キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
キャプテン森崎まとめ掲示板TOP

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50


レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。
【戦わなければ】幻想のポイズン43【生き残れない】

1 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/29(金) 23:12:40 ID:???
全幻想郷JrユースのFW、反町一樹が幻想郷・外の世界のサッカー界に旋風を巻き起こすというスレです。
この話はキャプテン森崎のパラレル作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
もしかしたら他のアニメや漫画、小説などからもキャラが出たりするかもしれませんがご了承下さい。

本編のように、選択肢を選んだりカードを引いたりして物語が進んでいきます。

【前スレ】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1286201588/l50

[前スレのわかりやすいあらすじ。]
全日本Jrユースをフルボッコにし、再び幻想郷へと戻ってきたオータムスカイズ。
そして、翌日からいよいよ開始した合宿で出会ったのは新たな仲間達。
キャプテンの座を狙う者が多数いるこのサバイバル合宿で、果たして反町はどう成長をしていくのか。
戦わなければ生き残れない!

若島津「ダイヤK! スペードK! スペード10!!」
若林「もう駄目だ……おしまいだ……。 俺たちは殺されるんだぁ……」
森崎「これが俺の頭脳的なドリブルだー!」
輝夜「私が監督の蓬莱山輝夜よ!!」
松岡「もっと熱くなれよォォォォ!!」
咲夜「なんか気づいたら同性愛者の烙印を押されていた。真に遺憾である」
リグル「ハッハァー! 私がエースのリグル=ナイトバグだぁ!!」
パチュリー「(……もう少しだけ頭が良ければ)」
てゐ「後悔させないよ」
魔理沙「だが断る!」

いよいよ始まった全幻想郷Jrユースの合宿。
幸せ兎が暗躍し、奇跡の風祝が勘違いをし、監督とコーチがどことなく頼りない中。
反町は……そして、他の者達はどのように動いていくのか!?
そんな幻想のポイズン43スレ目、このスレでもよろしくお願いします。

925 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 12:47:15 ID:???
【古明地姉妹の】幻想のポイズン44【野望】
【白熱する】幻想のポイズン44【レギュラー争い】
【消えるシュートの】幻想のポイズン44【本格開発】
【次に向けての】幻想のポイズン44【進化の時】

926 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 18:59:43 ID:???
>★天子「成長チャンぬ」→ スペード6 =天子「お前の浅はかさは愚かしい」 松山「え?」★
======================================================================================
全日本Jrユースメンバーの中から比那名居天子が目をかけた人物。
それは汚い忍者でもなければ、リアルにモンクタイプな空手キーパーでもない。
北国出身の努力家MF――北海の荒鷲、松山光であった。
既に殆どの選手たちが練習終了という事で引き上げ、自室へと戻ろうとする中。
生来の努力家である松山はなおも居残り、額に汗を流しながら練習に励む。

松山「(俺は翼や日向みたいな天才じゃない……! 俺が上手くなるには、誰よりも努力する必要があるんだ!
    反町だって、きっと幻想郷ではそれこそ血が滲む程の特訓を繰り返してきた筈!
    追い越された分を取り戻すには、少しでも練習時間を増やすしか……)」
天子「お前の浅はかさは愚かしい」
松山「え?」

とにかく練習をしなければ次に反町達と戦う時に――幻想郷の者達と戦う時に、またも何も出来ないまま終わってしまうと考える松山。
そんな彼はただ我武者羅に練習を繰り返していたのだが、しかし、そんな松山の背後に迫った天子は。
不躾にも松山の練習を否定し、その言葉を聞いて思わず松山は間抜けな声を出しつつ……。
しかし、すぐに表情を険しいものへと変貌させて反論をする。

松山「俺のどこが愚かって言うんですか、天子さん……。
   俺はあなた達みたいに才能はこれっぽっちも無いんだ。 だから、その分をこうやって努力で補うしかない。
   邪魔をするつもりなら――」
天子「一瞬の油断が命取り。 それがわかっている分お前はまだ賢い。 ジュースを奢ってやってもいいくらいね。
   でも、ただ闇雲にボールを蹴るだけじゃ意味が無い。 見ろ、見事なカウンターで返した」
松山「……えっと? え?」
天子「つまり、努力をする事自体は否定しないけれど。 ちゃんと目標なり目的なりを決めてやらなきゃ意味無いって事。
   あんたボールを蹴る時さっきまで何を考えてた? 何かを極めようと、高めようと思ってちゃんと動いてた?」
松山「それは……」
天子「違うでしょ? ただ焦ってシュートを乱発したりボール持って走ったりしてただけでしょ?
   それじゃ成果が出るものも出ないって言ってるの」

927 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 19:01:18 ID:???
自身の努力を否定され、最初は激昂をした松山だったが……。
しかし、天子の意味不明な言語に思わず毒気を抜かれ――。
そんな松山を見て天子は呆れながらも、松山に上手く伝わるように口調を標準語へと変えながら。
松山の問題点を指摘。
それを受けて松山はハッとなりながら、小さく恥じるように顔を俯かせる。

松山「……確かに、天子さんの言うように何も考えず練習をしてちゃ意味が無いな。
   俺……焦ってたのかな……。
   あの……ありがとうございます。 このままじゃ意味が無いからって注意してくれたんですよね?」
天子「選手兼コーチとして当然の事をしたまで。 流石選手兼コーチは格が違った!」

感情の触れ幅は大きいが、それでも全日本Jrユースの中では幻想郷勢にも割と好意的であり。
また、人のいい松山は天子の言葉に何度も何度も頷きながら、天子に謝意を伝え。
一方で天子はそれを受けて笑みを浮かべながら、無い胸を精一杯張ってみせ……。
そのまま流れで、天子が松山の練習を見てやるという事になる。

