね。いや〜軽やかですよ彼のドリブルは』

『ブラジルでいい影響を受けたようデスネ。いや〜これは将来が楽しみデスヨ』

実況の解説と共に歓声が巻き起こる。どうやら雑談に夢中になっていた間にすでに試合が始まっていたようである。
グラウンドに視線を落とすと、そこにはボールを持ったサンパウロFCの10番を背負う大空翼が
ハンブルガーSVの中盤を得意の南米式ドリブルで切り裂いている所だった。

「ほう…腕を上げたなツバサ・オオゾラ。それにプレイというか雰囲気も随分変わったように思うが…」

「確かにな…以前はキレこそあったが…何というかプレイに余裕が無いというかそんな印象すら感じさせていたが…
今はまるで憑き物が落ちたかのように伸び伸びとしているように思えるな」

確かに翼の技術は上達していたが、それは成長期であるから当たり前のものとしてそのこと自体にはさほど大きな驚きは無い。
それよりもシュナイダー達の関心は翼のプレイの質が大きく変化している事に注視していた。今の翼には以前の翼には無い
溌溂としたものを感じ取ったからであるが…

「あれは変わったんじゃねぇよ…」

しかし森崎はそれを静かに、だがきっぱりと否定する。そしてその森崎の表情は無表情で視線は翼を捉えているようで──

「…元に戻っただけさ…元のサッカー小僧にな」

翼ではない何か別のモノを見ているようでもあった。そしてシュナイダー達も森崎の言葉に思い当たる節があったのだろう。
特にそれについて言及することは無かった。しかし代わりに…

103 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:29:10 ID:???
「成る程な…それでお前はあのツバサにリオカップとやらで負けたわけか」

「ッ…!?」

「お、おい…シュナイダー…」

ブラジルで行われたリオカップという大会。リオカップ決勝で森崎のパルメイラスは翼のサンパウロに0対1で敗れ去っていた。
そしてその優勝チームがこのジャパンカップに招聘される事になっており、シュナイダーが言っているのはこの事である。
ほんの少し悪戯心が沸いたシュナイダーが何気なく放った一言に対して森崎は…

「あれは…俺が悪いんだ…俺が…俺が悪いんだ…」

「え?あ…お、おい?モ、モリサキ?」

表情を青ざめさせ、ともすればそのまま泣くのではないかと思われるくらいに顔をくしゃくしゃにして
自分を責める言葉を吐き続ける。流石にこの様な状態になるとは言葉を放ったシュナイダーも思っておらず、
逆にうろたえてしまう。そしてその時だった。スタジアムが揺れたのではないかと思われるくらいに
地響きのような歓声が聞こえてきたのは。そしてその地響きを巻き起こした原因である選手は…

104 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:30:16 ID:???
『●△※□☆×ッ!』

『うわ〜ッ!いや〜スゴイですヨ今の!!もう今日のお客さんもこれを待ってたんデス!!』

『今のプレーッ!!そうですこの人が、グローバルフットボーラーのターク・ハル選手です。ぜひ注目してください!!』

中盤を切り崩した翼から、ペナルティエリアに陣取っていたサンパウロのエースのFWストラットにクロスが入り、
あわや先制点かというところで、それを驚異的な反応でゴールラインの外にヘディングで弾き出したのは…
この試合ハンブルガーSVで最終ラインに入っているグローバルフットボーラーのターク・ハルであった。
それもただ外に弾き出すだけではなく、いつもの様にゴールバーを掠めるように狙う芸術的なクリア。
もしボールが後数ミリ分下だったら…恐らくターク・ハルのオウンゴールが宣告されていただろう。
そのリスクをあえて行うエキサイティングなプレーに観客は溜息と惜しみない拍手と賞賛を送るばかりであった。

『いや〜この辺りはもう鉄壁と言った感じと言っていいんでしょうね?やはりまだまだこの男……』

『確かに今のタークのプレーはスゴイんですケドネ…それだけにリオカップ決勝のロスタイムでのオウンゴールがネ…』

『いや〜あれがターク選手の持ち味だからしょうがないですよ。寧ろ恐れずにガンガンやっていただきたいですね』

「…!?オイ!あれはタークのせいじゃねぇだろ!……あれは俺が…俺が悪いんだ…タークのバックパスを取れなかった俺が…」

(成る程な…そう言う事か…)

