キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】

1 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/09/29(木) 19:43:51 ID:L+HomlPU


この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のスピンアウトであり…
  とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。




…エッチなのはいけないと思います!




701 :森崎名無しさん:2011/11/15(火) 21:26:40 ID:???
ラ・オツデシター

702 :森崎名無しさん:2011/11/15(火) 21:33:36 ID:???
カンピ乙ネ!

703 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 14:21:16 ID:???

>>701-702
乙感謝でございあーっと新しい乙の形がきたあぁぁぁぁぁっ!
=============================================

> 新田「リグルに負けないエースになる!」→ ダイヤ8
> 三杉「お前は何を言っているんだ」→ クラブK
> 21〜24→新田、南葛高校。新田、全能力一次限界に到達。フラグ×2取得
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

バシュゥゥゥゥッ!

新田の左足はボールをかろうじて捉え、無人のゴールへと放たれる。
そしてボレーで蹴られたこのボールはネットを揺らし、ポテポテと転がり返った。

新田「やった!」

咄嗟のボールを左足でミート出来た事に、新田は一瞬喜ぶ様子を見せる。
しかしすぐに、それを否定するように頭を横へブンブンと振った。

三杉「キック力は6割、コントロールは5割…って所か?」

新田「えっ…ああ…はい、まあ……。」

威力もコントロール精度も、右足のシュートより格段に低かった。
それゆえに新田は喜色をすぐに投げ捨てたのだが…
三杉にその事を言い当てられて、若干だが憮然な態度を見せる。
そうでなくともコッソリ特訓している姿を見られてバツが悪い所だ、仕方がない言えよう。


704 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 14:22:44 ID:???

三杉「ふむ…。」

新田「ええと…なんすか?」

三杉「キック力は無理に上げようと思わない方が良いな。
    それよりも今はコントロールに拘れ、利き足以上を目指すくらいにな。」

新田「はいぃっ?」

突然の指示に変な声で返す新田。
彼は威力の方こそがてんで足りていないと考えていた為、怪訝な顔を隠そうともしない。
しかし三杉はその反応を無視して話を続けた。

三杉「キック力は短期間でそうそう上がる物じゃない、多くの時間を割くのは非効率的だ。
    それに先にキック力を上げてしまうと、コントロールの修正が難しくなるしな。
    意識して使っている内に自然と筋力も上がっていた…というのが理想だよ。」

新田「むっ…そうなんですか?」

三杉「あと左足だけでなく、たまには右足も交えて使うんだ。
    実戦で使える形で馴染んでいかないと、限定したケースでしか使えない破目になる。」

新田「あ、それは確かに・・・。」


705 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 14:26:38 ID:???

三杉は新田のやらんとしている事を(元々助言した本人だし)ある程度察していた。
それゆえ、実戦で使おうとする技に至る道として、どう鍛えていくのが効率的かを考える事が可能だった。
筋道の通った三杉の説明に新田が納得を覚えるのにそう時間は必要でなかった。

三杉「判ったらもう一度…色々なパスを出すから対応して見せろ。
    今は威力が低くても構わないんだから、とにかく軸は絶対にぶれちゃ駄目だぞ。
    その後は1対1…勿論そのつもりだろうね?」

新田「は、はいっ!」

こうして済し崩し的に大特訓が始まってしまった。
逆足のコントロールを上げる為に、身体の軸バランスを保つよう意識した特訓は…
まさしく基礎の基礎、その重要性を新田に再確認させていた。
夜もすっかり更けた頃には、新田は逆足のコントロールのコツを身に付け…
そして軸バランスが良くなった事で、副次的に他の多くの動作についても質を上げたのだった。

※新田の能力値が一次限界に達しました、現状はこれ以上覚醒致しません。
 新田が必殺シュートフラグBを取得、1対1シュートフラグ…については発展フラグAの回収となります。
 1対1技[時間差ファルコン/シュ+6、200消費]をゲット!
 ついでに特殊フラグが少しだけ進行しました。


706 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 14:34:00 ID:???

<翌朝>

あれから三杉は新田と共に遅くに寮へ戻り、クタクタになって休んだ。
それが幸いしたか昨夜の眠りはグッスリと深く、朝の寝覚めもスッキリとしていた。
食堂へと降りると、眠そうな顔が多い中で新田のスッキリと目の覚めた顔が三杉の目につく。
どうやら新田も三杉と同様によく休めたようである。

三杉(さて・・・今日は確か午後から事務所で契約書を交わさなくてはいけなかったな。
    コラッツィオーネの後に少しだけ時間が空いているが、どうやって過ごそう?)

☆本日のPMにおける活動を選択して下さい。

A アンザーニのお見舞いに病院へ向かう。
B 任意のメンバー(2名)と会話する。(さらに分岐)
C カンピオーネ戦での戦い方について検討する。[済]
D 部屋に引き篭もる。
E お見舞い以外の外出。(さらに分岐)
F 練習を呼びかける。
G その他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


707 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 14:35:54 ID:???
すみません、本日の「AM」の活動の誤りでした。

また活動は昨日のAM(済)・PM(済)、今日のAMの3回です。
試合前の自由行動選択はこれが最後です。

708 :森崎名無しさん:2011/11/16(水) 14:40:06 ID:1sj0JacQ


709 :森崎名無しさん:2011/11/16(水) 14:59:26 ID:IsW/2Do2
F

710 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 15:36:07 ID:???

> F 練習を呼びかける。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉は練習を呼びかけてみる事にした。
翌日にテストマッチ、今日の午後に契約を控え、また疲れた顔も多い中でどれだけの人数が
応えてくれるかという所だが・・・それでも気の紛れになればという思いで三杉は声をかけていく。


先着で
 ★三杉のお誘い→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 何人か応えてくれて、ごく軽いアップを行った。成果を出した者も一人。
《ハート》 何人か応えてくれて、ごく軽いアップを行った。
《スペード、クラブ》 すげなく全員に断られた。
《JOKER》 新田が昨夜の続きを申し出てきた。勘弁してくれ。


711 :森崎名無しさん:2011/11/16(水) 15:41:47 ID:???
★三杉のお誘い→ スペード8

712 :森崎名無しさん:2011/11/16(水) 18:16:45 ID:???
ほぼ確実に効果のある会話にすべきだったか〜


713 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 18:28:03 ID:???

>>712 まあこんな状況でどうなるかは、なかなか予想できませんよ。
=============================================

> 三杉のお誘い→ スペード8
> 《スペード》 すげなく全員に断られた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

何人かに声をかけてみたところ、よく眠れていないのか、目に隈をつくっている者が少なくなかった。
返答についても予想していた通り、済まなそうに断るという物ばかり。
『こんな状況で無理に練習しても怪我をするのがオチかも知れない・・・』
そう思い始めていた三杉は、彼らに特に強く勧める事はせず・・・
せめて身体をほぐしておくように、とだけ告げて引き下がった。

また唯一良い返事の期待された新田にも、昨夜がオーバーワーク気味だったからと断られた。
『試合が明日だから疲労を残したくない』という言の判る三杉は、これも簡単に受け入れるのだった。

三杉は『自分自身こそが、気を紛らわせる為に身体を動かしたかったのでは』と思い・・・
少し気持ちを沈ませながら、軽いロードワークを一人でこなしたのだった。


714 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 18:32:22 ID:???

<アウストラーダA1・アルピーノ付近>

ネアポリスとミラノを結ぶアウストラーダA1。
太陽道路と呼ばれ、イタリアを代表するこの長大なハイウェイを一台の車が疾走していた。
朝早くという時間帯の影響で他の車影は少なく、また速度制限に無頓着な国柄からなのか…
その車のエンジンは150km/hrの快速を絞り出している。
日本人の普通の感覚であれば、身体に緊張を覚えるくらいのスピード。
しかし車内の3人の人物は、緊張するでもなく、スリルに興奮するでもなく、
退屈そうにただ夜の景色が過ぎ去っていくのを眺めているのだった。

プロシュート(フィレンツェまで残り400か・・・
        到着まではまだまだ3時間ってところだろうな。)

目的地までの距離が表示された看板を目にし、3人のうちの1人が苛立ちと共に溜め息を吐いた。
暗殺チームの仲間であったソルベとジェラートの斬殺死体に対面してから何日になるだろうか・・・。
プロシュートらのボスへの憤怒は既に押し止められぬ物になっていた。

そんな頃にプロシュートへ一通の封筒が届けられる。
ボスに娘が存在しているという情報と、その住処と目される場所が幾つか描かれた手紙・・・。
9割以上罠と疑いながらも、万が一の可能性を求めてその場所を一人で当たったプロシュート。
その中の一軒・・・ウナというネームプレートが出されていた家が無人であった時、
9割を越えていた彼の疑いは、半信半疑へと変わった。
判る者には一目で判る、明らかにマフィアの手によって為された家捜しの痕跡・・・
そして組織の老幹部であるヌンツィオ・ペリーコロが、このタイミングで消息を掴めなくなていった。
ペリーコロがボスの娘を匿って姿を消した可能性が、プロシュートの頭に抱かれたのである。


715 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/16(水) 18:33:39 ID:???

