キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】

1 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/09/01(日) 15:08:09 ID:rBXP2cuk
『はじめに』
この物語はフィクションです。
現実世界で実在する人物も登場いたします。また1983年から91年までの史実を踏まえてはいます。
ただ物語の展開上脚色や私的設定付与も多々あり、純然たる歴史的事実からは離れてしまっております。

またキャプテン翼のキャラクターのみならず、非サッカー漫画以外のキャラクターも多く
登場しておりますが、実在人物同様、物語に沿う形での脚色や設定付与が多く、どうかご寛恕を願います。

最後に、この物語の主人公は岬太郎です。
ここの岬君は原作を参考にしたり、本編をチェックしてみたり、自身の願望を当てはめてみたりと、
どれにもピタリとは当てはまらない、大変面妖な様相をとっております。
それでも彼の物語として、読み進め楽しめてもらえれば幸いです。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
1983年8月、岬太郎はパリに来仏。
知人の男の子が近い将来襲われるであろう危険に対し、岬自身が立ち向かわなくてはならないと
予言されるなど、後日の波乱を予感されるお告げを、叔母の体を借りた祖先の霊から告げられる。
その覚悟がはっきりと固まらないうちに、パリ日本人学校へと入学しサッカー部に入部するも、
近所のフランス人学校チームから因縁をつけられ(たという態で)、賭け試合を行う事となった。
現在は前半が終了し0−0のままでハーフタイムに入り、落ち込んでいるあずみをフォローしよう、
というところまで進んでおります。

前スレ
【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/

228 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/01/13(月) 16:49:42 ID:CYl+rpO+
新年が始まりまして既に半月になろうとしていますが、明けましておめでとうございます。
今年も森崎板ならびにキャプテン岬をよろしくお願いいたします。

これより投稿をはじめますがその前に、試合勝利のボーナスと獲得フラグに
ついて、まとめさせてください。




           勝利ボーナス発生!各人の感情値が以下のように増大いたしました!

天ヶ瀬(6→8)
サッカー部員共通(6→8)
あずみ(6→8)

*聖薇、亜美・真美についても感情値は変化いたしますが、具体的にどの程度変化するかについては、
 後日のイベントにて確定いたします。後日、確定いたします【備忘】

*この試合における各人フラグ習得状況
◎岬
・タックル:覚醒済、フェイントタックル(1/4でタックル力+2)
・ワンツー:対天ケ瀬、フラグのみ
・ドリブル、近シュート:共にフラグのみ

◎天ケ瀬
・ワンツー:対永井、フラグのみ

◎大杉
・ブロック:フラグのみ

229 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/01/13(月) 16:51:14 ID:CYl+rpO+
             第3.3話『収入源確保』

集金がはじまる。だが僕は今日の回収以上に、今後の収入源の確保の道筋をつけなければいけない。
先輩達が遠くにいる間に、未だに虚脱している敵将の元へ駆け寄って、周りに届かぬくらいの声でささやいた。

岬「心配しないでください。遠くないうちにお金は戻ります」
テナルディエ「……戻る?」

思いもよらぬ言葉に、相手の顔色から生気が戻りはじめた。意図を尋ねられる前に、こちらから言葉をかぶせた。

岬「賭けたのはあくまで僕達のプライドを汚されたくなかったからで、ムダづかいをしたいわけじゃありません。
  テナルディエさんだけじゃなくて他の人達も、この封筒の中のメモの通りにすれば、
  時間はかかりますが1サンチームも欠かすことなく、お金は戻ってきます」
テナルディエ「本当か?金が戻るのは」

岬「はい、後で皆さんと読んでよく確認してください。万一その通りにしてお金が戻らなかったら、
  その時は日本人学校へ怒鳴り込んで僕を引きずり出して構いません。では、どうぞ」

口をきかせずにまくし立てた後、相手に3通の封筒を渡した。1通はこれからの事を記したメモが入っていて薄いが、
もう2通はそのために必要な道具が入っていて、まるで大富豪の財布のように分厚い。
テナルディエはまるで本当に札束を受け取るかのように
奪い取るように封筒をもぎ取り、封筒内のメモを貪るように読み始めた。

230 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/01/13(月) 16:52:46 ID:CYl+rpO+
―――
――――――
―――――――――
 日本人学校サッカー部員の岬太郎です。サッカー部としての意見を代表するものとして、
これからの文章を受け止めてください。
 今回の試合について、行きがかり上あなた方から金銭を受け取る形となりました。
利益を目的とした試合でない以上、本来なら即座に辞退すべきなのでしょうが、
部内ではあなた方への敵意が高まっておりそのような話を切り出す事さえ難しく、
また迷惑をかける形となった事への謝罪も兼ねて、返金のための手助けをしたいと思い、
ささやかながら提案をいたしたいと考えました。
 我がサッカー部のとある部員の親は、アタリというアメリカのビデオゲーム会社の、フランス支部の社長です。
彼女が管理しているゲームセンターに出向き、アタリの社章が記されたカードを店員に示してください。
そうすれば店員よりプレイ用のメダルが渡されますので、一通りプレイした後、
残りを返却すれば使用分の料金を返還いたします。
 さらに、ここからが重要なのですが、ゲームセンターに通っていない友人を、
アタリのゲームセンターに招待した場合は、
 1人につき2フランを進呈いたします。先の自分によるプレイでの返還は元金までになりますが、
こちらは新しくやってくる方なら、既に誘われた知人以外なら全員進呈の対象となります。
 どうかこれからは、サッカーを愛する友達として親しく過ごせる事を、願っております。
―――――――――
――――――
―――

231 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/01/13(月) 16:54:56 ID:CYl+rpO+
岬父「皆様、遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。太郎の父、岬一郎です。
   先程太郎が手紙で記していた換金の流れは、以下の通りとなります」

@:ゲーセン来訪→店員からメダルをもらう→ゲームプレイ→残金からの逆算で使用料金分返金
A:新参者紹介→1人につき2フラン進呈

さて、@で賭け金分の金額を取り戻すには1日や2日では済みません。
相当の時間をかける必要がありますが、その頃にはアーケードゲームのプレイが習慣化し、
アタリフランスの固定客となる事でしょう。
その事を見込んで、そしてAによる新規客の分も取り込んで、
太郎はアタリフランスより以下の手間賃を得る事となります」

T:今月末、10月第4週終了後より毎月、月末に収入が発生する。
U:初収入は10フランとなる
V:呼び込み客の増加に伴い! numフランの収入が追加される。追加収入は来月から適用される。

岬父「先程敵チームに渡しました厚めの封筒内に、それぞれ身分証代わりの
   アタリ富士が描かれたアタリカードが入っております。
   このカードが証明となる訳です。なお、この世界ではアタリフランスの社員や職員が厳しく見張った事により、
   不正は未然に防がれたという事になっております
   賭け試合については質問があり次第、改めて回答する事といたしましょう。それでは皆様、
   不肖の息子である太郎を、どうかこれからも見守ってやってくださいませ……」

232 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/01/13(月) 17:20:55 ID:CYl+rpO+
ざっとこれからの収入について説明したところで、今年初のキャプテン岬はこれまでといたします。
大急ぎになりましたのでご不明の点がございましたら、遠慮のないご指摘をお願いいたします。

仕事の都合上、1月2月は毎週1回の投稿は難しくなりますが、どうかご了承を願います。

どうか今年は去年以上に、森崎板が賑やかになりますように。

233 :森崎名無しさん:2020/01/26(日) 19:09:40 ID:???
★我留間 ドリブル 62 + スペード10 赤札で高速ドリブル+3★

234 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/02/02(日) 17:43:36 ID:fz3ktYi2
現在多忙およびそれに伴う倦怠感の為なかなか投稿時間が取れず、
本日も1レスしか続きを投稿できない事を、どうかお許し願います。

本日は練習試合が終わり、日常サイクルに戻ったところ、具体的には
「T.学校内」から始まります。授業が終わり放課後に岬君はどこにいくか、
皆様が選択してください。
詳細については、以下のリンク、前スレの467を御参照願います。

http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1536464753/467

235 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/02/02(日) 17:46:37 ID:fz3ktYi2
1983年10月第1週第1フェイズ、学校内


岬「(ああ、終わった)」

体を伸ばす。授業が全て終わり、サッカー部の練習まで時間がある。その間をどうすべきだろうか。

@自分の教室、
A上級生の教室
B下級生の教室 
C音楽室
D情報室
E校庭
F誰とも会わずまっすぐ帰宅


1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

なお、Fを選んだ場合、2分の1の確率で練習時間か自由時間のどちらかをもう1回多く利用できます。
それ以外の場合は、その場所にいるであろう人と交流を行えます(誰もいない場合もあります)。
場所によって会える人が変わってきますし、複数の箇所で会える人もいます。

236 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/02/02(日) 17:49:47 ID:fz3ktYi2
注:Fのまっすぐ帰宅、はサッカー部の練習前後にどこにも立ち寄らなかった
  という解釈でお願いします。

  そして学校内の行動は週1回のみです、1回のみ!

