キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【頂天への】俺inキャプ森2【道程】
1 :
森末(仮)
:2013/10/09(水) 23:45:22 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品です。
参加者の皆さんの選択、及びカード引きによって物語が展開していきます。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。
☆前スレ☆
【目指すは】俺inキャプ森1【全国】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1379332155/l50
☆あらすじ☆
キャプテン森崎を心から愛する男板野住明はある日キャプテン森崎の精、
通称『森末』からキャプテン森崎の外伝スレへと参加してみないかと提案をされ外伝世界へと飛ばされる。
自分が参入をするチームをふらの中学と決めた板野は松山らと交流を深めつつ、2年生の際全国大会へ。
世代でもトップクラスの中西と戦うも、先制点を挙げる活躍を見せた。
しかし何者かの陰謀か、松山が負傷し他のメンバーも腹痛を訴え棄権、涙を呑んで大会を後にした。
若島津健との闘いで自身の力の低さを認識するも、新シュートの開発をし克服。
3年目、藤沢の転校を聞かされ揺れるふらのメンバー達と共に道大会を突破、全国大会への切符を手に入れた。
45 :
森末(仮)
:2013/10/11(金) 00:40:04 ID:???
それでも中里には中山のパスに掠り、コースを若干変えるのが精々だった。
そして、それは十分新田が走り込みシュートを狙える事の出来る些細な変化である。
新田「貰ったぜ! 隼ボレーだァ!!」
高杉「くそぉ、早すぎる!」
石崎「止められねぇ!」
これにはやはり大方の予想通り、南葛DF陣では止められなかった。
GKも反応すら出来ずに棒立ち、新田は勝利を確信し八重歯を光らせながら笑みを浮かべる。
ガィンッ!!
新田「げぇっ!?」
小田「ラ、ラッキー……」
だが、その笑みは次の瞬間には消え失せた。
この決定機、肝心なチャンスでボールはポストに大きく跳ね返ってしまったのである。
これを小田がフォローし素早くクリアー、ボールは中盤まで戻され、コントロールタワー・井沢守の元に渡る。
実況「新田くん、再び隼ボレーを放ちましたがこれはポストに嫌われたァ!
チャンスの大友、これをものにできませんでした!
逆に南葛はボールを再び保持、さぁここから反撃となるか!?」
46 :
森末(仮)
:2013/10/11(金) 00:41:07 ID:???
井沢「(よし、ラッキーでも防いだことは防いだ! 残り時間は……もう殆ど無いな)みんな、上がれ! 全員攻撃だ!」
中山「くっ、みんな戻れ! 何が何でも防ぐんだ!(ただでさえ攻撃パターンが多い南葛! これ以上増えたら俺一人では守りきれん!)」
新田「くそっ、くそぉっ……!! 俺の失態から失点なんてさせてたまるかぁ!!」
時計を見て残り時間が少ない事を確認すると、井沢はすぐさま全員攻撃を指示。
どれだけ能力が優れていても、体はただ一つの中山はゴール前での数的優位を作らせない為に全員守備を命じ、
両チームは大友ゴール前へと殺到をする。
南葛中「よし、中山がいない!」「チャンスだ、撃て!」「ここで勝ち越しだ!」
大友中「好き勝手やらせるな!」「ここを守って延長だ!」「死守だぞ!」
先着1名様で、
★幕引きは……→! card★
と書き込んでください。マークで分岐します。
JOKER→山森「新田に負けてられない! ジャンピングボレーだ!」 なにィ!?
ダイヤ→来生のヘディングを中山がクリアー! しかしこれを井沢がオーバーヘッドキックでねじ込んだ!
ハート→井沢のバナナシュートを一条が弾いた! しかしこれを来生がダイビングボレーでねじ込んだ!
スペード→来生のボレーを一条が弾いた! しかしこれを滝がダイビングヘッドでねじ込んだ!
クラブ→井沢のバナナシュートを中山がクリアー! しかしこれを山森がオーバーヘッドキックでねじ込んだ!
>>37
3Nシュートは対森崎用として編み出された技、と考えてこの世界では会得していませんね。
>>38
井沢は中々に優秀になっておりますね。
47 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 00:41:20 ID:???
★幕引きは……→
スペード9
★
48 :
森末(仮)
:2013/10/11(金) 01:47:46 ID:???
>★幕引きは……→ スペード9 ★
>来生のボレーを一条が弾いた! しかしこれを滝がダイビングヘッドでねじ込んだ!
==================================================================================
来生「おっしゃ、貰ったぜ!」
一条「く、くそぉっ! 負けるものかぁっ!!」
ボコンッ!
大友ゴール前の混戦、この混戦から抜け出し、中山が来れない位置からボレーを放ったのは来生である。
このシュートは猛烈な勢いで大友ゴールを襲うものの、
鳴り物入りで大友中学に入学し2年生ながらにしてゴールを任されていた一条が辛うじてセービング。
辛くもピンチを脱したかに見えたが、大友の健闘もここまでだった。
浦辺「ナイス、一条!」
中山「いや、まだ……」
滝「俺がいるんだよ!」
一条「う、うわああああああっ!!」
南葛にとって幸いなことに、そして大友にとって不幸な事に、このこぼれ球には滝が詰めていた。
元来シュート力がなく、サイド際からのセンタリングしか能がないと目されている滝。
しかしそれはあくまでも来生達と比較をした場合であり、決定力がまるでないという訳ではない。
飛び込むようにしてダイビングヘッドでボールをねじ込み、これに一条は倒れながら反応するも届かない。
パサァッ! ピピィーッ!!
得点を告げる笛が鳴り響く。
南葛、3年連続の県大会制覇……そして、大友の夏が終わってしまった事を意味する笛が。
南葛中学 2−1 大友中学
49 :
森末(仮)
:2013/10/11(金) 01:48:46 ID:???
実況「試合終了! 南葛、試合終了間際ギリギリの時間帯で勝ち越し点を挙げ……そして試合終了の笛が鳴りました!
これで南葛中学、3年連続県大会制覇! 全国大会への切符を手に入れた!
大友中学も新田くん、中山くんの活躍があり健闘しましたが……残念ながら全国には一歩手が届きませんでした!」
滝「よーし! 全国大会出場だァ!」
来生「ちぇっ、おいしい所持っていきやがって!」
滝「まぁまぁ、お前が弾かせてあいつの体勢を崩してたからだって(とでも言っておけば機嫌治るだろ)」
来生「ふふふ、まあな! 流石俺の相棒、よくわかっている!」
岩見「(相変わらずの間抜けだが……こいつの力無しに全国優勝は難しいからなぁ)」
長野「後半はすっかり消えちゃってたなぁ……」
石崎「何言ってんだ、長野! 先取点のアシスト決めた癖に!」
高杉「(俺達いいところなんてまるでなかったからなぁ……)」
井沢「(なんとか勝てたか……最後の新田のシュートが決まってたら結果は逆だったんだろうな)」
新田「すみません先輩たち……俺が最後のシュートを決めていれば……」
浦辺「……気にするんじゃねぇよ。 どうしても隅を狙おうとすりゃ、ポストに当たっちまう事もあるさ」
中山「ああ、そうだ。 それにお前たちには来年がある。 来年こそ、お前たちが全国に出場……。
そして優勝旗を大友中に持って帰ってきてくれ!」
一条「はい!」
中山「(結局、全国に足を踏み入れる事はなかったか……無念だ)」
試合が終わり、フィールドでは勝者が勝利の美酒に酔い、敗者が無惨にも地に伏せる。
非情なスポーツという世界の中ではしばしば見受けられるこの天国と地獄。
その中心にいながら、世代最強DFと言われながらも全国へと出場した事のなかった男――中山政男。
彼は涙を流さず、ただ強く拳を握りしめて無念さを堪えながら後輩たちにただ笑みを見せた。
中山「(俺の夏は……これで終わりだ)」
50 :
森末(仮)
:2013/10/11(金) 01:50:06 ID:???
