キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【ロリっこ】幻想のポイズン52【ぱらだいす】

1 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/25(水) 01:39:37 ID:???
全幻想郷JrユースのFW、反町一樹が幻想郷・外の世界のサッカー界に旋風を巻き起こすというスレです。
この話はキャプテン森崎のパラレル作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
もしかしたら他のアニメや漫画、小説などからもキャラが出たりするかもしれませんがご了承下さい。

本編のように、選択肢を選んだりカードを引いたりして物語が進んでいきます。

【前スレ】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1303823589/l50

[前スレのわかりやすいあらすじ。]
博麗霊夢・霧雨魔理沙・東風谷早苗・十六夜咲夜・魂魄妖夢という主力選手たちが離脱し戦力に不安の残っていた幻想郷Jrユース。
初戦の相手は驚異的な身体能力を持つ鬼――勇儀と萃香に、幻想郷俊足ウイング射命丸文。
そして、ブラックファルコン(暗黒爆笑)ことラモン=ビクトリーノ。
パチュリーの不振や主力欠如の理由からいまひとつ波に乗れない幻想郷ではあったものの。
リグルの大活躍にチルノのファインセーブ、反町の一発により辛うじて勝利!まずは1勝をもぎ取る事に成功するのだった!

反町「よろしくな、ブラックファルコン!」
ビクトリーノ「どういう事なの……」
パチュリー「満を持して前半から出場したらノーゴールノーアシストの上イエローカード貰った」
輝夜「どういう事なの……」
リグル「ハッハァー! 私はエースだから自分でボールを奪ってゴールを決めるぞー!!」
幻想郷メンバー「「「「どういう事なの……」」」」
妖精1「マンマーカーなのに鬼にいいようにやられちゃった件について」
チルノ「あたいってばブロック2回で両方Kでさいきょーよね!」
レティ「レティですが試合での活躍が殆ど土台でした」
ビクトリーノ「お前らちょっとは真面目にサッカーやれよ!!」
文「でもそういうあなたが名有りで一番活躍してませんよね?」

初戦からガメオベラにならなくて本当に良かったが次の対戦相手はロリっこパラダイスことイタリアだ!
割とロリっこが多い幻想郷Jrユースは、果たしてナンデスの魔の手……もとい、黄金の右手から逃げられるのか!?
そんな幻想のポイズン52スレ目、これからもよろしくお願いします。

59 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 00:10:05 ID:???
>>52
翼が話すたび 支持率が下がるね♪

>>53
人気投票では古株の方が強いイメージありますねぇ。
その割に幽香さんの急上昇とかよくわからない順位アップとかありましたがw

>>54-55
どうもすみませんです。
基本的に3票なのですが、これからは2票にした方がいいですかね。

>>57-58
本当にザルキーパーで、ふつうのシュートでゴールが狙えるとしても……。
時間の制約などで10ゴール10アシストはまず無理ですねw

60 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 00:11:13 ID:???
>A.じっとしているのは性に合わん! 観客席を回ってみるか
============================================================
反町「監督、俺もちょっと行ってきます」
輝夜「はいはい、行ってらっしゃい。
  (反町君なら時間にはキッチリしてそうだからちゃんと時間通り戻ってきてくれるわよね……)」

このままじっとしているのも退屈だと考え、反町は輝夜に断りを入れてから席を立ち観客席を回ってみる。
考えてみれば、外の世界で観客席を安全に回れたというのは久しぶりのような感覚である。

反町「(日向のせいで大会の最後の方は観客たちの怒号が凄かったからなぁ……。
    それまではふつうに観客席を回ったりできてたのに……)」

その期間は僅かなものだったが、それでも受けたショックが大きかったのか反町の記憶には小さなトラウマとしてこびり付いている。
こうして反町は安全に観客席を回れる事に、小さな幸せを感じながら散歩をするのだが……。

61 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 00:12:20 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★誰かに会うかな?→! card★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→しっとマスク「ここでしっとマスク!」 ゲェー、久しぶりのしっとマスク!?
K→早田「……反町」 まこっちゃんやで!
Q→ディアス「おっ?」 アルゼンチンの至宝!
J→シェスター「あ、ソリマチ!」 カルツ「久しぶりじゃのう!」 西ドイツの幻想郷コンビだ!
10→魅魔「あたしゃここにいるよ〜」 ゲェー、悪霊!?
9→永琳「姫様の調子はどうかしら?」 アルゼンチンの派遣選手だ!
8→藍「やぁ、久しぶりだね」 橙「にゃ!」 全日本の式神コンビだ!
7→三杉「おや……?」 佐さんとかさんより強いぞ!三杉さんだ!
6→レミリア「貴様は……」 シュナイダー「……ソリマチ、か」 西ドイツのストライカーコンビだ!
5→椛「ス……!」 元チームメイトのもみもみさんだ!
4→佐野「………………」 幻想の軽業なんとかさんだ!
3→新田「あ、反町さん……」 折角幻想郷に来たのに返された人だ!
2→日向「…………!」 あ、猛虎たんインしたお!
A→翼「リグルはどこだああああああああああああ!?」 別会場の試合を終えた翼に出会ってしまった
クラブA→幽香「……あら?」 元チームメイトの幽香さんだ!

62 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 00:12:34 ID:???
★誰かに会うかな?→ ダイヤ6

63 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 00:28:56 ID:???
翼…あなた憑かれてるのよ…

64 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 00:43:09 ID:???
>★誰かに会うかな?→ ダイヤ6 =レミリア「貴様は……」 シュナイダー「……ソリマチ、か」 西ドイツのストライカーコンビだ!★
===============================================================================================================
反町「!?」

観客席を回っている最中、ふと近くから感じる強者が纏うオーラ。
ぞくりと背筋を悪寒が走り、あわててそちらへと振り向けば……そこにいるのは明らかに小さな体躯をした少女。
そして、その少女の横に立ちながらこちらへと視線を向ける金髪の少年。
その少年には反町は見覚えがなかったが……しかし、その横に佇む少女には、反町にも見覚えがある。

反町「レミリア……さん?」
レミリア「ふん……」

レミリア=スカーレット――反町とは、あまり縁が無かった幻想郷サッカー界トップクラスの実力を持つFWである。
彼女と対戦をしたのはただの一度きり……お祭り騒ぎとばかりに行われたオールスター戦で、敵チームを率いていたのが彼女。
あの時は早苗の渾身のセービングを、何度か防がれはしていたが見事に破り。
その力を観客たちに思う存分見せつけていた、永遠に紅き幼いストライカーである。
どうしてここにいるのか?と思わず反町は問いかけるのだが……。

レミリア「別会場の試合を見ても意味がないからな」
反町「意味がない?」
レミリア「我ら西ドイツと、あの不良天人らがいる全日本以外は有象無象しかいない予選リーグだ。
     全日本以外の試合など、見る価値は微塵もない。 だからここにやってきたまでだ」
反町「なるほど……(っていうか意外とレミリアさんも偵察とかはちゃんとするんだな)」

レミリアの目的は、決勝トーナメントで当たる可能性があるチームの偵察。
これは目を瞑ってでも蹴散らせる全日本以外の敵を見る価値は無いと判断しての、西ドイツの方針でもあった。
ともすれば慢心とも取れる考えではあるが、しかし、事実全日本以外に驚異と呼べるチームが彼女たちのリーグにはいないのだから仕方ない。

反町「あ……じゃあ、隣にいるのはもしかして西ドイツの……?」
レミリア「そうだ。 こいつは……」
シュナイダー「カール=ハインツ=シュナイダーだ」
反町「!」

65 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 00:44:25 ID:???
レミリアの話を聞いた反町は、ならばレミリアの隣にいる少年もまた西ドイツのメンバーなのかと考え。
これにはレミリアも同意し……そして、2人の間を割って入るようにして、その少年は口を開く。
声は低くもないが、しかし、かといって高くもない。
相手を威圧している気はないのだろうが……それでもどこか威厳と、絶対の自信の伴った瞳。
何よりも気高い誇りのようなものを感じる、どこか気品の香りがするようなオーラを纏う少年。
その少年の纏うオーラと、カール=ハインツ=シュナイダーという名を聞いて……。
反町は以前、西尾?……ではなく、カルツに言われた言葉を思い出す。

反町「シュナイダー……もしかして……西……じゃなくて、カルツが言っていた!?」
シュナイダー「カルツが教えていたか……幻想郷ではあいつやシェスターが世話になったな」
反町「い、いや……俺は何もしてないし……」

カール=ハインツ=シュナイダー……西尾?曰く、西ドイツ――。
否、ヨーロッパ中を探しても、間違いなく彼以上の者はいないだろうとされる程の天才的なストライカー。
剛と柔を組み合わせた数多の技と抜群の決定力を持つ、西ドイツの皇帝。
先ほどから感じていた圧倒的な威圧感の正体は、その皇帝によるものなのかと反町が合点がいき……。
言葉を震わせながらも、まじまじとシュナイダーを見返す。

反町「(……シュナイダー、か。 ……なんだかとんでもないところで会っちまったけど……。
    見た目や噂以上に、実力の方も凄いんだろうな……少なくとも、レミリアさんと同じくらいには。
    そ、それにしてもどうしよう? 何か話した方がいいよな? うーん……)」

66 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 00:45:34 ID:???
A.「そういえば、全日本の試合はどうだった?」 全日本の試合の結果を聞いてみる
B.「お前も俺を知ってくれてるみたいだが?」 シュナイダーに反町の事を聞いてみる
C.「ふっ、今大会でNo.1ストライカーの看板を下ろしてもらうぜお二人さん」 挑発をしてみる
D.「カルツやシェスターは元気なのか?」 西尾?とシェスターの近況を聞いてみる
E.「レミリアさん、咲夜さんが早苗さんと仲悪いみたいなんですけど……」 ある意味諸悪の根源に相談だ!
F.「表に出ろ! ヨーロッパNo.1ストライカーの実力を見せてもらうぜ!」 勝負だ!
G.「試合で当たった時はお手柔らかにお願いします、本当に」 ぺこぺこ頭を下げてみる
H.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

67 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 00:47:06 ID:ZA7SqTCw


68 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 00:49:20 ID:+D3U/Mm6


69 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 00:49:40 ID:/jgED9Jw


70 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 01:17:42 ID:???
!?

