キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/20(土) 01:02:08 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで世界を救う為に努力する話です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【契約書に名前】鈴仙奮闘記34【書いてみて】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1452408627/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠に並ぶ名選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
彼女は永琳の庇護下で実力を大きく伸ばし、幻想郷中の勢力が集まった大会でMVPを勝ち取った!

しかしその夜鈴仙は、自身の成長は永琳の計画であった事、その計画の副作用で
月に眠る大いなる厄災――「純狐」が八雲紫の身体を乗っ取り目覚めつつある事を明かされる。
そして、鈴仙は永琳に懇願される。「純狐」の純粋なる狂気を止める者は、
これまでの経験で混沌たる狂気を溜め込み成長した鈴仙以外に居ない。
だからこそ、鈴仙は次に紫が計画した大会――『幻想スーパーJr.ユース大会』に優勝し、
その狂気をもって純狐を倒し、世界を救って欲しい……と。

鈴仙は最初は戸惑いつつも、中山により自身の成長と覚悟を悟り、最後には永琳の願いを受け入れる。
そして、幻想郷の秩序の変革を狙う『プロジェクト・カウンターハクレイ』にて
編成された新チーム・リトルウイングスの一員として、大会に優勝することを誓った。

そして、大会前の鈴仙に課せられた第一の使命は、サッカー王国・ブラジルでの修行。
しかし、リオカップの優勝を目標に意気揚々と新天地に乗り込んだ鈴仙を待ち受けていたのは、
凋落した名門チーム・コリンチャンスでの甚だ雑な扱いだった。
日々を生きる為のバイトに手一杯で、当初の情熱を失いかけている中、
鈴仙は自分よりも先にブラジルに渡り、華々しい活躍を遂げていた親友・妖夢と再開し……?

186 :森崎名無しさん:2016/03/03(木) 22:12:40 ID:???
>かつては同年代のFWとして何度もゴールを競い合った。
確か元ネタはパルメイラスのGKだったはず……つまりエベルトンも森崎みたいなキチガイGKだった…?

187 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/04(金) 00:30:56 ID:???
>>183
乙ありがとうございます。
実はそこまで考えずノリと妄想で作ってました(爆)
>>184-185
マーガス君は結構心強いですね…
>>185さんは乙ありがとうございます。
>>186
南米版吉良監督というイメージでFWと思いこんでましたが、
元ネタってGKだったんですね…>エベルトン

188 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/04(金) 00:32:16 ID:???
鈴仙「(――コーチはかつて、世界平和という大きな夢を見ていた。
    しかし、その夢は実現を目前として、当時の政治に潰された。
    それどころか、政治は彼の居場所を悉く奪った。
    ……そして、今この人は、呆けた浮浪者を装って、このスラム街でひとりぼっちだ)」

コーチ「……私は、思い上がっていた。自惚れていた。自分なら世界を変える事が出来ると。
     ――だが、その結果が、このクラブチームだ。
     私の理想は叶わぬどころか、逆に私を応援してくれた人達を滅ぼしたのだ。
     ……じゃから。私は――ワシは、もう嫌じゃ。何も考えず、女の子のケツを揉んで生きるんじゃぁ……」

コーチはその言葉を最後に崩れ落ちた。残った右手で鈴仙の尻を揉み続けていなければ、
それはあまりに哀れで悲しい結末だった。
だがしかし、残されたエベルトンはそれを良しとしなかった。

エベルトン「……テメー、まさか諦めてこんな所に居たのか?
       俺はてっきり、今後の復活を狙って潜伏してると信じてたんだがな」

彼はユラリとコーチに近づき、そして、

ガシッ、グッ……!

エベルトン「ふざけるな! そうして逃げられちゃあ、テメエをピッチ上でボコボコにするという、
       この俺様の夢が叶わなくなるじゃねぇか!」

襟を掴んで顔を赤らめ、唾を目いっぱい吐きかけながら、コーチに対してそう激昂してみせた。

エベルトン「俺はあの時、親友のテメエと死んだ妻子を政府に売った!
       その時の金で、俺はスポーツ政界とのコネを作って、お前と同じ監督になった!
       俺はそんな悪魔だから、テメエはそんな俺に倒されるべき聖人であるべきなんだ!」

コーチ「……」

189 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/04(金) 00:33:21 ID:???
支離滅裂な感情の爆発に対しても、コーチはとろんと夢見たような顔立ちで、何も答えない。

コーチ「……無駄だよ。私の物語は、もう終わった。世界を救おうとして、愛すべき人を滅ぼした。
     そんな哀れで滑稽な道化の喜劇の結末は、例え機械じかけの神が出て来ても変わりはしないさ」

エベルトン「て、テメェッ。言わせておけば訳の分からん事をベラベラと……!」

鈴仙「……………」

ひたすらに怒り狂うエベルトン。夢見がちにまどろむコーチ。
その間に立つ鈴仙は、本当に何も出来ないのだろうか。

鈴仙「……だったら」

そう考えるよりも先に、唇が動いていた。それは打算とかを超越した、まさしく感情の爆発に近かった。

鈴仙「だったら。私がコーチの夢を引き継ぎます。
    前に言いましたよね。『私はサッカーで世界を平和にするんだ』……って。
    コーチがもう動かないなら、私が、貴方の代わりに夢を叶えます」

エベルトンからコーチの過去を聞き、それに共感している自分が居た。
鈴仙もまた、幻想郷で傷つく人を見て来たからこそ、自分の力を高めたいと思ったからこそ、
今こうして故郷を離れ、文字通りサッカーで世界を守る為に動いているのだから。

エベルトン「……あん?」

コーチ「――鈴仙……」

エベルトンは疑り深く、コーチは夢から覚めた子どものように、それぞれ鈴仙の方を見つめた。
鈴仙は物怖じせずに続けた。

190 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/04(金) 00:36:10 ID:???
鈴仙「……私は、まだまだ未熟です。多分、昔のコーチ程サッカーは上手くないし、
    医術にしたって、漸く研修医に毛が生えた程度のクラスです。
    だけど。……これまでで磨いて来た、サッカーへの想いは。
    コーチにも、エベルトンさんにも、決して負けないと思います」

その言葉には、絶対の自信があった。
鈴仙には成し遂げたい目標があった。辿りたい栄光があった。
守りたい仲間があった。誇りたい矜持があった。
収めたい戦いがあった。聞かせたい思い出があった。
そして――再び出会いたい、かつて道を違えた友が居た。

コーチ「……私の気持ちは、前と変わらん。サッカーで世界を平和になぞ、できっこない。
     そんな下らん思いでサッカーするなら、金だの栄光だのの為にサッカーする方が、余程健全だ」

コーチはぶっきらぼうに反論した。しかし鈴仙も負けてはいなかった。

鈴仙「――します。勿論、その目的が狂気的《ルナティック》だという事は百も承知です。
    だけど、それでも。それこそが私のやりたい事なんです。
    幻想的な狂気で憎しみを断ち切り、夢のような理想を現実に上書きしてみせる。
    そのためには、私――何があっても挫けない!」

鈴仙の瞳がほのかに赤く煌めいた。それはまさしく狂気の波長だった。
しかし、その狂気に当てられたかのように、瞳を見たコーチは動いた。

コーチ「……ついて来なさい。エベルトン、出来れば君も」

エベルトン「……チッ」

コーチは鈴仙とエベルトンの二人を、市内の広場へと案内した。
そこは正式なサッカーコートでは無いが、通り一遍の運動は出来るようになっていた。

191 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/04(金) 00:48:30 ID:???
コーチ「……鈴仙。私は君に最終調整を行う」

鈴仙「さ、最終調整? まだ何もやってないのにですか?」

コーチ「――そんな事は無い……と、思うよ」

鈴仙「……そうでしょうか。今まで、バイトばっかりで碌な練習すら出来ていなかったのに」

コーチはその中で、初めて鈴仙に対して実践的なコーチングを始めた。
しかしその内容は依然風変りだったため、鈴仙は思わず彼に問いかけると、

コーチ「……私はこれまで、君のお尻を触れる事で、その筋肉の発達具合をチェックして来た。
     そして体幹――君の身体の一番基礎的な部分だ――の状態を見越して、
     色々なアルバイトを行わせた。そして調整した。
     ……だから、今日の一回だけで良い。それで、大きく伸ばせる筈だ」

――コーチは全てを見透かすような目でこう言った。
その超然ぶりは、鈴仙の師・八意永琳に通ずるものがあった。
絶対的な説得を感じた以上、鈴仙は頷くしかなかった。
……何故お尻なのかについては、敢えて突っ込まないでおいた。

コーチ「……もっとも、どこまで開花するかには誤差がある。
     だが、やらずには結果は分かりようが無い。……悪いが、エベルトン。手伝ってはくれないか」

エベルトン「……分かったよ。ここまで来たら最後まで面倒見てやる」

ここで傲慢と傍若無人が服を着ているようなエベルトンが、
鈴仙の調整について協力を呑んだのは、鈴仙にとって意外だった。
そんな表情を察したのかエベルトンは、鈴仙に向かって寂し気にこう呟いた。

エベルトン「……娘が。もし無事に生まれて成長していたら、お前と同じ位だった」

192 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/04(金) 00:51:36 ID:bsK5Zf2s
鈴仙「――えっ?」

エベルトン「――あん? 何寝ぼけてやがるんだ! さっさと練習を始めるぞ、クソガキ!
       わざわざ敵に塩を贈る真似してまで、貴様らに手を貸してやってるんだ。
       手抜きしたらリオカップが始まる前に、テメエをぶっ殺すぞ!」

彼はすぐに前言を無かった事にして、最初に出会った時のような粗暴さを取り戻し。
そして――調整と称した、これまでのブラジル生活を総決算するが如くの大成長が始まった。