プロシュート(あの手紙を早くにリゾットに見せ、チームで動けていたら・・・クソッ!)

マフィアの・・・しかも暗殺を生業とするチームの構成員として、彼の慎重さは正しかったと言える。
しかし情報を疑った為に、ボスへと繋がる手掛かりをむざむざ見逃す事になった・・・
このたった一つの致命的な結果がプロシュートの心を苛立たせた。

それから程なく、同じ封筒がプロシュートの元に再び届いた。
今度は迷い無くリゾットへ内容を見せ、経緯を説明したプロシュート。
リゾットもプロシュートがそうであったように、手紙に対して強い疑いを示したが・・・
最終的に内容を追う事に対しては認め、チームのバックアップ体勢を整えたのだった。

プロシュートは、組織の一支部・・・そこから無数に枝分かれしたグループの中の一つ、
そのグループのチームリーダーに面会し、説得を図り・・・
他のメンバーは、ウナの家に赴いて写真という写真を全て回収した。
そして今、プロシュートは回収した数枚の写真を手に、
弟分のペッシと・・・それから彼が説得した協力者と共に、フィレンツェへと向かっていた。
情報の続きと、代価である依頼を聞く為に・・・である。


**********

本日はここまでとします。
ジョジョ5部が好きな方は、暫くこのスレを脳内ヨガスルーして頂けたらと思います。
原作レイプになりそうなゲロ以下のにおいが既にプンプンしていますので・・・。


716 :森崎名無しさん:2011/11/16(水) 18:37:49 ID:???
カンピ乙ネ!

……サッカーそっちのけの選択肢繰り返した挙句JOKERもしくはクラブAが出たりしたらスタンド使いになれるんじゃw

717 :森崎名無しさん:2011/11/16(水) 20:33:52 ID:???
カンピ乙ネ!

718 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:50:53 ID:???

>>716
いやー、異能生存体って凄まじい能力ですよね。
リスクレベルを操るスタンドとか言っても良いのでは…とかスレ主はスレ主は呟いてみたり。

>>717
その乙に返せるだけの感謝の言葉を、私はまだ持っていない…!
=============================================

過去の経緯、その流れの一連を順に再生し終えたプロシュート。
このまま未来についての予想、シミュレーションに移行しようと考えていた。

ペッシ「ねえ兄貴ィ…。」

プロシュート「………なんだ?」

その矢先、隣で運転している弟分のペッシが話しかけてきた。
ここからまさに思考を働かせようとしたタイミングである。
思考を阻害されたプロシュートは3秒少々沈黙し、やや不機嫌そうな反応をペッシに返した。

ペッシ「いや…あの。 こんな十数枚の写真が一体なんになるんですかねぇ?」

プロシュート「んなこたぁ行ってみなけりゃ判るわけがねーだろ?」

ペッシ「いや…そーなんすけど……信用できんですかい、その手紙は?」


719 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:52:07 ID:???

プロシュート「ま、信用出来るかどうかは会ったその場で判断する事だがよ…
        現実問題“ペリーコロ”が消え、ボスの素性への道筋は断たれた。
        …つまりオレ達に残された当ては、この手紙の主だけっつーわけだ・・・判るな?」

ペッシ「むむ…。」

プロシュート「ボスの正体に辿り着くためのチャンスがこれしかねえっつーんならよ・・・
        腕の1本や2本引き換えにしても食らいつく、それがオレ達のチームだろ。」

ペッシ「・・・へっ、そーでした。 判りました、兄貴がそこまで言うならオレも覚悟を決めますよ。
     何が起こっても・・・たとえ罠だったとしても、オレが網を全て引き千切りゃいい事です。」

プロシュート「フッ・・・。」

自分への鼓舞でも大口でもない・・・淡々と自分のやるべき事を述べたペッシ。
以前のようなマンモーニとはすっかり見違えた弟分に、プロシュートは信頼を込めた笑みを返す。

同時に彼はこう思っていた。
『…手紙の主は、今回の連絡において“情報の代価としての仕事依頼”を銘打ってきている。
 これまでの事態の流れと合わせて考えても、組織の罠という可能性はかなり低い筈だ・・・』と。
ただ、油断を招かぬ為に敢えてそれを口にはしなかった。


720 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:56:06 ID:???

???「………」

後部座席の男は一言も口にせず、プロシュートとペッシの会話を黙って聞いていた。
この2人の遣り取りは、暗殺チームと言っても人として腐っている訳ではないと彼に再確認させる。

プロシュートに、自分の過去に所以する組織への不信を指摘され…
そしてボスを倒す協力を要請された時、彼は正直に迷った。

完全に組織への裏切りを意味する誘いを、しかも初めて顔を合わせた男に告げられたのだ。
彼の過去に事情があり、組織に不信を抱いていたとしても、普通は『No』だ…有り得ない。
組織の人間としては、その場で始末するというのが正道だったろう。

しかし彼は、このプロシュートという男に不思議な気高さを感じた。
暗殺チームの他のメンバーの事は知らない、しかしこのプロシュートは信頼に値する人物に思えたのだ。
そして何より決め手になったのは、ボスを倒した後の彼の望みに対する
プロシュートの『是』という回答…これに嘘が無かったという確かな確信である。
結果…彼は自らのチームに一時の留守を告げ、プロシュートに同行する事を決めた。

浅はかな選択だったのかも知れない…。
しかしそれでも選んだのは、彼がそれほどに自分の信じられる道を行きたかったという事だろう。


721 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:58:20 ID:???

―――数時間後

3人はフィレンツェのサンタマリア・ノヴェラ駅から200mほどの高級ホテル・ミネルヴァへ到着した。
このホテルの一室で写真を持って落ち合う旨、先の手紙によって指定されていた。

ホテルのフロントにて部屋のナンバーを伝え、部屋を借りている人物への面会を申し出る。
すると『プロシュートという人物だけ通すように窺っております』と即座に返答された。
少し待ってくれとフロントに告げ、3人は離れた場所で方針を話し合う。

???「お前一人だけご指名ね…。」

ペッシ「兄貴ィー…やっぱこりゃあ罠じゃあ……」

プロシュート「………」

???「どうするんだ? 今ならまだ引き返せるぞ。」

プロシュート「いや、行こう。」

ペッシ「ま、ま、マジっすかあー!?」

プロシュート「ああ、罠だったら始末すればいい。 それでこの筋は終わりだ。」

驚愕するペッシとは対照的に、プロシュートはどこまでも淡々と冷静だった。


722 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 18:11:58 ID:???

???「ふむ…戦闘になると仮定して、バックアップはどうするつもりだ?」

プロシュート「まあ・・・そこはお前が気にする事じゃあない。
        お前の手を本格的に借りるのは、この話が罠でないと判明してからの話だ。
        …おいペッシ、お前のアレ(針)を貸せ。」

ペッシ「へっ…へぃ!」

プロシュート「戦闘になったらこいつで合図する・・・そしたらオレ以外の奴を窓から“狙撃”だ。」

プロシュートの指示にペッシは乗り気な顔で胸を叩いた。
自分に任せてくれと言わんばかりの顔で。

プロシュート「だがな、もしも合図を送る間もなくオレの生命活動が感じられなくなったら・・・
        その時はソッコーでこの場から立ち去れ、わき目も振らずにネアポリスへ戻るんだ。」

???「!!」
ペッシ「な、何を言い出すんですか兄貴ぃー!?」


723 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 18:13:29 ID:???

