キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/03/04(土) 00:12:29 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで世界を救う為に努力する話です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【ウドンゲ春の】鈴仙奮闘記38【天パ祭り】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1477741789/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠に並ぶ名選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
彼女は永琳の庇護下で実力を大きく伸ばし、幻想郷中の勢力が集まった大会でMVPを勝ち取った!

しかしその夜鈴仙は、自身の成長は永琳の計画であった事、その計画の副作用で
月に眠る大いなる厄災――「純狐」が八雲紫の身体を乗っ取り目覚めつつある事を明かされる。
そして、鈴仙は永琳に懇願される。「純狐」の純粋なる狂気を止めるべく、
次に紫が計画した大会――『幻想スーパーJr.ユース大会』に優勝し、世界を救って欲しい……と。

鈴仙は戸惑いつつも、永琳の願いを受け入れ、
幻想郷の秩序の変革を狙う新チーム・リトルウイングズの一員として、大会に優勝することを誓った。
その後、修行のため鈴仙は単身ブラジルに渡り、様々な困難や出会いを経験しつつも、
合流した反町一行の助力もあり、ブラジルサッカーの登竜門・リオカップの二回戦、サントスとの戦いに勝利した。

快進撃を続ける鈴仙達の次の相手は優勝候補の名門・フラメンゴ!
「アーサー」に対し謎の執着を見せるカルロスを筆頭とした強豪チームを相手に、
アルゼンチンでの修行を終えた佳歩達の合流があっても苦戦し、前半を1−2の劣勢で終える。
後半戦はてゐの本気、つかさの気合、そして佳歩の知略によって戦況は同点に押し返したものの、
フラメンゴの知将・サンタマリアが奥の手を発揮して……?
そして、カルロスとコリンチャンスのとあるメンバーとの間に隠された大きな秘密の正体は……?

131 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/19(水) 22:58:23 ID:???
今日は描写だけで短いですが、ここまでにします。
鈴仙の章は次回か次々回くらいで一旦中断で、仲間の章に入ると思います。

132 :森崎名無しさん:2017/04/20(木) 00:37:15 ID:???
乙でした

133 :森崎名無しさん:2017/04/20(木) 20:08:47 ID:???
カルロスが割と空気だった

134 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/20(木) 23:47:13 ID:???
鈴仙「……辛勝、だったわね」

佳歩「だけど、勝ちは勝ちです。私達、次に進めるんですよ!」

力強い佳歩の言葉に押され、鈴仙もまた改めて勝利を実感する。
そしてそれは、態度こそ三者三様であれこそ、他の鈴仙の仲間達も同じだった。

反町「(勝った。俺も、ゴールを挙げる事が出来た……!)」

穣子「なんだかサッカーが上手くなった気がするよ、お姉ちゃん!」

静葉「けれど、未熟さも目立ったわ。まだまだ特訓は欠かせないわね」

てゐ「う〜ん、折角だからもうちょい活躍したかったかなぁ」

つかさ「(チルノ……彼女がやってみせたような猛烈なプレーに、私はまだ追いつけてない!)
     もっと、熱くなるぞおおおおおっ!!」

アリスさん「(私のボールくん……誰にも渡さないわ……ウフフ……)」

アヤソフィア「……くだらない」

……しかし、最初から今まで自身を「鈴仙の仲間」と認めない彼女だけは違っていた。

鈴仙「――なんだか不満そうね。前の試合の時からそうだったけど」

未だ見えぬ思惑のまま、コリンチャンスに入団し鈴仙と共にサッカーを続ける女性。
アヤソフィア・シェマリーは、辛辣な表情で観客席とフィールドを見比べている。

135 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/20(木) 23:49:20 ID:???
アヤソフィア「別に。ただ……そうですね。虚しいな、って思いまして」

鈴仙「虚しい……?」

しつこい鈴仙に対し、彼女は普段のようにおどける事もなく、淡々と語り始める。

アヤソフィア「……強者は讃えられ、弱者は容易く排斥される。
        しかし、その強者と言えども永久に愛されず、次の強者が現れると排斥される。
        そんなの、虚しいって思いませんか? ……残酷だって、思いませんか?」

鈴仙「ちょっと意外。あんたって、そういうのを喜んでそうだと思ったのに」

アヤソフィア「ええ。昔は好きでしたよ。だけど……何だか色々あって、考えが変わりましてね」

自嘲気味にアヤソフィアは笑ってみせる。普段の底の見えない営業スマイルとは違う、
彼女自身の本心がそこにあるようだった。

アヤソフィア「それより。私と違って優しくてトモダチ沢山の鈴仙さんはどう思います?
         遊戯であれ、社会であれ同じ。弱者は強者に蹂躙され、強者は弱者に堕ちる事を怯える。
         お優しいアナタなら、私の発言を理解できるのではないですか?」


136 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/20(木) 23:50:25 ID:OcKsSqhQ

鈴仙「(こいつ……いきなり何を言ってるの? でも――あいつは嫌らしい言い方だけど、
    一応真面目に、私の答えを聞きたそうにしてる……ような気がする。
    ここは、真面目に答えてあげるべきなのかしら?)」

アヤソフィアの虚無的な問いかけに対し、鈴仙は――。

A:「弱肉強食。それが世の中でしょう? 今さら何を言ってるのよ」
B:「そうね。でもだからこそ、弱者は努力し、強者は自分を律する事が出来ると思うの」
C:「そうね。でも……仲間がいれば、そんなに辛いって気分はないかな」
D:「私はサッカーで世界を平和にするの! だから私に任せりゃ、そんなの無問題だわ!」


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

137 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/20(木) 23:52:02 ID:???
今日の更新はここまでにします。
>>132
乙ありがとうございます。
>>133
カルロスはこれから見せ場がある予定です。

138 :森崎名無しさん:2017/04/20(木) 23:54:35 ID:TNRegumg
B
乙なのです!

139 :森崎名無しさん:2017/04/21(金) 00:11:11 ID:???

「大したことない」の流れも今となっては懐かしいね……
どんなものでもいずれ廃れる、でも今も動いてるスレがある喜びを今は最大限に噛み締めよう
酔っぱらい懐古の乙ですー

140 :139:2017/04/21(金) 00:12:44 ID:EVqxDjI6
下げちまったよ、お恥ずかしい……
改めてB

141 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 00:24:25 ID:???
すみませんが、今日は疲れたので更新をお休みします。
東方新作の日焼けしたチルノから日焼けした来生的な何かを感じたのは私だけでしょうか。
日焼けしたチルノの正体は、実はアルゼンチン出身のチルノのそっくりさん説を推しておきます
>>138
乙ありがとうございます!
>>139
乙ありがとうございます。
射命丸が案外大したことなかったのももう3年以上前になりますね…
本スレが終わった中、ここで外伝を書き続けるのも中々しんどいのかもしれません。
語りたい事は色々ありますが、やっぱりそれは作中で書きたいので、もう暫くは動いていたいと思います


142 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:42:11 ID:???
B:「そうね。でもだからこそ、弱者は努力し、強者は自分を律する事が出来ると思うの」

鈴仙「……あんたの言ってる事は、間違いじゃないよ」

鈴仙は自分なりに誠実に考えながら、アヤソフィアに対する答えを紡いでいく。

鈴仙「私だって、最初は強くなかった。だから色んな人にバカにされてたし、正直悔しかった。
    だけど……だからこそ。バカにされたくない。胸を張れる自分になりたいって思う事ができた」

アヤソフィア「ほう。それであなたは、胸を張れる自分になれましたかな?」

鈴仙「そりゃあ、まだまだよ。前に幻想郷であった大会では活躍できたけれど、
    あれはゴールじゃないし。それでも、昔よりは生き生きとしてる自信はあるけどね」

アヤソフィア「それは何よりです。強者への撞着か、あるいは嫉妬か。
        それが弱者を努力させる原動力である事は間違いないですからね。
        しかし、その後はどうです? 仮に強者になろうとも、それは安寧の地ではない。
        表面上は華やかな礼賛を受けるでしょうが、その裏、常に自身を脅かす者の存在を恐れなくてはならない。
        そして、もし一度でも失敗してしまうと、「案外大したことなくね?」など、
        これまでの礼賛をひっくり返して余りある程の罵倒を受ける。……あなたは、それを耐える覚悟がおありだと?」

鈴仙「うーん。これは私がまだ強者になってないから、単なる理想論かもしれないんだけど。
    私は、あんたが言ってる、礼賛とか罵倒ってのは。逆に、自分を律する為に役立つかなぁ、って思うの」

アヤソフィア「自分を律する……?」

鈴仙「強いからこそ、自分を磨き続けたい。強いからこそ、失敗しても、泣かずに強く前を向きたい。
    強いからこそ、自分を活かしてくれる仲間や周囲の人達に感謝したい。
    あんたが言うような、力を失う怖さがあるからこそ。人は、常に前に進められると思うんだ」

143 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:43:21 ID:???
アヤソフィアの考えと、鈴仙の答えはまさしく正反対と言えた。
力を求める事への虚無感を訴えるアヤソフィアに対し、虚無があるからこそ前に進めるという鈴仙は、
些か前向き過ぎるかもしれない。しかしそれは、決して場当たり的な発言ではなく。
力を得る事に悩みながらも、常に前へと進み続けた親友にして恩人達――中山やパスカルの考えを引き継ぎ、
それを昇華してみせた、今の鈴仙だからこそ言える、実体の籠った言葉だった。

アヤソフィア「……はぁ」

しかし。そんな鈴仙の熱も、……今のアヤソフィアには届かない。
彼女は小さく溜息をついて、いつもの軽薄そうな笑みを取り戻しながら、

アヤソフィア「――鈴仙さんに同意を求めた私がバカでした。
        忘れてました。あなたが底抜けののんき者だったって事を」

鈴仙「な、何よ……! 折角、人が真面目に考えてあげたのにその言い方!」

アヤソフィア「いえいえ。鈴仙さんが強い人だというのは、私も良く分かりましたよ。
        『底抜けののんき者』は、素直じゃない私なりの、一種の褒め言葉ですから。
        そして……改めて分からされました。私が、弱い人だって事をね」

フフ……と、小さく、そして自嘲的な笑い声を立てる。

鈴仙「……弱くても、いいじゃない。これから、強くなっていけば良いのよ」

それに対して、鈴仙はやっぱり手を差し伸べたいと思った。
この少女は、何か、自分には分からない事を追い求めている。
けれど彼女の目的に、自分も協力できるのではないか。……そう感じられたのだ。しかし。


アヤソフィア「――いいえ。無理です。私は、あなた方と同じ道を進む事はできません」


144 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:44:54 ID:???

