キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】

1 :キャプテン岬 ◆AE6MkoqxCE :2017/11/12(日) 12:38:42 ID:???
『はじめに』
この物語はフィクションです。
現実世界で実在する人物も登場いたします。また1983年から91年までの史実を踏まえてはいます。
ただ物語の展開上脚色や私的設定付与も多々あり、純然たる歴史的事実からは離れてしまっております。

またキャプテン翼のキャラクターのみならず、非サッカー漫画以外のキャラクターも多く
登場しておりますが、実在人物同様、物語に沿う形での脚色や設定付与が多く、どうかご寛恕を願います。

最後に、この物語の主人公は岬太郎です。
ここの岬君は原作を参考にしたり、本編をチェックしてみたり、自身の願望を当てはめてみたりと、
どれにもピタリとは当てはまらない、大変面妖な様相をとっております。
それでも彼の物語として、読み進め楽しめてもらえれば幸いです。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
1983年8月、岬太郎はパリに来仏する。その2日後の日本人学校訪問後、
サッカー部員を探すべくブローニュの森のシュッセ運動場まで出かけ、
そこでサッカー部キャプテン天ケ瀬冬馬を発見する。
自己紹介代わりの手合わせで岬に完敗した天ケ瀬は、他のメンバーにも
紹介すべく急遽電話で呼び出す。そして呼びだしたメンバーとの1VS10勝負が
はじまった、といったところまで進んでいます。

589 :森崎名無しさん:2018/07/28(土) 21:30:20 ID:???
★岬 ブロック 20( クラブQ ) +( 5 + 5 )=★

590 :森崎名無しさん:2018/07/29(日) 17:06:00 ID:???
1995年ってセガサターンにデイトナUSAが発売された年だぞ
なんだこれはたまげたなあ

591 :森崎名無しさん:2018/07/29(日) 17:21:41 ID:???
どのメーカーも3Dゲームの開発方法を模索してた時期にしてもこりゃ酷い出来だな
同じ年のエースコンバットとかグラが荒くても面白さはよく分かる仕上がりだし

592 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 17:34:35 ID:P+7ikf8E
これより投稿を開始いたします。

>>590
>>591
世界で一番早くポリゴンをゲームに取り入れた会社が、どうしてこうなった……
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17311472



★あずみ クラブドライブ 18( ダイヤ8 ) +( 4 + 6 )=28★
★岬 ブロック 20( クラブQ ) +( 5 + 5 )=30★
−2<X<2→「よし」あずみ「あ、あたしのとっておきが……!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
風を切る音を響かせて頭上へとボールが浮かぶ。これからゴールを目指して落下するのだろう。
そう見立てたボールに不思議な事が起こりはじめた。

岬「(ボールが…震えはじめた!)」

放物線の頂点にいたったボールがかすかに震えた。そう思った次の瞬間には、
誰が見ても分かる程度にグラグラと震えはじめた。

岬「(ボールがぶれて、輪郭があいまいになってきている)」

重力に沿って落ちていくたびに、ボールのブレは大きくなり、昔テレビの科学番組で紹介された
電子雲みたいに、ボールと空の境が分からなくなってきた。

593 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 17:35:42 ID:P+7ikf8E
岬「(このままじゃ僕の間をすり抜けてしまう。それなら)」

咄嗟に判断を固め、ボールめがけて飛び上がる。

岬「(ブレが大きくなる前に、止めてしまえばいい)」

バッ!
カアァァァ……ッ。

胸でボールをトラップする。回転に比べ威力はそれ程かかっておらず、あっという間に
勢いは収まり、僕と共に下へ落ちていった。

岬「よし、と(こんな技があるなんて、驚いた。ここまでやるなんて、ますます、おや)」
あずみ「あ、あたしのとっておきが……あたしの最高の技なのに……!あっさり、とられ……!」

岬「(あらら、ショックを受けてるな。やる気をなくす前にフォローしないと)あずみちゃん」

呼びかけに驚いたのか、ハッとした顔で僕を見つめる。
どう接していいか分からないのかもしれない。ならば強気に押すまで。

岬「休憩しよう。ちょっとリラックスしないと」
あずみ「でも」
岬「僕に勝てるようになる方法、教えてあげる」
あずみ「え」

594 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 17:36:46 ID:P+7ikf8E
どういうこと。そう聞きたげに顔を向けてくるも、問いをかわしてベンチに向かう。
やむなくあずみちゃんもベンチに向かい、追い付いて僕の隣に座ってから、改めて投げかけた言葉の意味を問い質した。

あずみ「岬君に勝てるやり方って、どういうこと」
岬「簡単だよ。僕のサッカーの練習法を取り入れる事」
あずみ「練習法?岬君があんなに強いのは訳があるの」
岬「まあね、日本にいた頃なんだけど、小学校のサッカー部のコーチに、
  ブラジルの元プロサッカー選手がいてね。その人に色々教えてもらったんだ」

あずみ「ブラジルの……プロサッカー選手ぅ?!」

はじめポカンとして、次に素っとん狂な叫び声を上げた。ブラジルのプロなどという存在など、
日本人の何てことないサッカー少年少女には、雲の上どころか金星火星程にも隔絶した存在だ。
そんな相手を知っているどころか、直々にサッカーを教わるなど、到底信じられる話ではない。
そう疑われるのは困るので、日本で指導を受けその結果大会で優勝した事。
その合間合間に戦った相手のバックボーンを語るついでに、日本中を渡り歩いた僕のこれまでについても、語ってみた。

あずみ「岬君って、そんなに凄かったんだ……」

595 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 17:38:42 ID:P+7ikf8E
僕を見る瞳に尊敬の光が見え始めたが、すぐにほおを膨らませてすねはじめた。

あずみ「うえーずるいよー、そんなターボエンジン付けて自転車と勝負するようなもん、追い付けるわけないよー」
岬「だから僕の学んだ練習法を、あずみちゃんもすればいいんだよ。そうすればすぐ追い付けるし、追い越すのも遠い話じゃない」
あずみ「追い越す、あたしが?」
岬「そう、あずみちゃんは天才だからね」
あずみ「て、天才?あたしが!?」

思わぬ言葉だったのだろう、オロオロとしはじめた。ウソだと反発しないところを見ると、
僕の言葉を信用してくれているのだろう。

岬「間違いない。同い年の女の子でここまで出来る人は日本中回っても見た事ないよ。いや男の子だって数える位しかいない。
それにさっきのシュート。あんなに回転をかけたのはただの1度も見た事ない。もちろん僕にそんな事はできやしない。
間違いなく、あずみちゃんは僕以上の才能がある」