先着3名様で、

★コーチの理想→! card★
★鈴仙に引き継がれる思い→! card★
★エベルトンの支援→! dice★

と書き込んでください。数値の合計で分岐します。

31〜→鈴仙に一体何が…? 全能力+3、更に更に…?
26〜30→超進化!!     全能力+2、更に…?
16〜25→進化!        全能力+1、攻撃系or防御系各+1
10〜15→特訓は成功だ!  全能力+1
2〜9→そこそこの成果だった。攻撃系各+1

*攻撃系=ドリブル・パス・シュート・せりあい で、防御系=タックル・パスカット・ブロック・せりあい です。
*マークか数値が一致した場合、判定に+5されます。これらの効果は重複しません。
*合計値が21以上の時、フラグ習得!(分野は選択で決定)
*合計値が26以上の時、必殺技習得!(分野は選択で決定)
*JOKERが出た場合は『ダイヤの15』として扱います。オールマイティにはなりません。
*今回については、特訓時の上昇制限は才レベル限界の57とします。
*イベントに成功しているため、鈴仙の能力値の上昇量(判定テーブル)が良くなっています。

193 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 00:53:02 ID:???
★コーチの理想→ スペード2

194 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/04(金) 00:55:22 ID:???
…と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
本日もお疲れ様でした。

195 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 00:56:06 ID:???
★鈴仙に引き継がれる思い→ ハート3

196 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 00:56:35 ID:???
★鈴仙に引き継がれる思い→ スペードK

197 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 01:00:10 ID:???
★エベルトンの支援→ 3

198 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 01:30:40 ID:???
折角のイベント付き特訓でこの結果とは…上がっただけマシか
まあ監督もこれで立ち直って環境も整ったし、後は試合で覚醒できる事を祈る

199 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 02:19:43 ID:???
どこかのスレでは合計値4をにたような状況で出したやつがいたな

200 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 08:45:34 ID:???
マジにマーガス来てくれないかなぁ
鈴仙がこの様じゃ、得点源もう一人は欲しい

201 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 10:14:11 ID:???
ブラジル来てからいいことひとつもないな

202 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 11:12:52 ID:???
監督復活ぐらいかな。

203 :森崎名無しさん:2016/03/04(金) 13:22:39 ID:???
サルサノさんという逸材と出会えたこと。

204 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:13:39 ID:???
更新再開します。
>>198-199
全能力+1くらいはされるかな…とか思ってたら見事に予想を裏切られましたねw
成長のチャンスは他にもあるので、諦めずにやるしかないですね。
>>200
鈴仙一人でダ・シルバとメオンを相手にするのもあれですので、
序盤の試合限定の助っ人をストーリー上考えていますね。
>>201-203
今はまだ芽の状態ですが、ネイや新田と親しくなれたのは実は結構大きいです。

205 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:14:57 ID:???
★コーチの理想→ スペード2 ★
★鈴仙に引き継がれる思い→ ハート3 ★
★エベルトンの支援→ 3 ★
2〜9→そこそこの成果だった。攻撃系各+1

タタタタタ……

エベルトン「てめぇ! 何だそのチンタラした走りは! 女だからって手抜きは許さねぇぞ!」

鈴仙「こ、これでもちゃんと走ってます!」

エベルトン「だったら口を動かす前に、もっと腰を入れろ。
       全身の力をバネにできねえで、どうやって大柄な野郎に競り勝てる!」

エベルトンの指示を受け、鈴仙の特訓はそこそこ順調だった。
彼の指導は厳しかったが理論的で無駄が無く、僅か数時間で、
鈴仙のFWとしての能力は大きく上昇した。

コーチ「……」

エベルトン「……まただんまりかよ。折角この俺が馬の骨のガキにせっせとサッカーを教えるなんて、
       数万年に一度とない珍事をしてやってると言うのによ。ああん?」

休憩時、エベルトンは再び寡黙な老人へと戻っていた旧友に対して親しげに声を掛ける。

エベルトン「しかし、医学ってのは凄いもんだな。体幹とやらを鍛えておいただけで、
       こんなにも爆発的に成長するとは思わなかったぜ、あのガキ。
       特に、シュート力がすげえ。俺のパルメイラスにゃ、アイツに並ぶ奴はいねえよ」

206 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:15:57 ID:???
エベルトンはこの時、コリンチャンスの名将が鈴仙に施した訓練の的確さに関心していた。
自分は指示を出しこそしたが、その実、鈴仙は勝手に伸びていると称した方が正しい。
打てば響くように、彼女の身体はエベルトンの指示に応じて理想的に進化していたからだ。
しかし、コーチの意見は違った。

コーチ「……いや。まだまだじゃよ。あの娘は――まだ、私の想定の五割……。
     いや、三割程度の力しか、解放し切れていない。今日の調整は、むしろ失敗した方だ」

虚ろながらも、目の奥にはしっかりと理性の炎を灯した状態で、コーチはそう断言した。
それがボケ老人の酔狂では無い事は、エベルトンは直観的に察知していた。

エベルトン「マジかよ……」

気合の入った練習の副作用か、ぶっ倒れて休んでいる鈴仙を見てエベルトンは溜息を吐いた。
そして同時に、永年希望を失い堕落していた老人を立ち直らせた少女に対し、彼はある種の畏敬の念を抱いていた。

エベルトン「(……このガキは、まだまだ身の程知らずで臆病で未熟だ。
        だが、確かにコイツには、人を動かす何かを持っている。
        そう。それはまるで……かつて俺を含めたパルメイラスの連中を変えた、モリサキのような……)」

傲慢な彼は、当然その念を表に出しはしない。鈴仙に対しても、相変わらずの見下した態度を取るだろう。

コーチ「……彼女は凄いよ、エベルトン」

しかし、旧友は目聡く彼の真意を察していた。

コーチ「これまでの彼女との生活で、私は確かに少しずつ、希望の種を貰っていた気がする。
     それが今日、花開いた。……だから、私も再び過去を直視し、未来へと目を向けられるようになった。
     ……彼女は、本当に、私の夢を叶えてくれるかもしれないな」

207 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:17:22 ID:???
かつての英雄は、サッカーによる世界平和を夢見た。
その夢は多くの者に笑われ、砕かれ、そして蹂躙された。
――その後、同じ夢を見る若者が現れた。最初はそれを笑おうと思った。かつて自分がそうされたように。
しかし彼女は、何があっても諦めない意思を見せた。……自分とは違って。

鈴仙「う、うう〜ん。すみませんコーチ、エベルトンさん。もう私、うごけませぇん……」

彼女は今はまだ弱く、仲間が必要だ。しかし、仲間が集まるにはまだ猶予がある。
ならば、せめてもう少しの間は、自分が彼女を守ろう……。
実年齢以上に老いた男は、自分の娘を見るかのような優しい眼差しを鈴仙に向けた。

*鈴仙のドリブル、パス、シュート、せりあいが+1されました。
*コーチが本気を出すようになりました。エベルトン、ネイとの関係が深まりました。

208 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:18:24 ID:???


***


アヤソフィア「あやや……。今日という今日こそは、私を頼って来て下さると思ったのに」

――そして、そんな三人の様子を監視していた者が居た。
パシャパシャと旧式カメラに写真を修めながら、アヤソフィアは不敵な笑みを浮かべてそう呟く。

アヤソフィア「――でも、まさかパルメイラスのキチガイ提督まで傘下にしちゃうなんて思わなかったなぁ。
        あのコーチをやる気にさせる位は出来ると思ったけれど、あれはちょっと意外だったわ」

アヤソフィアは手帳を開くと、そこには彼女がブラジルにて撮影した、
鈴仙に関する様々な写真やメモ書きが残されている。
記者としての業務の合間に、自身で懸命に情報収集を行った成果である。
……しかし、彼女は何故、かくも執拗に鈴仙に拘るのか。

アヤソフィア「……さぁ、鈴仙さん。貴女の強さは偽物では無い事が、これで見事に立証されました。
        なので、ここからは潜入取材です。……精々、私に色々と教えて下さいよ?」

その理由を胸に秘めたまま。
彼女は安心して、自身の計画を第二ステップの段階へと進める事にした。

209 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:21:39 ID:N0uRY6IM
<<<12月4週・基礎練習フェイズ>>>

鈴仙「――さあ。いよいよリオカップまで後一瞬間! 最後の大詰めよ!
    ……と、言ってもチームがボロいのは相変わらずだから、やれる事は限られてるんだけどね。
    さてと、そんなわけで。――今日は、何を練習しようかな」

今週重点的に鍛える能力を選んで下さい。カッコ内は現在の能力値です。

A:ドリブル(54)  上がりにくい
B:パス(54)    上がりにくい
C:シュート(55)  とても上がりにくい
D:タックル(52)  上がりにくい
E:パスカット(50) 普通
F:ブロック(47)  上がりやすい
G:せりあい(53)  上がりにくい
H:フラグの開発をする。(更に選択)

所持中のフラグ:スルー(15/20)、パスカット(10/20)、浮き球シュート(0/20)

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。


210 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 01:23:08 ID:r2LP040M
E

211 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 01:36:02 ID:???
…と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
明日、明後日は色々用事が詰まっているため、更新できないかもしれません。
でも来週には、初戦であるグレミオ戦に入っていけると思っています。
それでは、本日もお疲れ様でした。

212 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 07:35:30 ID:o5cjFiik
A

213 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 09:02:30 ID:nuv64B9E
E

214 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 12:29:03 ID:N0uRY6IM
E:パスカット(50) 普通

鈴仙「昨日は攻撃能力は伸びたけど、守備力はサッパリだったし。
    ……中盤の守りを固める意味でも、今度こそパスカットに挑戦よ!」

鈴仙はパスカットの技術を中心的に高めた。

先着1名様で、

★鈴仙のパスカット練習→! card★

と書き込んでください。数値・マークで分岐します。

JOKER→+2&必殺フラグ習得!(フラグがある場合は回収)
13→+2!
2〜12→+1!
1→効果が無かった。

215 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 12:33:19 ID:???
★鈴仙のパスカット練習→ スペード10

216 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 13:07:16 ID:???
選手   ド  パ  シ   タ  カ   ブ  せ  総   高/低  才
妖夢  57  55  56  55  54  51  53  381  2  4   8
所持中のフラグ:なし

最大ガッツ:950

選手   ド  パ  シ   タ  カ   ブ  せ  総   高/低 
鈴仙  54  54  55  52  50  47  53  366  3  4 

最大ガッツ:990

現時点で比較すると妖夢の方が二回りくらい強いのね

217 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 13:10:16 ID:???
あ、パスカットは51でした。合計は同じはず

218 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 13:15:17 ID:N0uRY6IM
★鈴仙のパスカット練習→ スペード10 ★
2〜12→+1!

