キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】

1 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/09/29(木) 19:43:51 ID:L+HomlPU


この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のスピンアウトであり…
  とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。




…エッチなのはいけないと思います!




201 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 20:12:31 ID:???
>会いたい、会いたくて堪らない…誰だか判らないけど、あの赤い瞳に……
自分としてもまた森崎板でバビンゲコンビの活躍が見れる日が来ることを望んでます・・・

202 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 21:45:51 ID:???
翼にバスケ選手の記憶が流れたらエースを目指すつもりはなくてもエースになってそう。周りが壮絶にヘタレになって

203 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 21:54:26 ID:???
新田は今の自分が一番幸せだと認識するんだろうなぁ

204 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 21:56:18 ID:???
モリブレム新田も幸せだけど、ここの新田には負けるもんなw

205 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 22:06:59 ID:???
ここの新田が本当に幸せになるのはまだ先だと思う。
早く伝説の超ストライカーに目覚めろー!まにあわなくなってもしらんぞー!

206 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 22:52:46 ID:???
幻想郷の住人たちにも別次元の自分の記憶が流れてるのかだろうか?
そうだったら魔理沙、うどんげ、紫は精神崩壊を起こしかねんなw

207 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 23:42:12 ID:???
幻想的なことはアルシオンサイドしか起こらないと思いきや
その時ふしぎなことが起こった!
三杉→忘れた ミハ→思い出したくない
他→強化
ここからがフィオにとっての本当の戦いだ……

全日本は幻想的な奴ら何人追加されたんだw

208 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 23:51:03 ID:???
反町の強化だけは勘弁してください…絶対勝てんわw

209 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 23:52:35 ID:???
おいおい…リーディングシュタイナーが発動したらもう1人恐ろしいFWが日本にいることを忘れてないか…?

210 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 23:53:10 ID:???
ラムカーネがツインバスターライフル使えるようになってくれているかもw

211 :森崎名無しさん:2011/10/06(木) 23:56:15 ID:???
>>209 大前?反町と大前のツートップとか反則そのものじゃねえかwww

212 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 00:32:26 ID:???
うにーん…
リーディングシュタイナーって何じゃろなー、という感じのスレ主ですわんばんこ。

ええと…反響が予想を超え過ぎに思えて怖くなってきましたのでちょっとだけ。
今回の描写は言ってみれば只の演出でしかありません。
三杉が忘れたと同じように他の人間も忘れました。(三杉と同じく気持ち程度パワーアップ分はあったかもです)
それだけご理解下さい。

213 :森崎名無しさん:2011/10/07(金) 00:44:54 ID:???
乙です
そこらへんはみんな分かってると思いますよ

214 :森崎名無しさん:2011/10/07(金) 00:45:23 ID:???
リーディングシュタイナーってのは、まあ「並行世界の自分の記憶を共有できる能力」って説明で大きく間違ってないかと。
この盛り上がりについても、大体の人はわかってやってると思いますよ。
少なくとも私は「そこまで大きく他スレ能力は使えないだろ、常識的に考えて」と思いつつ盛り上がってました。

215 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 00:55:51 ID:???
すすすすみません。
そう言って下さってホッとしました。

あとリーディングシュタイナーのご説明ありがとうございます。
まあそれに近いような事が何かの影響で受動的に起こったとお思い下さい。
それでは改めてお休みなさい。

216 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 18:53:14 ID:???

>>178の続きから
=============================================

不可思議な状況において疲労感だけは確かな三杉は、片桐の言葉に甘えて意識を落とす事にした。
再び目覚め、片桐との間に言葉が交わされるその時まで…
暫しの間、世界に何が起こったのかを語る事にしよう。

時間軸はほんの少しだけ遡る。
事件の発端、その中心地はイタリア・トスカーナ州のアレッツォ地方…
フィレンツェの中心から南東に一時間ほど離れたこの場所で起こった。


蓮子「あそこが世界の中心かぁ……本当かねえ?」

秘封倶楽部の中心人物の一人、宇佐美蓮子は言葉に疑問の色を隠さず呟いた。
うん、いや、私の事なんだけどね。
手をつなぎ隣で歩いているメリーと顔を見合わせ、同じタイミングで首を傾げる。

城壁に囲まれた小さな田舎町のアレッツォ。
まあトスカーナ州の町の一つらしく、ルネッサンスを色濃く残した場所なんだけど…
間もなく私達が到着するのはそんな田舎町を更に外へ飛び出した、文字通り何にもない盆地。
周囲が山地に囲まれているせいか、所々に大きな岩が転がっていたりするくらい。

この丑三つ刻、人工の灯りなんて勿論ないけれど、上を見上げれば広大な星空が存在している。
星の明りがこれほど明るいとは、この私もちぃとばかり驚いた。


217 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 18:54:17 ID:???

蓮子「ねえナム、本当にこんな所で大丈夫なの?」

ナムリス「ええ、モナリザが示す場所はあそこで間違いありません。」

今回の秘封倶楽部活動の発起人であるナムリス・ユブンタイ、通称ナムが普段通りの冷静さで答えた。
そう、全てはこのナムの提案だった。
夏休みの欧州旅行、その2つの目的…まあメリーの里帰りに便乗して出てきた提案だったけれど。

メリーが里帰りの予定を話した時に、ナムが急にメリーのお父さんに会いたいと言いだしたんだ。
何のつもりなのか、もしや娘さんを僕に下さいとか言いだすつもりなのかと…
私はちょっとばかしキツイ口調でナムに問い質したんだけれど。
どうやらメリーのお父さんは昔、世界的に有名なサッカー選手だったみたい。
アリー・ハーン? だっけ? オランダ代表でWカップで準優勝した時のメンバーらしい…
…と言うかナムがサッカーに興味があるなんて全然知らなかった件。
おっとっと、話が本題とずれ過ぎたかな。


218 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 18:56:13 ID:???

もう一つの目的は純粋に秘封倶楽部の活動に関する事。
ナムが以前言っていた、世界のカードと太陰大極図の類似性についてのプレゼンから始まった。

世界のカードとは、マルセイユタロットの最後のカード“世界”の事を言う。
そのカードには四隅の象徴の中に“楕円”があり、その更に内側で両極のある棒を両手にした女性が、
軽やかに踊っている…と言う、『何故これが“世界”なのか?』と思うしかない絵が描かれている。
ナム曰く、“世界”の楕円はウロボロス(世界の卵)、女性は両性具有者。
まあ胸は丸に点で乳房には見えず、陰部は布で隠されているから、そう言われてみれば女性とは断言できない。
(参考:ttp://web-box.jp/dazake/monagazou/world.jpg)

それに対して太陰大極図は中心に大極、その周囲は大陽と大陰を示す両儀が回転し、四隅には根象徴的な四象。
(参考:ttp://web-box.jp/dazake/monagazou/sisyou.jpg)


219 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 18:57:40 ID:???