71 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 01:41:21 ID:???
>C.「ふっ、今大会でNo.1ストライカーの看板を下ろしてもらうぜお二人さん」 挑発をしてみる
=============================================================================================
シュナイダー「ほう……!」
レミリア「な、なんですってェ!?」

ここで反町一樹は、皇帝――カール=ハインツ=シュナイダーシュナイダー。
そして、紅魔館の主――レミリア=スカーレット両者に対して、明らかな挑発行為を行った。
本来ならば温厚で何事も穏便に済ませようとする、平和主義者である反町からは考えられない行為。
しかし、これはそんな反町にも一端のストライカーとしての自覚が目覚めてきた証とも言える。

頂点を目指すというのならば、当然ながらその栄冠に辿り着けるのはたった1人しかいない。
今までの反町ならば、その栄冠に辿り着こうとすら考えなかったのかもしれないが……。
幻想郷で数多のゴールを築き上げ、自信を持ち、そして、今日の試合であの萃香から1ゴールを奪い取り。
勇儀の三歩必殺ともほぼ遜色の無いシュートを撃てた事で、
反町は自身がNo.1ストライカーになれるだけの実力を備えていると認識をしていたのである。
この挑発行為は、それを改めて確認し――大会No.1ストライカーになってみせるという宣言。
そして、シュナイダーやレミリアには負けないという宣戦布告でもあった。

反町「ドリブルやパス、それに競り合い強さではお前たちにかなわないかもしれないが……。
   シュートに関しては、間違いなく俺が上だ。 悪いが今大会No.1ストライカーの座は貰ったぜ」
シュナイダー「…………確かに、お前の言うように現時点ではお前の方がストライカーとしての質としては上だろうな」
レミリア「シュナイダーッ!」

更に続ける反町の言葉を、意外にもシュナイダーは肯定し、レミリアは狼狽をする。
レミリアとしては、当然ながら矮小だと思っている反町に見下される事は面白くない。
顔を真っ赤にしながら、反町を射殺さん勢いで睨み付けるのだが……。
一方でシュナイダーは極自然に笑みを浮かべながら、返答をする。

72 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 01:42:56 ID:???
シュナイダー「だが……俺もこのまま手を拱いているつもりはない。 大会中にお前に追いつき……追い越す。
       それを試合で証明してやる」
反町「大会中に急成長なんで無理だぜ?」
シュナイダー「無理かどうかは俺が決める事だ」

相変わらず、いつになく強気な反町に対して、真っ向から勝負を挑むシュナイダー。
彼らがもしもあたるとすれば……決勝トーナメント。
それまでの日数は決して多いとは言えず……シュナイダーの言葉も無謀のように思える。
しかし、その無茶で無謀な言葉も、シュナイダーが呟けば本当にそうなるかもしれない……という気に反町はなった。
少なくとも、カール=ハインツ=シュナイダーという男は、反町に負ける気などは微塵にも無い様子である。

シュナイダー「モリサキら、全日本を倒し……決勝トーナメントではお前たちを倒す。
       そして、優勝という栄冠を手に入れるのは俺たち西ドイツだ」
反町「いや、幻想郷が勝たせてもらう」

視線を交じらせれば、火花が散る反町とシュナイダー。
シュートコントロールという1点だけを集中的に鍛え上げて出来た、幻想郷屈指のストライカー。
ヨーロッパでNo.1と謳われ、間違いなく世代最強クラスの実力を持つ西ドイツの皇帝。
初対面である筈の2人は強く睨み合い……やがて、互いに無言で背を向けて歩き出した。
時計を見れば、既に試合開始10分前……そろそろ自分たちのチームに戻らなければならない時間だったのである。

73 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 01:44:29 ID:???
反町「………………(言ってやった……! あれだけ凄そうな奴に言ってやったぞ! これで後には引けない……!
   いや……引くつもりもない!)」

そして、皇帝の視線から逃れた反町は思わず安堵のため息を吐く。
緊張の糸がぷつりと切れたように脱力しながら手を見れば……手のひらはじっとりと湿っており。
それだけシュナイダーの醸し出すプレッシャーが異常なものなのだという事を改めて認識していた。

反町「(カール=ハインツ=シュナイダーか……日向や三杉とは違った意味で……強敵になりそうだ……)」

新たな強敵の登場に、胸の動悸が早まるのを感じる反町。
怖くないと言えば嘘になるが……それでも、反町は彼と対戦をするのが少しだけ愉しみな気がした。

因みに、かなり残念な事に、この時彼が強敵として名を上げた中には、魔界の軽業師の名前は無かった。

74 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 01:45:53 ID:???
レミリア「何を勝手に2人の世界に入ってくれてるの。 あなたのライバルはモリサキとかいう奴なんでしょ?」
シュナイダー「勿論だ、目下の俺の愉しみは……モリサキとの再戦だ」

一方、反町と別れたシュナイダーとレミリアの2人はチームメイトが待つ席へと戻りつつ話をしていた。
話と言っても、レミリアがシュナイダーに一方的に文句を言うものだったが……。
どうやらレミリアとしては反町の不躾な態度が気に入らないらしく、心底お怒り状態であるらしい。

レミリア「まったく、咲夜や美鈴はあいつを常識人と言っていたが無礼極まりない!
     会っていきなり挑発とはどんな親が教育したんだ! 顔が見たいわ!」
シュナイダー「確かに常識的な奴とは言い難いな、少なくともカルツから聞いていた情報とは違う。
       だが……あいつがどんな人間だろうが構わんさ」

言いながら、シュナイダーはふ、と笑みつつ自身の手を見つめる。
手のひらを開ければ……そこはじっとりと汗で湿っており、シュナイダーはそれをズボンでふき取りつつ。
目を細めて、反町が去って行った方角へと顔を向ける。

シュナイダー「人間性も人種も性格も体格も、すべてはフィールドに立てば関係がない。
       要はあいつが俺たちを倒すだけの実力と気概がある、というだけの話だ。
       ……それでいい、それでこそ戦う意味がある」
レミリア「ふん……私はやはりあいつは気に食わん。 ……まあいいさ、試合で完膚なきまで叩きのめせばいいまでだ。
     そして、どちらが上なのか思い知らせてやる」
シュナイダー「今から楽しみになってきたな……」

反町一樹とカール=ハインツ=シュナイダー……世代を代表する、トップクラスストライカー。
彼らの初めての出会いは、概ねこのようにして行われ……そして、終わった。
いつになく強気な態度で反町が出たのは、シュナイダーのプレッシャーに負けたが為の威嚇行為だったのか。
果たしてシュナイダーの余裕は、試合を行っても崩される事は無いのか。
そのすべては、決勝トーナメントで当たる時までわからないのだった。

75 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 01:48:24 ID:???
皇帝を恰好よく書こうとすればするほど、筆がすすまぬぇ。
という所で反町とシュナイダー、初接触という所で本日はここまでです。
次回はイタリアvsフランスになりますが、この試合は判定無しのNPC戦にします。
理由としては、リーグ戦なのでカード判定にしてしまうと万が一にも今後の予定に影響が出ちゃう事。
また、覚醒しちゃうとゲームバランスがとんでもねぇことになってしまう事などです。
なにとぞご理解下さい。

それでは、お疲れ様でしたー。

76 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 01:50:35 ID:???
魔王VS皇帝乙でしたー

77 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 01:53:49 ID:???
頑張れ古明地姉妹乙でした〜

78 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 16:35:33 ID:???
何故かこいしの気配を完全察知するナンデスの前にフランスの守備完全崩壊
何故かオーバーラップしてきたナンデスの思考を読みさとりが新たなトラウマ+失点を喫する
まで予測した

79 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 16:38:46 ID:???
黄金の右腕ェ…

80 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 17:05:04 ID:???
そしてナンデスのアプローチが非紳士的行為と判断されて一発退場ですねわかります。
審判「我々審判はいつでも(略)」

81 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 23:24:19 ID:???
>>76-77
どうも乙ありがとうございますー。

>>78-79
イエスロリコン! ノータッチ!

>>80
ヘルナンデス「変態じゃないよ! 仮に変態だとしても、変態という名の紳士だよ! だから非紳士的じゃないよ!」

82 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 23:25:25 ID:???
西ドイツの皇帝、カール=ハインツ=シュナイダーと別れた反町は、輝夜の取り決め通り。
何とか試合開始5分前に座席へと戻る事が出来た。
反町が戻った時には、既に売店に行っていた筈のヒューイとレティ。
他にも観客席を見て回っていた者たちが全員帰ってきており、輝夜は点呼をした後。
時計を確認してから、一同に私語はやめてフィールドを見るようにと言う。

輝夜「そろそろ試合開始時間だわ……。
   みんな、明日戦うイタリアはもとより、フランスの事も十分注意して見てなさい」
お空「うにゅ! 私、さとり様たち応援する!」
美鈴「じゃ、じゃあ私はフランドール様がいるイタリアを……」
反町「(……いずれ戦う相手だっていう事、わかってるのかなあ?)」

一部、どうにもこの観戦の趣旨を理解していないような言動をする選手がいる事はさておき。
輝夜の言うように試合開始時間となったのか、フィールドにはこれから対戦をする両チームの選手たちが入場。
それと同時に観客席は先ほどの試合以上に沸き立ち……。
反町を含める、幻想郷Jrユースの選手たちは目を白黒させてこの歓声に驚く。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

キスメ「…………!」←><という顔をしながら耳を塞いでる
ヤマメ「なっ、なんだいこの観客たちの盛り上がり!? さっきの試合よりも凄いよ!?」
パチュリー「……この大会の主催国であるフランスの試合だからね。
      私たちのチームを知る者はそもそも観客たちの中には少ない筈だし、ウルグアイにしても遠く離れた南米。
      観客たちの盛り上がりが違うというのも、当然の話でしょう」
お空「さとり様ーっ! こいし様ーっ! 頑張ってー!!」
美鈴「フランドール様ーっ! ファイトですよー!」

83 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 23:26:29 ID:???
一方、フィールドに出ていた当のチーム――イタリアJrユースとフランスJrユースの面々はといえば。
前者はこのアウェー気味な空気に充てられたのか、少しばかり萎縮をしながら……。
それでもキャプテンであるヘルナンデスは威風堂々とした態度で先頭に立ちながら、入場。
フランスJrユースもキャプテンであるピエールは期待のこもった声援を受けて真剣な面持ちをしながら整列をするのだが……。
しかし、こちらもこちらで一部の選手たちはこの声援に逆にプレッシャーを受けたかのように緊張した面持ちでいるのだった。

ボッシ「あわわわ……な、なんて数のサポーターたちだ……」
ブラボー「ブラボー……おお、ブラボー……」
ピエール「(戦う前からこれか……試合が始まり、集中すれば落ち着いてくれると思いたいが……)」
映姫「(自身に自信を持てないのも罪ならば、自信を与えてやれないというのもまた罪。
    彼らは果たしてこの試合で贖罪する事が出来るのでしょうかね……)」

あからさまに硬くなるチームメイトを見て、その表情に不安をあらわにするピエール。
それを見ながら、イタリアJrユースDF――四季映姫は目を細めつつも彼らの今後を考え……。
しかし、すぐに首を振ってアレは敵チームなのだと自身に言い含める。

こいし「久しぶり〜、フラン。 そういえばサッカーで試合をするのは初めてだっけ?」
フラン「そうだねー。 うふふ……こいしやこいしのお姉さまが相手でも手加減はできないから、覚悟してね?」
こいし「……うん(それはこっちのセリフだけどね)」

地底に住まう古明地こいしと、紅魔館に住まうフランドール=スカーレット。
一見すればまるで接点がないように思える彼女らは、しかし、博麗神社の宴会の席で偶然出会い。
今は命蓮寺にいるぬえと共に、意気投合をしていた間柄であった。
だが親友と戦う事に気負いを感じているかと言えば、両者にそういった様子は微塵もなく。
フランドールはこいしやさとりを相手に得点を量産する気に満ち満ちていたし、
こいしもまたフランドールにはそう簡単にやらせるつもりはないとばかりに闘志を燃やしていた。

84 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 23:27:46 ID:???
ナポレオン「本当にこんなガキどもがサッカーなんてできるのかよ……?」
諏訪子「あーうー……これでも経産婦なんだけどねぇ……」
ナポレオン「……鬼畜過ぎるだろ、常識的に考えて」

フランスの問題児、ルイ=ナポレオンはことここに至っても、尚も女子供がサッカーをする事に疑問視をしていた。
しかし、諏訪子の爆弾発言で、やはり幻想郷という場所は常識では考えられないような場所なのだという事を理解した。

さとり「…………よろしくお願いします、ジノ=ヘルナンデス君」
ヘルナンデス「やあ! 君がコメイジサトリだね? 噂は聞いてるよ、よろしく!」
さとり「………………」