596 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 17:41:19 ID:P+7ikf8E
あずみ「う、ウソよ。あたしが天才なんて」

カーっと顔が赤くなっていく。無理もない。
誰がこの一介の少女に全国大会の優勝チームメンバーより才能があるとまで言われただろうか。

岬「本当だよ。賭けてもいいぐらいだ」
あずみ「本当ね。本当に本当ね」
岬「本当だ」

力強く念を押す。その言葉でようやく決心がついたらしい。あずみの目が輝いた。

あずみ「なる、必ずもっと上手くなって、岬君と一緒にサッカーできるようになる。
    そして他のやつらをみーんな見返して、それから、えっと」
岬「(よし、完全にやる気になってくれた。これからあずみちゃんに何を語りかけようかな)」

A 岬「来週また一緒にここで練習しない?(10月以降についても話し合っておきたいし)」
B 岬「これからはみんなとの練習も毎回行こう、ね(他の人と解けこんでくれればいいんだけど)」
C 岬「来週にでもサッカー雑誌買いに行かない?いい所見つけたんだ
   (ル・エストでも紹介してみて、もっと早く上達してもらおう)」
D その他、自由回答(その他、要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。


一旦席を外します。ところでこのごろ思うのですが、少々描写が足りていないでしょうか?
人物の心情については特に毎回困っていて、おざなりすぎないか毎回不安になってます。

597 :森崎名無しさん:2018/07/29(日) 20:26:25 ID:dL8JxZZA
B

598 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 20:57:44 ID:P+7ikf8E
B 岬「これからはみんなとの練習も毎回行こう、ね(他の人と解けこんでくれればいいんだけど)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
僕の夢を叶えるには、その根城となるサッカー部を強化する必要がある。
そのためには訓練も必要だろうがまずはチームだ。
サッカー部をより良くしようという気を持ってもらわない限りは折角の才能も生かせない。
そう思ってあずみちゃんに声をかけてみた。その結果は……


先着で
★岬に対する高揚感VS先輩達への不満→! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。マークで分岐します。

JOKER→ダイヤ+あずみ「そう言えば、あたしのクラスメイトで
           サッカーが上手い女の子がいるわ、サッカー部には入ってないけど」
ダイヤ・ハート→あずみ「岬君みたいな人って、他にもいる?」
        岬「いる。チームにいなくても対戦相手にいるかもしれないし、
          サッカーにのめりこむうちに変わっていく人もいる」
スペード→あずみ「……よーし、先輩達にあたしの才能を見せつけてやるわ!」
     岬「(まだ1人よがり気味だけど、僕がついていれば直るかな)」
クラブ→あずみ「分かんない。しばらく岬君とサッカーしながら、考えたい」
    岬「(僕が「他人とサッカーしたい」って欲求を引き出す必要があるな)」
クラブA→あずみ「……やだ。やっぱり先輩達とはしたくない」
     岬「(うーん、これは先輩達への下準備が必要だな)」

599 :森崎名無しさん:2018/07/29(日) 21:00:32 ID:???
描写は足りていると思う。不自然には見えない

600 :森崎名無しさん:2018/07/29(日) 21:18:04 ID:???
★岬に対する高揚感VS先輩達への不満→ スペードQ

601 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 22:54:00 ID:P+7ikf8E
スペードQ→あずみ「……よーし、先輩達にあたしの才能を見せつけてやるわ!」
     岬「(まだ1人よがり気味だけど、僕がついていれば直るかな)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
すっくとあずみちゃんが立ち上がって拳を天高く挙げる。

あずみ「……よーし、先輩達にあたしの才能を見せつけてやるわ!」

高く響く少女の宣言に、周りのフランス人達が振り向く。アジアの言葉など分からない。
年端のいかぬ女の子の叫びに奇異の視線を向ける。だが彼女は全く気にしていない。
やる事が見つかって情熱燃えたぎる時は他人の目など意識にも上らないものだ。

岬「(いい闘志だ。まだ1人よがり気味だけど、
   僕がフォロー、いやエスコートしていけば、意固地な態度もほぐれるだろう。
   やはり彼女は、僕にとって大事な仲間になりそうだ)」

やる気に燃える少女の姿を横目で眺めて、僕も密かに決心する。この少女の決意を
決しておろそかにしない、一本気で向かっていく志は金や謀略では手に入らない。
そういう心を持った人間を仲間にできるかが、ひいては夢の実現に関わってくるだろう。

岬「うん、いい言葉。僕もやる気が出てきたよ」
あずみ「岬君も?あたしも!見て!」

あずみちゃんは左腕をまくってみせる。肌の隅々まで体毛が勢いよく粟立っている。

あずみ「こんなのはじめてよ!よーし行くわよ練習再開!今日は1時間でも2時間でも走るわ!」
岬「分かった。僕も頑張るよ(さっきとは大違いだ。本当に、上手くいった)」

こうして、僕達はこの後インターバル走を再開した。あずみちゃんの熱気に影響されたのか
僕も何だか体中に熱い液が流れるような興奮が来て、全く疲れる事なく走り続ける事が出来た。

602 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 22:58:16 ID:P+7ikf8E
*岬とあずみの感情が以下のようになりました。
岬→(興味)→あずみ
あずみ→(尊敬するサッカー仲間・対等なゲーム仲間)→岬



>>599
そうだとしたら少しほっとしました。岬と女の子達の仲の進展が
少し急、ご都合主義的なように感じられましたし、もっと自然にできたような気がしていましたので。


もう少し続けます。こんな燃えるサッカー展開になりながらアレですが、
次からは例のナムコゲームセンターに舞台が移ります。
今後の展開に必要ともなりますので、どうかご容赦を願います。

603 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 23:01:19 ID:P+7ikf8E
第16話『ザカート・デロータ・ガルゾ(魔法、希望、そして……)』


1983年9月17日。
今の僕はフランスはパリ、ヴォルテール通りのPLAYCITY CARROTの前に来ている。
あずみちゃんのゲーム会社アタリフランスから道路を1本隔てた向かい側に位置し、今日オープンするというゲームセンターだ。
あずみちゃんにビデオゲーム(ゲームセンターや家庭用ゲームをまとめてそう呼ぶらしい)の
面白さを教えてもらって以来、飛躍的にこうしたゲームへの関心が高まってきている。
日常とは違う別世界。サッカーとも違う異次元の世界に対する刺激を味わってみたくて、今日こうして長時間歩いてやってきたのだ。