天子「っていうかそもそもあんたはこのチームの中では自分がどういう役割だと思ってるの?
   そこを理解してないと、練習だってしようが無いけれど」
松山「……翼に岬。 それに、スタメン出場が出来るようになった三杉がいる以上はOMFは無理だと思ってます。
   実際、ハンブルグ戦でもオータムスカイズ戦でも俺はボランチで起用されてたし。
   今後はボランチとしての能力を上げていくのがチーム力の底上げになると思ってます」
天子「なら、現段階だとタックルは十分ね。 問題はそれ以外の守備力に、
   ボランチとして必要なキープ力や後方からのパスでの試合の組み立て。
   それに、あんたの得意なロングシュートも世界レベルで見れば大した威力じゃない。
   得点力を強化したいと思うなら、鍛えるのも間違いじゃないわ」
松山「……世界で戦うには、まだまだ伸ばさなきゃいけない能力が山ほどあるんですね」
天子「ボランチに求められるものは多いからね。 ま、どれを伸ばしたいかはあなたに任せましょう。
   どれを鍛えたいと言って来ても、私がきっちり教えてあげるわ」
松山「はい!」

928 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 19:02:20 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★天人様のありがたいコーチ→! card★
★道産子の熱血受講→! card★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→松山「ええい、全部だ!!」
ダイヤ→松山「キープ力は俺の自慢だ! キープ力を鍛える!」 ハート→松山「いざという時の得点力が無いと……」
スペード→松山「DF並のブロックが出来るようにならないと!」 クラブ→松山「ふらの時代に培ったパスを上げよう!」

二人の特訓カードのマーク・数字が一致した場合、数値の合計に+5されます。
JOKERの場合は、自動的に相手のマークと一致になります。
二つのカードの合計値が、

【反町】
35→松山、神になる。全能力+3・必殺ドリブル・タックル技発動率上昇・マークの技取得!
31〜33→松山、超化。全能力+2・必殺ドリブル・タックル技発動率上昇・マークの技取得!
26〜30→松山、進化。全能力+1・必殺ドリブル・タックル技発動率上昇・マークの技取得!
22〜25→松山、変身。必殺ドリブル・タックル技発動率上昇・マークの技取得!
18〜21→松山、覚醒。必殺ドリブル・マークの技取得!
11〜17→松山、パワーアップ。マークの技取得!
2〜10→まるで効果無し。 天子は深い悲しみに包まれた。

929 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 19:02:55 ID:???
★天人様のありがたいコーチ→ クラブ5

930 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 19:03:12 ID:???
★天人様のありがたいコーチ→ ダイヤQ

931 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 19:03:16 ID:???
★道産子の熱血受講→ スペードA


932 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 19:03:38 ID:???
★道産子の熱血受講→ スペード9

933 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 19:03:55 ID:???
天子は深い悲しみに包まれた

934 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 19:05:33 ID:???
何を特訓するかのカードが無いような気がするのは気のせい?
まあ効果なしだけど

935 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 19:07:05 ID:???
>>934
何を特訓するかは松山の行がその役割となってます。
今回の場合ですとブロック技の取得を目指したという事ですね。
残念!ヒグマブロック登場ならず!

936 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 20:30:41 ID:???
>★天人様のありがたいコーチ→ クラブ5 ★
>★道産子の熱血受講→ スペードA ★
>まるで効果無し。 天子は深い悲しみに包まれた。
===============================================================================
やはりオータムスカイズ戦で見た反町やリグルといった幻想郷のFWのシュートが印象的だったのだろう。
ボランチとして必要な能力――その中で松山が一番に鍛えるべきだと考えたのは、敵シューターのシュートを阻むブロックであった。
それを天子に伝えると、天子は二つ返事で了承をしシューター役をしてくれる事となる。
幻想郷トップクラスのFWである天子のシュートを相手に練習をすれば、松山のブロック能力は大きく向上するだろう。
それは確かに事実ではあったのだが――。

天子「そんじゃ軽く……壁は1枚でいい!」

バシュウッ!!

松山「よ、よしっ! ここd……ぶげらぁっ!?」
天子「あ!?」

選手兼コーチが派遣され、合宿が再スタートをしてから既に1週間。
その間で全日本Jrユースの者達が実力をつけたのは確かだが、しかしまだまだ実力には圧倒的な差があり。
天子のシュートと松山のブロックは、文字通り天と地程の差があるような状況であった。
そんな状況において、威力を最小限に抑えられているとはいえ天子の必殺シュートを受けた松山は呆気なく吹っ飛ばされ……。
天子が唖然とする中、地面に強かに全身を打ち、その衝撃の前に気絶をしてしまう。

松山「…………」
天子「や、やっちゃった……」

天子がもう少し手加減をしていれば――或いは、松山がもう少し己の力量を考えて全力でいかず。
ショックを和らげるような軽いブロックしかしていなければ、このような結果にはならなかったろう。
しかし、両者共に気合が入りすぎていたが為に――結果は散々なものとなってしまうのだった。

937 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 20:31:47 ID:???
次籐「ふぬっ……ふぬっ……!!」

こうして松山が折角の成長チャンスを不意にしている頃。
一方で合宿所、室内トレーニング場では全日本Jrユースの巨漢DF――次籐洋が今日も黙々と鍛錬に励んでいた。
オータムスカイズ戦では決して大柄とは呼べない反町のドライブシュートに吹き飛ばされ。
そして、どう見ても小学生ほどにしか見えない小柄なリグルのライトニングリグルキックに吹き飛ばされ続けた次籐。
全日本の壁と言うには、あまりにも情けなさ過ぎる結果を、彼は決して忘れていなかった。