プロシュート「落ち着けペッシ、相手が何人だろうと密室の戦闘ならオレのスタンドは負けねえ。
        当然やっこさんとの対面には、下準備は終わった状態で臨むしな。
        万が一それでオレが負けるような相手なら…分断された時点でリタイヤだったって事だ。
        その後にお前らが乗り込んでも、外から狙撃したとしても勝てる奴じゃねえ。」

ペッシ「んなバカな話がありますかい!」

???「いや、いいだろう。 その時は出直して、いずれこの坊やにお前の仇を取らせる…って事でいいな?」

プロシュート「ああ、十分だ。」

それだけ言って、プロシュートはフロントの方へ向かった。
彼の予想では罠の可能性は低く、そして場所が密室において“偉大なる死”を前に相手は逃げ道が無い。
『自分がペッシに言っているのは万が一、億が一の事態に過ぎない』・・・彼はそう確信していた。


*******

一旦ここまで

724 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:44:18 ID:???

ガチャッ


???「遠路遥々(はるばる)ようこそ。」

部屋のドアを開けて中に入ると、奥からの声に迎えられた。
男・・・かなり若い声であり、少なくとも学生かそこらの年齢と考えられる。

プロシュート「・・・・・・」 ギィンッ

プロシュートは自らのスタンド、“偉大なる死”を早速発現させた。
反射的に老化ガスを発生させられるよう、一歩毎に警戒レベルを上げつつ奥へと進む。
そこには先程思った通り、学生くらうの少年が・・・同世代くらいの少女と共にソファに座って待っていた。

少年の方は顔の彫りが深く、肌はやや浅黒い・・・南米か中東のいずれかと思うが判断は出来ない。
そして少女の方は彫りが浅く、肌は黄と桃の中間職、そして美しい黒髪顔・・・こちらは明白に東洋人だ。
しかしプロシュートに最も強い印象を抱かせたのは、両者の身体的特徴の差異よりも何よりも・・・
少年の方のひどく涼しげな表情であった。
ここが図書館や植物園などであるならば、彼の様子は極めて自然だったろう。
しかし今、彼の前に立っている男…即ち自分はマフィアの一員。
その中でも暗殺チームに属するスタンド使いであり、指折りの危険人物な筈だ。


725 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:45:30 ID:???

プロシュート(罠ではない、純粋な協力者だから安心してやがるってわけか…?
        …いや、協力者だとしても多少の緊張は避けられない状況だろ。
        だがこの何も感じない日常のような空気、戦闘を仕掛ける素振りすら…っ!?) シュッ

動揺する程でもないが、不可解には違いない相手を慎重に観察していたプロシュート。
そんなプロシュートに対し、少年は無造作に手を伸ばした。
反射的にバックステップで距離を取ったプロシュートだが、能力は発動させなかった。
少年が手を伸ばしたのは、自分にソファへの着席を勧める為だったと判ったからである。

少年「どうぞお座り下さい。」
        
プロシュート「………………お前はオレに封筒を寄越した奴の代理でここに居るのか?」

少年「いいえ。 貴方に連絡を取ったのは間違いなくボクです、プロシュートさん。」

プロシュート「なるほど……。」

餓鬼の悪戯などではない事をプロシュートは理解している。
ここまで相手が示した情報が、パッショーネの内部事情に余りに精通しすぎた物だからである。
…であれば、この落ち着きようから考えても目の前の少年が只者でない≠ニ判断するしかない。
プロシュートは警戒を緩める事なく、取り敢えず話を聞いてみる事に決めた。


726 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:46:33 ID:???

プロシュート「まぁ、そんじゃ…」

少年「ええ、早速話を始めましょう。 先ずはこちらの情報提供から。」

プロシュート「ああ…。」

少年「では、写真をお願い致します…渡して頂けなくとも、手に持って1枚ずつ見せて貰えれば良いです。」

プロシュート「いや、構わねえさ。」 パサッ

持ってきた十数枚の写真を惜しげなくテーブルに投げ出すプロシュート。
相手の欲しい物が実はこの写真…と考えるなら、これは出し惜しむべき交渉の道具。
しかしプロシュートは、相手がこの写真に価値を見出していない事を察していた。
その代わりとして、プロシュートは少年が写真に手を伸ばした時にこう告げた。

プロシュート「ただしこの写真で何が判るのか、何故お前がそれを知っているのかは教えて貰う。」

少年「構いませんよ。」

散らばった写真を掻き集めながら、少年は動じた気配すら見せずに即答した。
そして1枚ずつ写真を捲りをながら話し始める。


727 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:48:17 ID:???

少年「娘の母親…ドナテロ・ウナは公私共に真面目な女性だったようです。
    服装、髪型…そして一緒に写っている友人、そして背景。
    一応彼女の学生時代を知る友人に評判を聞きこみましたが、この写真が示す通りのようです。」

プロシュート(何を言い出すんだ、コイツ…。)

少年「まず間違いないでしょう、ドナテロは不特定多数の男と性交渉を持つ女性ではありません。」

プロシュート「うん……?(・・・ああ、なるほど………だがそれが一体何になる?)」

少年「彼女の娘の年齢はX歳、誕生日はM月N日…。
    つまりドナテロが身ごもった期間は容易に推定されます。 つまり…。」

少年は写真の中から一枚をプロシュートの前に差し出した。
それは夜の海岸を背景に、女性(ドナテロ)がポーズを取って写っている写真だった。

少年「この写真。 日付にしてY年T月S日…時期からして卒業旅行って所でしょうか。
    そして注目するべきはこの表情です……一体誰に写真を撮って貰っているんでしょうね?」

プロシュート「そいつボスだ、と言いたいんだろうが…それが正しいとして一体何になる?」

当然の疑問をプロシュートは投げつけた。
目の前の餓鬼はどうやら頭が働く、それは判った。
しかし着地点がなければ推理など思考の弄びに過ぎない。
その事が解っていない場合、プロシュートは彼らをぶっ殺す≠ニ思う事態になっていた筈だった。


728 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:58:09 ID:???

少年「ふふ…先輩、お願いします。」

少女「うん……。 東経DQ度、北緯FF度…かな?」

少年「…と言う事は、時間補正を入れると……」 バサッ

プロシュートがぶっ殺すと思う暇もなかった。
少年が少女に写真を見せると、一拍も置く事なく少女は経緯と思しき数字を述べ…
そして少年は独り言のように呟きながら、傍らに置いていたイタリア地図を広げた。

少年「此処、サルディニア島の[禁則事項]海岸…それが写真を撮られた場所です。」

プロシュート「待て、今お前ら何をしやがった?」

少年「何も不思議がる事はないですよ、プロシュートさんも不思議な能力を持っているんでしょう?」

プロシュート(スタンド能力・・・!!)

顔には出さないが、プロシュートの身体は間違いなく硬直していた。
スタンド使いである事を予想していなかった訳ではない。
しかしスタンドを発動させた事すら、彼は気付く事が出来なかった。
百戦錬磨、覚悟も度量もチームのメンバーが認めているところのプロシュート。
その彼が今、雰囲気も何もない少年と少女に対して威圧感を感じている。
プロシュートは、まるで人じゃない・・・モンスターか何かを前にしているのではと疑う気分であった。


*********

一旦ここまでです。
選択もカードもなくてすみません。


729 :森崎名無しさん:2011/11/18(金) 18:10:46 ID:???
乙でしたー
最近、このスレを読んでいてドキドキが止まらないっす

730 :森崎名無しさん:2011/11/18(金) 22:58:27 ID:???
メリー
「(いや、普通星を見れば経度なんて解るでしょ…)」


それは貴女だけです

731 :森崎名無しさん:2011/11/18(金) 23:54:40 ID:???
オッ、蓮子と間違えたゥー!

732 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:21:25 ID:???

>>729
乙感謝です、感想頂けてダブル感謝!
とても光栄ですし、書いている甲斐を感じます

>>730-731 ニヤニヤ
=============================================

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

プロシュート(もう…コイツ≠ェ何を言っても驚きはしねえ…。)

目の前の少年に対するプロシュートの認識はこれにて定まった。
罠という可能性は完全に既に排除された……彼は協力者なのである。
…いや違うか、依頼者だ。
この少年は自らの目的の為に、等価交換として情報を与えているだけだ。

そうでないとしたら、プロシュートは今の時点で自分が無事ではなかったと考えている。
密室での戦闘で、最終的な敗北を自分が喫するとまでは思わないが…
今ほど目前のスタンド発動に気付けなかった時点で、先手を防げなかったと言わざるを得なかった。


少年「さて、これで全ての条件がクリアされましたね。
    後はこの地に赴き、先程述べた日時の情景を再生すればお終いです。」

プロシュート「…………」


733 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:22:28 ID:???