しかし、アヤソフィアはそれをハッキリと、明確に拒絶する。

鈴仙「――どうして、そんな事が言えるのよ? 単にサッカーで失敗して、
    『射命丸って案外大したことなくね?』ってバカにされた挙句、ブラジルに左遷されただけでしょ?」

アヤソフィア「やめろォ! ……コホン。まあ、正直ここまで言って私が正体を隠す必要性も無いんですが。
        ……ですが、私の場合、それ以外の事情や理由もあるんです。
        私がこのブラジルに来て。そして、アヤソフィアの名を名乗っている事にも、意味があるのですよ」

鈴仙「? それって、どういう……?」

???「ちょっと待ってくれ!」

――その理由を説明するべく、これまでの馴れ合い染みた正体隠しを捨ててでも、アヤソフィア――いや、射命丸文が、
全てを語り出そうとした時。意外な乱入者が現れた。

カルロス「……深刻な話をしている所、申し訳ない。しかし俺は、貴女に一つ、確認したい事があるんだ」

フラメンゴのキャプテンであるカルロス・サンターナ。彼はチームメイト達から離れると、
恐らくボールくん絡みで何か勘違いをしているアリスさんの脇を通り過ぎ、
鈴仙とアヤソフィアの会話に割り込み。……彼は、アヤソフィアの顔を見つめると、彼女にこう尋ねた。

カルロス「君は……いや。あなたは。小さい頃、俺とサッカーで遊んでくれた、『アーサーお姉ちゃん』なのか……?」

鈴仙「あ、アーサー……お姉ちゃん?」

145 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:46:41 ID:???
カルロスは良く「アーサー」という存在に執着していたとは、サンタマリアを始めとするフラメンゴメンバーの弁であるが、
その「アーサー」とはどのような少年であるかは、メンバーの誰もが知らなかった。
しかし――違ったのだ。カルロスにとっての「アーサー」は、自分と同年代の少年では無かった。

アヤソフィア「10年近く前になるから、年齢的なトコで誤魔化せると思いましたが。やっぱり無理があるわよねぇ……」

彼女はそう独り言ちながら、これまでとはまた種別の違うシニカルな笑みを浮かべつつ。
――暗に、カルロスの突拍子も無い発言を認めてみせた。

アヤソフィア「私は過去、外界の調査の一環で海外――ブラジルに滞在していた時期があったんです。
        ――その時は、今とは少しだけ違う名前を名乗っていたんですけどね」

そこで一旦間を置き、アヤソフィアはカルロス。そして鈴仙とを交互に見比べる。
もしかしたら、彼女は彼らに真実を語るべきか、最後の逡巡をしているのかもしれなかった。
――果たして。アヤソフィアは再び口を開き、全てを語り始めた。




アヤソフィア「……当時の名は、アヤソフィア・アントゥーナ・コインブラ。
        今から7年前。とある貧しい老人の養女として、私はこの子――カルロス君に出会いました」




                                                 〜鈴仙の章 その3 終わり〜 

146 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:51:00 ID:???
鈴仙の章その3終了時の能力値
選手     ド パ  シ タ  カ ブ せ  総  高/低 ガッツ フラグ
鈴仙    55 ..54 55 52 52 47 53 ..368 3 / 4  990  ―――
反町    53  55 55 53 51 49 54  370 4 / 4  870  ドリブル、パス、スカイラブ
静葉    54  53 51 55 53 50 50  366 3 / 2  830  (特殊スキル)
穣子    50  49 48 55 53 56 51  362 3 / 3  880  タックル、競り合い
アリスさん .57  54 .52 54 56 52 50 .375 3 / 3  800  タックル、ブロック、特殊スキル
佳歩    56  55 56 50 54 47 49  367 2 / 3  850  ドリブル、タックル、パスカット
てゐ    55  56 54 51 54 45 48  363 2 / 3  810  パス、シュート、競り合い、アシ○、コンビプレイ(鈴仙)、OT
つかさ   51  46 50 53 51 56 51  358 2 / 3  850  ブロック

147 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:52:05 ID:???
   鈴仙
※所持中のフラグ:ドリブル(15/20)、低シュート(10/20)、タックル(10/20)、アリスさん操作(特殊)
ルナティックブラスト(1/4でドリブル+4)
ラビットスターター(1/4でドリブル+2、吹飛2)
マインドシェイカー(シュート+5、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))160消費 
マインドブローイング(シュート+7、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2)、吹飛5)200消費
マインドエクスプロージョン(シュート+9、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2)、吹飛2、常時使用不可)250消費
マインドスターマイン(空シュート+4、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))200消費
マインドベンディング(近シュート+5)120消費
インビジブルデューパー(シュート+12、要てゐ(※)、1/4で失敗)250×2消費
真実の友情(シュート+14、要佳歩、てゐ(※)、ポスト・枠外無効)250×3消費、1試合1回限り
 ※発動の起点はてゐ。発動には(佳歩と)てゐと鈴仙がゴール前まで上がっている事が必要。
リフレクトバレット(低シュート+6、要パスカル、200×2消費)
玉兎スルー(スルー+3)150消費
月人師弟コンビ(パス+2の連続ワンツー、要永琳)60消費
タイガーバニーシンフォニア(パス+2の連続ワンツー、要星)80消費
マインドストッパー(1/4でタックル+3)
アイドリングウェーブ(1/4でタックル+2)
アキュラースペクトル(1/2でパスカット+2)
スキル・狂気の瞳(全判定につき、スート一致時で敵能力−2)
スキル・心象操作(自分が反則時の判定1段階緩和)
スキル・足が速い(細かい判定で有利になるかも?)
スキル・オフサイドトラップ(前線へのスルーパスを1/2でオフサイドにできる)
スキル・フェアプレイ精神(鈴仙は反則を犯さず、代わりに鈴仙が反則の条件を満たした場合−3のペナを負う)

148 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:53:37 ID:???
     反町
毒々しいドリブル(1/4でドリブル+2)
トリカブトパス(パス+2)60消費
オオゼリパス(パス+3)80消費
毒の空と乙女の心(パス+2の連続ワンツー、要静葉、穣子)100×3消費
強烈なシュート/ヘディング/ボレー(1/2でシュート+2)
アキュラシーシュート(シュート+4、ポスト無効)120消費
スコーピオンドライブ(シュート+8、ポスト無効)250消費
ポイズンヘッド(高シュート+4)
トクシックインパクト(低シュート+4)200消費
ポイゾナスオーバー(低シュート+6、吹飛5)250消費
ネオポイゾナスタックル(1/4でタックル力+3)
ポイゾナスタックル(1/4でタックル力+2)
スキル・秋ジスタ(9月〜11月限定でスキル・ファンタジスタを得る)
スキル・オータムスカイラブ(オータムスカイラブの土台になれる)
スキル・ポイゾナスセンス(反町のパス時(ワンツーは含まない)、敵の人数補正に−1)
     静葉
落葉ターン(1/4でドリブル+4)
ダスクフォーリンパス(パス+3)80消費
フォーリンパス(パス+2)60消費
毒の空と乙女の心(パス+2の連続ワンツー、要静葉、穣子)100×3消費
落葉シュート(シュート+5)160消費
無回転落葉シュート(シュート+7)200消費
オータムスカイラブハリケーン(空シュート+5、要土台)200×2消費
秋の大三角(空シュート+8、要穣子or静葉&ゴールバー)300×2消費
オータムスカイラブタックル(任意でタックル+5、要土台)150×2消費
ロストウインドロウ(1/2でタックル+2)
フォールカット(1/2でパスカット+2)
オータムスカイラブパスカット(任意でパスカット+5、要土台)150×2消費
オータムスカイラブブロック(任意でブロック+6、要土台)150×2消費
オータムスカイラブクリアー(任意で空クリア+3、要土台)150×2消費
スキル・オータムスカイラブ(オータムスカイラブの土台になれる)

149 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:54:55 ID:???
     穣子
※ブロック成長限界
山神キープ(1/4でドリブル+3)
毒の空と乙女の心(パス+2の連続ワンツー、要静葉、穣子)100×3消費
オータムスカイラブハリケーン(空シュート+5、要土台)200×2消費
秋の大三角(空シュート+8、要穣子or静葉&ゴールバー)300×2消費
ウォームカラーハーベスト(1/2でタックル+2)
オヲトシハーベスター(1/4でパスカット+2)
オータムスカイラブタックル(任意でタックル+5、要土台)150×2消費
オータムスカイラブパスカット(任意でパスカット+5、要土台)150×2消費
オータムスカイラブブロック(任意でブロック+6、要土台)150×2消費
ロイヤルスイートポテトルーム(1/4でブロック+8)250消費
スイートポテトルーム(1/4でブロック+6)150消費
ポテトルーム(1/4でブロック+4)100消費
オータムスカイラブクリアー(任意で空クリア+3、要土台)150×2消費
スキル・オータムスカイラブ(オータムスカイラブの土台になれる)
スキル・丈夫な身体(必殺ブロック発動時、吹き飛び・負傷無効)

     アリス
プリズムターン(1/4でドリブル+4)
都会派なドリブル(1/4でドリブル+3)
頭脳的なドリブル(1/4でドリブル+3)
アーティクルサクリファイス(パス+2)60消費
ドールミラセティ(パス+2の連続ワンツー、要上海or蓬莱)80×2消費
ひとりドールミラセティ(パス+2の連続ひとりワンツー)160消費
アーティフルドライブ(シュート+8)250消費
ドールズ・ウォー(低シュート+5)250消費
トリップワイヤー(1/4でタックル+2)
ムーンサルト上海(1/4でパスカット+4)
上海人形カット(1/4でパスカット+3)

150 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 21:56:37 ID:???
***これより第2回目の仲間の章へと移ります。遊びたい仲間のシナリオを選択してください***

×:佳歩、てゐ、つかさの章(アルゼンチン編)→攻略済み!
  ストーリー:永遠亭の仲良し兎、佳歩とてゐとつかさの三人は異国の地でパスカルと再開し、懐かしい思い出を語り合う。
         しかし、パスカルが持つ、ディアスの「相棒」としての覚悟は彼女達の想像を超えていた。
         そんな中起こった「偽ディアス異変」を乗り越え、三人がそれぞれ選んだ「道」は……。

B:パチュリー、慧音の章(イタリア編)
  ストーリー:世界最高のレジスタと世界最高のカティナチオマステリーを目指し、
         それぞれやって来たパチュリーと慧音。彼女達の任務は弱小チームを「戦術」で優勝させる事。
         「理想」と「現実」の間で揺れ動きつつ成長する二人だったが、豊聡耳神子の魔の手が迫り……。

C:星、ナズーリン、にとりの章(メキシコ編)
  ストーリー:「ヒューガー」のメキシコ進出により、メキシコシティの街の「貧富の差」は決定的となった。
         空中に浮かぶ豪奢なプレート都市と、その下で排気ガスにまみれるスラム街。
         「平等」を夢見る大富豪・寅丸星は、反ヒューガーテロ組織の一員・河城にとりと再会し……。

×:反町、秋姉妹、アリスさんの章(フランス編)→攻略済み!
  ストーリー:反町達が転入したフランスのサッカースクールでは、もうすぐ「文化祭」のシーズンがやって来た。
         学級委員の反町は、個性的なクラスメートの意見を纏め上げ、何とか祭りを成功させようと試みる。
         しかしどうやら、秋姉妹の二人の中にはもっともっと大事な問題があって……? アリスさんの「未来」はどっちだ!

