キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】
1 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2017/11/05(日) 20:32:29 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで世界を救う為に努力する話です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。
☆前スレ☆
【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1500215667/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html
☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠に並ぶ名選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
彼女は永琳の庇護下で実力を大きく伸ばし、幻想郷中の勢力が集まった大会でMVPを勝ち取った!
しかしその夜鈴仙は、自身の成長は永琳の計画であった事、その計画の副作用で
月に眠る大いなる厄災――「純狐」が八雲紫の身体を乗っ取り目覚めつつある事を明かされる。
そして、鈴仙は永琳に懇願される。「純狐」の純粋なる狂気を止めるべく、
次に紫が計画した大会――『幻想スーパーJr.ユース大会』に優勝し、世界を救って欲しい……と。
鈴仙は戸惑いつつも、永琳の願いを受け入れ、
幻想郷の秩序の変革を狙う新チーム・リトルウイングズの一員として、大会に優勝することを誓った。
その後、修行のため鈴仙は単身ブラジルに渡り、様々な困難や出会いを経験しつつも、
イギリスで闇を乗り越えたさとり達の活躍もあり、リオカップの準決勝・パルメイラスに見事勝利した。
またその頃、イタリアではパチュリーと慧音が、互いにハイレベルな選手を目指すべく研磨を重ねていたが、
些細な事で対立。その時、慧音は一時ではあるが、豊聡耳神子の計画『ハイパーカンピオーネ』の一端に触れ、そして気付く。
これまで第三局として表だった対立を避けていた彼女達の陰謀が、今や決して無視できない物になっていると。
――そうした不安を抱きながらも、鈴仙達はいよいよリオカップの決勝戦、サンパウロとの対決に挑む。
サンパウロを牛耳る選手は、壊れた精神をサッカーで埋め合わせて蘇った怪物・大空翼と、
力を求め続け、ついには鈴仙とは真逆の道を進む事となったかつての親友・魂魄妖夢。
彼らの熾烈な攻撃を掻い潜り、コリンチャンスは前半戦途中で1−0のリードを得ており、一旦優勢ではあるが……?
789 :
森崎名無しさん
:2018/01/08(月) 16:27:05 ID:???
>鈴仙「(もしも昔聞いた噂が本当だとしたら、魅魔さんの実力は、先の全幻想郷選抜大会で戦った魔理沙以上。
もしかしたら、リオカップで戦った、ストラットや妖夢と比べても同格以上の選手って事になるけど……!?)」
ストラットと妖夢を同格に並べられると んん?ってなるんだがw
790 :
森崎名無しさん
:2018/01/08(月) 18:54:45 ID:???
失明してるってことは
狂気の瞳スキルだけじゃなくて
各種必殺技の態勢崩しも発動しないと考えるべきか?
791 :
森崎名無しさん
:2018/01/08(月) 20:36:13 ID:???
遅くなりましたが乙でした。
【目は見えぬが】鈴仙奮闘記42【前は闇ならず】
【闇の先の】鈴仙奮闘記42【光明】
【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】
792 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:09:38 ID:???
更新再開します。文章パートがまた嵩んでしまいました…
>>787
参加とスレタイの提案ありがとうございます!
>>788
スレタイの提案ありがとうございます!
>>789
能力値的には妖夢>ストラットなので、本来ストラットの方が格下な筈なんですが、逆に思えますね……(汗)
>>791
乙とスレタイの提案ありがとうございます!
793 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:12:18 ID:???
>>790
今回封印となるのは狂気の瞳スキルだけとして、必殺シュートについては弱化対象にしない方向です。
あまり弱くなりすぎると、今度は鈴仙がスタメン落ちしてしまいかねないので…。
ただ、バランスについては直前まで検討したい為、変更の可能性はあります。
794 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:13:36 ID:???