そして、イタリアのキャプテン――ジノ=ヘルナンデスは何をしていたかというと……。
フランスの正ゴールキーパー、古明地さとりと和やかなムードの中握手をしていた。
ただ、その和やかなムードというのもあくまで表面上はというだけであり……。
ヘルナンデスの内心とそれを読んださとりの内心は、決して穏やかなものとは言えないものだった。

ヘルナンデス「(あぁ、噂には聞いていたけど本当に慎ましくそして可愛らしい!
        こんな華奢じゃキーパーなんてとても無理に決まってるのに……あぁ、それにしても可愛い! 可愛い!!)」
さとり「(……やはり彼も私を下に見ていますね。 まあ、それも当然ですか……)」

85 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 23:28:56 ID:???
立ち振る舞いは紳士的であり、柔和であるヘルナンデス。
しかし、彼の唯一と言える難点は――見た目幼い感じの少女を見た場合、別の意味で紳士的になってしまう事である。
実年齢はさておき、身長は低く華奢な体格をしており、更にはお世辞にもスタイルがいいとは言えないさとりを前にして。
ヘルナンデスが上記のような感想を抱かないという方がまず不可能であり……。
一方でさとりはといえば、ヘルナンデスに強敵として見られていない事実を知り、自嘲するような笑みを隠しながら微笑を浮かべる。

さとり「……それでは。 今日は、いい試合にしましょう」
ヘルナンデス「うん!」
さとり「(フランドール=スカーレットを食い止められれば、反町君や星熊勇儀を止める目も出てくる……。
     今日の試合……目指すは零封です……!)」
ヘルナンデス「(ピエールさえ止めればフランスに攻撃力は無い。 この試合……あっても引き分けだ。 負けは無い!)」
審判「よし……それじゃあ両チームキャプテン、センターサークルへ」
ピエール「はい」
ヘルナンデス「はい」

こうして数々の思惑が交錯する中、ピエールとヘルナンデスはセンターサークルへ。
コイントスの結果、ボールはイタリアが貰う事となり、フランスは陣地を取る。
果たして90分の試合を終えた後、笑うのはどちらになり……そして、泣く事になるのはどちらとなるのだろうか?

86 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/26(木) 23:30:33 ID:???
ひとまずここまで。しばらくNPCシーンが続きます。

87 :森崎名無しさん:2011/05/26(木) 23:42:59 ID:???
乙でした!
シュナイダーとぶつかるまで絶対負けられん

88 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/27(金) 00:51:53 ID:???
ジョン「さァ〜! 第一試合の幻想郷対ウルグアイの試合が終わり、本日第二試合!
    フランスJrユース対イタリアJrユースの試合が、まもなく始まろうとしています!
    フランスJrユース、まずは陣地を取り選手たちがポジションへと散っていく!
    フォーメーションは4−4−2の中盤はワンボランチを置いた布陣!
    DFが全員中央に固まり、CBの位置についているのが特徴と言えば特徴でしょうか!?
    果たしてワンボランチというポジションについた古明地こいし選手、そして正キーパーの座に座った古明地さとり選手!
    派遣選手である彼女たちがどのような活躍をするのか!? そして、フランスの若き司令塔!
    フィールドのアーティスト、エル=シド=ピエール選手。
    ゴールを挙げた数は数知れず、それと同時に乱闘沙汰になった数もまた数多というルイ=ナポレオン選手にも注目をしたところです。

    一方でイタリアJrユースもまた、フォーメーションは4−4−2!
    ですがこちらは中盤をフラット型に保ち、非常にコンパクトな形となっています。
    注目をすべきは、やはり派遣選手である3人と、キャプテンのヘルナンデス選手!
    幻想郷きってのストライカーと呼ばれるフランドール=スカーレット選手に、
    高い打点からのヘディングとドリブルが持ち味の洩矢諏訪子選手!
    更には幻想郷最強のDFとの呼び声が名高い四季映姫=ヤマザナドゥ選手は、
    いずれもフィールダーの選手層が薄いイタリアの生命線!
    そして、映姫選手と共にゴールを守るヘルナンデス君は、ヨーロッパNo.1キーパーとの呼び声も高い選手であります!
    映姫選手とヘルナンデス選手が守るゴールは、まさに難攻不落のカティナチオ!
    果たして軍配はどちらに上がるのか!?」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

観客「フランスに決まってんだろダラズ!」「フランスが勝つところを見にやってきました!」「フランス! フランス! フランス!!」
  「でもフランちゃんの勝つところならちょっと見てみたいかも……」
  「あ、こんな所にいやがったのか! さぁ、早くフランスを応援する仕事に戻るんだ!」

89 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/27(金) 00:53:11 ID:???
コイントスが終わり、両チームキャプテンが挨拶をし……。
実況席から声が上がると、再び観客たちは大きな歓声を出し始める。

反町「うーん……やっぱり地元チームはそれだけ期待も大きいみたいだな……」
穣子「つってもこれはやり過ぎでしょ? 幻想郷でもそれぞれの勢力主催の大会とかあったけど……。
   ここまでの応援なんてそうそう無いわよ?」
静葉「それだけ外の世界……この地域では、サッカーが盛んだという事なのかしらね」
パルスィ「妬ましい……! これだけの声援を受けるフランスが妬ましい!」
輝夜「はいはい、妬むのは結構だけど試合に集中してね。 ほら、フォーメーションとかも確認するする」

イタリアJrユース 4−4−2

−J−−− J諏訪子
−−−H− Hフラン
−−−−−
FG−IE Fディモス Gマルコ Iコンティ Eフレッド
−−−−−
−−C−− C映姫 
A−B−D Aトリノ Bゴルバテ Dバサレロ
−−@−− @ヘルナンデス

フランスJrユース 4−4−2

−−−−−
−J−H− Jボッシ Hナポレオン
−−−−−
G−I−F Gジョルジュ Iピエール  Fフェレーリ
−−E−− Eこいし
−−C−− Cドゴール
−ABD− Aベルジェル Bルスト Dブラボー
−−@−− @さとり

90 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/27(金) 00:54:29 ID:???
リグル「……えっと、両方4−4−2なんだね。 でも、細かいフォーメーションがいろいろ違うなぁ」
反町「イタリアはボランチがいないフラット型だな。 まあ、お家芸のカウンターを使うなら……。
   ラインを統率しやすいこのフォーメーションってところなのかな。
   ただ、ボランチがいない分スペースが空きがちになりそうだけど……」
パチュリー「そこをうまく調整するのが、リベロの四季映姫の役目ね……」
メディスン「逆にフランスはFWも少し低めの位置にいて、全体的に中央が堅そうな感じ……」
輝夜「イタリアにサイドアタックは無いから、それを考えてのフォーメーションなのか。
   それともほかに何か理由でもあるのか……ま、そこらへんは試合を見ればわかる事ね」

ピピィーッ!!

こうして幻想郷Jrユースの面々が、両チームのスタメンとフォーメーションについて分析する中。
審判の笛が鳴ると同時に、試合開始。

諏訪子「あーうー……どれ、まずは私が仕掛けてみようか!」
ナポレオン「うおっ!? (こんにゃろう……! 小さい癖しやがってうまいぞ!?)」
ボッシ「あわわわわ……!」

イタリアボールで開始されたボールは、まずはFWの諏訪子が持ち前の身軽さを生かして運ぶ。
これにはフランスのFW陣があっさりと翻弄され、すいすいとそのままシュートまで早くも持っていくかと思われたが……。

ズザァァァァァアアッ!! バシィッ!!

ピエール「ハァッ!」
諏訪子「ゲロォッ!?」

91 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/27(金) 00:55:55 ID:???
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

観客「ヒャア! さすがはピエールだ!」「ピエール! ピエール! ピエール!!」

穣子「んがーっ!! う、うるっさい!!」
うどんげ「(たった一回プレイが成功しただけでこれだけ歓声上がるんだぁ……いいなぁ……)」

しかし、この諏訪子の突破はフランスキャプテン、ピエールの手によって阻まれた。
MFでありながらDFとしても通用する高い守備力を持つ彼がいる中盤を突破する事は。
如何な諏訪子と言えども、そう容易くはできないようである。

ピエール「みんな、まずは落ち着いて回していくぞ!」
フェレーリ「オ、オーライ!」

そして、ボールを持ったピエールは焦らずじっくりとボールを回して遅攻で行く構えを見せた。
これには緊張するチームメイトたちの緊張をボールに触れる事である程度解す事が。
これから先の長い戦いの中でも、重要な事になる筈だと考えての事である。
こうしてフランスはボールを持ってからしばらく、簡単なボール回しで時間をつぶしていたのだが……。

コンティ「貰ったァ!」
フェレーリ「ああっ!? し、しまったァ!?」
ナポレオン「馬鹿野郎が! へたくそなパス出してんじゃねぇよ!!」

しかし、この簡単なボール回しは、ものの数分でイタリアJrユースに止められてしまう。
右サイドハーフのフェレーリが出したパスは、イタリアMFのコンティにカットされ。
コンティはそのボールを素早く前に出そうと、ゴール前に走る諏訪子へ向けて長いパス。
高い位置からのショートカウンターで、まずは1点をもぎ取ろうとするのだが……。

92 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/27(金) 00:57:01 ID:???
こいし「そんな単純なパスじゃ通らないよ〜♪」
コンティ「なにィ!?」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

観客「ヒャア! 派遣選手も大活躍だァ!」「コイシ! コイシ! コイシ!!」「あいつ名誉フランス市民にしようぜ」

パルスィ「だからワンプレイの成功に騒ぎ過ぎ……! 妬ましい……! ああ、妬ましい……!!」
ヤマメ「これから90分ずっとこうなのかねぇ?」

諏訪子へと向けた長いパスは、ボランチである古明地こいしが悠々とパスカット。
にこにこと笑みを浮かべながら、歓声を上げる観客たちに手を振ってこたえつつ。
こいしは再びボールを大きく蹴り出し、こうしてイタリアのショートカウンターは失敗に終わる。

だが、かといってここからフランスがうまく反撃に出られたかというと、答えは否であった。
それというのも、やはりこの観客たちの歓声がプレッシャーとなってしまっているのか。
ピエールやナポレオン、そしてこいしという主要メンバー以外の者たちの動きが堅かった為である。

ナポレオン「ええい、くそがっ! こっちにボールを寄越しやがれ!!」
ピエール「……よし、いけ、ナポレオン!」
ナポレオン「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
マルコ「中央突破!? ピエールならいざ知らず……!」
コンティ「お前なんかにそう簡単にやらせてたまるかよッ!!」
ナポレオン「ぐおおっ!?」

バチィッ!!