少年「それをどうやって為すのか疑問にお思いでしょうが、心配ありません。
    貴方にお願いし、ぜひ協力者にと引き入れて貰った男の部下に、それが出来る人間がいます。」

プロシュート「…………」 ゴゴゴゴゴ

目の前の少年の涼やかな表情は少しも歪んでいない。
話す言葉は淀みなく、一切の迷いも不安も感じさせない。

少年「…………………………………。 先輩、有難うございました。
    後は僕一人でもきっと大丈夫です、部屋に戻って待っていて下さい。」

少女「えっ…そう………? あ、でも…うん……判った。
    それじゃあメリーの事、宜しくお願いしておいてね。」

少年「ええ、土着のネットワークから協力を得られれば、メリー先輩もきっと…ですよ。」

少女「うん、ありがとう…。 頼りにしてるからね。」

それでもプロシュートの纏う空気が変わった事に少年も気付いたのだろう。
彼は少女の方に励ますような笑顔を向け、部屋を出るよう指示する。
すると少女の方は少し躊躇う素振りを見せつつも、少年の言葉に従って席を立った。


734 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:24:17 ID:???

ガチャッ

プロシュートの後方で扉の開閉音が聞こえた。
それを契機にしてプロシュートは再び口を開き始める。

プロシュート「メリーって奴をどうこうする…ってのが、オレ達への依頼という訳か。
        クックッ…まあどうこう≠チて事もねえか。」

少年「………」 スッ

プロシュートの言葉へ応える替わりに、少年は一枚の封筒を差し出した。
これまでに2回、プロシュートが受け取ったのと全く同じ封筒である。
依頼の詳細はこの封筒の中に示されている…という事であろう。

プロシュート「………。 こいつを受け取る前に、もう一つだけ聞きたい事がある。」

少年「なんでしょうか?」

プロシュート「テメェーは一体何者だ?」

少年「おや、ボクの事が気になりますか?」

プロシュート「そりゃあな。」

少年「フフ…そんなのわざわざ聞かずとも、調べればすぐに判りますよ?
    そんな興味、関心事よりも、プロシュートさんは他に僕から聞いておくべき事がありますよ。」

プロシュート「話を反らすんじゃねえ。 答えるつもりがねぇーなら、喋らせてやってもいいんだぜ。」


735 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:25:25 ID:???

プロシュートは初めて少年に対して強い警告を放った。
言葉での警告は一度きり、次は戦闘だと持ちかけたのだ。
しかし少年は表情を変えなかった。

少年「貴方が説得し、見事に協力者となってくれた彼…
    ブルーノ・ブチャラティ≠フ能力を知りたくはありませんか?」

プロシュート「なっ…!」 ガタッ

思わず膝でテーブルを蹴ってしまったプロシュート。
こいつが何を言ってきても驚くつもりはない…その覚悟でいたが、これは予想の範囲を遥かに超えていた。

プロシュート「テメェー……どういうつもりだ?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

少年「まあまあ…ブチャラティは貴方と同じように、マフィアでありながら気高い覚悟を持った人物です。
    プロシュートさんも初めて会ったにも拘わらず、シンパシーを感じたんじゃないですか?
    『どうやらこいつは信頼できる、命を預けるに足る奴だ』ってね。」

プロシュート(確かに……ブチャラティは不思議と信頼したくなる奴だ。
        立場は違うが、こいつはオレと似ている気がするとも思った…)

少年「そしてブチャラティを口説いた際、彼は一つの条件を出した筈です…。
    即ち麻薬ルートの放棄、撲滅=cそして貴方はそれを受け入れました。
    何故ならば…貴方は『仲間の仇を討てるなら、麻薬ルートを放棄してもいい』と思ったからです。
    それをブチャラティも感じた筈、だから彼はフィレンツェまで貴方に同行して来ているのです。」

プロシュート「何が言いたい…?」 ゴゴゴゴゴゴゴ

736 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:26:32 ID:???

少年「けれど……貴方と、貴方の部下のペッシさんは」

プロシュート「ペッシは部下じゃねえ、弟分だ…。」

少年「…失礼しました。 貴方とペッシさんにとっては仲間の無念を晴らす事が本懐でしょう。 
    それに組織のボス、幹部に取って代われば、自然と利益は入ってくるようになる。
    ゆえにこそ、麻薬ルートを切り捨てる事も……いや、ブチャラティと同調すら出来る。
    しかし他のメンバーはどうです? 莫大な利益を生む麻薬ルートを手放しますか?」

プロシュート「なっ…!」

少年「ブチャラティはここでの話を聞いたら、もう一度貴方に問うでしょう。
    『本当にお前達は*ヶルートを手放す意志があるか?』と。」

プロシュート「……………。」

少年「そうなったら、貴方はブチャラティにどう答えますか?」

プロシュート「グッ…!」

プロシュートは唇を噛んでいた。
血が滲むほどに強く噛んでいた。

少年「それからもう一つ……ブチャラティは確かに貴方へ協力する事を決めました。
    しかし本当に貴方に必要なのは…プロシュートさん、彼の部下の能力なのです。
    ブチャラティは部下に敬愛されるリーダーですが…
    それでも巨大な組織を裏切ってまで、部下達は彼に着いていくでしょうか?」

プロシュート「……やりようはある、奴だってチームのリーダー張ってんだ…。」


737 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:32:38 ID:???

少年「ええ…ですが先程言った通り、彼は目的を隠して部下を利用するだけなどという事はしません。
    彼にしてみれば、組織への裏切りに自分の部下を巻き込む事になります。
    そして彼の性質上、目的を隠して部下を利用するだけなどという事はしません。
    だからこそ…彼は一人だけの身で貴方に同行しているんですよ?」

プロシュート「ならばどうする…? テメェーは使えない情報を寄越しただけか?」

少年「フフッ、いいえ……ありますよ。 ブチャラティの部下に進んで能力を使わせる方法が。」

プロシュート「なにっ?」


       ドドドドドドドドドドドドドドド

少年「言ったでしょう、ブチャラティは部下に敬愛されているリーダーだって。
    それが今、貴方に同行して外に一人で居ます…ああ、ペッシさんも一緒ですよね。」

プロシュート「テメェ……」

プロシュートの背中はいつの間にか汗でビッショリになっていた。
こんな汗を掻いたのは、初めてリゾットに対面したあの時以来…
いや、あの時以上に底知れない物を、今ここで感じていた。


738 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:34:08 ID:???

       ドドドドドドドドドドドドドドド

少年「さて、もう一度だけ聞きますよ。  僕が何者かという事と、ブチャラティの能力…
    本当に知りたいのはどちらですか? 一方だけなら教えて差し上げます。」

プロシュート「………!!」


   ドドドドドドドドドドドドドドド
       ドドドドドドドドドドドドドドド
           ドドドドドドドドドドドドドドド


*********

一旦ここまでです。
明日か明後日にはまた三杉の話に戻ります。

739 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:10:01 ID:???

グオングオン……

プロシュート「ふうぅぅぅぅ…」

エレベーターが下降を始め、ようやくプロシュートは溜息を吐いた。
あの部屋での出来事がグルグルと頭を巡る。
小僧っ子の言った言葉で判った事もある、解らない事も残っている。

プロシュート「ユブンタイか…」

・アラブ首長国連邦の王家に取り入り、卓越した商才で石油王となった人物の名。
・パッショーネ創立初期から、上の方で裏取引を交わしてきた超の付くお得意様。
・最近もパッショーネのダミー会社を使い、仕手戦にて映画会社を一つ潰そうとしている。

この辺までがオレ…いや、組織の中で耳に聡い奴なら大概知っている情報だ。
そんで…

パッショーネ−ユブンタイ間にどれほどデカイ金の流れがあるか、まともに把握出来る奴ぁいないが…。
今になって暗殺チームにボスの情報をコッソリ提供するとは、単なる金蔓じゃあなかったって事だ。
それにまあ一族の奴が、ガキほどの年齢の奴であれ程の器…バカにできやしない。
んで『ボスを倒した後は、ビジネスパートナーとして新たな関係を築きたい』と来たもんだ。
チームにとっちゃあ機会が降ってきたと思えるが、その後の事はまた話が別だ。


740 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:11:12 ID:???

