キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】
1 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/09/29(木) 19:43:51 ID:L+HomlPU
この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。
そして……この物語はキャプテン森崎のスピンアウトであり…
とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。
…エッチなのはいけないと思います!
643 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 17:49:23 ID:???
相手の唯一の穴、急造はつかないのか…
644 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 18:03:23 ID:???
急造の程度は試合で発見しないと分からないと思う
スタメン表だけじゃどこが穴なのかさっぱり…
645 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 18:26:13 ID:???
あかん、駄目戦術しか思いつかねー…orz
646 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 19:08:40 ID:???
>>645
策は多い方がいい。
まして切り口が分からない状況では少しでも案が欲しいところだ。
その戦術を話してくれないか?
647 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/11(金) 19:13:51 ID:???
皆さん、活発な議論をありがとうございます。
取り敢えず今のところは決定された選択肢で進行して行きます。
=============================================
> B 相手の守備の穴を探し、攻め方を決めていく。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三杉「考えるまでも無く敵の守備は固い・・・・・・。
・・・が、何とかこの中で穴を見つけ出し、チャンスを捻出しなければ勝負にもならない。」
そう呟いているうちにミーティング室へ到着、手早くWボードにフォーメーションを書き出そうとする。
三杉(・・・・・・・・・待てよ。)
ここで三杉はジョアンの言葉を思い出した。
『言っておくぞ、奴等は今の時点では寄せ集めに過ぎない』・・・確かにそんな事を言っていた。
三杉(チームとしてはまだ急造の域を出ないという事か・・・
それって、その事実こそが守備の穴と言えるんじゃないか?)
相手の守備連携の悪さから、陣形にほころびが生まれれば・・・
と、そこまで考えて三杉はブンブンと頭を横に振った。
648 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/11(金) 19:16:05 ID:???
三杉(相手のミスを前提に戦術を考えるだって・・・? そんな姿勢、僕は監督から教わっていない筈だ。
相手がミスをしたらその場その場で突くだけだ、前提条件にそれを置くのは間違っている・・・。)
三杉はその閃きを直後に否定し、敵のスタメン表と睨めっこを始める。
右脳にはフォーメーションを、左脳には敵選手の名と特徴をインプットして隙を導き出そうとするが・・・
先着で
★王者の守備に笊はありますか→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。
《ダイヤ》 三杉「うーん・・・比較的守備が薄そうなのはココなのか?」
《ハート、スペード》 三杉「むっ・・・コーチの言葉と合わせれば、ココは穴と言って良い筈では!?」
《クラブ》 三杉「相手の連携ミスに期待するしかないのか・・・?」 今日はダメみたい。
《JOKER》 三杉「待てよ・・・寄せ集めのチーム・・・・・・そして守備のほころび・・・・・・」
649 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 19:17:22 ID:???
★王者の守備に笊はありますか→
ハート10
650 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 19:28:37 ID:???
要するに急造チームの穴って能力や陣形以外だと行動パターンによって生じる穴かな?
651 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 19:44:24 ID:???
ん、640と641でEじゃないのかな?
652 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 19:45:03 ID:???
すいませんスレ主、この場合、
>>640
に二票とはカウントしないんですか?
653 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 19:45:12 ID:???
641にEの文字があったらEで進行では?
654 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/11(金) 19:59:31 ID:???
>>651-653
そうですね、
>>653
さんの言うとおり記述が不正確なので1票に認定しませんでした。
=============================================
> 王者の守備に笊はありますか→ ハート10
> 《ハート》 三杉「むっ・・・コーチの言葉と合わせれば、ココは穴と言って良い筈では!?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Wボードを睨みつける三杉の固い表情・・・しかし、それはある瞬間に氷解した。
スッと頭に浮かんだ敵選手とそのポジション、それに加えられたジョアンの言葉・・・
三杉「そうだ・・・ここだ、ここしかない! 見つけたぞ、カンピオーネ(王者)の守備の穴を・・・!」
興奮した声を上げながら三杉が注視するのは、Wボードに描かれたスタメン表の右半面。
その中でも、Fシニョーリの裏・・・そしてEユブンタイの右に位置するスペースであった。
三杉「シニョーリの守備は他の選手・・・少なくとも好く知る選手の中では非常に軽い。
ゆえに僕達から見ての左サイドは比較的攻め易いコースになる。
そしてコーチの情報に依れば、ボランチのユブンタイもカット能力が要注意な程度の筈・・・
中央の浅い位置を基点に、左サイドへ膨らんでいく形の突破も効果的に違いない。」
更に付け加えると、ユブンタイだけでなくシニョーリもカット能力には秀でていた。
これにより、その位置でのパス回しはなるべく避け、ドリブルを積極的に仕掛けるべきと絞られていく。
655 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/11(金) 20:00:43 ID:???
三杉(・・・となると、中盤が4枚なら以下の形・・・)
−−−−−−−
E−−−−−F Eバンビーノor三杉
−−I−G−− Iバンビーノor三杉
三杉(若しくは5枚なら以下の形にするべき・・・って事になる筈だ。)
−−−−−−−
−F−I−G− Fバンビーノor三杉
−−E−D−− Eバンビーノor三杉
三杉は思わずマーカーを手に取り、夢中でWボードに新たな描き込みをしていく。
まだ一つだが、これで戦い方の指針が立ったのだ。
“何もなかった”さっきまでと比べ、これは大きな前進である。
三杉は一方のフォーメーションを選び、当てはめられる位置に選手の名を入れた。
☆中盤をどう設定しますか?
A 4枚の方向で、中央寄りに三杉。
B 4枚の方向で、サイド側に三杉。
C 5枚の方向で、中央寄りに三杉。
D 5枚の方向で、サイド側に三杉。
E その他(全く違う形でもOK、ただし要記述)
2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
656 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 20:14:02 ID:dIvkgbQk
B
657 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/11(金) 20:28:52 ID:???
今週はここまでとなります、ありがっとぅございまぁすた。
現在Bに1票でまだ未決定なので、残りの投票をお願い致します。
それからフォメ考えて下さった
>>640
さんには申し訳ありませんでした。
無効票は無効票という事で、今後もその点は徹底させて頂くつもりです。
658 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 21:31:25 ID:atXEBf5A
C
659 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 21:35:12 ID:EP/nz1tY
A
660 :
森崎名無しさん
:2011/11/11(金) 22:50:31 ID:XMxXravo
乙でした
C
661 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 12:01:14 ID:???
>>660
乙感謝です、アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリーガトゥッス
=============================================
> C 5枚の方向で、中央寄りに三杉。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三杉はF:LSHの位置にバンビーノの名を、E:DMFの位置に自分の名を書いた。
そして暫くそのフォーメーションを睨んでいたが、一旦消して書き直した。
−−−−−−−
−F−I−G− Fバンビ Iレント Gマルコ
−−E−D−− E三杉 Dダラピッコラ
三杉(僕とバンビーノの位置が決まると、他の選手の位置に選択の余地が無いな。
奇しくもユヴェントス戦と同じ形になるが…これが最善になるのか?)
主体となる攻撃については先程論じた所で手打ち。
逆サイドについてはイスラスの存在ゆえに下手なキープや突破は鬼門となる。
ゆえに球出しの早さと正確さから考えてマルコしか居ない。
守備については三杉がシニョーリ、ダラピッコラがイスラスにそれぞれ当たる構え。
そしてレントゥルスは、フィッツウォルタかアルシオン…パスの起点となるいずれかにつく・・・
662 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 12:03:27 ID:???