岬「(そうしてみたらこれだよ。長いなあ)」

着いてみてまず目にしたのは、店内からはみ出て街路にそって続く行列だった。
今この光景を目にしているかは分からないが、あずみちゃんが見ていたら血の涙を流して
もだえ苦しむ事だろう。それほどまでにこのゲームセンターは繁盛しているようだった。

岬「(暑い中待っているのは大変だ。空いている筐体もあるかもしれない。一体中を見に行こう)」

行列に並ぶのは一旦やめて店内に向かう。そうして人生2番目、自分の意志だけで初めて入った
ゲームセンターの中をのぞくと、すぐにアタリとの違いが見えてきた。

アタリの時は、日本でチラリと見たゲームセンターもそうだったが、
一応に暗く筐体の光がボワッと光り、また数を多くそろえるために筐体が敷き詰められていて、
所々歩きづらい所もあり、まるで秘密基地のような異世界感さえ漂っていた。
ここはそうではない。ちゃんと電灯が部屋の隅々まで光り、筐体の間は十分なスペースが設けられていて、
アタリの何倍も人がいるにもかかわらず、皆悠々と歩き回ってゲームに興じている。

604 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/07/29(日) 23:04:12 ID:P+7ikf8E
岬「(なんていうか、開放的というか、こんなゲーセンがあるんだなあ)」

そんな事に感心しながら歩いていると、ひと際賑わっている筐体を見つけた。
よく見るとその後ろは行列ができている。外まで伸びていたあの行列だ。
筐体の周りにも見物客でごった返していて、ここからではなかなか見えない。
辛うじて見えるのは僕よりは背の高い、しかしそれ程年頃の変わらない現地人の少女が
周りと話しながらゲームをしている姿だった。

岬「(混んでるなあ、うーん、他は……あれ?)」

あまりの混雑ぶりに一旦下がって周りを見渡すと、ゲームセンターであまりに奇異な光景を見かけた。

何故かは知らないがゲームセンター内にある4・5メートル四方の空間。そこで男の子が絵を描いていたのだ。
もう少し具体的に見ていくと、年頃は僕よりも幼く小学生になったかなってないか位。顔つきからして同じ日本人だ。
その男の子がゲームセンターで絵を描いている。
それも左手にパレット、右手に絵筆を握り、イーゼルでキャンパスを固定させて描く、本格的な絵画だ。
どう考えても場違いなその光景にまず目を疑い、次に困惑した。こんな混雑して騒がしい所で、何の絵を描こうというのだろう。

岬「(うーんゲーセンって不思議なところだ。こんなのが見られるなんて。さて、どうしようかな)」


A 岬「(どんなゲームをしてるんだ?)」人込みにもぐりこんで、金髪少女の名プレイを観察する
B 岬「(何で絵なんて描いているんだろう)」ゲーセンの絵描き少年を尋ねてみる
C 岬「(折角来たんだし、僕もゲームしよっと)」 05 分ゲームする(3分につき4フラン使う)
D その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。



……以上で今日の投稿を終わります。

605 :森崎名無しさん:2018/07/29(日) 23:16:36 ID:dL8JxZZA
B

606 :森崎名無しさん:2018/07/30(月) 07:25:59 ID:QM2MBmOI
B

607 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 06:21:33 ID:hSNFBJZ6
第16.1話『遥かなる地上絵』



B 岬「(何で絵なんて描いているんだろう)」ゲーセンの絵描き少年を尋ねてみる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ゲームセンターの絵描きというあまりに不調和な光景、小説でも漫画でも映画でもテレビでも見ないような
展開を目にしてしまっては、とても無視する事などできなかった。
 人込みを抜け林立する筐体を越えて、少年の元へやってきた。そのまま声をかけようと思ったが、
周囲の騒ぎ声や明滅する光の乱舞を一顧もせずただ一心に絵を描き続ける姿を見て、
今すぐ声をかけずに、1歩離れたところで待っていようと気をかえた。
釣りをする太公望を日が暮れるまで待ち続けた周の文王みたいで、どことなくこそばゆい。
そんな滅多に経験できない、しかしマニアックな感情にとらわれていては時間の無駄なので、
少年と夢中で描いている絵を、気付かれないよう観察してみた。
 目の前の男の子は見る感じでは確実に僕より年下、双海姉妹と同じか一つ二つ年上といった具合だろう。
紙の色は黒というより濃青色で、所々髪がはねてはいるものの
この騒がしさのためか、どことなく清浄感をまとっているような感じがする。
そんな男の子がこんなところでどんな絵を描いているか。
 もうほとんど描き上げているらしく周囲は全て仕上っており、後は中央で描いている何物かが終われば、絵が完成するようだ。
場所は南アメリカの森林地帯だろう、そこで戦闘機が天高く空を飛んでいた。
その戦闘機は上下2つのロケットエンジンノズルを中心にH字型の翼がつけられた、
スペースシャトルを戦闘型に改造したような形をしていて、近未来の戦闘機であるようだった。
白地に青で縁取られたカラーリングは機敏であり、どこかしら清浄感さえ感じさせる。
 その戦闘機が目指す先には青く澄んだ空に地平線を覆うアンデスの山々が備わっている。戦闘機と天地の間でかすかに見える
気流による速度感と清らかさが、どこか遠くの世界へと連れ去ってしまいそうになる。
 そして男の子が最後に描いている、山脈の手前から中央にかけて意気揚々と広がっているものは、
砂地に線で描かれた鳥の絵、アンデス文明の象徴ナスカの地上絵だ。
縮こまることなく悠々と大きく翼を広げ、クチバシは山につきささりそうになるほど長く伸びている。
太陽の光を反射させているからだろう、鳥が輝いているように見えた。

608 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 06:22:55 ID:hSNFBJZ6
右翼の羽の先まで絵筆が進む。羽先でそれ以前に描いていた羽の部分に触れた。完全に絵が描き上がったようだ。
一仕事を終えて満足そうにため息をつき、気持ちよさそうに伸びをしはじめた。
伸びは勢いが良く、座っている椅子をきしむほどに傾ける。そうして後ろへと視線が伸び、僕の目線と重なった。