鈴仙「うん。流石に何度も練習してると、ちょっとはマシになって来るわね」

鈴仙は着実にパスカットの基礎を固める事に成功した。


*鈴仙のパスカットが+1されました。50→51

219 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/05(土) 13:16:55 ID:???
…と、言ったところで今日はおそらくここまでです。
>>216-217
妖夢はかなり強いです。
ただ、鈴仙にしても、リオカップ開始後も基礎的な練習に加え、
能力アップイベントの予定もあるので、決勝時ではその差も縮まるとは思います。

220 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 18:00:08 ID:???
縮まる・・・そんなレベルか

221 :森崎名無しさん:2016/03/05(土) 19:03:29 ID:???
入らないシュートなんざ数値が1億あったって怖くもなんともない

222 :森崎名無しさん:2016/03/06(日) 00:20:16 ID:???
反町(入らないシュートは怖くもなんともない…その通りだ、コントロールは大事だ!)バシィッ! バイン、ポロ… 
穣子「やった!一人で止められたよ、一樹君、お姉ちゃん!」
反町「チャキ」静葉「私の技だ!…ってそれはもう駄目よ!」

223 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 22:58:04 ID:???
<<<12月4週・イベントフェイズ>>>
【リオカップ・開幕前夜】
〜コリンチャンス・クラブハウス(と言う名の場末のバー)〜

コーチ「只今、鈴仙。リオカップの開催委員会に行って、対戦組み合わせ表を貰って来たぞ」

年末をあと僅かに控えたある日、過去の理性を取り戻したコーチは
鈴仙に対して一枚の紙と共にこう言った。

鈴仙「! 来週から始まる、ブラジル若手サッカーの登竜門。
    いよいよ、近づいて来たって感じですね!」

コーチが渡してくれた大会の開催要領を確認しながら、鈴仙は頷いた。
開催要領には総則として、全体の流れ及びルールについて記載してある。
そこには、具体的にこう書かれていた。

224 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 22:59:17 ID:???
【リオカップ ルール】
○予選リーグ
 4チームずつ4ブロックに分かれてリーグ戦を行います。
 上位2チームが決勝トーナメント進出となります。

 前後半30分ハーフで行われます。
 勝利は3点、敗北は0点、引き分けは1点として扱い、3戦した際に最も多くの点数を獲得したチームが優勝となります。
 なお、同点のチームが複数いた場合、得失点差、得点数の順番で順位を決めます。
 延長戦やPKはありません。
 反則についてですが、レッドカード、もしくはイエローカード累積2枚で退場した場合、
 次の試合には出場出来なくなってしまうので、ご注意下さい。
 『3』人まで選手交代可能です。

○決勝トーナメント
 予選通過の8チームから、順位と選出ブロックにより組み合わせを決定します。

 前後半30分ハーフで行われます。
 同点だった場合、前後半15分ハーフでの延長戦を行い、
 それでも決着がつかない場合はPKで勝負を決める事になります。
 予選リーグのイエローカードの累積はリセットされません。
 『3』人まで選手交代可能です。

225 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 23:00:17 ID:???

鈴仙「(……大まかには、前の全幻想郷選抜大会と、大体同じ感じに見えるわね。
     違う所と言えば、決勝トーナメントの流れ位かしら。
     決勝も予選と同じく、前後半30分ハーフなのと、
     予選リーグのカードが決勝トーナメントにも引き継がれる点については、注意しないといけないかしら)」

そしてページを裏返すと、本題である予選リーグの組み合わせ表があった。
予選リーグは各4チームでの争いであるため、鈴仙達コリンチャンスは、
予選で3チームとの対戦が予定される事になる。

コーチ「我々コリンチャンスと同じ組のチームは、グレミオ、サントス、フルミネンセの3つ。
     試合順番も今説明した通り。まず始めにグレミオと当たり、次にサントス、
     そして一番最後にフルミネンセとの試合となる」

そう言って老人は鈴仙に試合スケジュールの説明を始めた。

コーチ「じゃが。……第三試合のフルミネンセは、ハッキリ言って雑魚じゃ。
     今のわしらであっても、問題無く倒す事が出来るじゃろう。
     そのため、当面の問題は、来週から早速始まる第一試合のグレミオ。
     そして第二試合のサントスに勝つ事に集約される」

鈴仙「(グレミオ……ってのは詳しくは分からないけど、優勝候補の中ではやや劣るって前評判があったっけ。
    サントスは……サンパウロ市にドデカイクラブハウスを建てて、
    スウェーデンから科学技術やら選手やらの融通をしているって評判の、金満チームだったわね)」

以前の記憶を振り返りながら、鈴仙は各要注意チームについての情報を整理する中、
コーチもまた鈴仙に対して情報を提供した。

226 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 23:01:47 ID:???
コーチ「グレミオはGKメオンの守備。そしてMFダ・シルバの突破力が売りのチームと言われておる。
     しかし、両選手とも大会トップクラスではあるが、充分隙があるだろう。
     また、メオンの増長した態度もあって、チーム全体の総合力が他と比べても、やや低めとの情報もある。
     だが私も、荒くれ共には仕事を通じて一通りの訓練はさせていたから、
     敵の無名選手に対しては、そこそこの働きを見せてくれるじゃろうて」

鈴仙「はい(グレミオ戦の段階では、まだ私の仲間は合流できない。
    戦力的には一番厳しいけれど。頑張らなくっちゃ!)」

コーチ「サントスはFWザガロとCBディウセウ。そしてMFにリベリオを置いたバランスの取れたチームじゃ。
     彼らのサッカーは兎に角攻撃的。ザガロの強引なドリブルやシュートは言うまでも無く。
     リベリオやディウセウも、隙を見れば強烈な必殺シュートを撃って来る可能性が高い。
     この試合の時点で、優秀なDFかGKを置いておきたい所じゃの。

     弱点はディウセウ以外の選手の守備力の低さ……と、言いたい所じゃが、
     その穴について、彼らは埋める算段を付けておるとも聞く。
     この辺りは、実際に試合が近づかん事には、分かりそうにもないな」

鈴仙「はい(……サントスについては、まだまだ要警戒って段階か。でも、そこについては仕方ないわね)」

ここまで話して、コーチはブリーフィングを一旦打ち切り、
鈴仙に対してこう切り出した。

コーチ「……さて。前にチラリと喋ったかもしれんが、ワシらコリンチャンスは今や、
     有志のみが集った、荒くれ共の寄せ集めのチームじゃ。無論、スポーツ医師である私の知識を尽くして、
     彼らには最低限以上の訓練を施した自負はあるから、下手なチームの無名選手と比べても、
     決して勝負にならん事は無く。むしろ場合によっては、五分以上の働きをしてくれると信じておる」

これは鈴仙が後になって知った事だったが、スラム街で鈴仙に絡んでくれる荒くれ共は、
以前は全員がコリンチャンスの選手だったらしい。彼らは才能こそ恵まれなかったが、
コーチの高潔な人格を慕って、鈴仙が奮闘する影でアルバイトや訓練等を積んで来たようだ。

227 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 23:05:55 ID:gmpXrou+
コーチ「しかし、彼らには、まだ少し伸びしろがある。わしはこれまでの償いも兼ねて、
     彼らに対しても全体指導を行う心算じゃ。――そこでじゃ、鈴仙。
     わしは彼らに対し、どの分野を重点的に鍛えさせれば良いと思うか?

鈴仙「……えっ。直前練習の分野指定だなんて。そんな大事な事を、私なんかに任せて大丈夫なんです?」

コーチ「時間は無いから、個別に指導をしたり、全分野について指導する事は出来ない。
     そんな中で、攻撃面か守備面か。チーム全体の育成方針として、どの分野を優先させるべきか。君の考えを聞きたいの」

鈴仙「いえ、でも。そこはコーチが、今後の戦いに向けて何が必要かを検討すれば――」

コーチ「――私は、君の直観を信じているんだ」

旧友であるエベルトンを前にした時に見せたような畏まった口調で、コーチはそう言った。

鈴仙「(……次のグレミオ戦。そしてその次のサントス戦においては、
     多分、コリンチャンスの荒くれ達の力も借りる必要がある。
     だからこそ、ここでの彼らの能力値の底上げについては重要だとは思うけれど。
     ――攻撃面を重視させるか、守備面を重視させるか、あるいは他か。
     直観を信じるって言われても、どうすれば良いのかしら……?)」

228 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 23:08:57 ID:gmpXrou+
コーチの超然とした態度に内心で辟易しつつも、
鈴仙は目先の試合でコリンチャンスの無名選手に対し必要な能力分野について考えた。
そして――。


A:攻撃面を鍛える(コリンチャンスの無名選手全員のドリブル・パス・シュートが各+1されます)
B:守備面を鍛える(コリンチャンスの無名選手全員のタックル・パスカット・ブロックが各+1されます)
C:フィジカル面を鍛える。(コリンチャンスの無名選手全員の最大ガッツ+100、競り合いが+2されます)
D:必殺技の習得センスを鍛える。(判定でコリンチャンスの無名選手数名が必殺技を覚えます)


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

229 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 23:11:07 ID:gmpXrou+
…と、言ったところで早いですが、今日の更新はここまでにします。
明日(か明後日)から、サントス戦にかかる描写に入って行ければと思っています。
それでは、本日もお疲れ様でした。