両者確かに似ていると言えなくもないが、話としてはやや強引かなと私は思った。
しかしナムが凄かったのはここから・・・彼はこの二つの他にも類する例を沢山挙げて来たのだ。
新約聖書ヨハネ黙示録四章七節“黙示録の十字”、“四神相応図”、“四天王”、四大州・・・
中央に相反する陽と陰があり、四隅に根源的な象徴が置かれるこの構図は確かに世界中にあった。
そこには東洋も西洋もなく、世界や理を表す物が描かれる場合は全て、
相反する物の回転・循環・律動と、周囲に配置された四つの根源で示されていたのだった。

遠く離れた東洋と西洋において全く同種の物が語り継がれている場合、
そこに何らかの真理が隠されているのではないかと、以前からもナムは述べており・・・
世界の中心、太極には、メリーが夢の中で辿り着いた境界の向こうが在るとの推察を主張したのだ。

そして、『・・・で、具体的に太極の場所は何処なのか?』・・・という私達の当然のツッコミに対し、
待っていたとばかりにナムが持ち出してきたのがモナリザだった。


220 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 18:59:04 ID:???

蓮子「メリー、大丈夫?」

メリー「うん・・・・・・平気。」

口数の少ない相方が心配になり、私は問い掛けてみた。
その返事は、およそいつものメリーのそれと同じとは思えなかった。
目的地に近付くうちに、この相方の緊張が高まっているような気はしていたが・・・
今の返事でそれは間違いではない事が明らかになった。

蓮子(メリーの目には、既に何かが視えているのかも知れない・・・
    それこそ世界の中心、それを隔てる境界が。)

・・・だとしたら、なんと言う巨大な境界なのだろうか?
私達4人はとてつもない所に来てしまったのかも知れないと、今更ながらに私も寒気を覚える。

ナムリス「アルシオン、キミは何か感じる物はあるかい?」

アルシオン「いや・・・。」

私が不安感を覚え始めた所に、出来すぎたようなタイミングでナムは問い掛けた。
その問い掛けに無愛想に答えたのはアルシオンくん。
以前、ナムが私に解析を頼んだスポーツテストのビデオ・・・そのビデオに写っていた人物が彼である。
ナムの紹介で出会って間もないせいか、アルシオンくんの事はまだよく判らない。
判っているのは、彼が尋常ではなく深い目をしている事と・・・
私の持つ物理知識を総動員しても解析できない程の運動能力を持つ“瞬間がある”という事だけ。


221 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 19:00:08 ID:???

蓮子(ナム曰く、彼が大陽でメリーが大陰らしいけど・・・)

ナムリス「さあアレッツォの四つの景色を組み合わせたモナリザの背景・・・その中心も間もなくですね。」

メリー「・・・・・・」

蓮子(男性を描いた左半面、女性を描いた右半面、そして下地に描かれたキリスト・・・
    モナリザが“世界”を、その中心地を示しているってのは世迷言じゃなかったって事か。)

こうして私達はその場所へと辿り着いた。
太極へ至る境界が存在する地に。


222 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 19:02:11 ID:???

蓮子「メリー・・・・・・貴女、視えているの?」

メリー「・・・うん。」

私ことマエリベリー・ハーンは、心配そうに聞いてきた蓮子にそう答えた。
正直に言うと、私にはさっきからずっと視えていたのだ・・・この巨大すぎる境界、その光景が。

ナムリス「ふむ・・・残念ながらボクには何も見えません。 アルシオン、キミはどうです?」

アルシオン「何も。」

ナムリス「はい。 ・・・一応聞きますけれど、蓮子先輩は?」

蓮子「なんも見えないわよ。」

ナムリス「ですよねー。 ・・・メリー先輩、宜しければ何が見えるのか教えて頂けませんか?」

どうやら私以外の誰にもこの光景が視えないらしかった。
蓮台野の時は蓮子にもナムにも見えたのに。
仕方なく、私は蓮子たちに自分が視えている物を伝える事にした。


223 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 19:03:29 ID:???

メリー「水。  そう、湖・・・。」

蓮子「!」

ナムリス「湖が見えると・・・!」

メリー「正確には・・・今私達が居る、この場所が湖の中なのよ。」

そう告げて、私は空を見上げた。
そこに視えていたのは星空なんかではない。
水面の上は霧に包まれた風景、そして畔に建っているのは・・・
・・・見覚えがある。 血の様な紅、大きさに比べて少なすぎる窓・・・。
間違えようが無い・・・夢の中で見たのと同じ、お茶を御馳走になったあの洋館だ。

ナムリス「湖の中・・・! 描かれていた水平線に、輪郭が示す波紋!
      モナリザが水面下を描いた物だという仮説にピッタリ一致しました!」

興奮するナムの心の震えが、今の私には感じ取れた。
異様な程に神経が研ぎ澄まされているのが自分でも判る。
そして・・・言いようの無い不安が同時に溢れ出していた。
取り返しのつかない事になってしまうような・・・私を彩る世界の全てが失われてしまうような・・・。
逃げ出したい気持ちとは裏腹に、足は一歩も動かなかった。
そして両手は何かに誘(いざな)われるかの様に空へ・・・洋館へと向けて伸ばされた。

・・・稲妻にうたれた様な衝撃を感じ、私はそこで意識を失った。
最後に私の頭にあったのは『蓮子が無事でありますように・・・』という願いだった。


224 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 19:05:51 ID:???
一旦ここまでです。
出来れば今日のうちに、次の区切りまで更新したいですが・・・
無理だった場合、次回更新は12日以降となります。

225 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:40:58 ID:???

≪極めて近く限りなく遠い世界・紅魔館≫

妖怪の山の麓に位置する、昼間になると霧に包まれる湖。
通称霧の湖の畔に建っている、赤い色調を持つ紅魔館。
大図書館や地下室、時計台などを館内に持つこの屋敷には悪魔が棲んでいる。

その悪魔とは、女主人・・・ツェペシュの末裔を名乗り、500年以上の時を生きていると言われ・・・
この世界で最高峰に位置される才能・技能を有するカリスマの具現、レミリア・スカーレット。

そのレミリアは今この瞬間、血が沸騰しそうな程の怒りに駆られたところだった。
肩書きの大仰さからは想像できない程に幼く可愛らしいその外見を震わせ・・・

レミリア「・・・!!」


シャキンッ!!

遂に怒りに堪えられなくなったのか、力を込めて右腕で手刀を振るわせた。
何もない空間に向けて払われた手刀は、鋭い風圧を伴ない・・・
宙を文字通り斬り裂いたかのような錯覚を覚えさせる程であった。


226 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:42:07 ID:???

ピキッ・・・・

・・・否、空間は切り裂かれていた。
・・・・・・・・・様に見えた。

レミリア「この悪戯は貴女の仕業? 答えなさい、スキマ・・・!」

焼けるような視線でレミリアが睨みつけた空間は、徐々にその裂け目を広げて行き・・・
パクリと開いた裂け目、無数の目玉と漆黒の中から、人の形をした膨大なエネルギーが姿を現した。
スキマ妖怪という通称で知られる八雲紫である。

紫「誓って言うわ、今ここに居る私がやったのではない。」

レミリア「貴女以外の誰にこんな事が出来る!? しかも都合良く私の私室にやってきておいて!!」

紫「私はこの異変を元に戻すために来ただけよ。 トリガーとなった貴女を媒体にしてね。」

レミリア「人の能力を勝手に2度も使わせるとでも!?」

いきり立ったレミリアが、もはや我慢ならぬという勢いで紫に飛び掛ろうとした時・・・
レミリアは信じられぬ光景を目にして、その動きを抑えた。

紫「お願いします・・・協力して下さい。」

レミリア(スキマが・・・! この大妖が私に頼み乞うているですって!?)


