キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【いざ】ファイアーモリブレム31【新天地!】
1 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/05/26(木) 00:32:08 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品です。『ファイアーエムブレム紋章の謎』の世界に
送り込まれた森崎が、マルスたちと共にアカネイア大陸を冒険する物語となっています。
基本は本編と同様に、選択肢の中から第三者(ロムしている人)がどれかひとつを選ぶ事によって進んでいきます。
また必要に応じてトランプを引いてもらったりしてランダムに進行していくこともあります。
【注意】
このスレの物語やキャラの性格は、中の人の都合で原作並びにキャプテン森崎本編とは異なる場合があります。
設定などもストーリーの都合上若干オリジナル要素が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。
〜これまでのお話〜
世界一のGKになるというマルスとの誓いを果たすため、森崎はワールドユース大会に臨む。
強敵ひしめく予選リーグを突破し、イングランド、アルゼンチン、ドイツとの連戦も乗り越え、
ついに大会開催国であり優勝筆頭候補のブラジルとの決勝戦を迎えた。
ブラジルは正GKのゲルティス欠場という大きなハンデを抱えるものの、
後半から出場してきた謎の男コインブラの持つ超人的な力で一挙に反撃に躍り出る。
だが、幾多の戦いの中でこれまでバラバラだった全日本ユースがついに一つのチームへと昇華した。
それぞれの役目を果たす堅実ながらも強固な守りでブラジルの追撃を振り切り、ついに優勝の栄冠を掴みとる。
試合が終わった瞬間、突如力尽きたかのようにフィールドに倒れる中山を介抱する森崎。
しかしそこで森崎を待っていたのはガトーの協力のもと自らの身体から追い出した『超モリサキ』ことラムカーネ。
そしてリンダのスターライトで倒したはずの暗黒司祭ガーネフによる襲撃だった。
二人は才能を失い苦悩に陥った中山をそそのかし、闇の力に飲み込ませ森崎を襲わせる。
だが、森崎は中山の内に秘めた厚き友情の心を感じ取り、過去の罪の精算を甘んじて受け入れた。
そのまま全てを失い暗き闇に堕ちていくはずの森崎の精神だったが、一筋の暖かな光が新たな道を作り出した。
何度でもやり直せる。立ち上がれる。森崎は強き決意のもと、星の光に導かれながら新たなる未来へと歩き出そうとしていた。
☆前スレ
【暗黒から】ファイアーモリブレム30【英雄へ】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1303911310/l50
914 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 00:01:47 ID:5Bji5AIQ
A
915 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/29(水) 20:19:37 ID:???
>A クリス【装備に『鋼の槍』追加 スキル『反射』習得(相手の攻撃判定と自分の守備判定のマーク一致で攻撃を跳ね返す)】
森崎「(さて…誰を選ぶべきか。ルークはこれまで大した失態もなく頑張っているんだよな)」
森崎はまず候補を3人までに絞って考えていた。
1人目はルーク。お調子者でやや自己主張が激しいところがあるが
部隊をまとめるという重労働はあれだけのエネルギーが無ければやっていけないだろう。
実力も従騎士レベルとしては申し分はない。力と速さを兼ね備えた優秀な戦士に育っている。
森崎「(次は…カタリナ、か。うーむ、指揮官としての素質は確かにあるとおもうんだが…)」
魔道士としての鍛錬を充分に積んでいるのに攻撃呪文が唱えられないという
致命的な弱点はあるが、指揮能力に関してはこの中では間違いなくトップだ。
無理矢理にでも部隊長という責任ある役職に就かせれば、あの弱気な性格も矯正できるかもしれない。
森崎「(そして……クリス。ジェイガンさんに負け、第九小隊との模擬戦にも敗れ…
これまであまりパッとしない活躍だった。だが俺がいなくても砦を一つ落とせる力は持っている)」
期待の新人として紹介されていたにもかかわらず、あまり期待通りの活躍は見せられなかったが、
重騎士のセオリーから大きく外れた珍しい戦い方や、
森崎のアドバイスを聞き入れた後すぐに結果を出せた向上心は素直に感心できるものだった。
森崎「……それじゃあ発表するぞ。第七小隊の部隊長は……」
ゴクリとつばを飲み込む音が聞こえてくる。これまでの自分の立場とはまったく逆の状況に
森崎はなんだかおかしくなってしまう。自分もキャプテン選挙の度に、今の彼らのように
目を大きく見開き、鼻穴をふくらませ、ドキドキと胸を高鳴らせていたのだろうか?