そして、この光景を見ていた男は……以前、北海道へと仕事へ向かった際、
ふとふらの中学へ立ち寄った折に見つけたダイヤの原石――板野住明の時と同様、
この試合もまた見に来ておいて正解だったと観客席で一人笑みを浮かべた。
片桐「(中山……他のDF陣が優秀とは言い難い中、あの南葛を2点に封じ込めたのは流石と言えるな。
ただ、それは先からわかっていた事だ……問題は新田……あいつだ。
確かに優れた才能を持っているという事はわかっていたが、
まさか試合中にノートラップでランニングボレーを決めるとは……。
どちらも全国で見たかったが……まだ、彼らの夏が終わった訳ではない)」
男――片桐の脳裏にあるのは、Jrユース選抜の件。
この選抜には基本的に全国大会に出場をしたチームからしか選手は選ばれないが、
特に優秀な選手がいれば、例外的に特別参加を許すケースもある。
片桐「(新田、か……荒削りではあるが将来は板野とのツートップもありえるかもしれん。
……南葛の来生や東邦の反町、花輪の立花兄弟も伸びてくる可能性は十二分にあるし、
彼らがその前に潰れてしまう可能性もあるがな)」
未来の日本代表の姿を思い描きながら、空想に浸る片桐。
一方、フィールドでは勝った南葛と敗北した大友とがようやく整列をし、両チーム間で交流がされていた。
51 :
森末(仮)
:2013/10/11(金) 01:51:44 ID:???
先着1名様で、
★試合が終わればノーサイド→! card★
と書き込んでください。マークで分岐します。
JOKER→中山「実は俺、今度南葛中の学区内に引っ越すことに決まったんだ」 なにィ!?
ダイヤ→井沢「よく仕事をこなしてくれたな、山森」 新田「お前何時の間にあんなに上手くなったんだ?」 山森を褒める井沢と新田だ!
ハート→中山「いい守備だったな、また腕を上げたんじゃないか?」 井沢「うちのDF頼りないからな」 キャプテン同士の交流だ!
スペード→中山「お前たち、攻撃パターン自体は多いけど一選手が取れる戦術は少ないぞ」
滝「返す言葉もねぇ」 長野「ぐぬぬ」 来生「?」 中山さんに助言を貰う南葛FW陣だ!
クラブ→新田「攻撃は凄いですけど守備は駄目ですね! 俺の隼シュートに反応も出来てなかったじゃないですか」
石崎・高杉「「ぐぬぬ……」」 怒れる南葛DF陣だ!
52 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 01:54:13 ID:???
★試合が終わればノーサイド→
ハートJ
★
53 :
森末(仮)
:2013/10/11(金) 01:55:32 ID:???
本日はここで区切らせていただきます。
明日はふらの視点に戻りたいですが……しばらくは各チームの描写になるかもしれません。
それでは。
54 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 01:56:42 ID:???
乙でした
何だかんだで滝って、チャンス逃さないし渋い活躍するな
石崎と高杉はブロック一芸…でもないか、井沢と中里のほうが守備力ありそうだな
55 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 02:38:42 ID:???
そういえば超森水無しで山森はどうやってレベルアップを果たしたのだろうか
56 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 09:04:17 ID:???
一度キャプ森界で発生した出来事・因果は3人が消えても可能な限り再現される物だと解釈すべきか。
参考はドラえもん1巻。
57 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 12:32:15 ID:???
でも3Nシュートとか無いみたいだしな
いまいち曖昧だ
58 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 13:47:01 ID:???
大友は打倒南葛が至上目標だから剛田相手ならシュート力自体は隼で十分だし
中山さんが上がるのは凄まじくリスクが伴うから森崎がいなければ発想がまず生まれなかったんじゃないだろうか
59 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 16:33:08 ID:???
>>46
で3Nシュートについては返答あるね
60 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 19:02:24 ID:???
幻の才能全開開花した新田がみれるかな、いつか決めるぜファルコンダイブ
61 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 19:21:10 ID:???
本編で最強に不遇だった新田の伸びしろ
ブランクなし中山さん
呪われてない松山
あれ、けっこうイケる気がしてきた
62 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 19:23:03 ID:???
まあフラグ全折りされたのは森崎がいたからだろうしなw
日向がいない分躍起になって反骨する事もないし、割と素直に成長できそうだよね
63 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 20:33:36 ID:???
一体いつから松山が呪われてないと錯覚していた?
64 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 22:01:55 ID:???
中山さんはブランクなければ守備力最終的にジェンティーレに並べるかも
65 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 22:11:29 ID:???
攻撃力を落として全体的に守備力を上げた全日本か…
結構いい感じなんじゃない? 問題は板野の相方だけど。
66 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 22:16:13 ID:???
翼がいないから中盤の支配力が足りないねん。まあ三杉が小さくまとまらなければいいだけの話ではあるけど。
67 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 22:16:40 ID:???
小田を覚醒させて道産子ツートップ
68 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 22:23:07 ID:???
きっと小池がなんとかしてくれるよ
69 :
森崎名無しさん
:2013/10/11(金) 22:57:58 ID:???
タイプ的に空中戦が得意そうな奴がいいな。
長野?いや明和FCのエースストライカーのフカヒレがいるじゃないか!
70 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 00:02:07 ID:???
>★試合が終わればノーサイド→ ハートJ ★
>中山「いい守備だったな、また腕を上げたんじゃないか?」 井沢「うちのDF頼りないからな」 キャプテン同士の交流だ!
=================================================================================================================
フィールドの中央、試合後の爽やかな交流を行っていたのは両チームのキャプテンであった。
何度も言われているように中山はこの世代でも最高クラスのDF。
対して井沢は小学生時代までは攻撃的MFをやっていたものの、
中学に上がってからは守備力に磨きをかけ、DMFもこなせるだけの実力を備えたオールラウンダーな選手に成長していたのである。
お互いに自チームの守備を担うキャプテン同士とあってか、2人の会話は弾む。
自己顕示欲が強く他者に認められたい願望のある井沢と、
相手を腐さず素直に実力は認める至って真面目な好青年である中山の相性の良さもあったのかもしれない。
中山「おいおい、DFが頼りないなんて言うなよ。 確かに高杉、石崎もお前に比べたらボールカットは苦手だが……。
石崎はブロックに関しては俺よりも上手いかもしれないぞ」
井沢「確かにシュートブロックだけはな……ただ顔面ブロックじゃなきゃ来生のシュートは止められんし、
おまけにスタミナの消耗も早すぎる」
中山「厳しい意見だな。 まあそれくらいの気持ちでいた方が、慢心しすぎるよりもいいかもしれん」
井沢「東邦相手にはこれくらいの気持ちでいた方がいいさ。
特に今年、あそこは沢田が入ってきたらしいからな。 今までみたいに中盤で自由に出来るとは思えないぜ」
南葛にはキーマンとなるプレイヤーはいない。
大友のように守備の要である中山、東邦のように守護神である若島津、
ふらののように世代No.1MFと目されてもいる松山、アクロバティックな超攻撃的サッカーが出来る花輪の立花兄弟。
彼らのように戦局を一変させる大技というものを持つ選手というのがいないのである。
しかし、それでも南葛は王者としてV2を達成し、V3を掴む為に強敵大友との闘いに勝った。
71 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 00:04:13 ID:???
中山「(それは間違いなくチームワークのお陰だ……。
今日の試合の先取点を見ればそれが特にわかる)」
井沢、長野、滝、来生という4人の力を合わせてもぎ取った南葛の先取点。
誰かひとりの力に頼らず、それぞれの個性を組み合わせた結果と言えるだろう。
中山「(今年は新田も育ち、あいつさえいれば勝てると思ったが甘かった……。
サッカーをするのは11人……11人それぞれの力を出し切らなければ勝てないんだ。
南葛はそれが出来ている、だからこそ王者・南葛なんだな)」
………
……
…
そして静岡での全国出場校が決まっていた頃、
時を同じくして各地で予選突破をする中学が決まり始めていた。
〜 秋田 〜
実況「決まったァ! 花輪中学、決勝まで出てきたチームを6−2と大差をつけて破りました!
その原動力となったのはご存知アクロバティックサッカーを得意とする立花くん達!
全国大会での彼らの活躍が期待されます!」
政夫「よーし、やったぜ! この調子で全国大会も勝ち抜くぞ!」
和夫「しっかし2点も取られちまったのかよ……大した攻撃のチームじゃないってのにさ」
72 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 00:05:20 ID:???
〜 大阪 〜
中西「(くそっ、やっぱりうちの攻撃陣は頼りにならん! 唯一頼れたCFWの有田は"アイツ"に怪我させられてまうし!)」
難波フィールダー「うわぁっ!?」
早田「甘い甘い、俺をそう簡単に抜けると思ってるんじゃねぇぜ!」
実況「早田くん、またもボールを奪った! 前半、難波のCFW、有田くんを完璧に封じ込め、
不慮の事故から退場してしまった後は確実に攻撃の芽を摘み取ってきた早田くん! 大車輪の活躍!