E:さとり、お燐の章(イギリス編)
  ストーリー:ロンドンで精神科医となった古明地さとりは、その能力から、一流の「探偵」としても街で一目置かれる存在となった。
         そしてそんなある日、彼女はかつての戦友・矢車想と「運命」的な再開を果たす。
         しかし、それは地獄に満ちた、謎の連続「凌辱」事件の幕開けだった……。


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

151 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 22:03:33 ID:???
射命丸文コインブラ説
・幻想郷最速→コインブラのドリブルスピードも最速
・人気キャラであり、色んな作品に出てくる 文:文、花、風、天(自機)など コ:2、3、4、5(負傷中)
・ライバル兼親友的なキャラがいる 文:はたて コ:カルロス
・文→アヤソフィア→あやそふぁー→あぁそぁー→アーサー→アルツール

…と、言ったところで今日の更新はここまでにします。

152 :森崎名無しさん:2017/04/22(土) 22:04:25 ID:hEvlBWTM
C

153 :森崎名無しさん:2017/04/22(土) 22:09:10 ID:zqV/YZ36
E

コインブラ「なにぃ!?」
乙なのです

154 :森崎名無しさん:2017/04/22(土) 22:15:13 ID:UXB8iq9E


155 :森崎名無しさん:2017/04/22(土) 23:07:28 ID:???
自分が最強だと思い「勝利請負人A」を名乗る=天狗になる

156 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/23(日) 22:54:29 ID:???
さとり・お燐の章が選ばれたので、次回からはイギリス編になります。
イベント量については、前にアナウンスした通りに削減して、
オープニング・成長イベント1回→試合→エンディング
と、いった流れになります。

今日はプロットを練ったりデータを確認したりするので、更新をお休みします。

>>153
アルツールくんにも出番がある予定です。
>>155
アヤもアルツールもAなのがポイントですね。
・コインブラの総合力は最強→天狗だから人間離れした能力値なのは当然
とかもあります。

157 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/25(火) 00:18:33 ID:???
今日は仕事が忙しかったので、更新をお休みします。


158 :森崎名無しさん:2017/04/26(水) 00:23:37 ID:???
さとりさんはイギリスで探偵かあ……

となると公園や市街地での戦闘や銃撃をかいくぐって、
「シンロヲ キタニ トレ!」とか
「レイセンフントウキッテ オモシロイ スレ ナンダッテ?」
みたいな会話を集めてヒマワリ団に蹴りこみに行くんですね分かります(トーチワキ脳)

159 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/26(水) 00:55:31 ID:???
今日も仕事が忙しく、またさとりの章のオープニングは文量がありそうなので、お休みします。
代わりに屁理屈推理スレのTIPSを少しだけ更新しました(ステマ)
>>158
心が読める探偵って上手く考えれば面白いミステリー作れると思います。(上手く作れるとはいってない)

160 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/27(木) 00:07:53 ID:???
文章が書きあがらないので、更新をお休みします。
金曜〜土曜には更新できるようにしたいです。

161 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/29(土) 23:51:06 ID:???
E:さとり、お燐の章(イギリス編)
  ストーリー:ロンドンで精神科医となった古明地さとりは、その能力から、一流の「探偵」としても街で一目置かれる存在となった。
         そしてそんなある日、彼女はかつての戦友・矢車想と「運命」的な再開を果たす。
         しかし、それは地獄に満ちた、謎の連続「凌辱」事件の幕開けだった……。


〜オープニング〜
−イギリス・とあるお屋敷−

「……犯人が分かりました」

――我らが小さな探偵様の一言により、その場におわします紳士淑女の皆さんはたじろいだ。
それも当然だ。名士を集めた饗宴中に殺人事件が起きたってだけでも大事だったのに、
たまたま流れ着いた謎めいた少女がそんな事を言い出したら、誰だってビビるに決まってる。

「さとり様。そりゃ一体どういう事で?」

かの有名なワトスン君よろしく、探偵の助手を務めるあたいは、
この場においてもっとも探偵の助手らしいサポートをしてやる。
具体的には、探偵の発言があまりにも突飛で、かつ早急過ぎたために驚く演技をしてみせた。

「無理ですよ。だって、さっき聞き込みをした時に分かったでしょう?
 この屋敷にいる18人には誰も、屋敷のご主人を殺す事は出来なかったんですよ。
 そしてこの屋敷は山奥の森の中にある。電話はつながらないし、続く大雨で車やヘリの類も行き来不可。
 にも拘わらず、全員のアリバイが証明できてる! あとついでに殺害現場は密室だった!
 なのにどうして、犯人が分かったって言うんです!?」

我ながら素晴らしい説明口調である。しかしこうして書面にしたためている立場としては、
物語の序章というさして紙面を割くべきでないシーンに長文を書いてはいられないのだ。
一々聞き取りシーンを再現してもいられない。

162 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/29(土) 23:52:20 ID:???
「簡単な事です。犯人は事前に、遠隔殺人の為のトリックを仕込んでおいてあったのですよ。
 殺害現場にあった濡れた跡と糸の切れ端。あれは氷を使った、時限式のトリックに使われていた道具だったのです。
 そして、そのトリックが仕込まれた時間、アリバイが無かったのは1人しかいない。そう。あなたです」

見た目は子供な探偵はそう言うと、無表情のままにびしっと群衆の中の一人を指さした。

「使用人のハン=ニンダさん。あなたが、屋敷のご主人さんを殺したのですね?
 ……貴方とご令嬢との、隠れた恋愛を認めてくれなかった腹いせに」

「そ、そんな……何故俺があのクソジジイを殺したって分かったんだ! 完璧なトリックだった筈なのに!」

そうすると、指差された犯人は明らかに狼狽して、言わなくても良い事を口走る。
そして、そう。今だと言わんばかりに、さとり様はこう言い放ったのだ。

「……人間の心理は、思いの他ロジカルに出来ています。
 私はただ、その場にあった手掛かりから、論理的に貴方の心を想像してみただけですよ?」

「ぐううっ……!!」

……そして、この状況を知っているあたいは、このさとり様のドヤ顔に対して言ってやりたい。
言わなくても分かってるだろうけど、それでもなお、言ってやりたい。


――さとり様さぁ……。それって単に、犯人の心を読んだだけでしょ?


163 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/29(土) 23:53:58 ID:???
すみません、選択肢まで書ききれなかったので、キリの良い所で今日は一旦ここまでにします。
今回試験的にSS的な手法でなく、小説に近い感じの書き方をしてみようと思っています。(お燐の一人称)
読みづらい等ご意見頂ければ幸いです。

164 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/04/30(日) 23:56:43 ID:???
キリの良い所まで書きたかったのですが疲れたので、今日は更新をお休みします。

165 :森崎名無しさん:2017/05/01(月) 07:33:42 ID:???
更新お疲れ様です。
ハン=ニンダさんで笑ってしまったw

166 :森崎名無しさん:2017/05/01(月) 22:52:46 ID:???
途中で右手を鉤爪に替えて、鏡の間でさとりと決闘しそうな犯人の名前www

それはともかく、小説形式の文章表現による投稿は森崎板初かも?
私見となりますが、こういう文の方が感情移入しやすいので、大変ありがたいです。

ただ心情描写などや状況説明などはより細かく多くの文章を必要とします。
下手をするとガス欠の自動車にターボエンジンを取り付けるような事態になりかねませんので、
どうか無理だけはせず、状況次第で元に戻しても、私は一向に構いません。

長くなりましたが、作者さんお疲れ様です。よろしければこちらもどうぞ。
ラムネ
手羽先


167 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/01(月) 23:56:15 ID:???
更新再開します。
>>165
ありがとうございます。ハンさんの名前はイヌカマッセ共和国程度しか考えてないです。
>>166
ラムネと手羽先ありがとうございます。
一人称で名前を出さない以外の描写量はこれまで通りで考えてまして、小説というかラノベな感覚です。
その例えで言うとガス欠の自動車から降りて、気分転換にチャリを漕いでみよう、という程度の感覚です。
最近は普通に忙しくて帰りが遅かったので更新できなかったですが、モチベは割と復活してます。

168 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/01(月) 23:57:25 ID:???
*****

こんな感じで、あたいことお燐と、優雅なる我が主君・古明地さとり様の地底コンビは、イギリスで探偵稼業に勤しんでいます。
つっても今の世の中探偵だけで食ってくのも難しいから、表向きは精神科医とそのナースって事で通ってるけどね。
しっかし外界の人達も難儀だよねぇ。旧地獄や幻想郷以上に便利で安全な生活してるクセして、自分で死ぬ人の多いこと多いこと。
これならまだ旧都の方が安全な都市であると言えちゃう……のは言いすぎか。鬼とエンカウントしたら割と死ねるし。
とまあ、それはさておき。

「今回もさとり様の名推理が光りましたね」

仕事のできるあたいは早速、一事件を解決した名探偵に向かってお世辞を述べるのだが。

「『心読んでチートしてんじゃねーっすよwww超常能力で犯人探しのどこがロジカル()なんすかwww
 ノックス先生が腹抱えて大爆笑っすよwwwwwwさとり様マジぱねェwwwwww名探偵()wwwww』……ですか」
「あ。やっぱバレちゃいました?」
「当たり前でしょうが! むしろ良く分かってて見え透いたお世辞をつけるわね、あんたは。……ま、別に良いけど」

さとり様は、いつもの如く不機嫌そうにムッツリしていた。
外向きには敬語を絶やさず礼儀作法を熟知し、育ちの良さが垣間見えるさとり様だが、
ペットや妹など、身内に対しては割とこんなもんである。
だけど、あたいはこっちのぶっきらぼうなさとり様が好きだ。実はすっごく優しいし。

「はぁ……。しかし今回は単にお客さんからパーティに招待されただけだったのに。
 なんでイギリスについてから私達ってこう、行く先々で殺人事件が起きるのかしら」
「それはミステリーものの必然ですぜお嬢様。探偵ってのは一種の嫌われ者だ。
 なぜって、探偵さえ居なければ、凄惨な殺人事件など起きなかった筈なんですからね」
「……嫌われるのには慣れてるから、良いけどさ。それにしてもあんたはいつも楽しそうね」
「ええ。そりゃあ愛すべきご主人様の右腕としてお役に立てるから――」
「――『イキの良い死体が出て来たら、あわよくば持ち去れるし役得役得☆』……ですか」
「うぎゃっ。で、でもまだやってませんよぉ! まだやってないからセーフですよぉ!」
「あんたが外の世界で騒ぎを起こしたら、巡り巡って主人の私の責任にもなるんですからね。
 本当に、余計な事はするんじゃないわよ?」

169 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/01(月) 23:58:35 ID:???
はい、心得ておりますとも。そう心の中で頷いて納得したのか、会話は一旦途切れる。

「あの……コメイジ、さま?」

――しかし、そんな時である。犯人を縛り上げて一息ついたその他の登場人物のうち一名が、
さとり様にしずしずと声をかけてきたのだ。

「あら。貴女は確か……」
「メイドのジャクリーンです。捕まったハンの同僚でした」

そういやそんな奴いたな。登場人物の多い推理小説だと、誰が誰だかわからなくなって、いっつも登場人物一覧に戻っちゃうんだよなぁ。
このメイドのジャクリーンなんて、殺害発生時の犯人のアリバイ証明くらいの仕事しかしてない気がするし。

