キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【運命が】ファイアーモリブレム39【迫る】

1 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/14(土) 02:34:54 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品です。『ファイアーエムブレム紋章の謎』の世界に
送り込まれた森崎が、マルスたちと共にアカネイア大陸を冒険する物語となっています。
基本は本編と同様に、選択肢の中から第三者(ロムしている人)がどれかひとつを選ぶ事によって進んでいきます。
また必要に応じてトランプを引いてもらったりしてランダムに進行していくこともあります。

【注意】
このスレの物語やキャラの性格は、中の人の都合で原作並びにキャプテン森崎本編とは異なる場合があります。
設定などもストーリーの都合上若干オリジナル要素が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。

〜これまでのお話〜

ガーネフとラムカーネの罠に落ち、森崎は圧倒的不利なサッカー勝負を持ちかけられる。
そんな彼の危機を救ったのはブレーメントリオや早田たちの絆の力だった。
闇の軍団を裏切ったイスラスの協力もあり、見事森崎たちは試合に勝利する。
しかし、ラムカーネは自ら命を断つことで『リセット』の力を発動させこの試合を無かったことにしてしまう。
さらに今まで森崎のことを慕ってくれていた見習い軍師のカタリナがマルスの命を狙う暗殺者だったことが発覚。
シーダの必死の説得もむなしく、彼女は本来の名前『アイネ』を名乗り、アリティア騎士団を去っていった。

舞台はドイツへ!ブレーメンとプロ契約した森崎は新たなチームメイトブローリンを加えて快進撃で勝ち進む。
しかしケルンとの首位を賭けた大事な一戦を落としてしまい、チームも仲間も、そして自分自身もボロボロの状態に。
そんなとき、同じく怪我に苦しむ若林、シュナイダーと出会う。
彼らとの本音の語り合いの末、森崎は優勝を諦めない強い気持ちを思い出した。

果たして森崎たちブレーメンは栄光のブンデスリーガマイスターシャーレを手に入れることはできるのか。
そしてシュナイダーを襲った怪我の原因とは何か?物語は新展開を迎え、いよいよ英雄を新たな戦いへと駆り立てる!

☆前スレ
【本当の】ファイアーモリブレム38【偽物】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1336007101/l50
☆過去スレ
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/44.html

88 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:29:44 ID:???
>>84
今回は優勝しても肩書きがつくくらいで特にボーナスは考えていなかったのであまりお気になさらずに。
>>85
中里が加入しなくても1/2の予定でしたが、チームの実力的にはやはりハンブルガーに分がありそうです。
>>86
今回の試合はなるべく全員に出番を与えられた……かな?
>>87
これからあまりにも本編とかけ離れた若林が登場します。苦手な方はご注意を!
===========
★その手に掴めマイスターシャーレ→ クラブ7 ★
スペード・クラブ→惜しくも敗北。ケルンの試合結果次第ではハンブルガーの逆転優勝だ!
※ケルンの優勝。2位ハンブルガー、3位ブレーメンという結果に。
===========
若林「と め る ! !」

ガコォン!!

これで今日何度目のセービングだろう。何としてでも優勝の望みを断ち切らせないと言わんばかりに
ブレーメンの猛攻を果敢に食い止め続ける若林は、強力な麻酔により握力を失った右手をボールへと叩きつける。

シェスター「おのれー!あともう少しで点を奪えそうなのに!」

マーガス「怪我してるって監督の情報はブラフだったのか?今日はやけに反応が鋭いぜ」

森崎「(まさか若林があんな状態で出場してくるなんて。いや、やはりアイツとはちゃんと試合の中で決着を付けるべきなんだ)」

ブローリン「(馬鹿な。奴の拳はレヴィンが叩き潰したはず。星のかけらを奪われたアイツはろくな力を発揮できないはずなのに)」

若林「(弾くことだけに集中できるからな。これもある意味では怪我の功名ってやつか)」

89 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:30:50 ID:???
だが、キャッチできないということはそれだけこぼれ球を再び奪われる可能性が増えるということでもある。
それでも若林はブレーメンの怒涛のラッシュを弾く。叩く。跳ね返す。

中里「諦めないでござる。拙者の夢がかなったように、諦めなければ必ずゴールは奪えるでござる!」

めげずにサイドからのクロスを上げる中里。それに動きを合わせるマーガス。

マーガス「ブラストヘッドじゃ若林には通用しない。だったらこいつだ!」

マーガスのブラストヘッドはその類稀な長身と背筋を最大限に利用した強力なハイアングルヘッドである。
だが、これまでは自分にあげられたクロスの高さの範囲でしかその力を発揮することはできなかった。

マーガス「(俺が見つけた俺の新たな長所。それはこの『目』の良さだ。クロスボールが向かう位置、回転、角度……
     全てを見切り、そして更なる勢いを俺自身がつける!!)」

ガッ、ガガッ!!

ハンブルガーのDFたちの競り合いもなんのその。マーガスは空を舞うかのような高い跳躍で頭二つ分ほど上に出る。

マーガス「いくぜ!これが俺の新技『ナパームヘッド』だ!!」

バンッ!!

跳躍した際に反動をつけた膝の皿を高く突き上げる。ボールはより高く、そしてミートしやすいゆるい回転へと変化する。

マーガス「目標確認照準セット!これより『核弾頭』を投下する!!」

ボッゴォォォォォォォオオオオン!!!

さらに強烈な角度をつけたヘディングシュートがハンブルガーのゴールへと襲いかかる。

90 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:31:55 ID:???
若林「どんなシュートだろうと抜かせるものかよ!はああああああっ!!」

バギィッ!!ミシミシィッ!!

だが、若林は両手の拳を固めると突き上げるようなパンチで完全にシュートの勢いを殺して止める。

マーガス「そんな…!これでも駄目なのか!」

若林「ワントラップするってことはそれだけGKに冷静さを取り戻させる猶予を与えちまうんだぜマーガス!」

彼の数度に渡るパンチングがようやく実を結ぶ。このこぼれ球をついにハンブルガーが確保した。

若林「俺がいる限りハンブルガーのゴールは絶対に割らせねぇぜ!!」

カルツ「ゲンさん……ヨォし、そろそろ俺達の攻める番だ。カウンター、しかけるぜよ!」

メッツァ「僕のパスで一気に送っちゃうよ〜。ほら、走って走って」

カペロマン「ヘイヘイヘイこっちだこっち!ようやく巡ってきたこの出番、俺がスパスパっと決めてやるからよ!」

前回の試合で台詞をカットされ……もといあまり活躍できなかったメッツァとカペロマンは
自分の最も得意とする戦術でブレーメンの中盤の攻略にとりかかる。

シェスター「そうはさせるかっ!とぉっ!」

中盤は自分が必ず制圧する。チームメイトにそう誓ったシェスターはすかさずカペロマンのマークに付く。
そうして潰したパスコースの変更先を予測し、中里に指示を出す。

中里「御意!」

ポブルセン「ぐっ…またかよ!また自分の力じゃなく金の力で悠々とプロの世界に割り込んできたのかよ脆弱ジャポン風情がァ!!」

91 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:33:40 ID:???
中里「否定はせん。だが、今は試合中。拙者への文句はあくまでもサッカーの技術で訴えるでござるよ、小童」

ポブルセン「ぐぎぎ……ぐがあぁぁぁっ!!」

中里「(せめて精神を動揺させなければとても拙者が太刀打ちできる相手ではござらん。
   さて、暫くは時間を稼げそうだが…彼奴ら、どう動く?)」

シェスターの華麗かつ執拗なマークを振りきれないカペロマン。
そしてポブルセンは中里のマークを抜けようともせず、周りが見えていないのか自ら動いてスペースを作ろうともしない。

メッツァ「(困ったなぁ。…でも、今日の試合だけは少し時間をかけて戦術を練ることが出来る。
     いつもなら前線で素早くボールを狩ってくるビクトリーノがいたからなるべく早くボールを手放していたけれど…)」

この状況での迂闊なパスは危険だ。かといって自分が直接ドリブルで持ち込むだけの自信はない。ならば。

メッツァ「やっぱりここは仕事師の出番でしょー」

カルツ「ゲンさんがあんな無茶してゴールを守ってやがるんだ。そろそろワシも本気を見せちゃるかのう」

プッ!

爪楊枝を吐き出し、一度大きく息を吸い込むとカルツは態勢を低くして一気にドリブルで突破を図る。

カルツ「(懐かしいのう。ワシがこのハンブルグというチームの中で、
    こうして中央のラインを堂々とドリブルで駆け巡ったのはいつ以来だったか……)」

そうだ。まだシュナイダーがこのハンブルガーというチームにいた頃。
若林が挫折と失意を強烈な反骨心で押さえつけながら入団してきたあの日。
あの頃まだ自分たちは下部組織の選手で、それでもトップの選手たちを脅かすほどの注目を浴びていた。

カルツ「(ワシら3人がいればなんでもできると思っていた。ゲンさん、シュナイダーちゃん……そしてワシがいれば……)」

92 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:34:53 ID:???
若林が守り、カルツが繋ぎ、シュナイダーが点を取る。見事なまでの縦の中央ラインの形成。
ハンブルグjrチームは無敵の強さを誇っていた。しかし、この夢の様な時間はそんなに長くは続かなかった。
彼があっさりとバイエルンへの移籍を決めたことを、カルツは表には出さないが長年疑問に思っていた。
しかし徐々にその疑問は解かれていく。WY大会で日本に敗れ、まだまだ自分たちの実力は未熟だと理解した頃から特に。

カルツ「(ワシは薄々恐れていたのかもしれん。シュナイダーと正面から戦うことを。
    同じチームにいる限り、ワシはあの『皇帝』と戦うことはない。競い合うことも争い合う事もない。
    シュナイダーの実力はワシらの世代ではこのドイツの中で紛れも無いナンバーワン。
    シュナイダーが必ず決めてくれる。若林なら必ず止めてくれる。
    ……そんな甘えが、驕りが……ワシ自身がワシの成長を妨げていたんだ!!)」

爪楊枝を吐き出すだけではこの心のもやもやは晴れてくれない。
先ほど吸い込んだ息を思いっきり声に乗せて吐き出す。

カルツ「どけっ!今のワシに近寄るんじゃねぇ!!」

ドガッ! ボガッ! ズドッ!

並み居るブレーメンの守備網を跳ね除けながら掻い潜る姿はまさに興奮し針を逆立てたハリネズミそのものだ。
両サイドの二人を囮に使うことで、普段はあまり使わないこの中央ラインからの攻撃でブレーメン陣営を切り裂いていく。

森崎「カルツが切り込んでくる…!だが、奴にはミドルシュートはないはずだ。だったら!」

ブローリン「任せろ。万が一の時はちゃんと止めてくれよ、キーパー」

ブローリンは積極的にプレスを仕掛け、カルツの侵攻を食い止める。
まるで巨人と小人のような体格差である。この圧倒的なミスマッチでは
いくらカルツの相手の突進を利用する技術を用いてもパワーで押しつぶされてしまう。

カルツ「ワシはドイツの仕事師ヘルマン=カルツ!ワシのゲルマン魂は……!!」

93 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:35:55 ID:???
グイッ!!