そしてそのままオーバーラップ! 難波守備陣はここにきての早田くんの攻撃参加に上手く対処できない!」
中西「ア、アホゥ! 何やってるんや!」
早田「へへっ、いくぜぇ! カミソリシュートだ!」
中西「ロングシュートやと! 舐めるのもいい加減に……」
ギュイイイイイイイインッ!! バサァッ!!
中西「な、なにィ!?」
早田「よっしゃああ!」
実況「き、決まったァ! 早田くん、カーブをかけたシュートで中西くんからゴールを奪いました!
そして試合終了! 全国常連の強豪校難波中学、今年は府大会で姿を消しました!」
73 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 00:07:03 ID:???
〜 長崎 〜
実況「な、なんという事でしょうか!
長崎の強豪、西海中がまさかの敗退! しかも6−0という惨敗です!
勝ったのはこれまで無名校だった比良戸中! これは凄い大番狂わせです!」
次藤「長崎で1番のチームといっても、ワシらが本気をちょっと見せてやればこんなもんタイ」
佐野「そうですね」
次藤「少しは期待してたんじゃがのう、まあいい、本番は全国大会タイ」
佐野「そうですね」
次藤「何せ全国には……」
先着1名様で、
★次籐くんのお目当て→! card★
と書き込んでください。マークで分岐します。
JOKER→次藤「あの東邦の小池がおる。びっしゃぎがいがあるタイ!」 KO☆I☆KE
ダイヤ→次藤「去年の全国ですごかシュートを見せたふらののFWがおるタイ!」 板野です。
ハート→次藤「去年の全国ですごかシュートを見せたふらのの松山がおるタイ!」 松山です。
スペード→次藤「あの東邦の若島津、あいつと勝負してみタイ!」 若島津です。
クラブ→次藤「2連覇もしてる南葛がいるタイ! ワシの手で捻り潰してやるタイ!」 南葛全員です。
74 :
森崎名無しさん
:2013/10/12(土) 00:07:35 ID:???
★次籐くんのお目当て→
ダイヤ4
★
75 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:09:04 ID:???
>★次籐くんのお目当て→ ダイヤ4 ★
>次藤「去年の全国ですごかシュートを見せたふらののFWがおるタイ!」 板野です。
==================================================================================
元々次藤洋という男はサッカー部にいながら、真面目に練習にも参加をしない選手。
練習する暇があれば自分よりも強い男とストリートファイトに明け暮れる、そんな男であった。
そんな彼が急にサッカーに目覚め、真面目に取り組むようになったのは、ふらののFW――板野住明の存在があった。
それははっきり言って偶然であった。
その日も次藤は喧嘩をし、いつものように高校生たちを相手に憂さを晴らしていた。
しかし、このところ歯応えのある相手がいないと落ち込んでいた時、
なんの気もなしにサッカー部の部活に出た所、板野が丁度試合に出たふらのvs難波のビデオを視聴する事となったのである。
比良戸監督「今日はビデオを見て、全国クラスの戦いというのを研究するぞ。
この試合は1回戦ながら好カード、全国常連の難波とふらのの試合だ」
次藤「(けっ、かったるいタイ……まだ外でボールば蹴ってる方が性に合ってるとね)」
最初はこのビデオすらも真面目にみようとしていなかった次藤。
だが、彼はTVの中の試合が始まってすぐにその態度を一変させた。
ドガァァァンッ! ピピィーッ!!
次藤「!!」
比良戸メンバー「うおっ、すげぇ!」「あんな小さな体してるのに強力なボレーだったな!」「同じ2年生とは思えないぜ」
佐野「(ん? 次藤さん、何か様子がおかしいな……)」
次藤「(なんちゅうすごか脚力タイ……! あんなこんまかナリであんなシュートば打てるのか!?)」
76 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:10:12 ID:???
次藤にとって幸運だったのは、自分が寝てしまう前に板野がシュートを決めた事である。
板野の爆発的キック力は2年生当時でももはや全国レベル。
しかもそのキック力を持つ板野の体格自体は、次藤のような巨漢と比べる事すら悲しくなる程の小ささ。
何故あのような男があんなシュートを打てるのか、あんな脚力を持っているのか。
次藤が興味を持ったのは、板野のその強靭な脚力に対してである。
次藤「(……2年生という事はワシとタメ。 来年になれば全国で会える!
ふ、ふはは……楽しくなってきたタイ!)」
それから次藤は生まれ変わったように練習に打ち込んだ。
当時2年だった板野はまだ伸び代があり、3年生となる頃にはもっと成長をしているだろうと次藤は踏んだのである。
次藤のその予想は当たり、板野はこの1年で大きく成長を遂げた。
そして、その板野を完膚なきまでに叩きのめす……今までの喧嘩とは違う、
想像するだけでワクワクとする期待が次藤の胸に溢れる。
次藤「さぁ佐野、全国に殴り込みタイ!」
佐野「はい!」
77 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:11:13 ID:???
〜 東京 〜
そして東京、ここでも都大会の決勝戦が行われていた。
決勝戦のカードは東邦学園対武蔵中学。
都内きってのエリート校同士の対決であった。
とはいえ、前半戦は東邦学園が優勢である。
如何に武蔵がエリート校といえど、東邦の三本柱反町・沢田・若島津を相手に並の選手では立ち向かえない。
また、キャプテンである小池の活躍も随所で地味に散見され、
守っては若島津が活躍し1点も許さず、中盤は沢田と小池が制し、そして反町は与えられたチャンスを確実にものにした。
結果、前半が終わって3−0と東邦学園が3点のリード。
しかし、武蔵はここからが本番であった。
実況「都大会決勝、東邦対武蔵の試合はいよいよ後半戦に差しかかります。
そして武蔵はここで予想されていたようにキャプテン、三杉くんを投入。
ガラスのエースが決勝の舞台へと上がります」
観客「キャー、三杉様ー!」「こっち向いてー!!」「ハァハァ、もう駄目、倒れそう……」
弥生「(淳……神様、どうか淳を勝たせてあげてください)」
森崎がおらず、彼に脅されて三杉への妨害工作を小学生時代に行わなわず、
至極真っ当な関係をその後三杉と築けたガールフレンドが見守る中、
三杉は胸に手を当てて心臓の調子を確認しながらピッチに現れる。
78 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:12:43 ID:???
三杉「(3点差か……10分3点でも同点止まり……もっとハイペースでいかなくてはならないか)」
反町「(ガラスのエースか……気を使わずにプレイするつもりだけど、何かあればすぐに対処できる用意だけはしておこう)」
沢田「(三杉さん……松山さんと同じく、僕が目標にするMF……。
この後半、しっかりとそのプレイを見させてもらう!)」
小池「(ふっ、ガラスのエースだか何だか知らないがこの小池秀人率いる東邦が負ける筈がない!)」
若島津「(3点もあれば十分だ。 俺が失点しなければ問題は何もないんだ……!)」
静かに闘志を燃やす三杉に、視線を注視させる東邦の主力4人。
彼らの熱き戦いは……しかし、殆ど三杉の圧勝と言える形で進んでいった。
反町「(よし、チャンスだ! ボールをくれ!)」
小池「(これでこの大会アシスト王に、俺はなる!)」
三杉「(ここだぞみんな!)」
ポーンッ…… ピィィーッ!!
反町「えっ……?」
小池「オ、オフサイドだとォ!?」
東邦学園のストライカー、反町は三杉が指揮する事で完成をする戦術――オフサイド・トラップに引っかかり、
後半はまるでシュートを打てず置物と化す。
79 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:13:52 ID:???
沢田「(三杉さんを抜くのは一人じゃ無理だ!)小池さん!」
小池「おう!」
三杉「(なるほど、いい連携だな。 皆では止められないのも無理ではない。
だけどパスカットは僕のもっとも得意とする所だよ?)はっ!」
沢田「し、しまったァ!」
沢田、小池の2枚看板で鳴らす東邦の中盤も三杉の前に完全崩壊。
こうして東邦は武蔵に立て続けに攻められ、何度もピンチを招く。
三杉「本間!(わかっているな?)」
本間「(あのサインは……わかりました!)」
若島津「(三杉が相手でなければこんな三流にゴールを許しは……!)」
本間「それっ!」
若島津「なにィ!?」
三杉「ナイスリターン! それっ!」
そして、東邦の守護神である若島津でさえも、この三杉には敵わなかった。
本間へのパスと読み、飛び出した若島津であったが……このボールを本間は軽く浮かせるだけ。
虚を憑かれた若島津は完全にバランスを崩し、そこをいつの間にか詰めていた三杉にボレーシュートで決められてしまう。
北詰「(いかんな……うまく三杉にあしらわれ過ぎている。 あいつを封じ込める事が先決か。 反町!)」
反町「(守備……三杉のマーク、か。 俺じゃ相手にならないと思うんだけどなぁ……)」
80 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:15:44 ID:???