・・・と、ここで三杉はもう一つの可能性を思いつく。
三杉(待てよ・・・3バック前提ならこれしかないが、4バックならどうなる?
その場合は新田がOMF、ダラピッコラがSBに下がるから・・・。)
ユヴェントス戦でやった3バックでの中盤5枚とは異なる形・・・4バックでの中盤5枚という可能性である。
再び頭の中で味方と敵の選手達を入り乱し、適切と思われる配置を考えていく。
−−−−−−−
−F−I−G− Fバンビ I新田 Gマルコ
−−E−D−− E三杉 Dレント
三杉「こう・・・なのか? 中盤の守備力は落ちるが、最終ライン(特にサイド)の守りが安定する。
攻撃時の展開もこちらの方が選択肢が多そうだ。 新田とマルコを入れ替えてイスラスに対抗も・・・」
こうしてMFとなる5名のうち・・・自分とバンビーノを除く残り3名。
最終的に最善となりそうな人選と配置を、三杉はWボードへ記入した。
A ユーベ戦と同型の3バック型(3−5−2)
B 新田が中央にくる4バック型(4−5−1)
C 新田が右サイドにくる4バック型(4−5−1)
D 全く違う形(要記述、ただしバンビと三杉の位置は変更不可)
2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
663 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 12:13:01 ID:nAFa92oY
未定age
664 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 13:09:09 ID:+LJ3MDAI
C
665 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 14:16:29 ID:Vcdp1SmA
B
666 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 14:23:07 ID:nAFa92oY
B
667 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 17:48:52 ID:???
> B 新田が中央にくる4バック型(4−5−1)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三杉(新田は中央だ・・・守備には期待せず、攻撃の一手として中央突破とミドルシュートを頑張って貰う。
他は自動的に収まるな・・・1トップはブンナーク、奴にクロスへ合わさせるのが攻撃のメイン。
DFは中央に中山とミュラー、左にスペルマン、右にダラピッコラ。)
三杉は中盤の5人の配置を描き終えると、そのまま全体のフォーメーションにまで筆を伸ばす。
中盤が5枚である事と4バックであるという2点が決定すれば、残りは自然と導かれる。
そこに迷う余地というのはそうそう存在しなかった。
−−−−−−−
−−−H−−− Hブンナーク
−−−−−−−
J−−I−−F Jバンビーノ I新田 Fマルコ
−−−−−−−
−−G−E−− G三杉 Eレントゥルス
−−−−−−−
−B−−−A− Bスペルマン Aダラピッコラ
−−D−C−− D中山 Cミュラー
−−−@−−− @ラムカーネ
一通り埋まったポジションを三杉は何度か見直してみる。
目的とする戦術に適う物にはなっているが、全体のバランスという観点で評価するが・・・
668 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 17:51:22 ID:???
三杉「4−5−1・・・いや、相手と同じ4−2−3−1か。
攻撃に主点を置くという事で、SHは出来る限り開かせる事にしたが・・・
その分、僕とレントゥルスの責任範囲が大きくなっているな。
シニョーリとイスラスは、DMFの僕等がSBと連携して確実に止めなければいけない・・・。」
サイドを立てた分、ボランチは多少ひっ迫する形が生まれている。
とは言え、その為のボランチと言ってしまえばそれまでとも言える。
それに全体のバランスとしては吊り合いが取れているように思えた。
三杉としては、明日のミーティングに提案する物として十分と判断を下す。
フォーメーション図と各人の役割を手帳に清書し、汚くなったWボードをクリアに戻した。
満足を得てミーティング室を後にした三杉は、窓の外が既に暗くなっている事に気がつくのだった。
こうして1日はあっと言う間に過ぎてしまったのだった。
先着で
★夜イベント→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。
《K》 グラウンドに一人、新田が左足だけでボールを操ろうと頑張っている。
《J、Q》 電球の灯っていないロビーから、何故か光が漏れている。
《8〜10》 玄関扉が開く音が聞こえた。
《2〜7》 何もなし
《A》 ユブンタイの夜
《JOKER》 アンザーニを見舞う者達
669 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 17:53:31 ID:???
★夜イベント→
スペードK
670 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 17:54:17 ID:???
★夜イベント→
ダイヤ2
671 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 17:54:49 ID:???
新田が輝いているな。
672 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 17:55:52 ID:???
>>669
お見事!
やはり「新田の章」となるのか…
673 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 17:56:31 ID:???
今回の主役は新田
674 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 18:39:30 ID:???
帰ってきたらスーパー新田タイムになってるーw
675 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 19:41:38 ID:???
新田
「カンピオーネからの連絡でスタートラインに立てた」
「フィオレンティーナでは借金から始まっていた」
「今までは勝てなくても自分のせいでは無いと言う思いがあった」
676 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 20:18:22 ID:???
> 夜イベント→ スペードK
> 《K》 グラウンドに一人、新田が左足だけでボールを操ろうと頑張っている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三杉は寮の外へ、夜道を散歩しに出かけた。
何か別段目的がある訳でなく、強いて言えばシステムを考えるのに使った頭を冷やす為に。
喧騒はほとんどなく、静かなフィレンツェの夜は三杉の疲れた頭を好く癒した。
三杉(気温は高いけれど、吹く風が何とも涼やかで心地良い。
・・・だが、こうしていて良いのだろうか? テストマッチはもう明後日だが・・・)
熱が冷めてくると、同時に現状も見えてくる。
今後フィオレンティーナというチームがどうなっていくのか、新しい監督とコーチは誰なのか?
そしてバンビーノと中山の後釜に着く選手は一体どうなるのか?
バンビーノの穴を埋める選手については一応の充てが無い訳ではない・・・が、それはまだ希望的観測の範囲内。
このようにまだ検討が出来ない不安要素が、フィオレンティーナには噴出している状態だ。
チームが徐々に・・・そして突如にズタズタになっていく気がして、三杉の心はザワついていた。
ザッ・・・! トンッ・・・
三杉(うん? この音は・・・・・・)
心配が胸に膨らみつつあった三杉だが、突然耳に飛び込んでいた音がそれを忘れさせた。
それは地面を蹴る音、ボールを蹴る音・・・・・・こんな遅くなった時間に聞こえてくる物ではそうそうない。
三杉は微かに聞こえる音の方向へ、導かれるように歩いていた。
677 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 20:19:35 ID:???
三杉(あそこは・・・市民グラウンドか。 ・・・こんな時間に一体誰がボールを蹴るというんだ?)
首を傾げながらグラウンドへと足を踏み入れた三杉は、そこに知った顔を見る。
そこには小さい身体の新田瞬が、汗だくになりながら不器用そうにボールを蹴っていた。
新田はボールの扱いはチームの中でもかなり巧みな方にまで成長している。
しかし今の彼は、本当に不器用・・・素人に毛が生えた程度の技術力しか感じさせない。
それも当然であろう。 新田は利き脚を一切使わず、左脚一本でボールを操ろうとしているのだから。
三杉「新田・・・」
呟く三杉に全く気付く様子なく、新田は今度はグラウンドの隅に向かっていく。
そこには吊るされたタイヤが在り、これを新田はまたも左足を使って力強く蹴り上げていた。
どうやら彼は利き脚でない左足を鍛えようとしているらしい。
新田が何を目的としているのか、三杉は考え・・・るまでもなく察していた。
・・・と言うか、新田が三杉のアドバイスを察した結果、この秘密特訓があるとしか思えなかった。
678 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 20:20:58 ID:???
新田「うおおぉぉぉぉっ!!」
ドガアァッ!!