93 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/27(金) 00:58:31 ID:???
ならばその主要メンバーを使って、単独突破をさせてみるのはどうかと言えば……。
それもまた、かなりの無理難題と言えた。
何せほかのメンバーが殆ど動きを固くしている以上、ピエールはほかのDFたちの代わりに守備に走らなければならない。
ボランチであるこいしもまた、安易なパスを通さないよう下がり目の位置をキープせざるを得ない。
となれば、頼りとなるのは唯一FWであるナポレオン。
しかし、彼の突破力はピエールに比較をすれば一段も二段も落ち……イタリアの自慢である守備陣を突破する事は、やはり難しい。

ジョン「前半13分を過ぎ、ボールは再びイタリアJrユース!
    まだどちらもシュートまで持って行けてませんが、そろそろチャンスを作りたいところです!」

反町「うーん……やっぱり……前評判通り、フランスは主要選手以外が殆ど働けてないな……」
輝夜「殆どが置物である以上、ピエール君は守備に走らなければならない。
   そうなれば攻撃の手はナポレオン君一手になり、読まれ……。
   ボールを奪われやすくなり、一層攻撃をされ、守勢に回らざるを得なくなる。 悪循環もいいところね……」
妹紅「でも、イタリアって本当に守備うまいね。 ボランチやDFじゃなくても!」
レティ「カティナチオは伊達ではないという事かしら……。
    (フランスの彼を止めたMFのタックル……明らかに私やにとりよりも上だし……)」

94 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/27(金) 01:00:00 ID:???
フェレーリ「あわわわわ……」
ジョルジュ「この大陸一の私の守備がまるで通用しないとは……」
こいし「ああもう! 試合序盤から忙しすぎーッ!!」
ピエール「くっ……!(攻勢に出ようにもこのままでは……!)」

サイドハーフが抜かれた穴をピエールが食い止め、中央を突破してきた選手をこいしが防ぎ。
実質、ただの2人だけで守備を担当するピエールとこいし。
いつしかフランスを応援する者たちの声が小さなものとなり、不安の視線がフィールドに注がれたは……致し方ない事と言えただろう。

映姫「……いささか単調なゲーム展開になってしまっていますね」
ヘルナンデス「なんだかイライラしてるね、エイキ」
映姫「当然です! このような白黒ハッキリしない展開は、まるでよろしくありませんから!」

前半20分……前半もそろそろ半ばを過ぎようかという時間帯になっても、未だに両チームにチャンスらしき場面は巡ってこない。
しかし、どちらが押しているのか……どちらが劣勢なのか。それは誰の目に見ても明らかだった。

==============================================================================================
なんか地味な展開ですが本日はひとまずここまで。
NPCシーンはもうちょっとさらりと流せるといいのですが、どうしても長くなってしまいますね。
それでは、お疲れ様でしたー。

95 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 00:15:36 ID:???
乙ですじっくり読ませてもらえるので気にせずにー

96 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:11:15 ID:???
>>95
どうも乙感謝です。
本日も書いてたらなんかこんなに遅い時間になってしまいました。すみません。
相変わらず投票などは無いのですが、投下させていただきます。

97 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:12:19 ID:???
両者ともにチャンスを作れていないという状況ながら、両陣営の選手たちの心境は対照的なものである。
ピエールとこいしくらいしか注意すべき選手がいないと判断をしたイタリアは、
要はその2人だけに気を付ければいいのだと早々に見切りをつけて再三攻撃に当たり。
一方でフランスはといえば、実際イタリアのメンバーが思っているようにピエールとこいしのたった2人だけで防ぎに当たっており。
いつ抜かれるか、ピンチに陥ってしまうのかという緊張感からは一向に抜け出せない。
そして、前半24分――。

マルコ「よし……ここだァッ!!」
ピエール「なにィ!?」
こいし「あちゃ……しまった!」

バシュウッ!!

如何に優秀な選手といえど、いつまでも守り切れる道理というものは無い。
特に2人だけで中盤の守備を担っているような状況では互いにフォローをしあっても限界というものもあり。
イタリアJrユースはピエールたちの隙を見つけ、前線へ向けて大きくパスを出す。

ジョン「ああああああああああああっとォ!? これはイタリア、前線へ向けてのパスになった!!
    この試合、ここにきて初めてシュートチャンスらしいシュートチャンスが巡ってきたぞ!
    果たしてここを決める事が出来るか、イタリアJrユース!!」

妹紅「今のパスもうまかったね〜」
反町「(見ている限り、イタリアのMFはドリブルは下手だけど……パスは上手そうだな。
    パスワークで攻められたらヒューイじゃちょっと厳しいかもしれない……)」
静葉「パスにあわせるのは……諏訪子様ね」

ダダダダダダダッ! びょーんっ!!

諏訪子「あーうーっ! 貰ったよ!!」
ドゴール「あわわわわ……た、高いッ!?」

98 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:13:37 ID:???
イタリアJrユースMF――マルコが送った高いボールに向けて、大きく跳躍をする諏訪子。
その跳躍力はフランスのDF達では到底歯が立たない程高く……。
諏訪子は誰にも邪魔をされる事の無いまま、空高く跳ね上がりそのままヘディングに向かう。

諏訪子「先取点だァッ!!」

バシュウウッ!!

異常なまでに高い打点から放たれる諏訪子の必殺ヘディング――空中神戦。
その高度は、流石に秋姉妹のオータムスカイハリケーン程のものは出ていないものの……。
しかし、純粋なシュート力では諏訪子の方に軍配が上がり、高い浮き球のシュートとしては十分な威力を備えている。
DF陣はこのシュートに対して何も出来ず、ボールはゴールへと襲い掛かるのだが……。

さとり「PA内からのシュートは……決めさせませんッ!!」

キュンッ! ババッ!! バチィィィイイッ!!

だが、高い浮き球のシュートを放つという事は――即ちPA内でシュートを撃つという事と同義であった。
であれば、フランスの守護神と化した古明地さとりからゴールを奪える道理はなく。
諏訪子の心を読み、素早くシュートコースに入り込んださとりの手の中にボールは呆気なく収まってしまうのだった。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

ジョン「あああああああああああああああっとォ!? しかし、このシュートは通用しないィッ!!
    フランスJrユースキーパー、さとり選手がガッチリとキャッチしたァ!!
    PA内からのシュートは通用しないと言われるさとり選手を相手にヘディングシュートは、やはり少々無謀過ぎたかァ!?
    フランス、まずはピンチを脱しましたァ!」

99 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:14:38 ID:???
観客「さとりん最高や! アモロなんか最初からいらんかったんや!!」「さとり! さとり! さとり! さとり!!」

お空「やったぁ! さっすがさとり様だぁ!!」
リグル「(ふんっ、あんなへなちょこキーパー! また私のリグルキックで吹っ飛ばせばいいだけだもんね!)」
輝夜「(あの妖怪の山の神のヘディングも、今日戦った勇儀のヘディング並の威力だったのに……。
    やっぱ腐っても幻想郷三大キーパーね。 PA内からのシュートじゃ反町君のシュートやパワーシュートじゃないと抜けないか)」

さとり「ふぅ……(まず彼女のヘディングは問題ない……やはり問題があるとすれば、フランドール=スカーレット……。
    そして……四季映姫だけね)」
ブラボー「ブラボー! 実にブラボー!!」
ルスト「ナ、ナイスセーブ! サトリさん!」
さとり「どうも……。 皆さんも、どうか落ち着いてプレイを……こいし、頼むわよ!」
こいし「はいはーい!」

さとりの完璧なセービングを見て熱狂をする観客たちに、冷静にさとりと諏訪子の実力を分析する偵察陣。
一方で当のさとりはといえば、相も変わらず何を考えているのかわからないような無表情のまま諏訪子をねめつけ……。
DF達を鼓舞したのち、まずはこいしへとスローイングし試合展開を見守り始める。
こうしてさとりの堅守によってピンチを脱したフランス。
このままの流れで一挙反撃に出たいところでもあったのだが……。

フレッド「(本当にピエールとあのコイシって子以外は大した事無いな……)おらよっ!」
ボッシ「うわわわっ!?」

ポロッ バシィッ!

ナポレオン「ちっ! 簡単に奪われてんじゃねぇよ!!」
マルコ「こいつは結構やるぞ! 数をかけて奪うんだ!」
ディモス「おう!」

バチィッ!!

ナポレオン「糞がァッ!!」

100 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:15:39 ID:???
しかし、やはりそう簡単にはいかず……。
攻撃における頼みの綱であるナポレオンもどこか動きに精彩を欠き、再びボールはイタリアへ。
ボール支配率を考える事すら嫌になる程にまで、フランスはイタリアに翻弄され続ける。

ジョン「さぁ〜、前半も残すところ10分! ですがフランス、ここまでまるでいいところがありません!
    一方でイタリアは些か攻めが単調ではありますが、しかし、確実に押しています!
    イタリア! ここで再び前線へとパスを出す! これはフランドール選手へのロングボールだ!!」

ワアアアアアッ!!

観客「ああっ! またシュートに持ってかれるぞ!?」「まずいまずい、防げ!」「フランス DFは ようすを みている!」

フラン「やった〜! やっとボールが……」
こいし「そのパスだけは通す訳にはいかないのよ〜、っと!」
フラン「うわぁっ!?」

バチィッ!!

そして後半35分――とうとうイタリアの主砲、フランドールにボールが渡ろうとする。
これには観客席も悲痛な声を出し、一方でフランはといえば待望のシュートチャンスに目をキラキラさせながら待ち構えるのだが……。
フランドールにだけは渡すまいとばかりにこのパスをこいしがカット。
すんでの所でシュートチャンスを邪魔されたフランはこいしを恨めし気な表情で見……。
こいしは少しだけ申し訳なさそうな顔をしながらも、そのままボールを持って上がり始める。

こいし「(味方ならアシストでも何でもしたけれど……敵である以上はフランに撃たせる訳にはいかないんだよね〜。
     さて、それはともかく25cmもぼーちゃんもちょっと駄目っぽいし、攻め方かえよっかな)
    ピーちゃん、後ろお願い! 私が上がるわ!」
ピエール「(ピーちゃん……)わかった! 行け、こいし!!」

ダダダダダダダダダーッ!!

101 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:16:51 ID:???
ジョン「おっとォ!? これはフランス、ここまで守備に走っていたボランチのこいし選手が攻撃参加!
    いつまでも攻めきれないオフェンス陣に業を煮やしたといったところでしょうか!?
    イタリア、予期せぬ事態に……いや、ちゃんと対応してます! イタリア、2人がかりで止めに行くーっ!!」

マルコ「ここで奪えば一気にチャンスだ! 相手にロクなDFがピエールしかいねぇ!!」
コンティ「もらったーッ!!」
こいし「(ふふん、そう簡単に奪われないから出てきたんだよッ!!)」

ブブブン…… シュッ……!

マルコ「!? な、なにィ!?」
コンティ「消えた!?」

2人がかりで止めにやってきたイタリアMF陣は――ここまでの守備成功に気を良くし過ぎていたという面も多分にあった。
しかし、例えその過信が無くても……こいしのドリブルを止められたかどうかは定かではない。
パスとパスカットを得意とする古明地こいしは、その「無意識を操る能力」をオフェンスに使う事で。
自らの気配を殺し、相手に認識できないようにさせる必殺のドリブル――別名「消えるフェイント」の使い手でもあるのだ。
その消えるドリブルを認識し、止められる者は一流レベルの選手のみ。
如何に守備を自慢とするイタリアの選手でも、止める事は難しく、こいしはそのまま突き進もうとするのだが……。

映姫「消えると言えど、そこにボールはあるのです。 ならば止める事は決して不可能ではない! ハァッ!!」
こいし「ふぎゃっ!?」

バシィッ!!

