※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ 現行スレ 投票 最新20

1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[848]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:43:10 ID:???
「走るっていっても、ボクがやってるのはマラソンとかじゃなくてね。
 六アルパンの短距離走なんだ」
「六アルパン……てえと、凡そ四町か」

聞いた距離を、森崎は自身に馴染みのある単位に換算しようとする。
それを耳にしたハンナが、胡乱げに聞き返す。

「シチョウ?」
「ああ、俺の故郷での長さの数え方だ」
「ふぅん、面白いね」
『九分の一里くらいかあ。……それって短い距離っていうかな?』
「まあ、大体わかった。続けてくれ」
省37

[849]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:44:10 ID:???
と、そんなことを考える森崎にハンナが何気なく説明を継続する。

「スポーツの祭典で使うのは、競技場の中にあるトラックだけどね。大きさは同じなんだ」
「ちょっと待て、スポーツの祭典って?」

さらりと出てきた単語に、森崎が引っかかる。
一瞬、怪訝そうな顔をしたハンナがすぐに合点がいったというように首を縦に振った。

「……ああ、そっか。コーチは傭兵さんだから、この春にドルファンに来たんだよね。
 なら知らないのも無理はないね」
省35

[850]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:45:11 ID:???
その石造りの白い巨体は、遠く距離を隔てた場所からでもひどく目立つ。
伝統的なオリンピア様式を模した、ドルファン文化の雄。
堂々たる聳えこそが、ドルファン王立運動競技場。
通称、スタジアムである。

「ボクが目指すのは」

と、ハンナがそのスタジアムをじっと見つめながら言う。

「あそこで一等になることなんだ。……今まで、一度も取れたことはないけど」
「あー……っと、ハンナ」

森崎が、何らかの思いに耽ろうとするハンナを引き戻すように声をかけた。 省28

[851]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:46:50 ID:???
「ボクがどのくらいの位置にいるのか、でしょ。コーチだもん、聞くのは当たり前。
 怒ったり拗ねたりなんて、しないよ」
「……」

ハンナという少女、こと競技が絡むと森崎の想像をあっさりと踏み越えるところがある。
それ以外のときに見せる姿とはまるで違う人間がそこにいるようですらあった。
思わず言葉を失った森崎を前に、ハンナが淡々と、告げる。

「子供の部で、二番目。去年も、一昨年も、その前も。ボクはこの国で二番目だった。 省37

[852]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:47:50 ID:???
ごくり、と。
生唾を飲みながら訊いた森崎の姿を、ハンナの目は映さない。
映さないまま、どこかここではない遠くを見つめ、少女はその名を口にする。


「―――リンダ・ザクロイド。ボクより速い、この国でたったひとりの女だよ」


******

[853]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:48:53 ID:???
※システムメッセージ※

ハンナの練習はミニゲーム形式で行われます。
結果によってハンナにスキルを覚えさせることができます。
基本的には本戦に備えたテストプレイとなりますので成功や失敗はありませんが、
初練習の結果によってハンナのレース特性が判明します。
また練習後に覚えられるスキルは判明した特性と選択によって異なるものになります。

競技は6アルパン(約420m)の徒競走となっており、ゲーム的には1アルパンごと、 省36

[854]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:50:22 ID:???
******

「よし、とにかく走ってるところを見なきゃ始まらねえ」
「うん、そうだね……っと」
「うぉい!? お前、何やってんだ!」

森崎が慌てるのも無理はない。
頷いたハンナがシャツのボタンに手をかけると、だしぬけにそれを上から外し始めたのである。
ベストがするりと肩から落とされ、ぷちぷちと白いシャツがはだけるとハンナの小麦色の鎖骨が
見る間にあらわになっていく。

「わ、おい、そういうのは……!」 省31

[855]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:51:31 ID:???

(いい気合じゃねえか。伊達や酔狂じゃねえ。
 こいつはこいつなりに命、張ってる……ってわけだ)

森崎の見守る前で、ハンナが屈むようにスタートの姿勢を取る。
合図はない。号砲もない。
二人の他には誰の姿も見当たらない広大な公園の、音のないトラックで、刹那。
少女がスタートを切った。


******


エントリーNo.1
ハンナ・ショースキー
基礎値:94
特性:不明
スキル:なし
PBスコア:846(D25.11 スポーツの祭典 本戦)


参考値 省4

[856]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:52:37 ID:l/JwoCrA

*スタート

セクションスコア1= 94*{1+(! numnum/100)}

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
00は100として扱います。

基本ルールは>>853となります。

[857]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/19(金) 19:01:12 ID:???
セクションスコア1= 94*{1+( 73 /100)}

[858]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 19:18:45 ID:l/JwoCrA

 
セクションスコア1= 94*{1+(73/100)} =162


「ふむ……スタートに問題はないみたいだな。体の起こし方もスムーズだ」
『……結局ノリノリだよね、キミ』

疾走するハンナの一挙手一投足も見逃すまいと、顎に手を当てながら鋭い眼差しを向ける森崎に、
傍らにふわふわと舞うピコは小さな肩をすくめて白い目を向けるのだった。
既に第一コーナーに入りつつあるハンナは無論、そんなやり取りを知るはずもない。


*コーナー1
省9


0ch BBS 2007-01-24