キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】

1 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/09/29(木) 19:43:51 ID:L+HomlPU


この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のスピンアウトであり…
  とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。




…エッチなのはいけないと思います!




382 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 18:46:34 ID:???

> C フランスのFFFは若手育成機関を設立しました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「いえ勝てなくなります、今の協会と片桐さんの見据える全日本ユースでは必ず。
    その証拠にフィオレンティーナはパルマを破りましたし・・・
    ええと・・・ええと、そしてフランスのFFFは若手育成機関を設立しました。」

片桐「若手育成機関・・・?」

そう言って片桐は口許に手を当て、頭を悩ませている素振りを見せた。
彼が反芻したのは三杉の言葉の一番末端に来た単語であった。

片桐「確かに日本では、若手育成については余りに遅れている。
    嫁売や日惨などはユースチームを持っているが、そんな大企業の例は稀だ・・・。」

三杉「一方フランスでは国を挙げて、プロの登竜門となる国立サッカー学院を設立しました。
    アフリカ系の帰化2世となる選手も、これによって更に増えてくるでしょう。
    フランス国際で感じたようなチーム総合力の物足りなさは、近い将来忘れ去られるでしょう。」


383 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 18:48:40 ID:???

片桐「ふむ・・・フランスが強化される基盤は解った。 日本にそれが無い事も明白だ。
    だがその差が目に見えてくるのは、少なくとも5、6年は先に思えるな・・・。」

三杉「・・・と言うと?」

片桐「恐らくフランスとしては、自国開催となる1998年のW杯に照準を合わせた強化計画だろう。
    確かにそれ自体は脅威であり、今のトップ・ユースについても強化が施されるのは想像がつく・・・
    だがその話とお前達が3、4年後に勝てなくなるのと、どのような理屈で繋がる?
    フランスが強くなる事と、お前達が勝てなくなる事は似て非なる次元の話であるし、
    世代交代の事を言いたいとしても・・・流石に早過ぎて現実味が無く思える。」

三杉「ええ、勿論そうですね。(あれ?)」

片桐「それに、日本にとって若手育成はまさにこれからの分野だ。
    プロリーグが成功してサッカー人気が安定し、プレイ人口が増加する事。
    同時にプロチーム、プロを目指すチームが増え、ユースを持つチームも増えるという事。
    先ずこれが成り立つのが前提であり、順序として正道だと私は思うが。」

三杉「そうですね、野球ばかりに持って行かれていた才能が、サッカーに流れ込んでくること。
    それだけで日本サッカーの水準は今よりも大きく上昇するでしょう。」


384 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 18:49:56 ID:???

片桐「うむ、だが協会の姿勢としては若手育成を奨励し、ユースチーム設立を補助していくべきだな。
    その事については追って上層部に提案するとしよう。 有意な意見に感謝する。
    それは良いが・・・やはりお前達が勝てなくなるという予測とは、あまり結びつく気がしないが?」

三杉「ええ、話はここからですよ。(はっはっは、僕とした事がちょっと間違えたな。)」

三杉が持つ既存の情報量は大した物であったが、この日新たに入ってきた情報量も桁違いに多かった。
彼の中において、フィオレンティーナで闘う事を決めた理由は既に完成しているが・・・。
しかしそれを他者に説明する為の適切な例示を、この膨大な量の情報からピックアップするのは、
それでも困難な作業に違いなかった。 だからちょっと間違えても止む無しなのだよ。
・・・三杉は改めて考えを纏め直し、今度こそ前後が繋がるような話の進め方を心がけるのだった。

※片桐の以降の判定が少し不利になります。


*******

一旦ここまでです。

385 :森崎名無しさん:2011/10/24(月) 18:56:22 ID:???
2011年現在
野球もサッカーも国内リーグが死に掛かっている模様
なんでや……

386 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 19:09:27 ID:???
次の分岐までの内容を今から書く前に独り言。

松山がマモノの罠を最低限の被害で済ませられて本当に良かったです、ホッとしますた。
しかし射命丸の描写が実に良かったですね。
口で酸っぱく言って終わらせておきながら、戻ってきて個人的にビンタし直す所とか・・・
ああいうズルイ感じの子が微妙な部分で女の子をしてると魅力的に思えてしまいます。
東方メインを書く事が(ないですけど)あったらヒロインは射命丸にしたいなと思ってしまいました。

・・・え?変?


387 :森崎名無しさん:2011/10/24(月) 19:11:13 ID:???
わかるわかる変じゃない

388 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 20:51:46 ID:???

>>385
一体どうしてこうなったのでしょうか・・・?

>>387
同意いただけて嬉しいですw
=============================================

三杉「僕達フィオレンティーナは、先の大会でパルマを破りました。
    そしてセリエAトップにおいて、ナポリはもはやミランに勝てていません。」

片桐「ふむ・・今度こそ、その両者は日本が勝てなくなるという予想に繋がるのか?」

三杉「はい。 そしてそれは僕の最も訴えたい事、そして僕が全日本召集を拒否した理由でもあります。」

片桐「ほう・・・・・・では聞かせて貰うとしようか。」

そう言って片桐は姿勢を正し、腕を組んで三杉の方を見据えた。
自分に対して『サッカーを見る目がない』とまで言った三杉の訴え・・・
それが如何なる物か、シッカリと見定めようという姿勢になったのだ。
これに対し三杉は一つ深呼吸し、そしてハッキリとした口調を紡ぎ始めた。


389 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 20:53:19 ID:???

三杉「先の大会・・・決勝戦を観てらしたそうですが、マルコ・クオーレについては覚えていますか?」

片桐「クオーレ? ああ勿論だとも、あのファンタジスタの少年を覚えていない筈が無い。」

当然ながら片桐はその少年の事を覚えていた。
後半から登場し、脅威的なプレイを連発した小柄の少年・・・
試合その物を自分のステージにしてしまったかのような存在感は、ファンタジスタ以外に有り得なかった。

三杉「彼は脅威でした・・・予想できない、計算では量る事の出来ないプレイは片桐さんの記憶にも新しいでしょう。
    しかし僕達フィオレンティーナはパルマに勝ちました。
    ファンタジスタを擁する・・・加えていえばシューマッハのような守護神も擁するチームに。」

片桐「うむ、素晴らしい成果だったと私も評価している。」

三杉「・・・・・・僕達はチームの力でファンタジスタを破り、一つの証明をしたつもりです。
    つまり『ファンタジスタは既に勝利の象徴ではない』という事の証明です。」

片桐「むっ・・・何が言いたい?」


390 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 20:54:22 ID:???

三杉「聡明な片桐さんならもうピンと来ている筈ですよ。
    翼くんをチームの中心に置き、森崎がゴールを守っても・・・それだけでサッカーは勝てない。
    もっと言えば翼くんと森崎だけが強くても、それはチームが強いのと同義(イコール)ではない。
    ・・・これが僕の主張の柱です。」

片桐「ふむ・・・・・・だが、お前がパルマに勝利した例がそれを証明した事になるのか?
    確かにお前達は見事にパルマを破った・・・逆転を許した後の展開は私を魅入らせたよ。」

三杉「・・・・・・」

片桐「しかしクオーレが出場したのは後半から・・・しかも彼は本来まだJrユースに位置する少年だ。
    なのに、後半だけであれだけの存在感・・・輝きを放ってみせたのだ。
    ・・・私にはファンタジスタの偉大さを見せ付けられたようにしか思えなかったが?」

尤もな指摘、それでいて三杉の主張にとっては針のように痛い指摘を片桐は返してきた。
確かに彼の言う通り、クオーレがプレイしたのは後半のみである。
そしてクオーレは年齢的にはプリマヴェーラよりも下のクラスに分類される・・・
その彼に勝った事を主張した所で、ファンタジスタの信仰を揺るがす事は難しいだろう。


391 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 20:56:15 ID:???