次籐「(今更スピードをつける事ば無理に近い……! なら、もっとパワーをつけるしかあんめぇ!!
    反町のシュートにも、あのリグルとか言う女子のシュートにも吹っ飛ばされんだけの力を……!!
    これ以上、役立たずのままではおれんのじゃ!!)」

黙々と筋力トレーニングに励み、反町達にも負けないだけのブロックを開発しようと目論む次籐。
大柄で不器用に見えるが、しかし、意外にも繊細である彼。
これ以上足手まといではいられないと、敵のFWのあらゆるシュートを跳ね返せるだけの実力をつけようと、鍛錬を積むのだが……。
果たして、その成果は――。

先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★フラグが立ってた次籐→! card★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→必殺ブロック入手! 全能力+2!
J〜K→必殺ブロック入手! 全能力+1!
7〜10→必殺ブロック入手!
A〜6→効果がなかった……

938 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 20:34:18 ID:???
★フラグが立ってた次籐→ ダイヤA


939 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 20:35:27 ID:???
タイも道産子も駄目駄目でござる

940 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 20:37:18 ID:???
>>天子「や、やっちゃった……」
やっちゃった、じゃねえよwww

941 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 20:37:46 ID:???
日本ラスボスは消えたな

942 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 20:47:59 ID:???
これで27スレで次籐さん引き抜かれていたらどうなっていたことやら…
……といっても特訓失敗したのはその次籐なんだけどね

943 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 21:04:35 ID:???
「全日本Jr.ユース……闘えるのはお前だけだ」
ってな状況が見えるなーw

944 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:00:31 ID:???
>★フラグが立ってた次籐→ ダイヤA =効果がなかった……★
=====================================================================
ガチィッ…… ガチィッ……!

次籐「むっ……ぐぅっ……!?」

筋力トレーニングに励む次籐であったが、やはりその成果は芳しくない。
そもそも、スピードというものを一朝一夕で身につける事も不可能に近いが。
筋力をつけるというのも、これまた一朝一夕では到底不可能な事である。
元々ガタイが良く、筋力量は他者に比べて大きくついている次籐が更に筋力を蓄える事は難しく。
結論から言って、ここ数日のトレーニングでは僅かに力をつける事が出来たものの……。
まだまだ幻想郷勢のシュートを止めるには、及ばない程度のレベルまでしか次籐は成長が出来ないのであった。

次籐「……佐野。 お前は今頃、何をしてるんかのう……」

成果を出せなかった事を認識した次籐は、ダンベルを床に下ろすとたそがれた目でそう呟く。
佐野満――比良戸中では次籐の一学年下でありながらも攻撃の軸として活躍をし。
王者南葛とPK戦までもつれ込む事に一役買った、軽業師。
三杉から佐野もまた幻想郷へと旅立ったという話を聞いていた次籐は、そんな佐野の事を不意に思い出し。
今の不甲斐ない自分を見たら、彼がどう思うのだろうかと自嘲の笑みを浮かべる。

次籐「(世界は広か……広すぎっちゃ……。
    佐野……幻想郷に行ったお前は、もうわしの届かんところにおるんかのう?
    ……わしも、幻想郷ちゅう場所に呼ばれてれば……今みたいな思いはせんで良かったんじゃろうか)」

らしくないセンチメンタリズムに包まれながら、次籐はそっとため息を吐いた。
役立たずでは終わりたくない――しかし、それでも次籐は、成長が出来なかった。

945 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:01:31 ID:???
〜フランス市内 とある川原〜

若林「………………」

こうして松山や次籐が、それぞれ居残り練習をしていた中。
全日本Jrユース代表に合流を果たした、西ドイツ――ハンブルグJrユースの正ゴールキーパー。
SGGKの異名をとる天才ゴールキーパー、若林源三は、合宿所から数キロ離れた場所にある川原で一人体育座りをし。
呆然としながら、徐々に河の向こう側へと沈んでいこうとする太陽を眺めていた。

反町のシュートを受け、右手を負傷した若林源三。
彼は合宿が再スタートをしてから、しばらくは軽い練習をする事しか監督やコーチ陣に許されていなかった。
こうして彼が今、川原にいるというのも、その軽い練習メニューの内であるランニングの最中であった為である。

若林「(太陽が沈む……沈んでいく……)」

落ちる陽を見て、若林はその姿に自分の影を重ねる。
こんな筈ではなかった――全日本と戦う前、若林は全日本に対して完勝をする筈であった。
翼を含む全日本メンバーのシュートを全てシャットアウトし、森崎との格の違いをアピールする。
そして、全日本内での自分の地位を確固としたものにする。
100%そうなるであろうと思われた練習試合は――完勝こそしたものの、しかし、若林にとっては汚点しか残さないものとなってしまった。

このままでは代表内での地位が完全に危ぶまれると判断しての、オータムスカイズとの練習試合での先発。
女子を中心にしたチームならば、確実に失点はしないだろうと考えて臨んだ試合も――。
チーム全体が圧倒的に押されていた状況下の中とはいえ、6失点という屈辱を喫してしまった。

若林「どうしてこうなったんだ……どうして……」

あの敗戦から何度目になるのかわからない台詞を吐きながら、若林は思わず涙ぐむ。

946 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:02:33 ID:???
確かに若林源三は、西ドイツへとサッカー留学をしてから、殆ど己を鍛えていなかった。
否、無論クラブチーム内では日本人という事でされたいじめにも負ける事なく周囲に反発し。
チームで行う練習には当然ながら出て、試合などでも着実に成果を出した。
だが、自主的な練習という意味では、殆どしていなかった。

若林「(それは俺も悪かった……森崎を侮っていたのもある……。
    西ドイツに留学をしたのだから、日本にいる連中には負けないという慢心があったのもわかる。
    それが悪かったのは十二分にはわかっているんだ……だが……)」