森崎「部隊長はクリス!お前だ!」
クリス「! …はい!了解しました!」
916 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/29(水) 20:21:44 ID:???
森崎の言葉に反応するクリス。凛々しい顔を緊張させながらも、
自分に課せられた期待と重圧を楽しんでいるようでもある。
ロディ「クリスが部隊長か。納得の結果だな。第七小隊が結成された当初から何気に気配りを欠かしていなかったからな」
ライアン「そういえばそうですよね。クリスさんなら、僕達をうまくまとめてくれそうです」
ルーク「ぐぐぐ…何故だ!俺は誰かの上に立つ人間にはなれないって言うのかー!?納得いかねぇよー!!」
これまでの戦績では間違いなくクリス以上の活躍をしていたルークが不満げな声を上げる。
だが、そこでカタリナがすかさず前に出てフォローをする。
カタリナ「ルーク。あなたもクリスに負けない立派な騎士だと私は思っています。
でも、部隊をまとめるということは思った以上に面倒なことが多いんですよ?」
ルーク「へ?そうなのか?」
カタリナ「さきほど森崎さんが言っていたように、仲間の成長を見極めて適切な指示を出したり、
戦闘では攻撃や守備の命令も全部部隊長がしなくてはいけないんですよ?」
ルーク「…………」
指揮官の仕事や責任を呪文のようにすらすらと話していくカタリナの言葉に、ルークは徐々に顔をしかめていく。
戦闘技術は優れたルークだったが、学術知識や講義はあまり頭に入っていないのである。
カタリナ「私は軍師として後ろに控えていたからこれまでそれなりにこなせてはいましたけど…
ルークのような前線を安心して任せられる『エース』に、これ以上余計な負担は背負ってほしくないんです」
ルーク「エース…!そうか、俺には最前線で敵兵をちぎっては投げちぎっては投げるという大事な仕事があるじゃねぇか!
分かった、俺も男だ!決まったことにはこれ以上文句は言わねぇ!
俺はクリスの指揮のもとで活躍し、アリティア騎士団のトップエースとして伝説を作ってやるぜぇっ!!」
917 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/29(水) 20:24:38 ID:???
ロディ「(単純な奴…。だが、ルークの戦闘力はこの小隊でも屈指だ。私も負けていられないな)」
森崎「(カタリナは軍師志望なだけ合って話術に関しては実に立派なものだな…)」
ルークをあっさり説得させ、晴れてクリスが第七小隊の部隊長を務めることが決定した。
森崎「それじゃあクリスはこの後の軍議に俺と一緒に出席してくれ。
ジェイガンさんから明日の訓練についての打ち合わせがあるらしいからな」
クリス「分かりました」
カタリナ「クリス。あなたならきっと立派な指揮官になれると私、信じています…」
ルーク「そうだぜ。俺を差し置いてリーダーになったんだ。それくらいやってのけねぇとな!」
ロディ「明日はグラの国境までの長い道のりを往復してくる行軍任務らしい。
食料や水分はこちらの方で準備をしておこう」
ライアン「クリスさん!全員一緒に正騎士に昇格するためにも一緒に頑張りましょうね!」
クリス「みんな……うん!私、頑張るわ。これからもよろしくね!」
仲間たちの声援に見送られ、クリスは森崎と共に休憩室を後にして会議室へと向かうのだった。
918 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/29(水) 20:26:03 ID:???
