キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/20(土) 01:02:08 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで世界を救う為に努力する話です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【契約書に名前】鈴仙奮闘記34【書いてみて】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1452408627/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠に並ぶ名選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
彼女は永琳の庇護下で実力を大きく伸ばし、幻想郷中の勢力が集まった大会でMVPを勝ち取った!

しかしその夜鈴仙は、自身の成長は永琳の計画であった事、その計画の副作用で
月に眠る大いなる厄災――「純狐」が八雲紫の身体を乗っ取り目覚めつつある事を明かされる。
そして、鈴仙は永琳に懇願される。「純狐」の純粋なる狂気を止める者は、
これまでの経験で混沌たる狂気を溜め込み成長した鈴仙以外に居ない。
だからこそ、鈴仙は次に紫が計画した大会――『幻想スーパーJr.ユース大会』に優勝し、
その狂気をもって純狐を倒し、世界を救って欲しい……と。

鈴仙は最初は戸惑いつつも、中山により自身の成長と覚悟を悟り、最後には永琳の願いを受け入れる。
そして、幻想郷の秩序の変革を狙う『プロジェクト・カウンターハクレイ』にて
編成された新チーム・リトルウイングスの一員として、大会に優勝することを誓った。

そして、大会前の鈴仙に課せられた第一の使命は、サッカー王国・ブラジルでの修行。
しかし、リオカップの優勝を目標に意気揚々と新天地に乗り込んだ鈴仙を待ち受けていたのは、
凋落した名門チーム・コリンチャンスでの甚だ雑な扱いだった。
日々を生きる為のバイトに手一杯で、当初の情熱を失いかけている中、
鈴仙は自分よりも先にブラジルに渡り、華々しい活躍を遂げていた親友・妖夢と再開し……?

447 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 00:35:22 ID:iELcJ8c2
こんばんは、ほんの少しですが更新再開します。
>>441
もう既に死にかけてますね…
>>443
冷静に考えると色々とカオスですねw
ナバイロ君は競り勝っただけの為アシストではないかな?とも思ってましたが、
描写的にはパスに近い気もしますし、次にアシストランキングに入れておこうと思います。
>>444
ちょっと調べたら、副業で会社やってたり投資やってるサッカー選手って結構居るんですね…(びっくり)
リアル日向みたいな人も居るのでしょうか。
>>445
このペースだったらハットトリックは堅そうですね…
>>446
すごい一体感を感じるエールですね(棒)

448 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 00:36:23 ID:iELcJ8c2
A:「さあ! この調子でガンガン攻めるわよ!」攻めっ気たっぷりに宣言する。

鈴仙「――私達はまだまだこんなモンじゃないわ。勝つなら大勝よ!」

コリンチャンスメンバー「「「「「おーーーう!!」」」」」

アヤソフィアに乗せられたこともあり、鈴仙は威勢よくそう宣言する事にした。
そして強豪チームであるグレミオ相手に、これまで圧倒的な勝負をしていた事もあって、
チームメイトの士気もそれに応じて高まっていった。

アヤソフィア「あや、中々慣れてらっしゃいますね。これだけおだててれば、
        何かしらの面白発言が飛び出して来るのではと期待してましたが」

鈴仙「残念だったわね。私だって場数を踏んで、成長してるのよ」

アヤソフィア「ああ……はい。そうでしたね。――ま、そうでなくとも、この試合はほぼ貰ったようなものですしね。
        ほら、鈴仙さん。見て下さいよグレミオサイドを。
        彼ら、私達みたいなゴロツキ集団に負けたのが余程悔しいみたいです」

盛り上がるチームメイトの中、相変わらずシニカルに佇むアヤソフィアを睨みつけながらも、
鈴仙は彼女の指に従うままにグレミオメンバーの様子を観察すると、
確かにその通り、一失点目の比では無い暗い雰囲気が漂っているようだった。

メオン「……何故だ。何故、俺は負けた! さっきは全く手を抜いた訳じゃなかった!
    俺が出し得る全力で敵にぶつかった! なのに……何故だ!?」

ダ・シルバ「何故って言われても。そりゃあ、お前より、あのレイセンって女の方が強かったからだろう。
       あのバニーちゃん、見かけによらず芯が強い子だぜ」

メオンが半ば狂乱し、それを窘めるダ・シルバにさえも、表情に僅かな諦めの念が見える。
これまでメオンやダ・シルバに引っ張って貰って来た、その他のグレミオメンバーは言うまでも無く、
コリンチャンスの雰囲気を見て絶望に包まれていた。

449 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 00:38:03 ID:iELcJ8c2
メオン「……これ以上の失点は許されない。この次のキックオフは、焦らずボールを回しながら、
    丁寧に攻撃のチャンスを作っていくしかないだろう」

ダ・シルバ「はァ? 何言ってるんだよ! こういう逆境の時こそ全力で攻めて、
       一秒でも早く点差を縮める事が大事だろうが! 誓って言うが、チンタラ遅攻なんてやってても、
       この前半戦、絶対チャンスは訪れやしないぜ。――いや、敵のチャンスはあるかもしれんが」

メオン「ダ・シルバ。……このチームのキャプテンはあくまで俺であり、お前じゃない。
    これまでは黙認していたが。チームの秩序を乱し、勝手な行動に出るというならば――」

ダ・シルバ「――出るなら、何だ? 俺を交代させるか? それこそ、本当の終わりだぜ」

メオン「……分かっている。だが、攻めるにしても、方法を変える必要がある。そう言いたかっただけだ」

臆病にも守勢に入るメオンと、無謀にも特攻を講じたいダ・シルバ。
この二人の亀裂は深まり、今にも崩壊寸前となっていた。
ここに鈴仙達コリンチャンスの落ち度は一切ない。
彼らグレミオのメンバーが精神的に弱かった。それだけの事だった。

ダ・シルバ「――5分だ。俺が中心になって、5分間は様子を見る。
       それで問題が無ければ、メオン。悪いが俺は、攻めさせて貰うぜ」

メオン「……ふん。良いだろう」

試合開始直前になり、二人はこう妥結したものの、
それはもはや、勝利の為か、単なる妥結の為の妥結なのか。今の二人には、それすらも分からなかった。
そして――。

450 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 00:42:59 ID:iELcJ8c2

――ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!

ダ・シルバ「……おい、受け取れスピノザ!」

グワァッ、バシュウウウウウウッ!

実況「さあ、グレミオのボールで試合開始! ですが……グレミオ、すぐには攻めません!
    I番のダ・シルバ選手のパス回しを中心として、じっくりと攻めのタイミングを伺っていきます!」

鈴仙「(……前半10分足らずで2点を奪われ、早くも腰が砕けちゃったって感じね。
    諦めるには、ちょっと早いような気もするけれど)」

士気を失ったグレミオは、これ以上の迂闊な失点を避けるべく、無難なパスワークに走る。
そんな展開は鈴仙の中では想定の範囲内だった。

鈴仙「(さて、こっちとしては2点のリードがあるわけだし、無理に攻める必要は無いけれど。
    ここはどうしようかな―――)……って、アレ?」

タタタタタタッ……。

そして、パスワークを観察しながら、じっくりと次の選択肢を検討していた鈴仙の横を、
慌ただしく選手が通り過ぎた。その選手は左サイド側のアヤソフィア。
そして右サイドハーフのライアの二名だった。

ライア「レイセンもガンガン攻めろと言っていたし、こんなパスワーク、を素通しなんてさせないぞ!!
    すぐに奪って、3点差にしてやる!!」

アヤソフィア「――いやぁ、どうやらさっきの演説が利きすぎて、
        チーム全体の意識が前掛かりになってたっぽいですな。
        ま、それはそれで零れ球もフォローして貰いやすそうだし、
        こうして遅攻も未然に防げますから、一石二鳥ですよ。……失敗しても知らないけど」

451 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 00:48:12 ID:iELcJ8c2
バッ! ブワアァッ!

鈴仙「ちょ、ちょっとー。何で勝手に動いてるのよー!」

先程の鈴仙が放った士気高揚に応じて、コリンチャンスの選手がラインを押し上げ詰め寄り、
いつでも誰でもボールを奪えるような状態となっていた。

アヤソフィア「まあまあ。ここはある意味では速攻カウンターのチャンスですよ。
        ここは焦らず、私達の活躍にご期待あれ……っと!」

アヤソフィアはそう言い残して、ライアと共に悠然とダ・シルバのパスをカットへと向かった。
鈴仙は最初あきれ顔を隠せないでいたが、徐々に彼女達の行動が全くの蛮行では無い事にも気づき始める。

鈴仙「(……でも、確かにここでボールを奪えるのは、敵のペースを崩すって意味でも大きい!
    さっきはああは言ったけれど。私も、内心ではボールカットを願っておこうかしら)」

バシュウウウウッ……!

