キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
キャプテン森崎まとめ掲示板TOP

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 最新50
【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】

1 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 15:26:09 ID:???

本作は恋愛SLG『みつめてナイト』を基にした二次創作です。

騎士の時代が終わりつつある南欧は架空の小国、ドルファン王国。
戦火の迫るこの国に傭兵として降り立った東洋人、森崎有三の体験する
波乱万丈の三年間を描きます。


141 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/27(火) 18:49:46 ID:???
「ハン、誰かと思えば……お尋ね者どもか!」

空気が、凍る。

「……!」
「ンだとォ……!?」
「……」

表情を固くするトニーニョ。
ほとんど飛び掛からんばかりの姿勢で肩を怒らせるネイ。
にやにやとした笑顔を崩さず、しかしすう、とネイの背後から立ち居地を変えるジェトーリオ。
ネイが前に出た瞬間フォローに入れる位置取りだと、これまで彼らを見てきた森崎には一目瞭然である。
一気に緊迫の度合いを増した情勢に、森崎が割って入るべく立ち上がろうとする。

「まさかこんな海の果てに身を隠していたとはな! そりゃあ、向こうには戻れねえだろうがよ!」
「ちょ、ザガロさん、その辺で! 彼ら、たぶん第一大隊として雇われてるんですから! 団長も!」
「……そこをどいてもらおう」
「だ、団長〜!?」

制止しようとするバビントンの声はもはや悲鳴に近い。
ほんの二言、三言であったが言葉を交わした森崎にも分かる。
サンターナという男、おそらくは眼前のトニーニョたちに一切の興味がないのだろう。
それでただ純粋に、道を開けろと言っているに違いない。
しかし今の状況では、どう聞いても挑発の一環である。

「おい、テメエ……!」
「よせ、ネイ」

激昂しかけたネイを森崎よりも一瞬早く抑えたのは、トニーニョである。

142 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/27(火) 18:50:47 ID:???
「彼らはこの隊長室から出て行くところだった。モリサキもカイルも、無事にそこにいる。
 そして俺たちには事情が分からない。……いま乱闘騒ぎを起こせば、困るのはモリサキだろう」
「ぐっ……!」

トニーニョの表情は、相変わらず固い。
固いが、しかし声音には他を圧して息を飲み込ませる力があった。
ネイが接ぎ穂を失った刹那を見計らったように、ジェトーリオがその肩に手をかけて脇に寄せる。

「ほらほらネイくん、お客様がお帰りだよ〜。ちょっと場所を開けてあげようねえ」
「触んな! 雨降りそうなんだから洗濯物を増やすんじゃねえ!」
「うぅ〜ん、ネイくんのいけずう」

しなを作ったジェトーリオが、ちらりと一瞬だけバビントンの方へと目線を送る。
僅かに頷いたバビントンがザガロを促し、急いで退出しようとする。
サンターナはといえば、ネイが進路を開けるのとほぼ同時に無言で出ていってしまっていた。

「ほら、ザガロさん。帰りますよ、まだやることいっぱいあるんですから!」
「ハーッハッハァ! 安心しなお尋ね者ども、俺らははした金目当てに通報したりはしねえからよ!
 ま、次の戦場までの命かもしれねえが、せいぜい頑張って欧州の隅っこでこそこそ生き永らえな!」
「ザガロさん! いいから! 早く行きましょう!」
「チッ……引っ張るんじゃねえよ、バビントン」

それから嵐が去るまでの数十秒、何事も起こらなかったのは僥倖といえるだろう。
ぎい、と扉が閉まる音とほぼ同時。
執務机に詰め寄ったのはネイである。

「どういうことだ、モリサキ! どうしてアイツらがここにいる!」
「……」

さて何から話したものか、としばし黙考した森崎が―――

143 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/27(火) 18:53:33 ID:SyarAx66

*選択

A「新設される第二大隊の連中だ」 無難に説明する。

B「あいつら、西洋圏では有名なのか」 彼らの素性を尋ねる。

C「お尋ね者ってどういうことだ」 問いただしてみる。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『11/27 24:00』です。


******


どうやらこの世界、ブラジルはポルトガル語圏ではないようです。
イベリア半島はなくてもスペイン語はある不思議な世界……。
といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

144 :◆W1prVEUMOs :2012/11/27(火) 23:48:08 ID:???

これから関わることになるなら知っておいて損はないので
Cは上手くいけば(ネイの)スキルゲットの可能性があるけどリスクも高いパターンぽい

145 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/27(火) 23:50:48 ID:???
A傭兵団ごと雇われたってのが気になるので教える情報は正確な方が良いかなと思います。

146 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:08:04 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>143の選択については……

>>144 ◆W1prVEUMOs様のご回答を採用させていただきます!
Cはご指摘の通り、ハイリスク・ハイリターン系の選択でした。
ちなみに部隊員のスキルLvは基本的に訓練時にしか上がりませんが、イベントの成功などで
上昇確率を大幅に底上げすることが可能です。
CP3を進呈いたします。


>>145
作中でも触れますが、傭兵の雇用は傭兵団丸ごと、というのがこの時代の基本です。
そうでないと質も安定しませんし、何よりドルファンがしているように衣食住から武具までの
手厚い面倒を雇用側が見なくてはいけなくなってしまうので、余計な手間がかかるのです。
その点、傭兵団ですと基本的にお金だけ払えば(戦勝報酬に領土や官位などを要求されることもありますが)
後は自給自足が原則ですので楽ちんですね。


147 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:09:11 ID:???
***

B「あいつら、西洋圏では有名なのか」


結局、森崎が尋ねたのは第二大隊の面々についてである。
お尋ね者、という言葉が気にならぬといえば嘘にはなるが、ここで過去を問い詰めて
何が始まるわけでもない。
傭兵という稼業、そもそも故郷に身の置き場がない者が流れ流れて辿り着く職という側面もある。
森崎自身とて脛に傷の一つや二つ、ないではなかった。
故に意義の薄い詮索よりは、いま目の前にある課題に注力しようと思考を切り替えている。

「あ、ああ……」
「エル・ディオス・ケ・デベセール・オディアド……西洋圏屈指の傭兵団と言われている」

バツが悪そうなネイに先んじて、淡々と述べたのはトニーニョである。
仏頂面は常の厳格を取り戻し、動揺は少なくともその表情には見て取れない。

「向こうの有力な傭兵団の殆どはこの欧州から海を渡った者たちによるものだが、
 彼らは西洋圏出身者だけで構成された傭兵団だ。規模は戦士が三、四百。
 その他の団員を含めれば千に近いだろう。団長はカルロス・サンターナ」
「―――通称”エル・ニーニョ”。神の子、って意味だね〜」

トニーニョの言葉を引き継いでジェトーリオが言う。

「神の子……か」
「誰が言い出したものかは知らんがな。幾多の戦場を渡り歩きながら、これまで一度も
 負け戦に参じたことがないという噂だ」
「ま、奇跡的に強いのか、奇跡的に運がいいのかは微妙なとこだけどね〜」

茶化すようなジェトーリオに、森崎がにやりと笑う。

148 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:10:23 ID:???
「奇跡の常勝軍団がドルファン側で参戦……か。そりゃ頼もしいこった」
「参戦……するのか、やはり」
「ああ、正式には来月の頭からって話だ。……だな、カイル?」
「あ、えと、は……はい!」

目まぐるしい状況の推移に棒立ちとなっていたカイルが、森崎の問いに首肯した。
トニーニョたちの目が向けられるのを待って、先を続ける。

「編成部より、十二月一日付で外国人傭兵大隊に第二大隊を新設すると通達がありました」
「なにィ!? 新設だと!?」

大きな目を更に大きく見開いたネイに、カイルが生真面目に頷く。

「はい。員数は三百。指揮系統は我々第一大隊とは完全に独立したものとなります。
 モリサキ隊長にも命令権はありません」
「同格……ってわけか」

噛み締めるように呟く森崎。

「第二次徴募は我々のようにスィーズランド経由で個人の傭兵を集めるのではなく、
 西洋圏から傭兵団の丸抱えという条件で大規模な増員を企図したようです」
「つっても、俺らみたいな流しだけ集める方が珍しいからな」