237 :森崎名無しさん:2020/02/02(日) 17:52:15 ID:9x53zMoQ
E校庭

238 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/02/16(日) 22:21:31 ID:LY8kdk+o
現在書く気力が起こらなくなっておりまして、3月中旬までは続きを投稿できないかと
思われますが、何とか今後も続けていきたいという意思表示も兼ねて、1レスだけ投稿いたします。

E校庭
―――――――――――――――
先着で
★校庭にいる人 ! card★
と書き込んで下さい。スートで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

ダイヤ→仮面?を着けて芝生に横たわっている真美と、それを外そうとする亜美がいた
クラブ→弓道練習の準備をする聖薇がいた
それ以外→誰もいなかった

239 :森崎名無しさん:2020/02/16(日) 23:35:29 ID:???
★校庭にいる人  ダイヤ8

240 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:15:44 ID:JJAKh5fM
        第4.1話『アミ―ウォーカーとマーミベイダー 84坪の大宇宙』



―――――
―――――――――
―――――――――――
遥か彼方の大宇宙にて君臨する、惑星級宇宙要塞デス・スター。
その深奥部では銀河帝国の主たる皇帝パルパタインが、
反逆者たるジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーに電撃を浴びせ、罵っていた。

『この愚か者め!これで分かったであろう、おまえの子供だましの術など暗黒面には通用せぬ。
愚か者は報いを受ける。スカイウォーカーの息子よ、代償は高くつくぞ。おまえは死ぬのだ!』

狂ったような高笑いの後、一層激しく電光と雷鳴をうならせ、反逆者を痛めつけていく。
あまりの激しさにとうとう耐え切れず、ルークは床へと崩れ落ちた。
勝敗は明らかとなり高らかに笑いこけようと口を開きかけた時、
シスの暗黒卿ダースベイダーがやにわに立ち上がり、背後から皇帝を羽交い締めに押さえ込んだ。
四方に電撃を発しながら皇帝はあがき、不逞の部下を罵る。
だが悪運は既に尽き、皇帝は要塞炉心へ投擲され、炉心の爆炎によって跡形もなく消し去られたのであった……
―――――――――――
―――――――――
―――――

241 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:17:59 ID:JJAKh5fM
パリ16区のグリューズ通り、堂々とした邸宅の隙間にひっそりとたたずむ申し訳程度の校庭で、
今月上映された『スターウォーズ ジェダイの復讐』の大一番が脳裏に映しだされている。
どうしてこうなったか。この状況を詳しく述べると、こういう事だ。

散歩がてら教室を出て外の空気を吸おうと思い、靴を履き昇降口を出たところ、
顔に校帽をかけて校庭に仰向けになっている真美と、いかにも恐る恐るといった具合に
ゆっくりとその帽子を取ろうとしている亜美の姿が見えた。
何をしてるかと近づいてみると、声をかける前に相手の方が気づいたらしく、
2人して駆け寄りそのままの勢いで僕の手を左右1人ずつ掴み、校庭へと引っ張り出した。

亜美「スターウォーズごっこやろ!にーちゃんはワルモノね!」
真美「じーさんがこう、ビュバーって電気出して、ルークをいたぶるところから!おまえはしぬのだ!って!」

キャッキャッと僕の都合は気にもかけず、映画館で見たであろう興奮をまくし立てているのだった。
これを聴いて自分の記憶が自然によみがえってきてしまったという事だ。
この2人に限らず、今月に入って新作がフランスで公開されてからというもの、
学校内は誰もかれもジェダイか反乱軍か帝国軍兵士になったような具合となっている。
教室隅の掃除用具入れは竹製のライトセイバー入れと化し、
休み時間や放課後は銀河の命運をかけた死闘が幾度も繰り広げられていた。
行き過ぎをたしなめる担任さえ、

丸山「おまえは暗黒面の力を見くびっておる……」コーホー

この有様である。

242 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:20:41 ID:JJAKh5fM
小うるさい風紀委員長がその場にいて雷を落とすまでは、闘いが続いているのが日常となっていた。
まして好奇心と娯楽への欲求が人の皮をかぶっているような幼い姉妹が、
この世界的な理力(フォース)にとらわれないはずがなかった。

まあただ部活動までにはまだ時間はあるし、遊びに付き合ってやるのも悪くない。
そう思った僕は、新しい役者が見つかって嬉々とした2人が銀河帝国皇帝への即位を受託した後、
少し時をさかのぼらせ暗黒卿が善性を蘇らせる直前まで物語を巻き戻させた。

そうして84坪の校庭を舞台に物語は再開する。僕が腕を左右に動かすのに合わせて、
ルーク・スカイウォーカーこと双海亜美はうめきながら転げ回って次々に表情を変えていく。
頑張ってはいるがなまじ顔が可愛いだけに、衝撃に苦悶するというより
福笑いの目鼻が居場所に戻ろうと駆けずり回っているように見えたのが残念だった。
そうこうしているうちにダースベイダーこと双海真美が右脚に飛びつく。
脚にしがみつかれながらポカポカと小さなこぶしを感じた後、
投げのモーションに従って炉心とおぼしき窪みへと転がりのたうってから、
ドーンと爆発音を模した姉妹の掛け声に合わせ、動きを止めた。

そうしてお役御免となった後は、アミーウォーカーとマーミベイダーの和解の時に入る。
腹ばいになりながら、彼女達の物語を横からじっと見る事となった。

243 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:24:51 ID:JJAKh5fM
真美「われらは光輝ける存在なのだ、ルーク、醜き肉体に惑わされてはならぬ……
   さあ行け、息子よ。わしを残して」

既にマスク代わりの校帽は顔から取り除かれ、亜美が自身の父親役となっている実の姉を見つめていた。

亜美「そんなことはできない。一緒に連れて行くよ。父さんを救いたいんだ」
真美「もう、救ってくれたんだよ、ルーク」

常におちゃらけている2人の印象とは違い、どこまでも真面目に本物のルークとダースベイダーになり切ろうとしている。
今の2人は技量こそ乏しいが、心は俳優であるかのように思われた。

亜美「父さんを置いてなんかいけない」

幼い息子がそう言った瞬間、戦艦内の爆発音を模した大声を2人が発した。その声が聞こえなくなった後、
これも幼き父が一層弱々しい声で、息子に告げたのだった。

真美「ルーク、おまえの言うとおりだ……わしが間違っていた……妹に伝えるのだ……お前が正しかったことを」

そう言っておもむろに目を閉じ、臨終の仕草を取った。
傍らにいる肉親は感極まり、堅く目を閉じて何も発せずうつむいてしまった。

244 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:28:10 ID:JJAKh5fM
これは上手い。内心彼女達の評価を見直していた時、
スカイウォーカーもダースベイダーもすっかりいつものようにおちゃらけはじめ、
いつもの亜美と真美に戻って僕の元へとやってきたのだった。

亜美「どーだった、兄ちゃん!上手いでしょ!」
真美「真美達映画館で何回も映画見たし、ゲーセンでもあずみ姉ちゃんと一緒に復習したかんね!」

真美が復習した、というのは、スターウォーズが公開された翌日、
アタリフランスに新しく入ったスターウォーズ第1作をモチーフとしたゲームの事だろう。
「事前説明会」にて僕もプレイしたが、迫りくるTIEファイターの迫力や
映画の展開に沿った人工音声など、中々燃えるものだった。
真美達がのめり込むのも無理はないと思っていた時、その真美達から思いもよらぬ提案がかかってきた。

真美「でも兄ちゃん、真美達もうお小遣いピンチなんだよ。そこで相談なんだけど」
亜美「この間の賭け試合、亜美達も観戦してたんだよねー。
   そこに一枚噛ませてくれれば、兄ちゃんたちも亜美達もハッピーになれるんだよ」

そう言っていかにも怪しげに2人寄り添って耳打ちする。その内容を聴いて、悪くない話だと思うのであった。

245 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:32:49 ID:JJAKh5fM
……といったところで本日はこれまでといたします。
作中で触れられていたアタリのスターウォーズはこちらをご覧ください。

ATARI Star Wars
https://www.youtube.com/watch?v=zSwul6HaGag

「事前説明会」については後日、このスレ末に詳細を描写したいと思います。

最後に1月もの間放置した形となり、誠に申し訳ありませんでした。
今後もそう1週間に1度続きを投稿できれば御の字というペースとなりますが、
なにとぞご容赦を願うばかりです。それでもよければ、この世界の岬太郎君達に
どうかご愛顧を願うばかりです。


246 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/03/22(日) 20:08:00 ID:zE13oLCA
済みません、本日は投稿を休ませてください。
明日か明後日の夜に投稿出来るようにいたしますので、もうしばらくお待ちください。

247 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:14:31 ID:a9bc7WXI
                 第4.2話『フラグ』


亜美「岬兄ちゃんは亜美たちが他のフランスっ子とも遊んでるのは知ってるっしょ」
真美「サッカーも一緒にしたりしてね。そんでこれから、そのコーユー関係を利用して、それとなーく吹き込んでみるの!」
亜美「『ウチんとこのにーちゃんたちはちんちくりんでダメダメだよー!兄ちゃんたちならラクショーだよ!』とか!」

地球の裏側でとある穴掘り少女がくしゃみをしたが、関係のない子なので放っておく。

真美「ゼビウス星に行けるウソ技をパリ中に広げた真美たちのトークをなめちゃいかんよ!」

またも地球の裏側で、同人誌を制作するとあるゲーマーがくしゃみをしたが、これも関係が無い。

亜美「そんでそれで紹介した相手に兄ちゃんが勝ったら、その、ほんのちょっとでいいからおこづかいがほしーのよー、いいでしょ?
   おちごとちっぱいしたり、万一負けちゃったりしたらガマンするからさー」

スターウォーズの事はよく知らないが、こんなレイア姫はいないと思う。
そんな馬鹿げた感想を抱いているうちにもう片方も、体をこすりつけながら同様な猫なで声でおねだりをはじめてきた。
いくら彼女達が年端もいかぬといっても、話の話題は金だ。そう意識すると自分の頭が活発に動き出してくる。交渉の時間だ。

248 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:15:49 ID:a9bc7WXI
岬「コラコラ、何を勘違いしているんだか。僕は自分達がおいしい思いをしたくて試合をしたわけじゃない」
亜美「ホントかなー、亜美たちを仲間に入れてくれないなら、このコトを好きなようにいいふらしちゃおうかなー」
岬「いいよ。僕達はきっと、みんなに信じてもらえるから」
亜美「そしたらにーちゃ……え?」

思いもしない反応だったのだろう。えっと驚きの声を上げる。
大方こう言えば慌てて自分達の言い分を呑んでくれると思っていたのだろう。

亜美「え、えと、えっと」
真美「亜美!」

真美が亜美の袖をつかみ、物陰に隠れて善後策の協議をはじめた。
隠れれば密談が聞こえなくなると思っているのか、離れた僕の位置にまで聞こえている。

真美「ダメだよ亜美、兄ちゃんはああいうコトは考えないタイプだって、真美の言った通りじゃん」
亜美「うーん、意外とムッツリ、じゃなくてガッチリお金をつかむタイプだと思ったんだけどなー」

なかなか際どいところまでのぞかれていたようだ。こんな年下の女の子に感づかれるとは、用心せねば。

249 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:17:45 ID:a9bc7WXI
真美「ま、20連敗中のダメダメチームを初勝利に導いたえーゆーと、
   ぷりちーとはいえ学校中に鳴り響くイタズラ双子じゃ、どっちを信じるかってコトなのだよ」
亜美「うあー、勝ち目ないじゃんそんなの。イインチョーにバレたらマズいし、やっぱりやめ」
岬「失礼」
亜美・真美「「うわあっ!!!!」」