ブローリン「(こいつ……態勢を上げてきただと!?)」

彼の意図に気がついたときは全てが遅かった。彼は突破を目的としていない。
彼が成そうとしている仕事。それはより確実に得点のチャンスを得ること。
絶好の位置での『フリー』の状態を得ること。すなわち――

カルツ「げふぅっ!!」

鮮血が舞った。鼻血を盛大に吹き出しながら倒れるカルツ。
ブローリンは赤く染まった自分の肘をまじまじと見せつけられ驚愕するしか無かった。

ブローリン「き、貴様…!味な真似を!」

カルツ「(ワシの仕事っぷりといったらたまらんじゃろ?さ、手はずは整った。後は……)」

フリーキックを得たハンブルガーはこのチャンスをものにするべく布陣を整える。
対するブレーメンもこのピンチをなんとしても防ぐべく守備を固める。

森崎「やはり得点力の高いポブルセンか?いや、コーナーからのシュートが得意なカペロマンの線もある…」

ミドルシュートの連発だけは絶対にやらせてはいけない。森崎はこの二人へのマークを徹底させる。
しかし、彼は見落としていた。いや、見落としてはいない。なぜなら『アイツ』がまさか
あの戦術で仕掛けてくるなんてそれこそ夢にも思わなかったのだから。

ブローリン「な……馬鹿な!信じられん!」

シェスター「うっそー!まさかこんなことが!」

マーガス「日本のキーパーはみんなこんなアグレッシブな性格なのか…?」

94 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:37:09 ID:???
フリーキックのキッカーはなんと若林だった。
そしてこれは長年オーバーラップを武器として使ってきた森崎に対しての
ようやく同じ目線でぶつかり合えるようになった若林からのちょうせん状のような気がしてならなかった。

若林「(お前がキャプテンを目指す理由。周りの皆に認められたかったと言っていたな。
   俺はお前のオーバーラップをただ自分が目立つことだけのエゴの塊だと決めつけていた。
   しかしお前はその予想を覆すために努力を重ね、全日本でもトップクラスのキープ力を身につけた。
   自分の行動に責任を持つ。そのためにはどんな手段だろうと厭わない。
   お前がずっと抱えてきたその気質は決して他人を蹴落としてのし上がろうとするためだけのものじゃない)」

周りを認めるためには実力を身につけるしか無い。そうして身に付けた実力をどう振るうかはやはりその身につけた本人次第だ。
それをようやく飲み込み、理解した若林は自らの意志で森崎の面前へと立つ。

森崎「……まさかお前がこんな派手なことを好むとは驚きだぜ」

若林「何言ってやがる。昔から俺は派手好きさ。過去の俺のイメージはいい加減捨てたほうが身のためだ」

森崎「どんな事があろうとも、お前にだけはゴールは奪わせない…!」

若林「お前が何故この戦術を選びとり、そして武器にしてきたのか。その真実を俺は……手に入れる!!」

ピピーーーーッ!!

若林「走れメッツァ!ぬおおぉぉぉ〜〜〜〜っ!!」

バコォン!!

森崎「パスか!センタリングに注意しろ!マークを外されるな!」

思い切り逆サイドに振って守備陣の視線を一気に逸らす。と、同時に若林はPA内へと切り込んでくる。

95 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:38:12 ID:???
メッツァ「まったく、若林にも困ったものだよ。こんな無茶をするんだ。絶対に決めてきてくれよな!」

バコォッ!シュルルルルルッ!!

トップスピンパスが優雅な弧を描き絶妙なクロスとしてあげられる。
このボールに競り合うのは当然のごとく若林と森崎の二人だった。

若林「勝負だ森崎ィ!」

森崎「来い!若林ィ!」

二人のちょうど間に潜りこむようにして入り込むボール。若林はダイビングヘッドの体勢で突っ込みシュートを放とうとしている。

森崎「俺は……俺は世界一のGKになるんだ!だからこんなところで負けるわけにはいかないんだ〜〜〜〜!!」

若林「俺だってもう負けるのは沢山だ!俺は夢を叶える!日本を、あいつと一緒にワールドカップで優勝させるんだ!だからァ〜〜〜っ!!」

互いの夢への思いを乗せた競り合い。ドライブ回転するボールが若林の頭と森崎の両手の間で激しい摩擦音を響かせる。


バ シ ュ ウ ン ! !

96 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:39:13 ID:???



後にこの試合を見ていた観客は語る。

森崎「うっ……」

その時のフィールドに広がった衝撃はまるで星々の爆発。

若林「ぐあっ……」

それはあまりにも眩過ぎて眩しすぎて。

森崎・若林「「(ボールは……ボールはどこだ)」」

二人の『目』は笛が鳴るまでボールの行方を捉えることは出来なかった。


97 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:40:16 ID:???
ギャルンッ!

トップスピンの回転が若林の被っている帽子をふわりと舞い上がらせる。
そしてその帽子は森崎の判断力を一瞬停止させる『ブラインド』となった。

森崎「あ、ああっ!!」

バサァッ!!

若林「ぐっ…うぅ…は、入ったのか……?それとも外しちまったのか……?」

カルツ「ゲ、ゲンさん!しっかりしろ〜〜〜っ!!」

額からは溢れる血が目に入ったせいなのか、周囲の景色がぼんやりしている。
ああ、なんてこった。ただでさえ右手の拳を潰しているのに。
どうしてこうも昔から身体は頑丈なはずなのに怪我をしやすい体質は治らないのかね。

森崎「わ、若林…!?」

若林は赤色に染まる視界の中で、自分の中の『光』が急速に失われているのが分かった。
さっきのあまりの光の眩しさのせいかな。なぁに、すぐに治るさこんな傷。
故意じゃなかったんだろ?だったら何も気にすることなんかありゃしない。
お前や俺が中山にしてしまったことはたとえ故意じゃなかろうとも簡単に償えるようなことじゃないかもしれないが。
それでも俺達がこうして仲直りできたんだ。お前と中山なら何も難しいことなんかないさ。

若林「ただ無邪気にサッカーボールだけを追いかけていたあの黄金の日々。
   俺たちはもうあの頃には戻れない。楽しいだけのサッカーはもうできない
   それでも俺は言える。今でも俺は……サッカーが大好きだ!!」

98 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:41:30 ID:???
豪快に顔を拭った赤く滲んだ拳を高く掲げ、若林は高らかに叫んだ。
きっとこれから先も辛く厳しい試練が自分の前に立ちふさがってくるだろう。
それでも乗り越えて行ける気がするのは、もう自分の心に一切の迷いがないからだ。
森崎と同じ目線で戦い、ぶつかり、そして勝利したという喜びが若林の新たな『光』となる。

ピピイィ〜〜〜〜〜!!!

ハンブルガーの得点を告げる笛が歓喜と落胆が交じり合った悲鳴が轟くスタジアム中に響き渡る。
この特典が決勝点となり、ハンブルガーSVはウェルダーブレーメンを下した。
そして別会場では大方の予想通りケルンが危なげなく勝利を収め、そのまま優勝を飾ったのである。


そして数日が過ぎた……。

99 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:43:23 ID:???
拝啓 親愛なる友人 アリティア王子マルス殿

あの激闘から数日後。今季のリーグ戦を3位という成績で終えた俺たちブレーメンは
より上質なチーム作りのために当初の予定を少し早めて強化遠征へと乗り出したんだ。
コーチ陣たちはなるべく各国リーグの最強のチームと戦わせたいようだがどうなることやら。
ブンデス3位という成績は少なくとも恥ずべき結果ではないらしいがね。
世界一のGKを目指す俺としてはやっぱりまだ納得ができないわけで。
まぁいつまでも過去の試合の愚痴を書き連ねてもしかたがないよな。で、気になる一番初めの遠征先はというと……


☆どこだったかな?

A イタリア
B フランス
C イングランド
D オランダ
E ブラジル
F アルゼンチン
G ウルグアイ
H 日本
I その他(お好きな国をお書きください)

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

100 :森崎名無しさん:2012/07/19(木) 11:44:51 ID:jxBX8wEQ


101 :森崎名無しさん:2012/07/19(木) 12:02:13 ID:siUbGv9I
D

102 :森崎名無しさん:2012/07/19(木) 17:44:15 ID:???
若林はレヴィンに欠片を取られてた、かな?光でも星でもない自分のやつ
変にきれいになってて何か不安
こういうのNGだったらスルーしてくれ、すまぬ

103 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:38:57 ID:???
>>102
特に不安になる心配はないと思います。今回の試合も
原作のハンブルグVSバイエルンや若林の目の怪我のオマージュというだけですから。
森崎自身が拒まない限り、若林は味方として一緒に戦ってくれることでしょう。
===========
>D オランダ


〜アムステルダム。アヤックス寮〜

三杉「ええ、了解です。彼がこちらに到着したら必ず渡しておきますよ。それでは失礼致します」

三杉は先ほど届いた小包を小脇に抱えながら、電話先の相手に快い返事をする。

三杉「(全ては森崎が来てからだな。だが、今はそれよりも……)」

三杉淳。彼は3年ほど前からここ、アヤックスの研修生として力をつけ先日正式にプロ契約したばかりである。
ユース時代に共に学んだ戦友たちと揃ってプロの舞台に駆け上がれる喜び。
未知の世界でどこまで自分の力が通用するか分からない不安と期待に
その病魔に苛まれていた心臓は自分でもわかるほど鼓動を早めている。

三杉「(WY大会で日本が優勝し、さらに日本サッカー協会はその立場を大きなものとしている。
   無事に自国でプロリーグの発足に成功し、力ある選手をこうして
   各国の一流リーグへと送りつけることも出来るようになった)」

かつて夢でしか無かった海外でのプロクラブの日本人対決という図式が、今ならば当たり前のように行われる。
三杉たち黄金世代の選手たちが切り開き繋いできた線はいつしかここまで太く力強いものとなり、
サッカー後進国などと言う言葉を過去のものにするほどへと成長していた。

104 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:40:07 ID:???
三杉「(ブンデスリーグ3位、ウェルダーブレーメン。相手にとって不足はない。
   だが肝心のうちのチームが……今のままではとても太刀打ちできそうにはない。
   何より相手方のチームに失礼に値する可能性のほうが高い……)」

三杉は寮の窓から見下ろせるグラウンドにてボールを蹴る選手たちを見てため息を吐く。
貴公子と呼ぶに相応しい整った顔立ち、やや細面の顔が儚さを醸し出す実に絵になる光景だ。
が、彼の心境はそんな芸術思考とはかけ離れた焦燥と無念さで埋め尽くされている。

三杉「また始まったか。勘弁してくれ。今では心臓より胃の病気のほうが心配になってきてるんだから…」



クライフォート「さぁ、そろそろ本格的な練習へと切り替えていこうか」

ディック「へへへ…お前のその無駄にデカイ図体があればすぐにものに出来るさ。頑張りな」

リブタ「う、うう……やだよぉ。お、俺には無理だよ。できっこないよぉ」

現在アヤックスのキャプテンを任されているブライアン=クライフォートの指導のもとでディフェンスの練習が行われていた。

ドールマン「いいからやるんだよ!この『ダーティディフェンス』さえ覚えれば
      俺たちアヤックスはどんなチームが相手だろうと勝てるチームになれるんだ!」

リブタ「そ、そんな事言ったってぇ……」

クライフォート「……まったく。そんな弱気ではとてもアヤックスの、引いてはオランダ代表のゴール前は任せられんな。
        監督に進言しておこう。リブタは新体制のアヤックスに馴染められない落ちこぼれだとな」

リブタ「ま、待ってよぉ!やるよ!やるから!だからそれだけは堪忍してくれよ〜!
    (そうだ……俺は守らなくちゃいけない。あいつが、イスラスが戻って来られる場所を……!)」