A:「私達の乗った列車は、途中下車できない。何があろうと、道を切り開いて進み続けましょう!」
鈴仙「――私達の乗った列車は、途中下車できない。何があろうと、道を切り開いて進み続けましょう!」
鈴仙は、自らを奮い立たせながら、こう言い切った。
しかし勿論、仲間達はそう言った鈴仙の内心は良く分かっている。
さとり「……鈴仙さん。別に無理はしなくとも良いんですよ。
私は戦いたいと思っていますし、それを、貴女に強制するつもりはありませんから」
文字通り心を読む能力を持つさとりは、鈴仙の内心に潜む大きな不安を理解しているが故に、そう優しく告げる。
てゐ「……本当にバカだよ、鈴仙。今の自分がボロボロなのにも気づいていないんだ。
そりゃあ、私だってこのままじゃ悔しいし、もっとこのチームで戦いたい気持ちはあるけどさ。
それでも、鈴仙が無理しっぱなしじゃ、何の意味なんて無いのに」
能力など無くとも以心伝心の相棒であるてゐもまた、鈴仙のその悲痛さすら感じる決意に異を唱えた。
鈴仙はそんな彼女達の想いを充分に汲んだ上で――、
鈴仙「…………誤解しないで。確かに不安な気持ちは本当だし、お家に帰って休みたい気持ちだってある。
でも、私は……それでも。このまま、逃げたくはないの。ただ、それだけよ」
繰り返し、そう思いを告げた。
佳歩「鈴仙、さま……」
つかさ「お言葉ですが……!」
鈴仙の言葉を肯定的に捉えて俯いた佳歩に対し、試合中以外は慎み深い性格のつかさは、声を荒げて反論した。
795 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:15:24 ID:???
つかさ「――鈴仙さまはこれまでも自らの為に。私達の為に、充分に戦いました。
その中で、負った傷を癒す事すらせずに、破滅するまで戦い続ける事が、本当に正しいのですか……!?」
鈴仙の決意を咎める者は、つかさだけでは無かった。
慧音「私も同感だ。鈴仙。もし君がここで戦いを止め、永遠亭で療養に入ったところで、それを逃げだと受け止める者は、
このチームの何処にもいない。それに、もしも外で君を脱走兵扱いする者が居たとしたら――。
その時は、この私がそいつらをなかったことにしてやる」
パチュリー「私達の乗った列車は、途中下車は出来ない。人は皆、それぞれに敷かれた運命という名のレールに従い、
前に進み続ける事しかできないのだから――。だけど生憎、私も貴女も人じゃないもの。
列車のガラスを割って、無理やり外に出ても良いし、何なら制御室に潜り込んで、エンジンを停止させてもいい。
その意志は素晴らしいけれど、ただの無鉄砲であるならば。私は貴女のマスターとして、無理矢理に途中下車して貰うわ」
チームメイトの中でも特に賢く合理的な二人は、鈴仙の非合理的な行動原理を必ずしも肯定的には捉えない。
星「……鈴仙。私も、出来る事なら貴女の光となり、貴女が望む限り、最後まで共に戦い続けたい。
かつて貴女が、ヒューガーにより困窮した私達を救ってくれた時と同じように。
ですが、もしも貴女が望まないならば――その時は、私もまた、共に戦いから身を退こうと思っています」
彼女達の正論を前にして、再び場が膠着するよりも先に、星は鈴仙の意思を再度確認するのだが――。
鈴仙「………(あれ? 私……今、そんなに、不安じゃないかも)」
――その時だった。鈴仙が、自分自身の精神が、更なるステージへと進んだのだと自覚したのは。
仲間達の暖かさに触れて、冷静な諫言に触れて、ごちゃごちゃとしていた自分の脳内がクリアになる。
鈴仙「(やっぱり。私は……戦いたいんだ。諦めたくないんだ……!)」
その思いは、かつての自分なら絶対に抱かなかった、ストイックながら純粋な感情。
中山との、パスカルとの出会いから1年を前にして。鈴仙は自分自身が大きく変わっている事をここに自覚できた。
796 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:16:34 ID:???