好ましくない流れとなる前に乱入する。せっかく飛び込んできたいい条件、つかまねば。

亜美「に、にーちゃん……」
真美「あ、あの、真美は……」

不意の乱入に2人とも戸惑っている。今だ、混乱している相手に衝撃を与えれば、こっちのものだ。

岬「ありがとう」
亜美「ご、ごめ…え?」
真美「やっぱ…え?」

腰を下ろして2人に目線を合わせ、有無を言わせずたたみかける。

岬「あずみちゃんの家の会社、今だいぶ危なくなってきてるからね。
  亜美ちゃん真美ちゃん達の前ではあの通りの振る舞いだけど、
  以前僕の前で不安を打ち明けた後、アタリが危なくなってるの、なくなったらどうしようって泣き出しちゃったんだ」

亜美「ね、姉ちゃんが、泣いたの!?」
真美「そーいや、前にコレコ見せたときも、怒った後に……」

250 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:20:30 ID:a9bc7WXI
あずみ「全く、何かと思ったらそんな事、ガラでもない事心配しちゃって。ま、ゲーセン代かせぎと思って気楽にね」
真美「え、いいのおねえちゃん!」
亜美「亜美ガンバルよ!ガンバっておこづかいためたら、もう一度勝負しようね!」

放課後に正式な話し合いの場がもたれた。まだ具体的な金額交渉が残ってはいるが、この分だとそう苦労はしないだろう。

だが。



『アタリが危ない』



その場限りの出まかせが言霊になったのだろうか。
これからそう遠くない将来にこの言葉が現実となり、僕達の人生の道筋をもかき乱してくる事となるとは、
この時の僕は知る由も無かった。

251 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:22:16 ID:a9bc7WXI
岬父「岬一郎です。今の太郎達のやり取りについて、舌足らずとなった、語れなかった部分等の補足を、
   この場を借りて行わせていただきたいと考えております」

・相手チームに潜り込んで情報を収集する
・岬チームについては、弱いチームであるかのように思わせる偽情報を流す
・前もって相手をゲーム漬けにし、賭けへの誘惑を増幅させる
・さりげなく岬チームと戦わせるようそそのかす

とまあ色々ありますが、実際のところ、煩雑さを避けるために変更点は以下の1点に集約されています。

・毎月月末の呼び込み客増加による収入増:! numフラン⇒! num+! numフラン
(当スレの>>231を参照)

岬父「同様に、低学年の少女2人に上手く仕事を行わせるための
   太郎や早川母娘の段取りや調整に関する描写も省略させていただきます。
   それでは、増えた収入を有効に活用し、不肖の息子の人生を少しでも
   華やいだものにしてくださるよう、父として願いながらお別れいたします。
   どうか引き続き、キャプテン岬をお読みくださいませ……」

252 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:23:36 ID:a9bc7WXI
僕は自宅にて、顧問の丸山先生から配られたプリントを読んでいた。何でも能力上昇のステップに関わる事らしい。

岬「『日々の練習の結果、パリ留学編では原則として半年に一度、全能力値が+1されます。
   初回の適用は1984年4月の第1週からになります』とか書いてある。
   でもボク子どもだから 何のことだかよく分からないや!
   さあそれはともかく、随分久しぶりのような練習、今日は何をしようかなあ」

A ドリブル:23 凄く上がりやすい
B パス: 22 凄く上がりやすい
C シュート:19 凄く上がりやすい
D タックル:21 凄く上がりやすい
E パスカット:22 凄く上がりやすい
F ブロック:20 凄く上がりやすい
G せりあい:19 凄く上がりやすい
H ガッツ:705 凄く上がりやすい

*(初期状態の上昇ポテンシャル。()内はガッツ)
・凄く上がりやすい
JOKER→+2&必殺技のフラグ習得!
13→+2! (+10)
7〜12→+1! (+5)
1〜6→効果がなかった

※倦怠感はパスカットの1つのみ。1項目につき5つ溜まると練習効率が1段階下がります。

1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

253 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:25:04 ID:a9bc7WXI
本日はここまでと致します。急いで書いたため矛盾があるかもしれませんが、
どうかその際は遠慮なくご指摘をくださりますと嬉しいです。

254 :森崎名無しさん:2020/03/25(水) 22:40:58 ID:Kh5fNUfQ
C

255 :森崎名無しさん:2020/03/26(木) 20:25:48 ID:???
パリ留学編では半年に一度能力値が上がるということですが
上がるのはガッツ以外で、ガッツは上がらないということですか?

256 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/28(土) 16:27:19 ID:wRW/in8s
>>255
岬「『追伸、ガッツ上昇については、全能力+1と同時に、ガッツ+5されます。
スレ主に代わり不注意により記入が漏れてしまった事をお詫び申し上げます。 丸山春子』
……でも僕子供だから、何のことだかよく分からないや!
それはともかく、あの試合でのゴール前で、いいアイデアが浮かびそうだったんだよな、練習してみようかな)」


練習場としてやってきた近くの公園にて、ボールの壁打ちをはじめた。

先着で ★83年10月第1週の練習(凄く上がりやすい)→ ! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。数値で分岐します。

JOKER→+2&近シュート必殺技習得!
13→+2!
7〜12→+1!
1〜6→効果がなかった

※シュートの「倦怠感」:0(5つたまると練習効率が1ランクダウン)
※現在の岬君のシュート値:19

257 :森崎名無しさん:2020/03/28(土) 16:37:02 ID:???
★83年10月第1週の練習(凄く上がりやすい)→  ダイヤ5

258 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/28(土) 16:49:31 ID:wRW/in8s
★83年10月第1週の練習(凄く上がりやすい)→ダイヤ5 ★⇒効果なし
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「うーん……」

何度も何度も飛び上がっては投げたボールを撃ち、戻ってきたボールを持ち上げてから上に投げてまた撃つ。
これを繰り返すばかりで単純な繰り返し作業にしかなっていない。

岬「(漫然と動いているだけではダメだな、もっと頭を使わないといけないか)」

残念ながら、この練習でこれといった進歩は見られなかった。

*シュート値に変化はありませんでした。また、シュートの「倦怠感」は0→1となりました。



【83年10月第1週、自由時間フェイズ】

岬「さて、これから何をしようかな」

A サッカーの練習に出かける、あと1回選択可
B パリのどこかに出かける(さらに分岐)

所持金:454フラン

1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

259 :森崎名無しさん:2020/03/28(土) 17:10:21 ID:u/PcPF9E
A

260 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/28(土) 18:08:09 ID:wRW/in8s
A サッカーの練習に出かける、あと1回選択可
―――――――――――――――――――――――――――――
A ドリブル:23 凄く上がりやすい
B パス: 22 凄く上がりやすい
C シュート:19 凄く上がりやすい 倦怠感:1
D タックル:21 凄く上がりやすい
E パスカット:22 凄く上がりやすい 倦怠感:1
F ブロック:20 凄く上がりやすい
G せりあい:19 凄く上がりやすい
H ガッツ:705 凄く上がりやすい

*(初期状態の上昇ポテンシャル。()内はガッツ)
・凄く上がりやすい
JOKER→+2&必殺技のフラグ習得!
13→+2! (+10)
7〜12→+1! (+5)
1〜6→効果がなかった

1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

261 :森崎名無しさん:2020/03/28(土) 18:17:23 ID:yMiiZJYE
H

262 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/28(土) 18:24:21 ID:wRW/in8s
H ガッツ:705 凄く上がりやすい
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先着で ★83年10月第1週2回目の練習(凄く上がりやすい)→ ! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。数値で分岐します。

JOKER→+15!(*)
13→+10!
7〜12→+5!
1〜6→効果がなかった

※シュートの「倦怠感」:0(5つたまると練習効率が1ランクダウン)
※現在の岬君のシュート値:19
*:スキルフラグの代わりに上昇幅を増加いたしました。ご了承願います。

263 :森崎名無しさん:2020/03/28(土) 18:34:26 ID:???
★83年10月第1週2回目の練習(凄く上がりやすい)→  スペードA

264 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/28(土) 19:04:57 ID:wRW/in8s
★83年10月第1週2回目の練習(凄く上がりやすい)→スペードA ★⇒効果がなかった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(今日は少し遠出してみよう)」

開放感を感じたかったのか、高速道路に囲まれたパリを抜けて郊外まで走る事とした。
首尾よく外に出てひとしきり新鮮な空気を吸ったはいいものの、その帰り道、高速道路の下を走った後の事。

岬「(あれ、ここは……どこだ?)」

道に迷った。同じような通りに同じような建物、走り抜けた通りの名前を忘れてしまったために
どこに向かっていいか分からなくなった。通行人に尋ねるも僕の日本語訛りが強いのか、
会話が通じず情報も得られない。結局見知った場所に出るまでさんざん走り回る事となり、
いたずらにくたびれもうけとなるばかりだった。

*練習の効果はありませんでした。また、ガッツの「倦怠感」は0→1となりました。

265 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/28(土) 19:07:21 ID:wRW/in8s
10月第1週終了、第2週のはじめの学校内フェイズに移ります。

1983年10月第2週、学校内フェイズ


岬「(ようやく転入生も学校になじんできたかな。さ、部活までの時間、どうしますか)」

体を伸ばす。授業が全て終わり、サッカー部の練習まで時間がある。その間をどうすべきだろうか。

@自分の教室、
A上級生の教室
B下級生の教室 
C音楽室
D情報室
E校庭
F誰とも会わずまっすぐ帰宅


1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

なお、Fを選んだ場合、2分の1の確率で練習時間か自由時間のどちらかをもう1回多く利用できます。
それ以外の場合は、その場所にいるであろう人と交流を行えます(誰もいない場合もあります)。
場所によって会える人が変わってきますし、複数の箇所で会える人もいます。

266 :森崎名無しさん:2020/03/28(土) 19:17:24 ID:yMiiZJYE
@

大丈夫?練習での引きが悪いので能力値を上げるのに失敗ばっかりしてるけど

267 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/28(土) 19:47:51 ID:wRW/in8s
本日は考えがまとまらないので、ここまでといたします。