ダ・シルバ「――チッ。敵さんもやる気マンマンってか!
       (……ここで取られれば、5分どころか5秒も足らずに遅攻終了だ。これじゃあ流石に、俺もメオンを笑えないぜ)」

鈴仙の前ではパスを出したI番である、ダ・シルバが苦しげに顔を歪めている。
アヤソフィアとライアの果敢な守備は、グレミオに精神的プレッシャーを与えていた事は確からしい。

コーチ「(さて、後はボールを取れればほぼチェックメイトじゃが。……どうなるかな)」

452 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 00:49:23 ID:iELcJ8c2
先着2名様で、

★ダ・シルバ→パス 54 (! card)(! dice + ! dice)=★
★アヤソフィア→パスカット 53 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 ライア→パスカット 51 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→スピノザ、パスキャッチ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(マデーロがフォロー)(ゲーノスがフォロー)(鈴仙がフォロー)
≦−2→コリンチャンスボールに。
【補足・補正・備考】
アヤソフィアのマークがダイヤ・ハートで「クイックダッシュカット(+2)」が発動します。

453 :副キャプテン半田:2016/03/19(土) 00:50:46 ID:???
★ダ・シルバ→パス 54 ( ハート6 )( 6 + 5 )=★

454 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 01:04:00 ID:???
★アヤソフィア→パスカット 53 ( ダイヤJ )( 4 + 4 )+(人数補正+1)=
 ライア→パスカット 51 ( ダイヤJ )( 6 + 4 )+(人数補正+1)=★

455 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 01:21:01 ID:iELcJ8c2
★ダ・シルバ→パス 54 ( ハート6 )( 6 + 5 )=65★
★アヤソフィア→パスカット 53 ( ダイヤJ )( 4 + 4 )+(人数補正+1)+(クイックダッシュカット+2)=64
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そしてマデーロがフォロー

ビュバババッ! ――バチイイッ!

アヤソフィア「食らいなさい、これが私の超高速パスカット……って、あやや。失敗してしまいましたか」

ダ・シルバ「舐めるな! 伊達に毎日河原で夕日に向かって走ってないぞ!」

アヤソフィア「それが今のパスとどう関係あるんですかね……?」

ダ・シルバの狂気一歩手前に膨らんだ熱さが影響してか、
アヤソフィアは万全の体制でパスカットに向かったにも関わらず、後少しの所でボールを零してしまった。
ボールは左サイド側から中央へと流れていき――グレミオの右のFW、マデーロの下へと渡った。

マデーロ「よし。ここで俺がコリンチャンスの攻勢を受け流せば……!」

ゲーノス「だが、ここで俺がお前からボールを奪えれば、3点目まで大きく近づくぞ!」

ダッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

実況「ボールをフォローしたグレミオのマデーロ選手に対し、コリンチャンスのFW、ゲーノス選手が向かった!」

456 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 01:23:25 ID:iELcJ8c2
先着2名様で、

★マデーロ→ドリブル 52 (! card)(! dice + ! dice)=★
★ゲーノス→タックル 51 (! card)(! dice + ! dice)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→マデーロ、ボールキープ成功。そしてそのままパスワークへ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(スピノザがフォロー)(ナバイロがフォロー)(鈴仙がフォロー)
≦−2→コリンチャンスボールに。
【補足・補正・備考】
なし。

457 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 01:25:05 ID:???
★マデーロ→ドリブル 52 ( ハート5 )( 5 + 4 )=★

458 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 01:27:37 ID:???
★ゲーノス→タックル 51 ( クラブ8 )( 6 + 6 )=★

459 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 02:04:16 ID:iELcJ8c2
★マデーロ→ドリブル 52 ( ハート5 )( 5 + 4 )=61★
★ゲーノス→タックル 51 ( クラブ8 )( 6 + 6 )=63★*フラグ習得!
≦−2→コリンチャンスボールに。

ゲーノス「くそっ! コリンチャンスはレイセンやヘンな記者だけのチームじゃないぞ!」

グワァッ、バギイイイイイイイイイイイイイイッ!

マデーロ「う、うわああっ!?」

実況「ゲーノス選手、凄いタックル! マデーロ選手の巧みなドリブルを足元から刈り取って見せました!」

鈴仙「ゲーノス君、ナイスよ!」

ダ・シルバ「くそっ! 結局こうなるのかよ!」

実況「そしてこれまでパスワークで相手の隙を伺っていたグレミオは、
    再び窮地に立たされる事となりました。ダ・シルバ選手を筆頭として、
    中盤の選手達はコリンチャンスの攻勢を止めるのに必死で動いています!」

460 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 02:06:42 ID:iELcJ8c2
鈴仙「(――真っ直ぐ攻めるのは一筋縄じゃいかない、って事でしょうけど……。
    それでも、決して無謀とまでは言えない筈! だから、ドリブル突破も決して間違いでは無いけれど。
    他にも良い方法がある気がするのよね。――ここは、どうすべきかしら!)」

A:このまま自分(鈴仙)が中盤を突破だ!(鈴仙のドリブル:54)
B:アヤソフィアに渡してドリブル突破して貰う。
C:ゲーノスとのワンツーで中盤を突破する。
D:一旦左サイドのライアに戻し、ロングパスで鈴仙に通して貰う。
E:むしろここからシュートで決める!(更に選択)※現在の距離:50メートル
F:鈴仙「ようし、とりかごだ!」
G:その他 自由選択枠

鈴仙のガッツ:550/990

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

461 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 02:12:03 ID:AdimsNqc


462 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 02:13:18 ID:???
…と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
皆さま、本日もお疲れ様でした。

463 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 02:19:32 ID:FHgyheB6
D


464 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 13:02:41 ID:iELcJ8c2
D:一旦左サイドのライアに戻し、ロングパスで鈴仙に通して貰う。

鈴仙「(このまま真正面から行けば、ダ・シルバに間違い無くぶつかってしまう。
    彼は高いドリブル力が持て囃されているけれど、それ以外の能力も、
    グレミオの他のフィールダーと比べたら明らかに高い。だからここは……!)――それっ!」

バシッ……。

実況「あ〜っと、鈴仙ここはバックパス! トップ下のナバイロ選手を経由し、
   ボールは左サイドのアヤソフィア選手……では無く、警戒の薄いライア選手!
   コリンチャンスとしても、ここは無理して攻めない方針でしょうか!」

鈴仙「……いーや、違うわ! ライア君、今こそあんたの力を見せる時よ!」

ライア「力……そうか! コーチとの特訓で身に着けた、あのパスか! ようし!」

グワァァァッ!

ライア「――『ピンポイントパス』だ!」

バッシュウウウウウウウウッ!!

ダ・シルバ「ちくしょう、正面衝突を避けて来たか。頼むぜ、左側MFのファリア、クリムト!」

ファリア「ああ!」

クリムト「わかっている!!」

バッ! ババッ!

465 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 13:03:56 ID:iELcJ8c2
先着2名様で、

★ライア→ピンポイントパス 54 (! card)(! dice + ! dice)=★
★ファリア→パスカット 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 クリムト→パスカット 49 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→鈴仙、パスキャッチ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(アヤソフィアがフォロー)(スピノザがフォロー)(ダ・シルバがフォロー)
≦−2→グレミオボールに。
【補足・補正・備考】
なし。



――――
…と、言ったところで外出するので一旦ここまでです。

466 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 13:16:01 ID:???
★ライア→ピンポイントパス 54 ( ハートJ )( 3 + 4 )=★

467 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 13:33:41 ID:???
★ファリア→パスカット 50 ( ダイヤ10 )( 6 + 2 )+(人数補正+1)=
 クリムト→パスカット 49 ( クラブ2 )( 6 + 6 )+(人数補正+1)=★

468 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 16:53:47 ID:iELcJ8c2
★ライア→ピンポイントパス 54 ( ハートJ )( 3 + 4 )=61★
★ファリア→パスカット 50 ( ダイヤ10 )( 6 + 2 )+(人数補正+1)=59
 クリムト→パスカット 49 ( クラブ2 )( 6 + 6 )+(人数補正+1)=62★
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そしてダ・シルバがフォロー

バシュルルル……!

ファリア「こ、こいつうまいぞ!」

クリムト「パスだけなら、I番のナバイロ以上か……!?
     ――だが、全体的な水準なら、ダ・シルバとほぼ互角。
     この程度なら、完全に弾く事は出来ないまでも……!」

バァァッ! ――バチイイッ!

ライア「そ、そんなァ!」

実況「クリムト選手、ライア選手の渾身のパスを同じく渾身のパスカットで零れ球に!
   中盤での小競り合いは再びその舞台を左サイドから中央へと戻し、
   そして、その主役となるべき選手は、やはり……!」

ダ・シルバ「こうも場がゴタ付いちまったら、遅攻だなんて言ってらんねえよな、メオン!」

パシッ。……ダッ! ダダダダダダダダッ!

実況「出た〜〜! ウルグアイからやって来た真っ赤な猛牛!
   グレミオI番のフェルナンド・ダ・シルバ選手が得意のドリブルで、
   この膠着した状況を打破しに向かいました〜〜〜!!」

鈴仙「――し、しまったわ! ここで突破されたら状況も崩れちゃう!
    ここはどうしたら……!?」

469 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 16:56:15 ID:iELcJ8c2
ダ・シルバ「やい、バニーちゃん! さっきの仕返しだ。
       まずはお前をふっとばしてから、ゴールを決めさせて貰うぜ!!」

ダダダダダダダダダ!