果たしてそれだけで、ここまでの屈辱を受けなければならないのか……。
体格こそ大柄とはいえ、一介の中学生である若林源三にとって。
チーム内の誰からも蔑まれるような目で見られ、かつては子分であった者達からも哀れみの目で見られ。
そして、恐らくは少なくとも、このJrユースの時だけは森崎から正ゴールキーパーの椅子を奪えないだろう状況。
ただ少し慢心し、堕落していただけで――若気の至りだけで、ここまでの冷遇をされなければならないのか。
今からではどうしても取り戻せないのか、一時の過ちだけで人生全てを棒に振る事になってしまうのか。
それだけが若林源三の心中では、渦巻いていた。

若林「どうして……」

ザッ……

若林「!?」

今日何度目か、数えるのも嫌になるほどの泣き言を呟き、若林は瞳に涙を溜めながら息を吐く。
名門に生まれた彼は、何かの分野において才覚を発揮するという事を義務付けられており。
それが出来なかった時、彼が家でどのような扱いをされるかは目に見えている事。
このJrユース大会で一度として活躍が出来なければ、それは若林にとってお先真っ暗であるという事と同義である。
将来を不安視する彼がため息を吐いた直後、不意にそんな彼の背後から誰かが歩み寄る声が聞こえ……。

さとり「………………」
若林「(……女?)」

947 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:03:42 ID:???
振り向いた若林の前に立っていたのは、若林より一回りも二周りも小さい少女。
髪は彼にとって忌々しいオータムスカイズの連中を思い出させるような、現実には絶対いないような紫色。
園児を思い出させるような、幼い衣服に胸元には奇妙な目の形をしたアクセサリー。
一体何者なのかと、思わず若林がいぶかしむ中、その少女はしばし若林を見つめ……。

さとり「あなたも……なのですね……」
若林「何? って、おい!? ちょ、ちょっと待て!!」

不意に何事かを呟くと、その両の瞳から大粒の涙を流しながらその場に蹲る。
基本的に傲慢が服を着ているような性格の若林とて、一介の中学生。
目の前で突如女性が泣き出して放っておける程の人非人でもなければ、上手くフォロー出来る程の世渡りの上手さは持っていない。
大慌てで若林は周囲の目を気にしながら少女を宥めようと近寄り、肩を抱きながら起こそうとし……。

若林「(!? キーパーグローブ……?)」

そんな時、少女が手に嵌めていた手袋――キーパーグローブを見て目を見張る。
明らかに力がなさそうであり、そして、俊敏な動きが出来そうにない少女。
しかし、そんな少女がやたらと強烈なシュートを打ってきたりするのを一度だけ見た事がある若林は。
少女の正体についてもしやと感づき……。

さとり「そうです……私もあなたと同じ……」
若林「!?」
さとり「たった一度の過ちと、慢心故に……理不尽過ぎる暴力で叩きのめされ。
    地に落ちた、キーパーです……」

少女は自身の正体を、涙声交じりに語る。
古明地さとりと、若林源三。
かつては名声を浴び、才能に溢れていたが――たった1人の選手の前に、そのプライドをズタズタに引き裂かれ。
地位も名誉も栄光も、全てを失くしてしまったキーパーの、出会いであった。

948 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:04:50 ID:???
〜全幻想郷Jrユース 合宿所〜

反町「(なんだか俺の事をえらい酷い言われようしている気がする)」
ヒューイ「おなかすいた〜」
リグル「砂糖水飲む?」
ヒューイ「おなかふくれない〜」

紅白戦を終え、食事などを取った全幻想郷Jrユースの面々はそれぞれ自室へと戻り。
反町もまた、自室でリグルやヒューイらと共に談笑をしつつ、さて今日はどうしようかなと考えていた。
因みに、ヒューイは先ほどご飯を食べたばかりなのにまたおなかが空いたと言っていた。
しかし、もはや慣れっこなので反町のスルーっぷりも手馴れたものである。

反町「(さて、どうしよう? 今日もどこかの部屋にいくか部屋でじっとするか……うーん……)」

A.同室のメンバーに話を振ってみる
B.部屋でじっとしている
C.施設の中を歩き回ってみる
D.他の部屋に遊びに行く
E.個人練習をする

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

949 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:05:41 ID:qn8MV0z6
A そろそろ同室メンバーとも話したいな

950 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:06:48 ID:1XyOSDDM

地獄姉弟
次はどのキーパーを破壊する気だ、反町

951 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:15:31 ID:w4bOxueE
A

952 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:16:45 ID:???
リグルとヒューイも気がついたらいいコンビになってるなw

953 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:17:28 ID:???
>>950
反町じゃなくていいなら幻想メンバーが派遣されていない国のキーパーだろうね
本気でいくと秋空対日本や本スレのサンパウロ対コリンチャンス並のスコアだろうし

954 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:20:54 ID:???
そういえばイングランドには誰も派遣されてないんだったな。ロブソンカワイソス。

955 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:23:16 ID:???
イングランドはあのフランスよりも弱いからな……

956 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:26:40 ID:???
>A.同室のメンバーに話を振ってみる
==========================================================
反町「(そうだな、リグルとヒューイを相手に話でもしてみるか。
    でも、何の話をするかな……?)」

A.リグルの話(更に分岐)
B.ヒューイの話(更に分岐)
C.反町の話(更に分岐)
D.今日の紅白戦について
E.チーム内の情勢について
F.他国のチームについて
G.その他 自由投票枠

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

957 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:27:37 ID:qn8MV0z6
A 課題がはっきりしてるほうから

958 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:28:09 ID:LJsVS/3+
A

959 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:34:40 ID:EUaln3ZI
A

960 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/15(月) 23:41:46 ID:???
>A.リグルの話(更に分岐)
===============================================================
反町「(そうだな、リグルの話でもするか……でも、何の話をするかな?)」