>>266
判定表は2さんの本編、より具体的に言えばリオカップまでの森崎の練習成長判定表を参考にしております。
その際「サッカー強豪国の有力クラブの練習がこれ位なら、プロの指導を受けている形跡の無い岬君ならこんな感じかな」と
意図的に自動成長幅、練習判定を辛くしております。
日本よりレベルが高い環境とはいえ、能動的に動かないとパワーアップしない……
そんな状況をイメージしました。また判定は偏りもあります。これからきちんと上手く行くようになると思います。
勿論、あまりに停滞が続き過ぎるようですと、方法の検討はしたいと思っております。


268 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/05(日) 21:12:44 ID:4VuGuJ8w
本日はなかなか筆が進まなかったので、1レスだけ進行いたします。


@自分の教室
―――――――――――――――――――――――――――
先着で
★自分の教室にいる人 ! num★
と書き込んで下さい。数値で分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

9→あずみに会う
8→特にこれといった事はなかった
7→特にこれといった事はなかった
6→特にこれといった事はなかった
5→あずみに会う
4→千早に会う
3→特にこれといった事はなかった
2→特にこれといった事はなかった
1→聖薇に会う
0→聖薇に会う

269 :森崎名無しさん:2020/04/05(日) 21:18:23 ID:???
★自分の教室にいる人  2

270 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/10(金) 19:03:29 ID:W0agP08I
★自分の教室にいる人  2 ★⇒特にこれといった事はなかった
――――――――――――――――――――――――――――――――――
1983年10月第2週、練習フェイズ


岬「……結局これといった事もなく終わったか、手駒になりそうな人間は見つからないか。
  ま、それより今は練習だ。ここのところ冴えないからなあ、今日は上手くいくといいけど」

準備体操を済ませ、パリでもすっかり日課となった自主練習を開始した。


A ドリブル:24 凄く上がりやすい
B パス: 22 凄く上がりやすい
C シュート:19 凄く上がりやすい
D タックル:21 凄く上がりやすい
E パスカット:21 凄く上がりやすい
F ブロック:20 凄く上がりやすい
G せりあい:19 凄く上がりやすい
H ガッツ:705 凄く上がりやすい

・凄く上がりやすい
JOKER→+2&必殺技のフラグ習得!
13→+2! (+10)
7〜12→+1! (+5)
1〜6→効果がなかった

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
*現在の倦怠感(5つたまると練習効率が1段階下がります)
 ドリブル:0 パス:0 シュート:1 タックル:0 パスカット:1
 ブロック: 0 せりあい:0  ガッツ: 1

271 :森崎名無しさん:2020/04/10(金) 19:25:51 ID:gUGahV2Y
A

272 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/10(金) 19:36:44 ID:W0agP08I
A ドリブル:24 凄く上がりやすい
――――――――――――――――――――――――――――――――――
先着で
★1983年10月第2週の練習(凄く上がりやすい) ! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。数値で分岐します。

JOKER→+2&ドリブル技習得!
13→+2!
7〜12→+1!
1〜6→効果がなかった

*岬君は現在ドリブルフラグを所持しております。

短いですが、本日の投稿はこれまでといたします。

273 :森崎名無しさん:2020/04/10(金) 19:54:09 ID:???
★1983年10月第2週の練習(凄く上がりやすい)  クラブ5

274 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/11(土) 20:58:56 ID:BxrN1TF6
★1983年10月第2週の練習(凄く上がりやすい)クラブ5 ★⇒効果が無かった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「うーん……」

ボールを持ち、左右前後に身をくねらせる。勿論漠然と体を動かしている訳ではない。早乙女家で手に入れた
壁の向こう側の赤い国、ソビエトで発刊されたスポーツ雑誌のトレーニング理論に沿った練習のはずだ。

岬「(長いスパンでトレーニング計画を組んで取り行う事で、効果的な訓練成果が発揮される……
   そう書いていたはずだ。理屈は理に適っていたし、焦るな)」

なかなか進まぬ訓練具合に焦りそうになる自分を押さえつけ、練習を上がる事となった。

*ドリブル値は変わりませんでした。



1983年10月第2週 自由時間フェイズ

不調に終わった練習の翌日。私用を済ませようとした僕だったが、ふと思い出し机へと引き返した

岬「そう言えば、せっかく書き溜めていたメモを見てなかった。読み返さないと」

あれこれ備忘のためにとっておいた気になる事についてまとめておいたメモ帳を取り出し、確認する。

275 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/11(土) 21:01:21 ID:BxrN1TF6
【共通重要事項】
・早川あずみ、早乙女聖薇、如月千早への、如月優の護衛の意志確認

岬「(信じたくない事だけど、沙織さんの預言はいつでも的確だった。だから何としても、
3人には協力してもらわないといけない。少しずつ心の中を探っていって、決心を固めてもらおう。
そして、彼女達の個別の懸念事項は……ここだ)」

・早川あずみ
 現在サッカーが上手くいかずスランプか。本人も気にしている模様。また3人の中で最も優護衛への動機づけが乏しいのも課題。

・早乙女聖薇
 賭け試合について否定的な立場をとる。彼女を説得せねば収入源断絶の恐れあり。
 また彼女にとり憑いていた幽霊?も気になるところ。

・如月千早
 実の姉というだけあって弟を守りたいという意志は一番強そうだが、当然ながら自分達に何ができるかという疑念も強い。
 沙織さんの事についての説明は困難と思われるため、姉弟との絆を深める事でより一層、
弟を守りたいと強く思わせる事が良いと考える。

岬「(こんなところかな。ただ、このところ不調気味の練習の具合も気になるし、どっちにしよう)」


A サッカーの練習に出かける、あと1回選択可
B パリのどこかに出かける(さらに分岐)

所持金:454フラン

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

276 :森崎名無しさん:2020/04/11(土) 21:44:02 ID:GvkCBgGI
更新乙です!


277 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/12(日) 19:48:41 ID:8ao+MksA
これより投稿を開始いたします。

>>276
乙感謝です!いや、サッカー描写でないところで乙が来るのは何年ぶりでしょうか……


B パリのどこかに出かける
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

A 【天ケ瀬家】
B 【ル・エスト(早乙女家)】
C 【アタリフランス(早川家)】
D 【双海家】
E 【如月家】
F 無間神社
G ナムコフランス
H 居住地域周辺を散歩する
I その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

【】の場所は出かける前に電話で確認する事が出来ます。電話確認で不在となった際には
自由行動の時間は消費されません。

※以前の選択では早乙女家の電話連絡は不可となっていましたが、入学の際のクラスメイト電話番号通知の
際に通話可能としていたのを、表に反映させるのを忘れておりました。申し訳ありませんでした。

278 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/12(日) 20:17:51 ID:8ao+MksA
本日は体調がすぐれないため、1レスのみとなりましたが終わりとさせてください。

279 :森崎名無しさん:2020/04/12(日) 20:38:40 ID:obM2zW86
B

280 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/13(月) 20:08:46 ID:TXzY77RI
B 【ル・エスト(早乙女家)】
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「聖薇の所にでも行くか。済ませないといけない用事がいっぱいあるし。
  電話で来る事を伝えれば確実だけど、不意打ちに予告なく僕の方からやってきたら、
  相手が動揺してチャンスができるかも。ただ居なかったら無駄足だし、どうしようかな」

A 電話して事前に訪問の意思を伝える(不在の可能性あり。その場合でも時間は消費されません)
B 連絡なくふらりと現れてみる(不在の可能性あり。
               その場合この週の自由時間フェイズは終了しますが、居た場合は来訪ボーナスがつきます)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
なお、私用のため一旦席を離れます。都合により今日はこれでおしまいとなる可能性がある事をご了承願います。

281 :森崎名無しさん:2020/04/13(月) 20:17:39 ID:tFDJl1e+
B

282 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/13(月) 22:02:15 ID:TXzY77RI
B 連絡なくふらりと現れてみる
(不在の可能性あり。その場合この週の自由時間フェイズは終了しますが、居た場合は来訪ボーナスがつきます)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先着で
★待ち人はいずこ ! card★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。スートで分岐します。

JOKER→愛「会いたかった!」 聖薇の母親が聖薇に取りつき……泣いている?!
ダイヤ・ハート→聖薇「……」岬「(何か本を読んでるな)」*さらに分岐
スペード→早乙女「いらっしゃい。聖薇は部屋よ」
クラブ→家に鍵がかかっている。誰もいないようだ


都合により、本日はこれまでといたします。

283 :森崎名無しさん:2020/04/13(月) 22:28:40 ID:???
★待ち人はいずこ  ハート6

284 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/14(火) 21:39:49 ID:ufl4OJsI
★待ち人はいずこ  ハート6 ★⇒聖薇「……」岬「(何か本を読んでるな)」*さらに分岐
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(よかった)」

確認も取らずに出かけて無駄足になるかと心配していたが、
目当ての少女は期待を無下にする事無く居てくれてホッとした。
これから話しかけようとしていた当の聖薇は、ル・エストの玄関横に備えつけられた
木のベンチに腰かけ、無心に何かを読みふけっているようだった。
よほど夢中になっているらしく、彼女の元まで僕が近づき、
肩触れあいそうになる程近くに座っても反応さえしない。
この堅物少女がそこまで熱心になる本とはどんなものか。
気付かれないようにそっと、彼女が読むものをのぞいてみた。


先着で
★本を読む少女 ! card★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。スートで分岐します。

JOKER→岬「(あの神代文字……えっ!?)」聖薇「きゃっ!?」?「……よお」
       本から発せられた波紋が聖薇の瞳に跳ね返り、筋骨隆々の精悍な男が現れた!?
ダイヤK→聖薇「𪮷、抬、𪮷、𪮇、𪮷、抬、𪮷、𪮇……」
    岬「(サムハラ、サムハラ……沙織さんの教本だ!)」
ハートK→聖薇「……みさきくん……」岬「(日記に……僕の顔?)」
ダイヤ・ハート→聖薇「父さん……樹里亜……」岬「(アルバムか……しかし随分小さい頃の写真だ)」
スペード・クラブ→岬「(本……小説か。題名は『初恋』、作者はイワン=ツルゲーネフ……)」