230 :森崎名無しさん:2016/03/06(日) 23:11:14 ID:JD4awfTM
D
こいこいこい

231 :森崎名無しさん:2016/03/06(日) 23:15:20 ID:fQ+2FtJM


232 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/06(日) 23:15:32 ID:???
>>229はサントス戦じゃなくてグレミオ戦でした(汗)
それと、コメントにも返信します。
>>220
引きが良ければ同値くらいになるか、あるいは上回る可能性もあります。
>>221-222
反町のシュートだったら、GKサルサノさんでも普通に止まりますね…

それでは、今度こそお疲れ様でした。

233 :森崎名無しさん:2016/03/06(日) 23:37:46 ID:9aqrLl5c
D

234 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/08(火) 00:17:38 ID:x6xzPwyc
D:必殺技の習得センスを鍛える。(判定でコリンチャンスの無名選手数名が必殺技を覚えます)

コーチ「……ふむ。基礎力よりも爆発的な必殺技に賭けるか。
     じゃが、必殺技は基礎や理論ではどうにもならない、センスが問われる分野でもある。
     やるだけやってみるが、サッパリな結果となってしまうかもしれない。……それでも、良いかの?」

鈴仙「でも。……逆に言えば、基礎練習よりも爆発的で目覚ましい効果が出る可能性もある、って事ですよね。
    だったら、私、それに賭けるべきだと思います」

コーチ「ふむふむ……。確かにそうとも言える、か。分かった。やってみるとしよう」

威勢の良い鈴仙の返答に、コーチは納得して頷いた。
そしてほんの少しだけ考えた後、思いついたようにコーチはこう話し始めた。

コーチ「そして……それならば。今の内にお前さんに、チームメイトの能力的な特徴について、
     簡単に紹介でもしてあげようか」

鈴仙「……そういや私、ここに何カ月も居るのに、他のメンバーがどんな感じなのか、全く分かって無かったです」

クラブチームで、自分のチームメイトが誰だか分からない事は落ち着いて考えなくても異常だが、
これ以上の異常が満載のチームに所属していたため、鈴仙の感覚はやや麻痺していた。
それを聞いてコーチは自嘲気味に笑いながら続けた。

235 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/08(火) 00:19:37 ID:x6xzPwyc
コーチ「――コリンチャンスは現在10名のプレーヤーがいる。
     多くはこのスラム街に移転する前からコリンチャンスに所属し、
     才能は無いがチーム愛を見せ荒くれにまで転じた、愛すべきわしの弟子たちじゃ」

コーチは古びた写真――かつてのコリンチャンスの集合写真だ――を鈴仙に見せながら、
それぞれポジションごとにメンバーを説明していった。


コーチ「FWはゲーノスとクラウディ。ゲーノスは古株だが、クラウディは元から居たパイサンドウのユース部門に上がれず、
     しかしサッカーがしたいという強い想いで、このスラム街へとやって来た男だ。
     能力的にはどっちもほぼ同じじゃが、ゲーノスは高い浮き球にやや強く、クラウディは低い浮き球にやや強い。

     MFは3人しか居ない。ライア、ナバイロ、マギッシじゃ。
     こいつら三人も、永らくチームを支えてくれていた。……ここしか、支えるべきチームがなかったとも言えるが。
     SHを務める事が多かったライアとマギッシはドリブルが、中央に居る事が多かったナバイロはパスがやや長ける。

     DFは4人じゃ。SBのデ・ラーダとビベス、そしてCBのミャージとニータ。
     SB連中はパスカットを、CB連中はクリアをやや得意とするが、タックル、ブロック能力は同じ。
     だから、4人集まれば、少なくとも普通のドリブルやシュートが相手ならば……まあ、そこそこの壁にはなると思う。

     GKはピュジェという男じゃ。GKとしての実力は……ハッキリ言って低い。
     パルメイラスのサルサノという奴よりはマシと思っていたが……サルサノも先の試合では、神通力を見せたからの。
     次の試合では、鈴仙。お前さんが沢山ゴールを挙げる必要があるぞ」

236 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/08(火) 00:21:29 ID:x6xzPwyc

鈴仙「なるほど……(――これまでずっと荒くれしてました、ってのは不安だけど。
    もし本当に彼らが過去にブラジルプロサッカー界にいて、このコーチの腕が確かだとしたら。
    無名選手であっても、永遠亭の名無しウサギ達とは違って、最初からある程度以上の能力は持ってそうね)」

コーチ「――さ。説明はこんくらいにして、わしは先に寝かせてもらおう。明日は特訓で忙しいからの」

説明を終えた後、コーチはそう言ってそのままソファに寝ころんだ。
コーチは耄碌から覚めたが、結局資金難なのは変わりが無いため、彼には碌な寝床がない。
鈴仙はコーチに別れを告げ、先ほど説明を受けた、まだ見ぬコリンチャンスメンバーの成長を期待しながら、
屋外のダンボールハウスで眠りに就いた。


*****


――そして、年始を直前に控えた翌日。

コーチ「皆、今まで迷惑かけてすまんかったの。……そのお詫びに、今日は精一杯しごかせて貰おう!」

コリンチャンメンバース「「「「「……おう!!」」」」」

コーチはスラム街の荒くれと化したコリンチャンスメンバーを呼びつけてそう宣言した。
彼は精神医学的な手法から、選手の必殺技センスを覚醒させる方法を取った。
練習は早朝から日没まで続き、果たしてその結果は……。

237 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/08(火) 00:23:48 ID:x6xzPwyc
先着4名様で、

〜FW〜
★ゲーノスのセンス→ ! card
 クラウディのセンス→ ! card★
〜MF〜
★ライアのセンス→ ! card
 ナバイロのセンス→ ! card
 マギッシのセンス→ ! card★
〜DF〜
★デ・ラーダのセンス→ ! card
 ビベスのセンス→ ! card
 ミャージセンス→ ! card
 ニータのセンス→ ! card★
〜GK〜
★ピュジェのセンス→ ! card★

と書き込んでください。マーク・数値で分岐します。

【判定の基準】
J〜Kが出れば、マークやそのポジションに応じた必殺技やスキルを習得します。
具体的には以下のとおりとします。
FW:ダイヤ・ハートでドリブル、スペード・クラブでシュート
MF:ダイヤ・ハートでパス、スペード・クラブでパスカット
DF:ダイヤ・ハートでタックル、スペード・クラブでブロック
GK:ダイヤ・ハートでセービング、スペード・クラブで一対一
(JOKERが出れば、ダイヤ・ハートとスペード・クラブ両方の必殺技やスキルを習得します)

※一人も習得者が出ない場合は、流石にあんまりなので救済策を取ります。

238 :森崎名無しさん:2016/03/08(火) 00:24:25 ID:???
★ゲーノスのセンス→  クラブ5
 クラウディのセンス→  ハート8

239 :森崎名無しさん:2016/03/08(火) 00:26:12 ID:???
★ライアのセンス→  ハートJ
 ナバイロのセンス→  クラブ8
 マギッシのセンス→  スペード4

240 :森崎名無しさん:2016/03/08(火) 00:26:59 ID:???
★ライアのセンス→  ダイヤ3
 ナバイロのセンス→  ダイヤQ
 マギッシのセンス→  クラブ9

241 :森崎名無しさん:2016/03/08(火) 00:29:42 ID:???
★デ・ラーダのセンス→  スペード10
 ビベスのセンス→  ハート4
 ミャージセンス→  ハートQ
 ニータのセンス→  スペードK

242 :森崎名無しさん:2016/03/08(火) 00:29:54 ID:???
★デ・ラーダのセンス→  スペードQ
 ビベスのセンス→  ダイヤ2
 ミャージセンス→  ダイヤQ
 ニータのセンス→  クラブQ


243 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/08(火) 00:46:55 ID:x6xzPwyc
SHのライアがドリブル技、CBのミャージとニータがそれぞれタックル、ブロック技を習得した!
GKはどうなる!?
…と、言ったところで短いですが、今日の更新はここまでにします。

ちなみにコリンチャンスの無名選手については、現時点で全員総合力359程度になっています。
(本スレで言うと、グレミオ以上サントス・フラメンゴ以下程度)
鈴仙(総合力366)との差が小さいですが、鈴仙がまだ伸びる余地があるのに対し、
無名選手については、余程JOKERを連発しない限りは、基本的にこの能力値で行く事になります。
(フラグ習得・回収はありますが、名無しウサギのような成長イベントは想定していません。)

それでは、本日もお疲れ様でした。

244 :森崎名無しさん:2016/03/08(火) 00:52:30 ID:???
★ピュジェのセンス→  ダイヤA

245 :森崎名無しさん:2016/03/08(火) 12:13:03 ID:???
流石は森崎以下と評された男よ……
(一対一もアレだが、肝心のセービングが酷い)

246 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:40:30 ID:MrrZYuvc
>>245
コリンチャンス選手は能力値が乗ってるサイト様を参考にしつつ、
全体的に平均的になっていますが…ピュジェ君のセーブ力は低いですね。

247 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:42:22 ID:MrrZYuvc
★ゲーノスのセンス→  クラブ5
 クラウディのセンス→  ハート8 ★
★ライアのセンス→  ハートJ→パス技習得!(>>243でドリブル、って言ってますが間違いでした)
 ナバイロのセンス→  クラブ8
 マギッシのセンス→  スペード4 ★
★デ・ラーダのセンス→  スペード10
 ビベスのセンス→  ハート4
 ミャージセンス→  ハートQ→タックル技習得!
 ニータのセンス→  スペードK ★→ブロック技習得!
★ピュジェのセンス→  ダイヤA ★
ライアがパス技、ミャージがタックル技、ニータがブロック技を習得します。


コーチ「(やれる限りの術は施したが、芽が出る確率は……ま、13分の3程度じゃろうか。
      この中で言えば、2、3人程が何か技を習得出来れば上出来と言った所だが……)」