マルコとコンティを抜き去り、その時点で気が緩んでしまっていたのか。
こいしは接近してくる映姫に気付く事なく散漫なドリブルをしてしまい……。
これを見た映姫はチャンスと見るや一気に距離を詰めてボールを奪い取ってしまう。

映姫「そう、あなたは少し集中力がなさすぎる! 悔い改め、自省しなければ同じ過ちを繰り返すだけですよ!」
こいし「ぐぅぅ……!」

102 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:18:34 ID:???
ジョン「あぁぁぁ〜っとぉ! しかし、これも駄目です! フランス、ようやく敵陣深くまで入り込めたかと思ったその矢先!
    リベロの映姫選手が果敢に飛び出し、ピンチを未然に防いだァ!!
    流石は幻想郷トップと呼ばれる守備の名手! その判断力もまた素晴らしいものです!!」

穣子「うわっ……やっぱすごいわね閻魔様。 あのこいしの突破を止めるなんて」
反町「(こいしのドリブルは静葉さんよりも上手かった……それをああも軽々止めるのか……。
    パルスィなら抜けるんだろうけど……パルスィばかりを使っていちゃ、パターンを読まれる。
    中盤を突破し、シュートチャンスに持っていくのは今日の試合以上に骨が折れそうだな……)」

ヘルナンデス「エイキ!」
映姫「(残り時間は……まだありますね。 ならば、これでいきましょう!)」

こうして見事にボールを奪取した映姫は、ヘルナンデスの声を聴いて小さく頷きつつ時計を確認。
残り時間は5分少々……もう一度攻める事が出来る時間はまだあるが。
しかし、かといってピエールを中盤メンバーが抜けるかと聞かれれば少し不安になるのが現在のイタリアである。
ならば多少強引に行くしかないと……映姫はその小さく細い右足を振りかぶった。

グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

リグル「あぁっ!! あれは!!」
妹紅「反町の技だ!!」
反町「い、いやいや! ロングシュートは俺以外に咲夜さんとか使い手いっぱいいるじゃないですか!!」
チルノ「あたいとかね!」
レティ「(そういえばチルノも持ってたわねぇ……まるで使いどころがなかったけど……って、今の問題はそれじゃなくて……)」
輝夜「出るわよ、四季映姫のDFにあるまじき決定力を持つシュートが!」

ジョン「あっ……あああああああああああああああああああああああああああっ!?
    こ、これは映姫選手、自陣から一気にシュートに行く構えだァッ!!
    これはやや無謀とも思えるが……しかし、映姫選手はロングシュートを得意とする選手でもあります!!
    必ずしも無謀とは言えませんッ!!」

103 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:19:45 ID:???
常識的に考えれば自陣深めの位置からのシュートが、そう簡単に決まる筈はない。
しかし、それはあくまで常識的に考えればの話であり――。
幻想郷にはどれだけ遠くから撃っても威力が変わらないシュートというものも存在する。
十六夜咲夜の霧の湖シュート……チルノのパーフェクトフリーズ同様。
映姫のこのシュートもまた、どこから撃とうと威力の変わらぬ超ロングシュートであった。

ピエール「ばっ、馬鹿な……! あんな位置から……!!」
こいし「ピーちゃん! こいつ結構半端無いよッ!! ブロック!!」
ピエール「わ、わかっている!」
映姫「遅いです! ハァァァァァァァッ……たァァァァァアアアアアアアアッ!!」

バゴッ……ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアォォォンッ!!

バギャンッ!!

ピエール「なっ……ぐああああっ!?」
ドゴール「ピ、ピエールッ!? そ、そんな……うわあああっ!?」
ベルジェル「ひいいいいいいっ!?」

更に追記をするならば、映姫のこのロングシュートは、先に上げたロングシュートよりも一層高威力であった。
その威力は咲夜の「マジカル☆咲夜ちゃん☆スター」をも凌駕しかねない程であり。
半信半疑のままブロックにとんだピエール、そしてフランスのDF陣は為すすべなく吹き飛ばされる。

映姫「(いい加減白黒ハッキリつけなければ! 決まれッ!!)」

同点などという有耶無耶な状態に苛立つ映姫はそう願いながら、ボールの行方を追う。
もはや防ぎとめられるDFはフィールドに立っておらず、そのままボールはゴールに吸い込まれそうになるのだが……。

104 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:21:59 ID:???
さとり「ッ! ゴールは割らせませんッ!!」

バッ! バチィィィッ!!

映姫「!?」

しかし、このボールは再びフランスの正ゴールキーパー――古明地さとりが拳を固めて正面で待ち構え。
両腕を前に差し出す事でボールの威力を殺す事に成功し、見事に防ぐ。
破壊的な威力を持つが、ドライブシュートのような変化もかかっていなければ霧の湖シュートのような低い弾道な訳でもない。
それならば止める事は決して不可能ではないというかのように、さとりは跳ね上がったボールを無表情で見やりつつ……。
誰にも見えないように、小さく安堵の息を吐くのだった。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

ジョン「ふっ……防いだァァアッ!! さとり選手、またもゴールを守りましたァァアッ!!
    映姫選手のシュートを前に、一歩も怯まずその両腕で弾き返しました!
    そして、転がったボールはフランスDF、ルスト選手がフォローし……素早くクリアーです!
    フランス、またもやピンチを脱したァ!!」

観客「神様仏様さとり様や!」「さとりんがシュートを止めたから……今日はさとり記念日」「さとりん! さとりん! さとりん!!」

ピエール「(……アモロなら既に2失点だな)ナイスセーブだ、サトリ!」
こいし「さっすがお姉ちゃん! (ちょっと危なかったかなと思ったけど……うん、大丈夫だね!)」
さとり「(……PA外のシュートにも、ある程度は反応できるようになりました。 ですが……まだまだですね)」

105 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:23:12 ID:???
お空「やったー! さとり様ー!! さとり様ぁぁぁぁぁ〜っ!!!」
穣子「ああもう、観客だけでもうっさいってのにあんたまで騒いでどうすんのよ!」
にとり「まあ、それはもう仕方ないこったから放っておこう。
    それよりも問題は、やっぱ閻魔様のロングシュートだねぇ……ありゃ大した威力だよ」
リグル「なんでさ!? 私のライトニングリグルキックの方が凄いよ!?」
にとり「そりゃそうだけど……問題はDFである閻魔様が使ってくるって事さ。
    つまり、守る時はFWの悪魔の妹と諏訪子様だけを警戒してればいいって話じゃない」
美鈴「映姫さんをフリーにしてあれを撃たれたらたまったもんじゃないですもんね……(私じゃ絶対止められないや)」
にとり「だけど、閻魔様はDFだからマークをつけるなんて事は出来ない。
    結局の所は、ある程度そちらに注意を向けるって事くらいしかできないだろうね……」
反町「(それにリグルの言うようにリグルの方がシュート力では上かもしれないけれど……。
    あのシュートは大妖精やヤマメじゃ完全に止められるとは言い切れないシュートだ……。
    乱発はしないだろうけど、試合が停滞した時とかのいざという時は怖いぞ……)」

垣間見えた四季映姫の実力に、反町はゴクリと唾を飲み込んでフィールドの映姫の姿を凝視する。
先ほどのこいしを止めたタックルに、さとりに阻まれこそしたもののフィールドを震撼させた驚異のロングシュート。
確かに幻想郷No.1DFと呼ばれても不思議ではない実力である。
だが、反町はまだ知らない。 これはまだ、映姫の実力の片鱗であるという事を。

ジョルジュ「よし、よくやってくれたサトリ。 後はこの俺が大陸一の実力で……」
フレッド「もーらった」
ジョルジュ「なにィ!?」

そして、フィールドではフランスが最後の攻撃を仕掛けようとしていた所を、軽々と阻まれ。
その後、イタリアも攻め込む事は出来ず前半は終了となるのだった。

ピッピッピィィィイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

106 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:24:31 ID:???
ピエール「(このままではいけないな……何とか打開策を考えなければジリ貧だ……)」
ヘルナンデス「(押しているのはいいけど、出番がないのはつまらないな……。
        もっとも、フランスも流石にこれで終わる訳はないだろうけど……)」

両チームのキャプテンは考える。如何にすれば堅固な守備を抜き、得点する事が出来るのか。
そして、それに対応し逆に反撃をし返しリードを奪う事が出来るのか。

さとり「(後半もこのまま……このまま私が無失点でいれば負けはしません……)
    こいし……後半も頼みましたよ」
こいし「うん、まっかせて!」

古明地姉妹は前半の互いの健闘を称えあいながら、後半戦に望みを繋ぐ。
守備を担当するこの姉妹が抜かれない限り、少なくとも敗北は無い。
自分たちの働き如何で試合結果が変わるこの状況は、逆に彼女たちの闘志を燃え上がらせていた。

フラン「うー……全然ボールが来ない!!」
諏訪子「そりゃ相手もお前さんにボール渡さないようにするよ、お前さん規格外だもん。
    ……まあ、それに関してのちょっと打開案も考えたけどね」
フラン「ホント!?」
諏訪子「ゲロゲロゲロ。 神様、嘘、つかない」

イタリアのツートップコンビは後半戦に向けて一つの策を練る。
果たしてそれが突破口となり、得点に繋がるのか――その答えは後半戦に出るだろう。

そして、そんな中――イタリアJrユースのDF……四季映姫だけは、このフィールドで……。
否――このスタジアムの中で唯一、ありえない事が起こったという事に気づいていた。

映姫「(地底の覚妖怪が私のシュートを……止めた……?)」

世界でも間違いなく通用をする四季映姫のシュートを、古明地さとりが止めた。
その事実は、まだ誰も気づいていない事であるが――幻想郷時代のさとりを考えれば、到底ありえない事。
この異常事態に映姫は動揺をしつつ……両チームの選手たちは、ハーフタイムの休憩へと向かうのだった。

107 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 02:26:13 ID:???
ようやく前半を終えれた所で本日はここまでです。
明日にはなんとか試合終了までいけたらなぁと思います。
それでは、お疲れ様でしたー。

108 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 02:28:34 ID:???

こりゃ引き分けか

109 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 02:31:58 ID:???
大陸一の乙!

110 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 02:32:11 ID:???
しかしホームタウンデシジョンでないな。
機会がないのか、それとも【幻想郷にしか使わない】系のオチか

111 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 04:01:36 ID:???
しかし原作だと優勝候補(笑)だっけフランス

112 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 05:35:17 ID:???
まあ実際のところピエナポ+地底姉妹にさえ気をつければどうにかなるわいな

113 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 23:27:25 ID:???
>>108-109
どうも乙感謝ー。引き分けかどうかは試合結果を見てご確認を。

>>110
さてさてどうでしょう。

>>111-112
まあ予想はされているでしょうが、フランスはやっぱりかなり弱いです。
総合的に見れば周囲の国とは圧倒的差ですね。

114 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 23:28:28 ID:???
こうしてハーフタイムに入り、両チームの選手たちが控室へと引き上げていた頃。
観客席でこの試合を観戦していた幻想郷Jrユースの面々は、
前半戦の両チームの動きや実力について話し合いをしていた。

静葉「スコアの上では0−0だけれど……間違いなく圧倒をしているのはイタリアだったわね」
ヤマメ「っていうかイタリアってトコはカウンターを主体としたチームじゃなかったのかい?
    前半を見る限りじゃ、押せ押せなチームっぽいんだけどねぇ」
パチュリー「それは単純にフランスの守備が脆弱過ぎるのが原因と言えるわね……。
      カウンターを仕掛けるまでもなく攻撃が成功するのなら、それに越した事はないわ……」
ヤマメ「フランスは古明地のと10番(ピエール)しかまともに働いてなかったもんねえ……」

どちらが優勢かと聞かれれば、一同は当然のようにイタリアが圧倒的優位だと考えていた。
事実、前半戦でフランスはシュートを撃つどころかまともに攻め込めた時間すら少なく。
逆にイタリアは僅か2本しかシュートを撃ててないとはいえ、終始試合を支配し続けていたのだ。
如何にピエールとこいし、そしてさとりが優秀な選手といえども、そう何度も攻撃をされては防ぎ続けるのは難しく。
フランスが後半に向けて何らかの打開案を考えていなければ――。
或いは何かのイレギュラーでもなければ、イタリアが勝利をする可能性が高いと言えるだろう。