片桐「100歩譲ってクオーレと翼が互角だったとしよう、後半だけのプレイなのも一旦目を瞑る。
    だがお前達フィオレンティーナが勝利したという一例だけで、一体どれだけの事が証明される?
    勝負には当然あやがある。 お前達の勝利をマグレだなどと言うつもりは無いが、
    お前達だってパルマに対して100戦して100勝する自信があるわけではなかろう?」

更に片桐は指摘を続けてきた。
たった一試合の結果で主張する事は暴論に等しいと言っているのである。
三杉はこのような反論が返ってくる事を・・・・・・予想出来ていた。
故にこそ、先程間違えてフランスの話題を出した時に、この話を無理矢理引っ張り出す事を止めたのだ。
物事を主張する時には十分なデータ点数が必要だと、三杉はちゃんと解っていたのだ。

三杉「御指摘の通り・・・。 しかし今度は、セリエAのトップの話・・・
    ナポリがミランに対して勝てなくなった事を考えてみて下さい。」

片桐「なにっ・・・?」

三杉「知らない筈がありませんよね、ナポリに在籍していた最強のファンタジスタ、マラドーナ。」

片桐「勿論だ、彼のお陰でナポリは初めてセリエAでスクデットを獲得する栄誉を得た。
    それまでセリエAとBを行き来する程度のチームだったナポリがな。」


392 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 21:07:04 ID:???

三杉「ええ・・・しかしそのナポリが、ある時期を境にミランに勝てなくなりました。
    そう、戦術家アリーゴ・サッキ氏がゾーンプレスを誕生させてからです!」

片桐「なっ・・・!」

三杉「マラドーナを止められる選手はセリエAの中に誰一人居ませんでした、それは確かです。
    しかしミランの監督となったサッキ氏は、チームの力で彼を止める方法を考え・・・
    そして見事に実践してみせました。 それが日本で云われているゾーンプレスという戦術です。
    その効果はナポリとミランの戦績から否応なく伝わってくる筈です。」

片桐「・・・!!」

口を真一文字にして絶句する片桐。
今度は一点データではない、裏付けされたものがシッカリとある。
故にこそ三杉は改めて主張する。

三杉「サッキ氏の考案した戦術の完成により、欧州のトップでは戦術の発展が急激に進みつつあります。
    つまり『ファンタジスタはもはや勝利の象徴ではない』、ファンタジスタの時代は終焉に
    向かっていると僕は・・・いや、僕が言わずとも世界がそれを示しています!」

片桐「むぅっ、それは・・・」


393 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 21:10:27 ID:???

三杉「プロジェクト・カウンターウイングの事と合わせても、貴方・・・いや日本サッカー協会が
    想定する全日本というチームの形は容易に想像が出来ます。
    貴方の見据えるチームのイメージが協会とは違うのではないかと・・・
    或いはパルマ戦を観て、貴方が固めていたイメージに変化をもたらせたのではないかと期待しましたが・・・
    だが貴方は先程僕に言いました・・・『翼くんの後ろのスペースを任せられる』と。」

片桐「・・・・・・」

三杉「その一言で、日本の戦術が『大空翼』以外に無いと改めて確信しました。
    しかし一人の絶対的な個に頼るだけの物を・・・戦術とは言いません。
    そしてそれがトップの世界で通用しなくなる未来は、たった今述べた通りです。」

片桐「なるほど・・・」


先着で
 ★ジャパニーズゾーンプレスとは何だったのか→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 「だが日本にサッキのような戦術家は居ないっ・・・!」
《ハート》 「なるほど、お前の言葉通りならば日本は・・・」
《スペード》 「だがしかし、今の日本に翼を頼る以外の選択肢があるのか!?」
《クラブ》 「だ、だが日本には森崎という守護神も居る!」
《クラブA》 ???
《JOKER》 「なるほど、お前のやりたい事が全て判ったぞ。」


394 :森崎名無しさん:2011/10/24(月) 21:10:50 ID:???
 ★ジャパニーズゾーンプレスとは何だったのか→ クラブ7

395 :森崎名無しさん:2011/10/24(月) 21:11:15 ID:???
もうだめだー

396 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/24(月) 21:11:43 ID:???
サッカーを見る目に関しては安定の節穴さん。
それでは次回もまた宜しくお願い致します。

397 :森崎名無しさん:2011/10/24(月) 21:18:38 ID:???
改革は一日にしてならず乙でしたー

398 :森崎名無しさん:2011/10/25(火) 01:15:40 ID:???
乙です。

……本当に、日本のシュスターになりそうな悪寒、満々ですねぇ………。
三杉がPMとして引っ張れたら楽しいんですが、それはまたゲームの楽しみが違うほうに行きますね。
何はともあれ、展開を楽しみにしています。

399 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 18:04:58 ID:???

>>395
いえいえ、状況は悪くなっていませんよ。
三杉が最初に覚悟した最低の状況が維持されただけです。
これ以上悪くなる事なんて最初からなかったんや!

>>397
言葉で改革を為すなど、所詮は夢幻という事ですね。

>>398
乙感謝です。
三杉は急いでいますが、決して急ぎすぎてるとは言えませんし
何より日本サッカーにまだ絶望しちゃいませんからね。
きっと当時の送れたサッカーファンの心にサイコフレームの光を見せると信じてあげましょう。
・・・私は自分に言い聞かせていますw


400 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 18:05:58 ID:???

> ジャパニーズゾーンプレスとは何だったのか→ クラブ7
> 《クラブ》 「だ、だが日本には森崎という守護神も居る!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「・・・その一言で、日本の戦術は『大空翼』以外が考えられていないと改めて確信しました。
    しかし一人の絶対的な個に頼るだけの物を、戦術とは言いません。
    そしてそれがトップの世界で通用しなくなる未来は、たった今述べた通りです。」

片桐「だ、だが日本には森崎という守護神も居る!」

三杉「・・・!!」

そう強い口調で返され、三杉は今の興奮が急速に冷めていくのを感じた。
片桐が口にしたのは根拠もない、努力もない、思考を放棄した縋るような類の物であった。
それは“ファンタジスタと守護神”信仰その物の姿であると三杉には思えた。

三杉(落胆・・・は、思った以上に出て来ないな。
    ・・・最初に思っていた、元の状況の儘だからだろうか。)


401 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 18:07:36 ID:???

“プロジェクト・カウンターウイング”という言葉を聞いた時に、想像がついていた事だった。
日本サッカー協会の人間が目指そうとしているチームの在り方と・・・
そして急進化を遂げ始めている戦術の発展を、彼らが知らない事を。

リヌル・ミケルスのトータルフットボールはどのチームにも真似が出来なかった。
しかしアリーゴ・サッキのファンタジスタ殺しは決して模倣が不可能ではない。
だからこそ世界の戦術潮流は、今大きく動き始めているのだ。
このスタートに乗り遅れれば、その差は埋め難き物となって日本サッカーの未来に立ちはだかるだろう。

三杉(片桐さんだけは、僕の言葉を理解してくれるかも知れないと思ったけど・・・)

抱いた希望は、文字通り彼の希望でしかなかった。
一度強く信じた物を・・・固く凝り固まってしまった観念を打破するのは、言葉では無理であった。
信仰は現実を見えなくさせる、という事を三杉は理解するしかなかった。


402 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 18:09:44 ID:???