105 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:41:23 ID:???
クリスマン「ふん、あんな弱気なくせにレギュラーにはしつこいくらいに固執してやがる」

カイザー「いいんじゃねぇの?実際アイツの守備力は確かなものなんだしさ」

レンセンブリンク「しかし彼にはもう少し痩せていただかないと。
        『彼』のような俊足系のストライカー相手に翻弄されるのがオチです」

クライフォート「フン。ろくに結果を残せずに逃げるように消えた『負け犬』の話はもうやめないか」

リブタ「な、なんだと…!?」

聞き捨てならない。許せない。体が大きいというだけで心ないことばかり言われていた自分に
それは立派な個性だと尊重し、共に戦ってくれた『相棒』を負け犬呼ばわりされるなんて黙ってられない。 
丸い顔の真ん中についた鼻の穴をふくらませて、迫力よく息を吐き出す。

クライフォート「ほう。貴様、俺に逆らうつもりか?面白い。ならばここからは俺が実践で稽古をつけてやろう。
        このアヤックスの『真』のキャプテンであるブライアン・クライフォートがな」

リブタ「ブ、ブブ…ブヒィ〜〜〜〜ッ!!!」

ボールを持つリブタを一斉に取り囲む5人の選手たち。
周囲を見渡しドリブルコースを探ろうとするリブタに
クライフォートは素早く接近すると、鳩尾深く肘を押し当て体重を乗せる。

ミシィッ……

リブタ「ブフォッ!?」

クライフォート「どうした、所詮は口だけか『豚野郎』!お前もアイツ同様『負け犬』さ!
        負け犬は負け犬らしく強い者に引きずられておとなしくしてればいいんだよ!」

106 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:42:29 ID:???
リブタ「(う、うう……どうしてこうなっちゃったんだ。イスラス……
    どうして君はこのアヤックスからいなくなっちゃったんだよ……)」

かつてこのアヤックスの中心的存在だったイスラス。彼はWY大会敗退後、謎の失踪で行方をくらませていた。
敗戦の責任を取っただの、再起不能の怪我をしていただの様々な憶測で騒がれる中、
新しくキャプテンとして指揮をとることになったクライフォートは
このアヤックスというチームの態勢を革命でも起こすかのようにして次々と変えていった。

クリスマン「ドリブルで突出する攻撃なんて時代遅れさ」

ドゴッ!

レンセンブリンク「一人のエースに負担をかける非効率な戦い方」

ガスッ!

カイザー「チームの和を乱す自己中プレイはダメ、ゼッタイ!」

ボゴッ!

ディック「チーム皆で力を合わせて勝利をもぎ取る。これこそ真の勝利。そうだろリブタァ!!」

ズッギャアアアアン!!

リブタ「ブヒィ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」

三杉「止めろ!これ以上やれば怪我では済まないぞ!」

ゴール前で行われている乱取り稽古のような練習に三杉は割って入る。
チームの参謀役でもある三杉が出てきたことでクライフォートもようやく動きを止める。

107 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:43:32 ID:???
クライフォート「はは、失敬失敬。少し練習に熱が入りすぎてしまっていたようだね。
        君の判断にはいつも助けられているよ。クールダウンも時には必要だからね。
        でないと……いつ『彼』のように選手として使い物にならなくなるか分からないからな」

三杉「……それが分かっているのならすぐにマネージャーを呼んでくるんだ。
   数日後のブレーメンとの親善試合前に彼を失うわけにはいかないだろ」

ディック「けっ。DFの要ならここにいるじゃねぇか。そいつがいなくたってどうとでもならぁ。
     それにブレーメンって言ったってリーグ3位の半端チームだろ?
     どうせなら1位のケルン、最低でも2位のハンブルガーとやりたかったぜ」

三杉「いいから早く呼んでくるんだ。ボクの目が黒いうちは誰一人だろうと怪我なんかさせない」

クリスマン「さすがは医者との両立を目指してるご大層な人は言うことが違うねえ。偉い偉い」

カイザー「じゃあ俺が呼んでくるぜ!ヒャッホー!」

レンセンブリンク「安心しなさいリブタくん、きっとすぐに来てくれますから。
         なにせうちのマネージャーの俊足はチーム内でも有名ですから」


数分後。チーム内でもトップクラスのスピードを誇るカイザーと並走しながら
アヤックスのチームマネージャー、シャルが慌てて駆け込んでくる。

シャル「リブタ、痛くない?平気?」

リブタ「だ、大丈夫だよシャル。俺、頑丈なのがとりえだからさ、へへへ……」

三杉「僕も一緒に診よう。シャル、フォローしてくれるかい」

シャル「お願いします」

108 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:44:49 ID:???
膝にこびりついた芝と泥を剥がし、すりむけた患部をガーゼで塞ぐ。
幸い軽い打撲で済みそうだ。暫く安静にしていればすぐにまた走れるだろう。

リブタ「助けてくれてありがとう三杉。でも俺……悔しいよ。イスラスのこと馬鹿にされて…悔しかったんだ」

三杉「だからといって感情的になるのは得策じゃなかったな。それこそ奴らの思う壺だ。
   お構いなしに『守備練習』させてもらえる立派な口実作りをしてくれたんだから」

シャル「……でも、いい加減我慢の限界。わたしも……ううん、今は殆ど下部に落とされちゃってるけど
    旧アヤックスのみんなたちだってリブタと同じ事考えてる」

彼らは長い間名門クラブという下駄を履き、イスラスだけに頼って戦おうとする腑抜けた男たちだった。
だが、三杉が日本から研修に来たことで彼らは変わった。体が大きいだけと貶されていたリブタを鍛え、
自ら孤独を選び続けていたイスラスの心を解かし、チームの方向性を見事一つにまとめあげたのだ。

三杉「だが時が経てば季節が変わるように、人の意識や気質も変わってしまうものさ。
   今の新体制を見ればわかるだろう?クライフォート……彼の統制はボクやイスラスが築いた時よりも
   もっと厚い、一枚岩へとなっている。悔しいけれどこればかりは認めざるを得ない」

一つの大きな派閥として有無をいわさず引っ張っていくチーム態勢。この状況を三杉はよく知っている。

三杉「jrユース時代のボクたちのチームもそうだった。そしてそうなったチームはたしかに強い。
   主張や理念など試合の中では技術や精神へと取って代わられる。誰もが勝利を目指しボールを追いかける」

淡々と語りながらリブタの治療を進める三杉。シャルは包帯を巻き終え、薬箱をパタリと閉めてうつむく。

シャル「それでも……このままじゃダメだよ。いくらなんでも相手を狙って怪我をさせる守備だなんて……」

三杉「君の主張ももっともだ。道徳的には君のほうが正しい。だが、ボクたちがいるのは勝負の世界。
   綺麗事だけでは語れない世界で戦っていることを、君も十分学んできたはずだろう?」

109 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:46:17 ID:???
シャル「うん……。だからわたしは待ってる。イスラスがいつか帰ってきてくれるって。
    イスラスは再起不能の怪我なんかしてない。あのときの試合で倒れた時もすぐに目を覚ましてくれたもん……!」

リブタ「でも、いったいどこに行っちゃったんだろう。俺達に何も告げずにいなくなっちゃうなんて…何か事件にでも巻き込まれてるんじゃ」

三杉「しっかりしろ!今の君たちがそんな態度でどうする!これでは昔と同じだ!イスラスに頼りきっていた昔のアヤックスと同じなんだ!」

シャル「三杉……!」

リブタ「う……」

三杉「彼が帰ってくる居場所を守ると決意したんだろ?だったら彼が帰ってくるのを信じて待つんだ。
   本当に彼のことを信じ続けることが出来る覚悟があるならば、耐えられるはずだ。
   ……諦めちゃダメだ。自分から希望を捨てるようなことをしてはいけない。心が弱くなってしまうから」

重い病気に苛まれ、長い間苦しんできた自分だからこそ言える言葉だった。
体の状態が悪くなることよりも、心が弱り切ってしまうことこそが三杉にとってよほど怖かったのだ。

三杉「(ボクはサッカーを辞めないよ。もし1分や2分しかプレーできなくても、
   ボクは必ずフィールドに立つ。いつかボクは必ずこの心臓病にも打ち勝ってみせる。
   未だ叶わないこの夢も、ボク自信が諦めない限り、心が折れない限りいつか必ず叶うはずなんだ。だから…)」

だからどうか君たちも。自分を見失わずに信じ続けることを止めないで欲しい。そう三杉が語りかけようとしたその時。

????「どうした。辛気臭い顔しやがって。誰かの葬式でもやってるのか?」

リブタ「え……う、嘘…!」

シャル「夢……じゃないよね?」

三杉「(おやおや。こうもあっけなく夢が叶うこともあるんだね。全く……。だけどこれでアヤックスは再び変われる。
   森崎、君とプロの舞台で戦える日が来るのを楽しみに待っているよ。そして、あの人との約束も……)」

110 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:47:44 ID:???
クライフォート「今さら何をしに戻ってきた…イスラス!」

その夜。月夜に照らされた静かなグラウンドにて二人の男が睨み合っていた。
一人は現キャプテンであるクライフォート。そしてもう一人は元キャプテンのイスラス。

イスラス「別に。ただ、お前も知っているだろ?最近噂になっている『謎のチーム』のことくらい」

クライフォート「ああ、知っているとも。あの伝説の監督と呼ばれていたジョアン氏が突如活動を再開し
        各国から素質ある選手を集めてはコーチングをしていると……ま、まさか!」

イスラス「ククッ…そのまさかだとしたらどうだと言うんだ?」

クライフォート「う、嘘だ……どうしていつもお前は……俺の行先を邪魔をする!
        お前はいつだってその足で先頭を走り続け目立ち続け……俺の出番を奪っていった!
        俺が入念に練習の計画を立てレベルアップしても、いつもいつもコーチたちはお前ばかり注目する!
        何故だ!実力も才能も俺はお前に絶対に負けていない!それなのにどうしてお前は!!」

イスラス「……ああ、知ってるよ。お前の真の実力に気づけない馬鹿なコーチ陣には俺も長年辟易していたさ」

クライフォート「なっ…!?」

イスラス「だからだよ。お前の才能と実力がとんでもなかったから、俺はこの『足』で
     分かりやすく自分の長所をアピールし続けたんだ。休むこと無くひたすらな」

クライフォート「…イスラス、お前は…」

イスラス「ああ、察しの通りさ。俺はお前から逃げていたのさ。お前に目立たされちゃ俺の居場所が消えちまう。
     だから慎重なお前がもったいぶって時間をかけて入念に才能を磨いている間にお前の出番を尽く奪い続けてきたんだよ」

クライフォート「……ふざけるな!俺の実力に怯え逃げていただと!?お前が!
        あの皇帝シュナイダーと並ぶほどの天才だと評されていたお前が!」

111 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:49:15 ID:???
イスラス「だから俺は戻ってきた。俺はもう誰からも逃げたりはしねぇと決めたからここに戻ってきた。
     どんな運命にも屈しねぇ。あがき続ける覚悟をようやく準備できたんだよ。
     ……だからお前も覚悟を決めな。それとも『負け犬』相手じゃ本気をだせねぇか?」

クライフォート「…………」

イスラス「まだ決めかねてるのか?そんなんじゃとても『真のキャプテン』なんて名乗れねぇぜ。……三杉!」

三杉「ああ。それっ!」

バシッ!!