本日はこれで終わりといたします。なお、このところ毎日投稿できていましたが、
次からは内容を色々と吟味する必要があるため、いつも通りの最速週1投稿ペースに戻りそうです。
しかも今度の土日に投稿できるかもわかりませんが、何卒お許し願います。

285 :森崎名無しさん:2020/04/14(火) 22:17:29 ID:???
★本を読む少女  クラブ5

286 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/04/19(日) 07:09:53 ID:oWtiwplU
今週分の投稿は、内容が固まっておりません為、お休みさせてください。
何とぞご了承お願いいたします。

287 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/04/26(日) 21:31:27 ID:N9wFb0J2
済みません、今日はPCの具合がおかしいため、投稿できません。
ただ、早ければ明日から投稿が再開できそうですので、今しばらくお待ち願えないでしょうか。

288 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/27(月) 21:21:00 ID:L9IjP/7s
             第5話 『あのひとにとって、わたしはなんだろう?』



『わたしからほんの五、六歩離はなれた所――青々したエゾ苺の茂しげみに囲まれた空地に、
 すらりと背の高い少女が、縞の入ったバラ色の服を着て、白いプラトークを頭にかぶって立っていた。
 そのまわりには四人の青年がぎっしり寄り合って、そして少女は順ぐりに
 青年たちのおでこを、小さな灰色の花の束たばで叩たたいているのだった。青年たちはさも嬉うれしそうに、てんでにおでこを差出す。
 一方少女の身振りには(わたしは横合いから見ていたのだが)、
 実になんとも言えず魅惑的な、高飛車な、愛撫するような、あざ笑うような、しかも可愛かわいらしい様子があったので、
 わたしは驚きと嬉しさのあまり、あやうく声を立てんばかりになって、
 自分もあの天女のような指で、おでこをはじいてもらえさえしたら、
 その場で世界じゅうのものを投げ出してもかまわないと、そんな気がした……』



そっと聖薇の傍に座り、夢中になっている本を盗み見る。彼女が読み進める本の装丁は
図書館の奥深くに整然と備わっているような荘重なものだ。

岬「(主人公が相手にぞっこんになっている……恋愛小説かな?)」

しいんと秋の穏やかなひかりがあたたかくつつむ中、すっかり本の世界に入ってしまっているようだ。

289 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/27(月) 21:23:02 ID:L9IjP/7s
聖薇「とうとう俺は、こうして彼女の前に坐っている」「俺は彼女と知合いになったのだ……なんという幸福だろう、ああ!」

興に乗っているのだろう、時折魂が本から飛び移って来たかのように、
彼らのセリフが聖薇の口からこぼれ出ていくのが、僕にも聞こえる。

聖薇「おお、めざまされた魂の、つつましい情感よ、その優しい響きよ、そのめでたさと静もりよ。
   恋の初めての感動の、とろけるばかりの悦びよ――汝らはそも、今いずこ、今いずこ?」
岬「(相当だなあ。ここは興を冷まして機嫌を損ねたらマズいかな、いや、ここで切り出さないと曖昧になるかな。どうしよう)」

じいっと朗読に聴き入りながら、僕は……


A もう少し都合のいいタイミングを見計らって声をかける
B 今声をかけてみる
C その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。


*短いですが、本日の投稿はこれで終わりといたします。

290 :森崎名無しさん:2020/04/27(月) 21:45:10 ID:28sATi5s
A


291 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:52:14 ID:m5u4zQgk
A もう少し都合のいいタイミングを見計らって声をかける
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(もう少し待ってみよう。集中している時に声をかけて気分を悪くさせたら後々面倒だ。
   まだ出だしのあたりだし、声をかけるかかけないかはその時に考えても遅くない)」

そう思い定めてもうしばらく、聖薇の読書を眺めている事にした。

そうしてジッと話を追っていくうちに、物語は1つ目の山場に入ってきた。
この物語のヒロイン、公爵令嬢ジナイーダが主人公と下僕たち、
もといジナイーダに片想いの紳士方を自宅に呼び寄せ、「罰金ごっこ」や「縄まわし」に歌舞音曲……
様々な遊びの中で主人公を含めた恋の下僕たちは
ジナイーダに振り回され、道化にされながらもそれによって歓喜に打ち震えているといったあり様だった。
そうしていく中である興味深い影響を読み取る事ができた。これらの遊びの冒頭、「罰金ごっこ」の時だ。
ジナイーダが手に持つ男物の帽子の中にクジが入っており、その中に1枚だけ「キス」
と書かれた紙を引き当てた者は、想い人の手にキスができるという。



『「キス!」と、わたしは思わず大声を上げた。
「ブラヴォー!この人に当ったわ」と、令嬢がすかさず引取って――「まあ嬉しい!」――
そして椅子を下りると、なんともいえず晴れやかな甘い顔つきで、じっとわたしの眼をのぞきこんだので、
私の心臓はワッとばかり踊り立った。
「あなたは嬉しくって?」と、彼女は私にきいた。

ジナイーダは私の前に立つと、私を一層よく見ようとするかのように首を少し横にかしげ、いとも荘重に片手を差しのべた。
私は眼の中が暗くなった。片膝をつこうとしたが、べったり両膝ついてしまって、おそろしく不器用に唇をジナイーダの指に触ふれたので、
むこうの爪つめで自分の鼻さきに、かるい引っかききずをこしらえてしまったほどだった』

292 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:53:56 ID:m5u4zQgk
この時だ。

より正確には「あなたは嬉しくって?」とジナイーダが尋ね、主人公が嬉しさに呆然としている時だ。
両手で本を持ち読んでいた聖薇がおもむろに右手を離し、日の光にかざすようにして目の前に手のひらを移した後、
右手のみがジナイーダとなったかのように厳かに彼女の口元に近づき、唇に軽く触れたのだった。
手が唇から離れた瞬間、陶然と、しかしどこか物憂げな様子の表情を浮かべて嘆息を漏らす様を見て、
僕の中に取りとめの無い思いが浮かぶ。

岬「(読書にしては思い入れが激しすぎるような……もしかして、実際に誰か好きな人でもいるのかな?)」

それからしばらくは思い入れが形として表れる事はなく、静かに読み進めていく。
聖薇に次の動きが見られたのは、物語が中盤に入り、即興の創作話をジナイーダが皆に披露するところだ。
その時聖薇は驚嘆すべき事に、目を閉じ一座の1人となって物語に聴き入っている表情で、
令嬢のつぶやきをよどみなく朗読してみせるのだった。

293 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:55:54 ID:m5u4zQgk



『さて女王は、そんなお追従に耳をかしたり、音楽を聴きいたりしているけれど、その実お客の誰だれ一人にだって、目もくれないの。
六つの大窓が、上から下まで、天井から床ゆかまで、すっかりあけ放たれて、
その外には、大きな星くずをちりばめた暗い夜空や、大きな木々の茂しげった暗い庭があります。女王は、その庭に見入っているの。
そこには、木立こだちのそばに噴水があって、闇やみの中でも白々しらじらと、長く長く、まるで幻まぼろしのように見えています。
女王の耳には、人声や音楽の合間々々に、静かな水音が聞えるのです。女王は、闇に見入りながら、こんなことを考えるの――
皆さん、あなた方はみんな、貴い生れで、賢くて、お金持です。
あなた方は、わたしを取巻いて、わたしの一言一句を重んじて、わたしの足もとで死ぬ覚悟かくごでいらっしゃる。
つまりわたしは、あなた方の生死を、わたしの手に握っているわけです。
……ところが、あの噴水のそばには、あのさわさわと鳴る水のそばには、
わたしの愛する人、わたしの生死をその手に握っている人が、たたずんで、わたしを待っているのよ。
その人は、おごった衣裳も着ていないし、宝石もつけてはいず、誰もその名を知る人はありません。
けれど、その人はわたしを待ち受けているし、また、わたしがきっと行くものと信じきっています。
――ええ、わたしは行きますとも。
一旦わたしが、その人のところへ行って、一緒になろうと思ったら最後、
わたしを引留めるほどの力は、この世のどこにもありはしない。
そこでわたしは、あの人と一緒に、あの庭の暗がりへ、木立のそよぐもとへ、
噴水のさわさわ鳴る陰かげへ、姿を消してしまうの……』




294 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:59:16 ID:m5u4zQgk
途中から胸に右手を押し当て、話すたびに愁声が深まっていく。朗読を終えた頃には悲痛さえ感じられた。

岬「(もし実際にいるとしたら、そう順風満帆という訳ではなさそうだ。
   自分から相手に惚れているが相手はつれない……そんな感じだろうか)」

感情が完全に登場人物のものになってしまった聖薇を見てまた思う。
今話しかけたら、物語のロマンチックな感覚で僕の言葉を、僕自身をとらえてくれるだろう。

岬「(それともクライマックスはまだ先だし、そこまで待ってみるかな。
   余韻にそっと寄り添うように語りかければ効果は絶大のはず。
   それとも用心して、読み終わるまで待っていた方がいいだろうか)」


A 今声をかけてみる
B クライマックス直後の感極まった時に、そっと声をかける
C 読み終わるまで待つ
D その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

そしていったん席を離れます。続きは夜に投稿できるかもしれませんし、
できないかもしれません。なにとぞご了承願います。

295 :森崎名無しさん:2020/04/29(水) 18:07:23 ID:WWD255rI
B

296 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 22:10:19 ID:m5u4zQgk
済みません、今日はこれ以上続きを投稿できそうにありません。
代わりと言っては語弊がありますが、Bを選んだ295さんへ、貴方の選択は、

     _______________
    (パーフェクトコミュニケーション)チャッチャッ、チャッチャララーチャン!
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

Aでは懸念通り興を冷ましてしまう結果となりますし、
Cだとクライマックスの後にエピローグを挟んでしまうため興奮がある程度落ち着いてしまっています。

Bを選んだことにより岬君の懸念事項であった「優君の護衛依頼」「賭け試合の承諾」が無条件で受けいれられ、
さらに彼女との特殊イベントが発生します!
このイベントも岬君の将来に関わってくるものですので、どうかお楽しみに。



297 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/05/03(日) 15:13:34 ID:ckL9aHIw
申し訳ありませんが、本日は投稿を休ませてください。5月5日の岬君の誕生日に投稿できるよう、
全力を尽くして執筆いたします。

