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1- レス

異邦人モリサキ


[293]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:33:45 ID:???
「に、逃げ……」
『逃げるんだよね?』
「ぐ、ぬぅ……」

機先を制された森崎が、奇妙な声で呻く。
このとき、彼の中に巣食う天邪鬼が盛大に騒いだのだろうか。
口を開いて出てきた言葉は、心中とは正反対の代物であった。

「……ハン、に、逃げるだって!? この俺が!?
 森崎有三様が若僧どもの街なんぞにビビってるとでも!?」
『……違うの?』
「そんなわけあるか! 平気の平左だぜ!」
省14

[294]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/11(月) 01:39:51 ID:???
といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
連日、選択のないヒキで申し訳ありません。
本来であればロムロ坂にも行く/行かないの選択があったのですが、
既に二回の行動キャンセルがあったため自動選択となっています。

ロムロ坂では国立公園ほどではありませんが小イベントがありますので、
選択を用意できる見込みとなっております。
それではまた、次回更新にて。

[295]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:43:17 ID:???
***


ドルファンにおける若者文化の発信地・ロムロ坂で最も多い業種は飲食店である。
昼間は喫茶店、夜にはアルコールを出す類の店が軒を連ね鎬を削り、栄枯盛衰を体現している。
そんな飲食店の次に多いのが、服飾を扱う店舗であった。
男性向けにはワイルド系からスポーティ、クール、シック、ビビッド、女性向けならキュートにファンシー、
ガーリーやらクラシックやらオーソドックスやらフォーマルやらのドレスにインナー、ジャケット、コート、 省30

[296]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:44:19 ID:???
「やっぱり、俺にはまだ早いんだよ……」
『帰るなら止めないけどね……まあ、よく頑張った方じゃない』

四軒目の、流麗な筆記体で新トルキア語ではない文字が躍る看板を三十秒ほど眺めた森崎が
そう漏らすと、ピコがそよ風を微塵に刻んだような小さな小さなため息をついて、
森崎の背をぽんぽんと叩いた。
その小さな手の感触に押されるように踵を返した森崎が、とぼとぼと坂を下り出した、そのときである。

「あらン? ……ちょっと、そこのお兄さン」
省18

[297]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:45:20 ID:???
波打つ長い髪は陽光に融けてそれ自体が宝飾品であるかのように輝く黄金。
匠が生涯を賭けた一筆に引かれたような切れ長の瞳から真っ直ぐに鼻筋を下ると、
ふっくらと柔らかそうな唇は鮮烈な朱を引かれ、微笑のかたちに囚われている。
細い喉から流れるような肩のラインは青空の下に晒すことが赦されない罪業であるかのように
白くたおやかで、露出した二の腕に填められた大ぶりな黄金の腕輪は、まるでこの女を
誤って天へと登らせぬよう、大地に繋ぎ止めようとする風ですらあった。 省50

[298]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:46:21 ID:???
「……そんなに驚かれるとは思わなかったわぁ。ごめんなさいねン」

色も音も戻った世界で、女が眦の下がった目を丸くして森崎を見下ろしていた。

「……転んだだけだぜ。で、俺に何か用かい、お嬢さん」
『倒れたままカッコつけようとしても無駄だと思うよ』

じとりとした半目で腕を組んだまま、ピコが言う。
思わずそちらを睨んでしまう森崎だったが、女は意に介した風もなく口を開いた。

「お兄さン、この辺じゃすごぉく珍しいカッコ、してるわねぇ。 省29

[299]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:47:23 ID:???
「私が興味あるのは、この街をそンなカッコで歩けるお兄さンの度胸よン。
 アナタ、磨き甲斐ありそうだわぁ。私の服で、変身させてあ・げ・る」
「……なにィ!?」

尻餅をついたままの森崎が見上げる先。
女の背後には、陽に映える白い看板に銀細工の文字が輝いている。

『サロン ノエル・アシェッタ』。

それが彼女の店の名であり、ブランド名であり、そして彼女自身の名でもあった。


***

[300]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:48:42 ID:???

「……で、俺にこの中から選べってのか」
「そうよン。まずはアナタがいまどこまでやれるのか、試させてもらうわぁ」

麝香の香り漂う室内に、声が響いた。
できる限り外の光を取り込まぬよう工夫された飾り窓の薄明かりが、店内を淡い色調で満たしている。
外界と切り離されたような静かな空間にいるのはノエルと森崎、そしてピコだけであった。
色彩もデザインもまったく統一感のない、かろうじて衣服というカテゴリだけで括ることのできる 省51

[301]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:49:48 ID:???
「……頭痛くなってきたんだが、一応最後まで聞くぜ。……こっちのは、本当にこれだけなんだな」
「勿論よン」

最後に、左側に置かれたそれを目線だけで示した森崎に、ノエルが魅惑の微笑を浮かべながら言う。

「これはこういうものよン。シルクロードの向こうからやってきた東洋の神秘よン」
「よーく知ってるぜ。……ただし、俺らはそのシンピとやらをこう呼んでたがな―――」

置かれた白く長い布切れを、森崎が掴むや叫ぶ。
省48

[302]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/12(火) 03:50:50 ID:aX5l3GLw
*選択

A チャレンジ! アバンギャルド!

B 無難! 初心者向け!

C 漢! 褌一丁! (必要CP:1)


※森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を【森崎の視点から】必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『6/12 21:00』です。


***

といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。


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