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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】


[820]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:41:20 ID:???
岬「――だとしても、資金確保は既に成功しているよ。ほら、見てごらん」

岬は中西に一枚の通帳を渡してみせた。中西が訝りながらそれを開くと、たちまち目を見開いた。

中西「な……なんや。いつの間にか大量にカネが入っとるやないかい!? どうしたんや!?」

岬「詳しくは言わないけれど。僕はこの試合に敗北した時を見据えて色々手を回していた……とだけ言っておこうかな。 省37

[821]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:42:46 ID:???
美鈴「(……ぽっと出の出番で負けちゃたけれど、ある程度は活躍する事ができた。
    これまでは上にお嬢様とか咲夜さんとかが居たから、何となく萎縮しちゃってたけれど、
    今日の試合のお蔭で、何となく自信がついたかも)」

他との交流が希薄だった美鈴だったが、彼女は彼女なりに、この試合において何かしらの実感を身に着けていた。
個人技が重視されるサッカーにおいて、スクールにすら所属せずあくまで身一つで技を磨いた彼女は、 省24

[822]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:44:06 ID:???
早苗「(……さようなら、反町君)」

――そして、早苗は一人残された。
彼女は反町への想いを告げる事なく、勝手に嫉妬し勝手に対立した自分自身を恥じていた。
仕方のない事情があったピエールとは違い、早苗は完全なる自分の意思で反町と対立した。
……そんな自分が、許される筈がない。

早苗「(――今日、この学校を出よう。そして何も変わらぬ笑顔で全幻想郷チームに合流すれば良い。
    そうしたら、私はまたいつもの明るくて楽しい風祝の早苗に戻れる……)」
省32

[823]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:45:27 ID:???
長い学校生活を経てすっかりキャラ変してしまったアリスさんに捕まった。
早苗はしどろもどろになって捕まったその腕を振りほどこうとするが、アリスさんの瞳は至極真面目だった。
アリスさんは訳知り顔で頷いて、こう静かに言い切った。

アリス「……あんたは、毎日トイレでお弁当を食べてる私を屋上まで案内して、
    ランチに誘ってくれたわ。その恩は、決して忘れるもんですか」

早苗「そ、そうっすか……」
省25

[824]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:47:01 ID:???
〜エンディング〜
【そして、秋はまた訪れる】



指導教官「えー。これまで皆と共に学んでいた反町君達に東風谷君だが、
       兼ねてからの計画通り、留学を終えて母国に帰る事となった」

クラスメート「えーっ」「知ってはいたが、やっぱり寂しいよな」「俺達の事忘れるなよなー」

――あの激戦から早数日。平穏だが充実して貴重な日々を過ごした反町達は、
いよいよ留学期間を終え、その実力をそれぞれの場所で活かす事となった。

反町「…………」
省33

[825]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:48:07 ID:???
*****


反町「あの……穣子さん」

穣子「一樹君。……ほんとに来てくれたんだね。良かった……」

――反町は試合終了間際に告げられた言葉に従い、夜の校舎で穣子と一緒に居た。
そよ風が木を撫でる音と虫の鳴き声以外に音が無く、
窓の外から覗かせる月と星以外に光が無い世界にたった二人で、他の人は消えてしまったように思えた。

穣子「今日、勝てて良かったね……」

反町「ええ。そりゃあもう。皆のお蔭だとしか言いようが無いです」
省28

[826]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 12:49:58 ID:???
――と、言った所で一旦ここまでです。

[827]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 18:02:36 ID:???

反町「そんな。どう、してそんな事言うんですか。俺達、今まで楽しくやって来たのに……」

だから反町は珍しく感情的になって問いただした。自分は勿論、穣子の事を大切に思っている。
そもそも反町が今ここで修行を続けているのも、穣子と静葉を守りたいという想いがあってこそだ。
だからこそ、反町はそんな自分の想いすら否定しようとする穣子の真意が知りたかった。

穣子「……これまでの学校生活とかさ。今日の試合とかさ、見てて思ったんだよ。 省60

[828]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 18:03:39 ID:???

反町は穣子を否定できなかった。幻想郷で二人と暮らしている時は実感できなかったが、
彼は今まさに、世界から断絶されようとしているのだ。

幻想郷と外界との往来が激しい現状においてはピンと来ない問題ではあるが、
反町はかつて妖怪の山の天狗達から、現状がイレギュラーである事は再三聞かされている。
八雲紫の――あるいは彼女を利用しようとしている『純狐』の――計略や鈴仙の活躍により、
幻想郷の結界が希薄化・崩壊したため、今だけはこうして容易に幻想郷と外界を行き来できる。 省31

[829]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 18:04:59 ID:???

*****

指導教官「……と、言う訳だ。間もなく彼らを送るバスが来るから、
      それまで皆は、彼らとの最後の時間を過ごして欲しいと思う」

クラスメート「「「「はーい」」」」

反町「(……何時の間にか話が終わってる。結局、俺はあれから何も言えなかったな……)」

クラスメートの合唱を聞いて、反町は意識を現在に戻した。
あれから穣子とは殆ど口を聞けておらず、偶に話す事があっても、どこかよそよそしくぎこちない。 省23

[830]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/26(日) 18:49:02 ID:???

ピエール「ソリマチ、サナエ、秋姉妹の二人、そしてアリスさん。
     俺は君たちに色々教えて貰ったような気がするよ。
     だから、ここで改めて礼を言いたい」

アリス「(感謝されるのは嬉しいけれど、どうしてこの期に及んで私だけさん付けでよそよそしいのぉ……?)」

ルスト「俺は結局、最期まで足手纏いだったな。でも、次にある大会ではこうはいかないぞ?」

穣子「うん。楽しみにしてるね」
省57


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