森崎の言葉は、この外国人傭兵大隊の特異さを端的に示している。
原則として戦時の傭兵はその一団ごと国家、あるいは領主との契約によって雇用される。
規模はそれこそ数人単位からヴァルファのような数千人といった巨大傭兵団まで様々ではあったが、
個人を大量に雇い入れるのは余程頭数が足りず、質を問わずに数をかき集めたい場合か、
もしくは経験豊富な傭兵団と契約できるだけの経済的な余裕がないかのどちらかである。
しかし森崎の見るところ、このドルファンにおける事情はそのどちらでもない。
貿易港を抱えるドルファンの懐具合は悪くないように見受けられるし、イリハでその弱体化を
露呈したとはいえ、戦前の騎士団は無駄な自信に満ち溢れていたはずだ。
であれば、何故か。

149 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:11:53 ID:???
考えを巡らせることは何度かあったが、答えが出たことはない。
たとえば相手がヴァルファであると判明していた場合、その威名に契約を躊躇う傭兵団は多いだろう。
契約後でも勝てぬ相手とわかれば中小の傭兵団は違約金を払って契約を解消したかもしれないが、
しかしプロキアがヴァルファの雇用を発表したのはドルファンが傭兵を徴募した後だった。
辻褄が、合わぬ。
と、そこまでを考えて、森崎は益体もない思考を打ち切る。
いま考えるべきことは他にいくらでもあった。

「まあ、最初から同じ釜の飯を食ってる連中なら再訓練の必要もないってわけだ。
 上も俺たち寄せ集め部隊の扱いづらさに懲りたのかね」
「……」

冗談めかす森崎にカイルはただ困ったように目を伏せるばかりだった。
肩をすくめて先を促す。

「騎士団は再編成中で慣熟にまだ時間が必要であること、またダナンの早期奪還について
 王室会議の背中を押す意図もある、と」
「例によってルーカスのおっさんのオフレコ分析か」
「はい。報告は以上です」
「……ってわけだが」

トニーニョたちに向き直る森崎。

「さっきの様子だと、団長の他にも知った顔があるみたいだったな」
「あー……」

問われ、ネイが渋面を作る。

「まあ、俺らは向こうでも傭兵やってたんだがよ。そんときに、何度かな」
「一応、味方ではあったんだけどね〜」

150 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:13:03 ID:???
ネイの表情、そしてジェトーリオの一応、という言葉の選び方。
あまりいい感情を持っていないことは明らかだった。
代表するようにトニーニョが続ける。

「とにかく身内大事の意識が強い連中でな……それが強みでもあるのだろうが、
 裏を返せば、それ以外は味方であろうと省みようとしないということにもなる」
「目の前のピンチなんか、平気で無視するからね〜」

ジェトーリオの声音にも珍しく苦いものが混じっている。

「それと、特にあのザガロ……赤い肌の彼はね、ちょっと手段を選ばないとこがあるから」
「確か、”城焼き”……とか言ってたな」

出会い頭にネイが口にしていたのは、あの狂犬じみた男の異名であっただろうか。

「イカれてんだ、アイツぁ」

吐き捨てるように言うのはネイだった。

「糧食を断つために街を焼く、村を焼く……そのくらいはどこだってやらあ。
 けどよ……城ごと蒸し焼きにしちまうのはあの野郎くらいだろうぜ」
「……」

確かに、と森崎は内心で考える。
遥か遠い故郷には山城、それも木造の城が多く、籠城に対し時には火攻めも有効とされた。
しかしこの欧州では一部の堅固な要塞を除けば、広大な城塞都市という形態が一般的である。
籠城といっても城単体ではなく、石造りの街そのものを拠点として抵抗するのが常であった。
油を撒いて火をつけたところで大規模な延焼は望めず、位置づけとしては主に心理面での圧迫という
搦め手の戦術に留まっているはずだった。

151 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:14:04 ID:???
「ああ、向こう……西洋圏じゃあよ」

森崎の難しい顔をどう受け止めたか、ネイが付け加えるように言う。

「こっちと違って山と森が多いからな。城っても石積みのは珍しいんだ」
「なるほどな。……それで”城焼き”か」

納得する。
西洋圏での城攻めは比較的故郷のそれに近いのだろう。

「一度だけ、アイツが焼いた砦に入ったことがある。……今でもたまに夢にみるぜ」
「まあねえ、あれは強烈だったねえ」
「……」

焼かれた街はいつだって悲惨なものだ。
逃げ場のない砦ともなれば、その惨憺たる有様は想像に難くない。
記憶の底から、ツンとした異臭が鼻の奥に蘇ってくるような気がして森崎が話題を変えようとする。

「……で、あのバビントンってのはどんな奴なんだ。子供みたいに見えたが」
「あー、あれは……」
「まあ、そこの彼みたいなものだね〜」

と、ジェトーリオが指さしたのは扉の側に直立していたカイルである。
目を白黒させるカイルに手を振って、

「可愛い顔して結構えげつないんだよね。なにせ副団長だし」
「おお、そうだ。それ、本当だったのか」
「マジもマジ、大マジよ」

森崎が訝しげに訊くのへ、応えたのはネイだった。

152 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:15:04 ID:???
「あの傭兵団の実質的な仕切り役はあの坊やだって話だぜ。……坊やつっても、俺らと
 大して歳は変わんねえらしいけどな」
「なにィ」
「団長のカルロス・サンターナが戦略と指揮を、副団長のバビントンが参謀役として
 戦術と実務を担当しているらしい。本人の剣の腕も相当なものだと聞いたことがある」
「ほう……人は見かけによらないってわけだ」

感心したように頷く森崎。

「ま、俺らの知ってることは大体こんなもんだ」
「そうか。助かった」
「ああ……で、よ」

ふと声を落とし、森崎から視線を離して、ネイが言う。

「……聞かねえのか」
「何をだ」
「そりゃあ、その……」

口ごもるネイに、森崎が苦笑する。
ザガロが口にした『お尋ね者ども』の件を気にしているのだろう。
ネイの背後ではトニーニョが眉間の皺をいつにも増して深く刻み、ジェトーリオはそんな二人を見て
お手上げとでもいうように小さく肩をすくめ、森崎に目配せをしている。
ネイに気付かれないように顎の先だけで頷いて、森崎が口を開いた。

「ワケありなのは誰だって同じだ」
「え……」

予想外の言葉だったのか、ネイが弾かれたように森崎を見る。
何事もないように軽く、森崎が続けた。

153 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:16:23 ID:???
「この因果な商売、お互いつまらねえ詮索はご法度、ってな。聞いたことねえか」
「……そういや、最初に会った時もそんな事言ってたっけ」
「はは、よく覚えてるじゃねえかよ」

小さな笑いは、話を打ち切る合図だった。

「ま、どうしても言いたいってんなら聞いておくぜ」
「……いや、今はやめとくよ」

首を振るネイ。
その背後、ちらりとジェトーリオが視線を動かした理由は、森崎にも理解できる。
今は、と。
ネイはそう言ったのだった。

「……」

ふと、森崎が肩越しに窓の外を見る。
がたがたと窓を揺らす風は収まる気配もない。
曇天は更に厚く、今にも冷たい雨を降らせようとしているように思えるのだった。


******

154 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:17:23 ID:???
*D26.11月 訓練選択

『今月は何をするの?』

森崎有三
称号:親切な傭兵団のエース

個人パラメータ
現在のガッツ:165
剣術:146 馬術:66 体術:62 魅力:78 評価:84
ATK:212 DEF:218 SPD:128 ini:25

部隊パラメータ
兵数:289 騎馬:103 練度:35

所属隊員:
トニーニョ(威圧Lv2)
ネイ(鼓舞Lv1)
ジェトーリオ(撹乱Lv1)
カルツ(針鼠Lv1)
レヴィン(破壊Lv1)