このコーチの厳しめな目測は結果として的中した。

ライア「監督! 今以上に照準を定めたパスの開発に成功しました!」

ミャージ「俺は体格を生かしたタックルを究めました! リオカップではがんばります!」

ニータ「俺は飛び出しブロックのタイミングを掴みました。少しでもシュートを防いでみせる!」

コリンチャンスの生え抜きの選手達の内丁度3名が、
リオカップに向けての新たな武器を開発する事に成功していた。

コーチ「(――ふむ。これでグレミオレベルなら、大分安心して戦えるようになったか。
      後は欲を言えば、鈴仙に加えてもう一人程度、強力なタレントが欲しい所じゃが……)」

248 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:44:26 ID:MrrZYuvc

コーチ「(――というか。わしら、無事にリオ・デ・ジャネイロまで辿り着けるんじゃろうか……)」

コーチは優秀であるが、貧乏である事には変わりない。
彼はたらればの夢物語を早々に切り上げ、ここからどうリオカップを勝ち抜くか、
そもそもサンパウロから結構遠いリオまで、金が無い中どうやって行こうか考える事に専念したのだった。

*ライアが「ピンポイントパス(パス+2、60消費)」を習得しました。
*ミャージが「パワータックル(1/4でタックル+2、吹飛4)」を習得しました。
*ニータが「ダイビングブロック(1/4でブロック+4、100消費)」を習得しました。

249 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:46:04 ID:MrrZYuvc
<<<1月1週・リオカップ開幕!>>>


〜ブラジル・リオデジャネイロ州リオデジャネイロ市〜

――そして、年が明けるとすぐに、リオカップは始まった!
鈴仙達が住むブラジル・サンパウロから車を使って約五時間半、436キロメートル。
ブラジルの南東部にある州都は、今にも実際に燃え上がらんとする程の熱気に包まれていた。


観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

実況「さあ〜〜! 見て下さい、このマラカナンスタジアムが圧倒的な人に溢れています!
    その数なんと25万人! ここエスタジオ・ド・マラカナンの最大収容人員は20万人ですが、
    それに加えて更に5万人がブラジル中、いや、世界中から集まったが為に、
    スタジアムの観客席は人の上に人が重なり、とんでも無い事になっています!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

実況の煽りに、観客達が身を振り絞ってあらんかぎりの大声をだす。
声の振動でスタジアムが潰れてしまいそうにすら思える中、
この観客達よりももっととんでも無い連中が現れ始めたからだ。

実況「さあ! そして……オープニングセレモニーが始まります!
    ブラジル全土から集まった、16の若き精鋭たちが今、登場します!」

??「…………!」

その連中の先頭を飾るのは、整った顔立ちをした、オレンジに近い茶髪をした美少年だった。
美少年と言っても彼は決して華奢では無く、バランス良く引き締まったスポーツマンの体格と、
そして熟練の戦士さながらの、静かな自信のオーラに満ちていた。

250 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:47:21 ID:MrrZYuvc
実況「まず現れたのは、カルロス・サンターナが率いるフラメンゴ!
    今大会MVP候補筆頭とも称される彼は勿論、脇を固めるチームメンバーの実力もピカ一!
    新戦力の情報も入っており、間違い無く目が離せないチームとなりそうだ!」

カルロス「(……やるぞ。俺がブラジルナンバーワン。そして世界一になるんだ。見ていてくれ、アーサー!)」

古びたボールを小脇に抱えて、フラメンゴのキャプテン、カルロス・サンターナは強い意思の籠った瞳を観客席に向けた。

翼「……!」ニコッ!

妖夢「………」

そんな彼に続くようにして入って来たのは、ここブラジルにおいてはある意味異質なチームだった。
先陣を切る選手は日本人、銀髪の少女、金髪のイタリア人、また日本人……。
多くの外国人選手を抱えたこのチームはしかし、フラメンゴ以上の歓声を持って観客に受け入れられた。

実況「次に現れたのはサンパウロ州の雄、サンパウロFC!
    なんとこのチームは、日本MFの大空翼がキャプテンを務めている……だけでは無い!
    エースストライカーが日本の奥地出身の少女であり、その両者ともが、
    ブラジルでも最強クラスの選手と言う事が一番の驚きです!
    彼らが一体、このリオカップで他にどのような驚きを見せてくれるのかに期待です!」

翼「(皆に早く俺のサッカーを見せて、幸せな気持ちになって貰わなくちゃな!)」

妖夢「(私は勝つ。やっぱり……どうしても、勝たなくてはいけないの……)」

251 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:49:13 ID:MrrZYuvc
ズシン、ズシン……

??「うひぇー、強そうな奴がいっぺぇいるなぁ! オラワクワクして来たぞ!」

実況「7番目に入場したチームもサンパウロ州から、サントスです!
    巨漢DF・ディウセウ選手が地面を揺らしながら、
    今大会屈指のストライカー・ザガロ選手と共に入場してきました!
    最新鋭の科学トレーニングを取り入れた彼らは、大会のダークホース足り得るでしょうか!?」

ディウセウ「なあザガロ、どっちが沢山倒せるか競争しねえか?」

ザガロ「ふざけろ、ディウセウ。俺達は奴らを倒しに来たのではない。征服しに来たのだ……ククク」

ネイ「トニーニョ、早く行くぞ。俺は勝ってあの子にプロポーズするんだ」

トニーニョ「またその話か。お前らしくも無く、一途だな」

実況「次に現れたのが……同じくサンパウロ州から、パルメイラスです!
    彼らのチームは一時期失踪騒動があり、それ以来選手の士気がガクンと落ちたとの評判ですが……。
    そんな評判を笑い飛ばさんばかりの、真剣な表情で全員がピッチに入っていきます!
    今大会の彼らには、期待できそうです!」

エベルトン「(ケッ。なーにが、期待できそうです! ……だ。ガキの運動会かよ。
        ――ま、そうやって余裕ヅラ出来るのも今の内さ。覚悟しとけよ、今のパルメイラスは……強えぞ)」

実況「15番目に現れたチームはグレミオです!
    今大会ナンバー1キーパーと称されるクラウディオ・メオンが守るゴールは、果たして破られるのでしょうか?」

メオン「(破られる訳がねえ。俺は最強だ、負ける気がしない。――俺を破るならサイクロンでこい!)」

ダ・シルバ「なーんかさ。俺達だけ扱い、微妙にショボくないか? 気のせいか? 気のせいなのか?」

252 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:50:50 ID:MrrZYuvc

実況「さあ! ここで15チームが今、スタジアムの中央に揃いました!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

そして、グレミオが最後に集合して15チームが揃った所で、観客達の盛り上がりはピークに達した。
後は残り1チームの入場を待つのみ。そうすればやがて開会セレモニーが始まり、心待ちにしていた試合が始まる。
そんな中で――その残り1チームが中々現れない。

実況「……え。えー。残すところはあと1チーム、コリンチャンスのみです!
    コリンチャンスの選手達が、今スタジアムに……入って来る筈です!」

シーン。  ――ざわざわ、ざわざわ……

コリンチャンスがいつまで経っても現れない。その事実は観客席の気温を下げるのに十分だった。

実況「コリンチャンス、コリンチャンスはどうしたのですか! 何故現れないのですか!」

友人や恋人との待ち合わせに遅刻する者は多く居るが、
サッカーの若手の登竜門たる一大大会に遅刻する者は滅多に居ない。
それゆえに、一度冷えた観客は、盛大な遅刻をかましているチームへの怒りの炎を灯す事で、
せめてもの慰みを得ようとしたようだったが――彼らの怒りは数分後、呆れに変わった。


ドタドタドタ……バターン!

鈴仙「お、遅くなってすみませぇーーん! コリンチャンスです!!」



253 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:51:55 ID:MrrZYuvc
実況「こ、これは……! コリンチャンス、集合時刻よりも30分遅れての到着です!
    一体どうしたのでしょうか!?」

鈴仙「ぜひー、ぜひー。……えっと……その」

遅れてやって来た、コリンチャンスを名乗る兎耳の少女を差し置いて、
平然とした顔で少女の後ろについて来た老人は、

コーチ「……ワシら、チャリとヒッチハイクでここまで来たのよ。だってワシら、お金ないし。
     バスって言ったら、10レアルで乗れる町中の路線バスだけじゃし」

痴呆老人のような弛緩した笑みで、平然とリオカップに出場するチームらしからぬ言動を言ってのけた。
老人会の草サッカー大会と会場を間違えたとしか思えない場違いっぷりに、
観客席は怒りよりも先に、混乱するしかなかった。

コーチ「ま、そんなちょっとヘンなチームですけど。いっちょ宜しく頼んますわ。……グヒヒ」

それでも、この老人が親しげにグヒヒと笑い一礼をすると、彼らは何となく黙らざるを得なかった。
言いたい事は色々とあったが、茶番は止めて一刻も早く試合を見たかった事と、
あまりに突っ込むべき所が多すぎた事などから、諦観にも近い呆れ顔で、
第16のチーム、コリンチャンスの飛び入り参加を認めるしかなかったのである。

実況「え、えー。と、とにかく。まぁ、16チームが無事に揃ったという事で。
    時間よりも少し遅れていますが、オープニングセレモニーを開始します! まず……」

妖夢「(……鈴仙。雑誌では聞いていたけど、本当に来ていたのね)」

そんな中、妖夢はボケたコーチと鈴仙との漫才チックな掛け合いを遠目に眺めて、

妖夢「(――この大会。私が勝って、私の道の方が貴女の選んだ道よりも善い道だった事を、証明してみせる……!)」

心の中で鈴仙に対し、静かだが黒い闘志に身を委ねていた。

254 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:53:22 ID:MrrZYuvc
〜スタジアム内・控室前廊下〜

コーチ「いやー。途中でヒッチハイク先がリオ・デ・ジャネイロじゃなくて、
     アフリカ西サハラのリオ・デ・オロだと気づいた時は危なかったのー」

鈴仙「危なかったのー、じゃないですよ。もう……。私達、早速赤っ恥じゃないですか!」

コーチ「まあまあ。観客は名プレーが見れれば、そんな事すぐに忘れてしまうさ」

オープニングセレモニーが終わって、鈴仙とコーチはスタジアムの廊下を並んで歩いていた。
あの場はコーチのボケ老人演技が光り、聴衆は煙に巻かれたような、
毒気を抜かれたような雰囲気になっていたものの、鈴仙は恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。
そしてそんな鈴仙を無視するかのように、老人は暢気な風にこう確認した。