男の子「……あ」

我に返る。急に意識が変わった事で、筋肉の緊張が抜ける。男の子がそう気づいた時には
椅子は後脚を軸に時計回りの回転運動に移りはじめた。

岬「(あぶない)」

とっさに椅子の縁をつかんで、転倒を食い止める。幸いほとんど落ちないうちに止めたので、
男の子は全く怪我をせずに済んだ。その男の子は急な変化に目をパチクリさせていたが、
様子が落ち着いてくると急に申し訳なさげに顔を曇らせ、椅子から降りて僕に頭を下げた。

男の子「あの、助けてくれてありがとうございました」
岬「あ、いや、いいんだよ、たまたま手が届いただけだから」

ペコリと頭を下げてから、僕にお礼の言葉を言う。
僕に気付いてからの一連の仕草を見て、

岬「(あどけない)」

と、感じてしまった。双海姉妹のような背伸びをしてスレたように見せかけるところがない。
ありきたりな表現だけど、自然の感情がそのまま湧き出て生まれたような子だ。

609 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 06:25:04 ID:hSNFBJZ6
岬「(って、いけない。ついボーっとしちゃってた。話をしないと)今、時間大丈夫?良かったら話がしたいんだけど」
男の子「あ、はい、大丈夫です」
岬「ありがとう。えっと……」


A 岬「僕は岬太郎、来月から日本人学校6年生のクラスに入るんだ。君は?
   (まずは自己紹介だ。この子もおそらく日本人学校に通ってるだろうし、仲間意識を持ってもらえれば)」
B 岬「新しいゲームセンターが出来るって聞いて、やってきたんだ
   (ここにいるからにはゲームに関心があるだろうし、ゲーム方面から仲間意識をくすぐってみよう)」
C 岬「なんでナスカの地上絵?(ゲームとは無関係そうな文化遺産の絵を、なぜゲームセンターで?)」
D 岬「親とか兄弟とか、付き添いの人はいないの
   (こんなところを子供1人で来れるはずない。その付き添いの人とも交流が持てれば)」
E 岬「片づけ終わったら僕と勝負しない?少しは出来ると思うよ
   (ゲームセンターにいるんだし、親交はゲームで深めるのが一番だろう)」
F その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

610 :森崎名無しさん:2018/08/04(土) 09:10:33 ID:lctei5eY
A

611 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 10:45:54 ID:hSNFBJZ6
A 岬「僕は岬太郎、来月から日本人学校6年生のクラスに入るんだ。君は?
   (まずは自己紹介だ。この子もおそらく日本人学校に通ってるだろうし、仲間意識を持ってもらえれば)」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
問いかけたい事は色々あったが、まずはこれからの生活に当たって、縁をつないでおく事が先決だ。
そう考えた僕は、まず自分と同じ日本人学校の生徒だと、簡潔に自己紹介を行った。

男の子「岬さん、あ、岬先輩ですね」
岬「岬さんでいいよ。そんな堅苦しい言い方は好きじゃない。僕は君と友達になりたいんだ。
  あと、できれば『君』じゃなくて、名前が知りたいな」
男の子「あ、はい。岬さん。僕はきさらぎゆうって、言います。ゆうって呼んでください。
    きさらぎ君だと、お姉ちゃんみたいで、ちょっと」
岬「きさらぎゆう、って月の如く優しいって書くかな」
優「はい。そうです」

まずは男の子の名前を聞き出せた。ついでに姉の存在も確認できたが、今はそれよりも優の情報だ。

岬「そうか。優君は何年生?」
優「3年生です」
岬「3年生かあ。僕も人の事は言えないけど、誰か付き添いの人はいないの?」
優「いません。お姉ちゃんはゲームに興味が無いし、お母さんはいつも忙しくてなかなか来てくれないです。

岬「(『なかなか来てくれない』?お母さんはゲームに理解があるのかな)」
優「真美ちゃん亜美ちゃんとはよく行くけど。今日は用事があるって」
岬「用事?」

612 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 10:47:23 ID:hSNFBJZ6
外ではアタリのゲームを、家では(未確認だが)コレコビジョンを、学校でさえMSXでゲームを作っている、
あのゲーム大好き童女達がどうしたのだろう。

岬「へえ、あの子達がねえ」
優「岬さんはあの2人を知っているんですか?」
岬「うん、ちょっと前にね。結構ゲーム好きだったと思うんだけど」
優「何でもクラブの部長さんから招集をかけられたっていう事で、カセット作りのお手伝いに
  出かけるって言ってました。ほうびにその部長さんが組んだプログラムのゲームを
  カセットに焼いて、プレゼントしてくれるそうです」

岬「なるほど、それで1人でやって来たんだ」

優がここに1人でいる理由も分かった。ついでに双海姉妹との付き合いも分かった。
そろそろ何でここで絵を描いているのか。どんな思いで描いているのか聞こうと思ったが、
ちょうどその時、外から打撃音と悲鳴が聞こえてきた。



*優君が描いている絵のイメージ(一部相違あり)
http://fanblogs.jp/retrogamerz/file/xevious-fad-01.jpg

613 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 10:49:00 ID:hSNFBJZ6
第16.2話『男の名はスコット』



突如としてガラスが勢いよく叩き割られる音がし、すぐに悲鳴が続いて響いた。
振り返ってみると、1人の男が両手でにぎる何本ものボトルを振り回しながら、ゲームセンターの客を追い払っている。
床には深い赤色の液体が散らばっている。ガラスの破片も散らばっているところをみると、
男の手にしたワインボトルがたたきつけられたのだろう。

男「失せろ失せろ!ゲームなんかするんじゃねえ!」

大声でわめきながら振り回す。ボトルが宙を回るたび、周囲の客の手や顔や腕をかすめそうになる。
当然客達は悲鳴を上げて逃げ出す。

男「お前も!お前も!お前も!お前もだっ!」

外まで行列を作っていたところへも浮浪者が襲いかかる。たちまちクモの子を散らすように一目散に逃げ散る。
追い散らした客には追いかけようとはせず、代わりに叫び始めた。

男「ゲームなんかやめちまえ!いくら熱中しても、工夫しても、夢中になっても!」

思い切りボトルを床にたたきつけて、ゲームセンターが崩れんばかりの大声で、叫んだ。

男「結局俺みたいに、俺みたいに全てを失うだけなんだっ!!」

614 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 10:53:22 ID:hSNFBJZ6
岬「(あれは危険だ。相当興奮してるぞ。早い所ここから……おや)」