三杉が頭に描いている物も、彼の妄想による絵空事・・・信仰に類するのではないかと誰かが言うかも知れない。
しかし三杉は、自分の理論が間違っていると思っていないが、100%正しいとも断ずるつもりはなかった。
それが本当に正しかったかは、後になって評価するしかないと知っているからだ。

その証拠に、ビジネスマンとしての片桐の言には理があると判断しており、
結果としてそれが彼の意思に若干の揺らぎを生じさせている。
自分が頭に描いている計画を実行し、もしもそれが敵わず失敗したならば・・・
自身がやったその行為は、日本サッカーを裏切るだけの結果になるかも知れない、と・・・。

三杉(だからこそ、僕は迷うわけにはいかない。)

これ以上解り合う事は言葉では不可能、後は布告して行動で示す他はない。
三杉はすっかり冷え切った心で決断の火蓋を切った。


403 :コード・ヴィオラ〜反逆の貴公子〜:2011/10/25(火) 18:11:20 ID:???

(BGM:勇侠青春謳 http://www.nicovideo.jp/watch/sm2632457

三杉「片桐さん・・・一つだけ言っておきます。
    もしも全日本ユースが勝ち上がり、Wトーナメントで優勝したとしたら・・・
    以降その戦術は、日本のサッカー界のスタンダードとなってしまうと思います。
    世界を獲った戦術として、創設されるプロリーグでも目指す基準となるでしょう。」

片桐「・・・ふむ、それが?」

三杉「今しがた言った、勝てなくなる戦術が日本の基準となってしまうのは・・・
    日本サッカー発展の阻害以外の何物にもならないと考えます。
    ・・・僕はこの、日本サッカー協会の判断ミスを黙って見過ごすつもりはありません。
    そして言葉で理解して頂けなかった以上、強硬手段で阻止するつもりです。即ち」

片桐「・・・・・・」

三杉「ファンタジスタと守護神を戦術としたナショナルユースが、
    クラブユースのチーム戦術に勝てない事を日本国民に知らしめます。
    勿論Wトーナメントの舞台・・・全日本ユースを破って優勝する事で。」


404 :コード・ヴィオラ〜反逆の貴公子〜:2011/10/25(火) 18:14:24 ID:???

片桐「それは・・・日本の敵に回るという事だな?」

三杉「ええ、これは僕からの宣戦布告です。 ・・・絶対に日本を優勝させません。」

片桐「なるほど、そこまで言い切ったか・・・。
    良かろう、ならばもうお前に召集を頼む事はない。
    私は全力で全日本ユースをバックアップし、Wトーナメントを優勝させるだけだ。」

三杉「はい、望むところです。 強い個の集団である全日本に勝たなければ意味がありませんから。」

片桐も三杉も、そう言い切る事で意思を示した。
2人の話はそれで終わりだった。
両者の道は交じり合う事はなかったのである。
しかしその意思は僅かでも混じり合ったと信じたかった。


405 :コード・ヴィオラ〜反逆の貴公子〜:2011/10/25(火) 18:15:25 ID:???

チームを組んで間もない、寄せ集めであるJカップは例外として・・・
準備期間を置き、ファンタジスタと守護神を加えた全日本ユースが一介のクラブユースに敗れること。
ナショナルチーム>クラブチームという神話が残っていたこの時代、それはこの上ない恥となろう。
協会として、三杉のこの言動を許す事は決して出来ない筈である。

しかし、もしも三杉達に敗れてしまったとしたら・・・
全日本が恥を払拭する術は、三杉達が優勝する事しかなくなる。
その事を片桐が想定するには、まだ幾ばくもの刻を必要としていた。


      いけども けものみち 獅子よ虎よと吠え
         茜射す空の 彼方にまほろば
         勇侠の士となり 戦う青春は
       仄蒼きほどに 愚かなものでしょうか
           父よ 未だ我は
           愛ひとつ護れず
         仮初めのこの世の真はいづこ

******

一旦ここまでです。
名前はイタズラです、さーせん

406 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 18:29:39 ID:???
あ、すみません。人名間違いがありましたので訂正致します。

>>401
×リヌル・ミケルス
○リヌス・ミケルス

407 :森崎名無しさん:2011/10/25(火) 19:35:38 ID:???
乙です
コード・ヴィオラ〜反逆の貴公子〜
この厨ニは良いものだ……

408 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 20:36:24 ID:???

>>407 ふひひ、乙感謝です。 厨ニこそが宇宙の心だったんですね。
=============================================

≪7月下旬某日 イタリア・フィレンツェ≫

三杉淳は再びフィレンツェの地へと戻ってきた。
日本へと戻る時と比較にならない程の強い覇気を備えて。

この先はナショナルチームを相手に見据えなければならず、これまでより激しい戦いになる。
しかも中山という守備の大黒柱が抜け、その穴を埋める選手の当てがあるのかも判らない。
・・・そんなプレッシャーと大会の疲労が重なり、相当にアンニュイになっていた三杉だが・・・
弥生との束の間の安らぎは、その心の疲れを見事に癒していたのである。

三杉(状況は既に定まった。 僕の進路は先の見えない霧に向かっている・・・
    だが、それが何だ? 僕はもう前に進むしかないんだ、壁があるならば乗り越えるのみ。)

置かれた状況を認め、受け止めて・・・
その上でまず歩き出そうという、意思の強さを三杉は完全に取り戻していた。
初めてフィレンツェの地に立ったあの日と同じく、彼の心は再び挑戦者の物となったのである。


409 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 20:37:28 ID:???

だが、懸念がたった一つだけ・・・彼の心を揺るがせ得る小さな黒い穴も、先の紀行で同時に生まれた。
自らの行動が、ともすれば日本サッカーの発展にブレーキをかけるかも知れないという点だ。

つまり協会によるプロリーグ発足とW杯招致、それに勢いをつけるWトーナメント優勝という目論見が
日本サッカーを発展させる度合いを、(戦術が時代を逆行する事を加味しても)仮に60点としよう。

三杉達フィオレンティーナが全日本を倒し、さらに優勝を達成できれば・・・
日本のサッカー人気、期待感を損なう事なく、目指す戦術と理念を世界最先端の物に変えられる。
目指す物が正しければ、指導者や監督も正しく成長する事と期待出来るだろう・・・これが100点となる。

しかし全日本を仮に破ったとして、その後に無様な負けを晒してしまえば・・・
それは全日本の評価も同時に下げる事となってしまう。
日本サッカー黄金世代への期待感は相当に影響力があると考えられ、
それが『大人になったら世界にゃ敵わない』となってしまえば、それはプロリーグのスタート奪取に
陰を落とし・・・ひいては2002年のW杯日本招致の足を引っ張る結果となるかも知れない。
そうなれば、日本サッカー発展の度合いは30点未満にも落ち込む事すら考えられる。

勿論、三杉の計画が100%達成されればその心配は無いのだが・・・
三杉はその100%の結果しか許されないのだと知ってしまった。
今の三杉は強く前を向き覇気の中を歩いている為、この黒い点は心の隅で大人しくしている。
だがこの小さな黒い点が、何かきっかけに肥大化しないとは誰にも言えないだろう。


410 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 20:39:49 ID:???