「コメイジ・サトリさま。あなたのご活躍はかねがねお聞きしております。そして、本日の殺人事件においても、
 貴女は素晴らしい推理を見せて下さいました。そこで私は、貴女に依頼したい事があるのです」
「依頼……ですか」

なにィ。そういうパターンもあるのか。曲がりなりにも殺人事件が起きた場で次の依頼ってのも急展開過ぎる気がするけど。
しかし、生計を立てて行くためにも、あたい達はえり好みをする立場でない事も明白だ。
さとり様はそれを承知で、黙ってメイドのジャクリーンの話を聞く。

「ええ。私の依頼と言いますのも……実は、私の「本来の」依頼主から、内々に仰せつかったものなのです」
「はァ、本来の?」

さとり様は相変わらずいつものじとっとした無表情を貫いている中、あたいは思わず素っ頓狂な声を上げる。
なんだ、このメイド。下働きに出ている中で、本来の主人から内々に言伝があるだって?
ちょっと不自然にも程があるんじゃないか。でも、それは織り込み済みだったらしく、メイドは続ける。

「――実は、私がこの屋敷でメイドをしていたのも、潜入調査の一環だったのです。
 この屋敷の主人と、私の本来の依頼主とは対立関係にあり、その動向を見張るため。
 そして同時に、……コメイジ・サトリ。貴女の探偵としての力量を図る為でした」
「……へぇ」

170 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:00:15 ID:???
さとり様は気持ち悪く唇を歪ませる。これでもシニカルに笑っているつもりらしアイタタ足を踏まないで下さい。

「貴女は、この屋敷で事件が起きる事を予測していた。……とでも言うつもりですか?」
「はい。……とはいえ、まさか殺人にまでつながるとは想定外でしたが」

痛みで顔をしかめるあたいを無視して、さとり様はメイドとの会話を続けている。
ある程度で、メイドはこれ以上の説明は充分だ、と言わんばかりに肩をすくめ、そしてさとり様にこう言った。

「……それで。コメイジさま。貴女は、私の依頼を受けて下さるかしら?」

それは、メイドに似合わぬ高慢で挑発的な態度に見えなくもない。
そして、こんな無意味に偉そうな態度は、さとり様の嗜虐心をくすぐるのに十分だった。

「――およそ人に物事を頼む態度ではありませんね。おとといいらして下さい。
 もっとも一昨日は休診日でしたけど」

古明地さとりの好きな事は、自分の方が優位だと思ってる相手にNOと突きつけて云々。
要するにひねくれものなさとり様は、当然の権利の如くにその依頼を断る。
……あーあ。別に引き受けてても良いのにさ。お金周り良さそうだし。

「そうですか。それならば仕方ありませんね。――それでは」

しかし、さとり様もさとり様だったが、このジャクリーンたるメイドも大概であった。
何故なら彼女はさとり様の拒絶を見るやいなや、おもむろに室内に置いてあったボールをひっつかみ、
思いっきり放り投げて――

171 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:01:24 ID:???
「――ハッ!」

バッ!グルウウウウウンッ!……バシュウウウウウウウウッ!

「は、ぇ、ぇええええぇぇぇ〜〜〜っ!?」

――ミステリーの雰囲気冷めやらぬこの洋館で、思いっきりオーバーヘッドキックをぶちかましてみせたのだ。
当然、至近距離から放たれたこの一撃にさとり様は避けられ……

「――はぁ」

……ない、ワケでもなさそうだった。

「まっさかこんな唐突に出てくるとは思いませんでしたけど。さとり様!
 あたい達の秘密特訓の成果、今こそ見せる時じゃないですか!?」
「そうね。どうせこんな展開になる事は、話をする前から分かっていたし」

さとり様は余裕の表情で、高く打ち下ろされたボールを眺める。
そして、猫背気味な小さな体を更に曲げると、パンチングに構える姿を見ながら――。
あたいは、さとり様と探偵稼業にやっていたトレーニングを思い出していた。

172 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:19:59 ID:???
【回想シーン開始】
〜オープニング成長フェイズ〜

選手名   ド  .パ シ タ  カ .ブ  せ  総  高/低 ガッツ
さとり    49  48 48 48 48 47 50  338 2 / 2  800 セーブ力52
所持中のフラグ:なし

〜必殺技・スキルリスト〜
とめます!(1/4でセーブ+2)
スキル・覚妖怪(PA内のシュートについてセーブ+5、一対一+5、読み違え発生しない)
スキル・一対一+3
スキル・想起(相対する選手の知り得る技をコピーして使用可。その技に使用するガッツの1.5倍を消費)

「さてと……私の能力はこんなものかしらね」
「意外です、さとり様……! サッカー、マジでやる気だったんですね」
「まあ、一応名目はサッカー派遣ですし……。それに、シャーロック・ホームズもスポーツ万能で、
 フェンシングにボクシング、そしてバリツにも堪能でしたからね。だったら私もサッカー位はできとかないと」
「さとり様ぁ。なんでオーディションにも行かず探偵稼業だなんて言い出したかと思ったけど……。
 まさか単に、探偵小説を読んで、ベイカーストリートに憧れただけだったなんて」
「そ、そんなつまらない理由じゃありません! だいたい私は探偵小説はそこまで好きじゃありません。
 ポーと、ドイルと、クリスティとクイーンとカーとヴァンダインとチェスタトンとバークリーをちょっとかじった程度で……」
「あーあるある。プロオタクにとってはにわか知識でも、一般人から見たら充分オタクっぽい現象っすね」
「ええいこの子はいちいちやかましいわね。とにかく、私が探偵業を始めたいのも、きちんとした動機からです!」

会話が若干脱線してるのはいつもの事なので置いておくとして。
さとり様が地霊殿の財を使って借り上げた仮の住まいには、ちょっとしたトレーニング場がある。
どういう訳かあたい達は、折角イギリスに来たにも関わらずプロチームに入る事もなく、
このトレーニング場にて修練を積んでいたのだった。主人の不純な動機で。

「ま、別にさとり様がサッカリンみたくあまーい恋愛小説が好きなのは周知の事実ですし良いですけど。
 それより、どんな練習をされる予定なんですか〜?」
「別に良いじゃないの恋愛小説くらい……。コホン。で、練習予定よね? ええ、勿論きちんと考えていますよ」

173 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:24:50 ID:P7pVNXkk
……だが、一応サッカーに対する熱意というか方針というのはきちんとあるらしい。
さとり様はこのイギリスで、このような選手になりたい、という意図を表明した。

☆さとりの練習コースを選んでください。
 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

A:地底のスーパーグレートゴールキーパーコース
  コース概要:安定したセーブ力を誇る、地底のスーパーグレートゴールキーパーを目指します。
          PA内における高いセーブ力は勿論の事、強力なフィジカルや一対一における読み合いの強さも活かせる、
          ハイクオリティなプレーヤーを目指し――「ひ弱なさとり様がフィジカルww」……ですか。聞こえてますよ、お燐。
  主な上昇能力:☆せりあい、セーブ力、ガッツ、必殺セーブ(自動発動・ガッツ消費無)

B:地底のスーパーがんばりゴールキーパーコース
  コース概要:爆発的なセーブ力を出せる、地底のスーパーがんばりゴールキーパーを目指します。
          フィジカルは覚妖怪としての能力があるから、二の次でも構わない。
          それよりも敵の必殺シュートをエレガントにふせ――「さとり様のガッツだと、すぐ息切れしますよ?」
          ……ですか。わ、分かってるわよ!
  主な上昇能力:☆セーブ力、ガッツ、必殺セーブ(選択発動・ガッツ消費有)

C:地底のスーパー読心ゴールキーパーコース
  コース概要:覚妖怪としての才能を最大限に生かす事を目指します。
          PA内における高い守備力は勿論、想起技を活かしたオーバーラップも出来るトリックスターに!
          ――「うーん。要するに基本的なGKは二の次、って事ですか?そりゃちょっとマズいんじゃ……」
          ……ですか。や、やっぱりお燐もそう思う?うーん……。
  主な上昇能力:セーブ力、せりあい、スキル(一対一、想起関係)、フィールダー能力

<参考:コース練習について>
・☆印は伸びやすい項目、△印は伸びにくい項目、?印は運で伸びが大きく変わる項目です。
 (能力値が高くなるにつれ、☆印が消える、△印が出来るなどが起き、伸び辛くなります。)
・コース練習では、能力値に加え、能力に応じた技の『フラグ習得・回収』も行われます。
・能力値の基準は大体、53くらいが世界でそこそこ、55くらいが世界でもかなり強い、
 57になると世界トップクラス(あるいはトップ)です。(能力値限界は57です)

174 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:26:09 ID:P7pVNXkk
――と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
今回よりコース練習回数は2回(オープニング1回、試合後1回)としたので、
その分全体的な伸びは大きくなる予定です。

175 :森崎名無しさん:2017/05/02(火) 00:26:43 ID:9vx61PvM
A

176 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/02(火) 00:27:54 ID:???
それとすみません、さとりのガッツですが、800ではなく700でした。
訂正してお詫びします。

177 :森崎名無しさん:2017/05/02(火) 00:34:42 ID:q/IaIhfQ


178 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/03(水) 01:23:47 ID:???
A:地底のスーパーグレートゴールキーパーコース

「まずはフィジカルを鍛える事にします。お燐、手伝って頂戴」
「えー。マジですか。良いですけど、腰とか肩とか、気を付けてくださいよね」
「私はおばあちゃんではありません。主人をからかうのもいい加減にしなさい!」

あたいはさとり様の命令に従って、基礎的なフィジカルトレーニングの補助をした。
正直、補助よりもその後町中のドラッグストアを巡って、
さとり様の腰とか肩とか用の湿布や膏薬を買い集めた方が大変だったと記憶している。
ともかく、その結果は確か――。

179 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/03(水) 01:26:29 ID:BmGTPNco
先着2名様で、

★さとりのせりあい特訓→ ! dice + ! dice =
 さとりのセーブ力特訓→ ! dice + ! dice =★
★さとりの最大ガッツ特訓→ ! dice + ! dice =
 さとりの必殺セーブ特訓→ ! dice + ! dice =★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

せりあい特訓→10以上でせりあい+4、スキル・とびだし+3習得
          5以上でせりあい+4、スキル・とびだし+2習得
          2以上でせりあい+3、スキル・とびだし+2習得

セーブ力特訓→10以上でセーブ力+3、パンチングの補正+1
         5以上でセーブ力+2、パンチングの補正+1
         2以上でセーブ力+2

最大ガッツ特訓→10以上でガッツ+100
           5以上でガッツ+75
           2以上でガッツ+50

必殺セーブ特訓→10以上で「とめます!」の発動率+1/2、威力+1
           5以上で「とめます!」の発動率+1/2
           2以上でフラグ習得