僕は目を丸くした。僕が見た時にプレイした少女が逃げるどころか姿勢を崩しさえせずゲームに夢中になっている。
すぐ近くではガラスの破片をやたらめったら踏みづぶし、地団駄踏んでいる暴れ者がいるにも関わらずにだ。
その暴れ者がが少女の方へ向かいだした。このままではあの少女に危害が加わるかもしれない。
かといって助けに行けばまず間違いなく痛い目にあうだろうし、後ろにいる優の事も気がかりだ。

岬「(うーん、ゲームセンターに来ただけでこんな事になるなんて。どうすればいい)」

必死に頭脳をフル稼働させ、なんとか打開策を考える。そうしてとっさに出した僕の結論は……


A 岬「(引きはがしてもあの女の子を外へ連れ出そう、優には別周りで外へ出てもらえばいい)」
B 岬「(浮浪者の前に言って説得しよう。知恵を使ってこの場を切り抜けるんだ)」
C 岬「(僕には関係ない事だ。それよりは知り合った優を守らないと)」
D その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

615 :森崎名無しさん:2018/08/04(土) 11:31:48 ID:???
Aだと間違いなく被害にあう
Bだと興奮した相手を説得できる自信が無い
Cだと優の口から人を見捨てた事を噂されそう、なかなか難しいね

616 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 11:55:14 ID:hSNFBJZ6
>>615
A→引きはがす前にプラグイン判定があります。それ次第で怪我するとは限りませんし、
 上手く行けばノーリスクで問題が解決する可能性もあります。

B→これまでの描写や83年時点でのゲーム事情を考慮すれば、説得の道が見えると思います。
 またAでもそうですが怪我をした際、優や少女の好感度上昇幅がより大きくなるなど、
 全くのマイナスで終わるという事もありません。

C→それについてはプラグイン判定次第となります。優君は心優しい子供なので、
  多分、おそらく、大丈夫でしょう。

617 :森崎名無しさん:2018/08/04(土) 12:28:54 ID:5H0ocyRk

ケガをしても名誉の負傷ってことにもできるし、瓶で殴られても死んだり後遺症が残る可能性もそんな高くない・・・
あ、でも相手がブルガリア人なら相撲レスラー多いから死ぬ可能性あったわ
ヨーグルトがあれば・・・

618 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 13:05:15 ID:hSNFBJZ6
済みません、急用が入りましたので、少々中座いたします。
もしかしたらこれで今日は終了するかもしれませんが、その際は
どうかご了承願います。

619 :森崎名無しさん:2018/08/04(土) 15:38:57 ID:???
パリの市場にブルガリア特製ヨーグルト売ってないかな

620 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 18:06:33 ID:hSNFBJZ6
>>617
ブルガリア人を一体何だと考えているのかと(以下略)。
この男はブルガリア人ではありません。ついでに言えばフランス人でもないのですが、
これ以上はネタバレになるため告げられません。

>>619
岬君のこれからのパリ探索次第、とだけ答えておきます。案外意外なところで売られているかも?



A 岬「(引きはがしてもあの女の子を外へ連れ出そう、優には別周りで外へ出てもらえばいい)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(助けよう)」

自分でも驚くほど迷わず、見知らぬ少女の救出を決めた。まさか死にはしないだろう、
ここで良いところを見せて、後輩と同年代の女の子、ギャラリーに良いところを見せたい。
きっとそんな打算があったからか、不思議と恐怖は感じなかった。

突然の事態にどうしていいか分からずオロオロしている優に、手早く告げる。

岬「優君。今すぐキャンパスを持って逃げるんだ。早くしないとこっちに来る。僕が向かってる間に外へ出るんだ」
優「でも、岬さんが危な」
岬「いいから!僕は大丈夫、さ、できるだけ遠ざかるように逃げるんだ!」

621 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 18:08:21 ID:hSNFBJZ6
口をろくに挟ませず言うだけ言って優を追い立てる。後ろの憂いも無くなって、僕は少女に向けて
走り出した。

岬「(走れ!少しでも速くしないと間に合わない!)」

暴漢に向かっていく。この打算交じりの勇気に対する結果は……

先着で
★走れ岬 ! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。マークで分岐します。

JOKER→ハート+少女「ああ……」岬「(潤んだ目でこっちを見て……まさか)」
ダイヤ→男「ぐわっ!」岬「(4フラン硬貨!まさか、あの子が!?)」少女「フフフ……」
ハート→岬「失礼!(見た目を気にしてる場合じゃない)」少女「キャッ!」 
      岬、少女を抱きとって救出成功!絵柄スートで好感度UP
スペード→男「何でこうなっちまったんだよう……」 男は泣き出して暴れるのを止めてしまった
クラブ8〜K→岬「危ない!(無理矢理でも引き離さないと)」少女「キャッ!」 
      岬、少女の腕を引きずり出して救出、9・13だと少女を怪我させてしまう
クラブA〜7→岬「うわっ!(間に合わなかった!)」岬、ボトルをまともに受けてしまう。
                        以下にその内訳を記す。

5〜7:幸い、かすり傷程度で済む、練習等に支障なし。優の好感度UP
3・4:肩の皮膚を切ってしまう。今週(9月第3週)の練習ができなくなる。優・少女の好感度UP
2:脚にに何針も縫う怪我を負ってしまい、 6 週間練習ができなくなる。優・少女の好感度大幅UP
A:岬「……ここは?」優「岬さん!」少女「ミサキ!」 目が覚めると、そこは病院だった。
    2 カ月練習ができなくなる。優の好感度大幅UP、そして少女は……

622 :森崎名無しさん:2018/08/04(土) 18:12:41 ID:???
★走れ岬  クラブQ

623 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 19:33:01 ID:hSNFBJZ6
★走れ岬  クラブQ ★→岬「危ない!(無理矢理でも引き離さないと)」少女「キャッ!」
岬、少女の腕を引きずり出して救出
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
僕は走り出した。だが逃げる客に野次馬が道をふさぎ、さらには床に転がる缶や紙ゴミに足を取られそうになり、
筐体にたどり着いた時には既に暴漢の攻撃範囲が少女にまで届こうとしていた。
少女の方は周りの具合を気づく事さえなく、夢中でボタンを押し、レバーを左右に動かしている。