新田が蹴り上げたタイヤが大きく動いた。
タイヤを吊り下げているチェーンが、ジャラジャラと金属音を立てる。
この特訓を始めてもう数日・・・左足のキック力は徐々に上がってきている気がしていた。
新田「でも・・・まだだ、こんなんじゃ実戦じゃ役に立たない!」
新田は悔しかった。
コッパ・イタリア・プリマヴェーラの決勝戦、FWというポジションにあって1得点も挙げられなかった事に。
勿論チームが勝利した事は嬉しい、自分が全く役に立たなかったとも思わない。
だがFWである以上、1試合のゴール数が0であるのは悔しい現実に違いなかった。
それ故に彼は優勝の栄光にも満足せず、自分の身体を更に虐め抜こうと今尚足掻いている。
しかしその足掻きは決して無軌道な、目的のハッキリしない物ではなかった。
準決勝での後半10分、ブンナークが2点目を挙げた際、かのキャプテンが落ち込む新田に助言をくれたのだ。
それはハッキリとした指示ではなく、新田に考えさせる物・・・禅問答のような助言だった。
『シュートは強いものだけとは限らない。 要はDFにブロックさせず、GKに触らせなければいい。』
『強さを得た今だからこそ、強さではない物が武器として成り立つ。』
言われた時点では全く理解不能な言葉だった。
しかしその言葉に向き合い、考え抜いた結果として今の特訓がある。
新田はこの特訓を経て、左足を右足と同様に使えるようになった時のビジョンを既に得ていた。
679 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 20:22:20 ID:???
シュンッ・・・!
新田「・・・!?」
突如としてボールが風を切る音が聞こえた気がした。
振り向くと、ボールがクロスを上げられたような軌道で向かってきていた。
続いて聞き覚えのある声色も耳に響く。
三杉「新田! 合わせて見せろ、左足で・・・!!」
新田「(・・・!?) よ、よーしっっ!!!」
その声に導かれるように新田は地面を蹴った。
まずは先着2名様で
★新田「リグルに負けないエースになる!」→! card★
★三杉「お前は何を言っているんだ」→! card★
と書き込んで下さい。数字とマークで分岐します。
カードのマークが一致した場合、数値の合計に+5されます。
二つのカードの合計値が・・・
35→新田、カンピオーネ。全能力一次限界を1突破。高低浮球+1、必殺1対1シュート、必殺シュート×2取得
30〜33→新田、サンパウロ。全能力一次限界を1突破。必殺1対1シュート、必殺シュート取得
25〜29→新田、西南ミラクル。全能力一次限界に到達。必殺1対1シュート、必殺シュート取得
21〜24→新田、南葛高校。新田、全能力一次限界に到達。フラグ×2取得
16〜20→新田、全日本Jrユース。能力が一部上昇、フラグ取得
11〜15→新田、大友中学。フラグ取得
3〜10→新田、南葛SC。いや、効果ないだけだけど。
2→???取得
680 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:22:40 ID:???
★新田「リグルに負けないエースになる!」→
ダイヤ8
★
681 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:23:44 ID:???
★三杉「お前は何を言っているんだ」→
クラブK
★
682 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:23:48 ID:???
★三杉「お前は何を言っているんだ」→
ハート6
★
683 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:24:02 ID:???
よーしよし!きっとリグル効果w
684 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 20:32:35 ID:???
あれ、新田の章になる筈じゃなかったんですけど?
どうしちゃったの、この子ったら?
新田がやる気出しすぎて心配になってきたとこで、本日の更新は終了です。
伸び悩んでこそ新田…そう思っていた時期がありました。
685 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:33:36 ID:???
やっぱりリグルはすごいなー
686 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:34:07 ID:???
翼(毒スレ)「リグルが新田を育てた」
687 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:40:26 ID:???
三杉(毒スレ)「君は何を言っているんだ」
688 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:43:11 ID:???
リグル乙w
689 :
森崎名無しさん
:2011/11/14(月) 20:46:31 ID:???
アナカンさんと岡山姉はオレンジジュースを飲んだのか水素水を飲んだのか
いずれにせよ仲良く飲んだんだろうな
690 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/14(月) 21:08:32 ID:???
. ∧__∧
( ´・ω・)∧∧
/⌒ ,つ⌒ヽ)
(___ ( __)
691 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 00:05:58 ID:???
乙でした
. ∧__∧
( ´・ω・)∧∧
/⌒ ,つ⌒ヽ)
(___ ( __)
692 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 05:32:04 ID:???
珍しく上手くいった特訓でフラグの山となった新田
それよりも2→???取得とはなんぞこれ
693 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/15(火) 20:56:23 ID:???
>>683
>>685
>>688
流石に幻想郷のエースは格が違った。
新田「互換キャラの恩恵ゴチになります!」
>>686
アナカン「このリグル、底が知れん!」
>>687
三杉「最近ウチのスレの空気がおかしい気がするんだ・・・」
>>689
水素水で我慢しておけば良かったのに水になっちゃったよ!
岡山姉が流石に怒って出てっちゃったから一人で飲んだよ!
>>691
乙感謝です、その慰めが今は辛いんだよ!
>>692
内緒なんだよ!
694 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/15(火) 21:02:23 ID:???
弥生「あの・・・こんばんは。スレ主のせいで、すっかりこのスレのエッチ担当になった私です。
ええと、どうやらスレ主は本日更新できそうにないそうなので・・・・・・。」
“みんな、レベルアップよ。”
※ラムカーネのレベルが1上がりました。
弥生「それと覚醒ポイントを消費し、淳の能力を上げる事が出来ます。
以下が現状の能力値と使用できる覚醒ポイントです、どうするかを御判断下さい。
ちなみに第2部からは成長限界と絡め、システムに手を加える予定だそうです。」
《三杉淳の現在能力》
ド パ シ タ カ ブ ト ク 競 合計 高/低
68 67 67 66 66 63 64 64 64 593 3/2
現在の覚醒ポイント:8.5
A いちばん低い能力:ブロックを1上げる。(2ポイント消費)
B 任意の能力(いちばん高い能力を除く)を1上げる。(4ポイント消費)
C いちばん高い能力:ドリブルを上げる。(6ポイント消費)
D 今回は使わず貯めておく。
2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
695 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 21:03:31 ID:bkvNe+PQ
B
696 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 21:03:54 ID:1K6elpW2
B タクルとか上げとく?
697 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/15(火) 21:15:27 ID:???
> B 任意の能力(いちばん高い能力を除く)を1上げる。(4ポイント消費)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
弥生「それでは4ポイントを消費して、ドリブルかブロック以外の能力を上げますね。」
では・・・どのように能力を上げますか?」
☆数値を1上げたい能力を以下より選択して下さい、ポイントを2倍消費して2種類選ぶ事も出来ます。
一つの能力を2上げることも可ですが、パスとシュートはルールの性質上1しか上がりません。
選択肢:[パス、シュート、タックル、パスカット、トラップ、クリア]
2票選ばれた選択肢[完全一致]で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
投票例:[パス、シュート]、[タックル*2]など
698 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 21:15:59 ID:1K6elpW2
タックル
699 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 21:16:42 ID:bkvNe+PQ
タックル
700 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/15(火) 21:22:48 ID:???
