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1- レス

異邦人モリサキ


[431]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:31:32 ID:???
//体術訓練

ずうん、という地響きと共に叩きつけられた巨体が、そのまま地に這う。
濛々と舞う土埃の向こうから現れたのは、仁王立ちのヤングである。

「よし、次!」

言い放ったその鷹の如き目は、倒れたままぴくりとも動かない巨体など既に映していない。

「……今の、見たか?」
「ああ……あれだけ体格の違う男が宙を飛んだぞ……」

ぞっとしたように言うネイに、トニーニョが答える。
彼らは体術訓練の真っ最中であった。 省29

[432]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:32:33 ID:???
「なぁおっさん、本気でやってもいいんだよな? 怪我しても恨みっこなしだぜ」
「大口だけは一人前だが、そこに」

と、いまだ地に伏したままの巨体を顎で指したヤングが答える。

「そこに倒れてるのも確か、似たようなことを言っていた気がするぞ」
「ヘッ、一緒にするんじゃねえよ」

盾を前に構えた森崎が、言いながら無造作に間合いを詰める。
圧力をかけて近づき、足を掛けるか蹴りを見舞うか、それともそのまま盾で一撃を狙うかという動きである。
省30

[433]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:33:33 ID:???
「……ほう、受身くらいは取れるようだな。なら遠慮はいらんだろう、立て」
「な……」
「ここからは手加減なしだ。存分に胸を貸してやる!」

牙を剥くように笑ったヤングの視線は、森崎を見据えて放さない。

「また始まったぜ……」
「ああ、モリサキのやつもエラいのに目をつけられたもんだ……」
「どんだけ東洋人嫌いなんだよ、あの鬼教官……」

外野のざわめきも収まらぬ。 省28

[434]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:34:34 ID:???
******


※称号が『気のいい見習い拳士』になりました。

スキル『受身』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:個人戦闘時、DEF値を+10する。


******

[435]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:35:35 ID:???

//魅力訓練


「……確かに、良くなってるな」

褐色の優男、ネイが不意にそんなことを呟いたのは、やはり素振りの最中である。
言われた森崎が手を止め、怪訝そうに訊ねる。

「何だよ、藪から棒に」
「いや、前に言ってただろ、お前」
「だから、何を」
「女のコたちにきゃ〜きゃ〜言われたいってよ」
「あー……だっけか」

そんなことを言った気もする、程度の記憶で答える森崎に、ネイが苦笑する。
省27

[436]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:36:53 ID:???
「ネイくんちょっとどいて。そいつ殺せない」
「どっから涌いて出たんだお前! 黙って自分の腹でも掻っ捌いてろ!」

背中に忍ばせた鞭状の得物へと手を伸ばす黒人に、ネイが思い切り蹴りを入れて黙らせる。
そんな姿を見ながら、しかし森崎も一歩を退く。

「い、いや、ネイ、お前……俺にそっちのケは……」
「そ、そうだぞネイ、個人の嗜好に立ち入る気はなかったが、そういうことなら先に言ってもらわんと……」
「ハァ!? ……って何言ってんだ、バカ! バカなのかお前ら!」
省31

[437]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:38:27 ID:???

「……ふう、エラい目に遭った。何でちょっとモリサキのことを褒めただけでこんなことに……」
「災難だったな」
「お前が言うな!」

訳知り顔でぽんぽんと肩を叩く森崎に、ネイが噛み付く。

「まあまあ……ところで、モテモテ免許皆伝のネイ師匠のお墨付きってことは、
 俺もイケメン軍団の仲間入りってことか? ま、わかってたことだけどな」
「調子に乗んな」

ふぁさ、と黒髪をかき上げる森崎を、ネイが呆れたように見やる。
省23

[438]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:40:43 ID:???

//複合スキル獲得


「最近、貫禄がついてきたな」
「あ? ……お前に言われると真実味があるな、貫禄番長のトニーニョさんよ」

長身に坊主頭の強面、更には全身が鍛え上げた筋肉で覆われた姿を見やって森崎が返すのへ、
トニーニョがその仏頂面を険しくする。

「茶化すな。……お前には、人を惹きつける何かを感じるという話さ。
 俺だけじゃない……他の連中やヤング教官も、近頃のお前には一目置いているだろう」 省29

[439]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:41:44 ID:???
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※称号が『気のいいリーダー』になりました。

スキル『鉄壁』を獲得しました。
種別:部隊アクティブ
消費練度:10
効果:使用ターン、任意の1部隊の防御ダメージを50%にする。


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[440]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:42:49 ID:???

*D26.5 「気のいいリーダー」森崎有三
メインイベント
『少女と騎士』


新緑の薫りも強くなってきた、ある朝のことである。
欠伸混じりの森崎が、まずは水でも汲みに行こうかと部屋を出ようとした、その足元で
カサリと鳴るものがあった。

「……手紙?」
『何なに、どーしたの?』

扉の下に挟まれた、それは白い封筒であった。
拾い上げた森崎が朝の光に透かすように、表裏を改める。
宛名はない。

「直接届けに来たってわけか」 省11

[441]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/21(木) 00:44:02 ID:???
ピコに促された森崎が、部屋の中に戻ると文机へと向かう。
特に封緘はされていない封筒を開けると、中にはやはり白い便箋が一枚。

  ―――この間は申し訳ありませんでした。

ユーゾー・モリサキ様、と書かれた手紙は、そんな謝罪から始まっていた。

「……この間、か」
『あのジョアンとかいうキザ男のことだよね』

あの、薄闇の道を思い浮かべる。
自分とは無関係だと必死に言い募った彼女。
振り向かなかった、その背中。 省36


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0ch BBS 2007-01-24