穣子「フランスのFWの実力は知らないけど、紅魔館の妹の決定力なら撃てば決まるでしょうしね……。
   反町はどう思う?」
反町「え? そ、そうだな……」

A.「確かにイタリアが有利かな。 これだけ攻めていれば、幾らさとりさんでも防ぎきれないよ」 イタリア勝利を読む
B.「いや、フランスも侮れない……。 イタリアお得意のカウンターを逆に決めるかもな」 フランス勝利を読む
C.「このまま時間が過ぎて同点のまま試合終了もあるんじゃないか?」 引き分けを読む
D.「この試合はできそこないだ。 とても見れたものじゃないよ……」 両チームを非難する
E.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

115 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:33:06 ID:okegiGOs


116 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:35:27 ID:wko5Sbk2
E「審判がまともならイタリアが勝つか悪くても引き分けるだろうけどね」っと思わせぶりに言う。 

117 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:36:42 ID:fZLyFWOQ
>>116

118 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:37:56 ID:0QSdDiVc
A

119 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:38:28 ID:tE7cXveM
A

120 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:39:20 ID:???
選択肢に山岡さんがw


121 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:40:23 ID:???
ディシジョンについての言及はぶっちゃけ無理だと思う
本編でも試合前に言われて気づいたのが森崎除いて岬、三杉、日向だけだったから
たぶんバヤシと翼もわかるだろうとは思うが

122 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:40:29 ID:???
あ、二票か
このスレ自由選択肢ってあんまり上手く行かないイメージがあるしちょい不安だ

123 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 23:41:03 ID:???
うーん……神視点ですとホームタウンディシジョンや何かが起こるかも?みたいなのはわかるでしょうが。
反町当人の場合、そもそもがホームタウンディシジョンが無い日本で育った事などから。
ちょっと今回は>>116さんの言葉を言えるかどうかの判定をしたいと思います。
本編でもフランス対戦時、殆どの選手がホームタウンディシジョンの事を知らなかったですからね。

先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★反町のサッカー知識→! dice+! dice+(秀才+2)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

10以上→ホームタウンディシジョンを知ってた。そのまま進む。
9以下→再投票

124 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:41:33 ID:???
★反町のサッカー知識→ 3 + 5 +(秀才+2)=★

125 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/28(土) 23:42:13 ID:???
おお、秀才秀才。それではそのまま進みます。

126 :森崎名無しさん:2011/05/28(土) 23:43:22 ID:???
最近奇行も若干増えてきたから忘れてたけど(多分染まったんだろうw)、そういえば秀才だったw


127 :117:2011/05/28(土) 23:56:54 ID:???
秀才でサッカー好きなら、知っていてもおかしくないかと思いまして。
知識・勉強面では三杉にも劣らないのでは?

128 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 00:15:14 ID:???
この時代、海外情報を知ってるかどうかは多分に環境と運が関わるんじゃない?
その意味で、ダイス二個で八以上というのは妥当な裁定だった気がする

129 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 00:17:54 ID:???
昔は海外サッカーの情報は入手しにくかったでしょうしね
さすが秀才と褒めてやりたいところだ!(byブローリン)

130 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:28:52 ID:???
>E.「審判がまともならイタリアが勝つか悪くても引き分けるだろうけどね」っと思わせぶりに言う。
===============================================================================================
穣子「ん? 審判が……って、どういう事?」
パチュリー「……ホームタウンディシジョンね」

確かに単純に見れば、イタリアが圧倒的有利であり勝利をつかみ取るようにも見える。
しかし、それはあくまでも単純に見ればであり――。
この試合の背景などを考えれば、そう簡単にイタリアが勝つとは思えないと反町は考えていた。

反町「言ってみれば、特定のチームを審判が贔屓して有利な判定を多くするって事だな。
   フランスは開催国――無様に負けるなんて恥辱は、運営側からしても避けたいだろう」
静葉「なるほどね……つまり、どれだけフランスが押されても審判の判定一つで、
   イタリアのゴールをノーゴールにされたりする可能性があるという事ね」
妹紅「なんだよそれ! サッカーは皆で仲良く正々堂々やるものなのに! 勝ち負けは二の次で正々堂々やらなきゃ意味ないじゃないか!」
パチュリー「(勝ち負けは二の次という発言は見過ごせないけれど……まあ、突っ込むのはやめておきましょうか。 面倒になりそうだし)」

この反町の考えはある者には外のサッカーにはそういった面もあるのかと知識として理解し。
またある者はそのような不正を認める訳にはいかないと激昂をする。
ただ、どのメンバーも通じて理解していた事は、この試合がまだまだわからないものなのだという事であった。

輝夜「まあ幻想郷にも似たようなものはあるけれどね。 各勢力が主催する大会でごにょごにょっと……」
妹紅「輝夜、まさか……!」
輝夜「い、いやいや、私はしてないわよ。 ……してたら竹林カップであんなボロ負けしてないわよ」
ヒューイ「ところで人間はなんでそんな事知ってたの?」
反町「……外の世界で、似たような事を思いつく奴がいたからな」

因みに反町がホームタウンディシジョンについて知っていたのは、かつて彼が所属をしていた東邦学園時代。
まだかの猛虎がぶくぶく肥った豚の時に、
金の力にものを言わせて審判などを買収したりする場面が何度かあり。
そういった事も海外でなら日常茶飯事に起こってもおかしくないのではと考えていたからであった。

131 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:30:22 ID:???
こうして反町たちが談話をしている間に、短いハーフタイムは終了し、両チームは再びフィールドに姿を現す。
果たしてこのままイタリアが試合を支配し続け、勝ち越し弾を叩き込み勝利をするのか。
それとも反町が懸念をするように審判の贔屓がそれを阻むのか。
はたまたフランスが実力でイタリアを突き放し、初戦を勝利で飾る事が出来るのか。
様々な思いが交錯をする中、後半戦開始を告げる審判の笛がフィールドに鳴り響く。

ピィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

ピエール「よし……(ナポレオン、作戦通りに頼むぞ!)」
ナポレオン「ちっ……わぁったよ! おら、いけ!!」
ジョルジュ「ふふふ、大陸一の俺が後半こそはしっかりアシストをしてみせるぞ!」

試合開始直後、フランスボールで開始しキックオフのボールを持ったのは左サイドハーフのジョルジュ。
前半戦再三攻撃に走っていたナポレオンの突撃を読んでいたイタリアはこの意外な攻め方に一瞬狼狽するも……。

フレッド「お前のような大陸一がいるか!!」
ジョルジュ「ぬわーっ!?」

しかし、当然のようにこのジョルジュの攻撃はイタリアのMFの手によって防がれてしまう。
前半同様後半もまた、フランスの選手たちの動きはあまりにも稚拙であった。
そして、ボールを奪ったイタリアは再び攻勢に出、早々に先取点を取ろうとする。
これに対してフランスMF陣は何も出来ず、早速シュートチャンスへと持って行かれそうになるのだが……。

フレッド「(俺のドリブルでも通用しちゃうんだもんなぁ……さて、それじゃあそろそろセンタリングを……)」
ピエール「貰った!」
フレッド「げぇっ、し、しまった!?」

バチィッ!!

この攻撃は、またもや守備に回っていたピエールが防ぎ……。
ここでいつもならば前線にパスを出すピエールは、しかし、即座に近くにいたナポレオンに短いパスを出し。
そのまま一気に前に向けて走り出し始める。

132 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:31:25 ID:???
ダダダダダダダダダダダダダダッ!! パンッ! パパンッ! ダダッ!!

ピエール「いくぞ! フランス、パリ! エッフェル攻撃だ!!」
ナポレオン「おう!」
マルコ「うっ……!」
コンティ「し、しまった!!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

ジョン「おっとぉ!? これはフランス、キャプテンのピエール選手とストライカーナポレオン選手が、
    見事なワンツーリターンで一気にイタリアへ攻め込んでいく!
    この素早いパスワークにイタリアはまるで対応が出来ない! これは後半開始早々、フランスチャンスか!?」

観客「ヒャッホー! 流石はピエールやで!」「いけー、そのままゴールだ!!」

レミリア「エ、エッフェル攻撃ですって……!? くっ、なんて素晴らしい名前なの……!!」
カルツ「今日もお嬢は通常営業じゃ……」

優秀なゲームメイカーとしてパス精度にも自信のあるピエールに、そのピエールと同等のパス力を持つナポレオン。
彼らの息を合わせたワンツーリターンは、イタリアの誇る守備陣をあっさりと抜き去る事に成功する。
後半開始前にピエールが出した一つの策――それこそが、あえてナポレオンを低い位置へと下げ。
ボールを敵から奪った後にこの2人のワンツーで一気に攻め上がる、イタリアのお家芸を奪うカウンターアタックだったのである。
一部の観客がピエールのネーミングセンスに脱帽をしているのはさておき。
そのままピエールたちはイタリア中盤を突破し、今度こそシュートまで持ち込もうとするのだが……。

映姫「シュートには持っていかせません! たァッ!!」

バチィッ!

ナポレオン「ちっ! (これでも突破できねぇってのか!?)」

しかし、これはリベロの映姫により遮断されてしまい、またもフランスの攻撃は失敗……したかのように見えたが。

133 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:32:33 ID:???
コロッ……バシッ!

ボッシ「わわっ、ボ、ボールが……!」
映姫「!? しまった……!」

このこぼれ球を、幸運にもフランスのFW――ボッシがフォロー。
まだフランスの攻撃は止まっておらず……しかし、ボッシが持ち続ければいつ奪われるかわかったものではない。
ピエールは急いでゴール前に走りながら手を上げ、自身にボールをくれにと指示を飛ばす。

ピエール「よし、ボッシ! 俺に渡せ!!」
ボッシ「わ、わかった! それっ!!」
映姫「くっ……!!」

バシュッ! バッ!!

ジョン「ああぁぁぁっとぉ!? これはフランス、シュートチャンスだァ!!
    映姫選手、見事にワンツーをカットしたかに見えましたが……フランスJrユース、ボッシ選手がフォロー!
    そしてこのボールを、ゴール前に駆けるピエール選手へと送ったァ!!
    リベロの映姫選手、ブロックに戻れない! ピエール選手、これをトラップしシュートに行くゥゥゥゥッ!!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

観客「いけ! いけ! フランス!!」 「それでもピエールなら……ピエールなら何とかしてくれる……!!」

ピエール「いくぞヘルナンデス! これが俺の……スライダーシュートだァッ!!」

バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!

134 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:33:34 ID:???
フランスにようやく巡ってきたシュートチャンスとあって、観客たちのボルテージは一斉に高まり。
そんな観客たちの歓声を一身に受けながら、ピエールはボールを強く右足で撃ちつける。

ゴルバテ「く、くそっ!」
トリノ「しまったァ!?」

このピエールのシュートを前に、イタリアの守備陣はブロックに失敗。
掠る事も出来ないままボールはゴールへと向かい、フランスの先取点になるかと観客たちは固唾を飲んで見守っていたのだが……。

ヘルナンデス「(軽くドライブ回転をかけてたな……なら……)ここだッ!!」

ギュンッ! ガシィィィィイッ!!