…ってとこまでが、話を全部を鵜呑みにした場合だが。

プロシュート「っつーかよぉ、パッショーネの上側の内部情報知りすぎだろ…?」 フゥー

もう一度深い溜息を吐くプロシュート。
今までユブンタイ側から伝えられた情報は幹部レベルに相当していた。
スタンド能力などは、その最たる例……
支部レベルの幹部(ポルポ)よりも上(ペリーコロやボス)でしか知りえない情報だ。

プロシュート(幹部クラスで裏切者(オレが言うのも何だが)がいる…?
        んで、暗殺チーム(オレ達)はそれに利用されてるって事か?)

その可能性に思考が行き着いてしまい、先程よりも頭が重苦しくなるプロシュート。
だとすれば、ボスを暗殺して成り替わろうと考えている自分達は、とんだ道化という事になる。
頂点(てっぺん)の内部抗争に、手足として好い様に使われている事になるからである。

プロシュート(チッ…)

状況のせいで『引き下がる』という考えが頭にチラつき、自らに腹を立てるプロシュート。
思わずポケットの中の拳に力を入れると…。


741 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:12:34 ID:???

グシャリ…

プロシュート(おっと…?)

何かを握り潰す感触があった…それは先程あの少年から渡された依頼&蕪宸ナある。
彼はまだこの中身を見ていない。

プロシュート(…………) ビリ

ポケットの中からクシャクシャになった封筒を取り出し、封筒に挿入された洋紙の中身に目を通す。
進むか引くかを考えていたプロシュートにとって、この行為は何気ない物だった。
少女が小声で口にしていたメリー≠ニいう人物の姓名が書かれているものと、彼は当然考えていた。
しかし……

プロシュート(!?)

ゾワリ…と背筋が寒くなった気がした。
身の毛もよだつ邪悪とは、その何たるかを彼はこの洋紙に見た。
そこに書かれていたのは3人の男の姓名だった。


742 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:15:14 ID:???

一人はプロシュートの疑問を完全に解消する人間の名。
先程彼は幹部クラスの情報を流されたと考えたが…その名によって、例外がある事を思い出させられた。

『情報分析チーム所属・サカザキ』

一番上に書かれていたのは、その名とその男の居場所だった。
…ペリーコロの側近でもあるこの東洋人…プロシュートの耳に入る程、かなりの切れ者と噂に高い男。
暗殺チームに流された情報は、全てサカザキならば知り得た可能性が高い。
この名が挙がったと言う事は、ユブンタイが内通者の存在と目的を開示したと言って良かった。


残りの二人についてはいずれも大物であったが、プロシュートと直接の関連があった人物ではない。
しかし二人のうちの一方…その名前にこそ、プロシュートは吐き気をもよおす『邪悪』を感じさせられた。
一人は財界で将来が期待されている、とある大会社の有能な御曹司。

『ヴィットーリオ・チェッキ・ゴーリ』

こちらは彼にとって別にどうでも良かった。
肝心なのはもう一人の方である……

プロシュート(この名を出すかよ…あのガキが…………。
        ハッ、本物の怪物だぜ、野郎………人間じゃねえ。)


743 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:17:18 ID:???

ガラガラ…

アンティーク風のエレベーターの扉が片開きに開いた。
スタスタと前に歩きだすプロシュート。
ホテルを出れば、弟分のペッシと協力者であるブチャラティが自分を待っている筈である。

プロシュート(さぁて、なんつって説明すっかな……ブチャラティの奴によぉ。)

これから先の事を考えるのも頭が痛くなるが…
彼はまず目の前の頭痛の種をどうにかしなければならない。
Aを選ぶか、Bを選ぶか・・・・・・彼、プロシュートにとっては重大過ぎる選択であった。


744 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:18:19 ID:???

<フィオレンティーナ・オフィス>

三杉達…中山とバンビーノを除いた9人は、フィオレンティーナのオフィスに来ていた。
言わずもがな、フィオとトップ契約を結ぶためである。
トップ契約と言う事で、重く堅苦しい雰囲気を想像していた三杉だが…
その予想に反し、実際はアッサリとした物だった。

三杉(ふぅ…後はサインをここに書けば、僕も一応はセリエAの一員か……)

ようやくと言って構わないだろう。
三杉は一つの到達点に辿り着いた事になる。

三杉(…………)

もう一度だけ契約の内容を見直してみた。

『契約はWトーナメントの参加を踏まえて一先ず2年。
 所属はWトーナメント終了まで基本的にリザーブチーム、リーグ戦の出場機会は少。
 ただしチームとして特別に遠征試合を組む計画は挙がっている。
 オーナーに変更があった場合、契約内容に変更はなく、そのままの条件で譲渡される。
 契約の反故があった場合は、過失のある方に違約金が課せられる。』


745 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:19:38 ID:???

三杉(ふむ…Wトーナメント優勝を目的とするなら、何ら問題ない条件だろうな。)

契約金と年棒は端した金(それでも庶民からすれば大金)だが、新人契約としては妥当な気もする。
それよりも三杉は、自らの目的に沿っている契約内容である事に重きを置いていた。
…ゆえに、この契約書にサインをする事に何ら文句は出なかった。

三杉「それでは宜しくお願い致します。」

人事部「こちらこそ。 期待していますので、これから頑張って下さいね。」

サインを書きこんだ契約書を提出し、握手を交わす三杉。
人事部の人間に誘導されて個室から出ると……仲間達も既に契約を終えて出てきていた。
皆それぞれに感慨深い顔をしているが…両手離しに喜んでいる者は居なかった。
まだ監督とコーチの事で、喜べない部分があるのは当然の事と思われた。

三杉(……アンザーニ監督の容体は良くなっていっているんだろうか…?)

三杉もまた、彼らの様子から自分の思うところを刺激される。
しかしそうも言っていられない。
寮に戻ったら明日のテストマッチに向けてチームミーティングをしなければならないのだ。
契約がアッサリしていたとは言え、合同説明などもあり、時計はもうすぐ夕方を指し示そうとしている。
ゆっくりと談笑している暇などそうそう無いという事だ。


746 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 12:20:39 ID:???

現状を考え、早々と帰宅しようとしている三杉だが…
そんな彼に対して話しかけてくる者が居た。

トレイゼ「やあ少年…ジュン・ミスギだったな? トップ契約おめでとう。」

三杉「あなたは……」


A 「ヴィットーリオさん・・・」
B 「トレイゼさん・・・」
C 「御曹司・・・」
D 「まwゆw毛www」
E 「閣下! トレイゼ閣下!」
F 「置鮎萌え!」
G そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
あとD〜Fは要4票です。


747 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 12:22:27 ID:1fALjSqY


748 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 13:18:07 ID:qy1ql38M
B

749 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 16:53:08 ID:???

> B 「トレイゼさん・・・」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

声をかけてきた人物の事を三杉は知っていた。
ヴィットーリオ・トレイゼ・チェッキ・ゴーリ。
ACFフィオレンティーナの執行役員…フロントの中でも人事権を有す大物である。
三杉達のトップ契約を決めた張本人でもある。

三杉「あなたは…トレイゼさん。」

初めて顔を合わせた時に『ヴィットーリオという仰々しい名前が嫌い』と言っていたのを思い出し、
またコーチと同じように御曹司≠ネどと呼ぶのも無礼だろうと考えた結果…
『トレイゼさん』と言う無難な愛称を三杉は呼んでいた。

トレイゼ「おや、どうやらちゃんと覚えていてくれたようだ。」

三杉「ええ勿論。 あっ…それより、どうも有難うございました。
    こうしてトップに上がれたのはトレイゼさんのお陰です。」

トレイゼ「いや、それは違う。 キミ達がトップに上がるのは、十分に実力が備わっているからだ。
      決して私の贔屓目があったとは思わないで欲しい。
      まっ……それはつまり、実力がなければ干され、いずれチームを去って貰う事を意味する。」

三杉「むっ…はい、勿論です。 今後も実力を磨いていく意志は変わりません。」


750 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 16:54:33 ID:???