会議室にはジェイガンの他にこれまでの訓練で森崎たちに協力してくれた講師の面々が揃っていた。
マルスにシーダ、カイン、ジョルジュ、トーマス、アテナなどの顔ぶれの中に
他の小隊の部隊長に任命されたであろう従騎士たちの姿が見える。
その中には模擬戦でクリスたちを見事破った第九小隊のセシルもいた。
ジェイガン「遅いぞ第七小隊!もう会議の時間は2秒過ぎているぞ!」
森崎とクリスは慌てて席に着くと明日の行軍任務詳しい説明を聞く。
ジェイガン「…ということで、国境に用意してある勲章を受け取り再びこの王宮へと戻ってくることが明日の任務の内容だ。
できるだけ早く、そして物資を節約した小隊順に高評価をつけていくことになる。
予め地図を頭の中に叩き込み、近道などを探って少しでも早く帰ってくることが肝となるな」
クリス「う……地図を頭の中に…ですか」
ジェイガンの言葉に引きつった笑いを浮かべるクリス。
森崎「どうしたクリス。なにか不安なことでもあるのか?」
クリス「わ、わたし…昔っから方向音痴というか…迷子になりやすくて。
最近は慣れましたけど、この王宮に来たばかりの頃はよく城内で迷ってました……」
森崎「…まぁ、自分にこなせないと思う分の仕事は部下に任せるというのも隊長の特権だ。
きっとそういう細かいマッピングとかはカタリナとかロディが得意としているだろう」
クリス「で、でも…私は第七小隊の部隊長なんです。そんな情けないことを言ってはいられないんじゃ…」
森崎「人に頼ることは情けないことなんかじゃない。自分の弱点を理解して、苦手な部分は仲間にフォローさせてもらう。
意地になって自分の力だけに固執してもいつか限界は訪れるぞ。そこんとこ、器用に考えるようにしておけよな」
仲間と協力する力の強さをこのアカネイア大陸で学び、身につけてきた森崎はクリスに熱く語る。
919 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/29(水) 20:28:19 ID:???
クリス「森崎さん……はい、わかりました。(仲間と力を合わせて共に戦う。それがアリティア騎士の戦い方なんだ……)」
暗黒戦争を勝ち抜き、マルスを守り続けた異界の英雄森崎の言葉に、クリスは強く胸を打たれたのだった。
※クリスの評価が上がりました。
ジェイガン「森崎殿、少し待たれよ」
森崎「ん?なんだいジェイガンさん」
ジェイガン「これからの訓練において、武器屋や道具屋などを利用することもあるだろう。
これは今回の従騎士たちへの指導の報酬の先払いだ」
会議が終わり宿舎へと戻ろうとした森崎に手渡されたのは、金貨の入った袋だった。
おいくらですか?→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ→5000G
ハート→4000G
スペード→3000G
クラブ→2000G
JOKER→10000G
920 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 20:31:23 ID:???
おいくらですか?→
クラブQ
921 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 20:31:25 ID:???
おいくらですか?→
ダイヤA
922 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 20:36:32 ID:???
残りスレ容量考えるとそろそろ…
【】ファイアーモリブレム32【】
923 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 20:43:44 ID:???
緊縮か〜
924 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 20:47:42 ID:???
森崎は1部の所持金に+なのかこの金額が初期所持金のどちらですか?
925 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/29(水) 23:34:48 ID:???
>>922
950行かないうちに容量がいっぱいになってしまいそうですね。
お気遣い感謝です。それでは私からも改めて新スレタイを募集したいと思います。
【】ファイアーモリブレム32【】
上記をコピペしてお使いください。お一人様いくつでもどうぞ。
>>923
ほぼ鉄製の装備しか支給できないほどの財政難ですからね。ん?金箔カステラ?なんのことだい森崎?
>>924
これも説明が足りずすみません。第1部の装備や道具、所持金などは
ある程度物語が進むに連れ少しずつ手に入ってゆく展開となっています。
============
おいくらですか?→ クラブQ
>クラブ→2000G
ずしっ。
森崎「(ウホッ、いいおもさ)」
袋の感触はかなりの重量感だった。これはきっと大金が入ってるに違いない。
にんまりといやらしい笑みを浮かべ、森崎は上機嫌で言葉を返す。
森崎「いやぁはっはっは。なぁに、これくらいの仕事は朝飯前ですよ。
俺って人にモノを教えるのって結構好きですし〜」
実は低価の銅貨や銀貨で重量をかさ増ししているだけなのだが、森崎は気づいていない。
ジェイガン「ふふ、それはよかった。それと輸送隊の方にも傷薬を5つほど補充しておいた。
拠点パートなどで引き出して自由に使ってくれても構わないぞ」
926 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/29(水) 23:36:33 ID:???