密かにグラウンドの隅で傍観していた三杉が蹴りこんだボールが
イスラスの足元へとピタリと収まる。軽く足の裏で転がした後、クライフォートを指で挑発する。

イスラス「来な。お前が俺に追いつこうとする覚悟ができたらいつでもいいぜ」

クライフォート「……俺は……」

イスラス「昔からお前はそうだったな。周りに合わせてばかりで自ら動こうとなんか全然しねぇ。
     お前がそうしてもたもたしていたのも俺に追いつくことが出来なかった原因だろうが。
     足を止めたって時間は流れる。だから後で後悔なんかしないように……
     全力を尽くすために俺たちは毎日練習してきたんだろうが!」

クライフォート「!!」

イスラス「いつまでくすぶってやがるブライアン・クライフォート!
     テメェの言葉がハッタリじゃないのなら俺からボールを奪えるはずだ!」

クライフォート「くっ……舐めるなァ!俺は……俺は負けん!負けられないんだぁっ!!」

112 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:50:32 ID:???
★オランダの二人の天才→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→クライフォートが粘り強く食らいつきイスラスからボールを奪う!
スペード・クラブ→イスラスが音速のように駆け抜けクライフォートを抜き去る!
JOKER→その時二人の間に謎の仮面男が現れた!

113 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 10:09:25 ID:???
★オランダの二人の天才→ クラブ4

114 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:17:32 ID:???
★オランダの二人の天才→ クラブ4 ★
>スペード・クラブ→イスラスが音速のように駆け抜けクライフォートを抜き去る!
===========
クライフォート「俺はオランダの無冠の帝王などとふざけた栄誉を取り払うために絶対に負けないチーム作りに励んできた。
        だからどんな手段を使おうとも負けない、相手のチーム力をそぎ落とす戦術を考えてきた!」

ダダッ!!

イスラス「それがテメェの覚悟か。だがな…それじゃ届かねぇんだよクライフォート!」

ビュンッ…シュパァッ!!

クライフォート「くっ…速い!」

三杉「相変わらず見事な足さばきだ。ドリブル中にあれだけ速度と方向を切り替えられれば大抵のマークは振りきれる」

リブタ「でも、クライフォートの粘り強さは本物だよ。相手の進行先を先読みして絶対に主導権を渡さないようにしてる」

三杉「君も来ていたのかリブタ。あえて君やシャルには黙っていたんだけどね」

リブタ「大事な相棒の決死の覚悟だもの。俺が見届けなくて誰が見届けるっていうの?」

シャル「わたしだって。イスラスが守ろうとしたもの、一緒に守るって約束したから」

三杉「…だったら信じて見守ろう。彼ら二人の覚悟が両方共本物だったら…きっと大丈夫」

クライフォート「抜かせない!お前のドリブルはたしかに速い。だけど右脚の舵取りグセは相変わらずだな!」

イスラス「クセじゃねぇよ。右脚でしか取れねぇから仕方なくやってんだ。それに対策ぐらい用意してる」

バコッ!クルッ……

115 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:18:33 ID:???
三杉「あれはクライフターン!高速でのフェイントだけでなくあのようなテクニックも覚えてきたか!」

リブタ「スピードとテクニックの融合…す、すごいやイスラス!噂のジョアンコーチに鍛えてもらっただけはあるね!」

シャル「(…なんだろ、この胸騒ぎ。なんだか嫌な予感がするよ。イスラス…お願い、無事でいて…!)」

クライフターンでクライフォートの後ろへと回り込んだイスラスは自慢の高速ドリブルで一気に突き放そうとする。

クライフォート「俺だって…俺だって新しい技を編み出している!チームの勝利のために、誇りを捨ててでも!」

グアアッ!!

リブタ「ああっ!あの構えはまさか『ダーティディフェンス』!?」

三杉「止めろクライフォート!お前の目指す勝利は敵だけでなく味方までも傷つけることだと言うのか!」

シャル「イスラス危ない!逃げてえぇぇぇぇっ!!」

イスラス「(……情けないやつめ。そんなんじゃ何時まで経っても俺に追いつけやしねぇぞ)」

ガシッ!

クライフォート「(よし、服の袖を掴んだ。後はこうして引きずり倒し……!?)」

グググッ…!!

クライフォート「(ここで急停止!?俺が仕掛けるタイミングを見計らって!?)」

三杉「並走しながらの守備には勢いがつくが、対象物が同じ方向に動いているからこそその衝撃は少なくて済む。
   だがもしもその方向が交わったり逆向きになっていたとしたら……」

116 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:19:50 ID:???
イスラス「せえぇぇいやっ!!」

クライフォート「うっ…うわぁっ!!」

ブォン!!

ボールを奪うのではなく転ばそうとするためだけにつけた勢いは余計な力がつきすぎていた。
急停止したイスラスはその衝撃を右腕から左腕へと受け流すようにして身をかがめる。
イスラスの背中の上を一回転しながら吹き飛ぶクライフォートは氷のような表情のイスラスと目があった。

ドシャッ!!

クライフォート「げふっ!ごはっ…!」

シャル「ど、どういうこと?まるで自分から吹っ飛んじゃったみたいに…」

リブタ「なるほど。相手の引っ張る勢いを利用してそのまま背負って投げちゃったんだ!」

三杉「背中を向けて自ら倒れこむことでパワーを受け流す。まるでカルツの『ハリネズミドリブル』のようだな」

受け身が取れず背中を強く打ったクライフォートは激しく咳き込む。
イスラスはボールを拾い上げると倒れるクライフォートの足元へと戻ってくる。

イスラス「俺はな、クライフォート」

クライフォート「……なんだ……」

イスラス「いつも前ばかりを見ていた。チームスポーツというサッカーをしているときも。
     後ろのことなんて気にもとめずに、ただひたすら自分の世界だけで走り続けていたんだ」

クライフォート「……」

117 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:21:07 ID:???
イスラス「だがこのままじゃ駄目だと気付かされた。歩調があっていないチームには必ずどこかで綻びが生まれる。
     トータルフットボールという全員が走り、攻め、守ろうとする戦術を行使してもだ」

クライフォート「そんな……それじゃあ俺は、俺達は……オランダは何時まで経っても王者にはなれないとでも言うのか…!」

イスラス「そうじゃない。……俺には目標がある。今は絶対に追いつけなくともいつか追いついてみせると誓った目標がな。
     俺はその目標へ届くために走り続ける。止まること無くどこまでもどこまでも。
     ……だから、お前も俺に追いつきたいなら走ってこい。お前がそうやって足を止めてる間に俺はどこまでも前に進む。
     誰も待ってやくれやしない。夢が欲しけりゃ自分の足で歩み寄って掴み取るしか無いんだからよ」

クライフォート「(…何故俺はこいつに勝てない。俺のやってきたことは間違いだったとでも言うのか?
        相手を妨害し引きずり下ろすことで自分を前に出すのではなく……
        勇気を出し自ら前に歩み出ることでしか本当の夢は掴みとれないとでも……?)」

だがそんなことが出来る人間はほんのひとにぎりだけだということをクライフォートは知っている。
多くの者が必ずどこかで折り合いをつけてしまうのだ。そして言い訳を考え挫折という現実から目をそらす。
相手が悪かった。自分には才能がなかった。どうせ初めから無駄な努力だった。無謀な考えだったんだ。
そうして人は歩みを止めてしまう。これ以上走り続けるのは苦しいから。楽な道を進んで行きたいから。

イスラス「それじゃ何時まで経っても届きやしねぇんだよ、クライフォート。
     ……お前の才能は本物だ。俺が保証してやる。だがその才能を分かってもらうには
     もっと積極的に前に出ていくべきだったんじゃないのか?
     もったいぶってていざとなったら出番がありませんでしたじゃ…あまりにも滑稽すぎるだろ」

クライフォート「フ……そうだな。そうかもしれん。だが誰しもお前のように速く走れるわけではないのだ。
        それこそ亀のように……歩みの鈍いものには一生栄光など輝かない……」

118 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:22:57 ID:???
イスラス「その『どん亀』も走ることを止めなければ案外『ウサギ』に勝てるかもしれないぜ?」

クライフォート「ウサギ、か。だが今俺の眼の前にいるウサギはとても怠け者には見えないのだが?」

イスラス「んなこた知るかよ。怠け者のウサギがいれば頑張りやなウサギがいてもおかしくはないさ。
     人のことばかり気にしてないで、たまには自分の世界だけで走ってみなよ。
     そうしてそこで気づくことがきっとあるだろうさ」

クライフォート「……どうだかな」

イスラス「ほら、立てよどん亀。それとも負け犬の手なんか借りたくないってか?」

クライフォート「……」

イスラスはクライフォートに向けて手を伸ばす。暫くその手を見つめてから、クライフォートは……


★オオガメくんとオオカミさん→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→しっかりとその手を掴んで立ち上がる。彼の止まっていた足は今ようやく動き出す。
スペード・クラブ→イスラスの手を弾く。すかさず立ち上がり逃げるように去っていった…
JOKER→その時二人の間に謎の仮面男が現れた!

119 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 11:23:15 ID:???
★オオガメくんとオオカミさん→ JOKER

120 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 11:25:13 ID:???
なんか来たw

121 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:53:21 ID:???
>>120
ここ、これは予想外…!オランダシナリオが一気に進展しまうー!
===========
★オオガメくんとオオカミさん→ JOKER ★
>JOKER→その時二人の間に謎の仮面男が現れた!


クライフォート「今からでも……」

イスラス「ん?」

クライフォート「本当に今からでも、お前に追いつくことは出来るのか?」

イスラス「情けねぇ奴。どうせなら追い抜くくらい言ったらどうなんだ?」

クライフォート「……そうだな。だったらここで誓わせてくれ。俺はいつかお前に追いつき追い越してみせる。
        いつか『真のキャプテン』という称号を立派に身に付けられる日のためにもな」

イスラス「言っておくが俺は止まったりはしてやらんぜ。どうしても追いつきたい相手が待ってやがるんだからな」

クライフォートとイスラスは互いに口の端を持ち上げ、手を繋ぐ。

シャル「やったぁ!これで二人は仲直り!アヤックスも元通り!バーンザ〜イ!!」

リブタ「そ、そんなすぐには無理だろうけど…でもきっと大丈夫だよね、三杉」

三杉「ああ。どうやら将来オランダは相当な強敵になりそうだ。ボクも負けていられないな」

これで万全の体制でブレーメンを迎え撃つことが出来る。そう安堵の息を吐こうとしたその時。

????「だったら今すぐ挑戦してみるか〜い?裏切り者く〜ん?」

122 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:54:34 ID:???
バシュッ!!