> タックル
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
弥生「タックルですね? 了解いたしました。
これで淳の能力値、そして覚醒ポイントは以下の通りになった訳ですね。」
ド パ シ タ カ ブ ト ク 競 合計 高/低
68 67 67 67 66 63 64 64 64 593 3/2
現在の覚醒ポイント:4.5
弥生「これが吉と出るか狂と出るか・・・それはカンピオーネ戦にて皆さんの目で御確認下さい。
次回からは物語が再開しますので、どうぞ宜しくお願い致します。」
701 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 21:26:40 ID:???
ラ・オツデシター
702 :
森崎名無しさん
:2011/11/15(火) 21:33:36 ID:???
カンピ乙ネ!
703 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 14:21:16 ID:???
>>701-702
乙感謝でございあーっと新しい乙の形がきたあぁぁぁぁぁっ!
=============================================
> 新田「リグルに負けないエースになる!」→ ダイヤ8
> 三杉「お前は何を言っているんだ」→ クラブK
> 21〜24→新田、南葛高校。新田、全能力一次限界に到達。フラグ×2取得
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
バシュゥゥゥゥッ!
新田の左足はボールをかろうじて捉え、無人のゴールへと放たれる。
そしてボレーで蹴られたこのボールはネットを揺らし、ポテポテと転がり返った。
新田「やった!」
咄嗟のボールを左足でミート出来た事に、新田は一瞬喜ぶ様子を見せる。
しかしすぐに、それを否定するように頭を横へブンブンと振った。
三杉「キック力は6割、コントロールは5割…って所か?」
新田「えっ…ああ…はい、まあ……。」
威力もコントロール精度も、右足のシュートより格段に低かった。
それゆえに新田は喜色をすぐに投げ捨てたのだが…
三杉にその事を言い当てられて、若干だが憮然な態度を見せる。
そうでなくともコッソリ特訓している姿を見られてバツが悪い所だ、仕方がない言えよう。
704 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 14:22:44 ID:???
三杉「ふむ…。」
新田「ええと…なんすか?」
三杉「キック力は無理に上げようと思わない方が良いな。
それよりも今はコントロールに拘れ、利き足以上を目指すくらいにな。」
新田「はいぃっ?」
突然の指示に変な声で返す新田。
彼は威力の方こそがてんで足りていないと考えていた為、怪訝な顔を隠そうともしない。
しかし三杉はその反応を無視して話を続けた。
三杉「キック力は短期間でそうそう上がる物じゃない、多くの時間を割くのは非効率的だ。
それに先にキック力を上げてしまうと、コントロールの修正が難しくなるしな。
意識して使っている内に自然と筋力も上がっていた…というのが理想だよ。」
新田「むっ…そうなんですか?」
三杉「あと左足だけでなく、たまには右足も交えて使うんだ。
実戦で使える形で馴染んでいかないと、限定したケースでしか使えない破目になる。」
新田「あ、それは確かに・・・。」
705 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 14:26:38 ID:???
三杉は新田のやらんとしている事を(元々助言した本人だし)ある程度察していた。
それゆえ、実戦で使おうとする技に至る道として、どう鍛えていくのが効率的かを考える事が可能だった。
筋道の通った三杉の説明に新田が納得を覚えるのにそう時間は必要でなかった。
三杉「判ったらもう一度…色々なパスを出すから対応して見せろ。
今は威力が低くても構わないんだから、とにかく軸は絶対にぶれちゃ駄目だぞ。
その後は1対1…勿論そのつもりだろうね?」
新田「は、はいっ!」
こうして済し崩し的に大特訓が始まってしまった。
逆足のコントロールを上げる為に、身体の軸バランスを保つよう意識した特訓は…
まさしく基礎の基礎、その重要性を新田に再確認させていた。
夜もすっかり更けた頃には、新田は逆足のコントロールのコツを身に付け…
そして軸バランスが良くなった事で、副次的に他の多くの動作についても質を上げたのだった。
※新田の能力値が一次限界に達しました、現状はこれ以上覚醒致しません。
新田が必殺シュートフラグBを取得、1対1シュートフラグ…については発展フラグAの回収となります。
1対1技[時間差ファルコン/シュ+6、200消費]をゲット!
ついでに特殊フラグが少しだけ進行しました。
706 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 14:34:00 ID:???
<翌朝>
あれから三杉は新田と共に遅くに寮へ戻り、クタクタになって休んだ。
それが幸いしたか昨夜の眠りはグッスリと深く、朝の寝覚めもスッキリとしていた。
食堂へと降りると、眠そうな顔が多い中で新田のスッキリと目の覚めた顔が三杉の目につく。
どうやら新田も三杉と同様によく休めたようである。
三杉(さて・・・今日は確か午後から事務所で契約書を交わさなくてはいけなかったな。
コラッツィオーネの後に少しだけ時間が空いているが、どうやって過ごそう?)
☆本日のPMにおける活動を選択して下さい。
A アンザーニのお見舞いに病院へ向かう。
B 任意のメンバー(2名)と会話する。(さらに分岐)
C カンピオーネ戦での戦い方について検討する。[済]
D 部屋に引き篭もる。
E お見舞い以外の外出。(さらに分岐)
F 練習を呼びかける。
G その他
2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
707 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 14:35:54 ID:???
すみません、本日の「AM」の活動の誤りでした。
また活動は昨日のAM(済)・PM(済)、今日のAMの3回です。
試合前の自由行動選択はこれが最後です。
708 :
森崎名無しさん
:2011/11/16(水) 14:40:06 ID:1sj0JacQ
F
709 :
森崎名無しさん
:2011/11/16(水) 14:59:26 ID:IsW/2Do2
F
710 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 15:36:07 ID:???
> F 練習を呼びかける。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三杉は練習を呼びかけてみる事にした。
翌日にテストマッチ、今日の午後に契約を控え、また疲れた顔も多い中でどれだけの人数が
応えてくれるかという所だが・・・それでも気の紛れになればという思いで三杉は声をかけていく。
先着で
★三杉のお誘い→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。
《ダイヤ》 何人か応えてくれて、ごく軽いアップを行った。成果を出した者も一人。
《ハート》 何人か応えてくれて、ごく軽いアップを行った。
《スペード、クラブ》 すげなく全員に断られた。
《JOKER》 新田が昨夜の続きを申し出てきた。勘弁してくれ。
711 :
森崎名無しさん
:2011/11/16(水) 15:41:47 ID:???
★三杉のお誘い→
スペード8
712 :
森崎名無しさん
:2011/11/16(水) 18:16:45 ID:???
ほぼ確実に効果のある会話にすべきだったか〜
713 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 18:28:03 ID:???
>>712
まあこんな状況でどうなるかは、なかなか予想できませんよ。
=============================================
> 三杉のお誘い→ スペード8
> 《スペード》 すげなく全員に断られた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
何人かに声をかけてみたところ、よく眠れていないのか、目に隈をつくっている者が少なくなかった。
返答についても予想していた通り、済まなそうに断るという物ばかり。
『こんな状況で無理に練習しても怪我をするのがオチかも知れない・・・』
そう思い始めていた三杉は、彼らに特に強く勧める事はせず・・・
せめて身体をほぐしておくように、とだけ告げて引き下がった。
また唯一良い返事の期待された新田にも、昨夜がオーバーワーク気味だったからと断られた。
『試合が明日だから疲労を残したくない』という言の判る三杉は、これも簡単に受け入れるのだった。
三杉は『自分自身こそが、気を紛らわせる為に身体を動かしたかったのでは』と思い・・・
少し気持ちを沈ませながら、軽いロードワークを一人でこなしたのだった。
714 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 18:32:22 ID:???
