※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ 現行スレ 投票 最新20

1- レス

異邦人モリサキ


[289]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:27:44 ID:???
「爺さん……あんたのとこ、人手が足りねえのか……?」
「これで仕事はよくできるんじゃよ、仕事はの……」
『……この人にできる仕事って、どんな仕事だろ?』

ピコの疑問は森崎にもまったく答えが出せないものであったが、しかし雇い主が言うのであれば
それなりに間違いのないことなのであろうと、肩をすくめる。

「ほら、帰りますよ、旦那様〜! じゃ、そこのアンタも、ありがとね!」

そんな森崎たちの内心など知る由もなく、キャロルは老爺の脇に立つと、肩を担ぐようにして 省20

[290]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:29:28 ID:???

称号『亡命貴族の知己』を獲得しました。
効果:評価+10。

現在の称号は「気のいい亡命貴族の知己」です。


※スキル「旧ボルキアの人脈」が一度だけ使えるようになりました。
旧ボルキア亡命貴族はドルファンとの政治的関係が深く、特定の判定に影響を及ぼします。
使用のタイミング、用途は任意に設定できます。
いざというとき、選択への回答に使用する旨を記載して下さい。
回答が採用された場合のみ、使用回数が消費されます。 省4

[291]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:30:58 ID:???

「ここを抜けて、もうちょっと行けば……ぐむむ、広すぎるんだよこの街!」
『まあ、一国の首都だからね……』

老爺とそのメイドと分かれ、しばらくの後。
支給されている簡単な地図を片手に悪戦苦闘していた森崎だったが、
ようやく正しい道を見出したようで、喜びの声を上げる。

「あそこを曲がって……ほら着いたぞ、次の目的地だ!」
『うわあ……』

角を曲がった森崎を出迎えたのは、瀟洒な街並みである。 省31

[292]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:32:26 ID:???
どんよりとした顔で呟いた森崎は、言葉通り行き交う人々に奇異の視線を向けられている。
坂を登り、あるいは降りてくる人々は皆、垢抜けた身なりとこざっぱりとした流行の髪型で、
そして何より順風の生を謳歌する者たちに特有の、内側から湧き出すような笑みを浮かべている。
薄汚れた格好に殺伐とした顔つきで立ち尽くす森崎は、そんな彼らとはまさに対照的であった。

『仕方ないね……』
「てか、くそ……せめてこっち、見ろよ……」

刺のある視線を突き刺してくるのなら、まだいい。 省35

[293]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:33:45 ID:???
「に、逃げ……」
『逃げるんだよね?』
「ぐ、ぬぅ……」

機先を制された森崎が、奇妙な声で呻く。
このとき、彼の中に巣食う天邪鬼が盛大に騒いだのだろうか。
口を開いて出てきた言葉は、心中とは正反対の代物であった。

「……ハン、に、逃げるだって!? この俺が!?
 森崎有三様が若僧どもの街なんぞにビビってるとでも!?」
『……違うの?』
「そんなわけあるか! 平気の平左だぜ!」
省14

[294]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:39:51 ID:???
といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
連日、選択のないヒキで申し訳ありません。
本来であればロムロ坂にも行く/行かないの選択があったのですが、
既に二回の行動キャンセルがあったため自動選択となっています。

ロムロ坂では国立公園ほどではありませんが小イベントがありますので、
選択を用意できる見込みとなっております。
それではまた、次回更新にて。

[295]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:43:17 ID:???
***


ドルファンにおける若者文化の発信地・ロムロ坂で最も多い業種は飲食店である。
昼間は喫茶店、夜にはアルコールを出す類の店が軒を連ね鎬を削り、栄枯盛衰を体現している。
そんな飲食店の次に多いのが、服飾を扱う店舗であった。
男性向けにはワイルド系からスポーティ、クール、シック、ビビッド、女性向けならキュートにファンシー、
ガーリーやらクラシックやらオーソドックスやらフォーマルやらのドレスにインナー、ジャケット、コート、 省30

[296]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:44:19 ID:???
「やっぱり、俺にはまだ早いんだよ……」
『帰るなら止めないけどね……まあ、よく頑張った方じゃない』

四軒目の、流麗な筆記体で新トルキア語ではない文字が躍る看板を三十秒ほど眺めた森崎が
そう漏らすと、ピコがそよ風を微塵に刻んだような小さな小さなため息をついて、
森崎の背をぽんぽんと叩いた。
その小さな手の感触に押されるように踵を返した森崎が、とぼとぼと坂を下り出した、そのときである。

「あらン? ……ちょっと、そこのお兄さン」
省18

[297]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:45:20 ID:???
波打つ長い髪は陽光に融けてそれ自体が宝飾品であるかのように輝く黄金。
匠が生涯を賭けた一筆に引かれたような切れ長の瞳から真っ直ぐに鼻筋を下ると、
ふっくらと柔らかそうな唇は鮮烈な朱を引かれ、微笑のかたちに囚われている。
細い喉から流れるような肩のラインは青空の下に晒すことが赦されない罪業であるかのように
白くたおやかで、露出した二の腕に填められた大ぶりな黄金の腕輪は、まるでこの女を
誤って天へと登らせぬよう、大地に繋ぎ止めようとする風ですらあった。 省50

[298]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:46:21 ID:???
「……そんなに驚かれるとは思わなかったわぁ。ごめんなさいねン」

色も音も戻った世界で、女が眦の下がった目を丸くして森崎を見下ろしていた。

「……転んだだけだぜ。で、俺に何か用かい、お嬢さん」
『倒れたままカッコつけようとしても無駄だと思うよ』

じとりとした半目で腕を組んだまま、ピコが言う。
思わずそちらを睨んでしまう森崎だったが、女は意に介した風もなく口を開いた。

「お兄さン、この辺じゃすごぉく珍しいカッコ、してるわねぇ。 省29


名前

E-mail



0ch BBS 2007-01-24