イスラス「なっ…なんだこの光は!?」

クライフォート「いったい何が……?だ、誰だ貴様は!どこから現れた!」

突然二人の間に降って湧いたかのように現れた謎の男。
不気味な仮面をつけたその男の仮面にイスラスは見覚えがあった。

イスラス「テメェ……あの時の!」

アリティアカップ開催中に、世界トップクラスの俊足を持つ
南米の黒豹ことビクトリーノと協力したにもかかわらず逃げられてしまった仮面の男。

クライフォート「…随分奇特な知り合いがいたものだなイスラス。まさか奴がお前の目標とでも?」

イスラス「期待はずれもいいところだが残念ながらその通りさ。
     おい、アンタ。俺のことを裏切り者と言っていたが……奴らの手先か?」

????「手先?う〜ん、まぁそうなるかなぁ。ま、あくまで俺は自分の意思でここにきてこうして君に会いに来たんだけど…ね?」

イスラス「…どういうつもりかしらねぇが今度こそ逃がしゃしねぇぞ。テメェには聞きたいことが山ほどある。覚悟しやがれ!」

言うが早いかイスラスは仮面の男に向かって走りだす。すかさず仮面はUターンして捕まらないように逃げていく。

クライフォート「闇雲に負ってもダメだ!相手の目線から進行先を予測して……こっちだイスラス!」

イスラス「フッ…サンキュークライフォート。よし、今度こそ!」

????「うっひひひ…こりゃあ久々に楽しめそうだ。よ〜し、俺も本気で逃げ切ってやるぞ〜!!」

123 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:57:40 ID:???
三杉「…なんだか分からないがボクたちも手伝ったほうが良さそうだ。シャル、リブタ、僕が指示を出す。うまく取り囲もう」

シャル「オッケー!走ることだったら大得意だから!(…でも、なんだろ。なんだか胸騒ぎがさっきよりも強くなってる気がするよ)」

リブタ「オッケー!走ることだったら超苦手だから!でも捕まえたときは僕がちゃんと抑えこむから安心してね」

三杉「よし、いくぞ!ファストブレイクだ!」

キュピピーン!!

華麗な効果音を味方につけ、三杉、リブタ、シャルはイスラスとクライフォートの援護に回る。

????「うひょおーう。こいつはさすがの俺でも分が悪いかも。
     でも……これを振りきってこそ『この力』に手を出した甲斐があるってものさぁ!」

鬼さんこちら、手のなるほうへとからかわんばかりな態度で愉快に逃げまわる仮面の男。
イスラスたちは呼吸を合わせて男の逃げ道を少しずつ削り取ろうと試みる。

124 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 11:59:15 ID:???
先着『2名』様で判定をお願いします

★仮面男→15+! card★

★イスラス→10+! card
シャル→9+! card
三杉→7+! card
クライフォート→6+! card
リブタ→2+! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

仮面男-イスラスたちの最高値=0で捕まえることができます。

【補足・補正】
仮面男のカードがクラブ以外で『マッハフェイント』で+4
イスラスのカードがダイヤ・ハートで『高速ドリブル』で+4
シャルのカードがダイヤで『マッハダッシュ』で+3
三杉のカードがダイヤ・ハートで『ファストブレイク』で全員に+2
クライフォートのカードがダイヤ・ハートで『先読み』で仮面男に-2
リブタのカードがダイヤで『ハイパワーブロック』で仮面男に-3

125 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 11:59:57 ID:???
★仮面男→15+ スペードQ

126 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 12:00:28 ID:???
★イスラス→10+ クラブK
シャル→9+ ダイヤ8
三杉→7+ クラブ10
クライフォート→6+ スペード5
リブタ→2+ ダイヤ2

127 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 12:05:19 ID:???
また不利ジョーカーかな?

128 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 12:13:38 ID:???
通常の展開なら持っていかれること確定のクライフォートがここで勝てれば守れてたかも、
っていう意味ではチャンス獲得だったんじゃない?

129 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 13:00:29 ID:???
>>127
思いがけないトラブルもJOKERの象徴だと私は思っていますからね。
ダイヤ・ハートの結果も兼ねてるので少なくともちゃんとプラスに働いてますよ〜
>>128
もしも捕まえていればイベントのフラグ進行が大幅に早まったと言えますね。
イベントが早く終了することでその分早期に強力な味方が加わることも?
===========
★仮面男→15+ スペードQ+(マッハフェイント+4)=31→28 ★

★イスラス→10+ クラブK=23
シャル→9+ ダイヤ8+(マッハダッシュ+3)=20
三杉→7+ クラブ10=17
クライフォート→6+ スペード5=11
リブタ→2+ ダイヤ2=4『ハイパワーブロック』 ★

※残念!仮面男を捕まえることは出来なかった!
===========
三杉「今だみんな!ここで右側に追い込んで取り囲めば…」

クライフォート「違う!奴の視線と足先から予測すれば左側だ!」

シャル「どっちなんだよー!ちゃんと指示出してくれないと追いつけないよ〜!
    (なんて速さなの。こんなに速く走れる人イスラス以外じゃあの人だけ……あの人?あの人って…誰?)」

イスラス「ちいっ…!
     (足の速さなら負けちゃいねぇ。だが読み合いで完全に上をいかれていやがる。
     奴がどっちに曲がりいつUターンしてくるのかが分からねぇ。このままじゃまた…!)」

????「ほらほら素敵なお兄さまがた〜ん。早く捕まえてごらんなさ〜い♪」

イスラス「舐めてんじゃねぇぞテメェ!うおおぉぉっ!!」

130 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 13:01:58 ID:???
????「はいざんね〜ん。ここで華麗にレッツターン!」

くるりんぱっ!

イスラス「げろおぉ!?」

急な方向転換を強いられてバランスを崩したイスラスは派手にひっくり返ってカエルのような声を出してしまう。

????「へぇ…驚いた驚いた。前よりはいくらかましになってんじゃん。ちょっとは差が縮まったかもねぇ?」

イスラス「黙りやがれ!この……ぐっ!!」

????「おっとストーップ!無茶は良くないよ〜。さっきのそこの茶髪のお兄さんとの競り合いで
     かなり酷使してたでしょその足。そこのお嬢ちゃん、すぐに手当してあげなさい」

シャル「は、は〜い!……って、待ちなさいよ!」

思わず言うことを聞きそうになってしまうのを何とかこらえ、手を伸ばすがするりと避けられてしまう。

????「無駄無駄無駄!君だけにはぜっっったいに捕まらない自信があるからねぇ」

シャル「ムキーッ!なんでーっ!!」

リブタ「ぜぇ…ぜぇ…ま、まてぇ〜!!ひぃ…ひぃ…」

????「おやおやご苦労様。今ので1キロは痩せたんじゃないか?良かったね」

リブタ「えへへ、ありがと…って通すもんかぁ〜!!」

????「君に捕まるなんてそれこそ奇跡でもおこらない限りありえませんって」

131 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 13:03:17 ID:???
ササッ!

リブタ「フガッ!?」

その巨体を生かして覆いかぶさろうとするが、あっさりと横へと抜けられてしまうリブタ。

????「うーん!久々の全力疾走で気分爽快胸いっぱい!やっぱり走るのって気持ちいいね〜!」

イスラス「このっ…あんまり調子に乗るんじゃ…ぐうっ!」

三杉「無茶はダメだイスラス!あの男の言うとおり君の足はもう限界だ!」

クライフォート「いつまでも走り続けるんだろ?だったら無駄な怪我なんかしてはいけない。ここは俺たちに任せろ」

三杉とクライフォート。共に足の速さこそトップクラスの面々には及ばないものの
それをカバーしうる観察力と守備力がある。うまく進行先を潰して追い込むことが出来ればあるいは。

三杉「抜かせやしない!」

クライフォート「通すかぁ!」

????「はいはい、その程度のマークじゃ俺を止めることは不可能ですよー」

ヒュババッ!!……ギュンッ!

三杉「こ、この動きは…!?」

クライフォート「(似ている…イスラスのようなクイック&ストップに…!)」

????「ふう…さすがの俺もちょっとへばってきたなぁ。残念だけど今日はこの辺にしておくかね。アデュー!」

132 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 13:04:37 ID:???
ヒュンッ……

完全に足にきてしまってへたり込むイスラスたち5人を愉快そうに眺めながら、仮面の男は闇の中へとその姿を消していった。

イスラス「くそっ……また逃げられちまった」

クライフォート「…一体何者なんだあの仮面の不気味な男は。
        イスラス、お前はもう何からも逃げないといったよな。。
        ここ数ヶ月の失踪のことを含めてお前の近況を俺に話してもらうぞ」

イスラス「……分かった。まずはどこから話すべきだろうか……」

シャル「その前に足の治療が先!みんなも振り回されて変にひねったりしてないよね?」

三杉「ボクは問題ない。リブタも……ただ汗だくで倒れてるだけだ。心配ないよ」

リブタ「ぶひひぃ〜…で、でもあの人すんごいスピードだったよね。まるでF1カーか何かだよ」

シャル「そ、そだね。(……でも不思議な事に嫌な感じはしなかったな。何者なんだろあの人……)」

クライフォート「ともかく一度寮に戻ろう。…改めて言う。お帰りイスラス。アヤックスのチームメイトよ」

イスラス「……ただいま」

リブタ「よかったー。二人が仲良くなってくれて俺も嬉しいよ。
    これでもう『ダーティディフェンス』なんてきつい練習しなくても済むんだよねぇ」

クライフォート「何を言っている。その分お前はその邪魔な肉を削ぎ落とすことに集中するんだ」

イスラス「とりあえず走りこみを大幅追加だな。俺がいない間怠けてて無かったか?」

133 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 13:05:43 ID:???
シャル「夜中にこっそりお菓子食べるのもダメだからね〜」

リブタ「ええぇぇ〜〜。あ、飴玉一個くらいいいでしょう〜ね〜ね〜ね〜ってば〜」

三杉「(とりあえずチームの事情が円満で解決しただけでも儲けものか。
   全ては森崎がここに来てから。モロドフ氏の手紙を彼に届けてからだ)」



アムステルダムスタジアムの前に一台のバスが停まる。
上部の窓に括りつけられたタグには『ウェルダー・ブレーメン御一行様』と書かれていた。
扉が開き、中からぞろぞろと現れた男たちはようやく開放されたシートの硬さを背伸びして喜びの声を上げる。

森崎「うーーーーんっ!!やって来ましたオランダ!アムステルダムスタジアム〜!!」

シェスター「あんまりキョロキョロするなよ。お上りさんみたいで恥ずかしいから」

マーガス「でも、予定通り試合を組んでもらえてよかったよ。オランダリーグ1位アヤックス。
     俺達の力がどこまで通用するか今から腕がなるぜ!」

中里「マーガス殿の場合は腕ではなく頭でござるな。いや、それとも目でござろうか?」

ブローリン「(アヤックスか。中々粒ぞろいの才能の選手が集まっているらしい。
      『星のかけら』をたくさん集めるには都合のいいチームだな)」

ビクトリーノ「へーいブローリン!さっきから黙りこくってどうしたー?バス酔いでもしたか〜?」

ブローリン「い、いやぁなんでもないなんでもない。それより特に後遺症もなくて良かったなビクトリーノ」

ビクトリーノ「おうともさ。でも悔しかったぜ。病室のテレビで何も出来ずにお前たちの負け試合を眺めているのはよ。
       もう二度とあんな惨めな思いはしたくないぜ。お前も頑丈だからって油断してると危ないぜ。気をつけなよ」

134 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 13:07:54 ID:???
ブローリン「あ、ああ……。
      (やはりあまり気分の良いことではないよな、この仕事は。
      だがレヴィンの助けになるならば、やるしかあるまい)」

その後、スタッフの案内でスタジアム内へと招き入れられた森崎は懐かしいメンツと再会する。
ワールドユース大会で鎬を削りあったイスラスとリブタ。そして共に優勝を勝ち取った仲間の一人、三杉である。


☆どうしますか?