不意に何処かでサイレンの音が聞こえた。
音は少しだけ近付き、すぐに遠ざかっていった。
もう時間は遅く陽も落ちる準備を始めており、
消え行くサイレンの音と共に少しの物悲しさを表に出していた。

三杉「夕方か・・・相変わらず、この時間のフィレンツェの街並みは綺麗だ。」

心に余裕をすっかり取り戻している三杉は、その寂しさを気に留めず、美しさの方を向いた。
彼はルネサンスの雰囲気を残すこの街並みが大好きであった。
フィオレンティーナというチームの存在だけでなく、この街自体が彼の新たなルーツとなり始めている。

三杉(コーチが指示した休暇は今日で終わり・・・明日からはまた練習の日々が始まるんだな。
    フフ、楽しみだ。 明日からコーチは僕達にどんな技術を伝えてくれるのだろうか?)

オレンジに彩られた石畳を軽快な足取りで歩きながら、明日の練習に胸を湧かせる三杉。
ジョアンと特別契約をしている選手の寮へと歩を進める彼の目の前に・・・


411 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 20:42:18 ID:???

先着で
 ★誰かと会うかな?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。


≪Joker≫ 何やら記憶の端に引っ掛かる人物とすれ違った。
≪K≫ ブンナークとアンザーニ監督の姿をグラウンドで発見
≪Q≫ 頭にターバンを巻いた少年の姿が目に留まった。
≪J≫ レストランの裏口にダラピとレントが居るのを発見。
≪9〜10≫ 何かの店の前でウィンドウを見ているスペルマンを見かけた。
≪5〜8≫ バールから出てきたミュラーが目に入った。
≪1〜4≫ 特に何もなく寮へと帰着完了。
≪クラブA≫ 余所見していたら女の人とぶつかって・・・


412 :森崎名無しさん:2011/10/25(火) 20:42:33 ID:???
 ★誰かと会うかな?→ スペードQ

413 :森崎名無しさん:2011/10/25(火) 20:43:37 ID:???
いきなり砂漠の王子でたああああああああ!!

414 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/25(火) 20:43:49 ID:???
登場早いよアンタ!・・・という所で本日の更新を終了致します。
では次回も宜しくお願い致しますサイナラー。

415 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 00:23:47 ID:???
屍に埋もれた平和を探して乙

416 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/26(水) 20:01:38 ID:???

>>413 自称とか二つ名でなく、ガチ王子なのは彼だけ!
>>415 乙感謝です。 名曲タイトルに懐かしくなったのでニコ動で聴いてきました。 
=============================================

> 誰かと会うかな?→ スペードQ
> ≪Q≫ 頭にターバンを巻いた少年の姿が目に留まった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

選手寮へと歩を進める三杉の視線の先・・・車道を挟んだ向こう側の通りに違和感があった。
風通し良さ気な白装束・カンドーラに身を包み、腰には大きなスカーフを巻いた少年。
頭にはターバンを被り、まるで彼の周囲だけ映画“アラビアのロレンス”の世界になったようだった。

三杉(イタリアの地にアラブの民族衣装・・・?)

フィレンツェの街並みにそぐわない格好だと三杉は思ったが・・・
やがてその違和感は然程でもないように思えてきた。
その白装束はエレガントでスタイリッシュに映り、意外にこのレンガ造りの街と調和しているのである。
ただ、流石に他の通行人の洋服姿が同じ視界に入れば、その風景はケンカしてしまうのは否めなかったが。


417 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/26(水) 20:03:06 ID:???

三杉(まあ・・・観光客といったところか。)

三杉は尤もそうな推測をして、その少年がこの地に居る理由付けをした。
街を歩いていて感じた違和感はこれにて決着、三杉の興味から急激に外れていく・・・
・・・と、その直後にターバンの少年が顔を上げた。


先着で
 ★三杉と相手の視線が一瞬交差し・・・→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

≪ダイヤ≫ ・・・て、相手が立ち止まった。
≪ハート、スペード≫ ・・た瞬間、強い風が吹いた。 
≪クラブ≫ ・・・た。 だけ。
≪Joker≫ ・・・たと思った瞬間、その少年の姿は三杉の視界から消失した。


418 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:03:50 ID:???
★三杉と相手の視線が一瞬交差し・・・→ ダイヤ10

419 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:03:54 ID:???
★三杉と相手の視線が一瞬交差し・・・→ クラブ3

420 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:05:02 ID:???
これが運命の出会いだった

421 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:17:43 ID:???
しかしサウジアラビアの王子って超重要人物だよな…
とおもったら、「王家の血筋を引くオワイラン家」であって、王家そのものではないのか?
まあそれにしたって「サウジアラビアのVIP」って時点で世界を動かせる重要人物だが。

422 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:44:37 ID:???
サウジって一夫多妻制で王子様(男性王族)は千人以上いるんじゃないかな。
勿論ピンキリだろうけど。

王族の総数は一万人超で総数世界最多の王族としてギネスブックに登録されている。

423 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:47:38 ID:???
へー。それを考えるとそうでもないのか?
原作でどんな描写されてるか忘れたが、ピンのほうかキリのほうなのか。

424 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/26(水) 20:50:00 ID:???

> 三杉と相手の視線が一瞬交差し・・・→ ダイヤ10
> ≪ダイヤ≫ ・・・て、相手が立ち止まった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ターバンの少年が顔を上げ、その視線が僅かに三杉の物と交差した。
フィレンツェの街が有するルネサンスの名残を観光に来た、アラブの少年と目が合っただけの事。
一生で二度会う事もない相手だろうと、そんな事すら考えて居なかった三杉。

だが三杉と目が合った直後、その少年は立ち止まっていた。
それだけでなく、こちらの顔をまじまじと見ている様子すらある。

三杉(・・・マズイのに目をつけられてしまったか?)

2年過ごして地元になりつつあるとはいえ、ここは異国の地。
日本とは常識の異なる土地にて、日本人が異邦人から妙な関心を買うとなると・・・
経済的な意味で狙われているという可能性が小さくないであろう。

三杉(・・・なーんてね。)

そんな最悪の想像をすぐに頭から掻き消す三杉。
アラブ系の人間・・・しかも少年で、欧州観光をしているなぞ(一族が)相当裕福である事が容易に想像がつく。
少なくともジプシーのようなスリ、置き引きのような軽犯罪に直結する関心ではないのは明らかだろう。
だが故にこそ、ターバンの少年が何やらこちらに関心を示す理由が想像できなかった。


425 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/26(水) 20:51:54 ID:???

そんな風に三杉が相変わらずの思考の弄びをしていると、なんと相手はこちらに近付いて来た。
夕日のせいで少し陰影がボケているが、どうやら相手の目つきは悪くなく、表情には微笑が湛えられている。
その微笑も犯罪者がするような嫌らしい類ではなく、どこかしら高貴な印象すら受ける物だった。

少年「ラウ サマフトウ。 アイナ マーヘド マクタブ フィオレンティーナ?」

三杉「えっ?」

少年は三杉に話しかけてきていた。
それだけでも驚くべきところだったが、さらに驚いたのは聞いた事もない言語に対してだった。
何を言っているのか、何故話しかけてきたのか不明の、この相手に対して三杉は・・・


A 逃げるんだよぉぉぉぉっ!
B ポカーン・・・と呆けるしかねえだろうがあっ!!
C こ、こんな時はスマイルだ、スマイルしかない!
D オー! イエス、イエース!・・・とか適当に言っておくかっ!
E 三杉淳が命ずる・・・イタリア語か日本語で話せ!・・とか言ってみるかぁっ!
F この顔にピンと来たら110番!泥棒だ!・・・と周囲に助けを求める!
G こいつは俺が裁くっ! 殺られる前に殺るしかねぇっ! 
H そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(ウチじゃ何故かメル欄空白で投票行って外食するんだ!)