剣術・馬術・体術・魅力・礼法・墓守・休養・部隊訓練・陳情の中から『二種類』選んで下さい。
同じ訓練を二つ選んでも構いません。

陳情を選ぶ際は何を陳情するのかを付記して下さい。
また「剣術・馬術・体術」を選んだ場合は所属する隊員の中から共に訓練する相手を
一人だけ選ぶことができます。誰と訓練をするのかも付記して下さい。
隊員の所持スキルの強化・変化や、イベントによる森崎自身の称号取得が起こる可能性があります。

その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。
期限は『11/29 24:00』です。

155 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:19:28 ID:u5P3LaeY
******

カリブ海には入植した欧州人が建造した普通の城塞も沢山あります、
といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

156 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/29(木) 18:52:10 ID:???
馬術レヴィン体術トニーニョ
SPDの数値が低いので上げる事を考えました。この組み合わせなら攻撃力と守備力もバランスよくあげられると思います。

157 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/29(木) 21:28:21 ID:???
馬術レヴィン体術トニーニョ
SPDの数値が低いので上げる事を考えました。この組み合わせなら攻撃力と守備力もバランスよくあげられると思います。
レヴィンとは一度は喋った方が良いかなと思います。トニーニョとは喋らなきゃいけない事が多いと思います。

158 :◆9OlIjdgJmY :2012/11/29(木) 22:35:16 ID:???
魅力 馬術トニーニョ
関係性の微妙なキャラも増えましたし、ここらで魅力上げておこうかなと。
実質副隊長のトニーニョともいろいろ話しておいたほうが良さそうかと。

159 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/30(金) 20:45:22 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>154の選択については……

>>157 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます!
そうですね。ちょっとSPDが低めになってきていますので、このままですと場合によっては
格下に思わぬ苦戦を強いられることにもなりかねませんでした。
CP3を進呈いたします。


>>158
実は対面の判定については、高い評価値による内部的な自動成功がまだ続いている状態です。
おかげで適当な話の切れ目で更新することができずに困ったことも何度かありますw
初対面に近ければ近いほど評価値の参照度が高く、深い関係になると魅力値がものを言う傾向にありますので
一部のキャラについてはそろそろ判定が出てきそうですね。


160 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/30(金) 20:46:39 ID:Dc/RyHNA
******

*訓練ダイス

※訓練は前後半に分かれています。
★マークごとにお一人づつ、!と numnumの間のスペースを消してダイスを引いてください。
目標値【50】に対しプラスマイナス30以内で成功、プラス31以上で大成功、マイナス31以下で失敗となります。
大成功時は成果が1.5倍、失敗時は0.5倍となります。


前半(馬術)1
! numnum + ! numnum + ! numnum =

前半(馬術)2
! numnum + ! numnum + ! numnum =

後半(体術)1
! numnum + ! numnum + ! numnum =

後半(体術)2
! numnum + ! numnum + ! numnum =


***

161 :◆9OlIjdgJmY :2012/11/30(金) 20:50:16 ID:???

前半(馬術)1
41  +  51  +  57 =



162 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/11/30(金) 20:50:18 ID:???

前半(馬術)1
22  +  25  +  01 =

163 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/30(金) 20:56:29 ID:???

前半(馬術)2
18  +  24  +  65 =


164 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/30(金) 21:01:58 ID:???
【数値加算】
>>163の左の数値をEP5使って5増やします。

165 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/11/30(金) 21:14:06 ID:???

後半(体術)1
10  +  20  +  28 =


166 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/11/30(金) 21:16:35 ID:???
ありゃりゃ
EP10使って左の数値を10増やします

167 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/11/30(金) 21:21:04 ID:???
【数値加算】
>>164の左の数値をEP10で10増やします
記入漏れすみません

168 :◆9OlIjdgJmY :2012/11/30(金) 21:42:07 ID:???
【代理消費】
>>167のEPを9代理消費します。

169 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/11/30(金) 21:44:41 ID:???

後半(体術)2
75  +  31  +  89 =


170 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/11/30(金) 21:45:53 ID:???
【数値加算】
>>169の左端の数字をEP5使って5増やします

171 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/05(水) 17:52:23 ID:???
***

皆様、ダイスロールありがとうございます。
それぞれEP1を進呈いたします。


*訓練結果

前半(馬術)1
41  +  51  + 57 = 大成功0 成功3 失敗0

前半(馬術)2
23  +  24  + 65 = 大成功0 成功3 失敗0

→大成功0 成功6 失敗0


後半(体術)1
20  +  20  + 28 = 大成功0 成功3 失敗0

後半(体術)2
80  +  31  + 89 = 大成功1 成功2 失敗0

→大成功1 成功5 失敗0


******

172 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/05(水) 17:53:24 ID:???

//馬術(レヴィン)


枯葉舞う林に響く重低音は、馬の呼吸と蹄の音である。
手綱を繰る森崎の視界を時折白く染めるのは轡を食む馬の、熱い吐息が湯気になったものだった。

『だいぶ様になってきたじゃない』
「ま、これだけやってモノにならねえってわけにも……よっ、と」

軽く手綱を揺すり、愛馬を小さく跳ねさせる森崎。
突き出していた木の根が瞬く間に馬体の下に消えた。

『わ、すご〜い』
「へへん、どんなもんだ」
『前はジャンプさせるたびに舌噛みそうになってたもんねえ』
「いつの話だよ!」

肩の上でぷらぷらと足を揺らす小さな相方に向けた怒声も、しかし実際には呟くような声だった。
軍馬は周囲の騒音や怒号に慣れるよう訓練されているとはいえ、やはり敏感な動物である。
突然の大声に驚いて振り落とされてはかなわない。

『でも慢心は禁物だからね、もっと上手い人はいくらでもいるんだし』
「また偉そうに……」
『たとえば、あの人とか』

と、ピコがその舞い落ちる枯葉よりも小さな手で指さしたのは前方、梢の向こうに見え隠れする影である。
森崎と同じように騎乗したその後ろ姿は、どこか線が細く儚げに見える。
しかしその手綱捌きは流麗の一言に尽きた。
傭兵大隊の馬は基本的に軍部からの貸与であり、特に一般隊員に割り当てられる馬は質が高いとは言い難い。
だが、前方の男にかかれば駄馬も一流に変わるのである。

173 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/05(水) 17:54:25 ID:???
「ステファン・レヴィン……」

森崎の呟いた、それが男の名であった。

『ちょっと、何考えてるのかわかんないとこあるけど……実力は確かな人だよね』
「ああ、そうだな……」

優秀な人材なのは、疑いようがない。
剣術、馬術、更には槍や弓術も見事にこなす。
口数は少ないが物腰柔らかく、勉学礼節にも綻びがない。
ほぼ完璧といっていいその白皙の男の周囲には、しかし人の集まる光景が見られることはない。
それは決して妬みや嫉みといったものが原因ではないように、森崎には思えた。
虫が好かぬ、というものともまた違う。
何となれば、森崎自身もレヴィンという男にどこか得体の知れぬものを感じていたのである。

「……」

初対面のときに感じた殺気と虚無を無秩序に撒き散らすことこそなかったが、
しかし柔和で儚い微笑の奥には何か隠された襞がある。
その直感に間違いはないと、森崎はほとんど確信に近いものを持っていた。
そしてまた誰もがそれを感じるからこそ、彼を敬して遠ざける。
不気味なのは、レヴィンほどの才を持つ者であれば己のそういう部分を周囲に隠し通すことなど
容易であろうにもかかわらず、それをしないということだった。
そこには意図があり、目的がある。

「近づくな……ってか」
『……?』
「いや、なんでもねえよ。……っと」

じっとその後ろ姿を見つめていた森崎の視線に気づいたか、前方の影がすう、と肩越しにこちらを振り返った。
同時、早足で駆けていたその速度が緩む。
瞬く間に影に追いつきそうになって、森崎が慌てて手綱を引いた。

174 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/05(水) 17:55:27 ID:9I9BpGWk

*チェック

(馬術)判定

目標値【34】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
難易度【ターン係数80+容易20】−(馬術66)を目標値とし、目標値以上の値が出れば成功。
00が出た場合は難易度にかかわらず成功となります。
結果によって展開が分岐します。

成功→ 無難にレヴィンと並ぶことができた。
失敗→ 反応が遅い。レヴィンを追い越してしまう。

175 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/05(水) 18:32:41 ID:???
目標値【34】 →  91