コーチ「……わしらの試合は、今やっている開幕試合、フラメンゴ対スポルチ戦の次じゃ。
     前にも言ったように、対戦相手はグレミオ。GKメオンの守備力とMFダ・シルバの突破力が光るチームじゃな。
     それで、わしらは今から、グレミオ戦の戦略を練る為に、与えられた控室へと向かっておる所だった……かの?」

鈴仙「そうです。分かり易い状況説明ありがとうございます」

そうやって歩いている内に、廊下の突き当たりにある次試合チーム用の控室――
今は鈴仙達コリンチャンス用の控室だ――を見つけたので、
鈴仙はツンと澄ました表情のまま、コーチよりも一歩先に進み、大会スタッフから貰った鍵でドアを開けようとしたが。

鈴仙「……あれ。もうドアが開いてる」

鈴仙が鍵を使うまでも無く、その鉄製の扉は開いていた。
一体何故かと、鈴仙がコーチや他の選手達に先んじてドアを開いて中に入ると。

255 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:55:58 ID:MrrZYuvc


アヤソフィア「やあやあ、お疲れ様です、鈴仙さん。コーチさん、それにコリンチャンスの皆さんも」

――そこでは、前にも何度か見た黒髪スレンダーの女性が、
普段通りのしたり顔で、鈴仙達を出迎えてくれた。


*****


〜スタジアム・コリンチャンス控室〜

鈴仙「な。なんでアンタがここに居るのよ!」

アヤソフィア「まぁまぁ、そう怒らないで。可愛い顔が台無しですよ?」

コーチを含めたコリンチャンスメンバーを部屋に入れた上で、
鈴仙は改めて、怒気と驚きを籠めた声で、彼女――アヤソフィアに対してこう問いただした。
軽薄な外見の女記者は最初、馴れ馴れしい笑みでその問いをはぐらかしていたが、
暫くして、その態度が鈴仙を落ち着かせる為には何の役にも立たない事を悟った彼女は、短刀直入にこう切り出した。


アヤソフィア「何故来たかって。それは、貴女達コリンチャンスにお願いがあったからですよ」
         私を助っ人として、このチームに入れてくれはしないか――ってね」

256 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 00:57:11 ID:MrrZYuvc
鈴仙「……は。はぁ!?」

アヤソフィアが勝手かつそんな横柄な頼み事をして来たので、鈴仙は思わず素っ頓狂な声を上げた。
しかし鈴仙の常識に反して、彼女は真剣だった。

アヤソフィア「私は本気ですよ。出来れば、WGかSHとしてチームに入りたいですが、
         私に活躍されるのがお嫌でしたら、単なるマネージャー扱いでも結構です。
         ただ、どんな形であっても、私をこのコリンチャンスの一員にしてほしい。
         そう思って、私はこうしてお願いをしてるんですから」

相変わらずアヤソフィアの態度からは裏が掴めない。

鈴仙「――色々聞きたい事があるから、一点ずつ聞くけれど、良いかしら?」

アヤソフィア「ええ。勿論です」

鈴仙「じゃあ一つ目。一体何故、私達に手を貸したいだなんて思うの?」

アヤソフィア「それは簡単。理由は勿論、貴女ですよ、鈴仙さん」

鈴仙「わ、私? どうしてよ」

アヤソフィア「……貴女は自覚してないかもしれないけど。貴女は多くの人を変える力がある。
        ここに来てからも、貴女は完全に無気力だったコーチに理性の灯を取り戻した。細かい事で言えば、もっと色々あるわ。
        ――そんな出来事を見て、私は興味を持ったんです。貴女という存在が持つ、目に見えない力についてね」

鈴仙「(私が持つ、見えない力。それって私がかつて森崎や中山さんを通じて得た、色々な心の強さの事かしら……)
    ――まあ。それは分かったわ。だから二つ目だけど。あんたは一体、何を企んでるの?
    単なる興味本位だったら、単にルポでも書いてればいいじゃない。どうして、ウチのチームに入る必要があるのよ」

アヤソフィア「企むだなんて、とんでもない! 言ったじゃないですか、私は興味があるだけだって。
         それを知るには、傍目から見るだけでは無く、実際に当事者になる事が大事だなって、そう思っただけですよ」

257 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 01:08:01 ID:MrrZYuvc
鈴仙「……三つ目。あんた、助っ人をしたいって言ってたけれど。サッカーの腕前はどうなのよ」

アヤソフィア「あやや、それならご心配なくです。私はこれでも、毎日の鍛錬は欠かせてませんでね……っと!」

シュンッ! ビュバババッ!

デ・ラーダ「お、俺達!?」

ビベス「う、うわあっ!?」

ミャージ「何だこの素早い動きは!」

ニータ「強い……!」

鈴仙「うちのDF陣4人がかりを容易く突破……か。ドリブル力については相変わらず、世界トップクラスみたいね」

アヤソフィア「失礼な。私はタックルやパスカットだって、人並み以上にはこなしますよ?
        攻撃だけじゃなく、守備面でもぬかりナシです」

そうやって細身ながらスタイルの良い胸を張るアヤソフィアの服装は、
よく見ればサッカーも出来るような薄手のシャツだった。

コーチ「……監督という立場から言えば。君の実力は確かにこのチームにとっては、
     願っても無い助け船となるじゃろうな」

鈴仙「コーチ! この人、本当に入れるんですか!?」

コーチ「さーて。……どうするかのう。鈴仙、君はどう思う?」

鈴仙「……また私ですか」

258 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 01:14:02 ID:MrrZYuvc
コーチ「うむ。彼女は実力的には秀でては居るが、人格的には君と合うかは分からん。
     ……無論、助っ人として出るからには、君を邪魔するような事は敢えてしないと思うが。
     また、彼女よりは劣るが、コリンチャンスの元からの選手を使いたいという気持ちもあるじゃろう。
     そうした意味では、マネージャーとしての登用の方が無難な可能性もある。
     選手サイドの意見も聞きたい、という話じゃな」

鈴仙「……あの、なんか選手かマネージャーとしての採用が前提になってますけど――」

アヤソフィア「――あ。ちなみにもし私を採用して下さるんでしたら、金銭面は色々フォローしますよ。
         ……だって、もしこのままだったら、あなた達、公園のベンチで寝泊まりする予定だったでしょう。
         流石にそれでは、試合へのコンディション上問題ですよね?」

鈴仙「(助っ人としてもマネージャーとしても雇わない、という選択肢は無い……と、いう事を暗に示してやがるわね。
    ……うーん。アヤソフィア……彼女がもしも、幻想郷のあのブン屋だとすると、
    あまり良い思い出は無いけど、決して本当に悪い奴では無い気もするしなぁ……)」

――選手としての意見を求められた鈴仙は、しっかりと考えた上でこう意見を出した。


A:アヤソフィアに助っ人として、試合に出て貰う。
B:アヤソフィアにはマネージャーとして活躍して貰う。

先に【3】票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

*Aを選んだ場合、グレミオ戦ではアヤソフィアが選手として出場します。
*Bを選んだ場合、グレミオ戦ではアヤソフィアは選手として出場しません。
*今後の試合については、出場について別途選択可能です。

259 :森崎名無しさん:2016/03/09(水) 01:16:38 ID:8pFEJFhc


260 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/09(水) 01:18:49 ID:MrrZYuvc
…と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
アヤソフィアさんを出場させるメリットとしては、能力の高い選手が居る為、試合難易度が下がる点、
デメリットとしては、コリンチャンスメンバー等鈴仙の仲間の活躍(覚醒)の場が減る点があると思います。
3票決なので、積極的に投票に参加して頂ければ嬉しいです。

それでは、本日もお疲れ様でした。

261 :森崎名無しさん:2016/03/09(水) 01:20:42 ID:4AdnBqdA
A


262 :森崎名無しさん:2016/03/09(水) 01:20:49 ID:EvY3bGDQ
B

263 :森崎名無しさん:2016/03/09(水) 01:24:04 ID:7QnMqWFo


264 :森崎名無しさん:2016/03/09(水) 01:40:30 ID:JYkS6N2w
A

265 :森崎名無しさん:2016/03/09(水) 18:10:25 ID:???
マジで雇いたくないのに雇わないって選択肢がなくてマジでつらい

266 :森崎名無しさん:2016/03/09(水) 18:18:17 ID:???
まぁまぁ、気持ちは痛いほど分かるけどね。ここは結果に従いましょうよ。

267 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:24:45 ID:pDNX8uuY
更新再開します。
>>265-266
私としては、彼女のようなキャラがチームに居た方が、ストーリーや会話にスパイスが利いて面白いかなと思って書いています。
ですが、具体的に何故雇いたくないとか、どうした展開があったら良いかなどコメント頂ければ、
私がやりたい・やれる範囲内でではありますが、今後の描写や選択肢を増やす等で、ある程度はご要望に沿えると思います。
……ただ、強い言葉で言われると、結構メンタルが弱いので傷つきます(汗) なので我儘ですが、建設的な風に言って下さると助かります。

268 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:26:50 ID:pDNX8uuY
A:アヤソフィアに助っ人として、試合に出て貰う。

鈴仙「……言っとくけどね。私は、あんたを信用していないの」

アヤソフィア「――でしょうな」

鈴仙の前置きに、どこかで見た女記者は肩を竦めながらおどける。
それに構わず鈴仙は続けた。

鈴仙「だけど。……現状の私達のチームに、強力な選手が居て欲しいという気持ちは、私もコーチと同じよ。
    もしも本当にその力を見せてくれると言うならば――アヤソフィア・シェマリー。
    私が、あんたの助っ人としての加入を拒む理由は無いわ」