A 三杉と話す
B イスラスと話す
C リブタと話す
D 折角だし他の選手に話しかけてみよう(更に分岐)

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

135 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 13:11:28 ID:CLKnxKZM
B

136 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 13:16:05 ID:???
B

137 :森崎名無しさん:2012/07/20(金) 13:23:24 ID:pvjg4yBo
B

138 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/21(土) 08:53:05 ID:???
>B イスラスと話す


森崎はワールドユース大会以来に再会するイスラスに話しかけに向かった。
既に1年ほど前のことではあるがそんなに懐かしく感じないのは
あの夢の中で行われたラムカーネや仮面の男たちとの試合のせいだろうか。

森崎「久しぶりだなイスラス。元気にしてたか?」

イスラス「…まぁ、それなりにな」

以前に比べて表情が幾分柔らかくなっているのはこのアヤックスというチームの雰囲気が良いからだろう。
エールディヴィジで優勝するほどのチームワークだ。手強い相手になりそうである。

森崎「(明後日の試合までに、少しでも相手の情報やチームの強化を図りたいところだな…)」

この特別遠征は各国に3日間滞在し、試合を通して両チームの強化を図る目的となっている。
試合日以外は練習に参加したり、観光でシーズンの疲れを癒す慰安旅行も兼ねた企画なのだ。

森崎「とりあえず試合の方ではよろしくな。チームの強化のためにがっつり挑ませてもらうぜ」

イスラス「望むところだ。悪いが今度は敵同士。遠慮無く行かせてもらう」

森崎「何を言ってるんだ?俺達は同じチームで戦ったことなんて……あれ?」

イスラス「……すまん。どうやら勘違いだったらしいな。少し前のことなんだがどうにもおかしな夢を見てな。
     その夢の中では俺は何故かお前と同じチームで試合をしていたようなきがするんだが」

森崎「俺も俺も。お前やビクトリーノたちとチームを組んで謎の仮面軍団とサッカーする夢。
   夢の割には妙にはっきり覚えてるし、一試合分の体力使ったぐらいグッタリするしで大変だったぜ」

139 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/21(土) 08:54:12 ID:???
イスラス「……不思議な事もあるものだな」

森崎「ああ、不思議だなホント。ハハハ……」

イスラス「……」

森崎「……」

イスラス「どう考えてもかしいだろ、おい」

森崎「俺もそう思う」

イスラス「お前あの試合でクロスバーを使って懸垂してなかったか」

森崎「正解。逆に聞くがお前は最初は敵チームで、オウンゴールで俺たちを助けてくれたよな」

イスラス「当たりだ。……こんな偶然、そうそうあるものじゃない」

森崎「明らかにおかしい。だが、それを実証する証拠が……あっ!」

イスラス「そうだ。あの試合の後、お前に渡したものがあったな。覚えてるか?」

森崎「えーっと…そうだ。確かこのアカネイア用の金貨袋の中に……あった!」

従騎士の教官を務めた報酬としてジェイガンから受け取ったぬのぶくろ。
アカネイアでの思い出として、紋章が描かれたキャプテンマークと共にお守りとして持っていたものだ。
その中から出てきた青い光を放つ石。イスラスが仮面を踏み割った時に出てきたらしい謎のかけらだ。

140 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 08:55:25 ID:???
イスラスで正解だったか

141 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/21(土) 08:55:29 ID:???
★夢ノカケラ…→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→三杉「ふむ、綺麗な宝石だな。ボクにもよく見せてくれるかい?」三杉が興味ありげに覗きこんでくる。
ハート→シェスター「へぇ、綺麗な宝石だな。誰かへのプレゼントかい?」シェスターが興味ありげに覗きこんでくる。
スペード→中里「ほう、綺麗な宝石でござるな。拙者にも拝見させて欲しいでござる」中里が興味ありげに覗きこんでくる。
クラブ→ブローリン「き、綺麗な宝石だな。俺にもちょっと見せてくれよ」ブローリンが興味ありげに覗きこんでくる。
JOKER→上記全員がやいのやいのと覗きこんでくる。

142 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 08:55:57 ID:???
★夢ノカケラ…→ ダイヤK

143 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/21(土) 09:29:11 ID:???
>>140
特に正解と言うわけではないですが、カードのお陰でイベントは確実に進んでますね。
第2部では活躍させたい、仲間にしたいというキャラと積極的に絡むことをオススメします。
===========
★夢ノカケラ…→ ダイヤK ★
>ダイヤ→三杉「ふむ、綺麗な宝石だな。ボクにもよく見せてくれるかい?」三杉が興味ありげに覗きこんでくる。

森崎「ま、間違いない。これがここにあるってことは…あの夢の試合は間違いなく行われたものだ!」

イスラス「だが何故俺達はあの試合を夢のことだと認識してたんだ?」

森崎「それは……多分、夢の結末のせいだと思う」

イスラス「結末だと?」

森崎「あの仮面たちを率いてきた俺そっくりの男……言わば俺の影は試合後に
   負けたショックで発狂して自分で自分の首を絞めて倒れた。
   そこで俺の意識は途切れて…目を覚ました時にはあの試合は無かったことのように思えてしまったんだ」

イスラス「なるほどな。何故か選手たちを引き上げさせる奴らの動向が気になってはいたが……
     つくづくくだらねェ野郎だぜ。敗北という現実から逃げる卑怯者。それが奴の実体か」

森崎「(う……正直耳が痛い。やっぱり俺がしてきたことって周りからすればそういうこと……なんだろうな)」

勝ち続けてきたという自分の歴史の裏側を露呈されたような気分になり、森崎は顔を青くする。
その時、二人の間に割り込んでくるようにして三杉が声をかけてくる。

三杉「ふむ、綺麗な宝石だな。ボクにもよく見せてくれるかい?」

森崎「三杉じゃないか。お前もプロになっていたんだな」

144 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/21(土) 09:31:08 ID:???
三杉「いつまでも君や翼くん、若林くんに遅れを取っているわけには行かないからね。
   ボクの心臓も少しずつだけど強くなっている。今では殆ど君達と遜色なく試合に出られるほどさ」

森崎「俺もスタミナでは苦労しているからな。お前の気持ちは理解できるぜ」

三杉「それより君にも宝石の趣向があったなんて驚きだよ。良かったらボクのコレクションも見てくれないかい?」

森崎の返事は聞かずに三杉はどこからか取り出したアタッシュケースを華麗に開くと
森崎の持つ謎のかけらと同じような宝石をズラリと見せつけてくる。

イスラス「こ、こいつは…!」

森崎「すげぇな三杉。だが、このかけらはただの宝石なんかじゃ……」

三杉「うん、知ってるよ。そしてこの宝石はある者から君に渡すようにと先日ボクの所へと届けられたものだ」

森崎「え…?」

三杉「あとでボクの部屋へと来るといい。この宝石の渡し主からの手紙とともに待っているよ」

そう気になる言葉を言い残して踵を返し別の選手のところへと向かう三杉。

森崎「(三杉もこのかけらの正体を知っている…?そして俺に渡されたあの沢山のかけらと手紙とはいったい…)」

145 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/21(土) 09:32:54 ID:???
遠征1日目。この日はスタジアムの側でホテルを取り、自由時間を与えられている。
チームメイトと親睦を深めるもよし、アヤックスの選手と交流するもよし、
アムステルダムの街を謳歌するのもよし。プロのアスリートのささやかな憩いの時間である。

森崎「さっきの三杉の話も気になるが…さて、どうしようか?まずは誰かを誘いに行くか」


☆下記の中から最大で『3人』同行させたい選手を選択してください

・ブレーメン
【シェスター・マーガス・ビクトリーノ・ブローリン・中里】

・アヤックス
【三杉・イスラス・リブタ・クライフォート・クリスマン
 カイザー・レンセンブリンク・ディック・ドールマン】

『同じ組み合わせ2票』集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

146 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 10:06:33 ID:S3BZOrk2
ビクトリーノ
ブローリン
イスラス

147 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 10:09:47 ID:S3BZOrk2
っと、この自由時間で三杉の部屋に行って宝石を見せてもらいに行くのでしょうか?
それだとブローリンは外した方が良いのかも

親睦を深めるという意味では色々ありそうなのでこの組み合わせにしましたけど。

148 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 10:11:14 ID:SptZVL+k
シェスター中里

149 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 10:19:05 ID:xvU/3/8M
イスラス
シェスター
ビクトリーノ

150 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 12:47:22 ID:iHWA+DdQ
イスラス
ビクトリーノ
中里

151 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 12:50:04 ID:???
どうなるにせよ、お宝=かけらの話に海賊は危険だね

152 :森崎名無しさん:2012/07/21(土) 12:51:50 ID:???
最近ダイヤK多いね

153 :146:2012/07/21(土) 12:58:27 ID:S3BZOrk2
変更します。

イスラス
ビクトリーノ
中里

154 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 16:07:09 ID:???
イスラス腹立つ…

155 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 16:08:42 ID:???
俺はあんまり腹たたないのは、もともと「卑怯者森崎」があんまりすきじゃないからだろうなあ。
俺の好きな森崎は2さん中期くらいからの「足りないカードで頑張る森崎」だから。

156 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 16:10:02 ID:???
実際初期森崎はやってることがギャグ視点抜きで見ると非道すぎる品

157 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 16:10:21 ID:???
書き込まないではいられない我慢弱い人はスルーで

158 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 16:12:59 ID:???
だからと言って過去森崎を汚点みてえに言ってんの不愉快なんだよ
敵対して負かしたいくらい

159 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 16:14:25 ID:???
すまんね書き込むのは押さえる

160 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 17:02:49 ID:???
とりあえずこのスレのラムカーネ超モリサキと本スレの森崎とはイコールじゃないから落ち着きよし

161 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 17:15:54 ID:???
>>147
星のかけらの争奪戦も物語の肝になってくると思います。
基本的に森崎が関わらなければあまり出番が回ってこないので、
一緒に戦いたい、活躍や成長をさせたい人を誘うようにしましょう。
>>151
今のところスウェーデン勢は危険なニオイがしますね…。
>>152
長野県へ直送してあげたいくらいですね、まったく!
>>154-158
彼はまだ『森崎』というキャラの『影』の部分しか見ていませんからね。
実はこの二人には過去の汚点と完全に向き合っていないという共通点があったりします。
一緒に乗り越えてみるのもひとつの選択かもしれません。
>>159
そんな悲しいことは言わずにどうかこれからも書き込んでくださいね!
嫌いなキャラがいたら徹底的に無視。そうすればこのスレでの出番は確実に減っていきますので。



1さん時代の設定と2さん時代の設定を私なりにつなげてみようとしているこのスレは
かなり際どいことをしていると自分でも思います。
あまり先の展開のことを話してしまうのはあれなのですが、
過去の森崎のことをディスりたいからこんな辻褄を突っつくようなことをしているわけではないんです。
どうしてもそのことだけはわかってほしいんです。私は本当にキャプテン森崎と森崎板のことが大好きなんです。

メル欄の方にその辺りのことを少し書いておきますので、ネタバレ上等な方だけこっそりとどうぞ。

162 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 17:19:37 ID:???
>>160
そう思ってくれる人、本スレと同じように真剣に考えてくれる人、どちらも大好きです。
メル欄に先の展開のネタバレが書かれています。ご注意を!
===========
>イスラス
>ビクトリーノ
>中里

森崎はイスラス、ビクトリーノ、中里の3人と一緒に1日目を過ごすことにする。


☆どうしますか?

