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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】


[388]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:22:06 ID:m0OntpQw
教室後ろのドアから、短髪サッカー少女が現れる。
会話中である事などお構いなしの開けっぴろげなあいさつの後、トタトタとこちらへ歩み寄ってドカリと隣の席に座りこむ。

あずみ「あらやだデート中だった?面白そうねえたまには忘れ物してみるもんだわ」
聖薇「早川さん」

再び指で眼鏡の縁を押さえ、あずみちゃんを問い質す。顔は険がかかっていて、傍目にも苛立っているのが分かる。
省43

[389]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:23:24 ID:m0OntpQw
まさに泥沼。性状的に反りが合わないらしく、数分もしないうちにいがみ合いをはじめてしまった。
このまま喧嘩されては収拾がつかない。早いところどうにか収めなければ。

あずみ「だいたい……」
聖薇「そもそも……」

パアン!

言い争う2人の間に手を伸ばし勢いよく叩く。不意打ちと高音で2人とも動きが止まったのを見計らって、事態の収拾を図る。

岬「そこまで。こっちの話は、えっと、今度早乙女さんの家で 省46

[390]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:24:45 ID:m0OntpQw
横から聖薇が口を挟んでくる。異議を差し込まれる前に機先を制する形で、彼女に話しかける。

岬「早乙女さん、早川さんとは何回か色んな場所で交流の場を持った事があったけど、元気で真面目で裏表のない、良い子だと思う。
  一度親しくつきあう場を作って話し合えばきっと理解しあえると思う。どうかお願いします」
聖薇「え、いや、そんな」

聖薇に向けて頭を下げる。恭しく懇願する姿を見てうろたえ気味に相手は僕の言葉を受け止め、観念して提案を了承した。
省50

[391]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:26:19 ID:m0OntpQw
           第22−23話間幕間 『知らせ』


早乙女「マロニエよし、もち米よし、蒸籠に破れはなし、砂ふるいに穴は開いていないっと」

今日は娘が初めて学校の友達を呼んで家にやってくる。そのうちの1人はあの日に訪れた男の子、
彼の勉強成果を確認するテストを家で行い、ついでに食事会を行うという事だが、
せっかく人足となる子が来てもらったのだ。その子にも力仕事で調理を手伝ってもらおう。
省49

[392]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:28:09 ID:m0OntpQw
早乙女「えっ!?」

思わず大声を出した後、ハッとなってキッチンのドアを開けて周囲を見回しました。
幸い、私の他には誰もいません。すぐに戻って犯人の詳細を尋ねます。

早乙女「本当!?」
石清水「ああ、本当だ。3年前にガードマン3人を膾のように切り刻み、聖薇を恐怖のどん底に陥れた憎むべき男、
    正体もろくに分からず、かき消すように姿を消していた奴が、どうも愛と聖薇のいるパリに来ているらしい」 省42

[393]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:29:42 ID:m0OntpQw
早乙女「あなたこそそんな事を。私に負けず劣らず命がけの事をしたではありませんか。それより、今後の事について」
石清水「そうだその事だ。愛の父上や母上とも相談したのだが、やはりここは警備の厚い日本に戻るべきかと」
早乙女「いえ、ここで迂闊にバタバタするべきではありません。
    まだ相手の出方や意図も分からないのに、無暗に動くと相手に存在を悟られるかもしれません。
    しばらくはじっとしているべきかと」
石清水「し、しかし」 省37

[394]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:32:15 ID:m0OntpQw
            第23話『テスト、食事会、そして告白』


岬「早乙女さん、おはよう」
聖薇「おはようございます、岬さん」

朝7時。太陽こそ昇っているとはいえ、何とも早い時間だ。
これまで受けてきた個人学習の総仕上げとして、僕はこれからテストを受ける事になっている。
ここで1教科でも80点を下回れば、入学してからも補習を受けるはめになってしまう。
昼ごはんとその後のおやつ、マロニエ餅作りのために強行軍とはなるが、なんとしてもクリアしておきたい。 省19

[395]森崎名無しさん:2019/02/03(日) 22:46:50 ID:???
★国語 86+ 0
算数  84+ 2
理科  79+ 3
社会  78+ 4
フランス語  100点
(前回の段階で100点越えしているため固定)★

[396]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/11(月) 14:48:10 ID:WmYfsMY2
★国語 86+ 0 点 算数  84+ 2 点 理科  79+ 3 点 社会  78+ 4 点
フランス語  100点(前回の段階で100点越えしているため固定)
⇒国語86点、算数86点、理科82点、社会82点、フランス語100点★
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ドアは閉まり、聖薇と向かい合った2人きりでの形でテストがはじまる。
家に返ってからきちんと復習に取り組んできたおかげで、苦手だった理科や社会もスラスラと 省80

[397]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/11(月) 14:50:00 ID:WmYfsMY2
聖薇「お疲れさまでした。これで試験は全て終わりです。結果は昼食後に集計して返却しますので、しばらくお待ちくださいね」

5教科全てのテストがようやく終わり、肩をなでおろす。

岬「ようやく終わった。ああ、疲れた」
聖薇「問題を解くのは大変ですが、この事を忘れようとしたら、またここで勉強ですよ。これからも頑張ってくださいね」

試験官だった目の前の相手もホッとした様子で言葉を返す。試験中の定規で測ったような固い口調が和やかに丸まっている。 省28

[398]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/11(月) 14:52:11 ID:WmYfsMY2
千早「あの、次はこれを流してもらえませんか。みんなで一緒に」
早乙女「そうね。はい、どうぞ」

CDをセットして開き口を閉ざし、再生ボタンを押す。
流れてきたのはいかにも折り目正しいクラシック・ミュージックだった。

早乙女「あら、モーツァルトの弦楽四重奏曲じゃない。たしか、ええと」
千早「『狩』です。弦楽四重奏第17番変ロ長調K458の。これが好きなんです」
早乙女「あら本当。あれは佳いわ。優雅さと活き活きとした気っぷの良さが両立して互いに損なっていない。 省58


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0ch BBS 2007-01-24