426 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:55:18 ID:GcxeG6zA


427 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:56:26 ID:jHa3AIew


428 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 20:57:12 ID:N91o4S3o
C

貴公子度で勝負を挑むっ!

429 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/26(水) 21:01:28 ID:???
郷にイッテてはGoに従えとユー感じなトコデ更新中断ネッ!
コメレスも再会のトキ一辺にやるYo!
ではまたあでうー。

430 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 21:03:12 ID:???
アラビア語なんてさっぱり乙w

431 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 21:07:21 ID:???
オツカレンティーナ!

432 :森崎名無しさん:2011/10/26(水) 21:14:59 ID:???
日本語でおk

433 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 12:12:12 ID:???

>>430 大丈夫、私もサッパリサッパリ!
>>431 オツカンシャっす!
>>432 ブロント語でおk
=============================================

>E 三杉淳が命ずる・・・イタリア語か日本語で話せ!・・とか言ってみるかぁっ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉は相手が何語で話しているのかが判らず、当然内容の方も訳が判らなかった。
ただ、相手の言葉の末端に“フィオレンティーナ”と思しき単語があったのだけは聞き取れており・・・
それ故に『彼は僕がフィオレンティーナの選手と知っていて話しかけたのでは?』という推測が立った。

三杉(どうやら、逃げ出したり叫び声を上げたりする必要は無さそうだが・・・
    それ以上はどう対応していいかサッパリだ。 共通する言語があれば良いのだけど。)

取り敢えず三杉はイタリア語と日本語で、そちらの言葉が判らない旨を返してみた。
すると今度は、相手の少年の方が目をパチクリしているではないか。
どうやらこれは通じていないようである。


434 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 12:13:13 ID:???

少年「ハル タアラフ?」

三杉「(参ったな・・・)ええと・・・英語も少しなら話せますけど・・・。」

少年「えっ? あ、そうか! ごめんなさい、つい普段の癖で。」

相手の少年は、いかにもウッカリしていたという様子で苦笑を見せる。
『イタリア・フィレンツェに来る今の今まで、普段どおりの癖を通せてこれたのだろうか?』
・・・と三杉はちょっぴり(頭が)残念そうな相手の少年に苦笑いを返す。
ともかくこれで意思疎通は何とかなりそうであった。

三杉「良かった、どうやら英語ならお互い判りそうですね。

少年「はい、すみません戸惑わせて。」

三杉「それで、先程は僕に何を聞いて?」

少年「ええ、フィオレンティーナのオフィスが何処にあるのかと窺いました。」

三杉「フィオレンティーナのオフィス・・・?」

『少年が・・・しかも中東の少年が一人で、フィオレンティーナのオフィスに一体何の用があるのだろうか?』
当然三杉はオフィスの所在地を好く知っているが・・・
この何とも得体の知れぬ相手に対して素直に教えて良い物かというと、それは躊躇われた。
厄介な相手に捕まってしまったと、今の状況を呪っていると・・・


435 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 12:14:41 ID:???

???「マーク様ー!」

三杉「ん?」

???「マーク様ー、どちらにおわしますかー!」

マーク「あれはラシードの声・・・」


先着で
 ★マークと呼ばれた少年は→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

≪ダイヤ、Joker≫ マーク「ごめんミスギくん、一緒に隠れて!」
≪ハート、スペード≫ マーク「おおい、こっちだラシードー!」
≪クラブ≫ マーク「ごめんなさい、連れが見つかったので判りそうです。」


436 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 12:17:55 ID:???
★マークと呼ばれた少年は→ クラブK

437 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 12:34:12 ID:???
ラシードの後ろに数十人…ってことは無いかw

438 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 13:02:33 ID:???

すみませんちょっとレスだけ

>>420
あまり運命を感じさせない出会いとなりましたかねー

>>421-423
超VIPなのは疑いようもありませんが、詳しい設定については不明ですよね。
このスレはこのスレで設定しちゃっていいのかなあと考えてます。
王位継承権が何番目の王子なのかって点とかも含めて。
しかし王族の総数は一万人超・・・・・・想像を絶しますね。
あとサウジ金持ち男性の絶倫さも、きっと想像を絶するのでしょう。

>>437
さてさて、それはどうでしょうか?
Jokerだったらそれくらいは普通に考えてましたけどw


439 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 17:04:22 ID:???

> マークと呼ばれた少年は→ クラブK
> ≪クラブ≫ マーク「ごめんなさい、連れが見つかったので判りそうです。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

マーク「ごめんなさい、連れが見つかったのでオフィスの場所は判りそうです。」

三杉「えっ? ああ・・・。」

そう言ってターバンの少年がニッコリと笑うのを、三杉は呆けて見ていた。
マーク“様”と呼ばれていた事から、取り敢えず目の前の彼は裕福層の人間である事は間違いなさそうだ。
それ以外の事・・・彼がフィオレンティーナ・オフィスに何の用があるのか等は判らないが、
どうやら自分の協力は必要なくなったようである。

三杉「まあ・・・それじゃ、気をつけて。」

マーク「ええ、どうもありがとう。」

三杉は踵を返し、寮のある方へと歩き出した。
現実感のない、おかしな時間だったと軽く溜め息をつきながら。
そんな三杉の後ろ姿を、白装束の少年・・・オワイランは見送っていた。
そして三杉と入れ替わるようにして、髭を蓄えた壮年の男がオワイランの側まで走り寄った。

ラシード「こちらでしたか、心配しましたよマーク様。」


440 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 17:06:04 ID:???

オワイラン「やあすまないラシード、探させてしまったようだね。」

ラシード「いいえ・・・それよりも誰かと一緒でしたか?」

オワイラン「うん、多分ACFフィオレンティーナの関係者とね。」

ラシード「多分? ・・・ふむ、また例の直感ですか。」

オワイラン「そんなところさ。」

肯定し、オワイランは従者(と言うボディガードにしか見えない)に向けてニコリと微笑んだ。
ラシードは普段ならこの少年の微笑みに非常に弱いが、今回は敢えて厳しい顔を崩さずにいた。

ラシード「マーク様の直感は下手な占いよりも余程信頼出来ますが・・・それでも警戒が甘うございますぞ。
      ここはサウジアラビアと違い、常に部下達が目を光らせている訳ではない事を忘れないで下さい。」

オワイラン「うんごめん、気をつけるよ。」

従者の陳言に対し、高圧になる事のない素直な返事をオワイランは返していた。
しかしラシードには、この言葉が半分以上当てにならないのが判っている。
言った所でこの少年は、その好奇心と社交性に任せて飛び出して行ってしまう質であるから。


441 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 17:07:04 ID:???

ラシード「(純粋・・・故に危なっかしい御方だ。 これだから放っておけないのだがな。)
      そう言えば・・・関係者と一緒だったという事は、例のオフィスの場所は判ったんですね。」

オワイラン「いや? ラシードが調べて来てくれたんだろう?」

ラシード「いえ・・・自慢ではありませんが道に迷っていただけですぞ、ガッハッハ。」

オワイラン「な、なんだってー!? そ、それは弱ったなあ・・・。」

ラシード「それこそマーク様の直感で判れば良いのですがね。」

オワイラン「無茶を言わないでくれ・・・そうでなくても僕は極度の方向音痴なのに。」

ラシード「それなのに砂漠では絶対迷わない所が、人として決定的に間違っていますな。」

オワイラン「まあ・・・おかしいよねえ。 フフッ。」

何やら結局困った状況が変わらない2人は、互いに苦笑を交わし合った。
フィオレンティーナのオフィスなど、その辺の誰に聞いても判る事に気付くのはもう少し後になりそうだ。


******

一旦ここまでっす

442 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 18:24:09 ID:???

