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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[789]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/16(木) 01:06:19 ID:9jEN4p+g
ピエール「……確かに、この結果に新経営陣は納得しないだろうな。
      だけど、そもそも――見せしめを行うにしても、こんな試合を開いたのは、俺の独断だった。
      大人たちは、もう少し穏便な方法での問題解決を意図していたんだ」

早苗「……そうだったんですか。私は、てっきり貴方が大人たちの操り人形になっていたのかと」

ピエール「それは間違ってはいない。事実、大人たちは俺達の勝利を疑っていなかったし、 省52

[790]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/16(木) 01:17:56 ID:9jEN4p+g
早苗「……そんなの、どうやっても分かりっこないですよ。人の本心なんて、さとり妖怪でも無い限り分かりません。
   あるのはただ、仲間同士が互いを信じあえるという、そんな信仰があるだけです。
   知ってますか? 信仰ってのは、決して神様に対してするものだけじゃあ無いんですよ。
   いや、むしろ、空気みたいに常識すぎて、誰も意識していない位だと思います」

ピエール「信仰という行為を神聖化せず、普遍的に捉えるのか、君は。 省55

[791]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/16(木) 01:22:24 ID:9jEN4p+g

ピエール「――俺は全て話した。だから、と言う訳では無いが教えて欲しい。
      ……サナエ。君は何故、俺に手を貸してくれた? 君はソリマチの事が……」

最後にピエールは、そう早苗に問いかけた。
実は、ピエールは彼女が何故レジスタンスでは無く、自分達に加担してくれたのか。その真なる理由を知らなかった。
彼女はいつも通りの明るさを保ちながら、そうした当然の疑問を拒絶し続けていたからだ。
省47

[792]森崎名無しさん:2016/06/16(木) 18:07:56 ID:???
実は真に孤独なのはアリスさんではなくピエールだった
そしてアリスさんは>112におけるピエールの友情論が
実は自分自身すら騙しきれていないうわべだけのものであるとアリスさんは本能で感じ取った!
だからアリスさんはピエールとは友達になれないと思ったんだよ!
結論!YAS!

[793]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/17(金) 00:42:06 ID:???
すみません、早苗さんパートの文章を考えていたら思いのほか長くなりそうなので、更新をお休みします。
>>792
ピエールの動機については当初から考えてましたが、>>112は実はそこまで考えず書いてました(汗)
アリスさんとピエールは奇しくも対比的な感じになりましたね。

[794]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/18(土) 01:37:19 ID:???
すみません、今日は更新をお休みします(汗)明日は更新したいです。


[795]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/20(月) 00:12:42 ID:dNkCd+7+
――ピィイイイイイッ!

早苗「さあさ、試合はまだ最後の一秒まで分かりません! 行きますよ、皆!」

タタタタタッ……ババババッ!

ナポレオン「――チイッ!(……ピエールの奴はすっかり戦意喪失気味だが、コイツは逆に生き生きとして来やがった!)」

実況「生徒会チームのキックオフと同時に、試合はいよいよロスタイム!
    先程猛威を振るったピエール選手は足を休め、代わりに早苗選手が高いドリブル力で突き進みます!」
省42

[796]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/20(月) 00:13:58 ID:???
〜回想シーン〜

ピィィィ……

実況「……あ。ホイッスルが……鳴りました。後半23分、明和東のキックオフで試合さいか――」

日向「くたばれ、雑魚が!」

バギイイッ! グシャッ!

英武「ひでぶっ!?」

観客「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」「も、もうやめてくれーー!!」「+‘#$%’#!?」
   「血が……臓物が……」「ハハハ、脳ミソってプリンみたいだよなァ、めっちゃ可愛ェ、ハハハ」
省44

[797]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/20(月) 00:15:16 ID:???

早苗(観客席)「長野県最強GKの渡会君からアッサリゴールを決めちゃった、あの反町君って子も凄いと思ったけど。
          ……こうしてみると、彼ですら全国では最優じゃないのね」

そして、彼女はこの時、狂気的な殺戮現場を前に小市民然とした反町に対し、幾許かの失望を抱いていたのも事実だった。
自分達を打倒したチームを圧倒した、全国有数のチームのエースストライカー。
そんな反町ですら、日向小次郎という圧倒的才能を前にしては単なる雑魚に過ぎない。 省56

[798]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/20(月) 00:16:33 ID:???
反町「(これ以上人が死ぬ所は見たくない。でも、日向に逆らって死にたくない。
    だったら……俺にできる事は……)――くっ、頭がふらついて……」

グラッ……バターンッ! ……ドサッ。

阿部士「あべしっ!?」

ピィィィィィッ!

日向「――チッ。反町の馬鹿め。サッカーは格闘技だぞ。リング上で血が流れるのを見て倒れる奴がどこにいる」

実況「おっと、日向選手が阿部士選手を抜くと思いきや、反町選手の転倒によってホイッスルが鳴りました! 省50

[799]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/20(月) 00:18:11 ID:???
早苗(観客席)「(……今のって、もしかして。身を挺して彼の――阿部士君の命を救ったんじゃないかしら)」

そして、こうした反町のプレーに、早苗は興味を抱いていた。
早苗にとっては反町が、圧倒的な才能により、自分のこれまでの全てを否定され、
しかしそれにも関わらず、出来る限りの精一杯をやろうとしている風に映った。

早苗(観客席)「(私も、頑張らなくちゃ。自分達を倒したチームが全国の場でアッサリ敗北しようとも。 省55


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