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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[124]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 11:26:50 ID:j1NDR9eE
〜カルロス・サンターナ、アルツール・アンチネス・コインブラ〜
カルロス「ほう、ツバサとディアスがバルセロナに…中々厄介なコンビが誕生しそうだな」
開催国のワールドユース大会で準優勝と言う結果はブラジル国内では散々に叩かれた物だが、
ブラジルユースの選手達を獲得したいクラブにとってはむしろ相場が下がって有難い出来事だった。
だが選手達当人はそんな外野の思惑など気遣って居られず、取り逃がした栄光を埋め合わせ
省56
[125]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 11:28:16 ID:j1NDR9eE
カルロス「なるほど…勝手な推測だが、ジャイロにとってサイクロンは己の誇りではなく、
己の敗北の象徴だったのかも知れない。きっとお前にサイクロンに頼らず強くなって欲しかったんじゃないか?」
コインブラ「…そうかも知れない。親父は俺に何も要求しなかった。クラブやブラジル代表に入れとも。
今になってようやく分かる気がするんだ。親父がサッカーを嫌いにならなかった理由を…」
一方長らくサッカークラブに所属していなかったコインブラはどうか?
省73
[126]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 11:29:41 ID:j1NDR9eE
カルロス「結局俺達はこうやって走り続けて己の道とゴールを確かめるしかないのさ…たぶんな」
コインブラ「そうだな…お前が上手くやってくれたからここに入れた。有難う」
カルロス「気にするな。昔お前が助けてくれたから、今の俺があるんだ」
こうしてこの二人はレアルに入団し、その凄まじいばかりの実力を遺憾なく見せつけ先輩達も監督も唸らせていた。
この二人ならばこの超名門でもスタメンを確保するのは難しい事ではない。それは誰もがうなずく事だろう。
省33
[127]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 11:31:27 ID:j1NDR9eE
いったんここまで。
次がおそらく最後の本編の更新となります。
[128]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 16:09:07 ID:j1NDR9eE
〜森崎 有三〜
この長い長い物語の最後に、主人公森崎有三の事を語ろう。
彼の得た栄光については最早語るまでもなく、数多のサッカークラブが札束を積み上げたのもまた然り。
そして彼がこれで満足する筈もなく、更に上を目指し更に多くの物を欲したのも周知の通り。
だがそんな彼でもサッカーをしていない事もあるし、サッカーとは関係ない物を求める事もある。
陽子「ごめん、待たせたかしら?」
森崎「何、俺もついたばかりだよ」
省33
[129]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 16:11:47 ID:j1NDR9eE
森崎「…分かった。読んでみる」
陽子「…はい、これ」
片桐兄妹を縛り付けたがっていた彼らの父親からの手紙。
森崎はペナルティキックを待ち構える時の様な緊張感みなぎる表情でその手紙を受け取り。
森崎「拝啓…森崎有三殿…」
陽子「………」
まずは手紙に書かれた自分の名前を読み上げ。
森崎「前略………」
陽子「………」
時候の挨拶の省略を読み上げ。
森崎「……………?」
陽子「………」
省7
[130]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 16:13:44 ID:j1NDR9eE
.
森崎「…達筆過ぎて読めねぇ」
ドシャッ!
陽子の顔面をテーブルに打ち付けさせた。
陽子「はぁ〜…私が読み上げるわ」
森崎「お、おう…」
庶民出身で最終学歴が日本の公立中学校と言う悲しさか、日本のビジネス界のエリート階級の
書く字は森崎には判別不能だった。呆れればいいのか責めるべきではないのか悩んだ表情の
陽子が手紙を取り返し、流石は上流階級育ちの才女と言うべき朗朗さで手紙を苦も無く読み上げる。
省30
[131]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 16:15:03 ID:j1NDR9eE
陽子「そこで結論から言おう………私は…えっ?」
森崎「な、なんだ?」
手紙の内容は二人に少なくない驚きをもたらした。
陽子「私は…君と陽子の関係を邪魔するつもりはない………ハッキリ、そう書いてあるわ…」
森崎「…マジかよ。続けてくれるか?」
陽子「う、うん。何故なら君は最早日本国民のヒーローであり、そしてこれから大いなるブームとなり得る
日本サッカーと言う産業のシンボルだからだ。片桐総合グループが国民的英雄ともめ事を起こしても
省36
[132]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 16:16:51 ID:j1NDR9eE
いずれ敵対してくるのではないかと思われた存在からの唐突な宣告と頼み。
それらを読み上げ終えた時、陽子の目には光る物があった。
陽子「…父さん………」
森崎「父親失格…夫としては失敗したくない、か…」
陽子「…私、馬鹿だったのかな。勝手に父さんを敵だって決めつけて…話し合おうともしないで…」
森崎「それは………分からないな。何かが違っていたら、本当に強引な手段で来ていたかも知れないぜ」
省46
[133]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 16:18:58 ID:j1NDR9eE
二人の話題は勿論サッカー。二人の過去も現在も未来もサッカーが占めている。
やりたい事を思いっきりやれて、それで金と名声と達成感を得られる二人は間違いなく幸せなのだろう。
そこに互いを理解しあえるパートナーが居るのなら、きっとどんな苦難にも負ける事はない。
森崎「陽子の方はどうなんだ?今日本サッカー協会は超忙しいんじゃないか?」
陽子「うーん、協会は確かにそうだけど私はどちらかと言えば下っ端だからそこまででもないのよね。
省53
[134]2 ◆vD5srW.8hU
:2015/06/07(日) 16:21:02 ID:j1NDR9eE
.
. こうして森崎達は日本代表として二度目の世界制覇を成し遂げました。
. 最早彼らを侮る者も日本をサッカー弱小国呼ばわり出来る者も世界の何処にも居ないでしょう。
. 彼らは今や狙う立場ではなく狙われる立場。
. 年齢制限の無い世界で数多の国々の選手達との死闘が待っています。
省34
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0ch BBS 2007-01-24