岬「(相手を待ってちゃ間に合わない。なら)危ない!」

相手の反応を待たず、少女の右腕をつかみ取り、倒すように引き出して保護する。
すぐ目の前でボトルが叩き割られたが、幸い僕も少女もかすり傷1つ追わずにすんだ。

岬「(あとは)」

ギッと目を据えて暴漢をにらみつける。態勢が崩れ、まして少女を胸で受け止めたこの状態では、逃げ出す事もままならない。
せめて気迫で勝り相手に立ち向かおうと、あらんばかりの気迫を叩きつけた。

そうしてにらみ合っているうちに、相手の険しい目つきに次第に迷いが生じはじめ、
ついにはボトルを床に置いて腰を下ろし僕に話しかけた。

624 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 19:34:28 ID:hSNFBJZ6
男「俺の顔を見ろ、そして覚えておけ」

言われてみたので、先程まで暴れに暴れていた男の顔をじっと見る。
あごひげを蓄えひたいは稜々と広がっている。衣服はくたびれ所々に継ぎはぎ、どうみても浮浪者の身なりだ。
ただ、顔つきは若々しく、30を越しているようには見えない。
それだけならまだしも、これ程のあり様なら漂ってくるであろう悪臭も、なぜかほとんど発しない。
街を家にするようになってまだ日が浅いのだろうか。

警官「こらっ、大人しくしろ!」

そんな事を思っているうちに、バタバタと外から警官が現れる。
チッと舌打ちして男は立ち上がり、再びボトルを手にする。立ち去る前に一言、
身なりに似合わぬはっきりした声で、僕に告げて立ち去った。

男「こんな奴になるな、このスコットのように」

そう言って再びボトルを振り回し、外へ逃げていった。
結構警官がいたはずだが、結局スコットという男は捕まらず、パリの奥深くへと逃げ散ってしまった。

岬「(何があったんだろう。何か昔ゲームがらみで悔やむ事があったみたいだけど)」

最後の諭すような言葉に疑問が浮かんでいたが、その後警官に状況の説明を求められ、
結局 1 時間もわたって気を過ごすことになってしまった。

625 :森崎名無しさん:2018/08/04(土) 19:41:11 ID:???
目からビームを防ぐためにサングラスをしてそうだな

626 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/04(土) 19:48:35 ID:hSNFBJZ6
何とか無事に少女を救い出したところで、今日はこれまでにします。



以下、次回予告。

ゲームセンターから抜け出した岬と優、そして

少女「残念デシタ、もう少しで 500 0000点いったのに」

謎の男スコットから救い出した1人の少女は、大通りを共に歩く。

少女「おお、見えた!我が心眼に映りしは、まさしくバキュラ!」

叫ぶ少女、そしてパリに現れたバキュラ!

優「うわあ!」

罪なき子に迫る危機!

男「人間を肉塊に変える快感、久しぶりに味わえそうだ……」

得体のしれぬ未知の恐怖!


次回第16.4話『危機、そして底知れぬ予感』
どうぞご期待くださいませ。

627 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/07(火) 23:21:08 ID:N2LHVWyE
親族に不幸がありました事につき、来週の月曜日まで、投稿を休止いたします。
何卒ご理解をお願いいたします。

628 :森崎名無しさん:2018/08/07(火) 23:46:24 ID:???
お悔やみ申し上げます

629 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/14(火) 18:11:07 ID:1X0jrjxs
これより久方ぶりに、投稿を再開いたします。

>>615
先日はご丁重なお悔やみをいただきましてありがとうございました。
人への感謝の念薄く生きてきたスレ主ですが、幼い頃によく可愛がってくれました相手なだけに
思う所があります。今回あるいは次回の投稿あたりから人の生き死に関わる展開が続きますが、
できるだけ適当に済まさず、納得のいくようによく考えていこうと思います。

630 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/14(火) 18:12:42 ID:1X0jrjxs
岬「ふうっ」

ようやく警察から解放された。あれこれと予想外の事があったからには
ゲームをする気もならず、ゲームセンターを抜けヴォルテール通りへと歩いている。

1人で帰ったわけではない。先程出会ったばかりの後輩の優、そして。

少女「クミ…ユー、ガストノッチ?」
優「あ、リッジ・ブラジメルゾ、ガァ・ガストノッチ・エルバ」
岬「(なんだこれ)」

優と暴漢から助け出した少女がいる。
青い瞳に腰まで届くポニーテール、キャミソールによって現れている艶やかな肩、
スラリとした白のローライズは赤いヒールで終わっている。
もうあと数年もすればさぞ周りから言い寄られるようになるだろう。

その少女は僕の事をお構いなしに、聞いたことの無い言葉で優とやり取りをしている。
フランス語とも英語ともロシア語とも日本語ともアラビア語とも違う、見当のつかない言語。
さては東南アジアかアフリカか果てはインディアンの言葉でも使っているか。
そんな風にも思ったがゲームセンターで使う理由が無いし、
そもそもそのあたりの言葉は聞いた事もない。さらに言えば、
まだ10歳にも満たない優がスラスラと会話できる言語とは、一体何なのだろうか。

631 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/14(火) 18:14:43 ID:1X0jrjxs
少女「ジェルダ、グルゼ、フォルサ?」
優「ウ、トサ、アリ・ゲル」

らちが明かないので、少女の方へPardonと断りを入れた後、
優君の肩をポンポンと軽く叩き、日本語で状況の打開を要請した。

岬「いったい何を話しているの。僕の方はさっぱり分からなくて」
優「あ、すみません、ちょっと待ってください。今終わらせます」

そう返事した後で、優がなにやらつぶやく。その言葉を耳にした少女は
パチリとはっきりと分かる瞬きをした後、僕の方に顔を向ける。

少女「これは失礼いたしマシタ。久しぶりにユーに会えましたもので、少々浮かれてしまいマシテ。
   先程はどうもありがとうございマシタ」

ようやくまともな返事が返ってきた。この謎の少女がようやく発した一言から幾つもの情報を得られた。

岬「(日本語が上手いな)」

語尾の抑揚が若干怪しい位で、ほとんど淀みも言い間違いもなく、流暢に日本語を使っている。

岬「(見た目より年齢が上なのか?)」

そうだとしても話しかけてきた言葉が日本語とは珍しい。この歳のフランス人がフランス語でも英語でもなく、
日本語というのがキモだ。先程までのやり取り具合からして、少なくともこの少女と優の間に
友好的な関係が築かれているのは間違いない。

632 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/14(火) 18:16:01 ID:1X0jrjxs
岬「(まあ、何にしろ折角話しかけてきたんだ。何か話してみようかな。
   いや、優と話してみようかな。この子は日本人学校の後輩になるんだし、
   これからの生活上この子との関係構築の方が優先されるべきかも)」