176 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/06(木) 19:08:48 ID:???
***

成功→ 無難にレヴィンと並ぶことができた。


「よう、レヴィン」

片手を上げて挨拶をしながら、森崎がレヴィンの馬と轡を並べたところで愛馬を静止させようとする。
意図を読み取ってくれたのか、それとも単なる気紛れか、計ったようにぴたりと鼻先を揃えて止まってくれたのは
僥倖というべきだろう。

「これは隊長。さすがのお手並みですね」
「いや、まだまだこいつに遊ばれてるよ」

ぽん、と愛馬の首を叩いて森崎が首を振る。

「早いとこ格好をつけなきゃならないんだろうが、何しろ鞍の上ってのはまだ馴染まなくてな。
 その点、お前は随分と手慣れた風じゃねえか」

実際、技術の素地が違う。
前歴不明ということだったが、どこかの軍や傭兵団で訓練を受けたものだろうか。
そんな風に考えていた森崎に、レヴィンが些か予想外の答えを返す。

「幼い頃、基礎を叩きこまれましたので」
「ほう……?」

幼い頃、ときた。
それはつまり、極めて裕福な市民階級か、それともある程度以上の騎士、貴族の子弟であると
告げているも同然だった。
うっかりと口を滑らせるような男ではないだろう。
とすればこれは、踏み込んでも構わないという合図だろうか。

177 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/06(木) 19:10:47 ID:???
迷う森崎を前に、

「騎士の家に生まれたんですよ」

あっさりと、レヴィンが続けた。

「父が若い頃、リヴォニアで功績を挙げて取り立てられたんです」
「リヴォニア……ああ、お前はスウェーデンの出身だったな」

リヴォニアは北欧、バルト海の東側に位置する地域である。
港を求めて西進したシベリアに対し、北欧の雄スウェーデン他の諸国が交戦してこれを打ち破ったのは
時を遡ること二、三十年前の話であった。

「騎士の出なら、まあ文武に通じてるってのも納得ではあるが……」

含みをもたせたのは、無論この先を続けて構わないのかという意思確認だった。
しかしレヴィンの口元に張り付いた薄い微笑は、僅かな乱れを見せることもない。
澱みのように穏やかに、汚泥のように柔らかく、何らの葛藤も見せずに頷くと、言う。

「もう、ありませんから」
「え……?」

咄嗟には言葉の意味を図りかね、接ぎ穂を失った森崎にレヴィンがゆっくりと瞬きをして、繰り返す。

「もう、ありません。レヴィン騎士爵家は、既にスウェーデン王国には存在しないんです。
 それで僕は浪々の身となりました」
「それは……」

あまりにも屈託なく。
どこまでも淡々と。

「壊されてしまったんです。そこにあった家も、そこにいた人も。だから、もうありません」

178 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/06(木) 19:13:25 ID:sLHyRKsM
まるでのどかな昼下がりの、茶飲み話のように何気なく、微笑みながらそれを言う。
しかし、たとえば凪いだ海が船を抱いて離さぬように、底なし沼の足に絡めば抜けないように、
男の瞳は、静かに腐っている。

「お前は」

森崎がその瞳に告げる―――


*選択

A「逃げてきたのか」

B「復讐したいのか」

C「死にたいのか」

D「生き延びたんだな」


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『12/6 24:00』です。


******

戦争に敗れた共産主義シベリアは南進政策に切り替えました、
といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

179 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/12/06(木) 19:45:34 ID:???
D

Aは地雷、Bは本人の本望、Cが多分本心…と来て、一番心に響くのはDではあるまいか。
心が腐っている人間にはまず大前提(生きてる)を確認させて前向きにさせたほうがいいと思うんだよね。
ピココールとかするべきなのかもしれないけど、戦争関係を傍観してた私はポイントの手持ちが少ないので(笑)

180 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/06(木) 19:53:55 ID:???
【ピココール】
こういう明らかに心が壊れてる様に見えるレヴィンにはBCDのどれが彼の心に響くと思う?

181 :ピコ ◆ALIENo70zA :2012/12/06(木) 20:50:35 ID:???
>>180
心に響く…うーん、彼とはまだ付き合いが浅いからねえ…。
まあ、普段は近寄らないでねっていう空気バリバリの彼がなぜかぺらぺら語り出してることだし、
こっちがどう答えるかはある程度予測されてるって思った方がいいかもしれないね。
その上で意表をつくか、言ってほしそうなことを言ってあげるかはキミ次第だよ。

182 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/06(木) 21:18:23 ID:???
C【ピココール】を踏まえてBと悩んだんですがレヴィンの言って欲しい言葉ってこれかなって思いました。

183 :◆9OlIjdgJmY :2012/12/06(木) 23:23:18 ID:???

自分の生に執着してなさそうなので、釘を刺す意味も込めて。
隊長として、部下の(緩やかな)自殺は止めるべきでしょう。
隊に危険が及ぶかもしれないし。

184 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/07(金) 19:25:51 ID:???
レヴィンがこんなに喋るとは思ってなかったんですが、魅力と評価が高いからですか?

185 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 14:23:12 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>178の選択については……

>>182 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます!
そうですね、レヴィンの誘導に従えばその二択になるでしょう。
また>>184への返答となりますが、この饒舌は判定を挟んでいるわけではなく、レヴィンなりの計算ですね。
森崎が親切なお節介焼きということは既に新規部隊員にも知れ渡っていますので、それを踏まえた
一種の牽制といったところでしょうか。
しかし森崎の周囲が実は既に面倒な人物ばかりで、対応に慣れていることまでは知られていないようです。
CP3を進呈いたします。


また>>179 傍観者  ◆YtAW.M29KM様、>>183 ◆9OlIjdgJmY様のご回答につきましても
方法論、方向性として非常に鋭いものですので、次点としてそれぞれCP1を進呈いたします。
この後の展開でも少し触れていますが、レヴィンはまたもや厄介な背景持ちですので、
声が届くようこちらを向かせるにはまだもう少し手間と時間がかかるかもしれません。
なんというか、どいつもこいつもカルツの漢らしさを見習ってほしいものですw

186 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 14:24:15 ID:???
***

C「死にたいのか」


そういうものを、いくつも見てきた。
望んでいくさ場に身を置く者の中には、少なからずいる。
生き死にへの関わり方という、人の最奥が朽ちてしまったものたちだ。
自決を大いなる罪と信仰が定めるこの欧州において、傭兵という職は彼らの前に蠱惑的な煌めきを放つ。
そこには、彼らの何より望むものが淡々と存在しているからだ。
彼らにとって死の危険は恐怖でも不運でも、あるいは一部の狂人がそう感じるような快楽でも愉悦でもない。
それはただ、招く手だ。
己をあるべき姿に戻してくれる、原初の扉への誘いだ。
そして今、森崎の眼前に立つ男の瞳は、そういうものたちと同じ色をしている。
だから森崎は、もう一度その言葉を繰り返した。

「お前は、死にたいのか」

責める意図はない。
それはいわば、確認だった。
森崎自身の信仰において、自死は生理的な忌避の対象でこそあれ、最も救われぬ罪であるという認識はない。
遥か遠い故郷を思えば、それは時に賞賛の対象ですらあり得た。
この欧州でいくさ場に飛び交う矢や刃や銃弾をその道具としようとする彼らの動機は、それら極東の世に語られる
美事の正逆ではあっただろうが、しかしそのことを叱責できるほどには、森崎は欧州の人ではなかった。
それでも部隊を預かる者として生きる意志のない者は懸案事項であり、その把握は必須といっていい。
彼らの精神はある局面では非常に有効に機能するが、しかし別の局面では隊を極めて大きな危険に晒す可能性もあった。
レヴィンの返答は、

「ふふ……、ははは」

失笑である。
北欧特有の、色の薄い白皙の美貌が歪むような、暗く静かな笑い方だった。

187 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 14:25:52 ID:???
鼻白む森崎を前にひとしきり笑ったレヴィンが、小さく首を振って鞍上、手綱を握り直す。

