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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】
[745]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2017/12/31(日) 02:31:57 ID:???
***
グウウッ……ンッ!
銃弾が迫る。妖夢めがけて、銀色の閃光が――鋭利な殺意を示す、超高速の波長が、『視える』。
男が引き金を引き、妖夢に届くまでの瞬間。鈴仙の視界は、無意識にスローモーションとなった。
鈴仙「(ようむが、あぶない)」
かつて幻想郷中の狂気の波長を取り込んだ鈴仙の瞳は、昔にも増して格段に発達していたため、
彼女だけが、大歓声・大熱狂のスタジアムに紛れたその波を視る事が出来ていた。
省35
[746]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2017/12/31(日) 02:34:03 ID:???
しかし、駄目と分かっていても、鈴仙は動いた。
鈴仙は視神経の全てを眼前の弾丸に集中させ、身体の限界を振り絞り、思いっきり妖夢を突き飛ばそうと身体を投げ出した。
普通ならば届く筈もない距離であるにも関わらず、鈴仙は諦めなかった。
鈴仙「(あの弾丸が命中したら、妖夢はたぶんダメになる。半人半霊だし、死ぬことはないだろうけど、
たぶん、死ぬよりも辛い思いをする事になる……と思う! だから、私が……防がなきゃ。
省35
[747]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2017/12/31(日) 02:35:20 ID:???
……パ ァ ァ ァ ァ ア ン!
妖夢「……え?」
――ドンッ!
乾いた銃声が鳴り響いた時、妖夢は、自分が何かに思いっきり押されて、よろめき倒れた事しか認識できなかった。
パシャァッ!
その直後、生暖かい物が自分の顔にかかった感覚を覚える。触れてみるとそれは鮮血だった。
倒れた自分を庇うように、見慣れたブレザーの少女が虚空を見つめて立ち塞がっており。
鈴仙「はぁ……はぁ……!」
妖夢「れい、せん……?」
省17
[748]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2017/12/31(日) 02:37:37 ID:???
ポタ、ポタ、ポタ……。
鈴仙「(血が出てる。銃弾が目に当たっちゃった……のかな?
なんだか良く分かんないや。何にも見えないし、身体の感覚も無いし、まるで幽霊になっちゃったみたい。
でも、まあ。妖夢も助かったみたいだし……これで良かったのかな?
省24
[749]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2017/12/31(日) 02:49:56 ID:???
唐突な急展開になったところで今日はここまでにします。
詳細は今後の更新で描写しますが、今回のイベントにより、鈴仙は暫くの間、失明状態となります。
ですがこれは、物語の演出上のイベントであるため、参加者の選択肢とは一切関係ありません。
また、玉兎としての高い運動神経と妖力による気配察知により、サッカーや日常生活は普段通り可能です。
ただし、ゲーム開始当初から鈴仙を支えてきたスキル・狂気の瞳については、暫くの間封印されてしまいます。
省30
[750]森崎名無しさん:2017/12/31(日) 11:29:30 ID:???
乙なのです
鈴仙が妖夢を助ける展開はなんとなく予想してましたが、鈴仙がこんなことになるのはビックリでした
今年も楽しい作品をありがとうございます。
鈴仙奮闘記も長編になりましたね、ここまで続ける、しかも読者参加型の作品をというのは
並大抵ではないと思います。
来年も鈴仙奮闘記を楽しみにしています。
作者さんにとって来年が良い年になりますように。
[751]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/01/03(水) 02:09:13 ID:???
今年も更新していきたかったのですが、文章が書ききれなかった為明日更新します(汗)
東方憑依華が出ましたね…私も今日はずっとプレーしてました。
感想としては色々ありますが、とりあえず鈴仙が割と不憫過ぎて笑ってしまいましたw
>>750
乙ありがとうございます。昨年は参加ありがとうございました、今年もよろしくお願いします。
キャプ森やキャプ翼を下敷きにしつつ、常識にとらわれない(かつ面白い)展開を目指しているので、
楽しんで読んで頂いて大変嬉しいです。
省18
[752]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/01/03(水) 23:35:46 ID:???
〜幻想郷・八雲紫の領域〜
紫「――鈴仙・優曇華院・イナバ。己の分も弁えず、瞳に限界を超えた負荷を掛け。そして、自滅したか」
空間の裂け目から事の顛末を観測していた八雲紫は、僅かな嘲笑を湛えながら、そう吐き捨てた。
紫「貴女の計画も、とうとう失敗に終わるのではないかしら? 八意永琳」
永琳「…………」
永琳は、そんな彼女の傍に寄り添い、共に鈴仙が倒れる瞬間を見ていた。
省68
[753]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/01/03(水) 23:37:15 ID:???
永琳は僅かに口を歪め、
永琳「――あの子、ああ見えて結構しぶといわよ。この程度で棚ぼたを拾ったと思っているようでは、まだまだ読みが甘いわね」
紫「ご忠言、大変助かります。ですがご安心を。兎が一匹沈んだところで、勝利の為の手を緩めるつもり等無い。
――それは、貴女も良く理解している筈よね?」
紫に対して言い放つも、彼女もまた余裕を崩さない。永琳はそれが虚勢でない事を承知していた。
省94
[754]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/01/03(水) 23:38:35 ID:???
〜ドイツ・シュツットガルトスタジアム〜
中山「……何だって、鈴仙さんが銃撃を受け意識不明だと!?」
全日本代表メンバーに選ばれた後、協会の意向により、ドイツでサッカー修行を積んでいた中山もまた、
鈴仙が凶弾に倒れた事実を知っていた。――勿論、魔法等ではなく、リオカップ終了後の朝刊を見たためだ。
中山「リオカップは2−3でサンパウロが勝利。その後のウイニングラン中、コリンチャンスの鈴仙・優曇華院・イナバ選手が
省75
[755]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/01/03(水) 23:39:52 ID:???
〜アルゼンチン・ディアスの私室〜
ディアス「『リオカップ注目のストライカー、鈴仙・優曇華院・イナバ、両目失明により選手引退へ』……だってさ、パスカル」
パスカル「信じてなるもんか。レイセンは両目を失った位でサッカーを止める程おしとやかな女の子じゃない。
あいつは、きっとまたサッカーをやる。そして、俺達アルゼンチンの最大の脅威となって立ちふさがる筈なんだ」
ディアス「ふー。やっぱ変わったよなぁ、パスカル。その……ゲンソーキョーとやらに行ってさ」
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0ch BBS 2007-01-24