A せっかくのオフ。街に繰り出して親睦会だ!
B プロアスリートとして互いの技を磨き合おう。練習だ!
C 三杉との用事を済ませておこう。今の同行者たちも決して無関係ではあるまい。

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

163 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 17:21:54 ID:yvyTzw0+
C

164 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 17:25:11 ID:6pMvvbbs
C
ああーあーあー、そういうことか! よく考えましたねえ、これは!w

165 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 18:27:52 ID:???
>>164
しーっ、しーっ!!
そんなわけなんで、どうかまったりとファイアーモリブレムの続きをお楽しみくださいw
===========
>C 三杉との用事を済ませておこう。今の同行者たちも決して無関係ではあるまい。

森崎「みんな、ちょっといいかな」

森崎は先に自分の用事を済ませておきたいとみんなに断りを入れる。
そしてその用事は決してみんなも無関係でないことを添えて。

ビクトリーノ「いったいなんなんだ?オランダ美女をナンパするべく色々計画を立てていたってのに」

中里「オランダは一途な女性が多いと聞いてるでござる。きっと清純乙女たちが勢揃いでござろう。ムフフ…」

イスラス「(…あのかけらは俺達を操る『仮面』の力を安定させていたものだ。
     強力な闇の力に飲み込まれないように、自分の意志を保てる最低限の僅かな光。
     そのいわくつきのかけらをあれだけ持っている三杉の意図はなんだ?)」

森崎「三杉、約束通り来てやったぞ」

三杉「空いてるよ。ああ、靴の埃はちゃんと落とすんだよ」

数度のノックの後、三杉の返事を聞いてから森崎たち4人は部屋へと入る。

166 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 18:28:54 ID:???
三杉「…そうか。君の後ろにいる者たちもこのかけらとは無関係でないということか」

森崎はこれまでのアカネイアで関わった『かけら』に纏わる全てのことを三杉に話す。
特に自分の影、ラムカーネ率いる仮面軍団との試合では彼ら3人の力がなければ苦戦していたことも。

三杉「まずはこの手紙を呼んで欲しい。ボクの口から語るよりきっと理解が早いはずだ」

森崎「宛名は……モロドフさん?そういえば近頃めっきりアカネイアとの音信が取れてなかったんだよな。
   まぁ向こうも向こうでアカネイアワールドカップで忙しかったんだろうし仕方ないんだろうけど」



【森崎殿。この手紙を呼んでいるということは、ついに運命の瞬間が近づいてきているということじゃろう。
 お主は以前、ガトー様の館にて自分の成長を妨げていた『負』の部分を切り取ったと言っておったな】

森崎「あ、ああ。お陰でおれは成長することを思い出すことが出来た。だけど……」

【しかし切り取った『負』の部分は自ら意思を持ち、我々が倒したはずのガーネフを抱き込み再びお主に取って代わろうとしておる】

森崎「…そうだ。そのせいで中山は…アイツはラムカーネに利用されて俺に襲いかかってきた」

今でも思い出すことを戸惑うほどの悪夢のような思い出だ。あれほど過去の過ちをなかったコトにしたいと思ったことはない。
破滅のツボ。アスリートとしてのあらゆる運動能力を失わせる悪魔のようなツボだ。
これを刺激された中山は地獄のようなリハビリを強いられ、そして限界に近い体なのにもかかわらず森崎都の真剣勝負の果てに……。

【お主の持つ人の成長を広げる力。言わば『進化』の力の源となっているのは『星のオーブ』というのはわかるな?
 お主の持つ才能の限界を超える成長を支えてきたその力は、今急激に失われようとしておる。
 その原因はお主が押された『破滅のツボ』じゃ。このままでは持って数年、下手をすれば1年ほどで
 アスリートとしてのあらゆる運動能力を失ってしまうかもしれぬ】

森崎「な……なんだってーーっ!?」

167 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 18:30:06 ID:???
【じゃがまだ助かる方法はある。お主の失われつつある『星のオーブ』の力を再び蘇らせるのだ。
 破滅的な成長率をも補うほどの沢山の成長の力。それさえあればお主の身体は破滅から免れよう】

森崎「星のオーブの力を……で、そ、その方法は!?」

【お主の影はガーネフとともにお主の持つ星の力を半分ほど奪い、そして世界中へとばら撒いた。
『星のかけら』としてばら撒かれたその人の才能を支える力はやはり優れた才能を持つ者の所へと集まるらしい。
 今、案内人に持たせているのはわしが人知れず集めておいたかけらじゃ。
 そのかけらにはかつての持ち主の才能の片鱗が受け継がれておる。身に付けることで僅かながら才能を得ることが出来るじゃろう】

森崎「こ、この小さなかけらにそんな力が…?ホントかよ…?」

半信半疑でかけらを握り締める森崎。だが、握った瞬間掌から全身に何か熱い力がこみ上げてくる。
それと同時に、これまで何度か試してきた握手による『星占い』のようなビジョンがまぶたの上に飛び込んでくる。

森崎「(なんだ……これは。花畑?公園?それと……仲の良さそうな子供……?)」

168 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 18:31:36 ID:???
????「もっと腕を振って、足をあげて!そんなんじゃ何時まで経っても俺様には追いつけないぞー!」

????「…う、うるさい!いつか、いつかぜったいに追いついてやる…!」

????「はは、その意気その意気。ふー、全力で走り続けてたら腹減っちまったぜ」

???「にーちゃーん!いーくーん!そろそろお昼ごはんだよー!」

????「お、噂をすればお呼びの声が。よし、家まで競争だぜ!ヨーイドン!」

????「ま、待てよ!いっつもお前は勝手に走りだしやがる。少しは周りに合わせて……あ、危ない!」

????「あの馬鹿!俺達の事ばかり見てて横の車に気づいちゃいない!このままじゃ…いや、まだ間に合う!」

ズダダダダダダダダダダダダッ!!キキーーーッ!!ドガシャーーーーーン!!

????「あ……うあ……ああああああああああああーーーーーーーっ!!!」

169 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 18:32:40 ID:???
森崎「ああああああああーーーーーーっ!!!」

三杉「ど、どうしたんだ森崎。いきなり叫んで右脚を抑えたりして」

森崎「あ?ああ…ああ。その、足がつっちゃって。タハハ……。
   (今のはこのかけらの持ち主の、イスラスの記憶?断片的で曖昧だったが交通事故…だよな。今の。
   ……いや、今はそれより手紙の続きを読まなくては)」

【今こちらの世界…アカネイア大陸とそちらの世界との『繋がり』が非常に不安定になっておる。
 強力な魔力を帯びたゲート『時空の扉』でなければ行き来できない状況にある。
 これまでのように簡単に行き来できなくなった原因はまだ掴めてないが、
 おそらくこちら側で何らかの妨害が働かされているのじゃろう。
 アカネイアワールドカップを終えた今、アカネイア大陸は大きく変わろうとしておる。
 とにかくお主にも一度こちらの状況を確認してもらいたい。
 頃合いを見計らい『時空の扉』で一度こちらへ来ることをお願いしたいのだ】

森崎「『時空の扉』?かけらと一緒に荷物で届けられたこのマットみたいなヤツのことだろうか?」

人一人分しか乗れない、小さな絨毯のようなそれを森崎はペラペラと広げる。

森崎「(手紙の内容だけじゃよくわからないけれど、なんだか大変なことになっているみたいだな。
   現状を整理すると……破滅のツボに侵されている俺の身体は『星のかけら』という道具を集めないと大変なことになるらしい。
   そしてそのかけらは世界中の『才能を持つ人』のところへと集まっているらしい。
   俺宛に届けられた荷物にはモロドフさんが予め集めてくれていたかけらが何個かある。
   この『時空の扉』を使って一度アカネイア大陸に行き、お互いの現状を報告しあいたい。そういうことだよな。
   …どうする?今すぐアカネイアへと行ってみるか?それとも今日は様子を見てこいつらと行動するか?)」

170 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/22(日) 18:34:13 ID:???
☆どうしますか?

A 今すぐアカネイアへに行ってみる
B 今日の所は保留。まだ自由時間はあるはずだ

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

171 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 18:35:48 ID:cybvty3A


172 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 18:38:49 ID:VdIqFLMo
B

>長野県へ直送してあげたいくらいですね、まったく!
あのスレ全国大会中だから長野に送られると困るナリw

173 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 18:39:58 ID:???
別次元の長野県は今ピンチなのでダイヤの女神を求めてるよ!w

174 :森崎名無しさん:2012/07/22(日) 19:10:49 ID:6pMvvbbs
A

175 :◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 05:26:04 ID:???
>>172
なにィ、そんなァ、しまったァ!至急送り先をさいたまに変更ー!
>>174
それでは景気づけにカードを引かせて頂きます。万が一ダイヤKが出たならば…
ハート7
===========
>A 今すぐアカネイアへに行ってみる


森崎「(よし、善は急げだ。俺の体の治療法も分かったことだしもっと詳しいことを聞きたいしな)」

だが、ここでいきなりアカネイア大陸に飛んでしまっていいものなのだろうか?
ビクトリーノや三杉などある程度異世界への理解ができているものがいるとはいえ、
大事な遠征中に自分一人だけ消えてしまえば周りに迷惑がかかってしまうのではないか?
そんな森崎の心配を予測していたかのように手紙には補足がしっかり書き込まれていた。


・時空の扉による移動はこれまでと違いこちら側の世界の時間の流れが驚くほど遅くなります。
・なので、日程に空きができなかったり余裕が無い場合でも安心してご使用出来ます。
・その分移動できる人数が限られてしまいますが、その点はご了承ください。


森崎「都合のいい展開だな、オイ。だけどこれで安心してアカネイアに行けそうだな」

三杉「ボクは手紙の内容は読んではいないが、モロドフさんからの電話である程度のことは教えられている。
   君の身体は今窮地に立たされているみたいだね。そしてそれを克服する手段のカギはアカネイア大陸でしか得られない。
   ……ボクの心臓病も少しずつだけど改善されている。だから君も絶対に治療を諦めてはいけないよ」

重い障害を持つ者同士でしか分かり合えない、三杉と森崎の間になんとも言えない感傷が生まれる。
傷の舐め合いや同情の交換会などではない。必ずこの苦難を克服し合おうという決意の表しだ。

176 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 05:27:28 ID:???
森崎「ああ。必ずこの体を治してくるぜ。アヤックスとの親善試合はお互いに万全の体制で臨みたいものだな」

三杉「フッ…吉報を待っているよ」

森崎は早速『時空の扉』を広げ床に置くと、その上に飛び乗る。
一瞬周囲の景色がブレたかと思えば、目の前に見たことのある人物が現れる。

アンナ「久しぶりね森崎くん。元気にしていたかしら?」

森崎「アンナさん!まぁボチボチと。でも、モロドフさんが言うには
   俺の身体は見た目とは裏腹にやばい状況になっているみたいですね」

アンナ「あなたの体を守ってきた『星』の力の大半が奪われ、かけらとなって世界中に散ってしまった…
    このままではあなたの持つ才能、成長率は0を下回り破滅の一途をたどる…
    時間が経過するたびに能力が落ちていくという最悪の事態を招くことになるわ」

森崎「そ、そんなァ……いや、三杉も言っていたが俺は諦めん。必ずかけらを集め、このピンチを打開してみせるぞ」

アンナ「その意気その意気!あなたがこっちの世界でプロの選手として頑張っている間、
    此方の世界でもサッカーの大会が開かれていたのは知ってるわね?」

森崎「はい。アカネイアワールドカップ。大陸初の世界規模の大会ですね。
   マルスやニーナ姫、ミネルバ王女たちの苦労の末に開催されたと聞いてます」

アンナ「ええ。彼らの努力のお陰で武器ではなくスポーツで互いが競い合う新たな文化の形成は確かに成功しつつあるわ。
    でも……その大会中にあるトラブルが発生したの。それが原因で彼らの努力は水の泡になってしまったわ」

森崎「ど、どういうことですか?マルス達になにかあったとでも?」

177 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 05:29:02 ID:???
アンナ「詳しいことは現地についてから。もうまもなくつくと思うから、心を落ち着かせて。
    どんな状況に陥っても冷静に対処できるような精神を準備させておきなさい。
    ……私から言えるのはそれだけ。あとは星の導きと……あなたの努力次第」

森崎「えっ、それってどういう……うわっ!?」

バシュンッ!!ドシャッ!