ピエール「なっ……なにィ!?」

しかし、このピエールのシュートはイタリアGK――ジノ=ヘルナンデスの右手により阻まれた。
僅かなドライブ回転をかける事により、GKがキャッチする寸前に落ちるシュート――スライダーシュート。
その変化さえ読めていれば決して止める事は難しくなく。
一流キーパーであるヘルナンデスが難なくワンハンドキャッチをしたのは、別段不思議な事ではないと言えるだろう。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

ジョン「あっ……ああああああああああああああああ〜っ!? だ、駄目ですッ!!
    ピエール選手のシュートは、しかし、イタリアの守護神にガッチリと掴まれてしまったァ〜!!
    そうです、フランスにさとり選手がいるならば、イタリアにもヘルナンデス選手がいます!!
    ヨーロッパNo.1キーパーとの称号に恥じない、素晴らしい実力ッ!
    流石は黄金の右腕、ジノ=ヘルナンデス選手! ピエール選手のシュートをワンハンドキャッチだァ!!」

大妖精「わわわ……す、すごいですね……。 あんなシュートを止めちゃうなんて……」
輝夜「(大妖精でも完全に止めれるとは言い切れなかったもんねぇ……ま、ヨーロッパNo.1は伊達じゃないって事かしら)」
リグル「フランスのキャプテンも大した事ないね。 私のライトニングリグルキックの方がやっぱり強い!」
反町「(確かに……悪いシュートとは言えないけれど……ちょっとパンチ不足感は否めないな……)」

135 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:34:48 ID:???
ピエール「くっ……(俺のスライダーシュートがこんなに簡単に止められるとは……)」
ヘルナンデス「(ふぅ……まぁ、この程度なら怖くはない。 シュナイダーのファイヤーショットに比べれば楽な相手だ。
        さて、それはさておき……)さぁ、いくぞ! カウンターだ!!」
ボッシ「わ、わわわっ!?」
ナポレオン「しまったァ!?」

パコォンッ! バシッ! ダダダダダダッ!!

ジョン「あっとぉ!? これはイタリア、お得意のカウンターアタックだァ!!
    フランスJrユース、ピエール選手が上がっている分守備は手薄だぞ!? これは一転してピンチになったァ!!」

シュート失敗に歯噛みをして悔しがるピエールに、余裕の笑みを見せながらピエールを見返すヘルナンデス。
両チームキャプテン同士の対決は、ヘルナンデスに軍配が上がった形と言えるだろう。
そして、ボールを持ったヘルナンデスはこれを素早くフィードし選手たちをカウンターに走らせる。
ピエールが上がった分、守備が薄くなったフランスはこのイタリアのカウンターアタックを止められず……。

ジョルジュ「くっ、この俺の大陸一の守備がまるで通用しないとは!」
フェレーリ「あわわわっ!? と、止まってくれ〜!?」
こいし「(や、やばっ! 私1人だけじゃサイドに振られるだけで抜かれちゃうよ!?)」
さとり「……みんな、下がってください! 無闇にプレスをかけても意味がありません!」

フランスの守備陣は完全にイタリアに手玉に取られ、面白いように攻め込まれてしまう。
これを見てさとりはとにかく人数差をつけて勝負をするようにと一同にゴール前に集まるよう指示。
ただし、そんな中でもこいしだけはフランをノーマークにしないよう注意をしながら下がる。

ジョン「おっとぉ!? フランス、ここは無理をしません! 慌てずゴール前を固めています!」

諏訪子「(ゲロゲロ……よし、ここが使いどころだね!)こっちにハイボールを頂戴!」
コンティ「スワコさんか……よし、わかった! それっ!!」

バシュッ!!

136 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:36:05 ID:???
そして、ゴール前に上がっていたツートップの内、諏訪子が敵の陣形を見てボールを要求。
ボールを持っていたコンティは前半最初のシュートがまるで通用しなかった事を思い出し、一瞬迷うのだが……。
諏訪子の表情を見て、何か考えがある事を察知しセンタリングを上げ。
諏訪子はこれに当然のように合わせて飛び上がり、フランスDF陣もまた慌ててクリアーに向かう。
その中にはフランのマークについていたこいしの姿もあったのだが……。

びょいーんっ! バッ! ババッ!!

ブラボー「ブラボークリアーッ!!」
ドゴール「く、くそっ! まるで届かない!?」
こいし「(シュートコースを狭めるくらいは出来る! そう簡単に撃たせるもんか!)」
諏訪子「(よし、釣られた!)そら撃て! お前さんのボールだよッ!!」
こいし「なっ……ええっ!?」

誰もがヘディングに行くと思っていた場面で、しかし、諏訪子はボールを横へと弾いた。
こいしが目を丸くする一方で、諏訪子は計画通りだと言わんばかりに笑み、ボールの行方を見守る。
そう、誰よりも高く飛べる諏訪子がハーフタイムに入る直前に考えた、フランへとボールを渡らせる策。
それは諏訪子自身が自ら楔となり、高い位置からパスをしてフランに渡すポストプレイを行うというものであった。

バッ!!

フラン「うふふ……ここまでずっと我慢したんだもん! 思い切りやっちゃって……イ イ ヨ ネ?」
さとり「!!」

諏訪子の出したパスには空中でフランドールが合わせるように飛び上がり、ヘディングの構えを見せる。
前半一向にシュートチャンスが巡ってこなかった事へのイラつき。
そして、内から噴き出してくる狂気と目の前のものをただぶち壊したいという純粋な破壊衝動。
それらを一点に込めた、今大会間違いなくトップレベルのシュートが繰り出される。

137 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:37:32 ID:???
フラン「ぐちゃぐちゃの挽き肉みたいにしてあげる! ええええええええいっ!!」

ドゴッ……ブワッゴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

フランドールの放った殺意の籠った凶悪なシュート。
ヘディングとは思えない程の爆発音と威力を備えたシュート――495年目の波紋。
圧倒的な破壊力を伴ったそのシュートは、さとりの守るゴールを襲い……。
しかし、さとりは一歩も引かず、両手を広げ、恐怖心を押し殺してその腕をボールに向けて伸ばす。

さとり「(防ぐ……防いでみせる! 私と源三君の特訓が無駄ではなかった事を示す為にも!!)

               と   め   ま   す  !  !  !  」

ブワギャアアアアアアアアアアアッ!! バチィィィイイイイイイイイイインッ!!

さとり「きゃあああああっ!?」
フラン「えっ……ええええええええっ!?」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

ジョン「あっ、ああああああ〜っとぉ!? こ、これはすごいっ!! さとり選手、ふっ……防いだァ!?
    今大会トップクラスのストライカーであるフランドール選手の渾身のシュートを……。
    しかし、辛うじて防いでみせたぁぁぁっ!!」

さとり「ぐはっ……はぁ……(完全には止められなかった……! やはりまだ足りない……! 力が……!)」
フラン「(な、なに? なんで止めてるの? 私のヘディングだよ!?)」

防ぎこそしたものの、その威力に負けて吹き飛ばされたさとりはまだまだ力不足だと感じ。
一方でフランはといえば、なぜさとりが自身のシュートを防いだのかと純粋に不思議がる。
しかし、確かにさとりはフランのシュートを防いだが……そのボールは、こぼれ球となっていた。
さとりの失敗は、そのこぼれ球の行方を見る事なく、安堵をしてしまっていた事だろう。

138 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:39:06 ID:???
ダダダダッ! バンッ!! グォオオオッ!!

映姫「…………」
さとり「っ!? なっ……!?」
映姫「そう、あなたは少し注意が散漫すぎる! まだボールは生きていますよ!!」

そして、そのこぼれ球にはなんとDFである筈の映姫が詰めていた。
低い弾道のこぼれ球に走りこみながら飛び上がり、その小さな足を振りかぶってダイビングボレーの構えを見せ。
一方でさとりは思いもよらぬ伏兵の出現に慌てつつ、立ち上がり再びセービングに行こうとするのだが……。

映姫「その油断がなければ止めれたかもしれません! ですが……その姿勢では、無理です!!
   これは貴方の油断が招いた失敗、罪! 罪には罰を与えましょう……失点という罰を!!」
さとり「あっ……あああああああああっ!?」

バシュウウッ!! パサァッ!!

ピィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

さとりの両腕は、映姫の放ったシュートに掠りもせず、ボールはゴールネットへと突き刺さる。
映姫の言うように、最後まで油断をしなければ……最悪でも弾けていたかもしれない。
だが、現実にさとりはフランを止めた時点で完全に安心しきってしまっていた。
諏訪子がポストプレイの為に遠い位置におり、フランもシュートを撃った直後である為にねじ込まれる事は無いと考えてしまっていたのだ。
得点力のある映姫がねじ込みに来る可能性を考慮しなかった以上、さとりの落ち度である事は間違いないだろう。
肩をがっくり落とすさとりに、悲痛な表情を浮かべるフランスメンバー。
対してイタリアメンバーは待望の先取点に盛り上がり……しかし、映姫とヘルナンデス……。
そして、フランドールだけは仏頂面をするのだった。
フランドールは、自身が決められなかったという事に対する、嫉妬とも言える感情故に。
そして、映姫とヘルナンデスは……審判の笛が、ゴールを告げる音とは違うものであると気づいていたが為に。
映姫とヘルナンデスはその表情のまま審判に視線を向け……審判は無情にも手を上げながら、言い放つ。

139 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:40:26 ID:???














審判「     ノ     ー     ゴ     −     ル     !     !」











140 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/29(日) 02:41:29 ID:???
審判「今のシュートハメでしょ?ウチの島じゃノーカンだから」
という所で本日はここまでです。試合終われなかった……すみません。
それでは、お疲れ様でした。

141 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 02:42:13 ID:???
いつでも公平乙でした

142 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 04:00:41 ID:???
逃げて!審判逃げて! えーきっきもここはどうか穏便に! 乙でした〜

143 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 06:10:31 ID:???
あーなるほど、こうなるのか。
となれば映姫の抗議→退場の可能性が高いな。
でも、フランの鬼気でそれどころじゃなくなりそうな……。

144 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 08:48:57 ID:???
大陸一が出るたびに吹くw
成長率低いんだろうな

145 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 12:29:19 ID:???
エニキ、怒りの抗議
フラニキ、怒りのキックオフシュート
ヘルニキ、怒りの黄金の右腕

の三本でお送りします。

146 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 12:42:56 ID:???
>>143
退場したら次の試合(幻想郷戦)に出られなくなっちゃうからそれはないと思うよ

147 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 13:21:58 ID:???
えーき激怒→審判ぶっ飛ばす→無効試合→「ここからは弾幕戦だ!」

反町&キャプ翼勢「なにィ!?」
翼「リグル最高や!」

148 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 16:05:10 ID:???
弾幕勝負になればうどんさんの出番もあるなw

149 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 16:35:44 ID:???
もしリグルのシュートがノーゴールにされたら翼はどう発狂するのかなwww

150 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 16:45:08 ID:???
翼「ちょっと審判にサイクロン叩き込んでくる」

151 :森崎名無しさん:2011/05/29(日) 16:45:33 ID:???
妹様に特攻の拓のマー坊の魂が乗り移ったようだな!

152 :森崎名無しさん:2011/05/30(月) 00:43:49 ID:???
とりあえずディアスがいたら大陸一に一目置いてしまうんだろうな
来生的な意味で

153 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/30(月) 02:15:01 ID:???
>>141-142
どうも乙感謝です。審判「我々審判はいつでも公平だ」

>>143 >>145 >>146
映姫様はとても賢く堅いお方なのです。そして何よりお役所的な所があります。

>>144 >>152
最初はジョルジュのキャラを下の方にしようかどうか迷ったけど最終的にこっちにしました。

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J

>>147-148
パチュリー「4ボスの私の出番!」
うどんげ「5ボスの私の出番!」
お空「6ボスの私の出番!」
妹紅「EXボスの私の出番!」

>>149-150
翼「あの華麗なシュートを無効にする審判の神経を疑うよ……」
三杉「突っ込むべきはそこじゃない」

>>151
ハードラックとダンスっちまったんだよ……!