悟られぬよう表情を変えずに思考をまとめ、僕は相手に語りかけた。

自信があるんだ」 得意分野を加えた自己紹介をしてみる
C 岬「結構熱中してたけど、そんなに面白い?」 先程までのめりこんでいたゲームについて尋ねてみる
D 岬「さっき何語を話していたの?聞いた事もない言葉だね」 優と
A 岬「僕は岬太郎。優君と同じ日本人学校の6年生だよ」 優を介して自己紹介をしてみる
B 岬「僕は岬太郎。ちょっとサッカーには話していた言葉について聞き出す
E 岬「優君はこの人と友達なの?」 比較的親しい優から少女の情報を聞き出す。
F 岬「さっきの絵、もう一度見せてくれる?素敵な絵を描くんだね」 ゲームそっちのけでのめりこんでいた絵について尋ねてみる
G 岬「気分直しにあっちへ行く?あそこも面白いと思うけど」 真向かいにあるアタリゲーセンへと2人を誘ってみる。
H 岬「さっき何を話していたの?日本語でもフランス語でもないからさっぱり」 優が話していた言葉について聞き出す
I その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

633 :森崎名無しさん:2018/08/14(火) 18:21:46 ID:ZpBt/At6
C

634 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/14(火) 18:43:06 ID:1X0jrjxs
済みません、用事と執筆のため、1・2時間ほど後で投稿いたします。

635 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/15(水) 20:40:53 ID:1+dl/I+c
昨日は投稿できずに済みませんでした。少々ゲームの説明描写に難航していまして、
今日も投稿が出来そうにありません。歴史的傑作の魅力を伝えるのに100分の1も伝わったような気がしません。
投稿できるときはせめて10分の1は伝えられるようにしたいです。

636 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:12:17 ID:1d+YvWAA
こんばんは、これより投稿をはじめます。

>>625
何か元ネタがありそうですが、よく分からないのでちゃんとした答えが出せませんでした。
回答が遅くなってすみません。

>>628
お悔やみの言葉をいただきましたにも関わらず、返信先を間違っておりまして、
誠に申し訳ありませんでした。お陰様で何とかこちらも落ち着きまして、
すっかり日常に戻る事が出来ました。

637 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:15:16 ID:1d+YvWAA
第16.3話『危機、そして殺意の予感』



C 岬「結構熱中してたけど、そんなに面白い?」 先程までのめりこんでいたゲームについて尋ねてみる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少女「面白いか、デスッテ」

ふわりと右手人差し指を僕に突き付けてきた。目を大きく開き、わずかに眉間にしわを寄せている。
「こんな当たり前の事をなぜ聞くの?」という彼女の声が、ありありと顔に浮かんでいた。

少女「面白いとかどうとか、そんな次元にはありませんネ。
   これは革命デス。ゲームは新たな次元に達したのです。この『ゼビウス』によって」

スッと今度は優のキャンパスを指さす。絵の題材の話の流れからして、
優の絵は「ゼビウス」というゲームの1シーンを描いているのだろう。

少女「このゲームの偉大な点はプレイすればするたびに出てきます。それらの革新的変化に共通する、ゲーム革命の骨格とは」

再び指を僕に向け、「よく聞きなさい」とばかりに人差し指をクリクリ左右に振る。

少女「ゲームを定義づける『ストーリー』が血肉になっている事デス。
   インベーダーやギャラクシアンといったオールドゲームは『宇宙からの侵略者を片付けろ』程度の筋書きしかなカッタ。
   する事も向かってくる敵をただ撃ち落とすダケ。でも『ゼビウス』はチガウ。
   『ゼビウス』の敵は自機と一直線上になると線からそれるように逃げマスシ、
   戦闘機は攻撃した後に後ろへ逃ゲル!やられるだけの存在じゃなく、
   まるで彼らもどうすべきか考えて動いているように行動するのが、一番の変化ですネ」

岬「(ああ、この子もとってもゲームが好きなんだなあ)」

638 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:18:23 ID:1d+YvWAA
アタリのお姫様の姿を思い浮かべながら、目の前の少女を観察する。
目がキラキラとし始めてきている姿は、ほんの数週間前のあずみちゃんや僕の姿とそっくりだった。

少女「ストーリーに深みを持たせるための舞台設定も最高ですネ。ゼビウス星で使われている『ゼビ語』。
   スタートレックのクリンゴン語みたいに、話しているだけでゲームの世界に入ったような気がするワ!
   ゼビ語は私達ゲームフリークの共通言語よ、ね、ユウ」

優「はい、シャルポワさん達と一緒に話しているうちに、
  僕もペラペラになりました。もしかしたらフランス語より上手いかも」
岬「シャルポワ?もしかして、この人の名前?」

シャルポワ「あら?言わなかったカシラ?私のスコアネームですヨ。
      ま、私の事はともかく、ゼビウスの意義についてですガ、ゲーム以外にも巨大な意義がありますネ、
      それこそ、近代史から現代史への道標トシテ。
      そう、大航海時代はじまって500年、余り私達フランスをはじめとしたヨーロッパとアメリカが
      世界をものにしようとしている間、
      文化は全てフランスやヨーロッパ、アメリカから外へ広がっていくものデシタ。
      絵画、音楽といったハイカルチャーから、ハンバーガーにコーラといった食べ物、
      サッカーのような普通の人が楽しむスポーツに至るまで。
      しかしながらこのゼビウスは日本、フランスはもちろん、
      ヨーロッパやアメリカに先駆けて、生まれたものデス。
      そのゲームを日本はもちろん、アメリカ人も熱狂的にのめり込んでいると聞きマシタ。
      フランスでもきっと流行るデショウ。
      どういう意味か分かりますカ?、黄色人種の生み出した文化を、
      白人が血眼になって夢中になっている事デス。
      ジャポニズムとは違って、特に日本とは意識しないものを、文化人でもない
      普通の人達が大勢むらがってイク。大々的に受け入れられてイル。
      これからは日本がゲームをリードしていくデショウ。私はあなた達日本人が羨ましいデス」

岬「(なるほど、そういう見方もあるか)」

639 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:20:17 ID:1d+YvWAA
ゲームは文化、か。遊びの1つでしかなかったあの電子遊具にそんな意義があるか。新しい視点を
指摘され心中密かに感心している間、シャルポワの顔はうっとりとしたものに変わり始めた。