<アウストラーダA1・アルピーノ付近>
ネアポリスとミラノを結ぶアウストラーダA1。
太陽道路と呼ばれ、イタリアを代表するこの長大なハイウェイを一台の車が疾走していた。
朝早くという時間帯の影響で他の車影は少なく、また速度制限に無頓着な国柄からなのか…
その車のエンジンは150km/hrの快速を絞り出している。
日本人の普通の感覚であれば、身体に緊張を覚えるくらいのスピード。
しかし車内の3人の人物は、緊張するでもなく、スリルに興奮するでもなく、
退屈そうにただ夜の景色が過ぎ去っていくのを眺めているのだった。
プロシュート(フィレンツェまで残り400か・・・
到着まではまだまだ3時間ってところだろうな。)
目的地までの距離が表示された看板を目にし、3人のうちの1人が苛立ちと共に溜め息を吐いた。
暗殺チームの仲間であったソルベとジェラートの斬殺死体に対面してから何日になるだろうか・・・。
プロシュートらのボスへの憤怒は既に押し止められぬ物になっていた。
そんな頃にプロシュートへ一通の封筒が届けられる。
ボスに娘が存在しているという情報と、その住処と目される場所が幾つか描かれた手紙・・・。
9割以上罠と疑いながらも、万が一の可能性を求めてその場所を一人で当たったプロシュート。
その中の一軒・・・ウナというネームプレートが出されていた家が無人であった時、
9割を越えていた彼の疑いは、半信半疑へと変わった。
判る者には一目で判る、明らかにマフィアの手によって為された家捜しの痕跡・・・
そして組織の老幹部であるヌンツィオ・ペリーコロが、このタイミングで消息を掴めなくなていった。
ペリーコロがボスの娘を匿って姿を消した可能性が、プロシュートの頭に抱かれたのである。
715 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/16(水) 18:33:39 ID:???
プロシュート(あの手紙を早くにリゾットに見せ、チームで動けていたら・・・クソッ!)
マフィアの・・・しかも暗殺を生業とするチームの構成員として、彼の慎重さは正しかったと言える。
しかし情報を疑った為に、ボスへと繋がる手掛かりをむざむざ見逃す事になった・・・
このたった一つの致命的な結果がプロシュートの心を苛立たせた。
それから程なく、同じ封筒がプロシュートの元に再び届いた。
今度は迷い無くリゾットへ内容を見せ、経緯を説明したプロシュート。
リゾットもプロシュートがそうであったように、手紙に対して強い疑いを示したが・・・
最終的に内容を追う事に対しては認め、チームのバックアップ体勢を整えたのだった。
プロシュートは、組織の一支部・・・そこから無数に枝分かれしたグループの中の一つ、
そのグループのチームリーダーに面会し、説得を図り・・・
他のメンバーは、ウナの家に赴いて写真という写真を全て回収した。
そして今、プロシュートは回収した数枚の写真を手に、
弟分のペッシと・・・それから彼が説得した協力者と共に、フィレンツェへと向かっていた。
情報の続きと、代価である依頼を聞く為に・・・である。
**********
本日はここまでとします。
ジョジョ5部が好きな方は、暫くこのスレを脳内ヨガスルーして頂けたらと思います。
原作レイプになりそうなゲロ以下のにおいが既にプンプンしていますので・・・。
716 :
森崎名無しさん
:2011/11/16(水) 18:37:49 ID:???
カンピ乙ネ!
……サッカーそっちのけの選択肢繰り返した挙句JOKERもしくはクラブAが出たりしたらスタンド使いになれるんじゃw
717 :
森崎名無しさん
:2011/11/16(水) 20:33:52 ID:???
カンピ乙ネ!
718 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/17(木) 17:50:53 ID:???
>>716
いやー、異能生存体って凄まじい能力ですよね。
リスクレベルを操るスタンドとか言っても良いのでは…とかスレ主はスレ主は呟いてみたり。
>>717
その乙に返せるだけの感謝の言葉を、私はまだ持っていない…!
=============================================
過去の経緯、その流れの一連を順に再生し終えたプロシュート。
このまま未来についての予想、シミュレーションに移行しようと考えていた。
ペッシ「ねえ兄貴ィ…。」
プロシュート「………なんだ?」
その矢先、隣で運転している弟分のペッシが話しかけてきた。
ここからまさに思考を働かせようとしたタイミングである。
思考を阻害されたプロシュートは3秒少々沈黙し、やや不機嫌そうな反応をペッシに返した。
ペッシ「いや…あの。 こんな十数枚の写真が一体なんになるんですかねぇ?」
プロシュート「んなこたぁ行ってみなけりゃ判るわけがねーだろ?」
ペッシ「いや…そーなんすけど……信用できんですかい、その手紙は?」
719 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/17(木) 17:52:07 ID:???
プロシュート「ま、信用出来るかどうかは会ったその場で判断する事だがよ…
現実問題“ペリーコロ”が消え、ボスの素性への道筋は断たれた。
…つまりオレ達に残された当ては、この手紙の主だけっつーわけだ・・・判るな?」
ペッシ「むむ…。」
プロシュート「ボスの正体に辿り着くためのチャンスがこれしかねえっつーんならよ・・・
腕の1本や2本引き換えにしても食らいつく、それがオレ達のチームだろ。」
ペッシ「・・・へっ、そーでした。 判りました、兄貴がそこまで言うならオレも覚悟を決めますよ。
何が起こっても・・・たとえ罠だったとしても、オレが網を全て引き千切りゃいい事です。」
プロシュート「フッ・・・。」
自分への鼓舞でも大口でもない・・・淡々と自分のやるべき事を述べたペッシ。
以前のようなマンモーニとはすっかり見違えた弟分に、プロシュートは信頼を込めた笑みを返す。
同時に彼はこう思っていた。
『…手紙の主は、今回の連絡において“情報の代価としての仕事依頼”を銘打ってきている。
これまでの事態の流れと合わせて考えても、組織の罠という可能性はかなり低い筈だ・・・』と。
ただ、油断を招かぬ為に敢えてそれを口にはしなかった。
720 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/17(木) 17:56:06 ID:???
???「………」
後部座席の男は一言も口にせず、プロシュートとペッシの会話を黙って聞いていた。
この2人の遣り取りは、暗殺チームと言っても人として腐っている訳ではないと彼に再確認させる。
プロシュートに、自分の過去に所以する組織への不信を指摘され…
そしてボスを倒す協力を要請された時、彼は正直に迷った。
完全に組織への裏切りを意味する誘いを、しかも初めて顔を合わせた男に告げられたのだ。
彼の過去に事情があり、組織に不信を抱いていたとしても、普通は『No』だ…有り得ない。
組織の人間としては、その場で始末するというのが正道だったろう。
しかし彼は、このプロシュートという男に不思議な気高さを感じた。
暗殺チームの他のメンバーの事は知らない、しかしこのプロシュートは信頼に値する人物に思えたのだ。
そして何より決め手になったのは、ボスを倒した後の彼の望みに対する
プロシュートの『是』という回答…これに嘘が無かったという確かな確信である。
結果…彼は自らのチームに一時の留守を告げ、プロシュートに同行する事を決めた。
浅はかな選択だったのかも知れない…。
しかしそれでも選んだのは、彼がそれほどに自分の信じられる道を行きたかったという事だろう。
721 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/17(木) 17:58:20 ID:???