後半開始からの完全なる武蔵優勢の空気を感じ、分が悪いと判断した東邦監督北詰は作戦を変更。
オフサイドトラップに何度も引っかかり、ゴールを上げる事が出来なかった反町を下げ、
沢田、小池と共に三杉を封じる為にマークにつかせた。
三杉「(だけど反町が下がったという事は、それだけこちらが攻撃に割ける人数が増えたという事だ。
これで一気に攻める事が出来る……!)」
そして、北詰の作戦は裏目に出た。
三杉の考えていたように攻撃に割ける人数が増えた武蔵は更に攻撃を激化させ、
逆に三杉に主力3人がマークにつき戦力が低下している東邦はこれの対処に苦慮。
結果、3人相手でも難なくボールを受け取った三杉がごぼう抜きにし、若島津との一対一からゴールを上げる。
ここまで時間にして僅か12分。
誰がどう見ても流れが武蔵にある中で、点差は僅か1点にまで縮まってしまっていたのだった。
若島津「くっ……くそぉっ!!(2失点……12分で2失点だと!?)」
反町「(嫌な流れだな……もう一度引き離したいけど、監督の指示は三杉マークだし……)」
沢田「(や、やっぱり僕なんかじゃ話にならない……)」
小池「(ふ、やるな三杉……!)」
三杉「(このペースなら逆転は十分可能だ。
いけるぞ……中学に上がって2年間、リハビリに耐えてきたのは全て全国大会に出場……。
そして、優勝する為だったんだ! 僕は勝てる……!)」
片桐「(三杉……心臓病が無ければ、間違いなくこの世代最高のプレイヤーになっていただろう。
そして、そのハンデがあっても今なおお前は勝とうとしている……。
それほどまでの逸材か……)」
まだ1点リードしている筈なのに、既に追い込まれたかのような気持ちになる東邦メンバー。
それほどまでの印象を植え付けた三杉は、逆転の為にと残り15分フルに動き回るのだが……。
三杉「(はぁっ、はぁっ……まだ30分戦ってないのに……少し動きすぎたか? でも、あと少し……!)」
81 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:16:53 ID:???
先着1名様で、
★三杉すご杉→! card★
と書き込んでください。マークで分岐します。
JOKER→反町が三杉の足を削り、沢田がヘッドバットし、小池がショルダーチャージし、若島津が浴びせ蹴りだ!
ダイヤ→なんと三杉と若島津が空中で激突! 三杉が倒れ込んだ!
ハート→なんと反町が三杉の足を削り転倒! 三杉そのまま起き上がれない!
スペード→なんと沢田が空中戦で誤って三杉の胸部をヘッドバット! 三杉が苦しみながら倒れる!
クラブ→なんと小池が三杉に荒いショルダーチャージ! 遠慮もない一撃に三杉がノックアウト!
82 :
森崎名無しさん
:2013/10/12(土) 01:17:12 ID:???
★三杉すご杉→
スペード4
★
83 :
森崎名無しさん
:2013/10/12(土) 01:17:21 ID:???
★三杉すご杉→
ダイヤQ
★
84 :
森末(仮)
:2013/10/12(土) 01:19:32 ID:???
本日はここで区切らせていただきます。
遅い時間までお付き合い頂きありがとうございました。それでは。
85 :
森崎名無しさん
:2013/10/12(土) 01:22:43 ID:???
乙
きれいな三杉かな?
86 :
森崎名無しさん
:2013/10/12(土) 02:02:41 ID:???
乙
下剤なんてなかったんだ
87 :
森崎名無しさん
:2013/10/12(土) 22:15:23 ID:???
下剤とヒューガーがないから道を外れることがなかった
しかし中学卒業から本格的に手術なのは変わらないか
88 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:25:11 ID:???
>★三杉すご杉→ スペード4 ★
>なんと沢田が空中戦で誤って三杉の胸部をヘッドバット! 三杉が苦しみながら倒れる!
========================================================================================
三杉「……一之瀬、そのままサイドから上げるんだ!」
一之瀬「(大丈夫かなキャプテン、苦しそうだけど……でも逆転するにはキャプテンに上げるしかない!)はい!」
三杉「(流石に若島津相手に正攻法での空中戦は難しい、この位置だ!)」
若島津「(くっ、迂闊に飛び出せない位置に綺麗に位置取りを……!)」
後半からここまで、試合の主役は完全に三杉淳であった。
東邦のキックオフを自らの指揮するDF陣で見事に防ぎ、そのまま綺麗なカウンターを決める。
フィニッシュは勿論三杉その人である。
医師から許された30分以内のプレーとはいえ、ここまでほぼ試合の中心にいた三杉。
その疲弊は尋常ではなく、彼の負担となっている心臓は音を上げてしまいそうになっていたが、
それでも彼は逆転の為にとサイドから上げられたセンタリングに向けて飛んだ。
実況「これは高い! 三杉くん、一之瀬くんからのセンタリングに大きく飛び上がってシュートに行く!
しかもこれは三杉くんが得意とするオーバーヘッドキックだ!
東邦守備陣は誰も追いつけない……いや!」
沢田「く、くそぉっ!」
三杉「(沢田!? いや、落ち着くんだ……沢田の身長、
そしてジャンプ力ならば僕のオーバーヘッドをクリアーするのは不可能な筈だ!)」
これに同時に飛び上がり、クリアーに向かったのは東邦1年生ながらゲームメイカーを担当する沢田である。
しかし、まだ1年生という事もあってか彼の身長は決して高くなく、
また、ジャンプ力も平凡……三杉の読み通り、彼はボールに触れる事すら出来ない。
ボグォッ!! パコン……ピピィーッ!!
三杉「ぐはっ!?」
沢田「あっ……!?」
89 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:26:14 ID:???
しかし、三杉のあまりの活躍に己を見失い、なんとかクリアーをしなければと息巻いていた沢田はそのことに気づけなかった。
故にそのままヘディングでボールを弾き返そうとしてしまい……結果的に三杉の胸部を思い切り頭突きしてしまう。
これにより体勢を崩した三杉はボールをインパクトする事が出来ず、こぼれ球になるのだが……。
当然ながらこれは沢田の反則を取られ、審判の笛が鳴る。
ドサッ!!
三杉「ぐ……うぅ……」
沢田「あわわ……み、三杉さん!」
だが、反則を犯してしまったという問題以前に、沢田は顔面を蒼白させてしまっていた。
胸部――左胸を思い切りたたきつけた後の三杉は、そのまま地面に崩れ落ちそのままうめき声を上げて動かなくなったからである。
ざわ…… ざわ……
実況「こ、これは大変な事になりました! 東邦学園沢田くん、三杉くんにヘッドバットを決めてしまった!
三杉くんは立ち上がれず、そのままフィールドに蹲ったままです!」
弥生「淳……!」
観客「いやああああ!私の三杉様がぁぁぁあ!」「私の三杉様にあんな事をしたのは誰!?」「野郎!ぶっ殺す!」
実況「ああぁ、観客席からはどよめきと黄色い悲鳴が上がっています!
観客の皆さん、どうかゴミをフィールドに投げ込まないで下さい!」
沢田「あ、あわわわわ……わ、わざとじゃない! わざとじゃないんです!! 本当なんです!!」
反町「(沢田……観客席に向かって何度もペコペコして……)」
若島津「(PKか……痛いが、三杉が抜けるのならこの試合貰ったも同然だな)」
三杉「ぐぅぅ……」
救護班「苦しいだろうが、もう少しの辛抱だ……! 早く運ぶぞ!」
三杉「(僕の中学最後の試合……最後の大会が、こんな形でなんて……!)」
90 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:27:55 ID:???