180 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/03(水) 01:32:23 ID:???
帰りが遅かったので、今日の更新はここまでです。
GW中は旅行とかの予定もあるので、あまり更新できないかもしれません。

181 :森崎名無しさん:2017/05/03(水) 07:09:25 ID:???
★さとりのせりあい特訓→ 3 + 3 =
 さとりのセーブ力特訓→ 3 + 3 =★

182 :森崎名無しさん:2017/05/03(水) 07:53:06 ID:???
★さとりの最大ガッツ特訓→ 3 + 2 =
 さとりの必殺セーブ特訓→ 4 + 2 =★

183 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 17:46:18 ID:???
帰って来たので、GW最終日ですが更新再開します。
早速ですが、さとりとお燐のスキルについて、数点修正をしたいと思います。

@さとりのスキル・覚妖怪を上方修正をします。
 具体的には、飛び出し値も+5することにします。つまり、

 旧:スキル・覚妖怪(PA内のシュートについてセーブ+5、一対一+5、読み違え発生しない)
     ↓
 新:スキル・覚妖怪(PA内のシュートについてセーブ+5、一対一+5、飛び出し+5、読み違え発生しない)

となります。
理由は、こうしないとさとりの飛び出し力が形骸化し、セーブ一択になってしまい面白くないかな、と思ったからです。
少し強すぎるかな?という懸念はあるかもしれませんが、
その辺りは成長適正(さとりは見た目からしてひ弱なので、フィジカルの伸びには限界がある)もあるので、大丈夫と考えています。
それでも、場合によっては再修正の可能性もありますので、ご了承ください。

Aお燐のスキル・サイドアタックを下方修正します。
  具体的には、ライン際で「ボール所有時のみ」全能力+2とします。つまり、

 旧:スキル・サイドアタック(ライン際に居る時、全能力+2)
     ↓
 新:スキル・サイドアタック(ライン際でボール所有時のみ全能力+2)

となります。
理由は、そもそもの発端が、私がスキル・サイドアタックの仕様を勘違いしていて、
第一部(全幻想郷大会編)では途中変更もどうかと思っていたのですが、
あれから時間も経ち、第二部で心機一転とした事から、もう一度本スレ準拠に合わせたいと思ったからです。
今後のフラグ取得により、ボール所有時以外でも全能力+2になる可能性があります。

184 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 17:54:48 ID:???
★さとりのせりあい特訓→ 3 + 3 =6
 さとりのセーブ力特訓→ 3 + 3 =6★
★さとりの最大ガッツ特訓→ 3 + 2 =5
 さとりの必殺セーブ特訓→ 4 + 2 =6★


*****


――バシュウウウウウウウウッ!

回想シーンは一旦終了。
ともかく、さとり様は眼の前にまで迫った謎メイドのオーバーヘッドキックに対して――。

「えいっ!」

バァァァァァッ! ……ガシイイッ!!

――って、言った具合にガッチリとキャッチしてみせたのだ。

「イギリスサッカーはフィジカルの強さがモノを言いますからね。予習済みです」

いやアンタ、イギリスサッカー的な特訓なんてひとつもやってないでしょ……ってなツッコミはあるけれど、
確かにさとり様はここに来てからのトレーニングで目覚ましい成長を遂げていた。
その中でもとりわけ成果を挙げていたのは、せりあいやら一対一を司るフィジカル能力である。
心を読む能力から、元々PA内においては屈指の実力を持つさとり様だったが、
これまではひ弱な身体が足を引っ張っている印象があった。しかし、フィジカルを鍛えた今は違う。

「そ、そんな……! 全力で放ちましたのに……!」

185 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 17:59:46 ID:???
ことPA内におけるプレー――すなわち、通常のセービングだけでなく、飛び出しや一対一において、さとり様は他の追随を許さない。
メタ的に言うと、さとり様のスキルはPA内における全守備行動に+5の補正を付ける。チートである。
んで、この+5ってのがどうチートなのって話だけど、具体的に言うと、某サイボーグ君の浴びせ蹴り(+4補正)よりも更に+1高い。
しかも、必殺技でも無いから追加のガッツ消費無しで、である。で、そのチート補正が一対一でも付く。しかも、決して読み外しをしない。
なので断言しよう。さとり様は間違いなく、PA内においては絶対的ゴールキーパーへと成長したのである。


*さとりのせりあいが+4されました。50→54
*さとりがスキル・飛び出し+2を習得しました。
*さとりのセーブ力が+2されました。52→54
*さとりのパンチングの補正が+4→+5になりました。
*さとりの最大ガッツが+75されました。700→775
*さとりの「とめます!」の発動率が1/4→1/2になりました。


186 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 18:01:40 ID:???

「本当に驚きましたわ。あんなにパワフルなプレーもできるなんて、人は外見によらないのですね」
「良く言われます。外見は大人しくていい子そうなのに、中身が性悪で台無しだって、うちの従者に」

悠々とボールを奪ったさとり様はあたいの事を睨んでいる。そんな事言ったかなぁ。よく思ってる事ではあるけれど。

「――それよりも、お燐。どうやらこの御方は、貴女の実力も確かめておきたいそうよ」
「え、ええっ? そんな事別に言って無くないですかぁ?」
「私には分かるのよ。あの女性の心が読めるのですから。……って、あんたなら、言わなくても分かってるでしょうに」

てな感じにノンビリと対岸の火事を眺めていたところで、さとり様がそんな無茶ぶりをして来た。
心を読める云々の形式的なやりとりを行い時間を稼ぐ事で、第二第三の殺人が起こり今の話題も有耶無耶に……
って良くある展開に賭けたけれど、現実世界でそんな小説みたく都合のいいことは起こらない。
つーかさとり様だって、最初はノリ気じゃなかったじゃん。あたいも道連れにするつもりだったら、そうはいきませんぜ。
――と、無視を決め込みたい気持ちもあったけれど。

「……………」

メイドが無言で放つ、ナイフのような鋭利な殺意を受けると、どうやらここは大人しく言う事を聞かないといけないようだった。
死体マニア的には、第二第三の殺人は歓迎ではあるけれど、自分自身が死体になるのはあまり好ましくない。
あたいもまた、ここイギリスの地で培った実力を発揮する事にした。
えーっと。そもそも最初にここに来た時のあたいの能力値は……。

選手名   ド  .パ シ タ  カ .ブ  せ  総  高/低 ガッツ
お燐    51  51 47 46 49 44 44  332 1 / 2  730
所持中のフラグ:なし

〜必殺技・スキルリスト〜
キャットランダムウォーク(1/4でドリブル+5)
キャッツウォーク(1/4でドリブル+3)
スプリーンイーター(シュート+5)160消費
スキル・サイドアタック(ライン際でボール所有時、全能力+2)

187 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 18:03:21 ID:47AHFvaE
って、感じだったよね。それで、実際にとった練習内容は……。

☆お燐の練習コースを選んでください。
 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

A:ザ・コラプション−サイドアタッカーコース−
  コース概要:元々得意だった、サイド際の攻撃力上昇に特化したコースだっけか。
          ドリブル、シュート、パス。この三点に絞って爆発的に強くなっちゃうよ!
          ……元々スカスカだった守備はとんでも無い事になりそうだけど。ま、別に良いよね?
  主な上昇能力:☆特殊スキル(サイド際の攻撃能力強化)、☆ドリブル、☆シュート、パス

B:ライ・イン・ピース−サイドバックコース−
  コース概要:サイド際の職人になるべく、サイドバックとしての能力も身に付けちゃうよ。
          元々の伸びしろもあるから、全体的に万遍なく能力を鍛える事ができそうかなぁ。
          ……器用貧乏?良いんだよ、サイド際では器用万能になれるから!
  主な上昇能力:☆特殊スキル(サイド際の守備能力強化)、☆タックル、☆パスカット、☆ブロック、ドリブル、パス、シュート

C:ビー・オブ・グッド・チアー−運び屋コース−
  コース概要:サイド際に囚われず、ボールを下から上まで運ぶ事に特化してみようっと。
          タックルやパスカットでボールを奪い、ドリブルやパスでボールを運ぶ。
          で、アシスト成立時、味方のシュート力を上昇させる。それに必要な体力も磨く。
          自分で決めたりブロックしたりは出来ないけれど、一定の需要はあるよね?
  主な上昇能力:☆特殊スキル(アシスト○)、☆ドリブル、☆パス、☆タックル、☆パスカット、☆最大ガッツ

<参考:コース練習について>
・☆印は伸びやすい項目、△印は伸びにくい項目、?印は運で伸びが大きく変わる項目です。
 (能力値が高くなるにつれ、☆印が消える、△印が出来るなどが起き、伸び辛くなります。)
・コース練習では、能力値に加え、能力に応じた技の『フラグ習得・回収』も行われます。
・能力値の基準は大体、53くらいが世界でそこそこ、55くらいが世界でもかなり強い、
 57になると世界トップクラス(あるいはトップ)です。(能力値限界は57です)

188 :森崎名無しさん:2017/05/07(日) 18:31:01 ID:/5+JwZBA
A

189 :森崎名無しさん:2017/05/07(日) 18:39:25 ID:vVNLMEKA
B

190 :森崎名無しさん:2017/05/07(日) 18:55:20 ID:3hrstBP2
B

191 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 19:50:09 ID:47AHFvaE
B:ライ・イン・ピース−サイドバックコース−

あ、そうそう。幻想郷ではずうっとサイドアタッカーで活躍してたんだけど、
それだとちょっと融通が利かな過ぎかな?って思い直したもんで、
サイドバックとして必要なスキルの特訓をメインにしたんだっけ。
で、結果はどんな塩梅だったかというと……。

先着3名様で、

★お燐の特殊スキル特訓→ ! dice + ! dice =
 お燐のタックル特訓→ ! dice + ! dice =★
★お燐のパスカット特訓→ ! dice + ! dice =
 お燐のブロック特訓→ ! dice + ! dice =★
★お燐のドリブル特訓→ ! dice + ! dice =
 お燐のパス特訓→ ! dice + ! dice =
 お燐のシュート特訓→ ! dice + ! dice =★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
(結果表については次レス参照)

192 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 19:51:35 ID:47AHFvaE

特殊スキル特訓→10以上でスキル・サイドプレイヤー習得、スキル・サイドディフェンサーのフラグ習得
          5以上でスキル・サイドプレイヤー習得
          2以上でスキル・サイドプレイヤーのフラグ習得

タックル特訓→10以上でタックル+3、「火焔の車輪」習得
         5以上でタックル+3、「火焔の車輪」習得
         2以上でタックル+2

パスカット特訓→10以上でパスカット+3、「ゾンビフェアリーカット」習得
         5以上でパスカット+3、「ゾンビフェアリーカット」習得
         2以上でパスカット+2

ブロック特訓→10以上でブロック+3、「ゴーストブロック」、「ゴーストタウン」習得
         5以上でブロック+3、「ゴーストブロック」習得
         2以上でブロック+2

ドリブル特訓→10以上でドリブル+2、「キャッツウォーク」の発動率上昇
         5以上でドリブル+2、フラグ習得
         2以上でドリブル+1