謎のターバン少年と別れた三杉は、その後15分ほどユックリと歩いて寮の前に到着した。
そこで彼は、今日何度目かになる違和感をもう一度味わう事になった。

三杉(おや・・・こんな時間なのに、どの部屋からも明かりが射していない・・・)

もう陽は落ち、辺りは随分と暗くなっている。
・・・にも関わらず、部屋の窓どころか寮の入口の玄関灯すら燈っていない。
皆ぞろ外食にでも行ったのかと一瞬考えたが、しかし玄関口まで暗い道理はない。
これは流石に不自然ではないかと、三杉に何とも言えぬ嫌な予感を抱かせる。

三杉(どうしよう・・・)


A こうして居ても仕方がない、中に入ろう。
B いや・・・何かおかしい。 ここはオフィスに向かってみよう。
C 何か他に普段と違ったところがないか、周囲を観察してみよう。
D 待てよ・・・そうだ、これはドッキリに違いない。 引っ掛かったフリをしてやるのも一興だ。
E そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(フラインゲットー僕は一足先に、メル欄空白にして投票するんだ♪)


443 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 18:25:13 ID:yruSHBvk
C

逆襲のブンブンという可能性もあるが…w

444 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 18:27:39 ID:5ou+wy1+


445 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 18:47:37 ID:1m9oy7bg


446 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 19:40:08 ID:???

>>443 そんな事もありましたよね。よりにもよって決勝戦の朝に。
=============================================

> C 何か他に普段と違ったところがないか、周囲を観察してみよう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「何か事件の予感がする・・・そしてこんな時は慌ててはいけない、迂闊でもいけない。
    まずは落ち着いて周囲を観察するべきだってレイトン教授も言っていた筈だ。」(※言ってません)

そうと決めると三杉は摺り足で寮の敷地内へと侵入した。
暗くなったのに玄関の灯りすらない以外に、普段と違う所がないかを探し始める。


先着で
 ★名探偵ジュン→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

≪Joker≫ 玄関扉の隙間に紙が挟んであるのを発見した。
≪クラブ≫ 石段の下に紙切れが落ちているのを発見した。(GAME OVER)
≪クラブA≫ 石段の下に紙切れが落ちているのを発見した。(続行)
≪それ以外≫ 特におかしなところはなかった。


447 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 19:40:42 ID:???
 ★名探偵ジュン→ ダイヤK

448 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 19:44:46 ID:???
何て無駄なダイヤKだw

449 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 20:00:50 ID:???

>>447
清々しいほどに無駄なダイヤK・・・。
どうやら菱野さんは三杉に祝福を与える気は微塵もないようですね。(※いやその考えはおかしい)
=============================================

> 名探偵ジュン→ ダイヤK
> ≪それ以外≫ 特におかしなところはなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・・・だが、しかし別段変わった所はなかった。
何処かの窓が割れていたり、壁や柱に新しい傷や凹みがあるわけでもなく・・・
庭の芝もフィレンツェの朝に見たのと同じ、荒れた様子も何かを引き摺った様子もない。
そしてそれを調べている間、寮の中の灯りは一つも燈る事が無かった。

三杉(ふむ、何もないな・・・。 本当に皆して外に出ているだけなのかな?)

もし早い時間に出ていたならば、玄関灯が点いていないのも理解出来る。
では何処に行ったのか・・・と考えても、ピンと来るところが無いので状況は変わらない訳だが。

三杉(仕方ない・・・これ以上は無駄だ、中に入ろう。)

身体の疲労が溜まっている三杉は、段々と考えるのが面倒くさくなってくる・・・。
これ以上ウダウダとしていても仕方ないと腹を括り、玄関の扉を開けたのだった。


450 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 20:02:31 ID:???

『ただいま。』と・・・三杉は入るなり寮の中に声を響かせるが、静寂は変わる事がない。
本当に無人の館に入り込んだような気分になり、背筋に寒気が走り始める・・・


  ジリリリリリリリリン!  ジリリリリリリリリン!  ジリリリリリリリリン!

三杉「うっ・・・!!」 ビクッ

その時、突如としてベルの音が鳴り出した。
寮の食堂に設置されている、古い型の電話が呼び出されているのだ。
不意を突かれた三杉は思わず肩を震わせて声を上げてしまったが・・・


A 急いで電話に出る。
B 電話にでんわ。 自室に戻って引き篭もる。

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白でなければ今夜12時だれかがしぬ)


451 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 20:03:05 ID:yruSHBvk
A

452 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 20:06:04 ID:1m9oy7bg


453 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 20:06:12 ID:HMayi9QM


454 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 20:28:04 ID:???

> A 急いで電話に出る。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

不意を突かれた三杉は思わず肩を震わせて声を上げてしまったが・・・すぐに気を取り直して食堂へと急いだ。
少々嫌な空気が続き疑いが先走りやすくなっていたが、まあ現実に怪奇現象や猟奇現象はそう起こらない。

ガチャリッ

三杉「はい、フィオレンティーナ選手寮Bですが・・・」

マルコ「帰って来たんだね、三杉!」

電話の先から聞こえてきたのはチームメイト・・・マルコ・オジオの声であった。
その息継ぎは荒く、声もかなり震えている様子から『ただ事ではない』と直感する。

三杉「マルコ、どうしたんだい? 何があった?」

マルコ「中央病院に・・・早く、中央病院に急いで!」

三杉「病院!? 分かった、今から行くが、誰か怪我でも!?」


455 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/27(木) 20:30:33 ID:???

これから激しくなるだろう戦いを前に、チームメイトが大怪我をしたのではないかと・・・
瞬間的に嫌な想像を膨らませる三杉。
フィオレンティーナの選手達に替えが利く選手など居はしない為、不安は急激に膨らんでくが・・・。
それに対するマルコの返答、もっと悲惨で絶望的な現実を教えていた。

マルコ「監督が、アンザーニ監督が倒れたんだよ! 助からないかも知れないって・・・!」

三杉「なっ・・・!!」 ガタッ!

三杉はマルコの言葉を聞いて、思わず受話器を取り落としてしまった。
続いて身体の芯から震えが走るのを止められなかったが・・・
それを無視し、何もかも考える事をやめて駆け出した。 駆けるしかなかった。

三杉の道に立ち込める暗雲・・・これがその最初の兆しだったのかも知れない。


********

本日の更新はここまでとなります。
次回もどうぞ宜しくお願い致しますぬぇ。

456 :森崎名無しさん:2011/10/27(木) 20:33:27 ID:???
来るべき時が来たかー
暫く三杉が兼任監督かな?

457 :森崎名無しさん:2011/10/28(金) 08:33:48 ID:???
まだだまだわからんよ…

458 :森崎名無しさん:2011/10/28(金) 08:53:24 ID:???
暫くではなくずっと…かも知れんしね

459 :森崎名無しさん:2011/10/28(金) 09:00:35 ID:???
>>457-458
やーめーてーくーれー

460 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/28(金) 18:17:54 ID:???
インフル予防接種を受けたんで体調劇悪ですこんばんは。
本日は更新を休ませて頂きたいと思います。
そして週末の更新確率については相変わらずの予定です。

461 :森崎名無しさん:2011/10/28(金) 19:17:20 ID:???
お大事にー

462 :森崎名無しさん:2011/10/28(金) 22:31:30 ID:???
お大事にです
嫁に看病してもらってゆっくりお休みください

463 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 19:33:31 ID:???