鈴仙「(これまでは。私は”がんばって”、”無理をして”、中山さんみたいになろうと思ってた。
強い選手として、キャプテンとして、皆を引っ張っていく必要があると思ってた。
でも……今の私って、そんなに、無理してないや)」
不安が全く消えた訳では無い。ただ、それ以上に戦いたい、道を切り開きたい気持ちが強いだけだった。
さとり「(……! 鈴仙さんの思考が、変わった……? いや、これは違う。本来の感情が表出したと言うべきか……)」
好都合な事に、そんな鈴仙の想いを寸分違わず認識し理解できる者も傍にいた。
心を読める覚妖怪のさとりは、鈴仙が表出させた強い感情を前に、驚きを隠せない。
てゐ「……(鈴仙。あのプライドだけはいっちょ前で、泣き虫でヘタレだった奴が、こんな顔するなんてなァ)」
いや。 覚妖怪でなくとも、分かっていた。今の鈴仙は、決して単なるハッタリやカラ元気で、
こんな前向きな発言をしているのではない、と。鍛えられた強靭な精神に基づき、そう断言しているのだ……と。
だからこそ、当初は鈴仙の発言に反発していた者達も、次第にその矛を収めていき――。
パチュリー「……あんたが単なるやすっちい自己犠牲精神や、単純なヒロイン願望でそう言ってる訳じゃないってのは、
もう充分分かったわ。分かった。私もあんたがそう言うなら、止めない。
でも、……無理は禁物よ。なんせ、全盲の選手が晴眼者と混じってサッカーをするなんて、
これまで見たどの文献にも無いんだからさ。何があっても、知らないわよ」
弟子を想う気持ちがある故か、最後まで鈴仙の参戦に反対していたパチュリーもとうとう折れる。
静葉「……相変わらず鈴仙は凄いわね。本当に、強い子になったわ」
にとり「(目が見えないのにサッカーするなんて狂気の沙汰だけど……。
でも、そんな事が出来るんだったら、どてっぱらに穴が空いたとしても、何とかなる気がしてきた)」
アリスさん「(こ、このままオドオドしてたら、鈴仙に置いて行かれちゃうわ! そうなると私のトモダチ100人計画が……!?)」
ナズーリン「鈴仙。……君は実に馬鹿だよ。あまりに馬鹿すぎるから……様子を見続けないと心配だ」
797 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:17:39 ID:???
また、かつてないハンディキャップを抱きながらも、純粋な闘志を滾らせる鈴仙を前にして、
戦意を喪失しかけていた仲間達も、次なる戦いについて各々思いを馳せる程の余裕を取り戻していた。
コーチ「――さて。これで決まりじゃの」
……紆余曲折がありながらも、再びチームとして魔界カップを戦い抜く事を決意した鈴仙達。
後ろで黙って話を聞いていた、コリンチャンスのコーチは軽く場を総括すると、
コーチ「……で。お主ら。これからどうするつもりじゃゾイ?
魔界カップ……とやらに出るのは良いとして。それまでの宿は?
そもそも魔界ってどこにあるんじゃ? 勿論、ワシゃ知ーらんぞ」
鈴仙「……う」
――これまで敢えて議題に挙げなかった、魔界カップまでの日々をどう過ごすか。
また、この世界とは別の異界である魔界への交通手段はどうするのか……という、
より現実的な課題を提示した。
てゐ「うーん。こういう時こそ、スキマ妖怪――八雲紫みたいな便利な能力持ちが居ればいいのになぁ」
穣子「だよねぇ〜。なんか私も、前々前世は紫さんが運転するバスで、
フランスやらブラジルやら旅行してた気がするよ」
反町「(どんな便利屋なんだ、八雲紫って言う妖怪は……?)」
幻想郷の管理者達や、それに対立する『プロジェクト・カウンターハクレイ』からも離れた今の鈴仙達は、
完全にアウトローな存在である。故に、自分達以外に資金面・管理面でチームをサポートしてくれる人物は居ない。
お燐「はぁ〜あ。さとり様、ここは地霊殿の主人らしく、ポンっとキャッシュで1億置いたりとかできないんですか?」
さとり「無理ね。地霊殿の管理は、旧都を取り仕切る星熊勇儀さん――本人は全幻想郷代表に選抜されて不在だから、
部下の鬼族達に委任してあるのだけれど、連絡を取る手段が無いもの」
798 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:18:50 ID:???