パス特訓→10以上でパス+2、スキル・パス+2習得
         5以上でパス+2、フラグ習得
         2以上でパス+1

シュート特訓→10以上でシュート+2、スキル・シュート+2習得
         5以上でシュート+2、フラグ習得
         2以上でシュート+1


*お燐の能力については、特訓成果に上乗せで自動強化を行います。(能力が低い箇所の穴埋めメイン)

193 :森崎名無しさん:2017/05/07(日) 19:58:29 ID:???
★お燐の特殊スキル特訓→ 1 + 3 =
 お燐のタックル特訓→ 6 + 2 =★

194 :森崎名無しさん:2017/05/07(日) 20:08:32 ID:???
★お燐のパスカット特訓→ 4 + 1 =
 お燐のブロック特訓→ 4 + 6 =★

195 :森崎名無しさん:2017/05/07(日) 20:12:01 ID:???
★お燐のドリブル特訓→ 1 + 1 =
 お燐のパス特訓→ 3 + 6 =
 お燐のシュート特訓→ 2 + 6 =★

196 :森崎名無しさん:2017/05/07(日) 22:48:21 ID:???
よりによってドリブルがファンブルか

197 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 23:47:35 ID:47AHFvaE
★お燐の特殊スキル特訓→ 1 + 3 =4
 お燐のタックル特訓→ 6 + 2 =8★
★お燐のパスカット特訓→ 4 + 1 =5
 お燐のブロック特訓→ 4 + 6 =10★
★お燐のドリブル特訓→ 1 + 1 =2
 お燐のパス特訓→ 3 + 6 =9
 お燐のシュート特訓→ 2 + 6 =8★


……まあ、そもそもとして。
あたいの能力は、ハッキリ言って全体的に他の新チーム――リトルウイングズメンバーと比べても低い。
いくらサイドアタッカーとしての適性があるとは言っても、このままじゃ流石にベンチウォーマーだ。
というわけで、あたいは基礎的なコーチについてもさとり様にお願いしていたのだが――。

*補正として、お燐の全能力が+1されました。
*更に、お燐のブロック、競り合いが各+2ずつ上昇しました。
*更に更に、お燐のシュート、タックルが各+1ずつ上昇しました。

198 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 23:48:56 ID:???

「そうさね。じゃああたいはサイドバックとしての守備力とかを見せちゃおうかな」

――当然、それだけであたいが他の皆に追いつけてるとも思ってない。
だからこそ、あたいはイギリスでのサッカー修行において、新しい力を身に付けたのだ。
具体的には――。

シュッ! グルウンッ! ……バギイイッ!

「回転タックル……? これはまた、トリッキーな技を」
「基礎とか教科書は知らないよ。単に得意な動きをサッカーに取り入れただけさっ!」

――敵のドリブル突破を阻む、体全体を使ったローリングダイビングタックル・「火焔の車輪」。

バシュルルルル……!――バッ! フワァッ……!

「そーれっ、取っちゃいなァ。あたいの忠実なムクロ達よ!」
「本当に傘下の妖精を駆使して……!? って、訳では無いけれど。綺麗なパスカットですね」

――手下のゾンビ妖精との連携をイメージした二段ジャンプパスカット・「ゾンビフェアリーカット」。

バギュウウウウッ……!

「おおっ、来た来た。これこそがあたいの本領発揮だね!」

バッ! ババババババッ! ビュンッ!

「他の選手の影に隠れ、瞬間で飛び出すブロックですか。乱戦状態のコーナーキックでは、特に力を発揮しそうです」

――猫のように蹲って、そこから怨霊の如く天へと飛び出すブロック・「ゴーストブロック」。
およびその派生形である二段ゴーストブロック・「ゴーストタウン」。
SBでも通用する!……とまでは言い難いにしても、少なくともその基礎となる技の開発に、あたいは成功していた。

199 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 23:51:43 ID:???
*お燐がスキル・サイドプレイヤーのフラグを習得しました。
*お燐のタックルが+3されました。48→51
*更に、必殺タックル「火焔の車輪」(1/4でタックル+3、吹飛4)を習得しました。
*お燐のパスカットが+3されました。50→53
*更に、必殺パスカット「ゾンビフェアリーカット」(1/4でパスカット+3)を習得しました。
*お燐のブロックが+3されました。48→50
*更に、必殺ブロック「ゴーストブロック」(1/4でブロック+4、コーナーキックの時は+6)100消費、
  「ゴーストタウン」(1/4でブロック+6、コーナーキックの時は+8)150消費を習得しました。
*お燐のドリブルが+1されました。52→53
*お燐のパスが+2されました。52→54
*お燐のシュートが+2されました。49→51


――と、言ったところで今日の更新はここまでにします。明日は試合直前のイベントを書いていきます。
さとりとお燐の能力値について、ごちゃごちゃして分かりにくいと思うので、上昇反映後のものを次レスで掲載します。
イギリス編の試合はこの能力値で行って、試合後のボーナスについては再度同じように、
投票と判定で決めて頂く事にしたいと思っています。

200 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/07(日) 23:55:07 ID:???
【イギリス派遣メンバー 現時点での能力値】
選手名   ド  .パ シ タ  カ .ブ  せ  総  高/低 ガッツ
さとり    49  48 48 48 48 47 54  342 2 / 2  775 セーブ力54
お燐    ..53  54 51 51 53 50 47  359 1 / 2  730


〜必殺技・スキルリスト〜
   さとり
パンチング59、キャッチ56
所持中のフラグ:なし
とめます!(1/2でセーブ+2)
スキル・覚妖怪(PA内のシュートについてセーブ+5、一対一+5、読み違え発生しない)
スキル・とびだし+2
スキル・一対一+3
スキル・想起(相対する選手の知り得る技をコピーして使用可。その技に使用するガッツの1.5倍を消費)

    お燐
所持中のフラグ:サイドプレイヤー
キャットランダムウォーク(1/4でドリブル+5)
キャッツウォーク(1/4でドリブル+3)
スプリーンイーター(シュート+5)160消費
火焔の車輪(1/4でタックル+3、吹飛2)
ゾンビフェアリーカット(1/4でパスカット+3)
ゴーストブロック(1/4でブロック+4、コーナーキックの時は+6)100消費、
ゴーストタウン(1/4でブロック+6、コーナーキックの時は+8)150消費を習得しました。
スキル・サイドアタック(ライン際でボール所有時、全能力+2)

201 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/09(火) 00:44:39 ID:???
今日は仕事が忙しかったので、更新をお休みします。

202 :森崎名無しさん:2017/05/09(火) 22:34:48 ID:???
ベッカムとかボビーとかバンクスとか生えてこないかな

203 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/10(水) 00:20:36 ID:???
>>202
リアルサッカーは未だにサッパリです、すみません…
サッカーフィールドにビッグベンを生やしたり試合中にアフタヌーンティーをしたりはあるかもしれません。
そして今イギリスにもあまり詳しくない事に気づきました。すみません。

204 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/10(水) 00:21:50 ID:???


「成程。従者もしっかりと鍛えられているようですね。安心しました」

あたいとさとり様のプレーを眺めていた謎のメイド・ジャクリーンは、横柄な態度でぽんぽんと手を叩いている。

「……これで充分でしょう。それで、一昨日に時計を戻す準備はできましたか?」

人を煽る時のさとり様の横顔はいつも輝いている。どうやら心底、このメイドの依頼をおとといきやがれしたいようだ。

「――あら、そうですか。意外です。私、貴女は必ずこの依頼を飲んでくれると思ったのですが」
「でしたら、貴女は人を見る目がありませんね。私は原則、他人の提案にはとりあえず否定から入るようにしているので。
 というわけで貴女の話は聞きません。どうしてもと言うならば、一度事務所を訪れて……」

が。
うわぁ、それリアル嫌われ者あるあるだ。心読めるとか関係なしに嫌われるよ、この人……と、
あたいがいつも通りにさとり様の根暗っぷりに茶々を入れていた、その時だった。

「……えっ?」

さとり様の声が震えた。そして同時に、その目つきがいつもの余裕ぶったジト目から、怯えを見せる繊細な少女のそれに変わった。
その表情の変化を見たジャクリーンはニヤリと口を歪ませた。

「どうですか? 私の依頼……受けては、頂けませんか?」
「――成程。そういう、事ですか……」


205 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/10(水) 00:24:44 ID:???

さとり様の方も、いつまで経っても気圧されてはいない様子。
改めて心を読み取ったのか、彼女の意図と悪意を理解したようで、
今度は暗いながらも凛とした、真剣な視線をメイドに向けている。
そして、僅かにあたいの方に目配せしてから、こう言った。

「――分かりました。貴女の依頼とやらに乗りましょう」

わなわなと震えるさとり様の背中を見やる。それは相手に手玉に取られた事への屈辱だろうか。
心を読む術のないあたいには、あの方の本当の気持ちが分からない。
こんなにも近しくて、いつもは軽口を叩き合える中であっても、言葉が無いと完全に分かり合えないなんて。
何となく、疎外感を覚えてしまう。だから、

「――お燐。一度しか言わないからよく聞いて」

さとり様が純粋にあたいを信用して、恐らくあのメイドから読み取った情報を即座に小声で伝えてくれたのは嬉しかった。
訝しむ屋敷の住人達を尻目に、さとり様はこう続けた。

「あのメイドは私達を知っている者の変装です。彼女達は……、こいしの居場所を知っていると」
「そう……でしたか」

――最初から知っていた。さとり様が異国の地で探偵稼業を始めた理由。
それは、大会が終わってずっと行方不明だった妹様――こいし様の情報を少しでも得る為だって。
いくらなんでもイギリスには行ってねぇだろってツッコミもあるにはあるが、幻想と現実との境界が失われた今、
無意識に偏在するこいし様はヒトの存在するどの地点に居てもおかしくはない。
だから、あたいはここでは驚かない。驚いたのはこの次だった。戦慄を隠せないままに、さとり様はこう告げたのだ。


「彼女の依頼人は……かつて地霊殿の牢に住んでいた矢車君。
 そして――彼はどうやら、こいしに命を狙われているそうです」


206 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/10(水) 22:45:09 ID:???
今日は更新をお休みします。

207 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/11(木) 23:31:54 ID:???
今日は仕事がしんどかったので、お休みします。
モチベはあるんですが、最近平日は中々余暇が取れず、申し訳ないです。
最近はさとり様のペットになって甘々と暮らす妄想しながら寝るのが癒しな状況です(ぉ

208 :森崎名無しさん:2017/05/12(金) 00:19:03 ID:???
見た目は自分よりも幼い少女に絶対的に生殺与奪を握られる妄想は堪りませんよね、分かります()
参加者からしたら休む時にわざわざご報告を入れてくださるGMさんの誠実さに頭が上がらない気持ちなのでごゆっくり進めてくださいましー


209 :森崎名無しさん:2017/05/13(土) 22:22:01 ID:???
スレ主さんの前世は滝川一益だった可能性が微粒子レベルで存在する…?
(東方ネチョネチョ論争4分35秒辺りより)

210 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:34:30 ID:???
少しだけですが、更新再開します。
>>208
叶うならば二人きりの空間に閉じこもって共依存していたいですね(爆)
ありがとうございます。ゆっくり進めさせていただきます。
>>209
元ネタの動画知らなかったですが、やはりペット希望者は多そうですね…

211 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:35:45 ID:???