A.リグルの成長方針について
B.リグルが新技を開発していないかについて
C.リグルと反町のコンビ技について
D.リグルとエース論を論ずる
E.リグルから砂糖水を貰う
F.その他 自由投票枠

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

961 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:42:39 ID:LJsVS/3+
E

962 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:42:56 ID:qn8MV0z6
A ここは真面目に、Dから目をそらしつつw

963 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:43:57 ID:???
Eだと反町の最大ガッツ減りそうw

964 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:46:27 ID:EUaln3ZI
A

965 :森崎名無しさん:2010/11/15(月) 23:51:25 ID:w4bOxueE
A

966 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 00:11:17 ID:???
>A.リグルの成長方針について
====================================================================
反町「(そういえば……なんだか他の皆に比較して、リグルのこの合宿での伸びはあまり良くないんだよなぁ)」

合宿が開始してから既に1週間。
周囲の者達もそれにあわせ、少しずつではあるが実力を向上させているのだが……。
そんな中、リグルだけはその成長から一歩遅れを取っているような状況にあった。
その原因は、やはりリグルがシュート力の維持を考えつつ練習メニューを組んでいた事にあるだろう。
無論、FWとして一番重要なのは得点力であるからして、その考えは間違いではないのだが……。
しかし、そもそもリグルは反町以上にアンバランスな基礎能力とバランスの持ち主だったのである。

反町「(急激にシュート力が伸びた分、後からそれを維持するのは厳しい……。
    今の俺と同じように、リグルのシュート力はどれだけ鍛えても殆ど伸び代は無いんだ。
    リグルはシュートだけじゃなく、ポストプレイに使える技もあればドリブルも上手い。
    タックルだってこなせるくらい、色々器用なんだ。
    それを生かせるよう、他の能力を伸ばすのも悪くないんだけど……)」

反町がその事を口にすると、一瞬リグルは眉間に皺を寄せ……。
うーんと唸りながら、反町に反論するかのように口を開く。

リグル「……でも、シュート力を鍛えなきゃ今よりもシュート力は落ちるよ?
    ただでさえ白黒があんなシュートしてるんだし……他の事までやってちゃレギュラー取れないよ!!」
反町「それは……(確かにそうだな……伸び代は無いとはいえ、鍛えなきゃ今より少しだけシュート力は落ちるだろう)」

967 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 00:12:17 ID:???
無論、落ちるといってもそこまで大きな幅ではなく、FWとしては十分過ぎる程の得点力は維持出来るだろうと反町は予想する。
しかし、それでもシュート力が魔理沙に劣るようになってしまうというのは明らかであり……。
リグルの懸念は、どうやらその点であるらしい。

反町「(リグルなら俺の言う事は聞いてくれるとは思うけど……さて、どうしよう?
    本人はこのままシュート力を維持したいみたいだけど……このままじゃシュート以外は何も出来ないし。
    そのシュートだって……言いたくは無いけど、俺より劣るのは事実だ。
    シュート力が落ちるとはいえ、その幅はほんの少し。 それなら他の行動の練習に時間を注いだ方がいいと思うけど……)」

A.「わかった。 確かにリグルの言うように、シュートを疎かにするのは駄目だな」 現状の練習方針に問題は無い
B.「やっぱり他の練習もこなした方がいい。 そっちの方が起用される可能性は高いぞ」 練習方針の変更を促す
C.「コーチに相談してみるのはどうだ? 面倒見てくれるかもしれないぞ」 コーチに相談してみろと言ってみる
D.「ヒューイはどう思う?」 ヒューイに聞いてみる
E.その他 自由投票枠

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

968 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:12:26 ID:???
しかも現状ではそのシュートも通じてないからな(少なくとも紅白戦では)

969 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:13:19 ID:JknA9Ac+
E C+パチュリーの方に

松岡さん選ばれたら嫌な予感が…w

970 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:13:43 ID:ZtrTAo/+
E:C+自分も付いていく

971 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:14:11 ID:RpTrLZxw
E C+パチュリーの方に

972 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:20:43 ID:gbDbmRj6
C

973 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:20:59 ID:JknA9Ac+
E:C+自分も付いていく

変更お願いします

974 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 00:22:21 ID:???
>>973
変更了解です

975 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:24:33 ID:RpTrLZxw
E:C+自分も付いていく

同じく変更。

976 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 00:27:14 ID:???
>>975
変更了解です〜。

977 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 00:51:05 ID:???
>E.C+自分も付いていく
==============================================================
リグル「コーチ?」
反町「ああ、このチームには二人もコーチがいてくれるんだ。 その人たちに相談をしに行くのは悪くない……。
   というより、こういうときの為にコーチっていうのはいてくれるんだ。
   俺もついていくから、コーチに相談しに行こう」
リグル「んー……まあ、わかったよ」
ヒューイ「でも、流石に今日は遅いからもう無理だねー。 行くとしたら明日かな〜?」

そもそもコーチなどという存在とは無縁な選手が殆どの者が多い幻想郷。
オータムスカイズにも、かつては藍や妹紅といった者達がコーチをしに来てくれていたとはいえ。
あくまでもそのコーチ業も「うまくサッカーを教えてくれる」というものが基本。
決して練習方針を相談したりだとかをするような相手ではなく……リグルは当初反町の言葉に疑問を持つのだが。
しかし、反町がついてきてくれるのならとその提案を了承。
今日はもう時間が遅いという事で、また明日改めてコーチの元へ行こうという事になり……。
一同は明日の練習へと備え、今日は早々に眠る事となるのだった。

そして、一方その頃、反町やリグル、ヒューイ以外の者達はといえば……。

先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★他の方々の動向→! card★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→
ダイヤ→輝夜「……こんなところかしらね!」 ぐーやが現時点でのベストの起用法を考案していた!
ハート→穣子「(やばいやばいやばい! このままじゃ落ちる!!)」 穣子さんが練習してた!
スペード→妖精1「(どうしよう……今のままじゃまたベンチウォーマーだ……)」 妖精1さんが悩んでいた!
クラブ→うどんげ「霊夢〜、明日私の練習手伝って〜」 うどんげさんが霊夢に練習を手伝ってくれるよう要求してた!