―――数時間後
3人はフィレンツェのサンタマリア・ノヴェラ駅から200mほどの高級ホテル・ミネルヴァへ到着した。
このホテルの一室で写真を持って落ち合う旨、先の手紙によって指定されていた。
ホテルのフロントにて部屋のナンバーを伝え、部屋を借りている人物への面会を申し出る。
すると『プロシュートという人物だけ通すように窺っております』と即座に返答された。
少し待ってくれとフロントに告げ、3人は離れた場所で方針を話し合う。
???「お前一人だけご指名ね…。」
ペッシ「兄貴ィー…やっぱこりゃあ罠じゃあ……」
プロシュート「………」
???「どうするんだ? 今ならまだ引き返せるぞ。」
プロシュート「いや、行こう。」
ペッシ「ま、ま、マジっすかあー!?」
プロシュート「ああ、罠だったら始末すればいい。 それでこの筋は終わりだ。」
驚愕するペッシとは対照的に、プロシュートはどこまでも淡々と冷静だった。
722 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/17(木) 18:11:58 ID:???
???「ふむ…戦闘になると仮定して、バックアップはどうするつもりだ?」
プロシュート「まあ・・・そこはお前が気にする事じゃあない。
お前の手を本格的に借りるのは、この話が罠でないと判明してからの話だ。
…おいペッシ、お前のアレ(針)を貸せ。」
ペッシ「へっ…へぃ!」
プロシュート「戦闘になったらこいつで合図する・・・そしたらオレ以外の奴を窓から“狙撃”だ。」
プロシュートの指示にペッシは乗り気な顔で胸を叩いた。
自分に任せてくれと言わんばかりの顔で。
プロシュート「だがな、もしも合図を送る間もなくオレの生命活動が感じられなくなったら・・・
その時はソッコーでこの場から立ち去れ、わき目も振らずにネアポリスへ戻るんだ。」
???「!!」
ペッシ「な、何を言い出すんですか兄貴ぃー!?」
723 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/17(木) 18:13:29 ID:???
プロシュート「落ち着けペッシ、相手が何人だろうと密室の戦闘ならオレのスタンドは負けねえ。
当然やっこさんとの対面には、下準備は終わった状態で臨むしな。
万が一それでオレが負けるような相手なら…分断された時点でリタイヤだったって事だ。
その後にお前らが乗り込んでも、外から狙撃したとしても勝てる奴じゃねえ。」
ペッシ「んなバカな話がありますかい!」
???「いや、いいだろう。 その時は出直して、いずれこの坊やにお前の仇を取らせる…って事でいいな?」
プロシュート「ああ、十分だ。」
それだけ言って、プロシュートはフロントの方へ向かった。
彼の予想では罠の可能性は低く、そして場所が密室において“偉大なる死”を前に相手は逃げ道が無い。
『自分がペッシに言っているのは万が一、億が一の事態に過ぎない』・・・彼はそう確信していた。
*******
一旦ここまで
724 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/18(金) 17:44:18 ID:???
ガチャッ
???「遠路遥々(はるばる)ようこそ。」
部屋のドアを開けて中に入ると、奥からの声に迎えられた。
男・・・かなり若い声であり、少なくとも学生かそこらの年齢と考えられる。
プロシュート「・・・・・・」 ギィンッ
プロシュートは自らのスタンド、“偉大なる死”を早速発現させた。
反射的に老化ガスを発生させられるよう、一歩毎に警戒レベルを上げつつ奥へと進む。
そこには先程思った通り、学生くらうの少年が・・・同世代くらいの少女と共にソファに座って待っていた。
少年の方は顔の彫りが深く、肌はやや浅黒い・・・南米か中東のいずれかと思うが判断は出来ない。
そして少女の方は彫りが浅く、肌は黄と桃の中間職、そして美しい黒髪顔・・・こちらは明白に東洋人だ。
しかしプロシュートに最も強い印象を抱かせたのは、両者の身体的特徴の差異よりも何よりも・・・
少年の方のひどく涼しげな表情であった。
ここが図書館や植物園などであるならば、彼の様子は極めて自然だったろう。
しかし今、彼の前に立っている男…即ち自分はマフィアの一員。
その中でも暗殺チームに属するスタンド使いであり、指折りの危険人物な筈だ。
725 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/18(金) 17:45:30 ID:???
プロシュート(罠ではない、純粋な協力者だから安心してやがるってわけか…?
…いや、協力者だとしても多少の緊張は避けられない状況だろ。
だがこの何も感じない日常のような空気、戦闘を仕掛ける素振りすら…っ!?) シュッ
動揺する程でもないが、不可解には違いない相手を慎重に観察していたプロシュート。
そんなプロシュートに対し、少年は無造作に手を伸ばした。
反射的にバックステップで距離を取ったプロシュートだが、能力は発動させなかった。
少年が手を伸ばしたのは、自分にソファへの着席を勧める為だったと判ったからである。
少年「どうぞお座り下さい。」
プロシュート「………………お前はオレに封筒を寄越した奴の代理でここに居るのか?」
少年「いいえ。 貴方に連絡を取ったのは間違いなくボクです、プロシュートさん。」
プロシュート「なるほど……。」
餓鬼の悪戯などではない事をプロシュートは理解している。
ここまで相手が示した情報が、パッショーネの内部事情に余りに精通しすぎた物だからである。
…であれば、この落ち着きようから考えても目の前の少年が只者でない≠ニ判断するしかない。
プロシュートは警戒を緩める事なく、取り敢えず話を聞いてみる事に決めた。
726 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/18(金) 17:46:33 ID:???
プロシュート「まぁ、そんじゃ…」
少年「ええ、早速話を始めましょう。 先ずはこちらの情報提供から。」
プロシュート「ああ…。」
少年「では、写真をお願い致します…渡して頂けなくとも、手に持って1枚ずつ見せて貰えれば良いです。」
プロシュート「いや、構わねえさ。」 パサッ
持ってきた十数枚の写真を惜しげなくテーブルに投げ出すプロシュート。
相手の欲しい物が実はこの写真…と考えるなら、これは出し惜しむべき交渉の道具。
しかしプロシュートは、相手がこの写真に価値を見出していない事を察していた。
その代わりとして、プロシュートは少年が写真に手を伸ばした時にこう告げた。
プロシュート「ただしこの写真で何が判るのか、何故お前がそれを知っているのかは教えて貰う。」
少年「構いませんよ。」
散らばった写真を掻き集めながら、少年は動じた気配すら見せずに即答した。
そして1枚ずつ写真を捲りをながら話し始める。
727 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/18(金) 17:48:17 ID:???
少年「娘の母親…ドナテロ・ウナは公私共に真面目な女性だったようです。
服装、髪型…そして一緒に写っている友人、そして背景。
一応彼女の学生時代を知る友人に評判を聞きこみましたが、この写真が示す通りのようです。」
プロシュート(何を言い出すんだ、コイツ…。)
少年「まず間違いないでしょう、ドナテロは不特定多数の男と性交渉を持つ女性ではありません。」
プロシュート「うん……?(・・・ああ、なるほど………だがそれが一体何になる?)」
少年「彼女の娘の年齢はX歳、誕生日はM月N日…。
つまりドナテロが身ごもった期間は容易に推定されます。 つまり…。」
少年は写真の中から一枚をプロシュートの前に差し出した。
それは夜の海岸を背景に、女性(ドナテロ)がポーズを取って写っている写真だった。
少年「この写真。 日付にしてY年T月S日…時期からして卒業旅行って所でしょうか。
そして注目するべきはこの表情です……一体誰に写真を撮って貰っているんでしょうね?」
プロシュート「そいつボスだ、と言いたいんだろうが…それが正しいとして一体何になる?」
当然の疑問をプロシュートは投げつけた。
目の前の餓鬼はどうやら頭が働く、それは判った。
しかし着地点がなければ推理など思考の弄びに過ぎない。
その事が解っていない場合、プロシュートは彼らをぶっ殺す≠ニ思う事態になっていた筈だった。
728 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/18(金) 17:58:09 ID:???