その後、場内には異様な空気が漂った。
元々三杉が重い心臓病を患っているというのはサッカーファンの間では周知の事実。
特に女性ファンの多い三杉に、わざとではないとはいえ暴力を加えた事で観客たちはヒートアップ。
女性ファンは怒り心頭であり、沢田に向けて口汚い罵倒とゴミを投げつける事で怒りを晴らす。
これに気の小さい沢田が動揺しない筈もなく、彼は涙目になりながら観客席、
そして担架で運ばれていく三杉に何度も何度もお辞儀を繰り返し謝罪をした。
だが、担架で運ばれる三杉本人はそれどころではない。
彼は胸から襲ってくる苦しみに意識を朦朧とさせつつも、不本意な結果で中学最後の夏を終える理不尽さに悔しさを覚えていた。
しばらく時間が経過し、少しは観客たちの気が収まった所で試合は改めて再開される。
沢田の反則はイエローカード止まりであり一発レッドの声も観客席から飛んだが審判の判定は当然ながら覆らず、
PKとなり、一之瀬がこれを決めて武蔵は3−3の同点に追いついた。
しかし武蔵はここまで……実力的にも申し分のない主柱であり、精神的主柱でもある三杉を欠いた彼らはその後押される。
武蔵にとって幸いだったのは反則をしてしまった沢田が萎縮をしプレーの精彩を欠いていた事だが、
その分はキャプテンの小池が見事にフォロー。
後半27分に反町が小池からのセンタリングをヘディングで決め、4−3で勝ち越し東邦の都大会制覇が決まったのであった。
ワー ワー ワー
実況「試合終了! 三杉くんの負傷退場というアクシデントもありましたが、
東邦学園が試合終了間際に1点をもぎ取り都大会を制覇! これで3年連続の全国大会出場となりました!
もしもあの時沢田くんの反則がなかったら……とはいえ、サッカーに反則や怪我はつきもの。
今回は三杉くんの運が些か悪かったと言えるでしょうか」
若島津「(ふん、勝ってもたらればの実況か……。 ……実力で勝たなければ、こんなものか)」
反町「沢田、あまり気にするなよ……わざとじゃなかったんだろ?」
沢田「うぅぅ……すみません、すみません……」
小池「(この小池秀人がついている東邦学園だ。 全国でも今年こそ優勝だ!)」
91 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:29:20 ID:???
もしも沢田が三杉に接触し、三杉が途中退場していなければ……。
それはこの試合を観戦していて誰もが思った事柄である。
だが、結果として東邦は勝ち、武蔵は負けた。
実況の言うようにサッカーに怪我はつきもの、と考えればこの結果も致し方なしなのだろう。
試合には勝ったが勝負では負けた、東邦のメンバーの殆どがそう考え、
都大会優勝とあっても浮かれた顔をするものは少なかったが、それでも勝ちは勝ちである。
控室に戻った彼らは気持ちをなんとか切り替え、全国大会へと気持ちを移そうとするのだが……。
ガチャッ
吉良「邪魔するぞ、若島津、タケシ」
若島津「えっ、あ、あなたは……!」
沢田「吉良監督!」
控室で全員が着替えを終え、帰路につこうとしていたその時、入ってきたのは吉良耕三……。
かつて若島津、そして沢田が所属をしていた明和FCの監督である。
東邦学園のメンバーらにとっては殆ど初対面であるが、若島津としては懐かしい顔。
そして沢田にとっては去年まで面倒を見てくれていた恩師であり、再会を喜ぶのだが……。
そんな彼らにも、どうしてここに吉良がいるのかという疑問が浮かぶ。
若島津「どうしたんですか吉良監督、こんな所に……」
吉良「なぁに、可愛い教え子達があの三杉がいる武蔵相手にどこまでやれるのか……見てみたかったまでの事よ。
結果はワシの期待を裏切られる形であったがな」
沢田「うぅ……」
若島津「……面目ありません」
92 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:30:50 ID:???
教え子――沢田と若島津が、天才と称される三杉を相手にどこまで戦えるか、期待をして観戦をしていた吉良。
しかし、結果は沢田も若島津も決して満足の行くものではない……。
否、一対一での勝負ならば両者共に完全に負けていたと言って差し支えの無いものだろう。
恩師にいい所を見せられなかったとあって深く反省をする若島津と沢田であったが、
そんな両者を厳しい目で見つめていた吉良は、途端にフッと笑みを浮かべて沢田を指さす。
吉良「じゃがタケシ、お前の今日の試合……殆どのプレイは見るに堪えんものだったが、
1点だけいい所があったぞ」
沢田「えっ? ど、どこですか?」
吉良「決まっておるじゃろう、あの三杉を潰したプレイじゃ!」
沢田「えっ……えええええええええええええっ!!?」
反町「(な、何言いだすんだこのオッサン!?)」
何らいい所が無かった若島津と沢田であったが、そんな中でも吉良が褒めたプレー……。
それは結果的に三杉を潰した、故意ではないヘッドバッドだった。
この言葉に沢田を含め、東邦メンバーは驚きを露にするのだが、
そんな事を知ってか知らずか吉良は更に話を続ける。
吉良「お前には昔からセンスがあった、上級生の中に入ってもそん色ない華麗なボール捌き、それがお前の最大の武器じゃ。
じゃが、その癖度胸だけは身につかん!
サッカーとは技術だけで出来るもんじゃない、『勝つ』という気迫がものをいうスポーツ!
そして、ワシがお前たちに教えたのは『何をしてでも勝つサッカー』じゃ!
そういう意味で、お前はワシにとっての落第生じゃった!」
沢田「そ、そんな……」
吉良「じゃが、今日の試合……あれはよかったぞ!
敵の中心となる選手は反則をしてでも止めていい、最悪負傷させてでもいい!!
取られない反則は高等技術とすらされているサッカー、ボール越しなら相手を殺してもいいルールのサッカー!
そのサッカーにおいて、相手に情けは無用じゃ!!」
反町「(無茶苦茶だ……)」
若島津「(相変わらずだな……)」
93 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:32:01 ID:???
そう、吉良が信条とし、かつての明和FCの面々に徹底させたのは『何をしてでも勝つサッカー』である。
これに愛弟子である若島津は共感し一歩間違えれば反則どころか、
当たり所が悪ければ死なせてしまう事もあるかもしれない『浴びせ蹴り』をサッカーに転用した。
だが、二番弟子である沢田にはその『何をしてでも』という点だけは受け付けられなかった。
生来の性格故か、沢田には相手を負傷させてでもという気迫だけは身につかなかったのである。
しかし、今日の試合――沢田が三杉を負傷させたプレーは正に吉良の教えそのもの。
相手に弱点があるのならばそこに触れず正当な手段で勝つのではなく、
むしろ弱点を苛めに苛め抜き勝つことこそ吉良の言うサッカーである。
沢田「そ、そんな……あれはわざとじゃ……」
吉良「むぅ……まだそのような事を言うか。 ええい、まどろっこしい奴め。
こうなればお前には徹底的にワシのサッカーを教え込むしかないようじゃな……」
沢田「えっ、えっ、えっ……?」
吉良「来い、お前を立派な『サッカー選手』へと育ててやろう。 ……ワシ流のな。
安心せい、全国大会までには間に合うようにしてやるわい」
これには沢田も困惑をするだけだったが、それで止まる吉良ではなかった。
ボール捌きに抜群の素質を持つ沢田が、ついに手段を択ばない暴力的サッカーに目覚めた。
それは正に吉良の待ち望んでいた状況であり、今ならば己の持つ技術全てを沢田に詰め込めるだろうと考えたのである。
吉良に首根っこを?まえられ、沢田はそのままずるずると引きずられるようにして姿を消す。
あまりの突然の事態に東邦メンバーはしばらくポカンと口を開けて茫然とするのだが……。
反町「いやいやいや! これって拉致、いや誘拐じゃないのか!? どうするんだよ!?」
若島津「慌てるな、あの吉良監督といえど流石にそこまで無理にしごく……。
というのはありえるかもしれんが、少なくとも殺したりはしない筈だ」
反町「そういう問題じゃないって! と、とにかく監督に連絡……」
小池「でも監督にそのまま言ったらさ、あの監督の事だから『勝手にいなくなるとはけしからん!』とか言って怒るぜ?
最悪そのままタケシを学校から追放するかもしれねぇ」
94 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:33:36 ID:???