298 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 00:46:46 ID:2vLj8NCA
今日は我らが主人公岬太郎君の誕生日という事で、
Twitterにて誕生日イラストを投稿してみました。興味のある方はこちらより
ご覧になってはいかがでしょうか。

https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC/status/1257324276178235392

この物語につきましては、本日または明日にでも投稿できるよう、努めてまいります。

299 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 18:59:54 ID:2vLj8NCA
第5.1話『覚悟を決めろ』


B クライマックス直後の感極まった時に、そっと声をかける
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(やっぱり気分が最高に盛り上がった時が話しやすい。いい気分になって話を受け入れやすくなる。ここは待とう)」

ジナイーダの片想いの相手が分かっていない以上、クライマックスはまだのはずだ。そこまで待って
ハイテンションになった時に声をかけてみよう。そう思って声をかけ驚かせたくなる衝動を抑え、あと少しだけ待つことにした。
そして残りのページが爪でつまめそうになる位に少なくなってきた時、遂にその好機が到来した。


『木造の小さな家のあけはなされた窓に向って、背中をこちらへ向けながら、
父が立っていたのである。父は胸を窓がまちにもたせていた。
家の中には、カーテンに半ば隠れながら、黒っぽい服を着た女が坐って、父と話をしている。この女が、ジナイーダだった。
わたしは立ちすくんでしまった。全くのところ、そんなことは思いもかけなかったのである。
わたしのしかけた最初の動作は、逃げ出すことだった。
『父は振返ふりかえるかもしれない』と、わたしは考えた。――『そしたら、もう万事休すだ』……
けれど、不思議な感情が――好奇心よりも強く、嫉妬などよりまだ強く、恐怖よりも強い感情が、わたしを引止めた』


岬「(お…きたきたきましたよ)」

300 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:01:29 ID:2vLj8NCA
思わせぶりな描写、そして残り枚数からして、主人公の父親がジナイーダの片想いの相手だろう。
ここまで来てこの昼ドラ的な展開から見て、ここがクライマックスに違いない。この予感は、すぐに証明された。


『その彼女の顔を、今なおわたしは目の前に見る思いがする。
――悲しげな、真剣な、美しい顔で、そこには心からの献身と、嘆きと、愛と、一種異様な絶望との、
なんとも言いようのない影がやどっていた。
そうとでも言うほかには、わたしは言葉を考えつかない』


岬「(やっぱりそうだったか、さてどうな)」
聖薇「ああ!」

ハッとして顔を上げる。僕の存在に気付かれたかと思ったが、聖薇は相変わらず視線を本に向けたままだ。
主人公の父を引き留めようとしたジナイーダがその相手から思い切り、腕に鞭を打ちすえられているところを読んで、
哀切な声を上げていたらしかった。その後の聖薇の仕草といったら!
僕の頭では詩的な感情を表せないので、文豪の表現を借りてみたい。

『聖薇は、ぴくりと体を震ふるわしたが、無言のままちらと想像の恋人を目の前に見ると、
その腕をゆっくり唇へ当てがって、(想像上の)一筋真っ赤になった鞭のあとに接吻した』

301 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:03:37 ID:2vLj8NCA
そこまで読んでため息をつき、再びそのキズ1つないきれいな腕に口づけした後、
折り畳むようにゆっくりと本を閉じ、ベンチの隅に置いた後に顔を上げ、
葉が散って隙間が大きくなったマロニエの枝の間越しに空を見上げ、つぶやきだした。

聖薇「わが悲しみは、ただひとり君の姿にみたされて……このわびごころ、何ものの乱し騒がすものもなし。
   かくて胸は、またも燃え、恋いわたる……愛さでやまぬ胸なれば」(※)

今だ。

岬「お嬢さん、空を見つめてごらんなさい」

ここが機だ。僕が彼女の物語に入り込み、彼女の心へ働きかける絶好のチャンスだ。

岬「日の光と風を感じなさい。鞭の痛みが生きる希望になるものでしょうか」
聖薇「光も、風も、私には届きません。見上げたところで、あの人は……」

悲嘆にくれた表情で返事をしたところで、ハタと口が止まる。悲しみにひたっていた表情が元に戻り、
そしてすぐに、みるみるうちに顔を赤く染めあげながら、サビついたブリキ人形のようにぎこちなく振り向いて、口を開いた。

聖薇「み、み……みみみ、みさ、き、くん……?」



※:アレクサンドル・プーシキンの抒情詩『グルジヤの丘の上』より。
『初恋』でもジナイーダが主人公にその個所を読ませるシーンがある。

302 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:13:53 ID:2vLj8NCA
返事の代わりに、僕は体をさらに聖薇へ近づけ、互いの腕が接する程近くに接近した。

聖薇「ひゃっ」

この反応、この表情、何よりこの間の勉強会の時とは別人としか思われない、甘い悲鳴。
ここまで見て僕に対し、少なくとも好意的にとらえていると考えても決して自惚れとは言われないだろう。
そうであるなら、相手が戸惑い混乱しているこの時に、衝撃を与えなくては。

岬「ゴメン、もっと早く声をかければよかった。夢中になって本を読んでる早乙女さんが可愛くて、つい」
聖薇「えっ……か、かわいい?みさきくんが、わたしを?」

とろけたため息のような返事を聞きながら、先の希望的推察を事実として受け止めた。
そして優しい笑顔を浮かべながら、次の行動について頭を働かせる。

岬「(ここまで好意的だったとはね、うれしい誤算だ。ただ、ここはまだ、しばらく辛抱しないといけないだろう。
   ここで彼女との仲を決定的にする事は簡単だ。

『聖薇、愛しているよ、いつまでも一緒にいよう』

   そう言えば彼女は大喜びで僕に飛び込み、遠からぬうちに全てを僕に捧げるようになるだろう)」

以前父さんが語った早乙女財閥の話が胸に飛来する。だが今は、これを奥深く押し籠めなくてはいけない。

303 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:15:10 ID:2vLj8NCA
少々、私用につき中断いたします。続きは午後8時までに投稿いたします。

304 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:46:48 ID:2vLj8NCA
視線を彼女の頭上へと飛ばす。その先には僕と早乙女母娘、そして千早とあずみとで食事をとった、あのテーブルが見える。

岬「(まずは生き残らないと。沙織さんの預言と勾玉の発光から見て
   千早・あずみ・聖薇の3人の協力が無いと優君は殺される)」

祖霊『心してかからねば命は落ち、落命せずとも命運は尽きる』

少し前に叔母の沙織さんによる神おろしで語った先祖の言葉が、頭の中に蘇ってきた。
理不尽ではあるが3人力を合わせて戦わねばならない以上、彼女に深入りしすぎるとあずみと千早との仲に不和が生じ、
それによって不測の事態が起こるかもしれない。

岬「(あずみちゃんは特に気を付けないと、聖薇を敵視していたしなあ。それに)」

素直で淳良、そして人のために自分の命も惜しまなかった、幼子の顔が脳裏に映る。

岬「(1度自分が助けた子供を、見ないふりして殺されるのを見たくはないしね。さらに)」

思考を切り替え、今度は別の仲間について思案をめぐらす。

岬「(あずみちゃんと千早さん、今まで僕は多くの人に出会ってきた。女の子だって数え切れないほどに。
   でもあの2人は、上手くは言えないけれど……他とは違う気がする)」

305 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:48:17 ID:2vLj8NCA
岬「(これからもっと大きくなるというか、光るものを持っているというか。
   勾玉の件が印象に残り過ぎたのかな?いや、それ以前からだ。
   少なくともあずみちゃんは、サッカーで人並外れた才能を見せたじゃないか。まあ活躍はアレだったけど、ともかく)」

視線を聖薇へと戻す。そろそろ話をつなげて、不安がらせたり勘づかれたりされないようにしなくてはいけない。

岬「うん。その顔を見ると僕も、ホッとした気持ちになれるよ……ただ」
聖薇「ただ、どうしたの?」
岬「あ、いや、大した事じゃないんだ。ただ、読書するところを見てて気になる事があったから……」

わざと受け答えに間を開けて相手に尋ねさせ、やむを得ずという風にして語りだす。

岬「さっきの朗読を聴いていて、物語の少女が恋に苦しんだり、鞭打たれたりした時の語りが、
  他のところと比べて妙に熱がこもっているというか、真に迫っているというか。
  ひょっとしたら、何か悩んでいる事があるんじゃないかって」

勘違いだったらゴメンと言い添えた後、反応を見るべく彼女をジッと見つめてみる。
僕との視線が合った瞬間、彼女はハッとした顔つきになり、そして次第に苦しげな、
申し訳ありませんでしたと言いたげな顔色となっていく。
しばらく見つめあっているうちに耐えきれなくなり、顔をそらしてしまった。

306 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:49:18 ID:2vLj8NCA
岬「大丈夫、つらいなら話さなくていいし、僕も見なかった事にするから」
聖薇「いえ、待って」

聖薇は今だこちらに振り向かずに話す。話すというより腹の底から無理無理しぼり出したような語気だ。

聖薇「わたし、は」

何とか語りかけようとしてきたが、途中で息がつまったようだ。
荒い吐息を叩きつけるように何度もついてから、僕に振り向き、告げた。



聖薇「私は、岬君が、大好きです」



途切れながらも一気に告白してから、ギュッと堅く口と瞼を締めてしまった。
勇気を振りしぼった反動が押しよせているのだろう。
こめかみの震えが治まり、目が再び開きだしてから、告白を続けた。

307 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:50:51 ID:2vLj8NCA
聖薇「今から思えば、初めてここで会った時から、岬君に心を寄せていたような気がします。
   包み込むような温かさ、ずっと安心していられる誠実さ……初めて家に上げた人が、岬君で良かった」
岬「(初対面で、そこまで喜んでいたかなあ)」

記憶を自己修正させているんじゃないかと当て推量を働かせているうちに、それを裏付ける言葉が僕へ送られてきた。

聖薇「ですが私は馬鹿ですから、自分の感情が何であるかさえも分かっていませんでした。それが分かったのは、あの日の、
   ブローニュの森でサッカーをする岬君を見かけた時です。
   自分より大きくて荒々しい、しかも大勢に囲まれていても、立て板に水が流れていくように自然に、
   華麗に抜き去っていく姿を見て、この人は優しいだけじゃない、
   危地に陥っても余裕さえ感じていられる強い人なんだと、思わずにはいられませんでした。
   そして何度活躍して勝利しても、少しも驕らない大きな心の人。そこまで思いが至ってようやく、
   私は岬君に恋している、いつまでも一緒にいたいんだって、気付いたのです」
岬「(……おや、愛の告白の割には)」

表情に深い憂いが漂っている。僕の返事はどうなるかとか、そういうものではない。もっと根の深いものだ。
気にしすぎであればいいがと思っている時、当の本人がその憂いの正体も、明かしてくれた。

308 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:52:56 ID:2vLj8NCA
聖薇「ですが、やはり私は浅はかでした。そんな素敵な人ならば、
   もっと多くの、そして私よりも魅力的な人も、岬君を好きになるでしょう。
   そしていつかその人の手を取って、私の手の届かない所へと去ってしまう」

ああ!