鈴仙達の中で、幻想郷の有力者とも言えるのは、古明地さとり位しか居ないのだが、彼女も即座に現金を用意できる訳ではない。
また、仮に現金があったところで、彼女には境界を操り空間を繋ぐような、便利な能力は持ち合わせていない。
――しかし、この金銭と交通面という切実な諸問題については、意外と簡単に解決しそうだった。
星「そこについては、私達――私と、ナズーリンと、にとりさんの、メキシコ派遣組に準備があります」
星が颯爽と自信に満ちた様子で、そう断言してくれたからだ。
鈴仙「……星。本当なの?」
ナズーリン「あまりにご都合主義で悪いけれど、ご主人の言っている事は本当だよ」
にとり「私の技術力も役に立ってるんだよ! いやぁ、やっぱり時代は文系よりも理系だよねぇ」
そして、星の自信を裏付けるかのように、彼女とメキシコでの修行を共にした二人が頷いている。
星「まず、当面の資産について。詳細はまた、今後語りたいと思いますが……。
私は、メキシコでちょっとした資産を築き上げました。
私達が数か月の間サッカーに打ち込んでいても、問題なく生活できる程度のものです」
ナズーリン「メキシコは貧富の差が激しい。その中でサッカーを続ける手段として……。
私達は、財宝を集めて発見する、自分達の能力を利用したという訳さ」
星もナズーリンも詳しくは語らない為、その資産を得る為にも後ろめたい事情があった事は、容易に想像できる。
しかし、彼女達の意思を汲んで、ここは追及するべきではないと鈴仙は思った。
星「次に、魔界へと至る為の交通手段ですが、……私は、これを持っています。
もっとも、長年使われていなかった為、暫くの間の修理やメンテナンスは必要となるでしょうが……」
にとり「そこについては、この私が責任をもって監修してるから大丈夫、ってなワケさ。
河童の発明王とも呼ばれる河城にとり様の監修だからね。期待してくれてて良いよ!」
799 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2018/01/09(火) 00:25:07 ID:???
逆ににとりの方は、何も考えずに胸を張り、皆に対して誇らしげに答える。
その表情を見るに、やはり彼女は技術者が向いているようだ。
鈴仙「財宝が集まるという天性の幸運と、それを見つける従者。
魔界への移動手段と、それを修理点検できる技術者。……確かに、駒は揃っていたのね」
説明を聞いていく中で、鈴仙も改めて納得した。
鈴仙達は奇跡的にも、諸問題を解決する為の大きなピースを、最初から持ち合わせていたという訳だ。
星「ああ……。ただ、修理やメンテナンスは、機械的な面だけではありません。
魔法的な術式が掛けられている部分もありますので……」
パチュリー「そこは私達が協力するわ。……良いわね、アリスさん」
アリスさん「……良いけれど。そこまで言うんだったら、教えて欲しいわね」
そんな折、補足的な協力を呼び掛ける傍らでアリスさんが当然の疑問を投げかけた。
アリスさん「幾ら財宝が集まるからと言って、貴女はただの寅の妖怪に過ぎない。
そんな貴女に所縁があって、かつ、異界である魔界にも移動できるような。
半ばオーパーツめいたマジックアイテムが、そう簡単にあるのかしら。
……協力するよりも先に、教えてくれない? それが、どんな代物なのか」
その質問は完全に興味から発せられているものらしく、口調に棘は無い。
故に、星も勿体ぶる事も覆い隠す事もなく、正直かつ素直に教えてくれた。
星「そうですね……。皆さんには先に、私達のアテが何であるか、お教えしましょうか。それは……」
明日への希望を語るかのように、星は仲間達に向けて晴れやかな表情で言った。
星「――『聖輦船《せいれんせん》』。かつて私が、魔界へと聖を救いに行くために乗った、空飛ぶ船です。
私は、今一度この船を。……大空への翼を、復活させようと思っているのです」
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