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【伝説の】Another-CU_9【継承者】
[782]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 18:56:17 ID:???
カラン…
店のドアが開いた。
目をやると、ツンツンと角のように金髪を尖らせた男が入ってきた。
特徴的な髪型、中性的な顔立ち、そして何より青く鋭い眼差しがピャタコーフである事を示していた。
スペルマン「…」サッ
ピャタコーフ「………」
スペルマンは手を挙げて自らの場所を知らせた。
それを認めてピャタコーフは彼の席へと着いた。
ピャタコーフの態度は一貫して無愛想その物であり、またスペルマンからも再会を喜ぶような定型の
省15
[783]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 18:58:44 ID:???
ピャタコーフ「一時期は何度も自殺未遂を繰り返したらしいが、今は御覧の通り問題ない。
…もっとも脳内物質のバランスが完治せず、感情の起伏が減ったようだがな。」
スペルマン「フッ、昔からお前は感情の起伏が見えなかった。 だから問題ないだろう。」
ここでスペルマンは初めて懐かしそうな顔を表に出し、旧友を語ってみせた。
『そうかい』と興味なさそうに頷くと、ピャタコーフは店員を手招きし、紅茶と蜂蜜をオーダーした。
省37
[784]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 18:59:58 ID:???
ピャタコーフ「では尚更、何のために訪ねてきたのかが分からないな。
昔を懐かしみたければもっと相応しい相手がいるだろう。」
スペルマン「思い出語りをするためにこんな所までわざわざ来ないさ。
…なあエフゲニー、キミもオレのようにクラブを辞めろ。 そして共にロシアへ戻ろう。」
ピャタコーフ「え?」
スペルマン「フィギュア・スケートの世界で再び金メダルを目指そうと言っているんだ。」
省40
[785]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:03:35 ID:???
ピャタコーフ「まさか連邦が崩壊した事を知らないのか?」
スペルマン「知らない訳がない。 そう、ソビエトが崩壊した今だから復帰のチャンスなのだからな。
いま母国のスケーター達は崩壊のショックで練習どころじゃない、それ所か散り散り…。
オレ達にとって最初で最後の、フィギュアスケーターとしての復帰のチャンスだ。」
ピャタコーフ「復帰すれば英雄になれる、か… フィギュアも金メダルも甘くない。
省42
[786]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:05:12 ID:???
ピャタコーフ「ハァ…… 逆に聞こう、何故オレに構う?」
スペルマン「それは… オレもお前もフィギュアスケートをやるべき人間だからだ。
お前の才能は神が… いや、ニジンスキーが与えた物だ。
そしてオレはそんなお前と競い、フィギュアの頂点に立つべき男だ。」
ピャタコーフ「ほう? オレが競技会に出られなくなってからお前は敵無しだったんだろう?
そのまま順調に歩んでいれば、頂点は労せずに掴めた事だろうに。」
省41
[787]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:06:26 ID:???
ピャタコーフ「お前がどう考えようが、オレは現在進行形で取り戻している最中だ。
感情が薄まっていても感じるよ、日々の充実と未来への希望をな。」
スペルマン「それはサッカーでの話だろう? もう一度言うがお前は唯一人オレが認めた
ニジンスキーの再来だ。 その芸術性はフィギュアスケートでこそ輝く…」
ピャタコーフ「稼いでいく為にはサッカーの方が遥かに現実的だ、フィギュアなんかよりもな。」
省37
[788]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:08:55 ID:???
ピャタコーフ「分かったら、もうサンクトペテルブルクでも何処へでも帰ればいい。
オリンピックを目指すのも、婚約者と一緒になって遺産を継ぐのもいいだろう。
ただ…」
スペルマン「ただ… 何だ……?」
ピャタコーフ「現実に戻って、帰るところなど既にないと理解したならもう一度連絡して来い。
カンピオーネに入団できるよう推薦する。」
スペルマン「カンピーネに推薦…?」
省36
[789]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:13:37 ID:???
時計の針は戻す事が出来ない。
空白の時間を思う暇があれば、今出来る最善を尽くすのみ。
それがピャタコーフには分かっていた。
彼にとって空白の時間が文字通り記憶にもない空白だったのが幸いしたのかも知れない。
ピャタコーフはスペルマンも自分と同じだと考えていた。
だがスペルマンにとってはどうやらそうでなかった。
彼にとっての空白の時間は、過去を追い求めてきた時間とイコールだった。
それがスペルマンを不幸へと追いやった。
省38
[790]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:14:54 ID:???
<グレーター・マンチェスター/マンチェスターU クラブハウス>
マンチェスターUユースの現監督であるターカー・ウィリアム・モイージ。
育成に定評があるなどユース監督としては高い評価を得ており、年間最優秀賞を取った事もある人物だ。
そのモイーズはいま、彼の選手達を集めてミーティングを開こうとしていた。
内容はフロレンティア・ヴィオラとのテストマッチについてだった。
モイージ「さて、全員揃ったようだな。」
省39
[791]アナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:20:33 ID:???
シンプソン「彼女以外でしたら選り取り見取りでしょうに。」
ラスト「グギギ…」
モイーズ「このガキども…」 ギランッ
あっという間にミーティングルームは大騒ぎとなった。
しかしイングランドで監督をやる武骨者もやわではない。
この程度のカオスを一瞬で黙らせるのは訳がなかった。
モイーズ「全員、今までの練習を思い出せ!」
モイーズの雷のような怒号によって、選手達の脳裏には練習風景がフラッシュバックした。
………………
…………
省20
[792]本日は以上ですアナカン ◆lphnIgLpHU
:2014/07/14(月) 19:22:45 ID:???
モイーズ「がっはっは、どんなに才能があろうがチャーチルに見出されようが、ハードワークは平等だ!
ここFL(フットボールリーグ=FAプレミアリーグの前身)でオレより厳しい監督は居ないぞ!」
グロッキーになった選手達を眺め、モイーズは満足そうに笑った。
騒がしい空気はこれにて狙い通り霧散した。
モイーズ「さて、今度やるフロレンティア・ヴィオラはイタリアのクラブユースで一番強いぞ。
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0ch BBS 2007-01-24