実況の解説に激しく反論を見せる森崎を見てようやくシュナイダーにも話が見えてきた。それが原因ならば
森崎がここまで気落ちするのも無理は無いことだと思う。

105 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:31:18 ID:???
リオカップ決勝にてパルメイラスのグローバルDFとして出場していたターク・ハル。森崎とターク・ハルのコンビは絶妙で
まさに難攻不落としか言いようがなく、二人で終始サンパウロの攻撃を跳ね返し続けたのだが…後半終了間際のターク・ハルからの
強烈なバックパスを森崎が痛恨のファンブル。ボールはそのままパルメイラスゴールへと吸い込まれ、
ターク・ハルのオウンゴールが記録された。そしてそれが決勝点となり直後試合も終了。こうしてパルメイラスは敗北した。

この試合で日本サッカー協会が期待していた森崎対翼という点に限れば森崎は勝っていたと言っても差し支えないだろう。
しかしそんな事は森崎にとってはどうでもよく、試合に負けたという事よりもただただターク・ハルのバックパスを
ファンブルしたという事実が彼を深く傷つけていた。ターク・ハルのバックパスはキーパーへの信頼の証でもある。
その信頼を自分は裏切ってしまったのだと激しく己を責め続けた。しかしそんな自分に対してターク・ハルは笑顔で
肩を叩きながら「気にするな」と言葉を掛けてきた。オウンゴールをして一番辛い筈のターク・ハルがである。
そしてターク・ハルにここまで言わせてしまった自分が心底情けなかった。だからこそ森崎は自分を責め続ける。
何度オウンゴールをしても尚、未だにゴールキーパーを信じてバックパスを出す彼の信頼を二度と裏切らない為に…

森崎の様子がある程度落ち着いた所を見計らって今度はピエールが質問してくる。

「そう言えば聞こうと思っていたんだが…」

「ん?何だ?」

「今回モリサキはキャプテンじゃないのか?さっきのウルグアイ戦では…誰だったか…確か…」

「ああ…今全日本ユースのキャプテンは来生って奴がやってるよ」

事も無げにさらりと言う森崎に顔を見合わせるピエールとシュナイダー。様々な思惑やチーム事情があるのかもしれないし、
別段キャプテンが誰であろうと良いと言えば良いのかもしれないが、それにしても違和感は尽きない。
しかも森崎以外の全日本のメンバーの停滞振りを見せられれば彼らだけでなくともそう思うだろう。
そんな二人の様子に森崎はニヤリと笑みを浮かべ逆に質問をしてくる。

106 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:32:22 ID:???
「お前たちのチームってさ…キャプテンってどう選ばれるんだ?」

「それは…監督から指名されてだな…」

「ウチも同じくだな…」

「まぁ〜普通はそうだろうな…でもウチはな、何と選挙制なんだよ」

「選挙制?」

選挙制という言葉に思わず秀麗な眉を顰めるピエール。確かにチームによっては選挙でキャプテンを決める方法を
とる所もあるにはあるが、それをナショナルチームでやるというのは余り聞かない。クラブチームと違って悠長に信頼関係を
築く時間が無く、それでいて早急にチームを纏めなければならないからだ。しかし選挙制と聞き、一つ疑問が解決もした。

「選挙制か…成る程…それが全日本の仲違いの理由の一つという訳か…」

シュナイダーの脳裏に浮かぶのは異世界での全日本Jrユースのチグハグ振りである。それに対し森崎は軽く肩をすくめる。

「そう言う事…まぁサッカー後進国の悲しい事情って奴だな。そうやってめぼしい所を競わせ血で血を洗うように
仕向けでもしなけりゃ世界には通用しないって事なんだろうけどな…で、今回は俺は立候補しなかったわけ。
まぁ後は残った奴で立候補しそうなのが日向と来生位で、日向は俺がちょいと実力で黙らせてやったから、これもナシと。
で、他薦も無いから最後に残ったのが来生というわけさ。しかし来生に決まったときの監督や連中の表情は傑作だったがな」

「しかし…お前はそれでいいのか?」

全日本のキャプテンという立場に森崎は結構なこだわりを持っていたようにシュナイダーは思う。
だからこそこのような質問をするのだが、それに対し森崎はシュナイダーとピエールにフッと微笑を見せると…