少年「ふふ…先輩、お願いします。」
少女「うん……。 東経DQ度、北緯FF度…かな?」
少年「…と言う事は、時間補正を入れると……」 バサッ
プロシュートがぶっ殺すと思う暇もなかった。
少年が少女に写真を見せると、一拍も置く事なく少女は経緯と思しき数字を述べ…
そして少年は独り言のように呟きながら、傍らに置いていたイタリア地図を広げた。
少年「此処、サルディニア島の[禁則事項]海岸…それが写真を撮られた場所です。」
プロシュート「待て、今お前ら何をしやがった?」
少年「何も不思議がる事はないですよ、プロシュートさんも不思議な能力を持っているんでしょう?」
プロシュート(スタンド能力・・・!!)
顔には出さないが、プロシュートの身体は間違いなく硬直していた。
スタンド使いである事を予想していなかった訳ではない。
しかしスタンドを発動させた事すら、彼は気付く事が出来なかった。
百戦錬磨、覚悟も度量もチームのメンバーが認めているところのプロシュート。
その彼が今、雰囲気も何もない少年と少女に対して威圧感を感じている。
プロシュートは、まるで人じゃない・・・モンスターか何かを前にしているのではと疑う気分であった。
*********
一旦ここまでです。
選択もカードもなくてすみません。
729 :
森崎名無しさん
:2011/11/18(金) 18:10:46 ID:???
乙でしたー
最近、このスレを読んでいてドキドキが止まらないっす
730 :
森崎名無しさん
:2011/11/18(金) 22:58:27 ID:???
メリー
「(いや、普通星を見れば経度なんて解るでしょ…)」
それは貴女だけです
731 :
森崎名無しさん
:2011/11/18(金) 23:54:40 ID:???
オッ、蓮子と間違えたゥー!
732 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/19(土) 19:21:25 ID:???
>>729
乙感謝です、感想頂けてダブル感謝!
とても光栄ですし、書いている甲斐を感じます
>>730-731
ニヤニヤ
=============================================
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
プロシュート(もう…コイツ≠ェ何を言っても驚きはしねえ…。)
目の前の少年に対するプロシュートの認識はこれにて定まった。
罠という可能性は完全に既に排除された……彼は協力者なのである。
…いや違うか、依頼者だ。
この少年は自らの目的の為に、等価交換として情報を与えているだけだ。
そうでないとしたら、プロシュートは今の時点で自分が無事ではなかったと考えている。
密室での戦闘で、最終的な敗北を自分が喫するとまでは思わないが…
今ほど目前のスタンド発動に気付けなかった時点で、先手を防げなかったと言わざるを得なかった。
少年「さて、これで全ての条件がクリアされましたね。
後はこの地に赴き、先程述べた日時の情景を再生すればお終いです。」
プロシュート「…………」
733 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/19(土) 19:22:28 ID:???
少年「それをどうやって為すのか疑問にお思いでしょうが、心配ありません。
貴方にお願いし、ぜひ協力者にと引き入れて貰った男の部下に、それが出来る人間がいます。」
プロシュート「…………」 ゴゴゴゴゴ
目の前の少年の涼やかな表情は少しも歪んでいない。
話す言葉は淀みなく、一切の迷いも不安も感じさせない。
少年「…………………………………。 先輩、有難うございました。
後は僕一人でもきっと大丈夫です、部屋に戻って待っていて下さい。」
少女「えっ…そう………? あ、でも…うん……判った。
それじゃあメリーの事、宜しくお願いしておいてね。」
少年「ええ、土着のネットワークから協力を得られれば、メリー先輩もきっと…ですよ。」
少女「うん、ありがとう…。 頼りにしてるからね。」
それでもプロシュートの纏う空気が変わった事に少年も気付いたのだろう。
彼は少女の方に励ますような笑顔を向け、部屋を出るよう指示する。
すると少女の方は少し躊躇う素振りを見せつつも、少年の言葉に従って席を立った。
734 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/19(土) 19:24:17 ID:???
ガチャッ
プロシュートの後方で扉の開閉音が聞こえた。
それを契機にしてプロシュートは再び口を開き始める。
プロシュート「メリーって奴をどうこうする…ってのが、オレ達への依頼という訳か。
クックッ…まあどうこう≠チて事もねえか。」
少年「………」 スッ
プロシュートの言葉へ応える替わりに、少年は一枚の封筒を差し出した。
これまでに2回、プロシュートが受け取ったのと全く同じ封筒である。
依頼の詳細はこの封筒の中に示されている…という事であろう。
プロシュート「………。 こいつを受け取る前に、もう一つだけ聞きたい事がある。」
少年「なんでしょうか?」
プロシュート「テメェーは一体何者だ?」
少年「おや、ボクの事が気になりますか?」
プロシュート「そりゃあな。」
少年「フフ…そんなのわざわざ聞かずとも、調べればすぐに判りますよ?
そんな興味、関心事よりも、プロシュートさんは他に僕から聞いておくべき事がありますよ。」
プロシュート「話を反らすんじゃねえ。 答えるつもりがねぇーなら、喋らせてやってもいいんだぜ。」
735 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/19(土) 19:25:25 ID:???
プロシュートは初めて少年に対して強い警告を放った。
言葉での警告は一度きり、次は戦闘だと持ちかけたのだ。
しかし少年は表情を変えなかった。
少年「貴方が説得し、見事に協力者となってくれた彼…
ブルーノ・ブチャラティ≠フ能力を知りたくはありませんか?」
プロシュート「なっ…!」 ガタッ
思わず膝でテーブルを蹴ってしまったプロシュート。
こいつが何を言ってきても驚くつもりはない…その覚悟でいたが、これは予想の範囲を遥かに超えていた。
プロシュート「テメェー……どういうつもりだ?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
少年「まあまあ…ブチャラティは貴方と同じように、マフィアでありながら気高い覚悟を持った人物です。
プロシュートさんも初めて会ったにも拘わらず、シンパシーを感じたんじゃないですか?
『どうやらこいつは信頼できる、命を預けるに足る奴だ』ってね。」
プロシュート(確かに……ブチャラティは不思議と信頼したくなる奴だ。
立場は違うが、こいつはオレと似ている気がするとも思った…)
少年「そしてブチャラティを口説いた際、彼は一つの条件を出した筈です…。
即ち麻薬ルートの放棄、撲滅=cそして貴方はそれを受け入れました。
何故ならば…貴方は『仲間の仇を討てるなら、麻薬ルートを放棄してもいい』と思ったからです。
それをブチャラティも感じた筈、だから彼はフィレンツェまで貴方に同行して来ているのです。」
プロシュート「何が言いたい…?」 ゴゴゴゴゴゴゴ
736 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/19(土) 19:26:32 ID:???