「すみません、つい……。本当に面白いことをおっしゃいますね、隊長は」
「おかしいか」
「ええ、とても」

木漏れ日が、撫でるようにレヴィンの頬を照らした。

「ご質問にお答えしましょう。―――いいえ、そして、はい、隊長」
「……」

人を近づけぬ微笑が、その口元に戻っていた。
長い指が僅かに動くと、それだけで何かの意思を伝えたものか、レヴィンの馬がゆっくりと歩き出す。
森崎もその後を追うべく、馬の腹を軽く蹴る。

「僕は、僕のたいせつなものを壊した何もかもを恨み、憎悪しながら生きています」

どんな顔をしながらその言葉を口にしているのか、森崎にはわからない。
見えるのは、並足にゆったりと揺られるレヴィンの背だけだった。

「彼と彼らには苦痛に満ちた死を。希望という希望に見放された破滅を与えてやりたいと、常に願っています」
「……」

彼、とレヴィンは言った。
それはつまり、仇を特定できているということだろうか。
そしてまた彼らというからには、その仇には協力者が存在するというのか。
断片的な情報から類推する森崎に、レヴィンがゆらゆらと揺れながら続ける。

188 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 14:27:00 ID:???
「咎人はありとあらゆる責め苦の中で息絶えるべきだと。そうでなければならないと。
 大罪には相応の罰が与えられるべきだと、信じています」

馬蹄が枯れ葉を踏む音が、さくりさくりと響いている。
もうすぐに、林を抜ける。

「僕はそれまで、彼と彼らに罰を与えるまで、死ぬわけにはいきません。
 ですから先程の問いに対する答えはいいえ、僕は死にたいわけではない」

木枯らしは、しかし肌を刺すほどに冷たくはない。
ただ、どこまでも乾いている。

「ですが、僕の願いが叶うとき、本当に仇を討ったそのとき、必然僕は生きてはいないでしょう。
 そうでなくてはならない。だって、僕の仇は罰を受けて死んでいなくてはいけないのですから」

梢の向こうには、荒涼とした平野が広がっている。
白くぼんやりとした陽光と、乾いた風と、土埃だけがそこにある。

「ですから、先程の答えに対する答えは、はい」

林の中の影を抜けて、レヴィンが振り返る。
光の下、色の薄い金髪をきらきらと光り輝かせながら、微笑んで。

「―――ステファン・レヴィン。それが、僕の仇の名です」



※ガッツが20減少。
馬術が24上がりました。

189 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 14:28:00 ID:8d1tYT6E
******


*スキルアップチェック

レヴィンとの関係が一定値に達したため、スキルが強化される可能性があります。
目標値は対象キャラクターとの関係によって増減します。

目標値【95】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
目標値以上の値が出れば成功しスキルが強化されます。
また同時にパッシブスキルを獲得します。

成功→ 破壊Lv2/破滅Lv1
(破壊Lv2:使用ターン、所属部隊の攻撃で発生した死亡判定について、目標値を+20する)
(破滅Lv1:パッシブ。自身の死亡判定について目標値が+10される)


******

190 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/12/08(土) 14:42:42 ID:???
目標値【95】 →  25
これはまだ知り合って間もないからかな。

191 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:03:00 ID:???
>>190
そうですね。スキル上昇目標値は基本的に100以上からスタートして減算されていきます。

******


スキルは強化されませんでした。


******


※称号が『親切なジョッキー』になりました。

スキル『ギャロップ』を獲得しました。
種別:部隊パッシブ
消費ガッツ:-
効果:指揮下の騎兵および弓騎兵の移動力を+1する。


******


※称号が『親切な弓取り』になりました。

複合スキル『剛弓』を獲得しました。
種別:部隊アクティブ
消費ガッツ:5
効果:使用ターン、指揮下の弓兵の射程を+1する。


******

192 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:04:04 ID:???

//体術(トニーニョ)


「……こちらの班の訓練経過だが、少し計画より遅れ気味だ。詳細は書面でカイルに回しておくが、
 一部の隊員は班を組み替えた方が効率的だろう」

屋内鍛錬場の片隅、報告をまとめる低い声はトニーニョのものである。
短く刈り込んだ頭に仏頂面の強面はいつも通りに見える。
このところは奇妙な言動やぼんやりと遠くを見つめるような仕草も鳴りを潜めていた。
しかし。

「……」
「……聞いているのか、モリサキ」
「あ、ああ」

常に不機嫌そうな顔をじっと見つめていた森崎だったが、実のところ報告など右から左へ抜けている。
それが如実に現れた生返事に、

 ―――弛んでいるぞ、モリサキ。そんなことでは隊長として示しがつかんだろう。
 大体お前はいつもそうやって、

「なら、いいが」

小言は返ってこない。
何かを噛んだ歯車が、それでも異音を立てながら回り続けるような居心地の悪さに森崎がばりばりと頭を掻く。

「あー、もう!」
「……? どうした、モリサキ」

怪訝そうな顔をするトニーニョの眼前、森崎がだしぬけに外套と上着を脱ぎ捨てる。

193 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:05:22 ID:???
「おい、モリサキ……」
「今日は時間、あるだろ。久しぶりに組手でもやらねえか」
「なにィ……?」

唐突な提案である。
渋面に刻まれた皺を更に深くしたトニーニョだったが、己を見据える森崎の目に冗談の色がないことを
見て取ったか、やがてため息をつくと頷いた。

「……いいだろう。相手になってやる」


***


向かい合う二人は、互いに盾だけを持ち、利き腕は無手である。
戦場での密着戦を想定した訓練のこと、骨を折る、関節を外す、目を潰す、急所を突くなどの行為は
寸止めが原則ではあったが、その他に決まりごとはない。
遠くからはざわざわと声が聞こえる。
広い屋内鍛錬場の壁際には荒くれどもが寿司詰めになっていた。
隊長である森崎と、事実上隊のナンバー2と目されるトニーニョとの組手である。
準備を始めた時点で衆目を集めるのは必至であった。
邪魔にならぬよう、という名目で人垣にかなりの距離を置かせたのは森崎だったが、そんな指示を出している間に
外で訓練していた隊員までが呼び戻され、結局ほとんど大隊総員で二人を取り囲むような様相を呈していた。

「こりゃ、恥ずかしい真似はできねえな」
「……もとより全力でやらねば訓練の意味がないだろう」

交わす言葉は低く、遠い人垣には届かない。
にやりと笑って、森崎が左の腕に括りつけた円盾を翳すように構えた。
対するトニーニョは長身を活かすように、拳を固めた両の腕を前に突き出す構え。
広い間合いでの迎撃を主眼としたスタンスであった。

194 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:06:25 ID:???
「……」

迂闊に飛び込めば右の拳の振り下ろし、あるいは左の盾で動きと視界を封じての前蹴りも考えられる。
上背と体格に劣るということは、即ちリーチと体重で勝負に大きなハンデがつくということだ。
投げ、打ち、その両面で不利は否めない。
じり、と摺り足で間合いを測りつつ、森崎が戦友の隙を伺う。



*****

195 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:08:15 ID:???

◎個人戦闘


森崎有三
ガッツ:145
ATK:108 DEF:218 SPD:152 Ini:30

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

VS

トニーニョ
ガッツ:160
ATK:112 DEF:236 SPD:147 Ini:29

発動中パッシブスキル:
威圧 Lv2(個人戦闘)/個人戦闘時、相手のATK値を-10、自身のATK値を+10する。

アクティブスキル:なし


※両名とも武装していないためATK値が半減しています。

196 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:09:16 ID:???