978 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 00:52:22 ID:???
すみません、JOKERの判定が抜けていました。正しくは以下になります。

JOKER→パチュリー「話は聞かせてもらった! リグル、来なさい! 今すぐコーチをしてやる!」 ゲェー、パチュリー!?
ダイヤ→輝夜「……こんなところかしらね!」 ぐーやが現時点でのベストの起用法を考案していた!
ハート→穣子「(やばいやばいやばい! このままじゃ落ちる!!)」 穣子さんが練習してた!
スペード→妖精1「(どうしよう……今のままじゃまたベンチウォーマーだ……)」 妖精1さんが悩んでいた!
クラブ→うどんげ「霊夢〜、明日私の練習手伝って〜」 うどんげさんが霊夢に練習を手伝ってくれるよう要求してた!

979 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:52:32 ID:???
★他の方々の動向→ クラブ7

【魔法陣】幻想のポイズン44【リグルグル】
【地獄姉弟】幻想のポイズン44【結成】

980 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:53:33 ID:???
ほんと他人利用することしか考えとらんなw

981 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 00:54:30 ID:???
霊夢だとJOKER以外は拒否しそうw

982 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 00:54:31 ID:???
うどんげさんに成長チャンスがやってきそうになったところで本日はひとまずここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。
スレタイは引き続き募集をしております。それでは、お疲れ様でしたー。

983 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 01:03:09 ID:???
最低最悪の事態だけは避けたかw

984 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 01:04:16 ID:???
すいません誤爆しましたorz
オータムドライブでどてっぱら抉られてきます…

985 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 01:04:39 ID:???
穣子…

986 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 01:11:54 ID:???
一番得意なパスカットが霊夢のパス以下だからな…
タックルも期待出来そうにないし、キープもヒューイ以下だとマジで代表落ちしそうだよね

987 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 02:13:18 ID:???
うどんげは霊夢のチーム裏切ったくせによくこんなこと言えたもんだ

988 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 07:41:56 ID:???
まぁ、原作でも地獄行き確定の人だから仕方がない

989 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 18:31:37 ID:???
【かませたちの】幻想のポイズン44【夜】

990 :森崎名無しさん:2010/11/16(火) 20:49:41 ID:???
【変わる世界】幻想のポイズン44【異なる視点】【超絶シューターから】幻想のポイズン44【二流FWへ】

991 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/16(火) 23:37:52 ID:???
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1289915424/l50

次スレを立てて参りましたー。
スレタイは>>925さんのものを使わせていただきました。
他にも沢山考えてくださった皆さん、どうもありがとうございました。

992 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/17(水) 01:01:23 ID:???
>★スーパーうどんチャンス→ ダイヤ8 =霊夢「いいわよ。 私は動かなくていいんでしょ?」 あっさりだ!★
==================================================================================================
うどんげ「えっ……い、いいの!?」
霊夢「だって動かなくていいんでしょ? 楽じゃん」

根本的に自主練習というものをしたくない霊夢にとっては、むしろうどんげの申し入れはありがたいものであった。
コーチをするという事ならば、自主的な練習とは違いそれほど頻繁に動く必要は無く。
ただ横から口を出せばいいだけなのだから、霊夢にしては楽なものである。
二つ返事で了承をした霊夢を見て、思わずうどんげは驚くのだが……。
しばらくするとパアッと笑みを浮かべ、霊夢の両手を握って感謝の意を伝え。
何度も何度も頭を下げた後、自室へと戻っていくのだった。

うどんげ「(やった! 霊夢に鍛えてもらえるんならきっと上手くなれるよ!!
      これで私も師匠と戦えるようになる! やったぁ!!)」
霊夢「(少しくらい強くなろうが、使えない事には変わりないんだろうけどね……。
    ま、いいや。 これで明日の練習は休みと同じようなもんだし。
    あーあ、それより眠たいわ。 さっさとねよねよ)」

妹紅「うんうん、霊夢も仲間思いのいい奴だね!」
メディスン「(……アレをどう見たらどう思えるんだろ)」

                           全幻想郷Jrユース 合宿7日目 終了

993 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/20(土) 00:15:49 ID:???
『世界の調整者 森崎有三』 第1話 『反町の世界』

反町の世界へと移動をした森崎。
その身に纏っていた服は、いつの間にかサッカースタジアムのモギリの制服へと変貌をしており。
森崎はその変化にまたも意味がわからん事が起こったと頭を抱えるが。
一緒についてきてくれた陽子から仕様だと言われ、渋々納得をする。
仕様なら仕方が無い。

陽子「それにしても……反町君の世界ってさっき言ったわよね? 森崎君にはここがどこだかわかるの?」
森崎「いや、それが俺にもよくわからないんだ……なんつうか、感覚的にここが反町の世界だって判別ついたっつうか……。
   ま、それを言っても仕方ねぇ。 それより、ここでやるべき事をやればいいって片桐さんは言ってたよな?」
陽子「そうよ。 この世界――反町君の世界で、森崎君が為すべき事がきっとある筈。
   それをこなして9つの世界を渡れば、私達の世界も元に戻る筈だわ」
森崎「しかし、やるべき事っつっても何をやりゃいいのか……」
陽子「モギリの服装をしているって事は……スタジアムでモギリをする事が森崎君のやるべきこと、とか?」
森崎「モギリねぇ……」