227 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:43:18 ID:???

その万能無敵な能力も然ることながら、何手も先を見通す頭脳を持ち・・・
常に冷静に微笑を浮かべる『胡散臭い』という言葉の代名詞、八雲紫。
その紫が神妙な顔で誰かにお願いを乞うというこの光景は、レミリアならずとも誰も見た事が無い物だった。
これを見てしまったレミリアは、内包していた怒りを興味へと変換する事にした。
・・・膨大な精神力を必要とする作業ではあったが。

レミリア「判った、協力する事にするわ。 ただし全て説明しなさい。」

紫「感謝するわ。」

端的に礼を告げ、紫はレミリアに手をかざす。
レミリアの持つ『運命を操る程度の能力』・・・今しがた操られた運命を逆流させる作業に入った。

紫「・・・・・・」

レミリア「・・・やはり解せないわね。 対象が私である事を抜きにしても、
      貴女以外にこんな事を出来る妖怪が存在するとは思えないわ。」

紫「・・・レミリア。 貴女は普段、自らの持つ『運命を操る程度の能力』を自分の中に留めている。
   貴女の能力はノルマル・オープンだから・・・そうしなければ近付く者全てが変わってしまう。」

レミリア「・・・・・・」


228 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:44:27 ID:???

紫「・・・貴女が最後にその能力を使ったのは、この館のメイド長に対して。
   倫敦の殺人鬼、銀のナイフを操るヴァンパイアハンター、時間を止める吸血鬼・・・
   貴女は多世界に存在するメイド長の運命を一つにした。 ・・・それが貴女の能力の本質。」

レミリア「そんな事はお前に言われるまでもない、結論を話せ。」

紫「慌てないで。 確かに私の『境界を操る程度の能力』なら、貴女の能力のON-OFFを操る事くらい出来る。
   ・・・けれど私は、この大切な幻想郷を揺るがすような異変を起こす気は毛頭ないわ。」

レミリア「・・・・・・チッ!」

紫「私ではない・・・。 けれど、それを行ったのは私と同じ能力を持つ者よ。」

レミリア「それは誰だ! 何処に居る!?」

紫「多世界に存在する私ではない私・・・その一人よ。
   何処に居るかは探しているけれど、どうしても見つける事が出来ないの。
   強力な結界を張ったか・・・それともこの時間軸から消失したか・・・。」

レミリア「ぬぬぬ・・・じゃあ私は誰を八つ裂きにすればいいの!?」


229 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:45:29 ID:???

紫「・・・あの子を唆(そその)した人間。 あの瞬間、あの子の側に感じた気配は3人。
   その人間の姿も見つける事がまだ出来ていないわ。
   けれど必ず見つけ出す・・・そして私自身で借りを返すわ。」

レミリア「・・・フンッ。」

それから暫しの間、紫はレミリアに手を伸ばし続けていたが・・・今、ようやく下ろした。

紫「・・・終わったわ。」

レミリア「・・・全て元通りなの?」

紫「いいえ、少しだけ残滓が残ってしまった・・・量子力学の壁の影響ね。
   同様に、元々の効果も完全では無かったようよ?
   あの世界の中で強い想いを持った存在と、同じかそれ以上に強い想いを持った多世界の一人が、
   互いに惹かれ合って混ざっただけみたい。 あのメイド長のようにチャンポンではないわ。
   もしも完全に戻すには、貴女をあの世界に連れて行かなければならない・・・」

レミリア「冗談じゃないわ、私の腰はそこまで軽くないの。 今日だって特別なんだからね。」

紫「分かってるわ、これ以上貴女の手を煩わせるつもりはないから。 でも・・・。」

レミリア「なによ。」

紫「・・・いいえ、それじゃまた・・・。」


230 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:46:51 ID:???

レミリアの質問に答える事なく、紫はスッと紅魔館から消え去っていた。
レミリアは一瞬だけスキマが開いた空間を暫し睨んでいたが・・・
やがて欠伸をし、天蓋ベッドへと身体を横たえた。




『一度生まれてしまった引力は、微弱ながらも消えずに残ったまま・・・
 奇跡でも起きない限り有り得ない話だけど、再び運命が混ざる可能性はゼロじゃない。
 それにあの子と・・・側に居た筈の3人は、間違いなく一つになってしまった儘・・・。
 笑えないわね、本当にあの娘がもう一人の八雲紫になってしまっただなんて・・・』


スキマの中で紫は独り・・・思考を弄んでいた。
彼女にしては珍しく、心に悲しみと悔恨を抱きながら・・・


231 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:52:14 ID:???
本日の更新はここまでです。
次回は再び三杉達の世界に戻り、向こうの世界の人はあと10スレくらいは出てこないと思います。


『予告』
頬に涙を濡らし、嗚咽するアルシオン。
あの瞬間に彼が見た物は・・・?
そして覚醒するスターバースト。
星をも砕きかねない異形の力を身につけてしまったアルシオン。
もはや彼を止める力を持つ者は誰も居ない。

ってな感じでお楽しみに〜さよなら〜

232 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/07(金) 20:57:06 ID:???
追記

色々と俺設定+矛盾点も多々かと思います。
ついでに幻想キャラの言動も私は掴めておらず、イメージと異なる彼女らを書いてしまったかも知れません。
不快に思った方がいらっしゃいましたら、ここでお詫び申し上げます。

233 :森崎名無しさん:2011/10/07(金) 21:15:16 ID:???
カンピオーネ戦は人類の知るサッカーになるのだろうか…w

234 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/08(土) 15:51:55 ID:???
>>223
アルシオンはこれまでシュナイダー、ピエールなど各国のトップエースクラスでした。
けれど今回の事で頭一つ抜けた存在になったという話です。
人類レベルなのは間違いないのでご安心下さい(笑)

他のメンバーはパルマ戦並みのレベル(才)に上がって再び相見える形になります。


12日まで更新は出来ませんが質問なんかあれば受け付けますよー

235 :森崎名無しさん:2011/10/08(土) 21:43:47 ID:???
乙でしたー

236 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 19:56:21 ID:???