慌てる東邦学園の良心・反町はとにかく誰か大人に報告をした方がいいのではと進言をするも、
監督である北詰の性格を考えればそれは良策とは到底思えず、この道は断念する。
若島津「それに話が広まれば色々と問題になるだろう。 吉良監督は俺の師匠でもある。
とばっちりで俺にまで被害がかかるかもしれん」
反町「うっ……で、でもどうすればいいんだ……?」
若島津「なんとか俺達で誤魔化すしかないだろう……そうだな、祖母が急に危篤になったから帰ったとか……」
小池「それなら流石に監督でも怒らないだろ。 連絡してなかったって事を怒るかもしれないけど……」
若島津「まあ俺達が言伝を頼まれていた、とでもすれば問題ないだろう。
よし、それじゃあお前たち、口裏を合わせろよ」
反町「(いいのかなぁ……?)」
結論として、東邦メンバーは沢田は吉良に連れ去られて失踪をしたのではなく、
祖母が危篤となり急に実家に帰ったという話にして誤魔化そうとした。
キャプテンである小池が代表をして北詰にそう話すと、
北詰は一瞬監督である自分に直接言わなかった事を不満そうに表情を変化させるも、
まだ中学1年――しかも親族の一大事とあればそれも仕方ないかと態度を軟化させ、納得してみせた。
北詰「……まぁ、仕方ないだろう。 そうだな、そうすると後で沢田の実家にお悔やみの電話でもせねばならんか」
反町「い、いえ! それはその……」
若島津「タケシの家は親戚が多いんで、葬式の場では多分家の人が忙しいと思います。
お悔やみの電話をするのは逆に迷惑になるかと思いますが……」
北詰「……しかし礼儀的にだな」
若島津「礼儀にかまけて相手の迷惑となるのは本末転倒だと思います。
祖母が倒れて参っているタケシの家に、必要以上に負担をかける事もないでしょう」
北詰「………………。 まあ、こういう事はデリケートな問題だしな」
若島津「(ホッ……)」
こうして各地で様々な動きがありつつ、いよいよ全国大会が幕を開く。
95 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:35:11 ID:???
『3年目 8月 日常パート』
板野「やっと出てこれた……新スレになってから全然僕の出番来なかったよ」
森末「仕方ないよ、NPCの描写も必要さ。
それじゃあ今月も日常パートにいこう。 これが正真正銘最後の日常パートだ」
板野「長いようで短かったなぁ……最後の日常パート、何をしよう」
A.ぶらついてみる(※何かイベントが発生するかもしれません)
B.誰かに会いに行く(※改めて誰に会いに行くか選択できます)
C.自宅で過ごす(※低確率で何かイベントが発生するかもしれません)
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
>>85-86
乙ありです。今の所は綺麗ですが、生来の性格……毒舌家、皮肉屋な所は残っています。
>>87
手術はしておりませんね。
96 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:36:23 ID:MPITZHYY
B
97 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:36:39 ID:X8/cxBkA
C
98 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:37:36 ID:btIuXQpk
B
これは引き次第で、大友や武蔵が本選にでることもあったのかな?
99 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:38:30 ID:???
なかったと思う、判定どれも同じ流れっぽいし
100 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:41:09 ID:???
JOKERだった場合は没収試合になったかもってぐらいかwwwww
101 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:41:42 ID:???
>B.誰かに会いに行く(※改めて誰に会いに行くか選択できます)
============================================================================
板野「最後は誰かに会いに行くよ」
森末「なるほどね。 それじゃあ中学生編、最後に誰に会いに行くか、決めて貰おうか」
A.松山
B.藤沢
C.町田(メガネ)
D.矢車
E.多田野
F.監督
G.その他 選びたい人を下記から選択して下さい。
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
※選べる人 小田、山室、若松、中川、金田、本田、松田、近藤、佐瀬、加藤
>>98-99
出てくる所は変わりませんね。誰が活躍するか、などの判定でした。
102 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:42:07 ID:X8/cxBkA
G小田
103 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:43:10 ID:Fo/1dR8+
F
104 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:43:56 ID:MPITZHYY
A
105 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:44:12 ID:???
全日本の中盤強化フラグは立ってるなー
板野の相方が誰になるか楽しみになってきたな
106 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:45:58 ID:aDcEUsDg
D
107 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 00:46:45 ID:X8/cxBkA
Dに変更
108 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 00:48:55 ID:???
>>107
変更了解です。
109 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 01:06:05 ID:???
>D.矢車
=========================================================
板野「……矢車くんに会いに行ってみようかな」
森末「ほほう、意外な所にいったね」
板野「大会が始まったらしばらく会えなくなりそうだからね。 今のうちに会っておくよ」
最後の日常パートを矢車と過ごそうと決めた板野は、早速繁華街へと出かけた。
北海道といえど8月は暑い。
そんな中でも矢車は以前板野があった時と同じように露店を開き、
今日のシルバーアクセサリーを売る商売に精を出していた。
板野「やあ」
矢車「兄弟……久しぶりだな。 もう俺の事は忘れているのかと思ったぞ……」
板野「(矢車くん程のインパクトを持つキャラをそうそう簡単に忘れられないと思う……。
それはそれとして、何を話そうかな?)」
A.「全国大会に応援に来てよ!」 矢車を応援に来てくれるように誘う
B.「どうしてシルバーアクセサリーなんか売ってるの?」 矢車の商売をしている理由を聞く
C.「ちょっと商品見せて貰っていいかな?」 品物を見せてもらう
D.「矢車くんって喧嘩強いんだよね? ちょっと教えてよ!」 喧嘩の仕方を教えてもらう
E.その他 板野くんに言わせたい事を書いてください
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
110 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 01:06:40 ID:X8/cxBkA
A
111 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 01:09:01 ID:aDcEUsDg
E A+マネージャーとしてついて来るよう提案(旅費浮かせ)
112 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 01:16:37 ID:x3/ak5XE
C
113 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 01:24:29 ID:Fo/1dR8+
B
114 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 01:27:03 ID:HNei+y72
C
115 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 01:31:35 ID:???
本日は一旦ここで区切らせていただきます。
それでは。
116 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 01:49:12 ID:???
乙でした
あくまで話題になるものに乗っただけだから何も無くていいけど
何か良いものが出たらいいなあ
117 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 20:22:17 ID:???
>C.「ちょっと商品見せて貰っていいかな?」 品物を見せてもらう
===================================================================
矢車「好きにしろ……見るだけならタダだ……」
板野「それじゃあお言葉に甘えて……」
折角このような場所に来たのだから、
矢車の売りに出しているアクセサリーを見せて貰おうとしゃがみこんで商品に目を移す。
このふらのに来てから既に1年と少し、その殆どをサッカーに打ち込んできた板野だが、
こういったアクセサリーでお洒落をするという事にも多少の興味はある。
板野「あ、これ恰好いい!」
そうして板野が物色している際、目についたのは銀で出来た弾丸をモチーフにしたネックレス。
己のシュートの名が弾丸、拳銃といったものをイメージしているものだからか、
一目見た瞬間で気に入り目を輝かせる。
矢車「そいつに目をつけたか……まぁ悪くないモノだな。
後はコイツとかも女性人気が高い、ウチの一押し商品だ」
板野「これは指輪? ……でもこんなの今買っても、俺送る人なんていないし。
そもそもこういうのって指のサイズ計らないと嵌るかどうかわからないんじゃないの?」
矢車「甘いぞ兄弟……こいつはここにチェーンを通してネックレスにするんだ。
だから指のサイズを計る必要もない……サプライズで送るにはうってつけのモノだな」
板野「なるほど」
板野が商品に食いついた所を見て、矢車もここで攻勢に出る。
彼が紹介をしたのは、この店で女性から支持を受けている指輪型のネックレス。
サプライズで女性に贈るにはオススメだと矢車は言うが、
悲しい事に板野には今の所そのような予定は全くない。
118 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 20:23:22 ID:???
矢車「後はこの俺がつけているのとお揃いのも個人的にはオススメだ……」
板野「(……あれはちょっと、じゃらじゃらし過ぎじゃないかなぁ)」
ついでに矢車は自分がつけている、無駄にゴテゴテした腕に巻くブレスレットなどを勧めてくるも……。
その派手な装飾を自分がしたらどうなると板野はイメージし、
そしてやはりあまり似合いそうもないという結論に達し苦笑いをする。
板野「(でもまぁ一応候補には入れておこうかな……。
さてどうしよう? 折角だから何か買っておこうか……お小遣いを考えるとどれか1個が限度だろうけど)」
A.銀の弾丸をモチーフにしたネックレスを買う
B.女性向けの指輪のネックレスを買う
C.矢車くんオススメのゴテゴテシルバーブレスレッドを買う
D.いや無駄遣いは駄目だ。ここは何も買わないでおこう
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
>>116
乙ありです。
119 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:24:33 ID:Fo/1dR8+
D
120 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:24:59 ID:aDcEUsDg
A
121 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:25:49 ID:X8/cxBkA
B
122 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:25:58 ID:Igt9993E
A
123 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:32:10 ID:???
そういや狼に関したイメージの選手っていたっけ?
124 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 20:51:27 ID:???