ゲーノス「こ、こっちに来るぞ!」

鈴仙「(ダメね――避けられない。選択肢なんて考えてるヒマも無いわ。
    ここはどうしても、真っ向勝負するしかなさそうね!)――ゲーノス君、行くわよ!」

先着2名様で、

★ダ・シルバ→ドリブル 55 (! card)(! dice + ! dice)=★
★鈴仙→タックル 52 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 ゲーノス→タックル 51 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→ダ・シルバ、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(スピノザがフォロー)(マギッシがフォロー)(アヤソフィアがフォロー)
≦−2→コリンチャンスボールに。
【補足・補正・備考】
ダ・シルバのマークがダイヤ・ハートで「パッションスタンピード(+3)」が発動します。
鈴仙のマークがダイヤで「マインドストッパー(+3)」が発動します。
鈴仙のマークがハートで「アイドリングウェーブ(+2)」が発動します。
鈴仙のマークと敵スートが一致時、スキル・狂気の瞳により敵の数値が−2されます。

470 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 17:02:17 ID:???
★ダ・シルバ→ドリブル 55 ( クラブ2 )( 6 + 2 )=★

471 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 17:23:35 ID:???
★鈴仙→タックル 52 ( スペードQ )( 6 + 6 )+(人数補正+1)=
 ゲーノス→タックル 51 ( スペード8 )( 1 + 4 )+(人数補正+1)=★

472 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 18:41:42 ID:???
これが差だな
ダ・シルバとの

473 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 19:20:55 ID:???
そんな情熱じゃバーのバニーガールも口説けやしない

474 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 19:35:41 ID:iELcJ8c2
★ダ・シルバ→ドリブル 55 ( クラブ2 )( 6 + 2 )+(狂気の瞳-2)=61★
★鈴仙→タックル 52 ( スペードQ )( 6 + 6 )+(人数補正+1)=65*フラグ習得!
≦−2→コリンチャンスボールに。

鈴仙「(……慌てる必要はないわ。あいつのドリブルは既に何回も見て来た。
    色んな技巧が詰まっていて、本当に暑苦しいドリブルだけど――弱点はシンプルの筈!)」

鈴仙はダ・シルバと真正面から対峙し、尚も退かなかった。
これまでの自分だったら、明らかに格上を相手する事に対し、
少なからず不安や恐れを抱いていたが、今は全く怖くない。
むしろ、今の自分の全力で眼前の相手にどう立ち回るべきか、
そう考える事で気持ちが高揚していた。それは今までの鈴仙には無い感情だった。

アヤソフィア「まるで……中山、政男みたいね」

この姿を見て、アヤソフィアは自分がかつて見た事のある、とある選手の名を呟いていた。
どんな強敵を目の前にしても決して倒れない不死身の少年の姿が、
今ここに居る鈴仙の姿と重なって見えた。


タッ! ――ギュウウウウウ……ン!

ダ・シルバ「ぐうっ! す、凄いプレッシャーだ……! だが、俺は負けん!」

ダッ! ダダダダッ!

鈴仙「(――そうよ。この一々暑苦しいダダダダって音! これは要するに、
    一歩一歩の歩幅が短くて、動作の一つ一つが大振りであるという事。
    まるで軍隊の突撃みたいなこのドリブルの弱点は……!)―――ここよ!」

475 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 19:37:54 ID:iELcJ8c2

――スッ! タッ、……ビュンッ!

ダ・シルバ「ぬおおおっ!?」

バシイイイイッ! ……ポムッ。

鈴仙「……情熱で塗り固められた鋼鉄を壊すには、力づくよりもいい方法があるわ。
   大きく動いて、小さく刺す。理論立った必要最小限の動きへの対処が全くなって無いのよ、アンタは!」

ダ・シルバ「な、なにィ……!?」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

実況「――れ、鈴仙選手またも快挙! あのダ・シルバ選手から1度ならず2度までも、見事にボールを奪いました!
   情熱のドリブルに惑わされず、冷静なタックルを確実に決めたこの高い技術!
   剛と柔を併せ持ったプレーに、観客は大盛り上がりです! これはまさか、前半15分を待たずして、
   鈴仙選手がハットトリックを決めてしまうのか〜〜〜!?」

コーチ「(私の見込み通り――いや、それ以上だ。彼女は、恐るべき速さで進化している……!)」

ネイ(観客席)「ヒューヒュー! カッコ良いぜ、レイセン!」

エベルトン(観客席)「(そこらのボンクラ共と同程度の感想しか吐かないバカは放っておくとして。
              ヤツは……レイセンは、基礎的な実力や経験値では、明らかにダ・シルバに劣っていた。
              それにも関わらず、今これだけの能力を発揮しているのは、努力や才能の類だけじゃねぇ。
              ――大選手として、何か表現し難い物を『持っている』としか、言いようがねぇな)」

476 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 19:39:59 ID:iELcJ8c2
ジャスマ「クリムトとファリアは、ライアのパスカットに行くため左に寄り過ぎた。
      タピエスはまだ俺に追いつけない。……俺が、あのレイセンとやるしかない!」

ダッ!

鈴仙「(……ダ・シルバに勝って――バイタルエリアまでは後一人!
     アヤソフィアは先に上がっているけれど、ライア君のパスが良い囮になって、
     彼女へのマーカーは不在。今こそが攻撃のチャンスよ! さて、ここは……!)」

A:ジャスマをドリブルで抜く!(鈴仙のドリブル:54)
B:先に上がっているアヤソフィアにパス。ドリブル突破からの一対一を狙ってもらう!
C:先に上がっているアヤソフィアにパス。最前線でボールキープをしてもらう!
D:ここは敢えてゲーノスに運んで貰う。
E:ここは敢えてボールを後方に戻し、パスワークで時間を稼ぐ。
F:その他 自由選択枠

鈴仙のガッツ:510/990

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

477 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 19:41:02 ID:FHgyheB6
B

478 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 19:42:45 ID:aqdJEwjA
B

479 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 21:46:18 ID:iELcJ8c2
B:先に上がっているアヤソフィアにパス。ドリブル突破からの一対一を狙ってもらう!

鈴仙「(……このままドリブル突破して、『マインドエクスプロージョン』を決める事は可能。
    だけど、もっといい方法がゴール前に居るわね)」

鈴仙がチラリと前を見ると、この試合何だかんだで頼りになったアヤソフィアが、
既にバイタルエリアに陣取って得点のチャンスを伺っている。
そしてジャスマと鈴仙との間に距離はあり、WGが居る左サイド側はガラ空きだ。

鈴仙「……アヤソフィア! 決めちゃって!」

バシュッ!

アヤソフィア「――おお、やっと私の活躍シーンが到来ですか!」

パシッ、ビュウウウウウウウウウンッ!

実況「鈴仙選手、スペースの空いた左サイドに向かってパス!
    アヤソフィア選手が得意の俊足でこれをキャッチすると、
    そのまま高速ドリブルで、ペナルティエリアへと単身突撃を仕掛けました!」

メオン「……勝て、とは言わん。だが――全力で守れ」

グレミオDF陣「「「……分かってる!」」」

タッ! ……ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

アヤソフィア「三対一、ですか。ですが全然負ける気がしませんね!
        この私の、高速ドリブルのサビにしてあげるわ!」

480 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 21:48:03 ID:iELcJ8c2
先着2名様で、

★アヤソフィア→ドリブル 56 (! card)(! dice + ! dice)=★
★ジーオ→タックル 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 タキーハ→タックル 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 コクラン→タックル 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→アヤソフィア、ドリブル突破。メオンと一対一に!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(鈴仙がフォロー)(ゲーノスがフォロー)(タピエスがフォロー)
≦−2→グレミオボールに。
【補足・補正・備考】
アヤソフィアのマークがクラブ以外で「高速ドリブル(+4)」が発動します。

481 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 21:48:57 ID:???
★アヤソフィア→ドリブル 56 ( ハート3 )( 6 + 3 )=★

482 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 21:50:29 ID:???
★ジーオ→タックル 50 ( スペードK )( 1 + 4 )+(人数補正+1)=
 タキーハ→タックル 50 ( ハート3 )( 1 + 6 )+(人数補正+1)=
 コクラン→タックル 50 ( ダイヤ2 )( 3 + 2 )+(人数補正+1)=★

483 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 22:14:47 ID:iELcJ8c2
★アヤソフィア→ドリブル 56 ( ハート3 )( 6 + 3 )+(高速ドリブル+4)=69★
★ジーオ→タックル 50 ( スペードK )( 1 + 4 )+(人数補正+1)=56
 タキーハ→タックル 50 ( ハート3 )( 1 + 6 )+(人数補正+1)=58
 コクラン→タックル 50 ( ダイヤ2 )( 3 + 2 )+(人数補正+1)=56★
≧2→アヤソフィア、ドリブル突破。メオンと一対一に!

アヤソフィア「それーーっ!」

ビュン! ビュンビュン!

ジーオ「分かっていても……!」

タキーハ「反応が、追いつかない……!」

コクラン「め、メオーン! 何とかしてくれー!」

実況「ああ〜! グレミオのDF陣もアヤソフィア選手のドリブルには追いつけない!
    グレミオの守備陣は僅か一瞬で丸裸となりました! そして最後に残ったのは〜!?」

メオン「……俺は止める。俺はブラジルナンバーワンゴールキーパー、メオン様だぞ……!」

アヤソフィア「自分で自分を様付けとか。小物キャラのテンプレ過ぎて吹き出しそうですよ。
        いや、そうやって私の失笑を誘うのが、貴方の作戦ですかな?」

メオン「――貴様如きが、知った口を叩くな……! ここで俺が無様に負けると、
    俺は……俺の未来はどうなる! グレミオの未来はどうなる!?」

アヤソフィア「知りませんよ、そんなの。それぞれの立場に、それぞれの揺るぎない信念があって。
        それを守る為に時には助け合い、そして時には害し合う。
        ――それが社会ってモンでしょう? 私は、私の信念の為に貴方を倒します」

シュンッ!