少年「けれど……貴方と、貴方の部下のペッシさんは」
プロシュート「ペッシは部下じゃねえ、弟分だ…。」
少年「…失礼しました。 貴方とペッシさんにとっては仲間の無念を晴らす事が本懐でしょう。
それに組織のボス、幹部に取って代われば、自然と利益は入ってくるようになる。
ゆえにこそ、麻薬ルートを切り捨てる事も……いや、ブチャラティと同調すら出来る。
しかし他のメンバーはどうです? 莫大な利益を生む麻薬ルートを手放しますか?」
プロシュート「なっ…!」
少年「ブチャラティはここでの話を聞いたら、もう一度貴方に問うでしょう。
『本当にお前達は*ヶルートを手放す意志があるか?』と。」
プロシュート「……………。」
少年「そうなったら、貴方はブチャラティにどう答えますか?」
プロシュート「グッ…!」
プロシュートは唇を噛んでいた。
血が滲むほどに強く噛んでいた。
少年「それからもう一つ……ブチャラティは確かに貴方へ協力する事を決めました。
しかし本当に貴方に必要なのは…プロシュートさん、彼の部下の能力なのです。
ブチャラティは部下に敬愛されるリーダーですが…
それでも巨大な組織を裏切ってまで、部下達は彼に着いていくでしょうか?」
プロシュート「……やりようはある、奴だってチームのリーダー張ってんだ…。」
737 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/19(土) 19:32:38 ID:???
少年「ええ…ですが先程言った通り、彼は目的を隠して部下を利用するだけなどという事はしません。
彼にしてみれば、組織への裏切りに自分の部下を巻き込む事になります。
そして彼の性質上、目的を隠して部下を利用するだけなどという事はしません。
だからこそ…彼は一人だけの身で貴方に同行しているんですよ?」
プロシュート「ならばどうする…? テメェーは使えない情報を寄越しただけか?」
少年「フフッ、いいえ……ありますよ。 ブチャラティの部下に進んで能力を使わせる方法が。」
プロシュート「なにっ?」
ドドドドドドドドドドドドドドド
少年「言ったでしょう、ブチャラティは部下に敬愛されているリーダーだって。
それが今、貴方に同行して外に一人で居ます…ああ、ペッシさんも一緒ですよね。」
プロシュート「テメェ……」
プロシュートの背中はいつの間にか汗でビッショリになっていた。
こんな汗を掻いたのは、初めてリゾットに対面したあの時以来…
いや、あの時以上に底知れない物を、今ここで感じていた。
738 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/19(土) 19:34:08 ID:???
ドドドドドドドドドドドドドドド
少年「さて、もう一度だけ聞きますよ。 僕が何者かという事と、ブチャラティの能力…
本当に知りたいのはどちらですか? 一方だけなら教えて差し上げます。」
プロシュート「………!!」
ドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドド
*********
一旦ここまでです。
明日か明後日にはまた三杉の話に戻ります。
739 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/21(月) 12:10:01 ID:???
グオングオン……
プロシュート「ふうぅぅぅぅ…」
エレベーターが下降を始め、ようやくプロシュートは溜息を吐いた。
あの部屋での出来事がグルグルと頭を巡る。
小僧っ子の言った言葉で判った事もある、解らない事も残っている。
プロシュート「ユブンタイか…」
・アラブ首長国連邦の王家に取り入り、卓越した商才で石油王となった人物の名。
・パッショーネ創立初期から、上の方で裏取引を交わしてきた超の付くお得意様。
・最近もパッショーネのダミー会社を使い、仕手戦にて映画会社を一つ潰そうとしている。
この辺までがオレ…いや、組織の中で耳に聡い奴なら大概知っている情報だ。
そんで…
パッショーネ−ユブンタイ間にどれほどデカイ金の流れがあるか、まともに把握出来る奴ぁいないが…。
今になって暗殺チームにボスの情報をコッソリ提供するとは、単なる金蔓じゃあなかったって事だ。
それにまあ一族の奴が、ガキほどの年齢の奴であれ程の器…バカにできやしない。
んで『ボスを倒した後は、ビジネスパートナーとして新たな関係を築きたい』と来たもんだ。
チームにとっちゃあ機会が降ってきたと思えるが、その後の事はまた話が別だ。
740 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/21(月) 12:11:12 ID:???
…ってとこまでが、話を全部を鵜呑みにした場合だが。
プロシュート「っつーかよぉ、パッショーネの上側の内部情報知りすぎだろ…?」 フゥー
もう一度深い溜息を吐くプロシュート。
今までユブンタイ側から伝えられた情報は幹部レベルに相当していた。
スタンド能力などは、その最たる例……
支部レベルの幹部(ポルポ)よりも上(ペリーコロやボス)でしか知りえない情報だ。
プロシュート(幹部クラスで裏切者(オレが言うのも何だが)がいる…?
んで、暗殺チーム(オレ達)はそれに利用されてるって事か?)
その可能性に思考が行き着いてしまい、先程よりも頭が重苦しくなるプロシュート。
だとすれば、ボスを暗殺して成り替わろうと考えている自分達は、とんだ道化という事になる。
頂点(てっぺん)の内部抗争に、手足として好い様に使われている事になるからである。
プロシュート(チッ…)
状況のせいで『引き下がる』という考えが頭にチラつき、自らに腹を立てるプロシュート。
思わずポケットの中の拳に力を入れると…。
741 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/21(月) 12:12:34 ID:???
グシャリ…
プロシュート(おっと…?)
何かを握り潰す感触があった…それは先程あの少年から渡された依頼&蕪宸ナある。
彼はまだこの中身を見ていない。
プロシュート(…………) ビリ
ポケットの中からクシャクシャになった封筒を取り出し、封筒に挿入された洋紙の中身に目を通す。
進むか引くかを考えていたプロシュートにとって、この行為は何気ない物だった。
少女が小声で口にしていたメリー≠ニいう人物の姓名が書かれているものと、彼は当然考えていた。
しかし……
プロシュート(!?)
ゾワリ…と背筋が寒くなった気がした。
身の毛もよだつ邪悪とは、その何たるかを彼はこの洋紙に見た。
そこに書かれていたのは3人の男の姓名だった。
742 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/21(月) 12:15:14 ID:???
一人はプロシュートの疑問を完全に解消する人間の名。
先程彼は幹部クラスの情報を流されたと考えたが…その名によって、例外がある事を思い出させられた。
『情報分析チーム所属・サカザキ』
一番上に書かれていたのは、その名とその男の居場所だった。
…ペリーコロの側近でもあるこの東洋人…プロシュートの耳に入る程、かなりの切れ者と噂に高い男。
暗殺チームに流された情報は、全てサカザキならば知り得た可能性が高い。
この名が挙がったと言う事は、ユブンタイが内通者の存在と目的を開示したと言って良かった。
残りの二人についてはいずれも大物であったが、プロシュートと直接の関連があった人物ではない。
しかし二人のうちの一方…その名前にこそ、プロシュートは吐き気をもよおす『邪悪』を感じさせられた。
一人は財界で将来が期待されている、とある大会社の有能な御曹司。
『ヴィットーリオ・チェッキ・ゴーリ』
こちらは彼にとって別にどうでも良かった。
肝心なのはもう一人の方である……
プロシュート(この名を出すかよ…あのガキが…………。
ハッ、本物の怪物だぜ、野郎………人間じゃねえ。)
743 :
アナカン
◆lphnIgLpHU
:2011/11/21(月) 12:17:18 ID:???
ガラガラ…
アンティーク風のエレベーターの扉が片開きに開いた。
スタスタと前に歩きだすプロシュート。
ホテルを出れば、弟分のペッシと協力者であるブチャラティが自分を待っている筈である。
プロシュート(さぁて、なんつって説明すっかな……ブチャラティの奴によぉ。)
これから先の事を考えるのも頭が痛くなるが…
彼はまず目の前の頭痛の種をどうにかしなければならない。
Aを選ぶか、Bを選ぶか・・・・・・彼、プロシュートにとっては重大過ぎる選択であった。
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