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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[739]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/30(土) 23:28:05 ID:???
妖夢「――そんなのは、強がりだ。……だって。何故、敗北したばかりなのに。何故、そんな事が……そんな風に言えるの……?
    鈴仙の仲間が今日、何度鈴仙の期待や信頼を裏切ったのか。覚えていないの……?
    盤石な筈の場面でミスをして、成果も挙げられないような。そんな仲間を、どうして大切にしようとするの……!?」

鈴仙「その答えは、さっき言った筈よ」

対する鈴仙は、落ち着きを取り戻しながら、続ける。
省55

[740]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/30(土) 23:29:14 ID:???
鈴仙「…………」

鈴仙は決して、妖夢を追い詰める為にこう話している訳ではない。
それは、かつて道を違えた友人を慮りたいという純粋な想い。
妖夢が真剣に、鈴仙を『ハイパーカンピオーネ』へと勧誘したのと同じく、
鈴仙もまた、妖夢を強く想うからこそ、言葉を交わし、――更に、こう続けるのだった。

鈴仙「身近にあんたを慕ってくれる後輩君がいるのに手を払い除けて背を向けて。
    ――強さを追い求める前に、一度じっくり考えてみたら?」
省27

[741]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/30(土) 23:31:25 ID:???
――不意に、妖夢が言葉を開く。彼女が紡ごうとしたのは、同意か、あるいは拒絶か。
鈴仙はその答えがどちらであるか、この時知る事が出来なかった。なぜなら。






    ―― パ ァ ァ ァ ァ ァ ン!






妖夢「…………え?」

鈴仙「――妖夢! ……よーむぅぅうううぅぅうッ……!!!!!」

――鈴仙が気付いた時。
銀色に光る銃弾が、その喉元を抉り取らんと、妖夢の胸元へと肉薄していた。


[742]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/30(土) 23:34:11 ID:???
妖夢死す!? ……と、言ったところで長くなるので一旦ここまでです(汗)
すみませんがここから次の?????編に入るまで、文章パートが暫く続く事になりそうです。
なおネタバレですが、妖夢享年X5歳的な展開にはならないです。(なったら流石に重すぎるからです)

[743]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/31(日) 02:29:37 ID:???
***


〜リオカップ決勝が行われているスタジアムから500m程離れた建設途中のビル〜

  .|  〉,,・^'' - .,,      ~  i ~    __,,.- ^`・、.〈  |
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| (` | / ヽ,,_____`‐-、_、..,,___ノ八ヽ___,,.._-‐_'"´___,, ノ ヽ .|'´) |
| }.| ./'   \二二・二../ ヽ  / ヽ、二・二二/  'ヽ | { | <・・・・・・・・・。


謎の男「サンパウロが勝ったか」
省42

[744]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/31(日) 02:30:45 ID:???
謎の男「(依頼主は――『ハイパーカンピオーネ』は、最初から魂魄妖夢を切り捨てる気だった。
      何故なら、彼女の才能には既に見切りがついていたし、代替となる逸材は既に確保済みだからだ。
      後は、彼女が鈴仙・優曇華院・イナバとの情に絆されて、『プロジェクト・カウンターハクレイ』側に寝返る事だけを
      阻止すれば良い。彼女を二度と、サッカーを出来ない身体にする事で。……成程、合理的な判断だ)」
省40

[745]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/31(日) 02:31:57 ID:???

***

グウウッ……ンッ!

銃弾が迫る。妖夢めがけて、銀色の閃光が――鋭利な殺意を示す、超高速の波長が、『視える』。
男が引き金を引き、妖夢に届くまでの瞬間。鈴仙の視界は、無意識にスローモーションとなった。

鈴仙「(ようむが、あぶない)」

かつて幻想郷中の狂気の波長を取り込んだ鈴仙の瞳は、昔にも増して格段に発達していたため、
彼女だけが、大歓声・大熱狂のスタジアムに紛れたその波を視る事が出来ていた。 省35

[746]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/31(日) 02:34:03 ID:???
しかし、駄目と分かっていても、鈴仙は動いた。
鈴仙は視神経の全てを眼前の弾丸に集中させ、身体の限界を振り絞り、思いっきり妖夢を突き飛ばそうと身体を投げ出した。
普通ならば届く筈もない距離であるにも関わらず、鈴仙は諦めなかった。

鈴仙「(あの弾丸が命中したら、妖夢はたぶんダメになる。半人半霊だし、死ぬことはないだろうけど、
     たぶん、死ぬよりも辛い思いをする事になる……と思う! だから、私が……防がなきゃ。 省35

[747]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/31(日) 02:35:20 ID:???

……パ ァ ァ ァ ァ ア ン!

妖夢「……え?」

――ドンッ!

乾いた銃声が鳴り響いた時、妖夢は、自分が何かに思いっきり押されて、よろめき倒れた事しか認識できなかった。

パシャァッ!

その直後、生暖かい物が自分の顔にかかった感覚を覚える。触れてみるとそれは鮮血だった。
倒れた自分を庇うように、見慣れたブレザーの少女が虚空を見つめて立ち塞がっており。

鈴仙「はぁ……はぁ……!」

妖夢「れい、せん……?」
省17

[748]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/31(日) 02:37:37 ID:???


                        ポタ、ポタ、ポタ……。



             鈴仙「(血が出てる。銃弾が目に当たっちゃった……のかな?

 なんだか良く分かんないや。何にも見えないし、身体の感覚も無いし、まるで幽霊になっちゃったみたい。

          でも、まあ。妖夢も助かったみたいだし……これで良かったのかな?
省24


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0ch BBS 2007-01-24