その後、陽子と相談をした後、森崎は秋の空が描かれたタペストリーの置かれた部屋から出……。
なにやら妙に自然が多い周辺の様子に、一瞬ここは日本ではないのでは?と思いつつ。
適当に散策をした後、小さな町らしき場所のすぐ横に備わったスタジアムへと入り。
勝手にスタッフ用出入り口から中へと進入をすると、モギリとしての仕事を開始するのだが……。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

森崎「お?」

実況『さぁ〜、待ちに待った蒲公英杯! 新生チームの登竜門と呼ばれるこの大会を制し!
   次代のトップチームとなるのは果たしてどこのチームなのか!?
   幻想郷サッカー界の明日を占う一回戦第一試合、オータムスカイズ対守矢フルーツズ! いよいよ試合開始です!』

森崎「ほう、もう試合が始まるのか。 ……客もまばらになってきたし、覗いてみるかな。
   しかし、幻想郷ってなんだ?」

994 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/20(土) 00:17:00 ID:???
そもそも森崎にはこういった細々とした仕事など向いておらず。
森崎はスタジアムの更に奥へと向かい、観客席へと移動をしてフィールドへと視線を向ける。
何だかんだ言いながら、サッカー小僧でもある森崎。
一体どんな試合をしているのかと、楽しみにしながら試合展開を見守るのだが……。

森崎「なんだこりゃ……?」

ダダダダッ!!

りぐる「ヒャッハー! ドリブル突破だー!!」
てきの6ばん「……ほいっ」
りぐる「ふっふっふ……そしてこのままシュートォ!! やった! ゴール! 勝ったッ! 第三部完ッ!!」

緑の髪をした少年らしいFWはボールを持つや否やドリブルを開始。
しかし、そのドリブルは一流ドリブラーの森崎から見ればド三流もいいところであり。
モブっぽい顔をした敵MFにあっさりと奪われながらも、気づかないままシュートを打つ真似をし。
そのままゴールパフォーマンスをして、恍惚の表情を浮かべつつその場に立ち尽くす。
森崎はその姿を見て、どの世界にも似たような者がいるものだとしみじみと思いつつ呆れるのだが……。

カナコ「なんだかよくわからんけど勝手にボールを手放してくれたんだ。
    ここがチャンスだね! よし、いくよ!」
シズハ「(りぐるちゃんってば、いつまで経ってもあれなんだから……!
     仕方ない、ここは下がってFWへのパスコースを封じて……)」
ユウカ「ここかしら……祭りの場所は?」
シズハ「!? くっ……!」
ユウカ「あァ?」

ダダダッ!

カナコ「(ありゃ? な、何の真似だろうねこれ?)」
森崎「おいおいおいおい、何やってんだ?」

995 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/20(土) 00:18:01 ID:???
ボールを持ったチーム――守矢フルーツズの主柱らしき人物が中央突破を仕掛けるや否や。
やけに豊満な二つの浮き球を持つ女性があからさまにラフプレイをしますという顔をしながらプレスに向かうと。
その女性の進路を妨害するようにして落ち着いた雰囲気の女性が間に入り込み。
その勢いを殺さぬようにして、ボールを持つ選手へとタックルを仕掛ける。
しかし、どうやらタックルは苦手らしくそのタックルはあっけなくかわされ……。
もしも二人で行けていれば取れていたであろうボールは、簡単にゴール前へと運ばれてしまう。

カナコ「よし! シュートレンジだ! いくよォッ!!」
ニトリ「か、かぱー!? く、くそっ、ブロックに――」
さるの「邪魔だ河童! どけぇっ!」
ニトリ「ひゅいい!?」
YO SAY 1「こ、こらァ! 何やってんのよ、さるの!! 河童に何しやがる!!」
さんたな「ええい、今日という今日は堪忍袋の緒が切れた! 叩け叩け! 息の合った囲みプレイだ!!」
ひゅーい「死ねばいいのに」
さるの「なにをー!?」
だいちゃん「さ、さるのちゃんを苛めるなー!!」
カナコ「……それっ」

ぽいーん……とすっ。

ピィィィィィィィイイイイイイッ!!

森崎「な……なんだこれは……これが、サッカーの試合なのか?」

そして敵主柱選手――カナコがシュートフォームを取るや否や。
ゴール前ではDF陣とGKが味方同士で仲間割れを始めてしまい、ゴール前はスカスカ。
当然のようにカナコはボールをゴールへと押し込み……あまりにもあっさりと……。
というよりも、情けない形で守備側のチーム――オータムスカイズは失点をしてしまうのだった。

996 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/20(土) 00:19:09 ID:???
森崎「(無茶苦茶だぞ、FWはド下手な癖にドリブルで強硬突破。
    MFは片方が片方を妨害してまで功名を焦って一人だけでタックルに行き……。
    DFとGKに至っては敵のエースがアタッキングエリアに入ってきてまで喧嘩ァ!?
    サッカーやる気があるのかコイツら!?)」

いくらチームメイト同士仲がいいとは言い難かった南葛中学や全日本といえど。
ゲームが始まれば(いざこざを忘れるとまでは言わないが)派閥が違ってもある程度の協力はしていた。
だが、今森崎の目の前で繰り広げられている光景は、それ以上の殺伐としたゲーム。
チームプレイを考えるだとかそれ以前の問題である。
これには森崎もめまいを覚えるのだが……そんな森崎の耳に、観客達の呆れたようなため息と声が聞こえてくる。