そこまで語った途端、聖薇が感極まった叫び声を上げた。
とんでもない過ちをしでかした事に気付いた時のような、自責感と絶望感が顔に刻み込まれている。
そして脇に置いてあった『初恋』を手に取って顔を隠し、懇願した。

聖薇「見ないで、お願い岬君、私を見ないで!今の私、きっとみにくい顔になっている……
   クラスメイトに嫉妬して、どうしたら盗まれないかと思った人の顔なんて!
   だから見ないで!そしてこのまま帰って、今日の事はすっかり忘れて、
   それから別のもっと素敵な人と付き合って、楽しい学校生活を送ってください、ね、私はおふたりのために……」



岬「ヴ・ドヴェ・ヴ・セパレ!」



えっ?突然のフランス語に、先程まで悲愴な心境を語っていた口から、
間抜けた声が聞こえてきた。間を置かせずに話を続ける。

309 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:54:03 ID:2vLj8NCA
岬「早乙女さんにつきっきりで教えてもらえたから、少しは話せるようになったけど、
  発音はダメだ、もっと勉強しないと」
聖薇「岬君、今のは」
岬「ああ、『ヴ・ドヴェ・ヴ・セパレ』ね。その『初恋』で主人公の父さんがそう語っていたはず」

そう言いながら詳しい説明はせず、本をつまみ上げる。思った通り、両目も両頬も濡れて光っていた。

聖薇「あっ、だめっ」
岬「そうだね、こんな事で泣いてちゃダメだよ。早乙女さんが泣いたら僕も悲しくなるんだから」

ポケットからハンカチを取り出して、聖薇の涙をぬぐってやる。

聖薇「あ、あう、みさき、くん」

戸惑ってはいるが嫌がりも身じろぎもせず、少しずつ落ち着きながら顔ふきを大人しく受け入れてくれた。
そうしてすっかり感情が静まったところで、本題に入る。

岬「『あなたは思い切らないといけない』そう言う意味だったと思う。
   ただ、あの話もそうだけどこれだと意志が伝わらない。
   今の漫画風に言うと、こんな感じかな。『猶予は終わりだ、覚悟を決めろ』」

310 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:56:09 ID:2vLj8NCA
岬「実際ジナイーダさんも恋を諦めるなり
  戦略を立てて相手の心をつかむ手管をとるなりどちらかに覚悟を決めていれば、
  あんな結末にならなかったかもしれない。鞭打たれるだけで終わりになるより
  ここで思い切って悩んでいるところを話してみて。話せば案外活路が見えて、どうにかなるかもしれない。
  相手役になるかもしれない、クラスメイトの子、教えてほしいんだ」

「え、で、でも」聖薇はためらう。「2人は、岬君のよく知る人ですから」

岬「(2人?イヤな予感がする)大丈夫、誰であっても、早乙女さんを嫌いになったりしない。約束するよ」

力強く念押しをする。彼女はしばらく黙った後、ぽそりと口を開きだした。


聖薇「私が、岬君を盗られてしまうんじゃないかと思ってしまった人は……
   早川さんと、如月さん」

311 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:57:10 ID:2vLj8NCA
                第5.2話『パリの恋路は四差路?』


岬「(やっぱりか、よりにもよってなあ)」

悪い予感は的中した。あずみと千早に、男がらみで対抗心、いや劣等感を抱いているとは。

岬「(これからの神社での特訓や戦闘に備えて、仲良くなってほしいんだけどねえ)」

僕の悩みに気付く訳もなく、聖薇は語り続ける。

聖薇「早川さんはあの通り礼儀知らずで、素直に人の話を聞かないところはありますけど、
   いつでも元気で、快活で、どんな相手にも物怖じしない勇気があって、年下の子にも好かれる表裏の無い人。
   そして何より、岬君と部活動を共にして、心を通わせる機会が一番多い人です」
岬「(2人きりのサッカー特訓の事は、バレてないみたいだ、よかった)」

あずみとの(サッカーの)逢瀬が知られていない事に密かに安心しているうちに、話はもう1人の方に移る。

312 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 19:58:33 ID:2vLj8NCA
聖薇「如月さんには委員会で、気が高ぶり過ぎた私を抑えてくれたり、厳しくも筋の通った意見を告げてくれたり、
   周りの人達の意見を伝えてくれたり……どれだけ助けられたか分かりません」
岬「(そう言えば千早も、風紀委員にも所属しているんだっけ。才智が備わっていて、それ以上に責任感が強そうだな)」

入手した新情報を記憶していくうちに、話は懸念事項へと入っていく。

聖薇「それで如月さんとは話をする機会も多いのですが、日がたつにつれ如月さんの口から、岬君の事を口にする回数が増えてきました。
   それも話すたびに、岬君への尊敬の念が強まっているのを、言葉の端々から感じます。
   もちろん、溺愛している弟さんを命がけで助けた恩人である以上、敬意を抱くのは当然ですが、もしや、という不安が。
   弟さんが日本でも、危ない目にあっていたという事も、岬君に語るところを聞くまで走りませんでしたし……」

そういえば、千早については他の2人に比べて関わりが薄い気がする。今月末の優君誕生日に親交を深めてみよう。
そう考えていたところで聖薇から、真剣なまなざしで、問いかけられた。

聖薇「正直に私へおっしゃってください。岬君は誰か、意中の人はいらっしゃるのでしょうか。
   それでもし、誰もいなくて、私が嫌いという訳でなければ、
   岬君のそばに、一緒にいさせてもらえないでしょうか……」

313 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/05(火) 20:00:17 ID:2vLj8NCA
岬「(とうとう核心に来たか。女の子の一番繊細な想い、いい加減に扱うと後が怖いぞ。
   かといって誰かとくっつくと、凶悪犯に対する一致団結がとてつもなく難しくなる)」

あれこれ悩み、しかし表情はいつもと変わらぬ平静さを保ち続けながら、僕は人生の選択肢を選んだ。


A 「僕はあずみが好きだ」はっきり明言しておく
B 「僕は千早が好きだ」はっきり明言しておく
C 「僕は聖薇が好きだ」はっきり明言しておく
D 「今の課題が全て完全に終わるまで、返事は待ってほしい」凶悪犯撃退まで保留してもらう
E 「(おや、あれは僕をここに誘った猫、それに店の花壇もいい感じ……
  猫と花になぞらえて自分の気持ちを伝えてみるか)」
  3人とも皆素晴らしいので選べない、いや選ぶべきでもなく、3人とも愛していきたいと、遠回しに伝える
F その他、自由回答(要3票)


注!今回の選択は今後の展開に大きく関わる可能性があるため、通常とは異なり
先に【2票】入った選択肢で進行します。また投票開始は【本日午後11時ちょうど】からとなります。
最後に、【メール欄を空白にしてIDを出して投票】してください。
【開始時間以前の投稿】【IDが表示されない投稿】は無効となります。

314 :森崎名無しさん:2020/05/05(火) 23:30:56 ID:pJ+HbNi6
D

315 :森崎名無しさん:2020/05/06(水) 01:29:17 ID:6AwOpruU


316 :森崎名無しさん:2020/05/06(水) 03:51:30 ID:aZnWTOls
C

317 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/05/06(水) 09:08:54 ID:suAJ4CMA
大切なことを申し忘れましたので、急ぎ申し上げます。
AかB、好きな人はあずみか千早だ、を選択した場合でも、その彼女達に
告白する義務は発生せず、黙ったままそのままの関係で居続ける事も出来ます。

万一選択を変更する場合はお手数ですが、ID欄空白に加え何番目のレス(9時7分現在で314〜316)者かを
明記した上で投票なさってください。
混乱を招きかねない事後報告を行ってしまい、申し訳ありませんでした。

318 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/05/06(水) 09:21:53 ID:suAJ4CMA
追記、行動の幅を残そうと先のレスで申しましたが、やはりそれではこの選択の意味が無くなると考えましたので、
317のレスの発言は取り消し、以下のようにいたします。

・A〜Cを選んだ後、その相手が岬君の彼女候補となる。フラれるか別れるまでは対象を変更できない。
・すぐに告白しなくても良いが、時間がたつにつれ感情値が減少する。
 更に一定期間たつと引っ越しでその相手が去ってしまい、その相手以外の感情値も減少する。

最後に、指示が二転三転してしまった事を、深くお詫び申し上げます。

319 :森崎名無しさん:2020/05/06(水) 12:31:48 ID:Ui44uMN2
A

320 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/05/10(日) 20:50:52 ID:k9boi1Oc
すみません、前回の投稿で頑張った反動か、なかなか話を書けないため、本日はお休みさせてください。
そして、岬君の誕生祭でこちらを読むようになった方がもしいらっしゃっればですが、
元々私は執筆のペースが週に一度あれば速い方でして、非常に遅いです。
どうか御了承を願います。

321 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 10:52:08 ID:Z4JbIyWA
A 「僕はあずみが好きだ」はっきり明言しておく
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(さて、どう話を進めていくべきか)」

切ない瞳で見つめてくる相手に対し、一刻も早く答えるべく急速に思考を働かせる。

岬「(最優先しなければいけないのは、僕を含め誰1人死なせない、傷つけないようにする事)」

霊能者、いや超能力者の沙織さんの援助があるとはいえ、その沙織さんを殺してしまえる敵と、僕達は戦わないといけないのだ。

岬「(だから)早乙女さん」
聖薇「は、はいっ!」

来たかと思い身構える聖薇をよそに、僕は目の前に隆々としているマロニエを指さす。

岬「僕は今、何を指してる?」
聖薇「何を、って、それはマロニエの木では」
岬「それじゃあ、マロニエを指してるのは?」
聖薇「岬君の指です」
岬「そうだね。それで、指はマロニエかな」
聖薇「まさか、そんなはずは。どうして今、そんな話を?」