>>285 乙感謝です、どもー。
=============================================

≪イタリア・アレッツォ地方(?)≫

その身に稲妻を受けたかのような衝撃、目の前に浮かんでは消えるイメージ。
神秘的な感覚の全てが消失し、地に足が着いている実感を取り戻すまで…
どれほど永い時間が過ぎていったのか、彼には判らなかった。
物理的な時間量としては数秒程度であったが、体感では1週間にも1ヶ月にも感じられたからだ。
世界中を見れば彼と同じような体験をした人間は何人か居たわけだが、その体感濃度は彼の方が濃かった。
境界との距離が近かったせいか、それとも鍵となる人物の側に居たせいかは判らない。

ナムリス(ここは……さっきと変らぬ世界の中心か。
      どうやら計画通りには行かなかったのだな……しかし。)

周囲の風景を視認し、ナムリスは自分の居る場所が先程と変わっていない事を悟った。
自らが夢見た境界の向こう側…“ゲンソーキョー”に行けなかった事にナムリスは軽く落胆する。
しかしそれに準ずる大きな財産を得た事を、彼はちゃんと理解していた。


237 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 19:57:36 ID:???

ナムリス(腐海に浸食された世界、神聖土鬼帝国、世界を焼き払った巨人…
      シュワの墓所と教団、その技術… そして。)

ナムリスは身体に力を込め、自らの肉体をまじまじと見返した。
見掛けは変わっていないが、その中身は自分の知るソレとは明らかに別物。
パワー、スピード、耐久力の全てが規格外となっている実感があった。
今ならばオルミーガと殴り合いをしてもそうそう負ける事はないのでは、と思える程に。

ナムリス(なるほど、これがヒドラの肉体という物か……。
      この記憶……別のオレも、オレらしく狂っていたな。
      フフ、いいじゃないか。 化け物の肉体と墓主の知識…悪くない結果だ。)

得た物をひとしきり確認して満足すると、続いてナムリスは他の者がどうなったかに気を向けた。
倒れて気を失っている少女と蒼白な顔で天を仰ぐ少年の2人だけ…
前者は宇佐美蓮子、後者はアルシオンであった。
注意深く周囲を見回したが、マエリベリー・ハーンの姿は何処にも見当たらない。

238 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 19:58:46 ID:???

ナムリス「メリー先輩…? 何処に居るんです、メリー先輩!?」

蓮子とアルシオンの様子も気にかかったが、彼は先ず居なくなった人間の名を呼んでいた。
マエリベリーは彼にとって、失いたくない掛け替えの無い人物だからである。
ゲンソーキョーと現世を繋ぐ最も重要な鍵、マエリベリー・ハーン。

ナムリス「(返事が無い、気配も無い…クソっ!) 蓮子先輩!! 起きて下さい!」

蓮子「う、あ……な、ナム…? ハッ)メリーは!? メリーは何処!?」

ナムリス「それが何処にも姿が見えないんです!」

蓮子「メリー…! メリーが………メリーが行っちゃった…」 ボロボロ

力無く大粒の涙を溢し出す蓮子。
困ったナムリスは要領を得ぬまま、必死にメリーの事を蓮子から聞きだしたところ…
蓮子は気を失う直前にメリーの言葉を聞いたのだと言った。
自分の無事を祈る言葉が、段々と消え入るのを蓮子は知覚していたらしい。
それが永遠の別れの言葉である予感…いや、確信を蓮子はその時に感じたという事である。


239 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:00:08 ID:???

ナムリス(なんて事だ…! 理論が証明されても、鍵を失ったら意味が無い!
      ここからっ! オレの夢はまだここからだと言うのにっ…!!)

蓮子「ナム…ナムゥ……メリーを探してよぉ………ヒック…
    あたしも探すから…一生かけて探すから……力を貸してよぉ…」

ナムリス「当たり前だ!」

蓮子「本当…?」

ナムリス「(メリー先輩…いや、マエリベリーはオレが必ず見つけ出す…)
      蓮子先輩、逆にオレの方こそ貴女の力を貸して貰いますよ!」

蓮子「う、うえぇぇ……」

泣きじゃくる蓮子と猛るナムリス。
両者は方向性は正反対だが、メリーが消えた喪失感を共有出来ていた。
蓮子は自分の持つ唯一無比の能力をどうにか利用して…
ナムリスは既に持つ財力と、新たに得た能力を利用して、メリーを探しだす事を誓い合った。


240 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:01:37 ID:???

……この時、世界では彼らと同様の体験をした者が、次々に記憶と能力を失っていた。
次元の壁の向こう側で八雲紫が『運命を操る程度の能力』を反転させたからである。
しかしナムリス(達)だけはそれらを失う事は無かった。
メリーの最後の祈りは境界を阻つ結界となって、彼らの身を覆っていたからである。
その事をナムリスと蓮子が知る由も無かったが・・・。


一方、少し離れた場所で天を仰いでいたアルシオン…
彼の耳には何も・・・傍で行われた2人の騒ぎすら入ってこなかった。
まるで世界が隔離されているかのように、アルシオンは自意識の中に閉じこもっていた。
『運命を操る程度の能力』によって彼の中に入ってきたモノの、余りの大きさのせいであろう。


241 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:04:15 ID:???

もう一つの世界でのアルシオンは、どうやら今の彼よりも幾分か年上のようだった。
しかしそれでもアルシオンと同じようにサッカーを愛し、同じようにネズミのアニメーションを愛していた。

アルシオン「オレは…」

そこでの彼は順風満々の少年〜青年時代を過ごしていた。
彼のサッカーの上手さは街の内外に知られ、国内最大のクラブチームがスカウトに来るほど…
地元、国内、世界とそのステージを順調に登っていったが、躓く事は皆無。
彼は若くして世界に認められ、フランスのビッグクラブに入団…その才能は国境を越える事に成功したのだ。
また結婚も早く、苦しい時は妻が支えてくれていた。

アルシオンは今の今まで自分が不幸だなどと思った事はなかった。
しかし、もう一人の自分の姿は余りに眩しく映るほど幸福であった…あの時までは。

クロアチアの独立、突如始まった戦争。
アルシオンが先日ラジオで耳にして情報を求めた内戦は、もう一人の自分も体験していた。
それまで隣人だった人間同士が、その日を境に殺し合いを始めたのである。
フランスで故郷の惨状に絶望する彼の気持ちが、アルシオンにも実感として入り込んで来ていた。
続いて、上から押し潰してくる様なスポーツ制裁が彼(ら)の身に降って湧いた…。
サッカーをする自由を・・・権利を踏み躙られ、国外退去を強いられながらも空港に閉じ込められていた。
誇りと夢と希望をいっぺんに奪われ、苦しみに地に臥す彼。
アルシオンの中に入り込んできたのはそこまでである。


242 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:05:15 ID:???

アルシオン「オレは・・・」

もう一度彼は同じように呟いた。
その顔を注意深く見れば、頬に薄く涙が流れているのが判ったであろう。
ジョアンと旅を始めてからの9年間、どんな時であっても彼が涙を流す事はなかったのに。

アルシオン「父さん、母さん・・・。」

失われた記憶・・・思い出せなかった顔。
入ってきたイメージの中に、今まで懐かしいと感じる事も出来なかった両親の姿があった。
それは当然記憶にない顔だったが…しかし自分の両親だと一瞬で理解する事ができた。
何となくしか感じられなかった心の欠乏が埋まり・・・同時に失くしていた本来の記憶も戻った。

楽しみにしていた試合・・・レッドスターvs地元ラドニツキ・ニシュ。
その試合中に突然起こった乱闘。
自分を連れて出口へと急ぐ両親・・・しかし父は誰かに肩を掴まれ、倒されて殴られていた。
何度も何度も殴られ、棒で叩かれ、声を発する事も微動だにする事も無くなってしまった。
絶叫する母と自分。
その瞬間にショックで気を失った事まで明確に思い出せた。


243 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:06:18 ID:???