484 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 22:16:38 ID:iELcJ8c2

実況「さあ、そしてアヤソフィア選手がGKのメオン選手に一騎討ち!
    前半もまだ16分しか経っておりませんが、それでもここで3点差が付けば、
    グレミオの勝利はほぼ絶望的となるでしょう! 果たして勝つのはどっちだ〜!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
   「えーい、どうせなら決めちまえー!」「がんばれコリンチャンスー!」「耐えろグレミオー!」
   「負けるなメオーン!」「メーオーン、メーオーン」「メオン メオン メオン メオン」

アヤソフィア「――手加減はしないわ。だから、本気を見せる事なく、惨めに敗れてしまいなさい!」

メオン「……俺は。俺は、俺は……ブラジル、ナンバーワン、ゴールキーパーだぁぁぁっ!!」

先着3名様で、

★アヤソフィアの選択→! card ダイヤかハートならドリブル、スペードかクラブならシュート
 メオンの選択→! card ダイヤかハートならドリブルに備える、スペードかクラブならシュートに備える★
★アヤソフィア ドリブル/高速ノーモーションシュート 56/59 (! card)(! dice + ! dice)=★
★メオン そなえる 57 (! card)(! dice + ! dice) =★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→アヤソフィア、流れに乗って3点目を決める!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(鈴仙がねじ込み)(ゲーノスがねじ込み)(コリンチャンスのコーナーキック)
≦−2→メオン、何とかゴールを守る!

読みが一致すればGKに+2の補正、読みが不一致ならGKに−2の補正です。

【補足・補正・備考】
アヤソフィアのマークがクラブ以外で「高速ドリブル(+4)」が発動します。

485 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 22:17:46 ID:???
★アヤソフィアの選択→ クラブ6  ダイヤかハートならドリブル、スペードかクラブならシュート
 メオンの選択→ スペード10  ダイヤかハートならドリブルに備える、スペードかクラブならシュートに備える★

486 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 22:18:09 ID:???
★アヤソフィア ドリブル/高速ノーモーションシュート 56/59 ( スペードJ )( 6 + 1 )=★

487 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 22:19:13 ID:???
★メオン そなえる 57 ( スペード2 )( 4 + 1 ) =★

488 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 22:19:35 ID:???
★メオン そなえる 57 ( スペード5 )( 2 + 2 ) =★

489 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 23:42:33 ID:???
ここまで散々高速ドリブルを見せ続けていたのによくぞシュートと見抜いた
いい読みだ
感動的だな
だが無意味だ

490 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 23:42:33 ID:iELcJ8c2
★アヤソフィアの選択→ クラブ6  クラブならシュート
 メオンの選択→ スペード10  スペードならシュートに備える★
★アヤソフィア 高速ノーモーションシュート 59 ( スペードJ )( 6 + 1 )=66★
★メオン シュートにそなえる 57 ( スペード2 )( 4 + 1 )+(読み当て補正+2) =64★
≧2→アヤソフィア、流れに乗って3点目を決める!

アヤソフィアとメオンの対峙は一瞬だった。
まず最初に動いたのはアヤソフィアで、彼女は先程のようにドリブル突破をするかのような恰好で、
前傾姿勢を取って大きく前に飛び出した。
メオンはそれを見ても動かなかったが、やがてアヤソフィアとは真逆の方向に飛んだ。

メオン「(――今の動きはフェイクだ! 本命は必ずシュートで来る!)」

GKとしての経験と勘が、アヤソフィアが次に取る行動を伝えており、
この危機的な状況下においても、メオンは揺るぐ事なくその勘に従う事ができた。
これは彼のGKとしての実力の高さだけでなく、精神面での強さも示しており、
『ブラジルナンバーワンGK』という称号が決して彼だけの妄想では無い事を証明していた。
視界の端で僅かにボールと、アヤソフィアが驚愕に顔を歪めているのが見えた。

メオン「……見ていろ。これが――俺の本気だ!」

ボールは充分メオンの手に届く距離にあった。このまま全力で手を伸ばせば、
辛うじて弾く事はおろか、キャッチする事すら可能と思えた。
自身の本気が、アヤソフィアのそれを上回ったとメオンは信じていた。
だが――。

アヤソフィア「……ハッ!」

バシュッ、シュンッ! バシイィィィィィ!

メオン「――なにィ?」

491 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 23:44:24 ID:iELcJ8c2
アヤソフィアは超高速で動き、一度ロビングで蹴りだそうとしたシュートを、
更にもう一度蹴りだして別方向へと動きを変えた――何の予兆も見せずに。
『高速ノーモーションシュート』とも言えるそれは、メオンの一流の勘すらもが感知しない速度で、
ゴールネットへと吸い込まれていき――。

ズバァァァァァァァッ! ――ピピィイイイッ!

メオン「……完敗だ」

――ホイッスルが鳴ってから全てを察したメオンは辛うじて、
そう言葉を絞り出すしかできなかった。


コリンチャンス 3 − 0 グレミオ

大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
3ゴール  カルロス
2ゴール  鈴仙
1ゴール  サンタマリア、アヤソフィア

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
2アシスト サンタマリア
1アシスト アヤソフィア、ナバイロ

492 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 23:46:23 ID:iELcJ8c2
実況「――ゴ〜〜〜〜〜ル!! スーパーゴールです、アヤソフィア選手!
   サンパウロの女記者が大スクープを創り上げました!
   鈴仙選手に続き、大会ナンバーワンGKのメオン選手を抜き去りゴール!
   開会当初は不安だらけのチームでしたが、ここに来て、コリンチャンスの実力の高さが明らかとなった〜〜!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
   「なんだこのチーム!?」「バニーガールとゴロツキと記者の草サッカーチームじゃなかったのかよ!?」
   「コーチもただのボケ老人だろ?」「何か秘密が……」「知らん! 兎に角俺はコリンチャンスを応援するぜ!」
   「ですよねー」「俺なら取れたな」「なにィ」「サイクロンで来なさい、イナバ!」「ワチャワチャ」

鈴仙「(なんか今、観客席にここに居る筈が無い知り合いが居たような……)
    ――そ、それより。アヤソフィア、やるじゃない!」

大歓声の中ゴールを決めたアヤソフィアを、鈴仙は祝福しようと思った。
そこで、ゴールを決めても、尚ペナルティエリアでメオンを見下ろす恰好で佇む彼女の下へと駆け寄ると。

アヤソフィア「……下らない」

アヤソフィアは、強い侮蔑の目線で、そう独り言ちていた。

アヤソフィア「――こんなに脆い才能を、自分の全てだと信じ込むなんて。
        こんなに脆い敗北を、彼の全てと決め付けるなんて。……本当に、サッカーは下らないわ」

鈴仙「あの……アヤソフィア?」

アヤソフィア「!?」

493 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 23:47:55 ID:iELcJ8c2
鈴仙がおずおずと彼女に声をかけると、彼女は少し驚いたように肩を震わせて、

アヤソフィア「あ。あややーーっ! 鈴仙さん、居たんですか!
        どうでしたどうでした私の活躍。凄く輝いていたでしょう!
        もう二度と、『案外大したことなくね?』とか言わせませんよ!
        ああいや、私は平凡なエリート日系ブラジル記者ですから、そんな事言われた事ないんですけど!」

――と、普段通りの慇懃無礼な笑顔で、鈴仙の言葉に応じてくれたが。

鈴仙「(――彼女が私に見せた悪意。そして今の発言。……これには、何か関係があるのかしら)」

鈴仙の中で、アヤソフィアの内心に対する疑念はますます深まる。
彼女は何を思い、何を恨み、そして何を目指しているのか。鈴仙は彼女の事を、まだ何も知らない。
……そして恐らく、彼女は鈴仙に対して心を開く気はないのだろう。少なくとも今の時点では。

鈴仙「(――何だか微妙な雰囲気だけど。一応ゴールを決めて貰ったってのもあるし。
    ここは一言、何でも言っておいた方が良いわよね……)」

494 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/19(土) 23:49:50 ID:iELcJ8c2
――鈴仙は今の彼女にかけるべき言葉を少し考えてから、こう言った。

A:「……あんたが助っ人に来て貰って良かったわ。これからも宜しくね」無難にお茶を濁す。
B:「……私達は一時的とは言え仲間よ。何かがあったら相談してね」先程の独り言について仄めかす。
C:「……サッカーは、下らなくなんかないわ」先程の独り言に反論する。
D:「……………」沈黙でアヤソフィアの発言を促す。
E:「ですよねー」とりあえずメオンファンに同意する。
F:その他 自由選択枠

鈴仙のガッツ:510/990

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

495 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 23:51:05 ID:l3w7xi6M
A

496 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 23:52:25 ID:iZvVpngU
A
いきなり突っ込むのもよくないな。

497 :森崎名無しさん:2016/03/19(土) 23:52:37 ID:QtuIOwx+
D

498 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:19:42 ID:???
ここプロサッカーの世界だから結果しか見てもらえないのは仕方ないんだぜブン屋
趣味の範囲ならまだしも

499 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 00:25:53 ID:lj7wSmGk
A:「……あんたが助っ人に来て貰って良かったわ。これからも宜しくね」無難にお茶を濁す。