森崎「輸送隊に傷薬が5つか。なるほど、覚えておくか」
ジェイガン「それでは明日の訓練も第七小隊の者たちをよろしく頼んだぞ。
最近アリティアの郊外で山賊の姿が確認されていると聞く。
今回の行軍ルートとは距離を開けてはいるが…何かあった場合はすぐに救助を呼ぶのだぞ。
山賊といえども従騎士の実力ではまだまだ手強い相手になりかねんからな」
森崎「はい、分かりました。(しかしどうして今頃になって山賊が?これもガーネフの復活と何か関係があるのか…?)」
森崎がジェイガンからお金や物資を預かっている間、クリスはセシルとともに明日の訓練について話をしていた。
クリス「それじゃあ第九小隊も私たちと同じコースを進んでいくの?」
セシル「出発時刻がズレこむから、おそらくすれ違うだけになると思うけれど…
でも、あまりにも遅いと遠慮無く追い抜かせてもらうから覚悟しておくことね」
クリス「うーん。私はセシルみたいに乗馬に慣れていないから、遠距離の行軍は苦手なんだよね…」
セシル「そんな重装備じゃ走りまわるだけでも辛そうね。そもそもどうしてクリスは
アーマーナイトなんて厳しい職種を選んだの?」
クリス「それは……」
私が重装兵になったわけ→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ→体を張って守りたい人がいるから…
ハート→実は森崎さんに憧れて…
スペード→先輩重騎士のドーガさんに憧れて…
クラブ→私の体格じゃソシアルナイトに向かないってジェイガンさんが…
JOKER→この鎧…お父さんの形見なんだ。それでね…
927 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 23:36:52 ID:???
私が重装兵になったわけ→
ハートQ
928 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 23:38:06 ID:???
そらまあ、あの時代に一番活躍した防御型歩兵って森崎だよなw
929 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 23:47:00 ID:???
JOKERの場合誰が父親だったんだろうな
930 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 23:56:35 ID:???
まさかのジューコフ
931 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 23:57:05 ID:???
いや、普通にジューコフは最有力候補だと思う
932 :
森崎名無しさん
:2011/06/29(水) 23:57:23 ID:???
>>930
必的を覚えて大活躍フラグか
933 :
森崎名無しさん
:2011/06/30(木) 00:06:58 ID:???
【名教官】ファイアーモリブレム32【森崎】
【第七小隊】ファイアーモリブレム32【育成中】
934 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/30(木) 00:25:05 ID:???
私が重装兵になったわけ→ ハートQ
>ハート→実は森崎さんに憧れて…
クリス「実は、森崎さんに憧れてアーマーナイトを志願したの」
セシル「森崎さんに…憧れて?」
クリス「あの人の武勇は様々な伝説となってアリティア騎士団に語り継がれているわ。
アカネイアの宮廷魔道士を庇ったり、マケドニアの姫を火竜から身を呈して守ったり…
他にもひ弱な仲間を庇ったり守ったり庇ったり守ったり……」
セシル「ちょちょ、ちょっと。さっきから聞いていれば庇ったり守ったりしか言ってないじゃない」
クリス「確かに伝説の騎士アベル殿や他の戦士たちに比べてドルーア兵を沢山倒したわけじゃない。
だけども、私は自分の命を賭けてまで仲間たちを守り続けたあの人の精神に心を動かされたの」
セシル「誰かを大事な仲間を守るため、自己犠牲の精神で立ちまわる異国の勇者、森崎有三……」
クリス「まだ従騎士として第七小隊に配属されて間もないころ、エリス王女とお話させていただいた機会があったの。
マルス王子を守ってあげて、助けてあげてちょうだい…と」
935 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/30(木) 00:26:58 ID:???