*****

−ヨークシャー・オーナーの屋敷−

「で、一体俺達はどうして集められたんだ? おい、主人が居るならさっさと出ろ!」

乱暴にそう吐き捨てて調度品に八つ当たりしているのが、
確かイングランド代表間違いナシとの評判の名FW・リチャードくんである。
この年にして既にリヴァプールにてプロデビューを果たしているとかなんとか。
イングランド特有のパワープレイと殺人タックル、そいでもって『ジェットシュート』なる必殺シュートが自慢らしい。
殺人タックルでめでたく死者が出た場合は、是非ともお裾分けしてほしいものだ。

「……落ち着け」

そう一言だけ告げて彼を制するのが、集まったサッカー少年少女の中でも飛びぬけてデカいロブソンくん。
ハッキリ言って、彼の発するオーラは、リチャードくんのそれとは比べものにならない。
あくまで国内ではトップクラスって感じのリチャードくんと違って、ロブソンくんのDFとしての実力はまさしく世界屈指。
彼が同じチームに居たんだったら、さとり様が用無しになるんじゃないか?ってくらいの能力は秘めてると思う。
次のユース大会では、イングランド代表のキャプテンに任命されるのが濃厚な雰囲気とのこと。

「うっひゃー、しっかし悪趣味な館だよねぇ? え? コレが本当にあのヨークシャーのオーナーハウス?
 なんだか知らないウチに随分と思い切った模様替えをしたモンで……」

全体的にテンション高めな感じの少年の名はテイラーというらしい。
彼は一同の中で比較すると若干物知り顔なのだが、それもそのはず、
彼が本来所属するチームはマンチェスター。今あたい達がいるここヨークシャーとは大体お隣さんなチームであり、
更に言うと、彼は1年前、ここヨークシャーからお隣マンチェスターに移籍になったとのこと。
色々と事情を知っているのは、本人が勝手にしゃべってくれるからであるけれど、
残念ながらサッカーの実力面においては目立つ話が無い。本人曰く、オールラウンダーなMFらしいが。

212 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:36:47 ID:???
「誰の性癖が悪趣味だと!? テメーも勝手に名前だけで人をロリコン扱いしやがるってのか!?」
「て、ぇええっ? オレ、そんな事言ってないよぉ!?」

そしてテイラーくんに雑に絡んでいるのがロリマーくん。名前のせいで昔から苛められており、
そのため性格にやや難ありな所もあるが、技巧派FWとしての評判は高い。
パワープレイはやや苦手そうだが、その代わりに編み出した『バウンドショット』の威力は高く、
得点王ランキングでは、如何にもな点取り屋のリチャードの後ろにピタリとつき続けている。

「しかし、豪華な顔ぶれだな。まるで次のイングランド代表が全員一堂に会したみたいだ……」
「っても、代表を狙えるタマじゃねー奴も結構いるだろ。お前の事だよ、トーマス!」

そして、その他にも恐らくイギリス全土から集まったらしい男子のサッカー選手が十数人。
実力的には数合わせ程度なんだろうが、一体どういう事だろう。この集まりは。



「ねぇ、さとり様。あたい達って確か、こいし様と矢車の手掛かりがあるってモンだから、
 このヨークシャー・サッカークラブの御屋敷に招かれたんですよねぇ?」
「ええ、そうね」
「しかし、いざ招かれてみると、どう見ても別の目的で集まったような奴らがワラワラいます。
 そして依頼人らしい矢車は姿を見せない。これは一体どういう事だと思いますか?」
「そうね……少し考えてみようかしら」

屋敷のホールに約20名が適当にブチ込まれてる状態でも、さとり様は余裕綽々な風貌だ。
実際はいろんな人の感情が勝手に入ってくるんだからしんどいと思うけど、そういう感情を外に出すタイプの方ではない。
だからあたいも敢えて深くは詮索せずに、ただ、有事に備えて動ける程度には気を配る。

213 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:40:55 ID:???
「私達はあのメイドに誘導されたのかもしれません。私の能力を熟知した上で、偽の思考を読ませ、
 それをエサに私達をここにおびき寄せる……。本当は、こいしも矢車君も関係が無かったのかもしれない」
「はぁ。で、そーなると一体あたい達はなんで誘導されたんでしょうねぇ」
「それはまだ分かりませんが。その理由が、今回の人選と関係があるのかもしれません」
「今回の人選……ですか。イングランド人で、サッカーが上手い少年達ってトコですかね?
 それを一同に集めた。その目的は、……何ですかね? コロシアイとか?」
「コロシアイならば、私達まで呼ばれる筋合いはありません。
 イングランド人から見たら見ず知らずの外国人少女2名を巻き込む理由がない」
「ってなるとじゃあ、やっぱり目的はなんかの事件解決ですかね。
 しかし、それは当初の依頼とは別な内容なのかも。たとえば、この中に殺人鬼が居て。
 それをさとり様の能力で炙り出すためとか」
「その可能性はあり得るわね。けれど、別の可能性としては――」

さとり様が次の可能性を言い出さんとする、その時だった。コツン、コツンと階段を下りる音が屋敷に響く。
銀髪で一切余分な仕草を見せない彼女の事を、あたい達は知っている。
そう、彼女は――。

「あいつ……なんでここに」
「シッ、お燐。今は相手の出方を伺うのが先決よ」

さとり様はそう制するも、このイギリスの地において、彼女の存在はあまりにも場違いだった。
悪魔の犬とも呼ばれ、本来の主に対して忠実な彼女が、こうして別の誰かの従者に成り下がるなんて。
これもまた何かの計略であるならば、一体どんな陰謀が渦巻いているのやら。そう混乱しつつある中で。

「みなさん、お待たせしました。わたくし、矢車様の御屋敷・地獄館に努めているメイドの、
 十六夜咲夜と申します。以後、お見知りおきよう」

――紅魔館のメイド長は、その主を変えつつも、以前と変わらぬ瀟洒さで一堂の前で挨拶をしてみせた。

214 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:44:55 ID:???
謎メイドの依頼を飲んでヨークシャーの屋敷にやって来たさとり。その屋敷にはイングランド中の名選手が集まっていた。
彼らが、そしてさとり達が集められた目的とは?その鍵は、先刻現れた元・紅魔館のメイドが握る!


……と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
急展開になりますが、次回更新では試合前の準備に入る予定です。

215 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 23:42:27 ID:???
今日は更新をお休みします。

216 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/20(土) 01:08:59 ID:???
ここ一週間仕事が大変で、更新できませんでした…
ゲームと違って現実は頑張ってもすぐには報われないですが、
だからと言って、自分自身にとって決して無意味にはならないと信じます。

217 :森崎名無しさん:2017/05/21(日) 00:03:00 ID:???
お仕事お疲れ様です

218 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/21(日) 23:30:49 ID:???
今日も更新をお休みします。明日以降も普通に忙しいので更新再開の目途は未定です…
来週くらいで一山超えれば、それ以降はまたノンビリ書いていけると信じて生きています。
>>217
ありがとうございます。これまではそうでもなかったのですが、
今年度に入ってからは仕事量がハンパ無いですね。
勿論もっと忙しい人は沢山いるんでしょうが、貧弱な私は日々を生きるので一杯一杯です(汗)
自分語り失礼しました。

219 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:11:53 ID:???
また大分間が空いてしまい、仕事も相変わらず忙しいですが、更新再開します。
霊夢スレさんが復活しましたね…。私にとって特に思い入れの深い外伝作品のひとつでしたので、とても嬉しいです。
読んでいると、初めて森崎板に来て外伝スレを読みふけっていた頃(たしか、初めて読んだ外伝作品でした)や、
拙作を始めた頃(大会ルールをパク…参考にさせて頂いてました)の思い出が蘇り、新たにモチベを貰いました。
更新速度は未だ保証はできませんが、また楽しんで書いていきたいと思います。

ただ、その更新速度が目下一番の問題という事もあり、
以前に続いてとなりますが、更なる削減要素として、

・仲間の章における試合を廃止(成長選択とストーリー描写は継続)

を、取りたいと考えています。

本来は世界のライバル達や幻想郷選抜勢との因縁や、
(特に旧ルナティックス所属以外の)仲間キャラに愛着を持たせる為、
オムニバスストーリーを検討していましたが、従前のような更新量をお約束できず、
また、やはり一番描写したいのは鈴仙の葛藤や成長についてなので、
より書きたい事に絞った形にて、更新を継続したいと思います。

期待して頂いた方にはすみませんが、その分残った箇所については、濃厚な描写に努めたいと思いますので、
引き続き読んで頂ければ幸いです。(もしご意見あれば、コメント頂ければ幸いです。)

220 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:13:06 ID:???
−登場人物紹介−

・矢車      困った人。死ぬと見せかけて犯人と見せかけてやっぱり死んでそう。
・リチャード   乱暴でいかにも第一の殺人で死にそうな人。
・ロブソン    寡黙で中々死ななそうだけど後半で死にそうな人。
・テイラー    軽薄で結構早めに死にそうな人。
・ロリマー    被害妄想持ちで死亡フラグを立て、中盤あたりで順当に死にそうな人。
・トーマス    影が薄いから犯人だと読者にメタ読みミスリードさせてから死にそうな人。
・モブの皆さん たしか他にも後十人位は居たかなぁ。あんま覚えてないや。
・咲夜さん    ヴァンダイン的に考えて犯人じゃないし大丈夫。
・あたい(お燐) 運送業者。
・さとり様     名探偵。
・こいし様    本当にいるのか分からんけど、とりあえず書いとけば伏線になるし書く。
・お空      折角だし、一緒にイギリス観光したかったなぁ。

221 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:17:29 ID:???