トレイゼ「ならば結構、今後も期待させて貰うとしよう。
      …話は変わるが、アンザーニの事は残念だった…キミ達もショックを受けている事と思う。」

三杉「ええ……そうですね、正直キツイです…………」

トレイゼ「済まんな、時期が時期だけに代わりの監督を直ぐに用意する事も出来ん。
      …尤もアンザーニの代わりになれる者など、誰も居やしないが。」

三杉「………」

トレイゼ「明日はテストマッチだったな。
      監督不在の状態で厳しい戦いになるだろうが、是非頑張ってくれたまえ。」

三杉「はい…。」

監督の話ではどうしても口数が減ってしまうのを抑えられず、三杉は生返事のような形になってしまう。
しかしトレイゼも三杉の心情が解らないでもないのか、不快な顔を見せる事は無かった。
その後に二言三言交わし、『それでは』と帰途に就く旨を伝える三杉。
背を向けたところで、『そうだ、待ちたまえ』とトレイゼが何かを思い出して呼び止めた。
何事かと疑問の顔を浮かべて振り返ると…


751 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 16:55:47 ID:???

トレイゼ「もし良ければで構わないのだが、選手を一人見てくれないか?
      先日、入団希望でテストを受けに来た者が居るのだが…」

三杉「…はい……。」

トレイゼ「ポジションはDF全般との事で、実力は私の見た所でプリマヴェーラにて並程度という所だ。」

三杉「…何か特別気になる所のある選手なのですか?」

トレイゼ「いや、私には特に見る所があった訳ではないが…ジョアンが頻りに目を鋭くしていたのだ。
      もしかすると素質を秘めた選手かも知れん、などと考えている。
      キミが気に入るようなら、ナカヤマの代わりとしてリザーブチームへ回しても良い。」

三杉「なるほど……ちなみに、その選手の名は?」

トレイゼ「うむ、マーク・オワイランと言う。」

三杉(マーク…? 最近何処かで聞いたような気がするが……ふむ?)

トレイゼ「さて、どうだろうか? キミが良ければ直ぐにでもグラウンドへ呼び出すが。」

三杉「そうですね……(まあ、軽く実力を見るくらいならば時間も掛からないだろうが…)」


752 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 16:59:20 ID:???

A 承る
B お断りする
C そうだ、そんな事よりミハエルの話をしなければ。 オワイランとかどーでもEし。
D 『マークとやらの実力は見る』・・・『ミハエルの紹介もする』。
  「両方」やらなくっちゃあならないってのが、「キャプテン」のつらいところだな。
   覚悟はいいか?オレはできてる。
E そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


753 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 17:14:15 ID:wj7qw+wA
D以外に何を選べというのかね

754 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 17:27:51 ID:qy1ql38M
D

755 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 17:44:34 ID:???
オワイランはてっきりライバル側だと思ってたが…うれしい誤算半分、
一度味方になるならぶちギレモード出現で敵に回る可能性があるのが半分だなあ

756 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 19:10:54 ID:???

>>755
三杉やブンナークがコンバートする案や、その他の可能性も幾通りか考えましたが・・・
実はかなり初期から考えていた人選であり、また皆様に意見を募った時にも自然と肯定意見の多かった
彼に白羽の矢が立つ結果になりました。 シナリオ的にも、彼になるべくしてなったように思います。
=============================================

> D 『マークとやらの〜オレはできてる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「了解しました、オワイランについては僕が実力を量ってみます。
    結果如何では、こちらのチームに回す件をお願いすると思います。」

トレイゼ「うむ、頼んだぞ。 では彼には連絡を取っておくので、後の事は頼む。」

三杉「あっ…もう少しだけ宜しいでしょうか?」

トレイゼ「うん?」

三杉「ジョバンニ・マンフレディーニがチームから離脱する件についてですが……
    彼の穴を埋める選手に心当たりがあり、推薦させて頂きたく思います。
    ただ…事情があって、直近の実力ではなく将来性に期待する類の選手になりますが…。」

トレイゼ「ふむ…話してみたまえ。」

三杉「かくかくしかじかまるまるもりもりトレイゼ△□×(さんカッケー死角無し)」

元ユヴェントスのプリマに所属しており…
コッパ・イタリア・プリマヴェーラでも活躍していたミハエル・ドノヴァンの事を三杉は話した。
自ら知り得る限りの事情と最悪に近い怪我の現状、それを差し引いても期待されるセンスなど…
多少トレイゼを持ち上げる小細工を弄しつつ、三杉は懸命に説明を行った。


757 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 19:13:07 ID:???

トレイゼ「ふむ…まあジョアンの発掘してきたキミ達もまた、怪我や病気を乗り越えた選手だからな。
      現在のハンデが将来に影響する物とは決して言えんが…。」

三杉「…………」

トレイゼ「だが、その怪我が癖になっている類の物ならば、話は変わって来るだろう。
      ……少々検討させて貰う、まあ前向きになるよう努力はするが。」

三杉「はい、お願い致します。」

どうやらこの話はスンナリとはいかなかったようである。
しかしながら、話を好意的に受け取ってくれているのか、言葉には配慮が感じられた。
この様子ならば最悪でも入団テストを受けるくらいまでは辿り着くであろう。

『それでは』と三杉はトレイゼに挨拶し、仲間に先に戻るよう話し、グラウンドへと向かう。
ウェアを借り、軽いアップをしながらマーク・オワイランを待っていると…
やがて、耳に心地よい爽やかな声の挨拶が聞こえた。


758 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 19:14:19 ID:???

オワイラン「こんにちは。」

三杉「こんにちは。 ……あぁっ、そうか。 君がマーク≠セったんだね。」

オワイラン「ええ、2日振りです。」

三杉「うん、そういう事になるね。」

挨拶を返しながら振り向くと…そこには見覚えのある顔がいた。
アラブ系の民族衣装で、フィレンツェの夕方の街並みに溶け込んでいた…
従者らしき人物に『マーク様』と呼ばれていた少年である。

三杉「……」


A 早速やる事をやろう。
B いやいや、まずは少し雑談でもしてから。

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
ちなみに当然ながら時間は刻々と過ぎていきます。


759 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 19:20:30 ID:1fALjSqY


760 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 19:24:48 ID:qy1ql38M
A

761 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 20:18:21 ID:???

> A 早速やる事をやろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あまり時間を食っても、この後のミーティングが押す事になるという事情もあり・・・
また彼がメンバーになると決まったわけでもない。
故に、ビジネスライクになってしまうが、今日の所は余計な雑談等を排する事にする三杉。

三杉「さて、それじゃ早速やる事をやりたいんだが・・・アップの方は?」

オワイラン「ここまで軽く走りながらきましたし、いつでも平気です。」

三杉「そうか、話が早くて助かるよ。 ポジションがDFと聞いているけど間違いないかい?」

オワイラン「ええ一応・・・。」

三杉「ベネ。 それじゃ僕のドリブルをタックルで阻止して見せてくれ。」

それだけ言って、三杉はボールを手にセンターサークルの位置に就く。
オワイランはそれに合わせるように、三杉が目指すゴールの間に立つ。

三杉(さて・・・それじゃ、見せて貰うよ。) ダッ


762 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 20:21:23 ID:???

先着2名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★三杉 ドリブル(! card)68 +(! dice + ! dice)=★
 ★オワイラン タックル(! card)63 +(! dice + ! dice)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【攻撃Max】−【守備Max】
≧2 → 三杉がオワイランを抜いた
=1〜-1 → こぼれ球になった(数値によってどちらかが優勢な描写に)
≦-2 → オワイランにボールを奪われた

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
三杉のマークがダイヤで「芸術的ドリブル(+5)」、
 ハートで「華麗なドリブル(+3)」、スペードで「やや華麗なドリブル(+2)」が発動。
オワイランのマークがダイヤ・ハートで「ショーテルタックル(+2)」が発動。

今回の勝負でオワイラン≠ェ勝利した場合はボーナス。
覚醒についてはオワイランのみ♀ョ全敗北でも覚醒します。


763 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 20:23:15 ID:???
 ★三杉 ドリブル( ハートQ )68 +( 34 )=★

764 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 20:23:29 ID:???
★オワイラン タックル( ダイヤ6 )63 +( 35 )=★

765 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 20:23:40 ID:???
★オワイラン タックル( ハート5 )63 +( 51 )=★

766 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/21(月) 20:28:11 ID:???
負けた方が良い時でも無駄にそれなりの数字を出した三杉に祝杯を上げつつ・・・本日はここまでとします。
あと実力を確認しておきたい項目を一つ二つ考えておいて下さい、明日選択して貰うと思います。

767 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 20:30:39 ID:???
ブロック、ドリブル、パスあたり? 何はなくともブロックだろうけど。
しかしオワイラン、この感じだと中山さんの即穴埋めとはいかなそうだな
(そんなレベルの戦力がゴロゴロしているわけでもないだろうけど

768 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 20:31:15 ID:???
乙!トレイゼ閣下!乙!