アルシオン「うっ・・・クッ・・・・・・ウアアアァァァァァッ!!!!」

絶叫と共にアルシオンは地に臥した。
四つん這いになって、何度も何度も拳を地面に叩きつける。
涙と鼻水が混ざった液体を土の上にボタボタ垂らし、彼は泣き叫ぶ。

アルシオン「これが人か! これが世界か・・・!」

幸せであると信じ続けた9年間は、幸せでも何でもなかった。
それを壊した煮えくり返るような不幸の後に残った、砂粒程の希望でしかなかった。
そしてもう一つの世界に見た幸せも、勝手な人間達の起こした争いによって叩き壊されていた。
それは今この瞬間も、故郷の地では人が殺されていると言う事実も伝えていた。

これらを一度に受け止めきれる器をアルシオンは持っていなかった。
ジョアンと歩いた夜の道だけが『世界』であったアルシオンには、余りに大きすぎる体験だった。
絶望と一口に言ってしまうのも生温い絶望が・・・アルシオンの感情を掻き毟(むし)り、血だらけにした。


244 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:07:31 ID:???

アルシオン「こんな物が世界と言うならば・・・!!!」

その結果、アルシオンの中で何かが弾け飛んだ。


         アルシオン「砕 け 散 れ ぇ っ ! !」


アルシオンは側にあった巨大岩を蹴り飛ばしていた。
普通の人間ならば脳がリミッターをかけ、“自分の足が砕け散らないように”力をセーブする筈だが・・・
今のアルシオンには、そんなブレーキがかかる事はなかった。
そして次の瞬間・・・


   B a k k o o o o o o o o o o o o o o m ! !


巨大岩が粉々になって飛散する光景が描かれたのだった。
アルシオンの絶叫と巨大岩の破壊音は、暫しのあいだ夜のアレッツォの空に響き続けた。
その夜空には、夏の間は姿を消している筈の星・・・Alcyoneが強く悲しく光っていたのだった。


245 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/12(水) 20:09:50 ID:???
今日はこれだけです。
次回(早ければ明日)は三杉の視点に戻って話が再開します。
それでは退屈な幕間が続いておりますが、次回もまた宜しくお願い致します。

246 :森崎名無しさん:2011/10/12(水) 20:10:52 ID:???
ラ・オツデシタ

247 :森崎名無しさん:2011/10/12(水) 20:35:57 ID:???
ラ・オツデシター!

248 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/13(木) 16:58:54 ID:???

>>246-247 ラ・オツカンシャですらー
=============================================

ナムリス(なんとまあ…星をも砕きそうな蹴りだ。)

大岩が砕け散る様は当然ナムリスの目にも入っていた。
ヒドラの肉体と呼ばれる物を得た彼でも、この光景には驚愕を顕わにしていた。
巨大な岩を一蹴りで砕くのは、どうやら今の彼を以ってしても難しいと見える。

アルシオンは今の一撃を振り抜いた後、ヨロヨロとバランスを崩し始めた。
ナムリスは慌ててアルシオンに駈け寄り、その身体を支えた。

ナムリス「アルシオン、そんなフラフラで大丈夫か?」

アルシオン「うるさい…」 ゼェ…ゼェ…

ナムリス「(ふむ…今は気を荒だてさせてはマズイのだろうな…。)
      判った、取り敢えず座って息を落ち着かせろ。」

息を荒く答えるアルシオンの態度には、明らかに拒絶の意が見られた。
先程の体験の中で相当の物を見てしまったのだと予想はつくが、具体的には何も判らない。
個人的な理由からアルシオンの事を失いたくないナムリスは、
今の所は何も言わず、彼を岩畳に座らせ息を落ち着かせる事にした。


249 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/13(木) 17:01:49 ID:???

ナムリス(さて、これからどうする…。 マエリベリーを探すのは当然…これは数と時間を使うしかあるまい。 
      …となると、オレの身体は暫くはアルシオンと共に在るべきだろうな…。
      懸念は2つ……ミラルパと青き衣の奴の存在。 奴らがオレと同じように、
      あの世界の知識と記憶を得ていたとしたら…きっと面倒な事になるからな。)

同じように岩畳に腰を掛け、ナムリスは2人の人物の顔を脳裏に思い浮かべた。
入って来た記憶にある世界で自身の弟であった、超常の力を持つ皇弟ミラルパと・・・
そして弟が恐れた存在…土鬼の土着宗教にて『世界を救う救世主』とされた青き衣の者。
後者については伝承の類に過ぎない筈だったが、その具現と思しき女を向こうのナムリスは見ている。
いずれの人物も、向こうのナムリスにとっては忌々しく邪魔な存在であった。

ナムリス「どうやら向こうのオレは歓迎していたようだが・・・
      こちらの世界では決して遭いたくないところだな。」

そう呟いて夜空を見上げたナムリス・ユブンタイ。
目的の知れぬ狂気を宿した目は、今だけは星々の美しさの中を泳いでいた。

…同じ時間、遥か遠く離れた地において、ナムリスと同じ星を見ている少年が居た。
砂の海が広がる大地と、星の海が瞬く空。
この両者の境界の少し上を、大きな屋敷のベランダから見つめながら…少年は呟いた。

???「宇宙の心……? 泣き叫ぶような声が聞こえる気がする…」


250 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/13(木) 17:02:52 ID:???

≪ロシア大陸・上空≫

三杉「…ん………」 パシュパシュ

小さく目を瞬かせ、三杉は目を覚ました。
暗い天井、ややゆったりとしたシート。
『ゴォォォォ…』と唸りを上げるエンジン音も遠くから聞こえてくる。

片桐「起きたのか?」

三杉「片桐さん……ああ、そうか…」

隣から声をかけてきたサングラスの男を見て、三杉はシッカリと現状を把握した。
今はイタリアへと戻るフライトのさなか…
話がしたいと言う事で、片桐の隣席(ビジネス)の誘いを受けて自分は此処に居る。

三杉「どれくらい眠っていましたか…?」

片桐「もうすぐ6時間って所だな。 それで体調はどうだ?」


251 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/13(木) 17:03:53 ID:???

これを聞いた三杉は改めて頭を整理してみた。
搭乗手続きを終えてからシートに座るまでの間の記憶・意識はやはり思いだせない。
心配した片桐の奨めで暫くのあいだ眠っていたが…
まるでその部分だけがスッポリと記憶か抜け落ちたような状況は変わらないようだ。
しかし頭はスッキリしており、体調にもおよそ悪い感じは思い当たらないため、三杉はこう答えた。

三杉「大丈夫ですよ、お陰様でゆっくり休めました。」

片桐「それなら良い。」

安堵の溜息をつき、片桐はアテンダントを呼んでアイスティーを2つ注文する。
冷たい飲み物を飲みながら、約束したように話をしようという事であろう。

三杉(ふむ…まあ頭は十分スッキリしているから問題ないかな。
    先ずは片桐さんの話を先に聞こうか、それとも空気を読んで僕の方から話を振るか?)