107 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:33:36 ID:???
「いいも何も…あの時はお前たちが選んでくれただろ?」

「あの時…?」

「そうあの時さ…」

森崎の脳裏によぎるのはオールスターズというチームが産声を上げた時。そのキャプテンに
シュナイダーとピエールが私心もなしに純粋に自分を推してくれたその時の事を思い返していた。

「だからかな…もし俺がキャプテンになるんならちゃんと全員が納得した上でなりたいと思ってな。
それに今の大人の思惑にまみれたやり方にちょっとした反抗期ってやつだ。
まぁ心配しなくてもワールドユース本選までにはちゃんとキャプテンに返り咲いといてやるよ」

「そうか…モリサキならばきっと大丈夫さ」

「フ…せいぜい期待しておこう」

そして三人は再びグラウンドに視線を落とす。試合は中盤を支配し攻め続けるサンパウロと
ターク・ハルとGKの若林を中心に鉄壁の守りを見せるハンブルガーと膠着状態に陥っていた。
そんな中森崎が唐突にポツリと呟く。

108 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:34:52 ID:???
「そういやさ…俺ブラジルで会ったんだよな」

「ほう…それならば俺たちもヨーロッパで見かけたぞ?」

「ああ…中々珍しい人物をな」

その森崎の物言いだけでピンと来るものがあったのか、シュナイダー達もあえて問い返さずに同じように
自分たちが出会った人物の事について言及すると、途端に森崎の表情がつまらないといった風に変化を見せる。

「何だよ…お前たちもかよ…せっかく驚かしてやろうと思ったのにさ…」

「生憎それは彼らに会った時に済ませてしまったからな。とは言え…彼らは俺たちの知る“彼ら”とは別の存在だがな…」

「まぁな…」

シュナイダーの言葉に同意する森崎。そしてその事はこの広い世界でも自分たち三人しか共有できない事実。
自然と脳裏に浮かぶのは森崎達が本当に知っている今はもういない向こうの“彼ら”の事。

「たまにな…あの世界で俺はもっと色々出来たんじゃねぇかって…そう思う時があるんだ…」

森崎が誰にとも無く呟く。それは何も“彼ら”だけの事ではない。“彼ら”の世界の事。“彼ら”に仕組まれた戦いの事。
そして最後別れも言えず消えた仲間の事。もっと言えば向こうで起きた全ての事に対して。それらが代わる代わる脳裏をよぎる。

109 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:36:01 ID:???
「それは随分と傲慢な考えだな…モリサキ」

「…そうかな?」

「そうさ…あの世界であれ以上俺たちに何が出来たと言うんだ?」

そう言われれば森崎としても何も言い返すことは出来ない。確かにシュナイダーの言うとおりあの世界で自分は
出来る事は全て遣り通したという自負もあったからだ。しかし次の瞬間シュナイダーは自嘲気味に笑みを見せると、

「だが…俺とてそう思うときはある…そういう意味では俺も傲慢…と言う事なのだろうな」

森崎に同意し肩をすくめながら語る。それを無言で見守っていたピエールはそんな二人のやりとりを見て、
かつての恩人の言葉を思い出し、ポツリと呟く。

「そう言えばヤン提督がこんな事を言っていたな…
『過ぎた事は全て忘れてしまおうなんてそんな馬鹿な話はないさ。後悔した事があったら
次にまた同じ場面に出会った時こそ失敗しないように自分の過ちをよく覚えておかなきゃな』と…」

「フ…あの人らしいな…」

「確かにな…でも…また同じ場面ってのは金輪際勘弁してもらいたいけどな」

そしてその森崎の言葉に違いないと三人は笑い合った。

110 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:37:08 ID:???
ピッ……ピピィィィィィィィィィィィィィィ!