>A.銀の弾丸をモチーフにしたネックレスを買う
=================================================================
板野「うーん……それじゃあこれを貰うよ」
矢車「それでいいのか? やはり俺と同じ奴をだな……」
板野「い、いいから! これでいいから!」
どうしても自分と同じものを板野に着けて欲しいのか執拗に進めてくる矢車であったが、
板野は両手を振って断り、銀の弾丸をモチーフにしたネックレスを買う事とする。
矢車は少しだけしょんぼりと下を向くものの、すぐにそのネックレスを袋に包み、
板野から代金を受け取るとそれを手渡す。
矢車「まいどあり……」
板野「うん、ありがとう。 学校とかでは使えないけど、お守り代わりに持ち歩かせてもらうよ」
中学生である板野にとって、このアクセサリーを使用する機会というのは少ない。
学校のある時は当然校則違反になるからつけてはいられないし、
プライベートの時にと言ってもこれからは全国大会が始まりそれが終われば(恐らく)全日本Jrユースの合宿である。
だが、ここまで1年と少しの間をふらので過ごした思い出、
そういったものを全国へも持っていきたいと板野は考えていた。
大会が始まれば矢車や多田野、ダルビッシュといったこの地で出会った者達と会う機会は殆どなくなるが、
それを忘れないよう、いつでもこのふらの時代を思い出せるモノを手に入れたかったのである。
矢車「兄弟……俺には日なたの道は眩しすぎる……。 お前が目指そうとしているものもな……」
板野「矢車くん……」
矢車「サッカーは詳しくないが……南葛とかいう奴らがV2を達成して日なたの道を歩いているそうだな。
だったらそいつらを地獄に落としてやれ……這いつくばらせるんだ」
板野「……頑張ってくるよ! 絶対に優勝してみせるから、応援しててね!」
矢車なりの激励の言葉を受け、板野はその場を後にする。
その後ろ姿を寂しげに見やりながら、矢車は眩しそうに目を細めつつ、ひっそりと商売に戻っていくのだった。
125 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 20:52:53 ID:???
『3年目 8月 練習パート』
板野「矢車くんのお店でいい買い物させてもらったよ。
どう、似合ってるかな?」
森末「素敵だと思うよ。 この1年、いい思い出をふらので作れたみたいで良かった。
さぁ、今度は練習パートだ。 全国大会に向けて、最後の練習だよ」
板野「これが最後の練習のチャンスか……よく考えなきゃね」
森末「能力値は
>>2
に書いてあるから参考にするといい。 それじゃあ何をするか決めて貰おうか」
とても上がりやすい:パスカット、ブロック
上がりやすい:パス、タックル、ガッツ
普通:ドリブル、せりあい
上がりにくい:シュート
とても上がりにくい:なし
シュート経験値:1
A.基礎能力を上げる
B.技を覚える
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
>>123
いなかったと思います。
126 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:53:28 ID:Fo/1dR8+
A
127 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 20:53:54 ID:???
失礼しました、正しくはガッツが「普通」になっているのでこうなります。
とても上がりやすい:パスカット、ブロック
上がりやすい:パス、タックル
普通:ドリブル、せりあい、ガッツ
上がりにくい:シュート
とても上がりにくい:なし
128 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:54:18 ID:IUhl4rUo
A
129 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 20:57:26 ID:???
>A.基礎能力を上げる
===================================================================
板野「基礎能力を上げるよ。 今から技を覚えても付け焼刃になりそうだしね」
森末「なるほどね。 なら次は何を伸ばすかだ」
板野「(これが中学生編最後の成長機会だ……どうしようかな?)」
とても上がりやすい:パスカット、ブロック
上がりやすい:パス、タックル
普通:ドリブル、せりあい、ガッツ
上がりにくい:シュート
とても上がりにくい:なし
A.ドリブル
B.パス
C.シュート
D.タックル
E.パスカット
F.ブロック
G.せりあい
H.ガッツ
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
130 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:57:47 ID:IUhl4rUo
A
131 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 20:58:22 ID:Fo/1dR8+
E
132 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 21:00:16 ID:X8/cxBkA
H
133 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 21:01:02 ID:DFLRR1R2
H
134 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 21:05:55 ID:???
>H.ガッツ
=============================================================
板野「うん……最後もガッツを伸ばす方向で練習するよ!」
森末「ふむ……最後までパスカットとブロックは伸ばさなかったね。
まあFWにはあまり必要とは言えない能力だから、そのほかを重点的にという感じかな」
板野「体力はあるに越した事が無いからね!」
森末「わかった、それじゃあ最後の練習だ! 頑張っておいで!」
板野「うん!」
こうして体力を更に増やす事に決めた板野は、
大会までの短い期間をランニングをする事で過ごした。
当然、先月やったように暑さにも負けないようにする為に着込んでの運動である。
先着1名様で、
★板野のガッツ特訓→(! dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
出た数字×5のガッツが増えます。
135 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 21:06:22 ID:???
★板野のガッツ特訓→(
2
)=★
136 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 22:39:21 ID:???
>★板野のガッツ特訓→( 2 )=最大ガッツ+10★
==========================================================================
このふらのに来た時の板野はといえば、その体力自体は決して多くはなかった。
走り込みをしても松山程の持続性は持てず、小田達その他の面々の中に埋もれてしまう程度である。
だがこの1年、多くの時間を体力の増加に当てた事で板野のスタミナは飛躍的に増えていた。
今ならば松山ともある程度は併走できる程である。
板野「はぁっ、はぁっ……でもやっぱり、一気には増えないんだなぁ……」
森末「体力というのは地道に増やすものだからね。
それでも、君は少しずつ体力がついてきてるさ」
全国大会へ向けてふらのを発つ前日、
怪我をしないよう流す程度の軽い練習を終えた板野はそのまま残って走り込み、
こうして自宅へと帰りつき荒い息を立てながら森末の差し出してくれるスポーツドリンクを美味しそうに飲む。
森末「さぁ、ご飯とお風呂を済ませたらもうお休み。 明日はいよいよ全国大会に向かうんだ。
ゆっくりと休んで、万全の調子で迎えないと」
板野「そうだね……それじゃあ早速お風呂にいってくるよ」
森末「はいはい。 僕はご飯の準備をしているからね」
板野が脱衣所へと向かったのを確認して、森末はリビングへと戻りキッチンで料理を温め直す。
そして、火をつけてから再びリビングへ向かい……そこに置かれているスポーツバックに目をやる。
森末「………………」
明日からの全国大会に向けてのユニフォームなどのサッカー用具、そして身の回りのもの。
それらがしっかりと詰め込まれながらも、それでもある程度のスペースがある事を確認してから、
森末は板野が風呂から上がった事を察知し料理の支度に取り掛かるのだった。
※8月になっていたので板野の全能力が+1されます。
137 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 22:40:33 ID:???
〜 全国大会前日 ふらの中学・宿泊先の旅館 〜
小田「ふ〜、やっと一息つけるなぁ」
山室「やっぱり北海道から埼玉は遠すぎるぜ……」
松山「ちゃんと荷物は片付けておけよ」
ふらのメンバー「「「はい!」」」
そして翌日、全国大会の為にと上京をしたふらの中学のメンバーは去年も世話になった旅館に到着。
長旅の疲れから解放されゆっくりと羽を伸ばしつつ、
ある程度落ち着いた所で各々が自分の荷物を整理し始める。
板野もそんな彼らに習い、持ってきたスポーツバッグをごそごそとやり始めるのだが……。
森末「ぷはぁ……あー、苦しかった」
板野「うわぁっ!?」
松田「な、なんだ? どうした板野!?」
板野「うっ……な、なんでもない! あ、ちょ、ちょっとトイレいってくるよ!」
松田「お、おう……」
その途端、急にスポーツバッグの中から飛び出したのは森末である。
思いもよらぬ所から思いもよらぬ人物(?)が出てきた事に板野は飛び上がりそうになりながら驚くも、
まさか森末の存在を周囲に感づかれる訳にもいかず、何でもないと装いながら森末を服の下に隠してトイレへと急ぐ。
個室へと入った板野は大きくため息を吐きながら、服の下でもがく森末を出し、一体どういう事かと説明を求めた。
板野「どうして森末がスポーツバッグなんかに入ってるのさ!? びっくりしたよ!」
森末「いやほら……しばらく僕の出番が無くなりそうだし、それに会えないと板野も寂しがると思ってね。
潜り込んできちゃった」
板野「み、皆に見つかったらどうするんだよ……」
森末「大丈夫だよ、そんなヘマはしないから」
138 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 22:42:25 ID:???