◆この個人戦闘は変則ルールが適用されます。
 勝負は5ターンで終了し、消費ガッツの少ない方が勝利となります。
 消費したガッツは戦闘後に全快します。


******


【ターン1】
・行動選択
攻撃、スキルの内から『12/8 17:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

197 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/12/08(土) 15:46:20 ID:???
シールドワーク

このルール、実はシールドワークだけやってればいいんじゃないかという外道殺法。
まあ実際のところ数字がよくわかってないから、5点だとこっちが削れるほうが多いかもしれないけど。

198 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:57:26 ID:???
>>197
トニーニョが5回全部命中、かつ10以上を出し続けて一回でも12が出たら…!
…いえ、ご指摘通りほぼ勝ち確定です。

ということで5ターン全部シールドワーク、という選択の場合はその旨を記載していただければ、
あとはGMが5ターン分トニーニョのダイスを振ります。
選択スキップされたターンのCP/EPは前回のサム戦同様、まとめて補填させていただく形になります。
今回はそれぞれ3+4点ずつのボーナスゲーム状態!
奮ってご参加下さい! (半泣きで

199 :◆W1prVEUMOs :2012/12/08(土) 15:58:11 ID:???
ガッツ消費量の少ない方が勝ちだからシールドワークか通常攻撃しか取れないですもんね
ステータス的に互いの攻撃はダイスロール分しかダメージ通らないのでシールドワークで安定

200 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 15:58:49 ID:8d1tYT6E
また上記変更に伴い、ターン1の選択期限を19:00に延長させていただきます。
何卒宜しくお願い申し上げます。

201 :◆W1prVEUMOs :2012/12/08(土) 16:02:56 ID:???
トニーニョの出目次第で通常攻撃にかける場面も出てくるので
勝利確定するまでシールドワークを単独で選びたいと思います

202 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/08(土) 16:27:09 ID:???
勝利が怪しくなるまでシールドワークでお願いします。

203 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/08(土) 16:28:56 ID:???
すいません。シールドワーク単独でお願いします。

204 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 19:34:21 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>195-196の選択については……

>>197 傍観者  ◆YtAW.M29KM様、>>201 ◆W1prVEUMOs様、>>203 さら ◆KYCgbi9lqI様、
お三方のご回答を採用させていただきます!
皆様、慎重ですね…敗北の確率は計算する気も起きないくらいですがw
それぞれCP3を進呈いたします。

205 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 19:36:17 ID:8d1tYT6E
***

・ダイスロール

森崎 
スキル使用『シールドワーク』
必中、ダメージ5

★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]


トニーニョ
[イニシアチブロール  3 ]
[命中ロール  45 ]
[ダメージロール  1 + 3 ]


***

206 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/12/08(土) 19:45:52 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  3 ]


外道殺法が採用されてしまった…。悪く思うな、トニーニョ。

207 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 22:27:24 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 30+3 先攻!
トニーニョ 29+3 

森崎
・命中処理
スキル必中
・ダメージ処理
スキル固定 5

トニーニョ
・命中処理
-5+45=40 命中!
・ダメージ処理
0+4 /2


森崎の攻撃は命中、ダメージ5
トニーニョの攻撃は命中、ダメージ2

***

208 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 22:28:55 ID:???
森崎有三
消費ガッツ:2
ATK:108 DEF:218 SPD:152 Ini:30

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

VS

トニーニョ
消費ガッツ:5
ATK:112 DEF:236 SPD:147 Ini:29

発動中パッシブスキル:
威圧 Lv2(個人戦闘)/個人戦闘時、相手のATK値を-10、自身のATK値を+10する。

アクティブスキル:なし


******

…えー、ターン1での被ダメージが2。
残り4ターンでの最大値が24、つまり5ターンでの最大値で26。
森崎が5ターンで与えるのは25点ということで、次ターンのトニーニョが
ダメージロールで9以下を出した時点で勝利が確定します。


209 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/08(土) 22:35:56 ID:8d1tYT6E
【ターン2】
・行動選択
攻撃、スキルの内から『12/8 23:30』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

また今回の選択については特別措置として、ターン1からシールドワークを選択していた方は
自動的にこのターンも同様の選択をされたものとして扱わせていただきます。

210 :◆9OlIjdgJmY :2012/12/08(土) 23:29:23 ID:???
じゃあ攻撃で。
訓練でずっと盾かざしてるのも消極的かなと

211 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/09(日) 13:55:27 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>208の選択については……

『ターン1より継続でシールドワークを選択』された皆様の案を採用させていただきます!
堅実に、ということですね。
それぞれCP3を進呈いたします。


>>210
実戦想定の訓練ですから、淡々と最善手で勝利しても評価が下がったりはしませんのでご安心下さい。
シールドワークも盾を翳すというか、盾で打撃しにいくといった方向性の技ですので見た目も…たぶん大丈夫ですw


またこのターン、トニーニョが命中できないかダメージロールで9以下を出した時点で勝利が確定します。
その場合は残りの3ターンをスキップし、残りターン数*1のCP/EP補填を行います。
対象となるのはターン1からこのターンまでにエントリーしていただいた全プレイヤー様となります。

212 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/09(日) 13:56:52 ID:O6wYuSsg
・ダイスロール

森崎 
スキル使用『シールドワーク』
必中、ダメージ5

★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]


[イニシアチブロール  1 ]
[命中ロール  81 ]
[ダメージロール  1 + 1 ]


213 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/09(日) 13:57:56 ID:???
******

終戦ですが、一応イニシアチブロールをどうぞ、といったところで一旦ここまでとさせていただきます。

214 :森崎名無しさん:2012/12/09(日) 14:02:16 ID:???
森崎
[イニシアチブロール  1 ]

215 :◆W1prVEUMOs :2012/12/09(日) 14:03:20 ID:???
おっと失敗
森崎
[イニシアチブロール  3 ]

216 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/09(日) 21:35:33 ID:???
模擬戦だとシールドワークが有るか無いかで難易度全然違うね。

217 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/19(水) 20:27:30 ID:???
私事多忙にてまとまった時間が取れず、プレイヤーの皆様にはご迷惑をお掛けしております。
申し訳ありません。
この状態が続くようであれば、各種処理を少し簡略化するようなルール改変も考慮いたします。

>>216
そうですね、この形式ですとシールドワーク不所持・ポイント不使用の場合は運試しに近いものがあります。
武器あり・敵スキルありの状態ならまた違うんですけどね。

218 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/19(水) 20:30:08 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 30+3 先攻
トニーニョ 29+1


森崎
・命中処理
必中
・ダメージ処理
5

トニーニョ
・命中処理
-5+81 =76 命中!
・ダメージ処理
0+2 /2


森崎の攻撃は命中、ダメージ5
トニーニョの攻撃は命中、ダメージ2


森崎
消費ガッツ:4

トニーニョ
消費ガッツ:10


***

219 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/19(水) 20:32:47 ID:???


勝利確定のため、3,4,5ターンの処理をスキップします。


******


リーチとウエイトの不利は、こと乱戦中の刺突や斬撃において然程の問題とはならない。
しかし一対一の無手ともなれば、それは勝負の趨勢を担う重要な鍵である。
実戦を想定した演習で互いに革の胸甲や脛当てに身を固めてはいるものの、掴まれれば力負けは否めない。
まして引き倒されて馬乗りになられようものなら、それでほぼ終わりである。
故に、森崎が最大の警戒を払うのは腕や足を取られてのタックルであった。

(さて……よーく見とけよ)

厚い装甲や体格の差を、どうやって埋めるか。
その道筋を、遠巻きに観戦する新兵たちにも見せてやらねばならなかった。
森崎の選んだ手段は、正々堂々と正面からぶつかり合うことでは、無論ない。

「くっ……迂遠な手を!」
「騎士でも相手にしてるつもりかよ、トニーニョ!」

重く、しかし膝をつくには至らぬ打撃を腹に受けてよろめきながら、トニーニョが拳を振るう。
ぶうん、と唸りを上げるその軌道に、既に森崎はいない。
バックステップから右へと回り込んだ森崎が飛び込もうとする、そのタイミングに合わせるように
トニーニョの膝が突き出される。
低い姿勢をとった森崎の顔面に突き刺さると見えた、その膝を受け止めたのは硬い音。
森崎の翳した円盾である。

「おら……よっと!」
「ちぃ……ッ!」

220 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/19(水) 20:33:48 ID:???
受けた盾が、その打撃にかち上げられるように真上に向いた。
膝で動きを止めた森崎の頭を両側から抱えようと目論んでいたトニーニョの腕が、戸惑ったように止まる。
そこには掴みやすい頭ではなく、半径が大きく力の込め難い盾がある。
加えて、