322 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 10:53:13 ID:Z4JbIyWA
的外れというか、意図が読めない話の展開に、怪訝な表情を隠せていない。
そしてそれは、恋が実るか否かに全神経を集中させている聖薇の心に、隙が生じたという事だ。
今この隙間に、割って入る。

岬「なかなか込み入った話だからね。なのに僕は話が上手くないから、言葉じゃなくて言葉の先に注目してほしくて」

そう言いながら指さす右手を戻し聖薇へと向き直して、語る。

岬「話の前に、謝らないといけない。本来何の関係も無い
  早乙女さん達を命の危険にさらさせる事になって、どれだけお詫びすればいいか」
聖薇「そんな、岬君は何も悪くありません。それに生徒を守るのは風紀委員長の最重要義務です」

そこなんだ。そう殊更に声を荒げてみせる。思わぬ攻勢に聖薇はひるみ、虚ができる。そこだ。

岬「早乙女さんのいけないところはそこなんだ。義務や義理を因果関係と混同しちゃうところ。
  早乙女さんが風紀委員長じゃなくても、凶悪犯は優君を襲いにくる。
  そこまで義務にこだわって突き進むと、窮地に陥る子が出てくる。だからここで言う」

語気を緩め、一大決心を語るにふさわしい重々しげな口調で、告げた。



岬「僕はあずみが好き、あずみちゃんにそう告白する」





323 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 10:54:17 ID:Z4JbIyWA
聖薇「え、あの、そんな」

急に話が本題に戻り、再び混乱しはじめてきたが、

岬「僕は優君を護りたい」

再び話を横にそらす。サッカーで言えば強引にドリブル突破すると思わせた直後に、
フェイントをかけ相手を狼狽させるようなもの。
こちらの思惑を相手に信じ込ませるにはとにかく混乱させ冷静に考える暇を与えず、
さり気なく示したこちらにとって都合の良い仮定を真実だと思いこまさなければいけない。

岬「もっと言うなら優君にはもっともっと長生きして、
  友達と遊んだり絵を描いたり好きな人と一緒になって幸せになってほしい。
  早乙女さんも同じ思いだろうし、お姉さんの如月さんもそれ以上だ。でも、あずみちゃんは違う。
  あの子に対して2人ほどの責任感や愛情はない。
  当然だよ。付き合いがそんなにある訳じゃない、
  せいぜい同じ学校のビデオゲーム好きという位の縁で命を賭ける人なんていない。
  でも優君を助けるにはあずみちゃんの力が必要で、その時までに準備を整えておかないと、彼女まで殺されてしまう」

ここまで語りながらふと、シャルポワの事を思い出した。年端も行かぬ子に首ったけなあのフランス少女がこれを聞いたら、
迷うことなく仲間に加わり、7度殺されようと7度蘇って恋人の敵を討ち果たそうとするだろう。

岬「(けど彼女は『選ばれて』いない。沙織さんを殺せる相手に対して、1人減らす余裕があるとも思えない。
   たとえこの場は恨まれてでも、3人全員を向かわせないといけないんだ)」

僕らしくもない。人との間を上手く立ち回って労せずに利益を手にしてきた僕だが、
この危難はどう考えても、覚悟を決めずには切り抜けられそうにない。

岬「だから僕は伝えるんだ。僕はあずみが好きだって」

324 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 10:57:43 ID:Z4JbIyWA
あずみが好き。好きな人は自分以外の別の女が好き。そうハッキリと言葉を叩きこまれて、
右に左に話が振れて混乱していた聖薇の頭がピクンと震える。
再び悲嘆にくれる前に、すばやく聖薇の目の前に人差し指を突きつけた。
マロニエと指、言葉と意味、あずみと聖薇。
突然の行動に聖薇はたじろぐ。だがすぐに「真実」へと思い至ったらしく、僕へ尋ねた。

聖薇「そ、それでは、早川さんへの告白は、如月さんへの弟さんを助けるために、行う事なのですね、そうですよね」

否定されたら全てが終わる、そんな今にもすがりかからんとする聖薇の気迫が、声へ表情へと発して飛びかかる。

聖薇「私が嫌いとか邪魔だとか、そういう訳ではないのですよね?あなたの神様が授ける試練を乗り越えて、
   あなたに相応しい女性になれば、受け入れてくださいますよね?」

有無を言わせず一気に言い切ってしまってから、いいえと小さく言葉をつく。
顔は自戒の念がこもったような、神妙なものとなっていた。

聖薇「いけません、このままではただただ相手にまとわりつこうとする面倒な女になるだけです。
   そんな女性を好きになる男性は世界のどこにもいないでしょう。
   まずはあなたの全てを理解して、受け入れられるようにならなければ。例えば、この間の賭け事について」

325 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 11:00:07 ID:Z4JbIyWA
岬「(おや、ここで賭け試合の話か)」

いつか切り出そうとは思っていたが、こんな場面で出てくるとは。鬼が出るか蛇が出るか心の中で身構えたが、
出てきたのは文学少女らしいと言うべきか、ファンタジックとも言うべき突飛な発想だった。

聖薇「あのような暴れ者達の所業を見て、あなたも心をきっと痛めていたのでしょう。
   ですが説教では何の効果も無いと見てとって、最もショックを与えるであろう金銭面から打撃を与え、
   悔悟を促そうとしたのでしょう」

僕の右手を両手で包み込んで目の前へと持ち上げながら、一点の曇りもない瞳を捧げ、語る。

聖薇「その事に思い至って、『この人を好きになってよかった』。心の底からそう感じられるようになりました。
   誰に対しても厳しく、そして優しい人。そんな人と知り合えたと心に想うだけで、
   どれだけ心が満たされたか分かりません」

とうとうと「理解」とは程遠い、幻想的なまでに美化した僕の姿を語ってくれている聖薇を見て、
悪人にたぶらかされ全てを奪われながらも恍惚としている姿を幻視してしまった。
そのうちこれもどうにかすべきかと、要らぬ心配をしてしまっていると、凛々しい表情に戻った聖薇が、僕に告げた。



聖薇「どうかこれから、家にお越しください。あなたに一歩でも近づけるように、今まで隠していた秘密を、明かします。
   ……母さんは今日、遅くまで帰りません」





326 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 11:02:51 ID:Z4JbIyWA
         第5.3話『聖薇の正体、そして過去』



聖薇がル・エストの鍵を開け、ドアを開く。長く話をしていた事もあって日が傾いていたためもあるが、
窓という窓にカーテンがキッチリと敷かれていたため、室内は数m先の視界がおぼつかなくなる程に暗かった。

聖薇「ごめんなさい。今明るくします」

そう詫びた聖薇からカチリと音がして、ボンヤリと薄暗い光が頭上から部屋を照らし出す。
横浜あたりの観光街道に見られるガス灯を模した電灯の形も相まって、男女の密か事にふさわしい雰囲気をかもし出していた。

岬「(いけない。別にこれから、アレだ、ヘンな事をするわけじゃない。ただ話を聴くだけだ)」
聖薇「よろしければ、お茶でも」
岬「あ、うん、ください」

少しお待ちくださいと言い残し、聖薇は奥へと退いていった。暗闇からこれまたボンヤリとした光が漏れ、
続いてカチッとガスコンロの点火音が聞こえた後に、お盆にティーカップ、ティーポットを載せて運ぶ聖薇が見えた。

聖薇「粗茶ですが」
岬「いえいえ、ありがとう……これ、紅茶なんだ」

327 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 11:04:12 ID:Z4JbIyWA
聖薇「はい、スーぺリア・ダージリンです。もしかして紅茶は」
岬「いや、嫌いじゃないよ。ただ久しぶりに飲むなあと思って」

家で飲むのは水か牛乳、日本にいた頃はそれに麦茶が加わる程度で、紅茶などは数える程しか口にした事が無い。
とはいえせっかくの好意であるし、本題に入る前にリラックスしよう。そう思って紅茶に口を着ける。

岬「うん、おいしい」
聖薇「そうですか、よかった」
岬「まろやかで、とろんと優しく口の中で広がって、いい感じ」

上品な味わいにふっと満足げにため息をつく。しいんとした暗がりの中に吐息は浸み入り、
ここに聖薇と2人きりになっている事を意識させられる。

聖薇「本当によかった。この紅茶、私の好きなお茶ですから」

僕が飲むのを目にしてから、聖薇も紅茶を口にする。向かい合った中で飲む紅茶。


静かなひととき。


しばらくそうして何もせずに紅茶を飲み、ほとんど無くなりかけたところで、僕を呼ぶ声が聞こえてきた。

岬「なんだろう」
聖薇「そろそろ、話の続き、させてもらえないでしょうか」

328 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/17(日) 11:06:04 ID:Z4JbIyWA
本題について切り出してきた。口をふき両手を膝の上に揃えながら、話を再開する。

聖薇「これから話す事は、誰にも話さないと、約束してくださらないでしょうか。友達にも、先生にも、私の母にも……
   母さんから、堅く口止めされてますから」
岬「うん、絶対に誰にも話さない、約束する」

出来るだけ安心感を与えられるよう、声色に混じり気ない返事をする。それを聞いて少しホッとした顔色になった後、
隠し続けてきた秘密というのを、僕に明かしはじめた。

聖薇「日本の五大財閥に水瀬、片桐、東豪寺、若林、そして早乙女財閥がある事は知っていると思います」
岬「うん(早乙女財閥……やはりそうか)」

素知らぬ顔をして、聖薇の告白を聞き続ける。

聖薇「その早乙女財閥内の、早乙女電子株式会社は、ご存知ですか」
岬「まあ、日本にいる頃にCMで見たし、パソコンとか売り出している会社だったような」

ここまで返事をして、ようやくハタと思い至ったという風に話を打ち切り、もしやという口調で、問いかける。



岬「まさか、いや、もしかしてだけど、早乙女さんって」
聖薇「そのもしか、です。私は早乙女電子の元代表取締役社長早乙女愛の長女、早乙女聖薇です」




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