『ここでホイッスルゥゥ、サンパウロFC見事に、この瞬間、ジャパンカップ決勝戦出場、花を添えました』

『うわッうわッうわぁあああ〜〜ッ!!これはまた凄い幕切れですよッ!!』

『またしても最後の最後にデスカ…いやタークもついてませんネ〜』

「バ、馬鹿野郎ッ!!若林の奴何やってやがるんだ!!」

試合終了のホイッスルが鳴らされ、未だ騒然としているスタジアムの中、森崎がハンブルガーSVの
ゴールマウスを守っていた若林に思い切り野次を飛ばす。だがこれは別に森崎がハンブルガーSVを
応援していたと言う事ではない。その光景が森崎にとっては許しがたい事実であったからだ。
スコアの方は2対1。そして奇しくもリオカップと同じくターク・ハルのオウンゴールでサンパウロFCが勝利を収めていた。

「それでも…それでもお前はゴールキーパーかッ!!タークのバックパスをとり損ねるなんて…!」

「………おい…」

森崎が自分の事など無かったかのように棚上げするのに思わず突っ込みを入れようとしたところ、

『シュナイダー…言いたい事は分かるがここは我慢してくれ…またさっきの状態になられたらかなわんからな…』

ピエールが必死に食い止める。それでなくとも古巣で幼馴染のいるチームが敗北した所を見せられ機嫌も良いとは言えず、
シュナイダーとしては忍耐力を最大限に発揮しなければならなかった。

111 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:38:14 ID:???
「さてようやく落ち着いてきたな…そろそろ帰るか」

試合終了後の観客の一斉帰宅による混乱もようやく収まり、スタジアムにはもう殆ど人が残っていない。
それを見計らって森崎達も帰路へつくため席を立ち上がる。

「そういや…お前たちはこれからどうするんだ?このままホテルか?」

「そうなるな…せっかくの日本だからな。観光の一つでもしたいところではあるが…(マリーにもお土産を買わねばならんしな…
さて何がいいのか…そういえばもしかしてあの『マリー』も手に入るんじゃないのか?)」

「だがガイドも無いのではどこに行ったらいいかも分からないからな…それにクラブの方からもあまり出歩くなと言われているし…」

「う〜む…それはつまらんよなぁ…俺が試合でなければ案内位してやれるんだが…流石になぁ…」

「気持ちだけありがたく頂いておくさ。流石に試合を控えている奴にそんな無理はさせられないからな」

「それにお前はともかく今の全日本にそんな余裕があるとも思えんな…」

「そうなんだよな〜…次の試合はタークも合流するだろうがそれが悩み所…ってそうか!」

シュナイダーの言葉に森崎は名案を得たとばかりにパンと両手を打ち鳴らし、顔を輝かせる。

「だったら今からウチの合宿所に来ないか?いやまぁ明日でもいいが、ちょっと連中を揉んでやってくれよ?」

「何だと?」

流石に話が唐突過ぎて、シュナイダーもピエールも思わず表情を顰めるが、森崎は構わず言葉を続ける。

112 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:39:16 ID:???
「だって不公平だろ?俺ばっかりプレイ見せて。俺だってなお前たちがどのくらいやるようになったのか見たいんだぜ?
それにお前たちのプレイを見せ付けてやれば連中だってケツに更に火が付くだろうしさ」

「…一応俺はクラブからは怪我人扱いと言う事になっているんだがな…」

「なぁに…そんなに激しいプレイをしなくても、なんなら左足一本でもあいつらはついてこれないさ……残念な事にな…」

「しかし色々と問題になるんじゃないのか?当然全日本とてチームとしてはシークレットな部分もあるだろうから…」

「無い無い…そんなシークレットにするようなご大層なもん今の全日本にあるかよ。それより世界でもトップクラスの
奴らと練習できる事の方が余程為になるさ。…それにぶっちゃけると今のあいつらと練習してもなまっちまうばかりでな…
監督にはちゃんと俺から話するからさ。なぁ…助けると思ってさ」

そんな拝み倒す森崎の様子にシュナイダーとピエールは苦笑しながら顔を見合わせ頷きあう。

「今日は試合を終えた後だから疲れも残っているだろう…だから明日の9時半にホテルまで迎えに来い。
行っておくが遅刻はくれぐれも厳禁だぞ。特に寝坊などと言う理由は許さんからな?」

「流石!そうこなくっちゃな!…………でも9時半はさ…ちょっと早くないか?」

そのシュナイダーの懸念どおり次の日森崎が寝坊により自分たちの宿泊するホテルに到着したのは10時を過ぎての事だった。

113 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:40:22 ID:???
──そして月日は流れ──


『絶対に負けられない戦いがそこにはある。絶対に勝たなくてはいけない戦いがそこにはある。
さあついに迎えました!我らが全日本ユースのこの時を!ワールドユース大会決勝戦!
勝てば総合優勝!そしてさらには優勝が…』