>>456
皆さんが予想していた通りのアンザーニ監督が倒れるイベントです。
数日後と言われていたテストマッチは監督抜きなのは確定的に明らか。

>>457-459
アンザーニのリタイヤ期間については今ネタバレするつもりはありません。
今後の展開をお待ち下さい。

>>461-462
どうもありがとうございました。
お陰で翌日には元気でしたよ、嫁の愛情も効きましたし。
新居もほぼ片付き、ようやく落ち着いた感じになってきました・・・
が、まあ引っ越したので家族や関係者を御招待とかそんな感じで落ち着ききれぬ日々はまだ続きます。

464 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 19:36:23 ID:???


三杉はマルコの言葉を聞いて、思わず受話器を取り落としてしまった。
続いて身体の芯から震えが走るのを止められなかったが・・・
それを無視し、何もかも考える事をやめて駆け出した。 駆けるしかなかった。

三杉の道に立ち込める暗雲・・・これがその最初の兆しだったのかも知れない。




『・・・監督が運ばれたという病院に着くまで、僕は夢中で走っていた。
  その間、色々な未来図が浮かび上がっては消えていく。
  最悪の事態も想像したが、それは慌てて掻き消す。
  何でもない、ストレスから来るちょっとした胃炎とか・・・
  その程度の物に違いないと自分に言い聞かせ、ひた走っていたんだ。

  ・・・けれど本当はとっくに理解していた。
  そんな生易しい現実でない事は、先程のマルコの様子から明白だったから。
  結局、病院に着くまで走る事と祈る事しか出来ない事に気がついて・・・僕は考えるのをやめた。

  いつもは美しく、荘厳にも見えていたフィレンツェの夜道・・・僕達の希望となってくれた街。
  でもこの日ばかりは重苦しく、この街から逃げ出したいような感覚が僕を覆って放さなかった。』


465 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 19:37:28 ID:???

≪フィレンツェ・中央病院≫

三杉「ハッ・・・ハッ・・・・・・」

病院に到着した三杉は激しく息を切らせていた。
この程度の距離を疾走した所で普段ならば何食わぬ顔をしている彼だが・・・
焦りや動揺のせいであろう、既に喉はカラカラで呼吸は苦しくなっていた。

カウンターで看護婦に“シュワーボ・アンザーニ氏”について訊ねると、館内図を出された。
奥手にある手術室にオペを行っている際中であるとの事だ。
当然病院に運ばれてきた理由・病名についても聞いたが、彼女も夜勤交代に就いたばかりで判らなかった。

それだけ聞くと、三杉は奥の手術室へと向かう廊下を走り出した。
後方では看護婦の『廊下を走らないで』という叫びが耳に入ってくる。
だが三杉は心の中で懺悔するだけで、今は走るのを止められなかった。

手術室への最後の角を曲がった三杉は、沢山の憔悴した顔を目にする。
その中に見知った顔が幾つかパッと目に入り、焦りのままに呼びかけた。


466 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 19:38:29 ID:???

三杉「マルコ、中山!」

マルコ「あっ・・・」
中山「三杉・・・・・・」

声をかけた2人以外にも、フィオレンティーナのメンバーの顔がザッと目に付いた。
数日振りの再会ではあったが“ただいま、おかえり”というテンプレの挨拶はされない。
彼らの顔は例外なく疲れきっており、少なくとも中山とマルコの声は消え入りそうな様子である。

三杉「監督の容態は・・・?」

マルコ「良くないみたいだ・・・脳梗塞が原因で倒れたらしいんだけど・・・。」

三杉「脳梗塞・・・」

中山「倒れた時はアイツと一緒だったから、最初の処置が早かったんだが・・・」

ブンナーク「・・・・・・」


467 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 19:41:08 ID:???

三杉は中山の視線の方向から、それがブンナークであった事を察する。
そのブンナークは押し黙り、頭を抱えて蹲っている。
おそらく何らかの思考の連想で、『自分のせい』とでも考えてしまっているのだろう。

だが三杉は以前に本か何かで読んだ事があった。
脳梗塞は血管の閉塞で起こる病であり、外因的な切っ掛けはほとんどない。
発症時は対処が迅速でなくては助からない・・・と。
そういう意味では、どんな理由か判らないがブンナークと一緒だったのは僥倖なのだろう。

・・・しかし三杉は、ブンナークへ言葉をかけるのを後回しにした。
豆腐メンタルの彼を励ませるほどの余裕は三杉にも無かったし、
何より“最初の処置が早かったにも関わらず”容態が良くないという事が思考の大半を占めてしまったからである。


先着で
 ★三杉は誰かに聞こうと周囲を見回した→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、ハート》 ジョアンの姿が目に留まった
《スペード》 トレイゼ・ヴィットーリオがこちらに近付いてきた。
《クラブ》 特に見知った顔はない。
《JOKER》 ???


468 :森崎名無しさん:2011/10/31(月) 19:42:19 ID:???
★三杉は誰かに聞こうと周囲を見回した→ クラブK

469 :森崎名無しさん:2011/10/31(月) 20:03:14 ID:???
ブンナークに花道要素が?w

470 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 20:47:19 ID:???

>>469 はい、そんなイメージで書いてます。
=============================================

> 三杉は誰かに聞こうと周囲を見回した→ クラブK
> 《クラブ》 特に見知った顔はない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉は不明瞭な情報で不安な儘にさせられる事を嫌った。
不十分な知識の中だけでは疑問が不安を増幅し、心を荒ませてしまう。
監督の為に何かが出来るわけでもない今、三杉がやらなければならないは仲間達を力づけること。
落ち着かせ、励まし、力づけ・・・誰一人自暴自棄にさせる事なく監督の無事を祈ることだった。

その為にまず、三杉は自分が安心したかった。
いや、安心せずとも良い・・・少なくとも正しい情報を知りたかった。
安心があれば、人は希望に目を向ける事が出来る。
希望が無くとも、情報があれば人は腹を据える事が出来る。
だが情報すら与えられないと、人の心は憔悴の沼の中を溺れるだけしか出来ない。
どれほど責任感が支えようとしても、そんな状態で長時間耐えられるように人は出来ていない。


471 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 20:48:26 ID:???

三杉(誰か知ってそうな人は居ないか・・・)

キョロキョロと周囲を見回す三杉。
だがそこに見知った人物の顔は無く、誰もが例外なく憔悴した顔で祈っているだけだった。
何人かに声をかけたが、まともに取り合ってくれる人物は誰も居なかった。
仕方なく三杉は看護婦や医者を呼び止めて話を聞こうとしたが、救急患者であるアンザーニの状態を
判断した医師はオペの際中であり・・・詳細を説明できる者は一人も居なかった。

三杉(クソッ! 何だよ? 監督の状態が何故良くないというんだ?
    倒れた時にブンナークが傍に居て、そのお陰で初動が早かったのではないのか?)

不安の一切が解消されない状況、徐々に三杉の心は苛立ちでささくれていく。
当然ながらキャプテンとしての責務も果たすどころではなく、周囲に焦燥を知らせていた。
普段冷静なキャプテンであり博識でもある三杉の動揺は、チームメイトにも当然伝播する事になっていた。
焦燥は尚も膨れ上がり、選手達の心をガリガリ削り続ける事になったのである。

※次戦テストマッチにペナルティが発生する事になりました。


472 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 20:49:50 ID:???