252 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/13(木) 17:04:58 ID:???

A 片桐さんが話し始めるのを待つかな。
B ここは空気を読んで雑談を仕掛けよう…片桐さんって兄弟とか居ないのかな?
C ここは空気を読んで雑談を仕掛けよう…そう言えば片桐さんって何でサッカー協会に入ったんだろ?
D いやあ、最初からズバッと自分の思想を語りかけよう。
E そ の 他(聞きたい事、言いたい事があれば)

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


253 :森崎名無しさん:2011/10/13(木) 17:20:26 ID:5W5GvHuk
未定age

254 :森崎名無しさん:2011/10/13(木) 17:20:29 ID:BujX1tHs
A
オワイランはカトル枠か?
後は五飛とトロワか…誰になるかな

255 :森崎名無しさん:2011/10/13(木) 17:23:47 ID:iPs7Jg0+
C

256 :森崎名無しさん:2011/10/13(木) 17:26:57 ID:DFLRR1R2
A

257 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/13(木) 19:50:26 ID:???
A決まった所で短いですが本日は終了です。
全然時間が取れない無理でしたー。
暫くこんな感じで低調な更新が続きそうです。

258 :森崎名無しさん:2011/10/13(木) 20:12:17 ID:???
乙でしたー。
皇兄△…!



259 :森崎名無しさん:2011/10/13(木) 21:26:37 ID:???
乙でした。
もしオワイランがカトルなら守備陣の統率能力が凄そうだ。
マグアナック隊含めてのサンドロックだしw

260 :森崎名無しさん:2011/10/13(木) 21:31:34 ID:???
カトル=砂漠の王子オワイランは自分も思いついたw

261 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/14(金) 19:39:10 ID:???

>>254>>260
いやあ、どうやらバレ杉でしたね。
普通にお察しの通りです。
補足するとナウシカ(コミック)の中盤までのボス役、皇弟ミラルパとも運命を共通してます。
善から狂悪に変わり得る人物という点が近いなと思えましたので。
オワイランには元々のキャラ背景がある為、カトル枠にするのは迷いましたが・・・
まあスレ主のイタズラと勝手に考えて断行しました。
最初はカトル枠の完全オリキャラを考えていたのですけどね。

>>258
乙感謝です。
そして・・・おお、ネタ元を知る方でしたか。
まあこんな感じで貴重な動く悪役代表をやって頂いてます。
試合などで自然とキャラが深まり動き出す三杉サイドと違い、
アルシオンサイドは強引に動かして、彼らの闘う意志や葛藤を与えなければいけませんので・・・

>>259
乙感謝です。
カトル的な部分がサッカーで反映されるかどうかは検討中です。
ラムカーネはZEROシステムと絡め、それらしくやっていますけれどね。


262 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/14(金) 19:40:35 ID:???

> A 片桐さんが話し始めるのを待つかな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉(・・・まあ、僕の考えている事をぶつけるのは後にするべきだろうな。
    そして目的から外れた話を先にするのも筋じゃない。
    片桐さんは僕を隣に座らせる為にビジネスシート1席分の予算を使っているのだろうから・・・)

自分の都合と片桐の事情を考え、三杉は先に話題を出す役割を片桐に譲る事にした。
やがてアテンダントが紙コップにアイスティーを注いで持ってきて、片桐と三杉に手渡す。
それを受け取ると、まずは一口・・・冷たい液体が喉を潤し、唇を滑らかにしてくれた。

片桐「さて、三杉・・・」

三杉(きた・・・)

話を始める潤滑剤としてはこれで十分とばかりに片桐が口を開いた。
三杉は返事の代わりに首を少し横に傾け、片桐の方を窺って見せる。
『先ずは貴方の話を黙って聞きます』という意思を投げかけたのだ。
それを確認すると、片桐は改めて言葉を紡ぎ始めた。


263 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/14(金) 19:41:36 ID:???

先着で
 ★片桐の言葉→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 これからフィオレンティーナにJカップ出場の要請に向かうところだが・・・
《ハート》 改めて、日本代表としてWトーナメントに出てほしい。
《スペード、クラブ》 一体何故イタリアのクラブチームに所属しているのか?
《クラブA》 余計なお世話かも知れないが、身を固めるにはまだ早すぎると思うぞ。
《JOKER》 パルマ戦を観ていて思った事がある。


264 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 19:43:31 ID:???
 ★片桐の言葉→ スペード9


265 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/14(金) 20:10:12 ID:???

> 片桐の言葉→ スペード9
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

片桐「お前は一体何故イタリアのクラブチームに所属しているんだ?」

三杉「何故・・・と言うと?」

片桐「うむ。 いや、正直に言えばお前への疑問と言うよりは、中山への疑問なのだがな。」

三杉「・・・・・・。」

片桐「お前はフランス国際Jrユースで派手に活躍し、大きな疾患がある事も世界中に周知した。
    ハンデを負った身でありながら、世界最高峰の猛者を相手に互角以上の勝負をしてみせた訳だ。
    その才能を欲しがるチームが在っても別におかしくない。
    手術費を援助する価値を見出されたとしても、俺は十分に納得出来る。
    ・・・だが中山についてはそうはいかん。
    何故イタリアのクラブチームがあいつの存在と才能を知り得た?」

三杉(なるほど、そう言う事か・・・)

三杉は片桐の疑問が意図する所を理解した。
言ってみれば疑問と言うよりも疑惑である。
イタリアのクラブチームと三杉、そして新田については、一応繋がる糸は無くもない・・・
だが中山についてはフランス国際に出場しておらず、完全無欠の無名選手である。

266 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/14(金) 20:12:20 ID:???

イタリアのフィオレンティーナという古豪のチーム、そのフロントが中山を知る術は無かった筈なのだ。
その中山がどうしてフィオレンティーナに所属し、しかもチームの中心として活躍出来たのか?
これは片桐が不思議に思うのも無理はない話と言えた。

三杉(ふむ・・・どう答えるかな?)


A ストレートにジョアンの事を告げる。
B 『分からない』とシラを切る。
C 『自分が推薦した』と言ってみる。
D 『・・・・・・』黙っている。
E そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


267 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 20:12:43 ID:XUBaFgMo
A

268 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 20:13:14 ID:Cde/xcY6


269 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 20:14:24 ID:ncF22ZSk


270 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/14(金) 20:18:56 ID:???
Aに決まった所で一旦ここまで。
もしすると夜中にちょっとだけ更新できるかもです。


271 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 22:58:03 ID:???
乙ですー

272 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 13:16:09 ID:???

