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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】


[440]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/06(水) 23:54:59 ID:???
〜小悪魔へ〜

先日は貴重な情報ありがとう。
今日は私も絶対負けられない試合なの。それは前も言ったわよね?
そこで小悪魔ちゃんにお願いがあるの。
できる限り、今日の試合でパチュリーさんの足を引っ張って欲しい。
小悪魔もパチュリーさんに無理をさせて喘息を悪化させるより、
今日の試合でスッパリサッカーを諦めて普通に付き合ってほしいわよね?
何より、先日の話をケチ臭いパチュリーさんが知ったらどう思うかしら・・・
それじゃあよろしくネ!
省46

[441]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/06(水) 23:56:42 ID:???
慌てて取り繕う射命丸の姿は、それはそれではたてにとって珍しい物ではあったが。
はたての興味は射命丸の態度では無く、その片手に書かれたネタ帳に移っていた。

はたて「ま。いいや。それで何か分かったのー?」

バシッ!

射命丸「あっ! こら、はたて! 人のネタ帳を勝手に覗き見するのは犯罪ですよっ!!」

はたて「いいじゃんいいじゃん。情報交換ってヤツよ。何だったら今度、私のだって見ても良いし……って。えっ?」
省42

[442]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/06(水) 23:57:47 ID:???
はたて「文の……! 文の、バカ!!」

――バシイインッ!!

はたては射命丸の右頬を思いっきり平手でぶった。射命丸は抵抗する気力も無くガタリと廊下で崩れ落ちた。
スカートのポケットから丸薬と説明書が落ちたので、はたてが拾い上げた。
説明書にはその丸薬を「速攻性下剤 ミスギキラー」という名称の薬品である事が記載されていた。

射命丸「あやや……すみません。つい出来心で。 省58

[443]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/06(水) 23:59:38 ID:???

はたては説明書ごと、丸薬を射命丸にむかってブン投げた。射命丸には大したダメージも無さそうだった。

射命丸「……だけど、何よ? 私がどんな道を選んでも、味方で居てくれるんでしょ?
だったら認めてよ……。こんなクソみたな手段に訴えてまで、汚く勝ち残ろうとする私を認めてよ!」

はたて「認めるわよ、アンタが本当に自分の意志で選んだ事だったら! でも、違うじゃない!!
アンタは隠してるつもりだろうけどね! 私のおじい様は、アンタが出てた臨査の委員だったのよ! 省68

[444]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/07(木) 00:02:45 ID:???
はたて「何よ? こっちは折角自分の想いを言ったのに、そっちはまた屁理屈?
『自分みたいな価値の無い天狗のする事なんてほっとけ』とでも言いたいの?」

射命丸「……そうですよ。それで何が悪いんですか」

はたて「――嘘だよ。ホントは文、自分の事気にして欲しいクセに。
ただ皆に会わす顔が無いからって、自分の本当の気持ちを曲げて。
それで、そんなちっぽけなプライドを守るために、偉い事だけが取り柄な天狗に理不尽な命令されて。 省52

[445]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/07(木) 00:04:21 ID:???
椛「――私は事情は分かりませんが。文さんは人のジュースに下剤を入れるような方じゃないと思いますよ。
なぜなら、文さんも真のサッカー選手だからさ!!」

カッ!(←椛がキラキラ光る眼をドアップで映してる時の音)

射命丸「……も、椛! アンタまで来てたのね……」

椛「すみません、文さんにはたてさんまで居なくなっちゃったモンですから。
っていうか、皆も来てます。皆、文さんが何だかんだで心配だったんですよ」
省28

[446]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/07(木) 00:07:15 ID:???
穣子「でもさ。笑顔ってやっぱり大事だよ! それに友達の八橋ちゃんが言ってた!
音楽ってのは、一見不協和音に見える音も混じった方が、より綺麗で奥深い音楽になるんだってね!」

静葉「ええ……。敗北とは、傷つき倒れる事では無い。そうした時に、自分を見失った時の事を言うと思うわ。
だから……強く心を持って。そして、……最後まで、ジタバタしましょう」

反町「(静葉さんのメンタルが逆に強くなってる……。まるで勇者の家庭教師みたいだ……)」
省55

[447]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/07(木) 00:08:59 ID:???
はたて「――色々言っちゃったけど、もう一度だけ言うわね。私は、文が自分の意志で居る限り。
文がどんな道を選んでも、離れ離れになったとしても――。絶対に、私は、文の仲間だから」

それはとあるサッカー少年が、悩んでいた彼女にアドバイスしてくれた言葉だった。
彼の影響は少なからず、この天狗達に。そして妖怪の山FCのメンバーの考え方に対しても及んでいた。
射命丸は「ありがとう、はたて」と小さく呟くと、照れくさそうに頭を掻いて。
省59

[448]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/07(木) 00:11:05 ID:???
射命丸は後半戦開始当初、同様に「射命丸って案外大したことなくね?」の弾幕に曝されていたが、
自分には仲間が居ると分かった射命丸には、案外大した精神攻撃では無くなっていた。
彼女は前半戦の不調がウソのようなドリブル突破を繰り返し、
何と咲夜率いる紅魔スカーレットムーンズの守備陣を何度も抜いて3ゴール、ハットトリックを決めた。
元々彼女の実力であれば不可能では無かったが、個人プレーに頼り切らず、 省77

[449]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/07(木) 00:14:22 ID:???
観客「射命丸って……」「案外……」「大したことなくね……?」「ニトリ ニトリ ……あっ、試合終わってた」

レミリア「……まだ消えないわね。ハットトリックしたのに」

射命丸「『案外大したことなくね』コールですか? ううん、良いんです。今は心地よい位ですから。
世の中、誰もが全能では無い。九割九分九厘九毛、案外大したことない奴ばっかりです。
私はそれを忘れて、自尊心を無駄に肥大させていた。 省47


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