明らかに地球上のどの生物とも違う姿をする森末は、知らない人から見れば珍獣である。
しかも人語を話し、家事全般をそつなくこなすという一般の動物とはまるで違う。
森末が見つかりでもしたら途端にパニックになると板野は心配するも、
森末は笑顔でそんな心配はないと尻尾を振って否定しつつ、
自分がここにいた方が板野にもメリットがあるという点を話し始める。
森末「君の大きなアドバンテージは、この先の歴史などを知っている事だよ。
だけどそれを誰かと共有する事は出来ない、これは大きなストレスになるよ。
知っている事を誰かに話せない、隠しながらずっと話さなきゃいけないってのはね」
板野「うっ……まぁ確かに、森末がいてくれた方が心強いとは思うけど……」
森末「ただこの旅館にいない方がいいっていうのもわかるからね。
僕はしばらく、大会が終わるまでこの辺りで野良精霊をやっておくよ。
もしも僕に相談したい事が出来たら、以前のように頭の中で僕を呼んでおくれ」
板野「野良って……野宿するって事? 大丈夫なの?」
森末「心配いらないさ。 僕は精霊だからね」
言っている意味はよくわからないが、ともかく凄い自信なのは確かである。
森末が近くで見守ってくれているという方が板野としても不安が少なくなるのは事実であるため、
板野はなんとなく釈然としない気持ちになりながらも森末がしばらくこの地に残る事に納得をした。
森末「因みに、早速情報が1つ入ってる。 ほら、これサッカーの雑誌。 ここ読んでみな」
板野「なになに? 『東邦学園1年生ゲームメイカー・沢田、チームを離脱』
『北詰監督はデリケートな事なので触れないでくれと取材拒否』……だって?」
森末「そう、一見すれば何か沢田に変な事があったのかなと思う記事だ。
ただ、この時期、東邦関係者がいなくなる……となれば、君にもある程度は予想がつくだろう」
板野「……吉良監督の元に行った、って事?」
139 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 22:43:56 ID:???
本来の歴史では、本編でも原作でも、
この大会直前の時期に日向小次郎は吉良監督のいる沖縄へと旅立っている。
そして『タイガーショット』という殺人シュートを磨いて帰ってくるというのは当然ながら板野も知っていたが、
まさかその役目に沢田が宛がわれたのだろうかと半分信じられない気持ちで推理をした。
板野「そもそもどうしてタケシが吉良監督の元にいったんだよ……。
あいつ1年生だから去年まで吉良監督に教えて貰ってたんじゃないの?
牙が抜けて檻に入れられるとかそういう問題の前に腑抜ける程の時間がなかったじゃないか」
森末「どうしてこうなったかは本人たちしか知らない事さ。 ただ、現実としてこうなってる。
まぁ常々注意しておくといいよ」
板野「うん……(こりゃ東邦もパワーアップしたと考えていいんだろうなあ)」
その後、森末はとりあえず今はこの程度の情報しかないと言ってからトイレの窓から外に出て、
また何かあれば会おうと約束し姿を消した。
板野はその姿を見送った後、部屋へと戻り改めて荷物を整理し、明日の大会当時に備えるのだった。
140 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 22:44:56 ID:???
〜 全国大会当日 大宮サッカー場 〜
ワーワー パチパチパチパチ
実況「第16回全国中学生サッカー大会、
照りつける太陽の中全国を勝ち抜いてきた各地の強豪たちが、入場を完了しました。
果たしてこの47チームの中から栄冠を掴み、
今、前年優勝を果たした南葛キャプテン、井沢くんから戻された真紅の優勝旗を手にするのはどのチームなのでしょうか?」
板野「(南葛は井沢がキャプテンなのか……まぁ、妥当だなぁ。 それに東邦……やっぱりタケシの姿がないや)」
全国大会当日、開会セレモニーの中に板野の姿はあった。
前に立ち、本編や原作では間違いなくその位置にはいなかった筈の南葛第2のコントロールタワーが優勝旗を返還するのを見つつ、
東邦学園の入場してきたメンバーの中に沢田の姿が無い事を確認する板野。
やはり翼や森崎、日向がいない事で様々な部分に変化が出てきている事を認識しつつ、
無事にセレモニーは終わり、早速今日、第一試合があるふらのはそのまま大宮サッカー場に残り試合前の準備を始める。
板野「(そういえば組み合わせ見せて貰ったけど……俺達と当たるのというか……。
ふらのの位置がそのまま原作や本編では南葛だった位置に、ふらのの位置には東邦が……。
そして、東邦の位置に南葛がくるようになってたよなぁ)」
この試合会場に来る前に見せて貰った組み合わせ表を見て板野が驚いたのは、その内容である。
本来ならば南葛がいるべき位置に、ふらのが入ってしまっていたのだ。
準決勝までは割とあっさり進めると思っていた板野はこの表を見て少しだけ落胆をするのだが……。
逆にこの組み合わせならば、この先も長い付き合いになるキャプ森キャラと多く会えると解釈をし、
むしろこれをチャンスだと思おうと前向きになろうとしていた。
板野「(で、南葛と同じ位置に入ったって事は1回戦の相手は……)」
監督「よし、みんな聞け。 これから東一中との試合についてのミーティングを始める」
板野「(早田のいる、東一中だ……!)」
141 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 22:46:34 ID:???
監督のいつもの声を聞きつつ、マネージャーからスタミナドリンクを受け取りホワイトボードに目を向ける板野。
ホワイトボードには府大会までの東一中の主なフォーメーションが記されており、
板野はそれを見ながら本編や原作での東一中の強さを思い出そうとする。
監督「まず皆知っていると思うが、これまでの大阪大会での代表は難波が常連だった。
今年も難波が出てくるだろうと思っていたが、そこで大物くいをしたのがこの東一中だ。
チームの特色としては守備を重視したチームで、府大会もロースコアで勝ってきている」
板野「(早田がいるチームだもんな……)」
監督「よってこちらは攻撃を第一に考え、まずは突き放す事を念頭に入れて戦おうと思うが……」
松山「(情報が少なすぎるな……守備を重視したチームといっても、中心となる選手がいるのかいないのか。
どういうタイプの選手なのかがわからないと作戦も建てようがない……)」
一方で、やはり監督はあまりサッカーの知識が豊富とは言えないのか、
曖昧な作戦指示をして一同の反応を伺う。
松山はといえば、今までに名前も聞いた事がなく、
しかも実際に試合も見ていないチームが相手では作戦の建てようもないと思ったのか、
うーんと腕組みをしたまま相手のフォーメーションを睨みつけている。
板野「(ここは何か言っておくべきかな? 情報を持ってるのは、この中では俺だけだ)」
A.「松山にマークをつけてくると思います。他の皆で攻撃を成功させましょう」
B.「松山にマークをつけてくると思います。今日は俺が攻撃の中心になります」
C.「俺にマークをつけてくると思います。他の皆で攻撃を成功させましょう」
D.「俺にマークをつけてくると思います。松山を攻撃の中心にしましょう」
E.「ロースコアの勝負になるなら逆にこちらも引きましょう。今日の試合は1点の重みが違います」
F.「(いや、特に何も言う必要はないか)」
G.その他 板野くんに言わせたい事を書いてください
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
142 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 22:49:44 ID:rUMhiF6c
C
143 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 22:51:15 ID:huAuq9pI
A
144 :
森崎名無しさん
:2013/10/13(日) 22:51:46 ID:X8/cxBkA
A
145 :
森末(仮)
:2013/10/13(日) 23:18:42 ID:???
>A.「松山にマークをつけてくると思います。他の皆で攻撃を成功させましょう」
==================================================================================
松山「俺にマーク……?」
板野「松山はふらのの起点です。 守りを重視したチームが放置するとは思えない。
十中八九、松山を自由に動かさないようにしてくると思います」
監督「なるほどな……ならば他の皆で攻めよう、という事か」
板野の読みでは、早田は間違いなく松山を封じ込めてくると踏んでいた。
板野も十二分に力をつけ、シュート力であれば松山をも超える程になったが、
それ以外のあらゆる面においてはまだまだ松山には敵わない。
当然ながらエースは松山といえ、そこを早田が封じてくるのは疑いようもない事実だろう。
そして、松山が封じられるのならば、他の者達で攻撃をすればいい。
監督「よしわかった、ならば今日は松山にはボールを集めず、サイドのMFである若松と金田がゲームを作れ。
勿論、ボールを貰える時があれば松山も使って行け」
金田・若松「「はい(げげっ、やだなぁ……でも断れないし……)」」
松山「(藤沢とお別れをするにはまだ早すぎるんだ……こんな所で躓けない。 頼むぞ、皆)」
こうして作戦が決まった後、一同は松山を先頭にしてフィールドへと向かう。
いよいよ3年目の全国大会。
板野、松山、そしてふらの中全員の最後の夏が幕開こうとしていた。
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