「ぐ……!」

迫る盾に塞がれた視界の向こう、下腹部に奔る激痛があった。
肋の下から垂直に臓腑を抉るような打撃は、森崎の肘である。

「―――おおォッ!」

咄嗟に両手を握り固め、振り下ろす。
拳の腹は当然の如くに森崎の盾を打ち、しかしトニーニョはそれで構わぬとばかりに、
むしろ自ら前方へと倒れ込むようにしながら己が拳を振り抜いた。
セオリーであれば足を取りに来る、それを真上から叩き潰すことで寝技の攻防に持ち込もうという打撃。
だが、

「前から言おうと思ってたんだけどよ……」
「……ッ!」

その意図を読んでいたように、森崎がするりと脇へ体を逸らし、そのまま飛び退くと距離を取る。
構えはやはり、高く盾を翳しての防御主体。
相手の得意な戦術には決して付き合わぬという意思表示のようでもあった。
その構えを見たトニーニョが、顔をしかめる。

「……お前の悪い癖だぜ、それ」
「……」

221 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/19(水) 20:34:48 ID:???
森崎の選択は即ち徹底した一撃離脱と、左腕に据え付けた円盾を最大限に活用した戦術である。
そも盾とは敵の刃を受け、流すためだけのものではない。
先手を打って盾を置くならば、それは敵の視界を塞ぎ動線を遮断し、また剣筋を制限する牽制、ひいては
相手の体勢そのものを誘導する遮蔽物であり、そしてまた有効に振るえば一撃よく敵の骨を砕く
鈍器ともなる代物である。
無手の訓練とはいえ、森崎に拳で決着をつけねばならぬという発想はなかった。
与えられた条件の中で最適の筋を選択することは理の当然、既に骨の髄まで染み渡っているといっても過言ではない。

「それ、とは」

渋面に刻んだ皺を更に深くしながら尋ねるトニーニョに、森崎が答える。

「坊ちゃん剣術」
「……」

トニーニョが、口を引き結んで黙り込んだ。
眼前、まるで石造りの達磨像のような仏頂面を見やりながら森崎は思う。
トニーニョの剣術、そして体捌きは洗練された、無駄のない型だ。
独学ではあり得ない、いずれ名のある流派の門下でしっかりと教え込まれ、弛みない反復練習で身に刻んだ
正統のそれは、おそらくこの隊全体を見渡しても一、二を争う腕前だろう。
しかし、と。
森崎は己が思考に反駁を挟む。

「真っ直ぐ過ぎんだよ」
「……」
「姑息さがねえ、小狡さがねえ、小賢しさがねえ、小手先の誤魔化しがねえ。
 どうしたって綺麗で素直で、そんで人はみんなそういうもんだと、どっかで思ってる。……なあ、トニーニョ」

仏頂面は、動かない。

「だってのにお前、そんなに真っ直ぐなお前の底には、何がある。何がお前を曲げようとする」

222 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/12/19(水) 20:36:08 ID:WCf7mlug
森崎の声は、ほとんど囁くように漏れ出して、トニーニョを取り囲む。
正面から見据えられ、声に縛られ、しかしそれでもトニーニョは、口を開かない。
歩を詰めたのは、森崎だった。


*選択

A「ヤング隊長が死んだのは、お前のせいか」

B「お前たち三人、西洋圏で何があった」

C「悪夢なんざ……忘れちまっちゃ、いけねえのかよ」


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『12/20 1:00』です。


******

よもや10日も空いてしまうとは、何たる体たらく…といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

223 :◆W1prVEUMOs :2012/12/19(水) 22:27:27 ID:???

ヤングの死を引きずらないようにトニーニョのせいではないとはっきりさせておく
脛の傷は詮索しないのでBは選ばない
Cは忘れようとしても忘れられないほど深ければお前に何が分かるんだ状態だから

224 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/12/20(木) 00:12:57 ID:???
Aヤングが死んでから様子が明らかにおかしいですから。

225 :さら ◆KYCgbi9lqI :2013/01/18(金) 18:34:08 ID:???
年末年始は忙しいから仕方ないかな。

226 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/01/18(金) 20:39:54 ID:???
申し訳ありません。
現在、転職に伴う生活環境の変動で色々とてんてこ舞い中です…。
そろそろ時間の使い方なども安定してくるとは思いますので、プレイヤーの皆様におかれましては
どうか今しばらくお待ちいただければ幸いです。

一応、生存報告まで。

227 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/02/07(木) 14:07:19 ID:???
皆様、ご無沙汰しております。
大変長らくお待たせいたしました。
『異邦人モリサキ』、ようやくながら再開させていただきます。

ただその前に、ご報告をひとつ。
率直な話、現状では以前の更新頻度を取り戻すことは極めて困難な見通しであるため、
完結を目指す上でシステム面におけるいくつかの対処を考えております。
その先駆けとしまして、ルール改訂をさせていただきます。

228 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/02/07(木) 14:09:14 ID:???
※※※


『ルール改訂 (13.2/7 ver1.10)について』


・隊員イベントの分離

現状の訓練選択と、所属隊員のイベントを分離します。
具体的には一連の訓練判定が完了した後、イベント発生させる隊員を選択する形式とさせていただきます。
フローとしては

『訓練内容選択』→『訓練判定』→『訓練結果』→『隊員選択』→『隊員イベント』

となります。
また訓練結果の詳細な描写については当面、原則として割愛させていだきます。
これは更新頻度の向上を目指すため、また隊員イベントと一部内容が重複する事象が予想されるためです。
悪しからずご理解いただきますよう、お願い申し上げます。


・選択できる訓練内容の一部変更

『休養』を選択した場合、訓練期間の前後半が一度に消費されるようにします。
回復量は現状の二倍(ガッツ200回復)となりますが、同時に他の訓練を行うことはできません。
またこの月は隊員イベントが発生しなくなります。

また訓練内容から『墓守』『礼法』を削除します。
現状のゲーム内容、選択傾向から当該項目が選択される可能性が極めて低く、また効果面でも期待値が低いためです。

その他の訓練(剣術・馬術・体術・魅力・部隊訓練・陳情)についてはこれまでと変動はありません。


229 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/02/07(木) 14:11:12 ID:???

・時節イベントをメインイベントに統合

時節イベントは基本的に各ヒロインとのメインイベントに統合します。
ただし戦争イベントと時期が重なった場合はメインイベントが進行しないため、個別のイベントとして発生させることもあり得ます。
これは現状でも五月祭・夏至祭などがメインイベント上で発生しており、線引きが事実上曖昧になっていることに加えて
今後のシナリオ進行でこれらのイベントと物語全体のトーンが大きく乖離する可能性が懸念されるための調整です。


※※※


ルール改訂はひとまず、以上となります。
ひとえにGMの力不足によるものではございますが、
皆様何卒ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。


それでは早速、>>222の選択については……

>>223 ◆W1prVEUMOs様、>>224 さら ◆KYCgbi9lqI様、お二方の案を採用させていただきます!
トニーニョの問題はわりと根が深く、一朝一夕には解決することができないので厄介ですね。
真面目なタイプだけに思い詰めると非常に面倒なことになるという典型です。
それぞれCP3を進呈いたします。

230 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/02/07(木) 14:12:47 ID:???
***

A「ヤング隊長が死んだのは、お前のせいか」


「そうだ」

沈黙が、あるいは否定が返ってくるものだと思っていた。
そう返してほしいと、願っていた。
しかしトニーニョの即答は明快にして一徹。
眉間に皺を刻み、渋面に灰色の眼差しは険しく、しかし声音には迷いなく言い切られたそれを、
森崎は僅かな憤りと共に受け止める。

「まだ、そんなことを……!」
「時が経とうと、事実は変わらん。ヤング・マジョラムは死んだ。隊の多くも。
 そうして副長を拝命していた俺がこうして生き延びている」

それはつまり、眼前の坊主頭が実のところ、あの夏の日の鞍上から何一つとして変われていないという証左だった。
同じ場所をぐるぐると巡るばかりで一歩も進んでいない。
何をしている、という歯がゆさと、何をさせている、という自己嫌悪。
綯い交ぜになった熱を抱えて、森崎は間合いを詰める。
目には見えぬ、しかし触れれば肌を焦がす熱に気圧されたか、対するトニーニョが、じり、と退いた。