鈴仙は何か言いたかった。彼女の抱える心の闇に触れてみたかった。
しかし、それは今では無いとも感じていた。そのため、鈴仙は何も聞こえなかったふりをして、

鈴仙「……あんたが助っ人に来て貰って良かったわ。これからも宜しくね」

――そう、当初の予定通り、無難な言葉で彼女を祝福する事にした。
アヤソフィアは少しだけ何かを言いよどんだ様子だったが、

アヤソフィア「……ふふ、ありがとうございます。この試合、私と鈴仙さんとで50点差を目指しちゃいましょうか」

鈴仙「それは威勢が良いわね。でも、取りあえずは次のキックオフを無事に乗り越えてからよ」

アヤソフィア「分かってますよ。……ま、相手は士気がボロボロですし。多分大丈夫とは思いますが」

すぐに何事も無かったかのように、元通りの様子で鈴仙と言葉を交わす。
彼女の態度は相変わらず親しさの中に一物が残ったような様子だったが、
――なんとなくではあるが、当初よりも親しさが増しているような気がした。

鈴仙「(アヤソフィア……。あんたが何を考えているのかは分からないけど。
    最終的に私達を害する目的があると言うのなら。私はきっと、あんたを止めてみせるわ……!)」

鈴仙は彼女のそんな僅かな心境の変化を感じつつも、
しかし決して取り込まれる事が無いよう、強い意志を持つ事を心に誓った。

500 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 00:27:38 ID:lj7wSmGk
アヤソフィア「――ところで。鈴仙さんに提案なんですが」

鈴仙「提案? 次のキックオフの?」

アヤソフィア「まぁ、広義的にはそうですが……メタメタしくぶっちゃけて言えば、
        『ここから先の展開を、ダイジェストにするか否か?』です。
        ダ・シルバ君は元気ですけど、ここから3点差をひっくり返せるは疑問ですし、
        私達もまだまだ、メオン君から1〜2点ずつは決めれそうな余裕がありますしね」

鈴仙「本当にメタいわね……。まぁ、これ以上続けても、グレミオにはもう、新しくて効果的な攻め方もないし。
   同じような展開がまだ暫く続くような気がするから、私も丁度良いと思うけど」

アヤソフィア「そうですねぇ。一つ検討事項があるととしたら、
        鈴仙さんがハットトリックするまで普通にやるべきか? くらいだと私は思います。
        まあ、試合時間を45分以上残したダイジェストなので、ダイジェストでも得点率は高くしようと思ってますが。
        具体的には、カード2枚引いてクラブを連続で引かない限りは1点確定、とか」

鈴仙「そうだとしたら、16分の1を引かない限りは、1点は確定ってのは大きいわね。
   逆を言えば、1回のチャンスで失敗無く、16分の15を引かないと行けなくなる訳だけど。
   まぁ……だから。基本はダイジェストにする方向で考えつつも、
   カード一発引きで点が入るか否かってのが嫌な場合は、もう少し続行で考えた方が良いのかしら」

アヤソフィア「原則的にはそうですね。ですが中にはダイジェストにしたくない方も居るでしょうし、
        実はそちらが多数派という疑いもありますので、ここはアンケートを取る事にしましょう。
        ――『今回のグレミオ戦について、今すぐダイジェストにしても良いか?』という提案について、どう思いますか?」

A:ダイジェストにする!
B:鈴仙がハットトリックしてから、ダイジェストにする!
C:その他 前半終了までダイジェストにしないなど、何か他にご意見があればどうぞ

先に【3】票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

501 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:28:56 ID:67IlD1Mk
A

502 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:29:51 ID:5MXDOZBo
A

503 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:31:28 ID:bqoBMtWs
B

504 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:31:36 ID:K65u0uSw
A

505 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 00:51:41 ID:lj7wSmGk
Aに決まったところで、今日の更新はここまでにしますが、
展開の円滑化のため、先にダイジェスト用の判定表を引いて頂ければと思います。

(ダイジェスト用判定表)
先着5名様で、

★鈴仙の活躍→ ! card ! card
 ゲーノスの活躍→ ! card ! card
 アヤソフィアの活躍→ ! card ! card★
★ナバイロの活躍→ ! card ! card
 ライアの活躍→ ! card ! card
 マギッシの活躍→ ! card ! card★
★デ・ラーダの活躍→ ! card ! card★
 ミャージの活躍→ ! card ! card
 ビベスの活躍→ ! card ! card
 ニータの活躍→ ! card ! card★
★ピュジェの活躍→ ! card ! card★
★グレミオの粘り→ ! card ! card★

と書き込んでください。マーク・数値で分岐します。

【活躍の基準】
鈴仙はクラブ以外(数字不問)を引けば得点します。
アヤソフィアはダイヤ・ハート(数字不問)を引けば得点します。
その他のフィールダーはJ以上で活躍し、JOKERを引けば得点します。
グレミオはJOKER・ダイヤを引けばダ・シルバが1点を挙げます。
【覚醒】
K・JOKERを引いた選手は覚醒(又はフラグ習得)します。
覚醒する能力の分野は、別途判定します。

506 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:53:17 ID:???
★鈴仙の活躍→  ハート2   クラブK
 ゲーノスの活躍→  クラブ4   ハートK
 アヤソフィアの活躍→  クラブK   クラブ2

507 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 00:54:35 ID:lj7wSmGk
デ・ラーダ君の右横に不要な★が付いていますね…。この★は無視して、DF4人分で引いて頂ければ幸いです。
>>472
この試合の鈴仙は本当に持っていますね…
>>473
鈴仙も充分熱いですからね。
>>489
小物っぽい感じですが、メオンもGKとしては充分一流クラスだと思っています。
>>498
どちらかと言うと、本スレのコインブラ君的なスタンスでの発言ですね。>アヤソフィア

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

508 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:55:47 ID:???
★ナバイロの活躍→  クラブ6   クラブ3
 ライアの活躍→  クラブ5   スペード8
 マギッシの活躍→  ダイヤ3   スペード2

509 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 00:57:35 ID:???
★デ・ラーダの活躍→  ダイヤ6   スペードA
 ミャージの活躍→  クラブ3   クラブ3
 ビベスの活躍→  ダイヤ4   ハートQ
 ニータの活躍→  スペード7   ダイヤ5

乙なのです

510 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 01:04:53 ID:???
★ピュジェの活躍→  ダイヤ4   スペード4

511 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 02:23:01 ID:???
★グレミオの粘り→  クラブ4   スペードA

512 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 03:27:28 ID:???
鈴仙さんが持ってるフラグは、ドリブルとスルーとタックル、パスカットだっけ

513 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 18:19:21 ID:???
低シュートを持ってるけど、ドリブルは持ってたっけ
アヤソフィアも同じスートでフラグ習得したし、コンビ技を一気に回収出来たら面白いかも

514 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 23:38:27 ID:lj7wSmGk
こんばんは、遅くなりましたが更新再開します。
>>512-513
鈴仙のフラグは、低シュート、タックル、パスカット、スルーと把握してます。
ドリブルフラグは無かった筈ですが、もし記録があれば教えて頂ければ追加します。
コンビ技回収は、JOKERだったらやろうかと思います。

515 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 23:40:21 ID:lj7wSmGk
★鈴仙の活躍→  ハート2   クラブK*1得点&フラグ習得!
 ゲーノスの活躍→  クラブ4   ハートK*活躍&フラグ習得!
 アヤソフィアの活躍→  クラブK   クラブ2 ★*活躍&フラグ習得!
★ナバイロの活躍→  クラブ6   クラブ3
 ライアの活躍→  クラブ5   スペード8
 マギッシの活躍→  ダイヤ3   スペード2 ★
★デ・ラーダの活躍→  ダイヤ6   スペードA ★
 ミャージの活躍→  クラブ3   クラブ3
 ビベスの活躍→  ダイヤ4   ハートQ
 ニータの活躍→  スペード7   ダイヤ5 ★
★ピュジェの活躍→  ダイヤ4   スペード4 ★
★グレミオの粘り→  クラブ4   スペードA ★
→鈴仙が1得点! 鈴仙、ゲーノス、アヤソフィアの3名がフラグ習得!

*ダイジェストの描写の前に、フラグの習得判定から始めようと思います。


先着3名様で、

★鈴仙の覚醒→! card★
★ゲーノスの覚醒→! card★
★アヤソフィアの覚醒→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。
(分岐については次レスに書き込みます。)

516 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 23:42:38 ID:???
★鈴仙の覚醒→ スペード8

517 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 23:43:01 ID:lj7wSmGk
【各キャラ覚醒の判定表】
〜鈴仙の覚醒〜
JOKER→アヤソフィアとのコンビプレイ技を一気に習得!
ダイヤ→低シュートフラグを回収!
ハート→タックルフラグを回収!
スペード→パスカットフラグを回収!
クラブ→スルーフラグを回収!

〜ゲーノスの覚醒〜
JOKER→任意のフラグを習得可!
ダイヤ→ドリブルフラグを習得!
ハート→シュートフラグを習得!
スペード→タックルフラグを習得!
クラブ→パスフラグを習得!

〜アヤソフィアの覚醒〜
JOKER→鈴仙とのコンビプレイ技を一気に習得!
ダイヤ→ドリブルフラグを習得!
ハート→シュートフラグを習得!
スペード→パスカットフラグを習得!
クラブ→タックルフラグを習得!