>>271 乙感謝れすー
=============================================

> A ストレートにジョアンの事を告げる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「ジョアンコーチの目に留まったんですよ・・・僕も新田も、そして当然中山も。」

片桐「ジョアンコーチ・・・?」

三杉「元サンパウロFCトップチームの監督、ジョアン・ウェンガー氏の事です。
    今はフィオレンティーナと特別なコーチ契約を結んでいるそうですが。」

片桐「ほう・・・? 確かその人物は、ロベルト本郷をトッププロに育て上げ、ブラジルリーグ優勝に導いた・・・」

三杉「ええ・・・ロベルトが試合中の負傷で引退に追いやられた後は、それを追うように監督を辞任し・・・
    間もなく失踪した事で伝説のコーチと呼ばれるようになった、ジョアン氏の事で間違いありません。」

片桐「随分と詳しいんだな。」

三杉「月刊サッカーの特集記事を読みましたから(キリッ)
    ・・・ともかくその後のコーチは世界中を巡り歩いていたようです。
    そして一流の素質を持ちながら、それぞれの事情により芽吹きそうにない才能を集め・・・。」


273 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 13:17:35 ID:???

片桐「なるほど、彼自身の手でその才能を花開かせようと言う腹でか。
    ロベルト本郷に対する贖罪・・・という事になるのかな?」

三杉「・・・・・・最初は僕もそうだろうと想像していました。
    フィオレンティーナに集められたメンバーは、大小別にして訳ありでしたから。 けれど・・・」

片桐「なんだ?」

三杉「どうやらそれだけでは無いようなんです。」

片桐「・・・と言うと?」


A 手術費用を肩代わりして貰う代わり、4年間ジョアンの指示を絶対とする契約の事を告げる。
B セリエAの他のチームにも、ジョアンの教え子が何人も居る“らしき”事を告げる。(ルーベン、シニョーリなど)
C 「ジョアンコーチはまさに神の化身デース! 貴方も神を信じれば人間になれマース。」

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


274 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 13:41:24 ID:R/pXK6HI
B
片桐ならこれから待ち受けることを推察出来るかな?

275 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 13:42:43 ID:x8TeS7NA


276 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 13:56:18 ID:???
Cを選んだらバッドエンドだったんだろうかw

277 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 19:10:53 ID:???

>>276 1回目はゲームオーバーで再選択、2回目はひんしゅくを買って続行という所ですw
=============================================

> B セリエAの他のチームにも、ジョアンの教え子が何人も居る“らしき”事を告げる。(ルーベン、シニョーリなど)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉(確実に分かっている事と推測に過ぎない事の両方があるけれど・・・。
    これは言っておいた方が良いかも知れない。)

初めてフィレンツェの地に立った日、サッカー誌に書かれていたチーム紹介での違和感。
余りに多かった、トライアウトで入団したアッリエーヴィ世代の有力選手・・・。
この2年間答えが無くモヤモヤとしていた疑問を、三杉は思いきって片桐に話す事にした。

イスラスとディッテンベルガとは試合後に語り合い、そうである事が判っている。
それからカルバリョについても、ダラピッコラの昔話から間違いないと言えるだろう。
ルーベンについても鎌をかけてみたところ、ズバリ引っ掛かって肯定してくれた。
その他の選手については、決して明らかではないが・・・推定としては限りなく黒に思える。
そこまでを踏まえ、三杉は片桐の方を向いて注意深く話し始めた。

三杉「ジョアンコーチの教え子は、フィオレンティーナの他に何人も居るようなんです。」


278 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 19:11:59 ID:???

片桐「ほう、例えば?」

三杉「知り得る限りインテルのルーベン、レッチェのイスラス、ディッテンベルガは確実。
    それから僕が直接確認したわけではありませんが、ユーベのカルバリョもそうです。
    またローマのフィッツウォルタやパルマのクスタ、シニョーリも可能性が高く・・・
    他にもフランスのボルドーで・・・」

片桐「ちょ、ちょっと待ってくれ。」

三杉「ええ。」

順に名が挙がっていくのを、はじめは黙って聞いていた片桐だったが・・・
三杉の舌が一向に止まらない事に驚いたか、一旦中断を命じた。
“何人も”がこれほどの人数とは流石に思っていなかったのだろうと想像がつく。
片桐は手鞄から手帳を取り出すと、三杉が先に挙げた名前を書き連ねた。

片桐「・・・フィオレンティーナ1チームだけでなく、他の強豪チームにも1〜2名居る・・・と。
    国籍については言わずもがな多種・・・欧州が多いが、アジアや南米からも数名。
    そして確認されているのはフランスだけだが、選手の活動地域はイタリア以外にも存在する。」

三杉「はい、その通りです。」

片桐「ふむ・・・」


279 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 19:14:26 ID:???

先着で
 ★片桐さんが一生懸命考えた→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 「何か他に思い出せる事は?」
《ハート、スペード》 「個人の活動範囲には余りに広すぎるな・・・」
《クラブ》 「なるほど・・・わからん。」 
《クラブA》 「これほど多くの選手を助けるとは・・・ジョアン氏は素晴らしい人物だ、崇め讃えるべき。」
《JOKER》 「これは相当なパトロンが居るのだろうな、そうとしか考えられん。」


280 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 19:16:40 ID:???
 ★片桐さんが一生懸命考えた→ スペード2

281 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 19:17:54 ID:???
 ★片桐さんが一生懸命考えた→ スペード8

片桐さんならクラブを出してくれるはず!

282 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 20:01:08 ID:???

> 片桐さんが一生懸命考えた→ スペード2
> 《スペード》 「個人の活動範囲には余りに広すぎるな・・・」 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

片桐「個人の活動範囲としては余りに広すぎるな。 だが・・・」

三杉「なんです?」

片桐「世界各地を数年間巡り、何人もの埋もれた選手の才能を開花させてきた後・・・
    フィオレンティーナというチームに落ち着いて活動している。
    そういう事だって考えられなくは無い。」

三杉「・・・・・・あまりに不自然では?」

片桐「当然だ。 しかしそれを不自然と断定できる情報は無い。
    フランス、ドイツ、ブラジル・・・各国でジョアンの教えを受けた選手が居るかも知れん。
    それこそイタリア・プリマヴェーラに見たように、強豪チームに1〜2人ずつとか・・・な。」

三杉「・・・・・・・・・ふむ。」

片桐「『そんなバカな・・・』と思っているか? 安心しろ、俺も思っている。
    ただ、物事を断定出来るほどの情報が集まっていないというのは確かなんだ。
    正直何か他に目的があるような臭いを感じるが、何分俺はジョアン氏の人物像も知らない。」

三杉「そうですね、判りました。」


283 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 20:03:19 ID:???