「あのとき、あのいくさ場で、お前に……いや、俺たちに何ができた!」
「……何かだ。悲劇へと至らぬ何かだ」
「答えになってねえよ、馬鹿野郎!」

絞り出すように告げたトニーニョに怒鳴り返して、更に一歩。

「お前が、俺が、今こうしてここにいる! それがお前の後悔か!? 俺も生きてちゃいけなかったか!」
「それは……」
「そんな答えも出せねえくせに……っ!」

231 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/02/07(木) 14:13:59 ID:???
踏み込んだのは既に上背に勝るトニーニョの間合いの内である。
しかし長身の体勢は半端に体を引いたのけぞるような後傾、腰の入らぬ拳を無造作に外側に捌いて、森崎が懐に入る。
迎撃のつもりだろうか、かち上げられようとした膝はしかし明らかに遅い。
その拙い対応が、森崎の内に燃える火に油を注いだ。
森崎は今、何をしたわけでもない。心の底に憤りを覚えただけである。
それを隠さずに迫ったという、ただそれだけのことに平静を乱されるトニーニョを、森崎は許容できない。
鍛錬に引き締まった長身が、瞬間、紙人形が如く頼りなく見えた。
振り払うように、森崎が動く。
左の腕に据え付けた円盾をトニーニョの胸に押し付けるようにしながら、空いた手で不用意に浮いた腿を掴んだ。

「……!」

重心を制した森崎に、トニーニョの長身が為す術もなく回転する。
まるで宙返りでもするようにぐるりと綺麗な弧を描き、そのまま仰向けに地面へと叩きつけられた。
同時、盾越しに乗せられた森崎の全体重が、トニーニョの胸郭を圧迫する。

「が……ッ!」

鍛え抜かれた筋肉の鎧が、踏み固められた地面と木製の盾とに挟まれて軋む。
肋骨がその剛性の限界を超える寸前、森崎が盾を引いた。

「……」

勝負がついたのは、明らかだった。
痙攣するように身を丸めて咳き込むトニーニョを見下ろして、森崎が告げる。

232 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/02/07(木) 14:19:00 ID:nri0YbEU

*選択


A「あれは、誰のせいでもねえ。周りに迷惑、かけんじゃねえよ」 矛を収める。

B「罰が欲しくて迷子の真似か!」 迷いを責める。

C「……お前、何を怖がってんだ」 掘り下げる。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『2/9 9:00』です。


******

といったところで、短いですが本日の更新はこれまでとさせていただきます。
私事にてプレイヤーの皆様にご迷惑をお掛けしておりますこと、
改めて深くお詫び申し上げます。

久々のお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

233 :さら ◆KYCgbi9lqI :2013/02/08(金) 22:04:19 ID:???
【ピココール】
今掘り下げた方が良いのか、後で掘り下げる方が良いのか、どう思う?
久々なんで、ここは慎重に。

234 :ピコ ◆ALIENo70zA :2013/02/08(金) 23:52:56 ID:uLee/Ydg
>>233
そうだねえ…前に話をしたときも結局全然、何にも、伝わってなかったわけで…。
また問題を先送りにしても何も解決しない、っていうのは確かかもね。
どうも昔のことも絡んでるみたいだし、この場で全部解決するわけじゃないにしても
手がかりくらいは掴んでおきたい、かも?

235 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2013/02/08(金) 23:56:59 ID:???
C

Aは論外として、Bは…個人的心情でもあるんだけど「迷うことは悪くない」と思うんだよね。
迷って迷って悩んで悩んで答えが出ることってあると思うから。大事なのは「正しく迷う」ことでしょ。
というわけで、その迷いを掘り下げるのが良いと思うのですわ。

236 :さら ◆KYCgbi9lqI :2013/02/09(土) 00:01:45 ID:???
C【ピココール】を踏まえトニーニョの過去に少しでも踏み込んだ方が良いと思いました。

237 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/03/16(土) 11:00:51 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
どうにか月一更新から脱却したい今日このごろです!
それでは早速、>>232の選択については……

>>235 傍観者  ◆YtAW.M29KM様、>>236 さら ◆KYCgbi9lqI様、お二方の案を採用させていただきます!
それぞれCP3を進呈いたします。

>>235
はい、「迷う」ことと「真剣に問題と向き合う」ことは決して遠い位置にあるわけではありませんからね。
その二つが交差できるような道筋を見つけてあげられればと思います。
独りで間違えた迷い方をしてしまうと出口が見えませんし、挙句に「迷わない」と「考えない」が
どこかでイコールになってしまったりすることも、ままありますからね。

>>236
良いタイミングでのピココール、ありがとうございました。
もしAが選択されていたら、もう少し面倒な道筋になっていたかもしれません。

238 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/03/16(土) 11:01:53 ID:???

C「……お前、何を怖がってんだ」

***


「……ッ!!」

その一言がトニーニョに齎した効果は激甚というに相応しいものであった。
地に伏したまま森崎を見上げようとする、険しい顔は変わらぬ。
しかしその表情の意味は、常の懊悩に満ちてみえる渋面では、既にない。
もとより白く、日に焼けて僅かに赤い肌は今や蒼白を通り越し、濁った血の皮の下に澱み溜まるが如く黝い。
見開かれた瞳はふるふると焦点の定まらぬまま眼前の森崎を、あるいはその存在する空間を写そうと彷徨っている。
怒りではない。煩悶ではない。真実を射貫かれた痛みでも、恥辱でも苦衷でもない。
小さく、小さく首を振りながら微かに後ずさりを試みる男の、その顔に浮かんでいたのは、
森崎が言ってのけた通りの、恐怖である。

「……、」

薄い唇が、荒い呼吸の中で何事かを紡ごうと開かれる。
しかしトニーニョの言葉は、声にならぬ。
欠けた歯車を、あるいは磨り減った石臼を無理矢理に回すような、手応えのない掠れた音だけが、森崎に届く。
森崎が、手を伸ばす。
触れれば砂となって消えてしまいそうな音の塊を拾い上げるように。
手を伸ばして、問いかける。

「何だ。何が言いたい。聞くぞ、俺は聞くぞ、トニーニョ」
「……、……、」

しかしトニーニョは森崎の、その立ち姿の影の中でただ首を振り、その影だけを見上げ慄き、
やはり声にならぬ何事かをほとんど悲鳴のように呟きながら、伸ばされた手を、払いのけた。

239 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/03/16(土) 11:02:53 ID:???
「おい、トニ―――」

やがてゆらりと立ち上がり、己に背を向けたトニーニョに駆け寄ろうとした森崎が、足を止める。
その耳に、音が聞こえていた。
火にくべられた詩篇の、灰となって崩れるような音は無論、トニーニョの唇の間から漏れる音だった。
声ならぬ声の中、ただ一言だけ形をなして森崎が聞いたそれは、

「……オル、ヘス。……もう、ゆるして、くれ……」

それきり、言葉は震える音になり、音は遠ざかっていく。
ふらりふらりとよろめきながら、勝負がついたと近づいてこようとする荒くれどもを、
ほとんど身を預けるようにしながらかき分けて、トニーニョは鍛錬場を出ていこうとする。
決然たる意思もなく、確固たる意志もなく、幽鬼の如き形相でただその場から離れようとする背は、
逃亡者の、それだった。



※ガッツが20減少。
体術が26上がりました。


******


トニーニョがスキル『オルヘスの亡霊』を獲得しました。

種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:このスキルが効果を発揮する限り、トニーニョを訓練時に誘うことができない。


******

240 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/03/16(土) 11:03:58 ID:???
******


※称号が『親切な拳士』になりました。

スキル『体捌き』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:SPD値を常時+10する。


******


現在のガッツ:125
剣術:146 馬術:90 体術:88 魅力:78 評価:84
ATK:236 DEF:244 SPD:188 ini:37


******

241 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/03/16(土) 11:04:59 ID:???

*D26.11月 「親切な拳士」森崎有三
メインイベント


『Get Ready』

.

192KB (08:00PM - 02:00AM の間一気に全部は読めません)
続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail(省略可)

0ch BBS 2007-01-24