*鈴仙・アヤソフィアの判定でJOKERが出た場合、コンビプレイ技については一発習得としつつも、
 もう片方のキャラで出たカード(JOKERじゃない方)についても、有効な判定とします。

518 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 23:44:23 ID:???
★ゲーノスの覚醒→ スペード8

519 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 23:47:17 ID:???
★アヤソフィアの覚醒→ ハートK

520 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 23:49:36 ID:???
>>ドリブルフラグについて

【もう昨日には】鈴仙奮闘記32【戻れない】の399レス目でしょうか?
勘違いでしたらすみません。

521 :森崎名無しさん:2016/03/20(日) 23:50:12 ID:???
すみません、516さんは判定表記入前なので、無効ではないでしょうか?
間違っていたらごめんなさい。

522 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/20(日) 23:57:07 ID:lj7wSmGk
>>520
本当ですね…すみません、今まで全く気付いてませんでした。
フラグについて今まで忘れたままかなり進行してしまいましたので、
処置としては今ここでフラグを習得した扱いにしつつも、
これまでのお詫びとして、最初から経験点を高めにした状態での習得としようと思います。
ご指摘ありがとうございました。
>>521
当スレでは慣例的に、判定がレスを跨ぐ時も判定を有効にしていました。
ただ、いつもはその旨を書いていたところ、今回記載が漏れてしまいました。すみません。
>>516さんはこれまでの慣例を信じて書き込んだと思われますので、有効とします。

523 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:17:14 ID:zHOLhdKs
すみません、そう言えば>>459でゲーノスはタックルフラグを既に習得していました。
なので、今回についてゲーノスはタックルフラグを習得では無く、回収とします。失礼しました。
★鈴仙の覚醒→ スペード8 ★
スペード→パスカットフラグを回収!
★ゲーノスの覚醒→ スペード8 ★
スペード→タックルフラグを回収!
★アヤソフィアの覚醒→ ハートK ★
ハート→シュートフラグを習得!
――――――――――――――――――

A:ダイジェストにする!

鈴仙「……そうね。リオカップは長期戦だし。勝てる試合にこれ以上しっかりと詰めて考える必要は無いと思うわ。
   ここから先は、流していきましょう」

アヤソフィア「ええ、私もそれが懸命かと」

鈴仙とアヤソフィアは互いの意見の一致を確認すると、
既に失意に暮れているグレミオの陣地から離れて、次のキックオフに備えて持ち場に着いた。
そして……。


*これからの展開はダイジェストになります*


524 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:18:29 ID:zHOLhdKs
――ピィィィィッ!

ダ・シルバ「……俺は熱い。暑い厚い熱い篤い圧い温い〜〜〜ッ!」

ダダダダダダダダダダッ!

――試合再開後、グレミオに伸し掛かる絶望的なムードを振り払わんと、ダ・シルバは奮闘した。
結局する事は変わらずドリブルでの特攻であるが、そこには鬼気迫る物が確かになった。
ここで負けられない。ここで負けてはいけない。もし負けたら、それは自分達のサッカー人生の大きな負傷となる。

ズザアアアアアアアアアアアアアアッ!

鈴仙「……、くっ。今度は取れない!」

――幾度となく敗北を喫して来た、コリンチャンスのバニーガールも追い越した。
今度こそ勝てる。ダ・シルバはそう思った。しかし、彼はやはり未だ未熟だった。

ダ・シルバ「へへっ、抜いたぜ! これでもう敵無しだ!」

ゲーノス「……ふざけるな。まだ俺がいる! ――コリンチャンスを……俺達を……舐めるなァ!」

バシュウウウウウウウッ! ―――ズバァァッ!

ダ・シルバ「なにィ!?」

実況「あ〜〜〜っと! ゲーノス選手、素早いタックルでボールを奪いきりました!
    ダ・シルバ選手のドリブル特攻は、またしてもセンターサークル付近で失敗!」

――彼は内心で、鈴仙とアヤソフィア以外のコリンチャンスの選手の事を軽視していた。
無論、そう考えるのも仕方ない程、ダ・シルバとコリンチャンスの無名選手の実力は離れている。
しかし、決して無視できない程の差では無い。その事実を見落としていた時点で、彼の敗北は決まっていた。

525 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:19:41 ID:zHOLhdKs
観客「何やってるんだダ・シルバァ!」「そんな下手な特攻で逆転できるか!」「さっさとウルグアイに帰れー!」

ダ・シルバ「ぐっ……!」

観客達からの心無い罵声に対し、ダ・シルバは何も言い返せず立ち竦むしかなかった。
そして悪い事に、試合はまだ進んでいた。……グレミオにとって、より悪い方向に。

アヤソフィア「ゲーノスさん、ナイスでーす! ささ、また私が前線までボールを運びますよ!」

ゲーノス「任せた、アヤソフィアさん!」

バシュウッ……!

ボールは滑らかにウインガーのアヤソフィアへと渡った。
当然対するグレミオMF達は、彼女の高速かつ巧みなドリブルに対しどうする事も出来ない。
ボールはあっと言う間に中盤を越えて、グレミオのゴール前へと届き――。

アヤソフィア「それ、鈴仙さん! グラウンダーで容赦なく決めちゃって下さい!」

バシュウッ!

鈴仙「ええ、言われなくてもそうするわ!」

メオン「……止める。止める、俺は……止める。止めるんだ……!」

壊れた人形のようにボソボソと呟くメオンを尻目に、鈴仙は無慈悲にボールを拾い、
そのまま大きく右脚を振り上げて、グレミオに対して最後の一撃を与えんと宣言する。

526 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:21:11 ID:zHOLhdKs

グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

鈴仙「……食らいなさいグレミオ。これが私の感情の爆発!」
    ――『マインド、エクスプロージョン』……!」

バッ! ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
ギュン……ギュン、ギュン、ギュンギュンギュンギュン!

ジーオ「――今度は、グラウンダー……!?」

タキーハ「だが……さっきのヤツよりも更に早いぞ! いや、早いだけじゃない……!」

コクラン「か、身体が吹き飛ばされる……うおおおおおおっ!」

バギイッ! グシャッ! ドガァァッ!

鈴仙から放たれた加速する弾丸はグレミオのDF陣を塵のように吹き飛ばすと、
そのままメオンの真正面を捉えた。

メオン「……止める!」

バァァァァッ! ――グワシイイイイイッ!!

メオンは辛うじて残されたプライドと闘争本能を総動員し、
ボールに対して怯える事無くぶつかって行った。
両手でシュートを抱え込み、その威力の全てを減衰しようと試みた。
そして――その努力は徒労に終わった。

527 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:22:21 ID:zHOLhdKs
メオン「(だ……駄目だ。身体が、ボールごと、押し込まれて……!)――ああああっ!」

バギイイイイッ! ズバンッ!! ―――ドオオオオオオン!!
―――……ピッ、ピィィィィィイイイイ!!!


コリンチャンス 4 − 0 グレミオ



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
3ゴール  カルロス、鈴仙
1ゴール  サンタマリア、アヤソフィア

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
2アシスト サンタマリア、アヤソフィア
1アシスト ナバイロ


528 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:23:51 ID:zHOLhdKs
実況「――鈴仙選手。これは……凄い、凄すぎる!
   カルロス選手をも超える、前半20分でのハットトリック達成です!
   しかも並のGKでは無く、あのメオン選手を相手にしてのハットトリック!
   廃墟と化したチーム・コリンチャンスに彗星の如く現れた狂気のニューヒロインが、
   ブラジル全土を驚愕の嵐に染め上げようとしています〜〜〜!!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
   「レイセン! レイセン! レイセン! レイセン!」「凄いなコレ。ヨウム以上じゃないか?」
   「いや、まだ技術は荒削りだ」「てか、メオンって案外大したことなくね?」「ですよねー」
   「おいメオン! ポルト・アレグレの恥め!」「もう帰って来るな!」「何がブラジルナンバーワンキーパーだ!」

メオン「………くっ」

鈴仙がこうして劇的な3ゴール目を挙げた時、
ボールと共に吹き飛ばされてゴールネットを突き破り、
フェンスに衝突して倒れたメオンは、物理的な痛みと観客達の罵声に悶え、立ち上がれないでいた。

鈴仙「――あ、あの。リオカップはまだこれからだし。その……きっと何とかなる、っていうか……」

メオン「今のお前に同情される事よりも、落ち込む事は無い。――頼むから、構わないでくれ……」

鈴仙「! ……そう、だったわね。ごめんなさい」

試合開始当初はメオンを応援していたファン達すらも、今では掌を返して、
このビッグマウスだけが取り柄の三流キーパーをこき下ろす事に夢中になっている。
そんな状況に鈴仙は思わず手を差し伸べるも――メオンの言葉により、
それは一番残酷な行為である事に気づき、それ以上は触れられなかった。

529 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:25:19 ID:zHOLhdKs

*****

そこから戦意を全く失ったグレミオは、前半終了はおろか、
試合終了まで遅攻とも言えぬ、気の抜けたパスワークを繰り返した。
正確にはダ・シルバが数度、ドリブルによる特攻を試みたが。

ビベス「――そんな気の抜けたドリブル、流石に通さんぞ!」

ズザアアアアアアアアアアッ、バチイイッ!

ダ・シルバ「(――技術で世界一になれずとも、この熱さだけは世界一だと信じていた。
       しかし実際はその熱さにしても、こんな簡単に挫けるような、クソみたいな代物だったか……)」

数十万人からの罵声を1時間近くに渡り聞き続けた彼は、既にその熱さを失っていた。
数度のドリブルは、その全てがGKに届く事すらなく、途中で頓挫していた。

アヤソフィア「さーて。前線でボールキープし続けるのにも飽きて来ましたし、私も決めちゃいますかね!」

グワァァァッ、バシュウウウウッ! ――ギュンッ!

メオン「(ボールが一瞬ブレた! だが……)舐めるな、この程度なら……!」

バシイッ!