本日も遅くなりましたが更新しますー。

154 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/30(月) 02:16:55 ID:???
フラン「は……はぁ!?」
諏訪子「……ノーゴール……だって?」
映姫「………………」

後半20分、ようやく待望の先取点を上げられたと喜んでいたイタリアJrユースをどん底に突き落とすかのような審判の裁定。
これには諏訪子をはじめ、イタリアのメンバーの多くが愕然とし……。
フランもまた、自身が得点出来なかった事を悔しがってはいたものの、
それでも自分のチームが折角取った得点を無効にされる事もまた嫌なのか、一瞬にして表情に怒気を含ませ……。
しかし、それを即座に察知した映姫がフランドールを抑え、口に手を当てて喋れないようにする。

フラン「むぐぐっ!? も、もがもがが!?」
映姫「落ち着きなさい、フランドール=スカーレット。 審判への暴行、暴言は有罪です。
   ……退場したいのですか?」
フラン「もがががが!! むがーっ!!!」
映姫「……審判の判定は絶対ですよ。 それに文句を言うなど、あまりにも烏滸がましい事です。
   よいですか、フランドール=スカーレット。 このサッカーという競技において、フィールドに立つ以上。
   法の管理者は審判であり、我らはそれに服従をするしかないのです。 それが法なのです」
諏訪子「あーうー……しかし納得行かんのは確かだよ、閻魔。 まあ、私はそこのと違って暴れるつもりはないけどさ」
フラン「むがー!! もがもがむぐぅ!」
映姫「……審判が白と言えば白。 黒と言えば、黒なのです。 納得出来る、出来ないではいけません。
   しなければならないのです! それが法なのです!」
諏訪子「(あーうー……本当、杓子定規みたいに堅いやつだねぇ……)」
映姫「……まぁ、彼はいずれ地獄に落ちる運命にあるでしょうけれどね。 因果応報、罪は必ず罰となって帰ってきますから」
諏訪子「(……って、やっぱり恨んでるじゃん!?)」

幻想郷を担当する地獄の閻魔様である四季映姫=ヤマザナドゥ。
幻想郷きっての堅物であり常識人であり正義の番人である彼女は――しかし、この審判の裁定に不服申し立てなどは一切しなかった。
何故ならば今この場にいる彼女は閻魔である四季映姫ではなく、サッカー選手四季映姫。
一介の選手に過ぎない自身が法の番人である審判に背く事は、すなわち彼女の道徳に反している事なのであった。

155 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/30(月) 02:17:58 ID:???
ジョン「あっ……とぉ!? これはイタリア、あまりにも惜しい!!
    映姫選手のダイビングボレーで得点かと思われましたが、このプレイはゴール前での危険行為として反則を取られました!
    イタリアの先取点かと思われましたが、未だ同点! フランスのフリーキックで試合再開となります!」

穣子「な……なんでアレが危険行為なのよ? アレで反則なら幻想郷のサッカーは大半反則だわ!!」
反町「(うん……まあ、幻想郷のサッカーが外では反則扱いってのは間違ってないとして……)
   これがさっき言った、審判がマトモなら……って事だな」
妹紅「き、汚いよ! なんでこんな事するのさ!?」
輝夜「フランスは開催国だから……理由はそれだけね。 あの審判だって運営から金でも積まれてるんでしょ」
美鈴「何より恐ろしいのは、観客たちはこの判定を当然とみている所ですね……」

観客「おいおい、なんでカード出さないんだよ!?」「めちゃめちゃ危険だったじゃねーか! 謝罪と賠償を要求する!!」

イタリアの面々がどうにか気を取り直し、守備に戻り始めていた頃。
一方で観客席では、あからさまに意見が二分していた。
反町たち幻想郷Jrユースの者たちからしてみれば、この審判の笛は明らかに異常なものであり……。
しかし、観客たちはこの反則を当然のように受け止め、むしろ何故もっと厳しい罰則を与えないのかと怒号すら聞こえてくる。

輝夜「これでわかったわね? フランスと戦う時は、とにかく冷静になる事。
   反則にされるのはある程度仕方ないとしても……抗議をしようものなら、いつでもカードが出ると思いなさい。
   いくらリーグの最終戦で本戦に入れば累積が消えると言っても、カードが出た時点でその試合では動きにくくなるからね」
静葉「(こういうサッカーもあるのね……)」
てゐ「(んー……………………。 ……フランスとの試合まで5日か。 こんだけありゃ間に合うかな?)」

156 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/30(月) 02:19:09 ID:???
さとり「(審判の笛に助けられたけど、事実上は失点……幻想郷と当たるまで……。
     いえ、この大会、無失点で切り抜けるのを目標としていたのに……)」
こいし「お、お姉ちゃん……」
さとり「………………」
ピエール「……コイシ、フリーキックはお前が蹴ってくれ」
こいし「う……わ、わかったわピーちゃん」

ピィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

バシッ!!

幸運に助けられた形で失点を免れたさとりは、瞳から光を無くしそこに立ちつくし。
こいしはそれを見て思わず声をかけようとするのだが……ピエールに促され、キッカーの位置につく。
そして、審判の笛を合図に試合再開。
こいしの蹴ったボールはピエールへと渡り、ピエールは今度は自らがボールをキープしつつ時間を稼ぎ始める。

ピエール「(サトリには落ち着く時間が必要だ……まずはそれを稼ぐ……!!)」
諏訪子「あーうー、ボール持ちすぎだよ! そーれっ!!」
フラン「イライラする……! ドッカーンってなっちゃえええええええええっ!!!」
ピエール「(来たな……!) ハァッ!!」

バッ! ダダダダダッ! シャシャシャッ!!

フラン「うー……!!」

これを見てイタリアも前線メンバーが揃ってピエールからボールを奪いに行くものの……。
ピエールは素早く、華麗で優美なフェイントを駆使し諏訪子とフランをいなし。
きりきり舞いにしながらキープを続行し、時間を稼ぎ続ける。

ジョン「おっと! これはピエール選手、実に上手いドリブルでボールをキープする!
    守備に定評のあるイタリアもこれを中々奪えないぞ!」

157 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/30(月) 02:20:10 ID:???
ピエール「(サトリは……)」
さとり「……………………」
ピエール「(まだ駄目か……だが、サトリには立ち直ってもらわねばならん。
      アモロではどう考えてもこのリーグを突破する事は無理だからな……しかし、このままでは……)」
こいし「ピーちゃん! 貸して!!」
ピエール「(コイシ……! そうだな……コイシが活躍をしてくれれば……サトリも再起が図れるかもしれない!)
     頼むぞ、コイシ!」

バシュッ! パンッ!!

ジョン「おっとぉ! ここでフランス、勝負に出たか!? ボランチのこいし選手が上がりピエール選手からボールを受けた!
    イタリア、ピエール選手を警戒しすぎてこいし選手へのマークがおろそかです!
    こいし選手、上がる上がる! これはフランス、再びチャンスが巡ってくるか!?」

後半30分を過ぎた頃、ピエールの個人技にイタリアの選手陣が集中をした所をうまく突き。
こいしがボールを受けて中盤を突破する。
これにはイタリアが上手く対応できず、こいしはすいすいと中盤を突破してしまうのだが……。

バッ!

映姫「今度も止めますよ……!」
こいし「(来たわね……! でも、やらせないよ! ここで点を取るんだ! お姉ちゃんを励ますんだ!! その為にも……)」

当然のようにこいしには映姫がつき、そう容易く突破はさせないとばかりに行く手を阻む。
だが、こいしもまたここで止められる訳にはいかないと……その右足を振りかぶり、笑みを浮かべた。

映姫「っ!?」
こいし「私はドリブルよりもパスの方が得意なの! 知ってるでしょ? さー、これが取れるかなー?」
映姫「しまった……!!」

バシュッ……ギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッ!!

158 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/30(月) 02:21:22 ID:???
こいしはここで自身が目立つ事よりも何よりも、とにかく映姫を抜くという事に神経を集中させた。
その結果、ドリブルで映姫を突破するよりもパスで前を走るナポレオンに渡すのが良策だと判断したのである。
映姫は先ほどピエールとナポレオンのエッフェル攻撃を食い止めた事からわかるように、パスカットも得意とする選手。
だが、こいしのパスの精度は――その2人のパス精度とほぼ同等かそれ以上。
加えて、映姫が不意を突かれてしまった事を考えれば、このパスを食い止められる筈もなく……。

バシッ! ダンッ!!

ナポレオン「おっしゃあ! 待たせやがって、ヘボMFどもが!!」
こいし「うっさい、突破に失敗しまくったヘボFW!! いいから点取りなさいッ!!」
ナポレオン「言われなくてもわかってんだよォ!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ヘルナンデス「(……これは油断できないな。 だが、必ず止める……!!)」

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

こいしのパスは、フラン以上にボールを渇望していたと言っていいナポレオンに綺麗に渡る。
そして、ナポレオンはこのボールを受けて即座にシュート体勢に入り。
ヘルナンデスもまた、両腕を広げてセービングの構えを見せる。

ナポレオン「食らいやがれェェェッ!! メガキャノンシュートォォォオオオオオオオオオオオオッ!!」

バゴッ……グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオバギャアンッ!!

この大会に向け、自身の持つ必殺シュート、キャノンシュートを改良し、
更に威力を増したナポレオンの必殺シュート――メガキャノンシュート。
爆発的な音と共にナポレオンの脚から放たれた必殺の一撃は、高速で迫りイタリアゴールを脅かすのだが……。

159 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/05/30(月) 02:22:23 ID:???
ヘルナンデス「(メガ? メガって事はそれ以前のただのキャノンシュートもあったのか? だが、そんな事は今はどうでもいい!)
       どんなシュートだろうと……必ず止めるゥゥゥウウウウウッ!!」

バッ!! バチィィイイイイイイイインッ!!

ナポレオン「なっ……なにィ!?」
ヘルナンデス「くっ……だ、誰かフォローを!!」

しかし、このナポレオンのメガキャノンシュートもまた、ヘルナンデスの黄金の右腕に阻まれる。
これを見てナポレオンは目を見開き、何故自身のシュートが通用しないのかと茫然し。
一方でヘルナンデスも完全につかむ事は出来ずボールをはじいてしまい、零れたボールのフォローをDF達に急がせるのだが……。

ボロッ……パシッ!

ボッシ「あ……」
ヘルナンデス「くっ!?」
ナポレオン「……寄越せ! もう一度打ち込んでやる!!」
ボッシ「オ、オッケー! 頼むよ、ナポレオン!!」

ヘルナンデスにとっては運悪く……そして、ナポレオンにとっては運よく、零れ球はフランスのセカンドストライカー、ボッシがフォロー。
これを見てヘルナンデスは倒れこんだ姿勢から急いで体勢を整えようとし……。
一方でナポレオンは一度で駄目なら二度打ち込んでやるとばかりにボッシにボールを要求。
ヘルナンデスの体勢が整わない内に、今度こそ決めてやると右足を振りかぶるのだが……。
しかし、ボッシがフォローをしてからナポレオンに再びボールを渡すという事は、それ相応に時間がかかるという事であり。

ビュンッ!! バッ!!

ナポレオン「!?」
映姫「………………!」

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0ch BBS 2007-01-24