三杉が病院に到着してから100分が経過していた。
“手術中”のランプは消える事なく、赤い嫌な光を発生させ続けている。

三杉(もう何時間も経った気がするのに・・・・・・手術はまだ終わらないのか?)

監督の無事を祈る時間と、不安によって訪れる嫌な想像を掻き消す時間に比率は約3:1。
もしもの事を思わず考えそうになるが、その時は血が出そうなほど拳を強く握り、不安を痛みで誤魔化していた。

・・・そんな時、向こうの角からコツンコツンと複数の足音が聞こえてきた。
顔を上げてそちらの方向を向くと・・・白衣を着た医者と、ジョアンコーチが歩いて来ていた。

三杉「ジョアンコーチ・・・」

三杉がその名を口にしたのを皮切り、手術室の前に居た人間が一斉の言葉を発し出した。
「コーチ・・・」「コーチ、監督が・・・!」「どうしたら・・・」と不安そのままの声が響き渡る。
それを受けたジョアンは表情に弱気な顔を見せず、こう口にしたのだった。

ジョアン「お前達・・・選手もスタッフも今日はもう寮に戻れ。
      まだ手術は3〜4時間かかる、このままではお前達が倒れるぞ。」

冷たく聞こえるくらいの冷静さで、ジョアンはこれを言ってのけた。
まるで監督の事を心配していないのではないか、と疑ってしまいそうなジョアンの態度に三杉は・・・


473 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/10/31(月) 20:51:14 ID:???

A 反発する。 手術が終わるまで待つぞー。
B 受け入れる。 一旦寮に戻って皆で休む。
C 折衷案。 仲間は寮に戻らせ、自分はキャプテンとして残りたいと主張する。
D それはともかくとして、まずは聞きたい事がある。
E そんな大人修正してやる。
F そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


********

本日の更新はここまでです。
今週も宜しくお願い致します。

474 :森崎名無しさん:2011/10/31(月) 21:33:31 ID:jM0Z8f8w

Cが受け入れられたらD
受け入れられなければB

話を聞くにしても、悪い情報だったら更にペナかかりそうだし
それならば一人で聞いた方がマシだろう

475 :森崎名無しさん:2011/10/31(月) 21:42:24 ID:1c0OPbog
B
詳しい説明は明日あるだろうし

>>474みたいに選択肢を複数組み合わせるのはアリなの?

476 :森崎名無しさん:2011/10/31(月) 22:37:12 ID:fyCiM/yk
B

477 :森崎名無しさん:2011/11/01(火) 02:27:56 ID:???
安西先生と仮に話せたとしたら、やっぱり帰りなさいっていうよね…

478 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/01(火) 09:10:55 ID:???
朝のレスだけ返しー

>>474-475
自由選択肢を使って他の選択肢を組み合わせたりする事についてですが・・・
基本的に自由選択肢というのは発想と表現の場だと思っています。

A→Bみたいな形では、記述不足のせいで良い結果が得られない事が多いかも知れません。
スレ主的には、なるべく御遠慮願いたい形です。
どうしてもジョアンとサシで話したい場合、『F:行動はC、ただし〜である意図を主とする』など、
そういう含みを持たせた記述である事が望ましいです。(それが為されるかは約束しかねますが)
相手をそう誘導させられるような三杉のセリフを考え、記述するのがベストでしょう。

またこのスレで実績はありませんが、A+BだったりAしながらBというような選択肢が出る場合も考えます。
この場合、Aという行動とBという行動のいずれか・・・或いは両方が疎かになるリスクが避けられない事が多いでしょう。

結論 : 『その他』は『発想と意図の記述』でスレ主を唸らせたりハッとさせたら勝ち。


>>477
安西先生だったら・・・そうですね、心配その物は嬉しいでしょうが、
その為に周囲の人間に身体を壊されたり、やるべき事を放棄されるのは喜ばないでしょう。
基本的に自由選択肢は発想と表現の場だと思っています。


479 :森崎名無しさん:2011/11/01(火) 12:48:15 ID:???
乙ですー

480 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/01(火) 18:32:17 ID:???

>>479 乙感謝です。
=============================================

> B 受け入れる。 一旦寮に戻って皆で休む。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

冷徹にも感じられるジョアンの言葉に対し、多くの者は黙って俯いていた。
感情的にはこの場に留まって無事を祈りたい所だろうが・・・彼等皆、間違いなく精神的に参って来ている。
反発心は湧かず・・・いや湧いたとしても、それを爆発させられる元気はとても無かったであろう。
そして三杉はと言えば・・・まだ思考する余力が残っており、理性からジョアンの言葉を是と判断していた。

三杉(冗談じゃない・・・・・・・・・が、これは従わなくてはならない・・・。)

当然ながら感情は『この場を離れるべきではない』と言って止まない。
しかし数日のうちに試合があると宣告されている中、キャプテンとしての判断は決まりきっている。
そして何より、それ以外の判断をすればアンザーニ監督はきっと自分達を叱るであろう。
・・・それが考えられたからこそ、三杉はジョアンへの答えの口火を切ろうとした。 したのだが・・・

???「・・・っけんな・・・!」

三杉(うっ・・・!)
ジョアン「・・・・・・」

返答するつもりだったのと真逆の答えを、先に誰かが口にしてしまった。
疲労のせいで考える時間が長引いた分、三杉の口は遅かったのである。


481 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/01(火) 18:34:40 ID:???

そして三杉は振り向くまでもなく、それを言ったのが誰だか判った。
感情がそのまま行動原理となる男、テンションをそのまま自らの力に上乗せする男・・・ブンナークである。

ブンナーク「こんな儘で帰られるもんかよ! オレは嫌だぜ、監督が目ぇ醒ますまでここを動かねぇっ!」

ジョアン「ブ・・・

三杉「ブンナーク、ここを何処だと思っているんだ!
    病院で、しかももう夜中だっ! 大声を出していい筈がない!」

ブンナーク「んなっ!?」

三杉はジョアンが何かを言う前に、今度は反射的にブンナークに叱りの声を投げていた。
相手がブンナークだから反射的に説教だとか、そんなんじゃあない。
大声を出すなと言っておきながら、自分も大声出しているという矛盾も置いておく。
今のブンナークがジョアンと言い合いを始めたら、恐らく一切引かなくなるという確信に近い直感。
そうはさせまいとして、三杉はブンナークを道徳の面で叱りつけたのだ。


482 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/01(火) 18:36:39 ID:???

当然ブンナークはこれに対してまだ反発を見せるが・・・

ブンナーク「ミスギ、テメェ止める気か!? そんな薄情だとは思わなかったぜ・・・!」

三杉「病院で大声を出すなと言った筈だ・・・。 幾ら監督が心配だろうと、それが許される理由は無い。」

ジョアン(・・・・・・)

ブンナーク「グッ・・・! オレだってあんなこと言われなきゃあっ・・・」 キッ

睨みつける様にジョアンの方へ身体を向き直すブンナーク。
だが彼にはもはや逆上の気配はない。
一度話がわき道に逸れた事で彼の直情は空振りし、多少なりとも頭が冷えたようだ。

三杉「一旦寮に戻ろう、ブンナーク。 ・・・皆もね。」

ブンナーク「なっ・・・!」

驚いた顔でブンナークがこちらを振り返った。

三杉「ここに居る人間は皆、お前と同じ気持ちだよ。 それはコーチも・・・ですよね?」

ジョアン「・・・ああ、勿論だ。」

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