尤もらしい推論を敢えて一つも出す事なく、片桐はその話を締め括らせた。
彼の頭に幾通りの仮定が浮かんで消えたか、三杉にはは判らないが・・・
それでもジョアン・ウェンガーという存在が警戒対象として刻まれたのは間違いないだろう。

片桐「さて、私の興味を聞いてしまった訳だが・・・。
    本題は当然、Wトーナメントにおけるお前達の召集についてだ。」

三杉「そうでしょうね・・・しかしその前に、僕からも片桐さんに良いですか?
    答えられればで構いませんが、僕にも個人的な興味で聞いておきたい事があります。」

片桐「うん・・・? まあ別に構わん、時間は十分にあるからな。」


A Jカップに召集予定のチームについて聞く。
B 翼と所属しているチームの様子について聞く。
C 森崎と所属しているチームの様子について聞く。
D 若林と所属しているチームの様子について聞く。
E 国内の日本人選手と所属しているチームについて聞く。(聞きたい選手の名を挙げて下さい。)
F コッパ・イタリア・プリマヴェーラを見た上での片桐なりの評価を聞く。
G 賀茂の体臭が何故あんなに臭いのかを聞く。

『3』票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
※聞けるのは一項目だけです。


284 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 20:03:56 ID:SkTbGjcY
F

285 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 20:05:14 ID:4o2e5VP2


286 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 20:06:00 ID:DH6mHkIc


287 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/17(月) 20:15:22 ID:???
一旦ここまでです。
更新再開は多分明日になると思います。

なんか知らないですが昨夜から花粉症みたいな状態に…
死ぬる

288 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 21:42:50 ID:???
お大事にです

289 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/18(火) 00:57:45 ID:???

ちょっとだけ。

>>288 ありがとうございます、薬を買って飲みました。これでやり過ごせれば良いのですが…
=============================================

> F コッパ・イタリア・プリマヴェーラを見た上での片桐なりの評価を聞く。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉が片桐に聞きたい事と言えば、第一に優先されるのはその思想に関する所である。
日本サッカー協会の一大プロジェクトである“プロジェクト・カウンターウイング”…
その名が示す通り『大空翼と対抗馬(森崎)を競わせる』チーム力増強計画。
協会首脳の頭にあるのは翼と森崎を中心選手として置き、周囲に2人の補佐をさせる形のチームであるのは明白だ。

ファンタジスタと守護神…これまで強いチームの象徴となっていた2つの柱。
しかし時代は移り過ぎようとしており、トップチームのクラスでは既にファンタジスタが勝者を意味していない。
アンザーニの下でモダンサッカーの最新潮流を学んだ三杉にはそれが見えており…
協会の中では若い部類に入る片桐が、どれほど冷静な目で物事を捉えられているかを知っておきたかった。

三杉「片桐さん、コッパ・イタリア・プリマヴェーラの試合は何処まで観てくれましたか?」

片桐「何処まで…? ふむ、お前が決勝でパルマを破る試合まで見せて貰ったが。」

290 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/18(火) 00:59:52 ID:???

三杉「そうでしたか、結構です。 …ではパルマ戦までを踏まえ、片桐さんなりの評価を是非とも聞かせて下さい。」

片桐「私の……? ふむ、まあいいだろう。 率直な個人的になるが構わないな?」

三杉「勿論。」

片桐「では言おう…。」


先着で
 ★片桐の評価第一声→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 「カウンターウイングに対するお前のアンチテーゼが伝わってきたが…?」
《ハート》 「上々だった。 今のお前ならば翼の対抗馬に成り得るかもな。」
《スペード》 「今のお前ならば翼の後ろのスペースを任せられるだろう。」
《クラブ》 「そうだな…率直に言って少々物足りなく感じた。」
《JOKER》 「お前達がファンタジスタを破ったラスト10分間…正直に目から鱗が落ちた。」

291 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:00:06 ID:???
 ★片桐の評価第一声→ スペード7

292 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:00:14 ID:???
★片桐の評価第一声→ クラブ10


293 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:01:17 ID:???
早々うまくはいかないか
三杉の訴えで意識が変わるかどうか

294 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/18(火) 01:16:24 ID:???
ボンクラとまでは悪くない程度の結果でした。
まあ彼はアジアの壁を越えられなかった、幻想に捕まえられた若者ですし。
前提となる希望を固く抱いてしまうとなかなか…ね。
それに政治的にも、Jリーグ開設が迫り2002W杯への開催立候補が現実味を帯びている時です。
なかなか広い視野で物事をニュートラルには見れないのでしょうね。

そんな感じで片桐さんの思想が少々凝り固まってる感じを明日改めてー
ではお休みなさい。

295 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/18(火) 13:28:13 ID:???

> 片桐の評価第一声→ スペード7
> 《スペード》 「今のお前ならば翼の後ろのスペースを任せられるだろう。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

片桐「私は掛値なしに評価出来ると思っている。」

その一言目は最上級の賛美であった。
しかし三杉の中にはまだ喜びの感情は生まれない。
ここまでは当然であり、期待値の最低ラインでしかないからである。
肝心なのはここから一歩踏み込んだ部分の話であった。

片桐「守備と攻撃のバランス感覚、それをチーム全体に行き渡らせる指揮能力・・・
    攻撃に関しては出鼻を挫かれる場面も何度かあったが、守備に関しては申し分ない。
    特に相手に撃たせる前段階で敵の攻撃をシャットアウトしようとする姿勢は、
    どうしても消耗が早くなる森崎のスタイルに合わせる物として最適だろう。」

三杉(“森崎のスタイルに合わせる”・・・ね。)

片桐「またお前個人の守備の強さと展開力・判断力も非常に良かった。
    ゆえに今のお前ならば翼の後ろのスペースを安心して任せられる。
    そう、チームに欠かせないバランサーとしてスタメンは不動の物になるだろうな。」

三杉(そして“翼くんの後ろを任せる”ときた。 まあ予想出来た答えではあるけれど・・・)


296 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/18(火) 13:29:42 ID:???

片桐の評価を聞いた事で、三杉の中に喜びの感情が生まれる事はなかった。
代わりに湧き出したのは、諦めに似た落胆。
概ね予想を外れてはおらず、それ故の落胆であった。

片桐「どうした・・・?」

片桐としてはかなり高い評価を告げたつもりであったのだろう。
・・・にも関わらず反応の薄い、見ようによって沈んだ風にも見える三杉の様子に、片桐は怪訝な顔つきで問う。
三杉が抱いた憂鬱の意味を今の彼は理解出来なかったのだ。

三杉(・・・なんて答えよう?)


A 「いえ、僕の聞きたかった事は大体解りました。」
B 「少し買いかぶりが過ぎるかも知れませんよ。」
C 「流石は片桐さん、鋭い目をしておられる。」
D 「日本のサッカー通とたてまつられている人間は滑稽だねえ。」
E 「歯、食いしばれ! そんな大人、修正してやる!」
F そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


297 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 13:34:41 ID:Xz3Q8aok


298 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 13:38:48 ID:fPrjgJho
A

299 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 13:39:52 ID:4lBMwND+
F「ありがとうございます。おかげで心が決まりました。
 ワールドトーナメントが楽しみになってきましたね」
基本はAなんだけれど、ちょっと含みを残す感じで。

300 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 13:50:17 ID:???
Eを選んでも「これが、若さか…!」とか言って関係悪化にはならんかもw
飛行機の乗務員に拘束されてBADになるかもだけど

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