アヤソフィア「ありゃりゃ。ガッツリキャッチですか。上手く行くと思ったんだけどなぁ。
        (――でも、今の感触はきっと成功。次に機会があればきっと……!)」

530 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:26:54 ID:zHOLhdKs
――そして一方のコリンチャンスは、鈴仙の疲労もあってこれ以上の積極的な攻めは展開せず。
牽制半分にミドルシュートを撃ってきたアヤソフィアのボールがキャッチされるなどして、
たまにボールを奪われる事があっても、前述のようにしっかりと守備を固めた事により、
終始楽な試合展開を、後半開始から終了まで維持する事に成功した。
そのまま、長い後半戦も大きな見所が無く、刻一刻と時間が過ぎていき――。

クリムト「ダ・シルバ! 俺とワンツーだ! せめて最後に一矢報いようぜ!」

バシュッ……!

鈴仙「そうはさせない。――食らって、『アキュラースペクトル』ッ!」

ブウウン! ―――バシイッ!

クリムト「そ、そんな……! 後少しだったのに……!」

鈴仙「――ごめんなさいね。でも、私だって、勝たないといけないから……!
    (今の『アキュラースペクトル』の出し方は良かったわね。……自分の感覚として、しっかり覚えておこうっと)」

後半戦のロスタイムに、パスワークを続けていたグレミオが最後の特攻を仕掛けて来るも、
鈴仙は冴えわたるパスカットを発揮し、彼らの最後の希望を簡単に打ち砕く。
そして――。

531 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:29:48 ID:zHOLhdKs
……ピッ、ピッ。ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

メオン「(――終わった。何もかも……)」

鈴仙「(――終わった。ブラジル初勝利よ……!)」

鈴仙達コリンチャンスは、強豪グレミオを4−0で下すというこの上無い派手な方法で、
僅か一日にして恥知らずな草サッカーチームから、リオカップの優勝候補にまで上り詰めたのだった。


コリンチャンス 4 − 0 グレミオ 試合終了!



*鈴仙がパスカットフラグを回収。アキュラースペクトルの発動率が1/2になりました。
*鈴仙がドリブルフラグを習得。次に11以上で勝利した場合フラグを回収します。
*ゲーノスがタックルフラグを回収。「スピードタックル(+2)」を習得しました。
*アヤソフィアがシュートフラグを習得。次に11以上で勝利した場合フラグを回収します。

532 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:32:07 ID:zHOLhdKs
実況「試合終了! グレミオ、コリンチャンスにまさかの4−0で敗北!!
    グレミオは大会開始前は、名GKメオン選手を有する強豪チームとして語られ、
    かたやコリンチャンスはそもそも出場するのか自体が謎の弱小チームと信じられていました。
    が、結果はその真逆! コリンチャンスは鈴仙選手、アヤソフィア選手を中心に強者の余裕を見せ、
    一方でグレミオは当初の期待を裏切るような結果となってしまいました!!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」「ブウウウウウウウウウウウウウウウ!」
   「レーイーセン!」「レーイーセン!」「メオーン! 金返せー!」「グレミオは帰れー!」「私なら(えーりんが)取れたな」
   「コリンチャンス頑張れー!」「サントス戦も勝っちまえー!」「ダ・シルバー! 何が情熱だー!」「ですよねー」

エベルトン(観客席)「チッ。面白いのは前半の途中までだったな」

ネイ(観客席)「全くだよ監督。俺はレイセンのダブルハットを見たかったのに!」

エベルトン(観客席)「オメーは何を言ってるんだ。……まあ良い。どうせ帰ったらミーティングだ。
             コリンチャンス対策について、今の内にガッツリ検討しておくぞ」

――試合が終わり、一部の例外こそあれど、観客達は概ね二通りの反応を見せていた。
一つは鈴仙達コリンチャンスの勝利を称え、今後の活躍を期待する歓声。
そしてもう一つはメオン達グレミオの敗北を蔑み、 期待を裏切られた事に対する罵声。

鈴仙「――これが、ブラジルのサッカーなのね……」 

数十万の人間を収容したスタジアムには、幻想郷で観測した時とは比べ物にならない程の、
強い感情の波長が反響して増幅し、鈴仙の瞳へと吸い込まれていく。
そして、そんな有象無象の放つ波長と同じくらい強く、そして刺々しい感情を放つ存在が鈴仙の近くにいた。

メオン「…………」

鈴仙「(メオン君。試合前の威勢とは裏腹に、かなり精神的にやられてる印象ね……)」

533 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:34:20 ID:zHOLhdKs
グレミオのゴール前でいつまでも立ち上がろうとしない少年は、
全く予想だにしなかった現実を前に、正気を失っていた。
試合中は辛うじて保っていた緊張の糸が切れた今、彼は口をパクパクとさせたまま、
何か言葉を紡ぐことすらできずに打ちひしがれている。

鈴仙「(勝負とは言え、ここまでボロボロになってると、流石にちょっと可哀想かも。
    ――どうしよう、メオン君に何か声を掛けておこうかしら……?)」

A:「……いい試合だったわ。どうもありがとう」無難に声を掛ける。
B:「こんな冗談みたいなチームに負けた気分はどう?」試合前の挑発にお返しする。
C:「あんた達の技は凄かったわ。でも、熱さなら私の方が上だったと思うわ」熱さについて語る。
D:「………(よしましょう。今の彼に何を言っても、彼に対する侮辱にしかならない)」黙る。
E:「ところで、アンタのファンの中に、私の知り合いが居る気がするんだけど……」
F:その他 鈴仙に言わせたい事があればどうぞ


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

534 :森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:39:29 ID:YvZHW9Lg
F 「つい最近までーーあなたなんかより、ずっと弱くて臆病なウサギがいたわ」 自分の経験談を始める

535 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/21(月) 01:40:48 ID:???
……と、言った所で今日の更新はここまでにします。
本日も遅くまでお疲れ様でした。

536 :森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:41:04 ID:4c5VjnsU
A
ちっとも無難ではないような気がするが。今後の糧だ

537 :森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:42:47 ID:t16uOJVA
A

538 :森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:42:52 ID:Xs5quR+w
D

539 :森崎名無しさん:2016/03/21(月) 01:44:42 ID:pU+k0idw
F
「一度の敗退で諦めるなら、あなたも、ブラジルも、そこまでね。
次会うときは、少しはマシな男になってなさい」

540 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:07:26 ID:???
A:「……いい試合だったわ。どうもありがとう」無難に声を掛ける。

メオン「ぐっ……!」

黙っているには嫌にしても、気の利いた言葉は思いつかない。
かと言って洒落た皮肉を言う気にもなれない。
そうなった鈴仙は、彼に対してごく月並みな言葉を述べるだけに留めた。
無論、その月並みな言葉こそが彼の神経を逆撫でする事も知っていたが、仕方が無い。
不器用な鈴仙には、これ以上の良い選択が思いつかなかったのだから。

メオン「……貴様には、どうせ分かるまい」

――吐き捨てるように最後にそう言ったメオンに対し、鈴仙は「違う」と思った。

鈴仙「(私だって、一歩間違えればメオン君と同じような立場になっていた。
    ううん、それだけじゃない。きっとこれからも……いつ、私がこうなってもおかしくない)」

鈴仙にとって、敗者を弱者として切り捨てる事が難しかった。
弱い立場から成長して来た彼女自身、敗者の惨めな気持ちが良く理解できたからだ。
そうした感情は、森崎のような者にとっては単なる「弱さ」として一蹴されるかもしれない。
しかし、鈴仙は自分がメオンに対してそうした感情を見せた事を恥じる気は全く無かった。

鈴仙「(――中山さんは言ってくれた。そうした弱さこそが私の強さだって。
    それに、ルナティックスの皆も、そんな弱い私について来てくれた……!)」

何故なら、鈴仙はこれまでの道程で既に学んでいたからだ。
そうした弱さこそが自分の強さであり、
そんな自分を仲間として愛してくれる者は、自分の周りに必ず居るのだと言うことを。

541 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:09:07 ID:???
妖夢「……弱い」

――その一方で、ネイやエベルトンとは反対の方向で試合を観戦していた妖夢は、
熱狂冷めやらぬ観客席の一角にてそう呟いていた。
自身が所属するサンパウロFCでの試合を明日に控え、自由行動となったところ、
彼女は旧友たる鈴仙のブラジルでの初試合を観戦していた。

妖夢「(確かに鈴仙は、この試合派手なパフォーマンスを見せて活躍していた。
    だけど、肝心の基礎能力は、ブラジルで辛い修行を乗り越えたこの私に比べ、およそ2周りは劣る。
    メオンやダ・シルバのような二流選手は運よく圧倒できても、私達サンパウロにはまだ及ばない……!)」

そして、妖夢は鈴仙の試合ぶりに対して苛立ちを隠せなかった。
何故なら、彼女は自分と比べて明らかに弱かったからだ。
また、彼女はその弱さを隠す為の努力をしていないと妖夢は思った。

妖夢「(……弱くても良い、周りが助けてくれるから。
    ――もし貴女がそう思っているのなら、私は貴女と同じ道を選ばなかった事について、心底安心するわ。
    弱くても良いなんて、甘えに過ぎない。一つの道を歩む以上、人は強くなければならないのだから……!)」

ギリと唇を噛んで、妖夢はスタジアムを後にする。
これから彼女には、サンパウロFCでの正規の特訓に加え、
豊聡耳神子が掲げる『ハイパーカンピオーネ』計画のキャプテン候補たる為の、
非常に苦しくて辛い特別練習が待ち受けていた。