その結論を出すのに、鈴仙は忸怩たる思いだった。
アヤソフィアの内心は全く見通せず、怪しい。その上、慇懃無礼な態度の奥には、鈴仙に対する敵意すら感じる。
それにも関わらず、今回彼女を選手として採用せざるを得ないと思い至ったのは、
彼女の純粋な実力の高さに対する信頼もあったが、近しくなる事で、その真意を突き止めたいという気持ちもあった。

鈴仙「勘違いしないでよね。私の方こそ、あんたを見張っておきたい気持ちがあるの。
    あんたの企みが悪い物だったとしても、私は止めてみせるから」

そう言って気丈に自身を睨みつけている鈴仙の態度に、
アヤソフィアは目を丸くしていたが……。

アヤソフィア「――ブラヴォー! 流石鈴仙さんです。おみそれしました、まさしく主役の貫禄ですね」

ぱちぱちと手を叩いて、彼女は鈴仙の選択を歓迎した。勿論これは、鈴仙の神経を逆撫でするのに充分だった。

鈴仙「――また、そんなふざけた態度をして」

アヤソフィア「申し訳無い。ただ、これは私の性分なものでして。これをもって不信を煽る気はさらさら無いのですね。
        ……だけど、そうですね。少しでも信頼して頂く為に、こうしたものを用意しました。どうでしょう」

269 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:27:52 ID:pDNX8uuY

ピラリ……。

こんな展開を予想していたらしいアヤソフィアは、ポケットから一枚の紙切れを取り出す。
それを見たコーチは少しだけ目を丸くして、

コーチ「……ふむ。これは辞表か。大手新聞社に勤務されとったのに、ケッタイな事じゃのう」

アヤソフィア「私の貯金だけじゃ、リオカップ期間中、貴方がたの金銭的フォローを行うのは困難でしたから。
        勤務1年未満の自己都合退職で貰える額なんてたかが知れていますが、それでも追加の金が必要でした」

鈴仙「そんな事言われても。記者なんてフリーでも幾らでも食っていけるじゃない。
    私には、単なるパフォーマンスにしか見えないわ」

アヤソフィア「……まぁ。私だってこの位で信じて貰おうだなんて思っていません。
        私は鈴仙さんから当面の信頼を得るべく、加えてこんなものを用意しました」

アヤソフィアは今度は別の紙切れを鈴仙に見せた。
無意味な数値が羅列しているだけのメモに見えた、この紙は……。

鈴仙「――こ、これは。次に対戦するグレミオに関する詳細なデータメモ……!
    メオンが得意とするシュートコースや、ダ・シルバのドリブル突破率まで、
    一つひとつの項目が、凄く丁寧に作られてる……!!」

アヤソフィア「ご希望とあらば、次のサントス戦でもお作りしますよ。
        これでもデータやら数字には、そこそこ造形があるものでして」

鈴仙「(データやら数字って聞くと、霞……永遠亭のデータマンを思い出すわね。
    でも、考えてみればあの子が憧れてたのって、このブン屋なんだっけ)」

アヤソフィア「で。これだけじゃあアンタの内心の本気度が伝わらない!
        ――とか、言われそうだったので。こんなものも用意しておきました。どうぞ」

270 :森崎名無しさん:2016/03/10(木) 00:29:27 ID:???
現状、別勢力のスパイで面倒見てくれたら裏切って協力しようか、って感じなんかな
初期から割と活躍してたし素直じゃないから、こっちから手を差し伸べてもいいけど
そこまで手が回らないし、何よりそれなら最初で選んでたしなあ

271 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:29:36 ID:pDNX8uuY
少しだけ永遠亭での生活を思い出している鈴仙を尻目に、
アヤソフィアは追い打ちと言わんばかりに第三の紙を提示して来た。
これは今まで彼女が示したメモと違って、やや格式ばった書式でこう書かれていた。

鈴仙「契約書。――私、アヤソフィア・シェマリーは、コリンチャンススタッフとして就任するにあたり、
    以下の事項を必ず遵守します。
    一、コーチ、監督及びキャプテンの指示には必ず敬意を持って従います。
    一、コーチ、監督及びキャプテンの指示が無い場合であっても、チームの利益を最優先した行動を取るよう努めます……?」

アヤソフィア「簡単ですが、契約書です。私は、試合やチーム運営について、
        鈴仙さん達にとって最高の味方たるよう動き、裏切る意図は全くない事を示す為に書きました。
        もしもこれに反した場合は、裁判所なり私刑なり、好きなようにして下さって構いませんよ」

最後にそう断言して見せる彼女は、確かに少なくとも「コリンチャンスの一員として活躍する」という点においては、
信頼が出来そうだった。

アヤソフィア「ここまで長々と話して私が伝えたかった事は一つ。私は、少なくとも今は、貴女の敵では無いという事です。
        いや、むしろ逆に。私は、少なくとも今は、貴女の味方で居たいのです。
        金やデータやプライドを捨ててでも、私は貴女のプレーを間近で見たかった」

鈴仙「……だったら、理由を教えてよ。単に私に興味がある意外にも、しっかりとした理由があるからこそ、
    あんたはそこまでするんじゃないの?」

アヤソフィア「……そこを突かれると痛いですね。真意も分からん奴なぞ信頼できるかという意見はごもっともですし。
         ただ、少なくとも私と鈴仙さんは利害関係が一致しています。
         詳細はまた後日お話しますが、私は貴女とサッカーをして、リオカップに勝ちたいという明確な目的があるのですよ」

鈴仙「……もう、あんたが何を言ったって信じがたいわ。
    ――だから、分かった、敵じゃないって言うなら、一旦はその言葉を信じてあげる。
    その必死さに免じてね。今はここで、あんたを諮問している場合じゃないもの」

アヤソフィア「……助かります」

272 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:35:41 ID:pDNX8uuY
コーチ「そうじゃの。……今は、試合に関する最後の整理をすべきじゃ」

アヤソフィアの言葉に鈴仙も最終的には折れ、彼女の加入に関する適否にかかる議論は一旦延期となる。
そのきっかけを作ったのは鈴仙のコーチ兼監督だった。

コーチ「オホン。二人が議論をしている間、わしの方で布陣案を作ってみた。
     アヤソフィアさんが入って、FW4名、MF3名、DF4名、GK1名の12名となったコリンチャンスから、
     少しでもバランスの良さげな布陣を……と、考えた結果、こうなった」

熟練の将軍でもある彼は、鈴仙がアヤソフィアを取り調べている間にも、
ミーティングの準備をぬかりなく進めていた。
控え室のホワイトボードには、選手を示すマグネットがこのように記されていた。

コリンチャンス:4−3−3
−H−J− H鈴仙 990/990 Jゲーノス 700/700
F−−−− Fアヤソフィア 800/800
−−I−− Iナバイロ 700/700
G−−−F Gライア 700/700 Fマギッシ 700/700
−−−−−
C−D−B Cデ・ラーダ 700/700  Dミャージ 700/700 Bビベス 700/700
−−A−− Aニータ 700/700
−−@−− @ピュジェ 700/700
控え:クラウディ(FW)
備考:ライアは必殺パス、ミャージは必殺タックル、ニータは必殺ブロック持ち

273 :森崎名無しさん:2016/03/10(木) 00:36:42 ID:???
色々言われてるけど、実は自分は文が好きなのでこの展開は嬉しいです。
チーム集めでは難易度がきつかったのとFWが過多だったので選べなかったけど…。
好意の反対は無関心というし、アヤソフィアさんの敵意がどうなるのかすごく楽しみです。

274 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:37:13 ID:pDNX8uuY
コーチ「対戦相手はグレミオ。もう何度も言ったが、GKメオンの守備力と、
     MFダ・シルバの突破力が怖いチームじゃ。
     じゃが、メオンの守備力は鈴仙の全力のシュートの前では脆く、
     ダ・シルバの突破力はアヤソフィアさんのそれと比べては劣る。
     また、その他の無名選手についても、わしらの無名選手の方が総合的に優れておる。
     ……結論としては、余程運か戦略が悪くない限りは、苦戦する事は無いと思われるチームじゃろうな」

アヤソフィア「私のデータによれば、メオン君のセーブ力がMAXで61ポイント程度。
        その一方、鈴仙さんの『マインドエクスプロージョン』の威力は、同基準で言えば64ポイント程度です。
        ……ふむふむ、成程。確かにコーチさんの情報とも合致してますな」

コーチが概論を話す中、すっかりチームに溶け込んだしたり顔のアヤソフィアが各論を話してくれる
ミーティングは、悔しいながらも鈴仙にとって充実していた。

アヤソフィア「ダ・シルバ君のドリブル力は、若干ではありますが、私に劣ります。
        ――が。決して油断せず、多人数で防ぎに行ける体制を作るべきでしょうね。
        そうなると、コーチさんのこの布陣は概ね妥当でしょうか」

鈴仙「そうね……(強いて言うなら、MFが3人でタレント不在って点は不安だけど。
     私もあいつもFWだし、MFの替えは他にも居ないし、しょうがない所もある……のかな。
     勿論、少し工夫をすればもっと良くする事も出来そうだけど……)」

275 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:40:01 ID:pDNX8uuY
そのため、鈴仙はこの案をベースとして、集中して布陣案を考える事ができ。
暫くの思考の後、コーチやアヤソフィア、そして並み居るコリンチャンスの選手に対して、こう意見を述べた。

A:このコーチ案の陣形で問題無い。キックオフだ!
B:鈴仙をトップ下に持って行き、中盤のゲームメイクもできるようにする。
C:鈴仙をCBに持って行き、リベロとして攻守両面で活躍できるようにする。
D:アヤソフィアをSHに持って行き、中盤の守備でも動けるようにする。
E:アヤソフィアをFWに持って行き、前線の攻撃力を高める。
F:その他 思いついた布陣があれば書き込んで頂いても良いですし、B+Dと言ったものもOKです。
  (B+Cなど、同じ選手を二つの位置に動かすことは出来ません)