森崎「いってぇ!」

体を突き抜けるような光が一瞬きらめき、空に投げ出されるような浮遊感に包まれる。
次の瞬間、しこたまお尻を地面に打ち付けられ、痛みとともに自分が再びこの異世界に来たことを実感する。

森崎「お、ここは多分アリティア城だな。とりあえず玉座の間に行ってマルスに会いに行くとするか」

森崎は手近な兵士に部屋への道のりを聞き出そうとする。

兵士「ひ…ひいっ!わわ、私めがそんな大層な役割を……!きき、恐縮であります…!」

森崎「(なんだいなんだいビビるくらいに畏まりやがって。まぁ俺はこの世界の救世主、
   異界から来た英雄とまで称された人間だ。これくらい普通かもな…なんつって!)」

ドイツ・ブンデスリーガでの自分の肩書きはプロ選手といってもまだまだヒヨッコレベル。
それに比べて此方の大陸では世界でも有数の有名人だ。虚栄心の塊だった森崎の気分はすこぶる良くなる。

森崎「よし、早速入ってみよう。…うん?」

扉に入ろうとしたその時、横部屋のほうから手招きする姿が見える。あれは…

178 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 05:30:38 ID:???
★おいでおいでおいでおいで→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→近衛騎士隊弓兵のライアンと彼の兄貴分であり森崎の親友のトーマスだ。
ハート→近衛騎士隊隊長の重騎士クリスと、彼女の親友セシルだ。
スペード→近衛騎士隊自称エースのルークと彼の相棒のロディだ。
クラブ→王宮騎士団隊長のアランと重騎士のドーガだ。
JOKER→マルスの婚約者のシーダと姉のエリスだ。

179 :森崎名無しさん:2012/07/23(月) 05:42:52 ID:???
★おいでおいでおいでおいで→ クラブ7

180 :森崎名無しさん:2012/07/23(月) 09:01:47 ID:???
あー、しまった、これもしかして「ちょっとの旅行」じゃ済まないか?

181 :森崎名無しさん:2012/07/23(月) 11:03:07 ID:???
時間流が違うそうだから大丈夫でしょう。モリブレムさん乙ということで

182 :森崎名無しさん:2012/07/23(月) 13:09:57 ID:???
まあ、現実世界のキャラと交流してイベントを進めるか、FE世界に早期参戦して
序盤の戦いを少しでも楽にするかの選択だったんじゃないかな?

183 :森崎名無しさん:2012/07/23(月) 14:15:10 ID:???
兵士の反応を見るにやっぱり暗黒皇帝はラムなのか。
てっきり翼だと予想してたんだが。

184 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 15:21:44 ID:???
>>180-182
第2分は以前の章ごとの区分けで進行していくのではなく
2つの世界の2つのシナリオを同時に攻略していくという形式になります。
時間流のからくりに関しては色々と訳があるのですが、一つ例を出すならば
どれだけ畑荒らしやへそくり泥棒を退治しても時間が経過しないというアレです。
>>183
『翼』の登場はかなーーーーーーーり後の方になるかもしれませんねw
イタリアに行きレッチェとの試合となれば早く再会できるかも?
===========
>★おいでおいでおいでおいで→ クラブ7 ★
クラブ→王宮騎士団隊長のアランと重騎士のドーガだ。


森崎「あれは…ドーガ?それに隣にいるのはアランさんだったかな」

森崎を手招きする巨漢の男と顔色が悪い細面の男。
あまり馴染みがない二人ではあるが、森崎は手招きのままに彼ら二人に近づく。

ドーガ「…まさか本当に現れるとは。本当に彼は『本物』なのか?」

アラン「モロドフ卿の言葉通りならば。だが一応警戒だけは怠るなよ」

森崎「(なんだか久しぶりに会ったってのに妙に余所余所しいな…)」

再会の喜びを交わすでもなく静かに部屋の奥に案内される森崎は不服そうに口を尖らす。
森崎が招きこまれた部屋の中には部屋には武器や防具、食料や天幕などの進軍用の道具がズラリと並べられていた。

アラン「今日我々はグルニア王国へと遠征する。反乱軍討伐の任を受けたのだ」

森崎「反乱軍だって?でも確かグルニアって前大戦の終盤では同盟軍として協力してくれたんじゃなかったか?」

185 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 15:22:55 ID:???
ロレンス将軍を初め、戦車隊のギガッシュ、騎馬隊のホルスタットなど
マムクートの支配から逃れんためにと森崎たちと協力して竜の祭壇までの道を切り開いてくれたはずだ。

ドーガ「アカネイア王国新皇帝殿の命令だ。俺達もにわかには信じられんのだが宗主国の命令には逆らうことが出来ない。
    ……お前にはまずアカネイアワールドカップのことを話したほうが良さそうだな」

森崎「そうそう、あの大会の結果のこと気になってたんだよ。どこが勝ったんだ?
   やっぱりマルスにシーダ、なによりアベルがいるアリティアかな?
   個人的にはミネルバ王女のいるマケドニアとかどこまで行けたか気になってるんだが」

アラン「……結果だけを言うならば、我らアリティアは惜しくも準優勝だ。
    マケドニアもベスト4まで残ったのだが、マケドニアを倒した『あるチーム』に我々も敗れたのだ」

森崎「な…なにィ!いったいどこの国だよそりゃあ!?」

信じられない。自分たちの世界でも決して見劣りしない実力者揃いのアリティアや
素晴らしい運動能力を誇る竜騎士や天馬騎士を擁するマケドニアを倒せるチームが他にいただなんて。

森崎「待てよ。オグマのいるタリスや魔法ブースト使い放題のカダインだって十分ダークホースには成り得るし…
   なぁドーガ。そのとんでもない大金星を上げた『あるチーム』ってのはいったいなんていうんだ?」

ドーガ「……悪夢のようだった。決勝まで危なげなく進んだ俺達が為す術なく敗れたあのチーム……その名は…その名前は……」

186 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 15:24:09 ID:???
森崎「よう、マルス。久しぶりだなあ」

マルス「……なんだい森崎」

森崎「おいおい、森崎『様』だろぉ?大陸を統べる新皇帝様を呼び捨てはないだろ呼び捨ては。
   親しき仲にも礼儀ありって言葉を知らねぇのか?うけけっ!」

マルス「…………」

森崎「冗談だってじょうだーん!お前だけは特別さ。だからそんな怖い顔すんなよ。なァ?
   お前とシーダの結婚式が延期になっちまったのは本気で悪いと思ってるって。な?な?な?」

マルス「…兵士たちは急な進撃の準備で忙しいんだ。用事なら手短に済ませて欲しい」

アリティア城玉座の間。反乱軍鎮圧のためのマルス王子率いるアリティア王宮騎士団の
グルニアへの遠征を前に、新生アカネイア帝国皇帝である森崎有三が激励に訪れていた。

森崎「『カンピオーネ』って意味知ってるか?俺達の世界のイタリアという国で『チャンピオン』という意味さ。
   チャンピオン……王者。全ての者を従え頂点に立つ存在に最もふさわしい名前だとお前も思うだろ?」

マルス「そうだね。アカネイアワールドカップでマケドニア、そして僕達アリティアを大差で下し……
    優勝賞品であるニーナ王女との婚姻の資格を手にしたキャプテン。そんな君には確かに相応しいかもね」

森崎「うけけ…そんなに褒めんなよぉ。まぁお前のとこのチームも最後まで手こずらせ…じゃなくて頑張ってたじゃん。
   俺から言わせてもらえば、後半になっていきなり動きが悪くなったのが敗因かもな。
   前半のようにアベルを中心にして攻めこまれ続けていたら正直厳しかったぜ」

マルス「(そうだ。あの試合の後半。僕達アリティアのメンバーたちは謎の腹痛に襲われていた。
    調子を完全に崩した僕たちは相手のチームに屈することしか出来なかったんだ……)」

187 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 15:25:24 ID:???
森崎「ドイツのプロリーグでレベルアップしすぎちまったかなぁ?まぁ今度戦うときは多少は手加減してやるよ。
   それともやっぱりお前とは同じチームで戦ったほうがいいかなぁ?
   お前と俺のコンビならどんなチームにも負けねぇ。それこそ俺達の世界のトップレベルの奴にもな」

マルス「…そんなことないよ。後半だけで君たちに10点も取られたチームのキャプテンでしかない僕が」

森崎「あーあーつれないなぁ。卑屈になんなよ。少し前のお前だったら活き活きとして返事してくれたってのに。
   あれか?俺に先を越されたことを根に持ってんのか?英雄王とあろうものが器が小さいぞこのこのぉ。
   この遠征が終わったらお前も一度俺達の世界に来いよ。それで見せつけてやろうぜぇ。
   俺たち最強のマーベラスコンビがサッカーで世界を支配する様をよぉ!」

マルス「……そうだね。それじゃあ将来に備えて少し練習してみるかい?」

森崎「おっ、ようやくその気になってくれたかよ王子様!へへ……
   それじゃあウォーミングアップ用の的…誰か適当な兵士を呼んできてくれよ」

マルス「ああ。横の部屋に待機させてある。すぐに呼んでくるよ」

森崎「へへへ……アカネイアの貧弱な兵士どもじゃすぐに『壊れ』ちまうから退屈してたんだよなぁ。
   アカネイア新皇帝様であるこの俺のストレスのはけ口となるありがたい奴は何処のどいつだァ?」

アラン「失礼致します。ご指示の通り連れて参りました」

マルス「…ありがとうアラン。彼をこの玉座の前に」

アランとドーガに引きずられるようにして連れてこられた兵士。
甲冑に身を包んでいるが、その貧相な体格に森崎は不満気な声を上げる。

森崎「なんだァ?そんな貧弱な体つきでこの俺様とマルスのツインシュートを防げるとでも?」

ドーガ「私が面倒を見ている重騎士隊の有望株ですよ。あまり見くびってもらっては困ります」

188 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/23(月) 15:26:57 ID:???
森崎「はっ!言うじゃねぇか。面白ぇ。ほら、さっさと構えな。皇帝様と英雄王のありがたーいボールを蹴りこんでやるからよ。
   無名の一兵士にしてはありがたすぎるご褒美だ。喜んで受け取りなァ!!」

兵士「…………」ガタガタガタガタ

兵士は怯えているのか全身を震わせている。その様子を愉快そうに笑う森崎と
自国の兵士を無為に傷つけることに何を思っているのか神妙な顔つきのマルス。
二人は同時にボールへと駆け込み、そしてシュートの体勢に入る。

森崎「いくぜマルス!」

グアアアアアッ!!

マルス「…決めるぞ森崎!」

ズアアアアアッ!!

森崎・マルス「「マーベラス…ツゥインシュートォ〜〜〜〜〜〜ッ!!」」

ドッギュワアアアアアアアアアン!ブルルルシャアアアアアアッ!!!

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