この数値差と技じゃあ簡単には負けんべ

769 :森崎名無しさん:2011/11/21(月) 20:37:30 ID:???
トラップVSクリアみたいなフィジカル勝負も入れては?
負けたほうがいいらしいし、DFで必要な能力かつ三杉の苦手分野も一つ位は

770 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 12:26:18 ID:???

>>768
乙感謝です、閣下も薔薇の花弁を浮かべたお風呂で喜んでおります。
まあ簡単に覆せない実力差だからこそ、ボーナスが発生するんですよね。
=============================================

    三杉 ドリブル( ハートQ )68 +( 3 + 4 )+(華麗+3)=78
 オワイラン タックル( ダイヤ6 )63 +( 3 + 5 )+(ショーテル+2)=73

【攻撃Max】−【守備Max】≧2 → 三杉がオワイランを抜いた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

オワイラン「タァァァァーー!!」 ズザッ

緩い地面でも踏み固められそうな力強い踏み込みで、距離を詰めて来ようとするオワイラン。
身体を前傾させての突進…そこから体勢を入れ替えてのスライディングタックルである。

三杉(スピードは大した事がない、だが小柄な割に力強さは感じる。) スゥ…

対する三杉は、実力を量るための『手を抜く事は無く』『観察にも意識を置く』両手持ちのプレイ。
しかしそれでも埋められない程、技術の差が両者にはある。
三杉はオワイランの突進に焦る事なく足下のボールをずらし、最小限の動作で避けようとした。


771 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 12:29:22 ID:???

ユラリ…

三杉(おやっ?) ピキーン

オワイラン「そこぉっ!」 グイッ

  フワッ
      ズザアァァァァァァ!!!!

オワイランのタックルに不自然な挙動が見られた為、予定を変えて跳躍で跳び越える三杉。
下を見ると、刈りとるようなタックルが、思わぬ方向から繰り出されているのが判った。
プリマヴェーラノ大会を戦い抜いた三杉にとって、動作その物はありふれた質であるが・・・
どうやら一工夫も二工夫も入れて来ているようである。

三杉(なるほど、出処の見え難いタックルか……僕のディレイドとコンセプトは共通しているな。)

何が起きたのか、何を狙ったのかを読み取りながらも、ミスをする事なく着地も決め…
結果としてオワイランは三杉に見事抜かれてしまった事になった。
恐らく今のタックルは彼にとって秘策であったと判断される。
それが一度目から通用しなかったとあれば、気を落としていると思われたが…

オワイラン「凄い! なんて華麗なドリブルなんだろう!
       ボクも今のタックルは中々鋭く出来たと思ったけれど…全然敵わない!」

三杉(…………)

予想外な事にオワイランは甚く感心・・・どころか喜んでいる様にも受け取れる。
思わず怪訝な顔を返してしまう三杉だが、オワイランは爽やかな笑顔を保ったままだ。
ともかくとして、彼のタックルは現時点で確かにプリマヴェーラの並レベルなのは間違いない。
しかしながら、(動作自体は稚拙だが)プレイに工夫を加えようという創造力は評価出来なくも無いと言った所。


772 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 12:30:31 ID:???

三杉「(まあ・・・大会前の僕だったら、多少は戸惑ったかな? ・・・っと、それより。)
    取り敢えずタックルについては大体判った。 他にも2,3見せて貰いたいが構わないか?」

オワイラン「ええ勿論、何でも構いませんよ。」

三杉「よし言ったな? それじゃあ・・・」


実力を見てみたい項目を以下の中から2種選んで投票してください。
お1人様につき最大2項目を投票する事が出来ます(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

[ドリブル、パス、シュート、パスカット、ブロック、トラップ、クリア、競り合い]

※1番目と2番目に2票に達した項目について勝負観察します。


773 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 12:34:58 ID:307T17dA
ブロック
クリア

774 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 12:44:44 ID:CvJzRulc
ドリブル、ブロック

775 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 12:48:49 ID:a3iUkqPY
クリア

776 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 14:02:51 ID:???

> ブロック、クリア
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

もしも中山の穴を埋める事を考えるならば…CB、贅沢を言えばリベロとしての能力が欲しい。
とは言えリベロの攻撃参加は本当に困った時の最後の手、或いは奇襲に該当する類の者である。
常に必要なのはCBとしての強さであり、目の前の彼に求める第一は迷いなく守備。

三杉「それじゃあ…ブロックとクリアを見せて貰おう。」

オワイラン「ええ、判りました。」

それゆえに三杉はブロックとクリアという、ゴール前での強さを披露して貰う事にする。
そしてオワイランは要求に対し、反論なく素直に応えるのだった。

三杉「では僕は仮想敵を想定し、抜きながらドリブルで上がっていく事にしよう。
    そしてベストなシュートコースに入ったらミドルシュートを放つ。
    君はそのシュートをブロックする努力をしてくれ。」

オワイラン「ええ。」

三杉「……………それじゃ、行くよ。」

三杉は暗に挑発のような物言いをしたつもりだった。
それでもオワイランからは予想した反応が見られなかった。
何か言おうかと一瞬迷ったが、今は先にやる事を一通りやろうと思い直す。
そして三杉はセンターサークルから、斜めに切るようにドリブルを開始した。


777 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 14:04:32 ID:???

先着2名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★三杉 ドライブシュート(! card)73+(! dice + ! dice)=★
 ★オワイラン ブロック(! card)64+(! dice + ! dice)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【シュート】−【クリアorブロックMax】
≧6 → シュートは邪魔される事なく放たれた。
=5〜1 → シュートは放たれた。だが有効ブロック分だけ威力減少。(1の場合-2、他は-1)
=0〜-1 → 辛うじてシュートコースを逸らされた。
≦-2 → シュートを阻止された。

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
ドライブシュートは吹飛係数4を有す。
オワイランのマークがダイヤで「ハイボレーブロック(+4)」、ハートで「ダイビングブロック(+4)」が発動。


778 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 14:14:10 ID:???
★三杉 ドライブシュート( ダイヤ8 )73+( 22 )=★


779 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 14:16:15 ID:???
数値は低いしボーナスチャンスかな

780 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 14:21:57 ID:???
 ★オワイラン ブロック( ハート6 )64+( 14 )=★

781 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 16:38:07 ID:???

 三杉 ドライブシュート( ダイヤ8 )73+( 2 + 2 )=77
 オワイラン ブロック( ハート6 )64+( 1 + 4 )+(ハイボレー+4)=73 ※吹飛
【シュート】−【クリアorブロックMax】=4 → 有効ブロック分だけ威力減少。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ドガアァァァァァァッ!!!

オワイラン「わあぁぁぁぁぁぁっ!!」

ドリブルで切り込んでのドライブシュートであった。
流れの中でのポジショニングを見ておきたい意図で、敢えてFKではない形で臨んだが…
結果は見ての通り、オワイランの小柄な身体を吹き飛ばしてゴールネットへボールが突き刺さった。

オワイラン「あ痛たた……」

三杉(これは明快だ、僕がシュートを撃つまでのポジショニングが悪い。
    けれど撃った後の反応は不思議と早かったな…跳び込みにも迷いがなかったし。
    うーむ………評価が難しい素材…かなぁ………)

先程のタックルの時も思ったが、このオワイランは悪い部分と評価出来る部分を両方持っているようなのだ。
悪い部分を改善できれば、それは戦力として十分期待出来そうだと言えるが…
問題は、この悪い部分と言うのがサッカー選手にとっての基礎に相当する事である。

まともな指導を受けていれば、当然出来る様な事がオワイランは出来ていない。
基礎をまともに埋めもせず、工夫や反射だけで好き勝手にこなそうとする選手……
コーチも監督も好まないタイプだろうし、三杉自身も決して良い印象を持てない。
薄々とそんな風に思い始めてしまっていた。


782 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 16:39:25 ID:???