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

276 :森崎名無しさん:2016/03/10(木) 00:47:04 ID:+HUYt+7w
A

277 :森崎名無しさん:2016/03/10(木) 00:48:44 ID:iz6Sw93c


278 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/10(木) 00:52:53 ID:pDNX8uuY
…と、言った所で短いですが今日の更新はここまでにします。
明日からグレミオ戦に入っていけると思います。
>>270
すみません、確かにスパイっぽくも見えましたが、
この辺りは描写不足でしたので補足しますと、アヤソフィアは別勢力のスパイではありません。
完全に個人的な思惑のために活動しています。
>>273
鈴仙には無いスレた所のある(?)キャラとして、彼女を助っ人で出したかった気持ちがありました。
ただ、射命丸は新チームや各勢力とは別の、個人的な思惑があるという設定でいたため、
勧誘難易度は高めにしていました。(もしも勧誘に成功してたら、その辺りは変更の可能性がありました)
この個人的な思惑の内容については、今後のストーリーで明かせられればと思っています。

それでは、本日もお疲れ様でした。

279 :森崎名無しさん:2016/03/10(木) 02:27:12 ID:???
乙です
スパイに見えた、というよりもっともらしい理由を付けて面倒見て貰って
結局力が欲しい、当事者になる事自体が目的なのでは、と考えてました。

しかし勧誘難易度が高く、何か目的があっても個人行動ではたかが知れてるので、
それなら各勢力の間で蝙蝠でいるのでは、と行き着きました。あくまで個人の目的ならどっちでもいい感じで

280 :265:2016/03/10(木) 07:39:59 ID:???
>267
>91で
>――そこには、単なる嫌がらせではなく。鈴仙に対する明確な敵意と悪意が見え隠れていた
と書いてるからです

敵意と悪意を持っていて、しかもそれを表に出さず友好的な態度と笑顔で近づいてくるような人物と、
少なくとも俺はかかわり合いにもなりたくないし、人生で大きなイベントを始める本番で仲間になってほしくもありませんでした


なるべく言葉を選んだつもりだったのですが、まだキツい言い回しになってしまったでしょうか?
もしそうなら申し訳ありません。

281 :森崎名無しさん:2016/03/10(木) 15:17:26 ID:???
ネイ「トニーニョ、早く行くぞ。俺は勝ってあの子にプロポーズするんだ」

やべえよ…こんなこと+13に知られたらネイが生皮剥がされてワニのえさにされちまうよ…

282 :森崎名無しさん:2016/03/10(木) 22:41:20 ID:???
乙なのです

+13で誰かわかってしまう(笑)
まあ彼女は鈴仙だけが+13の理由じゃないから……

まあ文はやっぱFW過多と勧誘難易度がネックでしたよねえ……どちらか片方だったら挑戦してたかも
もちろん今のチームメイトに不満はないです
正直多少ネジ曲がっても仕方ない境遇ではあるし、なんとも
鈴仙にとってはほぼ関係ないから、とばっちりではあるけど

ここからカタルシスを得られる展開になりそうではあるし、
ギスギスした展開があまり好きじゃない私でも、
これくらいなら個人的には全然大丈夫です。

お忙しそうですが、これからも更新を楽しみにしています。

283 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/11(金) 01:23:34 ID:Y0HL/bwY
こんばんは、遅い時間ですみませんが、少しだけ更新再開します。
>>279
乙ありがとうございます。
すみませんそうですね、スパイで無いにせよ、鈴仙の味方では無い(=新チームメンバーではない)以上、
結果的には同じようなものかもしれません。
ただ、現状では胡散臭い奴ですが、最終的には良きライバル的な存在にはなれると思います。
>>280
コメントありがとうございます。
成程確かに、GMとしては、ストーリーに起伏やドラマ性を設けたいが為に、一癖あるキャラを入れたいと思うのですが、
鈴仙=PCとしては、そのせいでPCのストレスが増える場合は、ストーリーを曲げてでも避けたいと思うのは道理だと思います。
この辺りはストーリーとロールプレイとの兼ね合いもありますので、最終的には私の好みにさせて頂きますが、
出来る限り納得の行くような展開や描写を考えたいと思います。

誤解させてしまったなら申し訳ないですが、私は>>265のコメントの言葉がキツい、とは言っていません。
今後、要望と称して心ない言葉等が出たら嫌だな…と思っただけです。
>>281
森崎を圧倒した鈴仙=ストラットとしたら、てゐはミアータポジションですね…
>>282
乙ありがとうございます。
私も鈴仙のチームについてはギスギスした展開にはしたく無いので、
恐らくご希望に添える塩梅になるかと思っています。
更新楽しみにして頂いて嬉しいです。基本やりたいようにやっていますが、
その支えになるのが、今頂いたような励ましのコメントだと実感しています。
最近忙しいですが、マイペースに楽しく書いていきたいと思っていますので、また宜しくお願いします。

284 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/11(金) 01:25:14 ID:Y0HL/bwY
A:このコーチ案の陣形で問題無い。キックオフだ!

鈴仙「……いえ。このコーチ案の陣形で問題無いと思います」

コーチ「ふーむ。そうか。それならば、>>272の陣形で行くとするか。
     即ち、FWに鈴仙、ゲーノス、WGにはアヤソフィアさん。
     MFにはナバイロ、ライア、マギッシ。
     DFにはデ・ラーダ、ミャージ、ビベス、ニータ。
     そしてGKはピュジェ。これで良いかね、皆」

コーチの呼びかけに対して反論は無かった。それを確認して彼は満足気に頷き、

コーチ「……では、間もなくコリンチャンスの記念すべき、今大会初キックオフじゃ。
     皆、焦らず怒らず、冷静かつ大胆に戦うんじゃぞ」

コリンチャンスメンバー「「「「「はい!!」」」」」

――そして、息を揃えて円陣を組むメンバーを見て、満足気にピッチへと向かっていった。

アヤソフィア「いやー。いよいよ始まりますね、鈴仙さんのブラジル初舞台が」

鈴仙「何なのよ、その馴れ馴れしい態度は……」

そんな彼らを尻目に、アヤソフィアは普段通りの軽薄さで鈴仙をそう茶化している。
鈴仙は頬を膨らませながらも、彼女はにっこりと笑って恥ずかしげも無く、

アヤソフィア「――別に。ただ嬉しいんですよ、私は。
        あの鈴仙さんと一緒に、こんな大舞台で戦えるんですからね」

285 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/11(金) 01:27:01 ID:Y0HL/bwY

そう言って、可愛らしく駆けながら鈴仙を残して先に行ってしまった。
残された鈴仙は、はあと溜息をついて、

鈴仙「……私だって。自分の実力がブラジルのサッカー選手に通じるか心配で、一杯一杯なんだから。もうっ……」

すごすごと歩いて、戦場へと足を踏み入れて行くしかなかった。
そして――。

*****

〜マラカナンスタジアム・フィールド〜

実況「……フラメンゴ対スポルチの最終スコアは4−0! 
   カルロス選手のハットトリックに、補佐のサンタマリア選手も1ゴール2アシスト。
   フラメンゴは巷で囁かれる秘密兵器を使わずとも、スポルチを圧倒してみせました!
   そして第二試合が始まります。第二試合は……コリンチャンス対グレミオ!」

ワァァァァァァッ……!

鈴仙「――あ、あれ!? なんか開幕時と比べて歓声が微妙じゃないですか!?」

コーチ「そりゃあ、お前さん。誰が好き好んで草サッカー上がりのボロチームの試合を見たがる。
     そんな時間の無駄をする位なら、飯でも食いに行った方が余程有意義じゃろ」

アヤソフィア「そーいえば、コリンチャンスの当たるカードのチケットだけ、ピンポイントで激安でしたねぇ。
        それこそ、チケットの札束で漸くパン一枚が買えるかどうか程度の安さでしたよ」

鈴仙「そんな、敗戦国のインフレ経済じゃないんだから……」

アヤソフィア「まぁま。そこから這い上がる事に、我々のストーリーの意義があるのですぞ。
         捻くれずにもっと熱くなりましょうよ。イッツルナティックタイムです」

286 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/11(金) 01:30:39 ID:Y0HL/bwY
鈴仙「むう……」

ダ・シルバ「そうだぜ、バニーちゃん。サッカーは何事もパッションだ。
       気合が無いサッカーなぞ、技術はあっても単なるお遊戯さ」

鈴仙「! ……あんたは!」

――そんな鈴仙達の間に割って入ったのは二人の少年だった。
一人はまさしく熱血漢の好青年を体現したような褐色の少年であり、
その後ろで根性悪い笑みを浮かべる青髪白肌の少年とは対照的だった。

アヤソフィア「む。その無個性なのか個性的なのかよくわからない微妙なツンツン頭は、
         フェルナンド・ダ・シルバ君ですね! 私、サッカー記者のアヤソフィアです。宜しく」

メオン「ククク……とことん笑わせてくれるチームだ、コリンチャンス」

アヤソフィアの挨拶に対し、青髪の少年――クラウディオ・メオンは傲慢な笑みを浮かべている。
性格の悪いヤツ、というのが鈴仙にとっての彼の第一印象だった。
彼はダ・シルバを押しのけて鈴仙達の前に上がると、意地悪く唇を歪めてこう言い放った。

メオン「フン。ボケ老人の監督に、場末のバーのバニーガール風情がキャプテンか。
    初勝利を飾るのがこんな冗談みたいなチームなのが口惜しいが、精々足掻くがいいさ。
    ま、お前達に足掻ける元気があればの話だがな。ククク……ハッハッハ」

鈴仙「……ヤケに偉そうで挑発的な態度ね、コイツ。よっぽど腕に自信があるのかしら?」

アヤソフィア「ポルト・アレグレ――彼の故郷にして、グレミオの本拠地ですね――では、
        神童扱いされる程度には強いですよ。もっとも、井の中の蛙感がマックスですが」

そして鈴仙の第一印象には狂いが無く、メオンは明らかに横柄で傲慢だった。
自分の実力の高さに増長しきった少年を見て、鈴仙は内心で肩を竦める。
流石の鈴仙も、子ども染みた挑発には簡単に乗る気はさらさらなかった。

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