「最悪な登場人物紹介ね」
「え、そうですか。中々ロックで良いと思いましたけど」

地獄館の客室にて。あたいは備え付けのタイプライター(21世紀のこのご時世でwwwww)で、
今回館に招かれた人物一覧――いわば登場人物一覧をまとめていた所だった。
こんな感じで、助手役の手記を小説にしてるんんです、って体の方がリアル感が出てシビレるしね。
しかし、そんなあたいの小粋な気配りにも容赦なく冷や水を差すのが、さとり様なのである。

「まず、登場人物の紹介が適当すぎます。死ぬ順番について考察する暇があるなら、
 その人の所属とか過去の経歴とか、色々書くべき所があるでしょうが」
「いやー、でも別に所属とか興味あります? 読者はそいつらの所属よりも、
 『こいつはキャラ的にすぐ死ぬな』『こいつは犯人っぽいな、名前からして』とか、
 メタ的な推理に没頭しますよ? だから、あたいだって推理してもいいじゃないですかぁ」
「ダメです。第一読者だってそんな事されたらドン引きでしょうに……」

元紅魔館付きのメイドに案内された部屋は個室だったが、あたいの部屋とさとり様の部屋は隣同士だった。
この辺りは配慮してくれたのだろうか。本当は同室が良かったんだけどね。

「あと、登場人物紹介なのに、『モブの皆さん』っておかしいでしょう。紹介してないじゃないの」
「えー? でもこいつら実際事件と関係しないでしょうしー。無駄に人名が多くて、名有りが出るたびに、
 いちいち登場人物紹介に戻る作業ってめんどくさいじゃないですかぁ」
「うーん、確かに気持ちは分からなくもないですが……って、そんな問題じゃないでしょうに」
 というかそもそも、登場人物紹介に、登場してない人物を書くのはどうなの?
 こいしは……まあ、認めてあげるにしても。お空は絶対無関係でしょ。それこそ、読者さんが無駄にミスリードするじゃない。
 あんたのどうでも良い感想のせいで。お空が無関係でも関係あってもクレーム物よ」
「いやぁ。でも小説でも良くあるじゃないですか。冒頭に『 タケシ に捧ぐ』とか。そんな感じっすよ」
「じゃあ、そんな感じにしなさいよ。なんでわざわざ、登場人物紹介に書いて、読者に喧嘩を売りにいくのよ……」
「あっ、あと。さとり様の登場人物紹介、名探偵。ってのが個人的には傑作なんですけど。何ですかね、名探偵。って。
 もっと他に書くべき事があるだろ、って思いませんか?」
「殺人事件専門の名探偵だなんて、それこそ幻想郷の中にすら存在しないものね……」

222 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:18:39 ID:???
幸いにもまだ、不可思議な殺人事件も館の住人同士のトラブルも起きた気配はない。
だからか、あたいもさとり様も警戒しつつ、普段通りの軽口を叩ける程度には落ち着いていた。
しかしである。

「――それにしても。矢車君。本当に彼がこの館の主だったして……どうして、姿を現さないのかしら」

そもそもの問題として、恐らく一番大事な登場人物である矢車が、姿を見せていないのだ。
イギリスの地に空気を読まず建立されたおどろおどろしい闇の洋館・地獄館。
如何にも殺人事件起きて下さいオナシャス的な名称を持つ館の主が不在というのは、如何にも怪しい。

「推理小説とかだったら、既に死んでるとか。あるいは、あたいらの中に矢車がいるとか。
 そんな感じだったりしますよね。――あれ、そういえばさとり様。その背中のチャックは……?」
「背中にチャックはありませんし、あったとしてもそこから矢車君が出て来たりはしません。
 大体、それで出て来たら推理小説じゃなくて単なるギャグでしょ」
「そうですねぇ。あ、そういえばアレ無いですよさとり様、アレ! 平面図!
 屋敷で推理と言ったら平面図が無いとお話になりませんって!」
「あんたは本当にお気楽ねぇ……羨ましいわ」

さとり様ははぁと溜息をついて、部屋に備え付けられた椅子に座る。
その横顔は少しだけ疲れているように見えた。

「――やっぱ、地味に気にされてますよね。あのメイドが言った事」
「ええ。まあね。こいしが、本当にここに居て。そして、矢車君の命を狙っている……」

それは、さとり様を動揺させ、この館まで連れてこさせたメイドの持つ情報だった。
今にして思えば謎にしか思えないそのフレーズ。
こいし様が、このイギリスの地獄館に来ている?で、矢車の命を狙ってる?なぜ?何のために?どんな方法で?
クエスチョンマークしか見当たらない状況下で、いよいよあたい達はハメられたのかもしれないと真剣に考え始めた。
――勿論、答えなんて出ないんだけど。

223 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:20:12 ID:VGm+CJsU
「私達をおびき寄せる為の放言だとして。一体なぜ、そんな事をする必要があるのか。
 その答えが見えてこない以上、ハメられたかどうかについて検討する事は不毛よ、お燐」
「は、はい。そうですよね。結局、この館で何が起きるのか――それが見えないと、何にも始まらないっていうか」

しかし、こんな時はさとり様がとても頼りになる。
元々非常に賢い上、人の心を読んで分析する能力は間違いなくこうした状況下で役に立つ。
そしてあたい達もそう簡単に殺されたりするタマじゃあない。荒事には慣れてる。

コン、コンコン……

「失礼します。お食事の用意が出来たので、食堂へとお集まりください」

そんな時に、メイドの咲夜の声が聞こえた。気付けば時間は18時。
矢車が登場しないまま客室に連れられて、もはや数時間が経ってしまったわけだ。

「さっそく、酒を飲んだクズなイケメンが毒殺されたりしそうですけど……行きます?」
「……行くしかないでしょう。それこそ毒殺なら、私が未然に防ぐ事ができますし」

さとり様は力強くそう言った。確かに、心を読めるさとり様なら毒殺の心配はなさそうだ。
なぜって、誰か毒を持ったヤツが「(俺が混入した毒は誰が飲むかな〜ヒヒヒ)」的な思考をした段階で、
そいつをしょっ引く事が可能だからだ。世の探偵が真っ先に欲しがるチート能力がこちらにある以上、
あたい達の負けは100%ない。そう、これはぶっちゃけ、推理小説の皮を被った茶番小説なのだ。
華麗な物理トリックも仰天の叙述トリックもない。ただ、さとり様が犯人の心を読んで、終わり。
何の挫折もない俺TUEEE小説だ。あたいは犯人を捕まえて最後に、「流石さとり様ですわ」って言うだけの役。
ならば、一体何を恐れるべきだろうか?

「そうですね。あーもうあたいもお腹ペコペコ。美味しい ブリトー でも出ないかなぁ」
「そう言えば、最近食べていませんね。私は、 天ぷら蕎麦 が食べたいかしら……」

さとり様も咲夜さんや矢車、そしてこいし様の事で警戒はしているが、殺人云々についてまでは心配していないようだ。
あたい達はまたさっきのように軽口を叩き合いながら、主従仲良く二人で食堂へと向かう。
……しかし、あたい達はこの時気付いていなかった。今回の事件は決して単なる茶番などではない事を――。

224 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:25:08 ID:???
…と、言ったところで描写だけですが、今日の更新はここまでです。
明日は恐らく更新できず、平日の更新は相変わらず難しいのでスローペースになりますが、
ちょっとした事件編+解決編を入れつつ、さとりと矢車との描写をした、全4〜5回の文章更新+成長選択・判定で、
さとり&お燐の章は終わりにして、鈴仙の章パルメイラス編に入っていく予定で考えています。
本日もお疲れ様でした。

225 :森崎名無しさん:2017/06/04(日) 06:12:40 ID:???
GMさんならゲーム形式にしなくても十分にキャラの魅力を描けると思うので、個人的にはそこまで気にならないです
夜遅くの更新お疲れ様でした

226 :森崎名無しさん:2017/06/04(日) 14:25:35 ID:???
執筆乙です。
久しぶりの投稿で、大げさに言えば少し人生が明るくなったような気がします。
ここに確かに1人、作品を楽しみにしている者がいます。ありがとうございました。


サードアイ様への御夕食→ クラーケンのスープケンちゃんラーメン(新発売)
特定運送業従事猫様への御夕食→ アンキモブタようかん

一連の事件の顛末をゲーム化した「サトリピア連続殺人事件」
販売カセット数: 543
★対応ゲーム機  JOKER
JOKER→ヒューガー社発売の「タイガー」だ!( 68 台売れてるよ)
クラブ5〜K→漬物石言うな!SEGA MarkIII
クラブ2〜4→覚えている人いるかなあ……スーパーカセットビジョン
クラブA→……アルカディア  ガンダム・アラレ・ドラえもん「やめて!」
その他→ゲーム機の王様、ファミリーコンピュータ

227 :森崎名無しさん:2017/06/04(日) 15:22:44 ID:???
foodでクラーケンのスープなんて初めて見たな

228 :森崎名無しさん:2017/06/04(日) 15:50:39 ID:???
そしてJOKERの無駄遣い・・・いや無駄遣い?

229 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/10(土) 02:24:10 ID:???
相変わらず仕事が忙しいですが、若干余裕も出て来たので明日は更新できそうです。
>>225
コメントありがとうございます。本題はキャラの掘り下げなので、コンパクトながらも上手く描写したいです。
そう言って頂けると心強いです。
>>226
乙ありがとうございます。久しぶりの更新ですみません。
自分が楽しむのが最優先と言いつつ、ここまで長期化&更新速度鈍化となっても読んで下さるのはやはりうれしいです。
>>227
アントン・マテ茶 ってこんなに種類豊富だったんですね…いつかもう一度土がゆをお目にかかってみたいです。
>>228
タイガーって腕時計型ゲームとかですかね…(AVGN並感)
折角のJOKERなので本編中にも反映させたいです。

230 :226:2017/06/10(土) 21:19:49 ID:???
AVGNのtigerについての動画見てきました。


…な、なんじゃこりゃー!
ナードさんも怒る怒る、こんな物に時間と金を使わされた嘆き、「時代錯誤」「80年代」
とまで言わしめたゲーム内容への憤り、そんな物を作り続けてなお売れて続けていたという
世の中の奇怪さ……無縁塚に流れ着く前にスキマ送りにしてくれと、強く願ってしまいました。

ちなみに、私が226で投稿するまでのタイガーの空想形態は、電源を入れると
「がるるる」と吠えるゲーム機でしたwww

231 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/11(日) 00:23:24 ID:???
「あれ。食堂に人だかりができてますよ」

メイドの言う通りに食堂に向かったにも関わらず、あたい達は――いや、他の来客達もだ――、
食堂の入り口で立ち往生を強いられた。

「おい! 食事はどうしたんだよ!」
「何か不具合でもあったのか?」
「申し訳ございません。ですがこれも主様の命令でして。
 皆さまが全員ここに集まるまで、食堂には誰一人として通すな、と」

荒っぽい性格のリチャードくんが剣幕でメイド長に詰め寄っている。
が、彼だけがこの状況に怒りを覚えているわけではないようで、
冷静派のロブソンくんすらもが訝し気な態度を隠さないでいる。

「何かあったんですかね」
「さて。メイドの方も何も知らないようではありますが……」

さとり様はメイド長の思考を読み取ったようだが、そこからも特段の情報は得られない。

「なんなんだよ一体……! 毒でも盛ってるんじゃないだろうな!」
「落ち着けってロリマー。この屋敷の使用人はあのメイト長のお姉さん一人しかいない。
 ヤグルマとかいう姿を見せない主はともかく、一体誰が毒を盛るって言うんだ?」
「そりゃあ、今ここに居ない誰かが……」
「誰かって誰だよ? もしかしたら殺人鬼がここに潜んでるかもしれないだろ!?」

ロリマーくんは明らかに取り乱している。被害妄想っぽい所はあったけど、
普通に繊細で気の弱い性格なのかもしれない。
それに対してテイラーくんは、こんな中でも平常心を保っており、なんとなく頼れる感じだ。

「何か言い争いしているみたいだけど。たぶん、俺が来てこれで全員だったと思うよ」

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