※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ 現行スレ 投票 最新20

1- レス

【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[62]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:07:01 ID:???
***

B「知ってるといえば、知ってるが……」


誤魔化しても無駄だと判断し、森崎が答える。
調べをつけた上で問うているのは、単なる枕詞か、それとも何かを試しているのか。
そもそも名指しでこちらを捜しあてたという相手だ。
組織力、資金力には疑問を差し挟む余地がない。
言葉を濁したのは相手の意図が読めないからだが、しかし森崎の返答に馬車の中の少女は
小さく首肯しただけで悠然とした笑みのまま、眉筋ひとつ動かさない。 省30

[63]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:08:02 ID:???
「ただザクロイドといやあ、この国の燐光石市場を仕切ってる大商人だ。
 外様の俺でもそこかしこで聞く名前だからな、さすがに引っかかってたんだよ」
「……」

一瞬、リンダの表情が曇ったように見えた。
大商人、と森崎が口にした刹那のことである。
ほんの僅かに下がった眉尻は、しかし森崎が目を凝らして確かめるより早く、元に戻ってしまう。
気にはなったが、しかしおくびにも出さず言葉を続ける森崎。
省58

[64]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:09:02 ID:???
「あの娘、貴方の言葉を真に受けてそればかり練習してましてよ。
 毎日毎日、体力任せの追い込みばかりで技術を磨く気配もありません」

言葉にするうち苛立ちが増してきたのか、リンダの声音は次第に厳しいものになっていく。

「飾らずに言いますわ―――あのままでは、わたくしと勝負になりませんの」

傲然とすら呼べる言葉を、しかしリンダ・ザクロイドという少女は一片の迷いも驕りもなく言い放つ。
彼女の口から出るとき、それは単なる事実なのであろう。 省39

[65]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:12:09 ID:6O72Var6
冷水を浴びせかけられたように、はっと女性を見やったリンダが、すぐに表情を消す。
代わりに浮かんだのは、元通りの悠然とした笑みである。
その変遷を見やって小さく息をついた森崎が、ゆっくりと二呼吸ほどを置いてから口を開いた。

「……で、結局あんたは何が言いたいんだい。用がないなら仕事に行きたいんだが」
「モリサキさん。貴方、責任持ってあの娘をしつけ直してくれませんこと?」

明快な即答だった。
対する森崎はといえば―――



*選択
省14

[66]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:14:28 ID:6O72Var6
森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『11/6 24:00』です。


******

妙な部分でレスが切れてしまい失礼いたしました、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

[67]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/06(火) 23:22:45 ID:???
Bハンナにアドバイスしたのはハンナがあまりにも酷い練習や心構えをしてたからだ。
一応アドバイスした以上多少気には懸けるが正式なコーチになるつもりはないし出来ない。
それに自分は傭兵だと付け加えたいです。

[68]◆9OlIjdgJmY :2012/11/07(水) 00:55:02 ID:???
投票機会を逃してしまいましたけど
「それは人にものを頼む態度じゃねえだろ」とか
「ハンナの知らないところでアンタが敵に塩を送っちゃダメだろ」とか
いろいろツッコミどころが多いお嬢さんだと思いましたw

[69]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 19:58:03 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>65-66の選択については……

>>67 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます!
そうですね、素人が正式なコーチになると安請け合いしたところで、本作の世界には
ネットもなければ陸上の教本が売っている本屋さんもありませんからね……。
台詞の付け加え、多少アレンジしつつ本編に組み込ませていただきました。
CP3を進呈いたします。


>>68
ツッコミどころ、山ほど搭載してますねw 省10

[70]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 19:59:40 ID:???
***

B「気にはかけておくさ」 やや肯定的に答える。


明言も確約もする気はないと言下に匂わせながら、さりとて正面から否定することもしない。
我ながら煮え切らぬ態度だ、と内心で苦笑する森崎の、しかしそれは偽りなく本心に近い。
自分には専門的な技術も知識もない、何よりそれに割ける時間がない。
しかしハンナのことを頭から無視することもまた、できなかった。
できる限りのことはしてやりたいと思うが、できることはもうやってしまったと、森崎は考えている。 省30

[71]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 20:00:45 ID:???
諧謔は、しかし少女には通じなかった。
眉筋一つ動かさぬまま、リンダが問う。

「祭典には、おいでになって?」
「ああ、そのつもりだが」
「では、その折にまたお目にかかりますわ。月桂の冠を戴く者として」
「剛毅な話だ」

月桂冠といえば、古来より各種競技の優勝者にのみ贈られる栄光の証だった。
紫水晶色の瞳を細めた笑みは、己が勝利を微塵も疑わぬ自信と自負とに満ちている。
しばらくそうして森崎を見つめていたリンダが、やがて満足したように視線を移した。 省31

[72]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 20:01:45 ID:???
「そらっ!」

掛け声一閃、堂々たる体躯の馬たちが統制の取れた動作で歩み出す。
引かれた馬車の車輪が、石畳を噛んでごとりと鳴った。
美しい純白の車体は、見る間に遠ざかっていく。

『さ、仕事に戻るよ、キミ』
「……ああ」

ふわりと肩に降りてきた相方の、ジーンの声真似をしてみせたのに答える森崎は
狐に摘まれたような顔で歩き出すのだった。


******


※称号が『親切な傭兵団のエース』になりました。 省3


名前

E-mail



0ch BBS 2007-01-24