『いや〜もうここまで来たら技術云々じゃないんですよ!もう執念でね、食らい付いてほしいですよ』

『そうですネ〜。ここまで来て負けたら何も残りませんカラ、是非とも勝って欲しいデスネ』

『非常に、サッカーをするには、比較的いいコンディションとなりました。そして今日、全日本ユースが迎え撃つのは…!』


【最終選択肢】
A 王道END 皇帝Ver
B 王道END 紳士Ver
C 音撃戦士END
D ラブマリーEND
E ソードマスターモロサキ 完結編 ご愛読ありがとうございました。キャプ森ロワ先生の次回作にご期待ください。
F NEVER END 時の流れの中でわずかでも森崎in異世界に立ち止まってくれた君に・・・・ありがとう
G 男坂END オレはようやく登りはじめたばかりだからな。このはてしなく遠いトーナメントをよ…  未完
H その時、イデは発動した
I その他何かこれだッ!と思うENDがあればどうぞ


☆日付が変わり 2010/8/10 0:00:00 から同日 22:00:00まで投票期間を設けます☆

そして先に10票入った選択肢か、又は22:00:00までに一番多く票を獲得した選択肢がエンディングとなります。
ageで投票してください。sageではカウントできません。

*他人のIを支持する場合はI >>○○のように安価をつけてください。

114 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:43:04 ID:mSmBuGpY
>>94 そう言って貰えてホッとしてます。自分で書きあがったのを見て何じゃこりゃぁ!って思わんでもなかったので…w
私もシロッコは好きなんで、本当はもっと台詞とか掛け合いやりたかったんですが、多分収拾が付かんと思い
泣く泣く妥協しました。しかしシロッコもサッカーやってたら…「そんな軟弱なタックルでは私から奪う事など不可能だ!」とかって
結構強そうですね…でも言う事はきかんだろうし相当曲者になりそうですが…w

>>95 確かにおっしゃるとおりシステム上組み込めない事は無いとは思うんですが、彼の性格上、他人の下に付く事を
良しとしないので、もしメンバー入りなら裏で色々と暗躍しちゃいそうで…そうなると話も結構変わっていたかもしれません。
後、どうしても彼との戦いはモビルスーツ戦しか私にはイメージできなかったので、こういう形での登場となりました。
でももしそういう風に期待されていたら申し訳なかったです。

>>96 確かにSFCはこちらもフルカンでマスターソードやエクスカリバー辺りなら追撃も出来ましたからねぇ…
DS版のは幸運以外オール30って壊れているとしか思えなかったですwまぁルナ限定ですが…

スイマセン…どこが時間掛からないだ…メチャメチャ掛かってるやんorz本来なら人数の関係で
お盆前には間に合わせたかったんですが…書き始めるとあれもこれもと足していたら想像以上に…長くなってしまって…

と言う事で次の更新で最後となります。マルチエンディングに関してはおまけみたいなものなのであまり考えず好きに選んでください。
もう書くべきことは全て書いたつもりなのでぶっちゃけ打ち切りENDでもそれなりに纏まるはずなので全然大丈夫ですw


それにしてももうルナクリアしてルナ´なんてモリブレムさんパネェ…私は大絶賛吟味中で15章チェイニーで荒稼ぎし過ぎて、
ようやく16章ですよ…でもその前にエストを訓練場にぶち込む作業が待ってるよ…

何か選択肢に関して質問もあれば随時受け付けてます。まぁ無いとは思いますがw

115 :森崎名無しさん:2010/08/09(月) 22:53:32 ID:???
選択肢に関してではないですが、

キャラクター人気投票については
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1246883087/296
とのことですが、
それならば名・迷セリフ人気投票はどうでしょう?

116 :森崎名無しさん:2010/08/09(月) 23:22:56 ID:???
いよいよラストを迎えるのか〜
乙でした!!!!!!

117 :森崎名無しさん:2010/08/09(月) 23:24:30 ID:???
素敵な物語だよな・・・マジで

118 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 23:34:54 ID:???
>>115 ありがとうございます。まさか自分の発言にそこまで気に掛けていただいていたとは感激です…
確かに人気投票に関しては前に申し上げたとおりで、恐らく他のスレ主様よりは自らやりたいってのは薄いかと思います。
後、個人的にですが、人気投票って読者側の企画だと思っているので…なので話題に上らなければ私からはやろうとは
多分言わなかったと思います。でももしウチのキャラで人気投票をやりたいという需要があればそれには
是非応えたいと思ってます。それこそキャラ人気投票でも、名台詞(ウチは迷台詞かw)投票でもカラオケ投票でも
なんなら同時開催でもやらせて頂きます!