観客「やっぱ駄目だなぁオータムスカイズは……粒揃いの選手達ばっかだってのに……」
「シズハさんは名パサーだけどユウカと対立しあっていて仲が悪いし」「さるのとニトリの二大巨壁はいがみ合ってる」
「地味な仕事をする妖精トリオはさるのが嫌いだし……」「さるのと妖精トリオが喧嘩すれば、何があってもだいちゃんが止める」
「おまけに自称エースのりぐるはスタンドプレーしかしやがらねぇしなぁ……」
「勝てる試合を落としてばっかだ……もしかしたらと思ったが、今日も駄目だなこりゃ」
「キャプテンがしっかりしてねぇからだよ! あの個性派集団を纏めるだけの力がねぇ!!」

森崎「(キャプテン……? そういや、このチームのキャプテンってのは……)」

観客「コラァ! しっかりしやがれ、ソリマチ!! キャプテンだろうがァ!!」

森崎「そ、反町ィ!?」

997 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/20(土) 00:20:20 ID:???
観客の声を聞き、驚きに目を見開いてフィールドに視線を向ける森崎。
するとそこでは未だに喧嘩しあう妖精トリオとさるの・だいちゃんのコンビ。
けだるげに首をコキコキ鳴らしながら、芝を蹴っているユウカとそれを敵を見る目で見つめるシズハ。
いつの間にか失点をしていた事に愕然とし、DF陣を不甲斐ないと怒鳴るりぐる。
そして、それらから一歩はなれた場所では――1人の情けなさそうな姿をした男が、おどおどとした様子でまごついていた。

彼こそがこのオータムスカイズのキャプテン――「ソリマチ一樹(いつき)」である。

ソリマチ「(ど、どうしよう……こんなに早く失点するなんて思わなかったぞ……。
      きょ、今日の試合こそ上手く行くと思ってたのに……どうしてこうなっちゃうんだ……)」
ミノリコ「……ソリマチ、ごめん、止められなかった」
ソリマチ「あ……い、いや、仕方ないよ。 そ、それより今は得点を返す事を考えよう。
     ほ、ほら、みんなも喧嘩はやめよう。 今は試合ty……」
さるの「あぁ!? なんだとこの人間!? こいつらが喧嘩売ってきたんだから叱るならあいつらにしろ!!」
ソリマチ「え?」
さんたな「んだとこのさるの! 元はといえばお前が河童押したのが悪いんでしょ!!」
ひゅーい「くたばれ」
ソリマチ「う……(ちゅ、注意しなくちゃいけないのに……く、口が開かない……)」
ユウカ「ここね……祭りの場所は……」

失点をした事に対し、今日の試合ボランチとして出場をしていたミノリコがソリマチに謝るも。
ソリマチは仕方の無い事だと返答しつつ……未だに言い争いをするDF陣を注意しようとする。
しかし、矛先が自分の方へと向きそうになるや否や、ソリマチは思わずしり込みし……。
更には血の気の多いユウカが笑みを浮かべながら近づいてくると、そそくさとその場を離れてしまう。
結局、その場は何とかミノリコが場を収めるものの、結局作戦らしい作戦を立てる事が出来ず。
オータムスカイズのキックオフで試合が再開されたのだが……。

998 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/20(土) 00:21:32 ID:???
ダダダダダダッ!

ちぇん「(ふふふ、失点をしたからこそ私のアシストが光るのにゃん!
     この私が同点を演出する! そうすればらん様も喜んでくれる筈!)」
ソリマチ「あ……だ、駄目……」
ちぇん「へ?」
スワコ「オータムスカイズの攻撃パターンは予想済みなんだよ! そりゃっ!!」
ちぇん「あにゃああああっ!?」

黒い事を考えるのに定評のある、通称ブラックちぇんちゃんのサイドアタックで攻め込むオータムスカイズ。
しかし、それはオータムスカイズの何度も何度も使っていた攻撃パターンであり。
ちぇんの突破を予測していた敵チームのFW――スワコにあっさりとちぇんはボールを奪われてしまう。

ソリマチ「(きょ、今日の試合にシズハさんを起用したのはパサーとしての役割を果たして貰いたいからなんだ!
      ちぇんのサイドアタックは何度も使い続けていてもう相手にもわかってる。
      だからこそ、今日はシズハさんのパスも絡めて戦いたかったのに――)」

それを言えなかったのは、サイドドリブラーとしての自信を持っているちぇんを傷つけたくない……。
というよりも、言って反発をされるのが怖かったからに他ならない。
ボールを奪われ目に見えて落ち込むちぇんを見ながらソリマチはあわあわと立ち尽くし。
その後、守矢フルーツズは足並み揃わないオータムスカイズを相手に楽勝ペースで試合を展開。
結果、試合が終わってみれば5−0の大差でオータムスカイズは完敗を喫してしまう。

森崎「(あ、あの情けないのがこの世界の反町かよ……。
    おいおいおいおいおいおい……俺にこの世界で何をやれってんだ? 何をさせようってんだ!? おい!?)」
ソリマチ「うぅぅ……(ど、どうして負けちゃったんだ……や、やっぱり俺はキャプテンの器じゃないのかなぁ……)」

                 ――世界の調整者 森崎有三 9つの世界を巡り、その右手は何を掴む。

                 第1話 反町の世界 終  次回 第2話 秋空 何もネタがなければ無ければ続くかも

999 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/20(土) 00:23:19 ID:???
という訳で調子に乗って続きの埋めネタを書いてみました。
シズハさんと静葉さん。ミノリコさんと穣子。さるのとチルノ……などなどに関係性はありませんよ。本当だよ!?

1000 :森崎名無しさん:2010/11/20(土) 00:29:40 ID:???
楽しい埋めネタ乙でしたw
…ということは、ソリマチが今後の旅の仲間になったりするんでしょうかw

474KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2007-01-24