オワイラン「今のシュートも凄かったですね!」

三杉「わっ!? えっ、あっ、ああ……」

オワイラン「あんなシュートは映像でしか見た事がなかったので感動しました。」

三杉「そうかい?」

オワイラン「ええ、凄いです。 出来ればもう一度受けてみたい所ですけど…次はクリアなんですよね?」

三杉「ああ、その通りだよ。 …少し待っててくれ、クロスボールを上げてくれる人を呼んでくるから。」

そう告げて、三杉はオフィスへ連絡を入れに行く。
連絡は問題なく繋がり、やがて練習生が一人グラウンドへ寄越されて来た。

練習生「ゴール前にクロスを上げれば良いんですね? 高低はどちらが良いですか?」

三杉「君の得意な方で頼むよ。 咄嗟のコース判断も試したいから、僕達は直前まで知らない方が良い。」

オワイラン「ですね。」

練習生「判りましたー。 それじゃ、お二人がポジションに就いたら直ぐに上げます。」

こんな感じで段取りを済ませ、三杉らはゴール前に就いた。
二人は多少の距離を空け、練習生が助走を始めるのを待つ。


783 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 16:41:21 ID:???

練習生(よし、じゃあいくぞっ!) ダァッ


先着3名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★クロスボールの高低 → ! card (ダイヤ・ハート→高い浮き球/スペード・クラブ→低い浮き球)
 ★  三杉 高/低トラップ(! card)67/66 +(! dice + ! dice)=★
 ★オワイラン 高/低クリア(! card)65/65 +(! dice + ! dice)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【攻撃Max】−【守備Max】
≧2 → トラップ成功!
=1〜-1 → 競り合いの結果、ボールがこぼれた!
≦-2 → オワイランがクリアした!

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
高い浮き球の場合、オワイランのクリアはダイヤかハートで「オーバーヘッドクリア(+1)」に変化。

今回の勝負でオワイラン≠ェ勝利した場合はボーナス。
覚醒についてはオワイランのみ♀ョ全敗北でも覚醒します。

784 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 16:42:31 ID:???
ははあ。
オワイラン、マトモなコーチの指導を受けてないのか?

 ★クロスボールの高低 → クラブ10 (ダイヤ・ハート→高い浮き球/スペード・クラブ→低い浮き球)

785 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 16:43:36 ID:???
 ★  三杉 高/低トラップ( ハート8 )67/66 +( 65 )=★

786 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 16:49:11 ID:???
★オワイラン 高/低クリア( ダイヤ7 )65/65 +( 14 )=★

787 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 16:50:26 ID:???
オライワンが勝てる可能性のある勝負に限って本気を出す三杉さん

788 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 16:50:44 ID:???
この三杉淳容赦せん!

789 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 17:28:32 ID:???
もしセンタリング判定でJOKER出てたら
練習生が名有り選手になっていただろうか?

790 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 18:20:05 ID:???

   クロスボールの高低 → クラブ10 (低い浮き球)
   三杉 低トラップ( ハート8 )66 +( 6 + 5 )=77
 オワイラン 低クリア( ダイヤ7 )65 +( 1 + 4 )=70
【攻撃Max】−【守備Max】≧2 → トラップ成功!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シュルルルルル…

三杉(低い!) バッ

オワイラン(ボール…!) バッ

出されたクロスボールに反応し、両者が動き出す。
ただこれも三杉の方がたっぷり1秒は判断が早く、その差は大きかった。
ベストポジションへ先に走り込み、競ろうとするオワイランをスルリとかわして…

トンッ……

何事もない、ノーマークだったかのように、三杉は易々とトラップして見せた。
クロスボールをトラップするプレイを、三杉はイタリアの地でほとんどやって来ていない。
それゆえに今回は、自分のプレイの質も悪いかと思っていたのだが…

三杉(…っと、いけない。 滅多にない場面だからって、プレイに全神経を集中させてしまった…。
    彼の能力を量らなければいけない場面なのに、今のは良くなかったな。)

オワイラン「くっ…!」

動作の質にはそこまで差があったわけではない。
単純に、ここ一番の集中力の差が出てしまった形。
そのせいか、今回の結果にはオワイランから悔しそうな声が漏れていた。


791 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 18:21:56 ID:???

《マーク・オワイラン》
 ド    パ   シ   タ  カ    ブ    ト   ク    競   合計   高/低  LV
??  ??  ??  63  ??  64  ??  ??  ??  ???  2/2 34

ショーテルタックル(1/2でタックル+2)
ハイボレーブロックタックル(1/4でブロック+4)100消費
ダイビングブロック(1/4でブロック+4)150消費
オーバーヘッドクリア(1/2で高クリア+1)80消費
その他…?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「取り敢えずこんな所か。」

幾らかは推量出来たマーク・オワイランの実力をまとめる三杉。
DFとしては、プリマヴェーラで並レベルと言っていたトレイゼの言葉通りであった。
少なくとも中山の穴を直ぐにでも埋められる選手かと言えば……それは間違いなく『No』だろう。

しかしこれまたトレイゼが言っていた事だが、ジョアンが頻りに目を鋭くしていたという話の通り・・・
三杉の目から見ても、決して見る所のない選手ではなかった。
いや、むしろ見る所がありすぎた。 良い所も悪い所も。

三杉(さて・・・トレイゼさんは僕達のチームに彼を回してくれても良いと言ったが・・・)


792 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 18:22:58 ID:???

A 「それじゃ、君には僕らのチームに入っても貰う。 トレイゼさんには僕が話しておくから。」
B 「・・・・・・・・・済まないが、僕らのチームでやるには君じゃ力不足過ぎる。」
C 「ところで『凄い凄い』と頻りに言っていたが、悔しくはないのか?」
D 「ちょっと聞きたいんだけど、以前はどんなチームに所属していたんだい?」
E 「好きなモビルスーツとスタンド、それから念能力を教えて貰おうか。」
F 「僕は決して忘れない。 そして、決して忘れさせないよ・・・この日のことを!!
    フッ、フフッ、フハハハハハハ!!」」
G そ の 他

『3』票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


793 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 18:31:35 ID:n0Ru6r/o


794 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 18:34:28 ID:kS+x2/EM


795 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 18:41:37 ID:TTBnXs8s


796 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 18:41:53 ID:???


797 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/22(火) 22:40:13 ID:???
身内が救急で運ばれたけれど大丈夫でした。
本日は更新を終了します。

798 :森崎名無しさん:2011/11/22(火) 22:42:29 ID:???
お忙しい中更新お疲れ様でした。

799 :森崎名無しさん:2011/11/23(水) 21:13:46 ID:???
乙です。
どこも大変だなあ

800 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/24(木) 11:30:51 ID:???
>>798 いえいえ、連絡を受けた直後から更新ぶん投げちゃいました。すみません。
>>799 乙感謝です、事件は突然起こる物なんですよね。

松山さんの御家族も早く全快なされば良いのですが・・・そうなるようお祈り致します。
=============================================

> D 「ちょっと聞きたいんだけど、以前はどんなチームに所属していたんだい?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「オワイラン、ちょっと聞きたいんだが……以前はどんなチームに所属していたんだい?」

オワイラン「どんなチーム…と言うと?」

三杉「所属していたチームの名前さ。 イタリア以外の国のクラブチーム、例えばバルサに所属していたとか…
    地元の何処其処のクラブチームに所属していたとか、はたまたハイスクールのクラブ活動だったとか…。」

オワイラン「ああ、そういう事ですね。 それだったら、マグアナックの皆と一緒にやっていました。」

三杉「マグアナックと言うと…名前は知らないが、地元のクラブチームという事かな?」

オワイラン「いえ…えーと、オワイランの家が雇っているSP達の事なんです。
       彼らがプライベートの時間にサッカーを嗜むので、それに混ぜて貰っていました。」

三杉「…………えっ…? あっ…も、もしかしてクラブチームに所属した事はないって事…?」

頷くオワイランに、三杉は呆れを通り越すほどの驚きを覚えていた。
ふざけるなと言いたくなる経歴なのだが、それにしては上手すぎる。
趣味で片手間にサッカーを嗜んできたのだとしたら、驚異的と言っても良いだろう。
納得のいかない三杉は、オワイランに更なる説明を求めていた。
それに対する回答は概ね以下の通りである。


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