なので投票ついでにこちらのアンケートも答えてくださるとありがたいです。勿論強制ではないのでageなくても結構です。

α キャラ人気投票するというのなら開催してやらんこともない
γ 人気投票などさせるものか!
β キャラ人気投票などさせるものか!だが○○○投票なら開催してやらんこともない

なんか融通利かない偏屈なスレ主で読者の方々に負担を掛けるようで真に申し訳ないんですが…

119 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 00:16:22 ID:Xoo7Vah6

オールスターズEND

120 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 00:28:26 ID:7qiQUibg
A

121 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 00:32:35 ID:Zrcvk3nE
Aα グローバルフットボーラーは永遠に不滅乙でした

122 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 00:34:34 ID:9Ho8ck3U


123 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 02:05:54 ID:xzqKPelA
Aα

色々見たいけどここは王道で

124 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 02:31:01 ID:Gv0rcksk


125 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 02:52:04 ID:6V8e+ytw
I 王道END 皇帝+音撃戦士 Ver

126 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 03:08:09 ID:6V8e+ytw
人気投票については αで

127 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 09:49:16 ID:QKOvZfsU
I サジマジ、J-GUN、ザガロ、ビラク、馬鹿兄貴・・・要らない子達がやってきた!

128 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 13:01:54 ID:F2uUIT2w
I VSジョアン監督率いるブラジルユース(イタリア帰化から一変ブラジルに帰化したアルシオン+コインブラ付き)

129 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 17:47:15 ID:2NhVcxBI
Aα

130 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 19:02:34 ID:mAdecr7M


131 :キャプ森ロワ:2010/08/10(火) 22:04:12 ID:???
>>116 そうですね〜中々感慨深いものが…そこら辺の挨拶はまた終了時にでもさせて頂きます。

>>117 ありがとうございます。そういった言葉が今まで励みになってきました。

>>121 そういった乙を聞けるのもあと僅かなので…感慨深いですねェ…


A 5票
B 1票
F 1票

I オールスターズEND
I 王道END 皇帝+音撃戦士 Ver
I サジマジ、J-GUN、ザガロ、ビラク、馬鹿兄貴・・・要らない子達がやってきた!
I VSジョアン監督率いるブラジルユース(イタリア帰化から一変ブラジルに帰化したアルシオン+コインブラ付き)

ということでAの王道END 皇帝Verに決まりました。選択にお付き合いくださってありがとうございました。
しかしまさかネタ選択肢のFに票が入るとは…w分かってらっしゃるw

人気投票についてのアンケートもありがとうございます。エンディング終了後に人気投票スレの方へ依頼を出したいと思います。

と言う事で 森崎in異世界トーナメントの歴史も、あと1ページ。

132 :森崎名無しさん:2010/08/10(火) 23:32:11 ID:???
要らない子達の多くがジョブチェンジの恩恵で要る子になっちゃったのですが
大陸一(笑)は流石と言うか貫禄すら漂う成長力で安心します乙でした。

男坂と言えばNever Endの最終回と言えば個人的にはSilentKnight翔が印象に残ってますね。
そして車田御大の最後の作者コメント「……………Goodbye」には星矢世代として何とも言えない気持ちになったもんですw

133 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:14:33 ID:???
>>132 サジマジは確かにクラスチェンジの恩恵、更にはトライアングルアタックまで追加…時代は変わった…
とは言え私はルナだったのでバーツ隊長すら使えませんでした…だって斧はマイユニ一人要ればいいし…
大陸一さんは…まぁ…でもキャラ的には株を上げたんじゃないかなぁって思ってます…
サイレントナイト翔は何だかんだで当時結構好きで読んでたんですけどねぇ…今見るとぶっ飛んで
別の意味で相当腹痛かったですw

しかしようやっとルナクリア…最後は練成武器大放出で乗り切りました。それでも練成グラウアー酷過ぎだろ…

それでは小話もこれ位にして…最終話投下します。

134 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:16:05 ID:fHOIeVMI
A 王道END 皇帝Ver