昔からの方向音痴が災いし、城の中で迷子になったクリスは王宮の地下水路へと迷いこんでしまっていた。
その時地下の祭壇にて祈りを捧げる聖女のような出で立ちのエリスと出会ったのである。
クリス「本当にすみません!ご無礼を働いたばかりかこうして道案内までしてもらってしまうだなんて…」
エリス「良いのです。クリス…マルスのために毎日厳しい訓練に励んでいるのでしょう?とても頼もしく思っています」
長い青髪が美しい滝のように流れ、慈愛に満ちた瞳は見るものをうっとりとさせる魅力を持つ。
司祭業の正装なのか、純白の絹のローブがより彼女の美しさを際立たせているようにも思える。
アリティア王女エリス。アリティア王子マルスの姉であり、国屈指の魔道使いでもある。
クリス「英雄王マルス様のお力になれることは光栄です。どんな訓練だろうと乗り越えてみせます!」
エリス「英雄王…ですか。民たちの間ではそう呼ばれているようですね。
ですが、本当のマルスは…とても弱く、傷つきやすい子です…」
クリス「マルス様が、弱い…?」
クリスが聞かされている話では、神剣ファルシオンを振りかざし
暗黒地竜を滅ぼしたアリティアの英雄王という立派なイメージしか湧いてこない。
エリス「ええ。確かにあの子は前の戦争でメディウスとの戦いに勝利しました。
あの子は高い理想と、理想を持ち続ける強い意志を持っています。
ですが、現実の世界は、あなたも知っている通り…理想だけでは救えません」
クリス「はい……」
エリス「今こうしている間にも私たちが知らないどこかで
民たちの命が失われているかもしれない…マルスは、その民を救うことはできません」
クリス「しかし、それは…どんなに優れた王でも万能の神ではありません。
王も人間である以上、出来ることには限りがあります」
936 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2011/06/30(木) 00:28:48 ID:???
エリス「ええ、その通りです。大抵の人間は現実を知り、現実と理想の折り合いをつけていく。
でも、あの子にはそれができません。全ての民達を救いたいと本心から願っているのです。
戦争で、一人が倒れることもあの子にとっては耐え難いこと…
強い意志の力で抑えこんでも、その心の中は傷つき、血を流しています…」
クリス「…………」
言葉が出なかった。先の戦争ではドルーア帝国に勝利したとはいえ、
アカネイア同盟軍、引いてはアリティア騎士団にも多くの被害が出ていた。
ライアンの兄であるゴードンを初め、家族や兄弟、友人を失った者が自分の周りにも大勢いる。
だが、それは仕方のないことなのだと自然と心のなかで割り切っていたところがあった。
戦争だから、ある程度の犠牲が出るのは仕方が無い。現実を受け入れるため、
希望や理想、夢という甘い言葉からは必死に目を逸らし続けることしか出来なかった。
エリス「この厳しい世界であの子が理想を抱き続けることはとても困難です。
クリス、もしあなたが正騎士となったら…どうか、あの子を守ってあげてください。
かつてあの子と共に戦い、共に歩んできた異国の少年、森崎のように」
クリス「森崎…?森崎といえば、異大陸から流れ着き、このアカネイアに
『サッカー』なる球技を浸透させたあの森崎殿のことですか?」
エリス「ええ。彼はあの子と同じ年頃ということもあり、色々と相談にのる間柄でした。
マルスの判断が及ばない部分にもよく気がつく、とても広い見聞を持つ勇敢な少年でした。
戦場では森崎が僕を、サッカーでは僕が森崎を支えていく。あの子が口癖のように語る誓いの一つです」
クリス「(あのマルス様を支え、そして支えられる間柄だった少年……森崎)
あ、あの!エリス様!もしよろしければもっと詳しくお聞かせ願えますか?
その異国の勇者、森崎殿のお話を。彼がどのようにしてアリティアを、マルス様を守ってきたのかを…!」
エリス「ええ。私が知る限りのことでしたらいくらでも……」
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