妖夢「行こう。私は、もっと強くならなくてはいけないのだから……!」

鈴仙と妖夢。互いに別れた二人の道は、決してもう交じり合わないかのように思えた。

542 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:10:22 ID:???
〜リオ・デ・ジャネイロ市内 ビジネスホテル〜

コーチ「いやー、良くやったの皆。まさかああも見事に勝てるとは思わんかったぞ」

――やがて、試合に初勝利したコリンチャンメンバー達は、
アヤソフィアの厚意で確保された宿泊施設の狭いレストランにて、ささやかな祝宴を挙げていた。

アヤソフィア「今日は私のオゴリです。好きなだけ食べて下さいね。
        ……宿泊客サービス用の、パンとスープとコーヒーしかありませんが」

鈴仙「それでもご馳走よ。いつもはカビたパンの耳とか、焦げたチーズの切れ端とか、
    最悪ゴミ捨て場から弁当を漁らないといけなかったんだから!」

アヤソフィア「……コリンチャンスの栄養状態は、想像以上に酷かったんですねぇ。
        バーしてたんですし、まかない料理とか作らなかったんですか?」

コーチ「鈴仙は料理がヘタじゃからのう。それに、わしらの店に来る連中も、
     料理よりも酒と酔える場所が欲しいって連中ばかりじゃったし。缶詰ばかりじゃったよ」

鈴仙「残った缶詰も、コーチが独り占めしちゃうし……ううっ」

コーチ「そうだっけな。……グヒヒ」

アヤソフィア「あはは……(この人達、私が資金援助しなかったら、どうするつもりだったんだろ……)」

アヤソフィアもまさかホテルを貸し切れる程の資産家では無いのだから、
祝宴をするにしても、他のお客の迷惑にならない程度に静かにしないといけない。
そんな囁かな環境ではあったが、食事会はそこそこに盛り上がっていた。

543 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:11:25 ID:???
鈴仙「――でも。今日の試合は上手く行って本当に良かったわ」

そして話題は自然に、先の試合から次の試合へとシフトしていく。
具体的には、第2試合の対戦相手である、サントスFCとの試合の事だった。

鈴仙「コーチ。次のサントスFCって、どんなチームなんでしょうか?
   チームがお金持ちで、最新鋭のトレーニング設備を有しているって事は分かりますけど……」

最初にブラジルに来た時、このサントスこそが自分の所属するチームと勘違いした事もあり、
そして何よりコリンチャンスには無い豊富な資金を持っている事もあり、
鈴仙はこのチームに対して嫉妬と羨望の入り混じる感情を抱いていた。
コーチは鈴仙の質問に対して深く頷き、こう答えた。

コーチ「――サントスFCは、わしらコリンチャンスにとって宿敵じゃ。
    それは、同じサンパウロ州内のチームである、という事は勿論じゃが……。
    なんせ、過去に国の陰謀でコリンチャンスの資産が没収された際にも、
    その影にはサントスの若社長に対する厚い便宜があった事と聞いている」

鈴仙「サントスの若社長? それがどうして?」

アヤソフィア「成程、私には分かりますよ。
        要するに国は、当時のコーチさんが率いた不穏分子・コリンチャンスを潰すと同時に、
        当時から政府寄りだった新興企業の社長が居るサントスに対し、援助をしたかったんですね。
        親政府の企業が富めば、国も税収が増えるし、色々便宜を図れるし、良いこと尽くめですから」

鈴仙「……また、そんな黒い話になるのね。楽しみである筈のサッカーを、政治の道具みたいに……」

コーチ「――私がかつて、サッカーで世界平和を望んだように、サッカーで世界征服を望む者だっている。
    ……そうした意図自体を否定する事は、少なくとも私にはできないな」

久しぶりに医師らしい口調で言ったコーチの話を聞くに、
コリンチャンスとサントスにはそう浅くない因縁があるようだった。

544 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:13:03 ID:???
アヤソフィア「背景は置いといて、チームとしてもグレミオとは比較になりませんよ。
        FW・MF・DFそれぞれに強力なタレントが居る上に、
        その全員が、今日戦ったメオン君やダ・シルバ君以上の実力の持ち主です。
        しかも、脇を固めるメンバー達も、金を活かした科学的トレーニングのお蔭か、
        グレミオは勿論、我々コリンチャンスの無名選手達以上の実力者であると聞きます。
        ――更にこれに、新しい助っ人が2名加わると聞いてますから。
        今日みたいな気分で試合に出ちゃうと、ボロ負けする事請け合いです」

そして、アヤソフィアが語ったより具体的な――戦力的な面での解説も脅威だった。
元々、今日の試合にしても、ダ・シルバやメオンの調子がもっと良ければ。
自分の調子がもっと悪ければ、どうなっていたのか全く分からないのだ。

鈴仙「(サントスFC……金と陰謀が蠢く、モノクロの巨大魚。
    彼らに勝つためには、今の私達の力だけじゃ、きっと足りない)」

鈴仙の想いは自然に、自分と同じ『プロジェクト・カウンターハクレイ』の新チーム、リトルウイングズの一員として、
世界各国で修行を続ける仲間達へと向いていた。

鈴仙「(前に聞いた魅魔さんの話だと、第一陣の修行が終わるのが今頃の筈。
    ――一体誰が、どんな成長をして、私達の所に来てくれるのかしら……?)」

次の試合は、鈴仙と(選択によっては)アヤソフィア、
そして新たに鈴仙に合流する、リトルウイングズのメンバーを交えての試合となるだろう。
――今日の感覚で、慣れたと思ってはいけない。
鈴仙は新鮮な気持ちでこれからの日程に備えるよう、自分自身に言い聞かせる事にした。

545 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:14:24 ID:???
〜同日同時刻 リオ・デ・ジャネイロ市内 サントス専用練習場〜



ディウセウ「なぁザガロー。本当に良かったのか、コリンチャンスの試合見なくってさー」

ザガロ「全く問題は無い。奴らウサギ共の手など、とっくに割れている」

――その頃。サントスFCはコリンチャンスの存在など全く気に留めずに、
リオカップ用に借り上げた小規模なスタジアムで練習をしていた。
彼らはキャプテンである巨漢CB・ディウセウの号令の下、基礎的なドリブルやパス、瞬間移動等、
サッカーにおける実戦テクニックについて、種々の最終確認を行っている。

ザガロ「メオンを相手に3得点。そこそこ以上のストライカーではあるようだが……俺には勝てんさ」

そして、ディウセウを補佐しながらそう不敵に言い放ったのは、精悍な体つきをした金髪の青年。
サントスの副キャプテンにしてエースストライカーである、マルシオ・パッソス・ガザロだった。
彼は立場上は副キャプテンであったが、サントスの関連企業である鰻の空輸事業において
莫大な利益を上げる若社長でもあったため、上層部に対する発言力を持つのは彼の方である。

ザガロ「俺達はコリンチャンスの馬鹿共から金を巻き上げ、その金で最新鋭のトレーニング設備を兼ね備えた!
     クラブハウスにある重力トレーニング機やメディカルマシーンの素晴らしさは、お前も百も承知だろう、ディウセウ?」

ディウセウ「たしかに重力トレーニングはおもしれぇよなー。
       オラ、こないだ漸く100倍重力下で『キャノンヘッド』撃つのに成功したぞ!」

ザガロ「……つまり、最新装置を粉々にしたのは貴様だと言う事か。まぁ良い。
     俺達には無限の金がある。金がある限り、俺達サントスは無限に強くなる」

ディウセウ「うっひょー。まだ強くなれんのか。オラ、ワクワクしてきたぞ!」

546 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:15:39 ID:???
ザガロは短気な性分であり、逆にディウセウはマイペース過ぎる。
そんな彼らが何故かくも親し気な間柄なのかと聞かれれば、二人には大きな共通点があった。
それは飽くなき力への欲求。勝利を目指す思いの純粋さ――そしてそれ故の狂気さだった。


ゴゴゴゴゴ……。


ザガロ「――おや。そう言えばもう、約束の時刻だったか」

――そして、彼らは力を探求するが余り、決して解き放ってはならない者を、
このブラジルの地に呼び寄せてしまった。

ディウセウ「ようやくかー! でも、やっぱりつええ奴と一緒にサッカーできるって、ワクワクするな」

ザガロは時計で時刻を確認すると、チームメイトをベンチへと散らして、
空中に浮かぶ巨大な卵型の飛行機を見てニヤリと笑った。

ゴゴゴゴ……ドーーーン!

やがて卵型の飛行機はスタジアムの中央に止まった。
卵の側面が開き、中から無数の関係スタッフがワラワラと出て来て、
ザガロとディウセウ達の前に大きな集団を作る。

??「――探しましたぞ、ザガロ社長」

暫くして、集団を掻きわけるようにして一人の選手が出て来た。
彼はゴールキーパーのジャージを着ており、片目に負傷を負った外見は、
一見壮年の男性にも見えたが、その実はザガロ達と同年代らしかった。

547 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/03/22(火) 00:17:39 ID:???


ザガロ「スウェーデン人だな」


ザガロは警戒を解かないまま、その男に対して言った。
男はザガロの質問を肯定する代わりに、恭しく膝を付き敬礼しながら、
その真意を隠した老獪な笑みを湛えて、こう自らの名を告げた。


ガレリ「――ガレリでございます」


――ザガロは。サントスFCは、この時まだ知らなかった。
彼らが助っ人として呼び出した悪魔により、リオカップが恐怖と破壊に包まれてしまう事を。




                                                〜鈴仙の章 その1 終わり〜 

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