『そして今日、全日本ユースが迎え撃つのは…!シャナイダー選手率いるドイツユースです!
さあ今、ドイツの選手たちが入ってきました。選手たちが登場してきました。(とっくに入場している)』

『いや〜ここまでシュナイダー選手は全試合ハットトリックという驚異的な破壊力を見せてますからね〜
何と言ってもこの人を抑えられるかが今日のポイントじゃないでしょうかね?』

『その鍵を握るのがやはり何といっても全日本ユースの同じくキャプテンの森崎選手でしょうネ〜。
彼も決勝までは準決勝でフランスに許した1失点しかしてませんからネ〜』

『さあそしてお聞きくださいこの大歓声ッ!ブルーのスタンド一色!(そうでもない)この大歓声の中、
我ら全日本が登場してきました。総合優勝を掛けた大事な一戦です!!さぁこれから両チーム国歌斉唱です』

「ぎみ゛〜がぁ」

【放送するのに不適切な内容のため、しばらくお待ちください】
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135 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:17:11 ID:fHOIeVMI
『……さあ両国の国歌斉唱も無事に終わり、両キャプテンによる試合前のペナント交換が
今まさに行われようと歴史的な瞬間です!』

「約束どおり…上がってきたぜ。キャプテンマークと共にな」

「ああ…俺もこの時を待ち望んでいた…フランス国際Jrユース大会の借り、ここでキッチリと返させてもらうぞ」

「抜かせ!ここまで全試合ハットだかなんだか知らんが…今日は1点も決めさせん!」

「フッ…お前以外のキーパーからのハットトリックなどいくら決めようが意味が無い…今日お前からゴールを奪い
勝利するのは俺たちドイツユースだ!」

「いいや!悪いがフランス国際Jrユース大会の再現をさせてもらう。俺たち全日本ユースの勝利でな」

そしてひとしきり舌戦を終えた後、森崎とシュナイダーは互いにニヤリとした笑みを見せ、右手を差し出し固く握手を交わす。

136 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:18:33 ID:fHOIeVMI
「あ〜つまんねェつまんねェ!何だって他人の晴れ舞台をこんな観客席で見なきゃならねェんだよ」

「…それならば見なければいいだろ?」

「んなのは俺の勝手だろうが」

もう何度目となるだろうこのやり取りをするのも。そろそろいい加減にしてくれとピエールは思う。
いくら喚こうがもはや自分たちが敗退したという事実は覆せない。無論負けた事には悔しさを感じるが、
死力を尽くした結果なので後悔はしていない。しかし隣に座る相棒はどうも違った感想をもっているらしい。
そしてこれも何度目となるのだろうか、心の中でため息を付く。ならば気分転換にでもと何となく周りを見渡すと…
ある地点でピエールの瞳が信じられないとばかりに大きく見開かれる。

「何だありゃ?仮装パーティでもやってんのか?アレ?」

隣に座る相棒…ルイ・ナポレオンもそれに気が付いたのだろう。素っ頓狂な声を上げそれら…複数の人物がいる
集団を凝視している。その集団のうちの何人かは確かにナポレオンが言うようにサッカー場には似つかわしくない格好を
しており、やはり周囲から視線を集めていた。しかしピエールは…

「オイ!ピエール!!」

ナポレオンが自分を呼ぶ声を背にすでに考えるより先にその集団に向かって駆け出していた。

137 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:19:45 ID:fHOIeVMI
「?!…モリサキ…あれを見てみろ!」

「ん?」

試合前のコイントスを行おうかと言うところで、シュナイダーが驚愕の表情で観客席のある方向を指差す。
そして森崎も言われたとおりにそちらの方へ顔を向けると…

「嘘…だろ?…夢じゃ…ないんだよな?」

やはりそれを見る森崎もシュナイダーと同じく驚愕の表情になる。視線の先にはもはや会う事は
ないだろうと思っていた懐かしい顔ぶれが揃っていた。何故彼らがここへと疑問が沸くが、それはすぐに氷解する。

「どうして…とかは考えるだけ無駄なんだろうな」

「確かにな…だとしたらこれは…下手な試合は見せられないな」

「…全くだな」

そしてコイントスの結果ドイツユースがボールを取る。

138 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:20:46 ID:fHOIeVMI
『まさにお互い真剣もんどん!勝ってこのまま日本へ帰るわけにはいきません!』

『よし頼んだぞ!!頑張れェ〜頑張ってくれッ!!』

『まずは立ち上がり慎重に行きたいですネ』

『さぁ今独特の緊迫感の中…』

ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!

『今ホイッスルが吹かれ、激闘の歴史に幕を下ろします!!』

ホイッスルが吹かれ、シュナイダーとツートップを組むマーガスがボールを前に軽く蹴り出すと、
シュナイダーがそれに猛然と駆け込み…

139 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:21:53 ID:fHOIeVMI
『うわッ〜!これは!!』

『マサカッ!!』

(モリサキ…まずは挨拶代わりだ。止められるなら…止めて見せろ!!)

右足を大きく振りかぶる。シュナイダーのまさかのキックオフゴール狙いに全日本は誰一人として反応できない。
ただ一人これを予想していたこの男を除いて。

「チィ…!挨拶代わりにしても張り切りすぎだろうが!!」

そして森崎が身構えるのと同時に──

「ネオファイヤ〜〜〜〜〜〜!!」

「させるかよッ!!」

シュナイダーの右足が振り下ろされ、ボールは爆発的な加速を持って全日本ゴールへ一直線に伸びて行く。
それを万全な体勢からのセービングで迎え撃つ森崎。まるで炎を纏ったかのような錯覚さえさせるシュートに、
雄たけびを上げながら自らの両腕を投げ出したところで………



             ――――― 〜森崎in異世界トーナメント〜 FIN ―――――

140 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:22:56 ID:fHOIeVMI
これにて森崎in異世界トーナメント完結です。初投下が2008/11/19(水) となってますのでほぼ二年で
(といっても最終戦の入りから終わりで半年以上を占めてますが…)やっと10スレという遅筆の極まりですが
何とか完結させることが出来ました。やってる最中は本当終わるのかと思い長く感じましたが…
終わってみると短いような…まぁ何せ10スレ分ですしね…w

しかしこの話が生まれ完結できたのも、キャプ森を始めた1さん。それを引き継いだ2さん。
このような場を提供していただいた698さん。並びに他の外伝スレ主様。そしてここまで応援してくださり、
参加してくれた読者様方あってのものだと深く感謝しております。

今後は名無しで一読者として森崎版を楽しんで行きたいと思います。
まあその前にありがたくもウチのキャラで人気投票を開いてほしいという需要もありましたし、
このスレも結構余っているので、需要あるかは分かりませんが、マスクデータになってたものの公開と、
チラ裏らしい事を人気投票が開催されている間にでもちょこちょこ更新していこうかと思ってます。

さて…そろそろ積みゲーを消化していくか。とりあえずどれから手を付けるか…

141 :キャプ森ロワ:2010/08/15(日) 21:24:07 ID:fHOIeVMI
後、よく考えたら移転でテンプレにある過去スレのリンク先が変わっていたので…
完結もしたし…ということでリンク先を直したものを貼っておきます。

外伝スレ2>>844から最後までです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1221380297/
1スレ目【エリート熊が】キャプ森ロワ1【倒せない!!】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1227367935/
2スレ目【異世界の】森崎in異世界【勇者たち】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1231515954/
3スレ目【ペテン師の】森崎in異世界2【猪狩り】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1235054320/
4スレ目【紳士】森崎in異世界3【激闘録】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1238931855/
5スレ目【三人の】森崎in異世界4【音波兵器】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1243002343/
6スレ目【どけーっ!】森崎in異世界5【イデの力を(ry】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1246883087/
7スレ目【記録よりも】森崎in異世界6【記憶に残る者たち】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1252851276/
8スレ目【グローバルフットボーラーよ】森崎in異世界7【永遠に】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1256564935/
9スレ目【絶対に】森崎in異世界8【負けられない戦い】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1260102975/

それでは最後に…本当にありがとうございました。

142 :森崎名無しさん:2010/08/15(日) 21:46:01 ID:???
完結乙!
人気投票も楽しみにしてます

143 :森崎名無しさん:2010/08/15(日) 22:18:05 ID:???
背景がえらいことにwww

144 :森崎名無しさん:2010/08/15(日) 22:21:22 ID:???
完結ラブマリー乙でしたw

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