シャルポワ「聞くところによると、既に日本の新聞はゼビ語で書かれているトカ」

岬「(ん?)」

シャルポワ「日本政府は2000年までにソルバルウを開発するととも聞きマシタ。
      休日には日本人男性の8割が自宅の庭にソルを埋めているトモ。まさに日本はゲーム大国デスネ」

岬「(ええ……)」

いきなり突拍子もない事をペラペラと語りはじめる。先程までの真面目な話が一気に異次元に突き抜けた様を見て困惑する。
幸い僕の様子には関心を向けていないようなので、隣にいる優に小声で尋ねてみる。

岬「(何あれ。急にあの人何と言うか、いきなり頭のネジがすっ飛んだような)」
優「えっ!?あ、あのー、何て言ったらいいんでしょう、シャルポワさん、良い人ですから」

人の話を信じやすい。そう言いたいのだろう。
人の悪口を言ってしまってないか気をもんでいる童子の心情がありありと見えてしまった。

640 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:21:59 ID:1d+YvWAA
何とかフォローを入れようと思ったのだろう、
優がやや上がり口調で彼女をほめる。

優「あ、でも、シャルポワさんホントに凄いんですよ!今日絵を描き終わる途中で
  休憩と一緒に見に行ったら、ゼビウスで500万点叩き出したんです!」

500万点。それは凄い。あずみちゃんでも3時間かけて400万点だった。僕なら何十時間かかるだろう。
そう思ったところで疑問に打ち当たった。このゲームセンターが開いたのは今日のはずだ。
パリに出来ていなかったものが他のフランスの地域に出来ているとは思えない。
いくら上手いとはいえ、たった1日、いや数時間でここまでできるだろうか。

シャルポワ「あら、そのコト?あらら、バレましたカ」

その事について尋ねてみたところ、クスクスと笑みを浮かべる。
小馬鹿にしたというよりはイタズラがバレた時の子供のような顔だ。

シャルポワ「ま、事前に予習していましたカラネ、これ位は楽勝デスヨ」

そう言って得意げにポケットからカートリッジ2本を取り出した。
そのうちの1本は形状からして、あずみちゃんの家で見たアタリ2600のもの(※)に見える。

岬「これは、もしかして」

そう言ってアタリの看板に向けて指をさす。

シャルポワ「ご名答。そこのお姫様からいただきマシタ。こちらの方はゲーム機が家に無かったので、
ジャンクショップを渡り歩いて調達しましたよ。何で売られてないんでショウ?」


(※):アタリ2600版「ゼビウス」カセット
http://atariage.com/forums/topic/261434-atari-2600-xevious-proto/

641 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:24:55 ID:1d+YvWAA
そう言って今度は「5200」と印字されているカートリッジ(※)を上げ、ヒラヒラと左右に動かせる。
2回そう動かした後にポケットへ戻し、今度は2600の方のカートリッジを前に向ける。

シャルポワ「こっちがお姫様とプレイした後で拝領した、下賜品になりマス。いやはや、何とも凄まじい代物でしたネ。
出てくるのはトーロイド、ドモグラム、ザカート、バキュラの4体ダケ。
それはまあ作りかけの段階ですから仕方ないが、みんなコインや木の葉が舞っているようにしか見えないのは何とも。
ゲームをしてるというよりロールシャッハテストを受けているみたいでシタネ。
心眼というんデシタッケ?心の目で目に見えないものを見る力。これを駆使しないと」

そう言うなり2600のカートリッジもポケットにしまい、
その後目を閉じ右手を『考える人』みたいに軽く目じりに当て、語りだした。

シャルポワ「おお、見えた!我が心眼に映りしは、まさしくバキュラ!」

ぐるりと180度ターンして、ビシリと左手を前に突き出し人差し指で前を指す。
そうして突き出した指の先に、1人の少女が立っていた。


(※):アタリ5200版「ゼビウス」カセット
http://www.gamesdatabase.org/game/atari-5200/xevious

642 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:27:41 ID:1d+YvWAA
申し遅れていましたが、この16.3話は都合により物語の視点が1人称になったり
3人称になったりと、視点変更が何回か行われます。
ただスレ主の筆力が足りないだけですので、その事については気にしないでください。

643 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:29:52 ID:1d+YvWAA
少女「遅いわ」

テーブルをコツコツとこづきながら、1人そうつぶやく。
今日は母さんも父さんも帰りが遅い。だから今日は2人で食べる夕ご飯が作り置きしてある。
さらに午前午後とコーラス部で思い切り発声練習をしてきたため、お腹がすいて仕方がない。
できるならすぐにでも食べてしまいたいが、優が返ってこない以上1人では食べられない。

仕方ない。行き先は分かっている。迎えに行って早く連れて帰るしかない。
そう決めた私はコップ一杯の水を飲みほし、空腹をごまかしている間に連れてこようと決心した。

ドアを開ける。涼しい風が水色のポロシャツにそよいでくれて心地よい。
気分よく階段を下りていく途中、街路を歩く同じ年位の女の子達が歩いている姿が見えた。
顔つきは年相応に幼いにも関わらず、体つきは日本の中学生か、それ以上ありそうに見える程発育している。


くっ


胸の奥でチクリと痛みが響く。この頃そんな風に感じる事が増えた。
この頃は学校でも体の具合が話題になる事が増えてきている。今日出かけたコーラス部でもそうだ。
誰々はいくら大きくなった、あの子がクラス1大きいんじゃないかとか、そんな話が出ては
ワイワイキャアキャアと音楽室が賑わしくなっていた。
そのたびに自分のを見て触っては、じわりと焦りが浮かんでくる。
周りのみんなは何かしら成長しているが、自分のものはいつまでたっても変わっていない。

644 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:32:15 ID:1d+YvWAA
少女「(牛乳も飲み始めたしマッサージもしてるし、まだまだこれから。それより)」

早い所優を見つけないと。昔のように危ない目に合わないとも限らない。
そう気持ちを切り替えて、階段を降りパリの大通りへと歩き出した。

街路を歩いていくたびに、華麗で自然な着こなしをした年頃の女性や、映画のように街並みに溶けこんだようなハイセンスの美人と行きかう。
通り過ぎるたびに、彼女達が身にまとうパリの美観への憧れが高まっていくのが感じられる。

少女「(いいなあ。あんな素敵な服を着て歌ったら、優はもっと喜んでくれるかな)」

胸に浮かんだ憧れは、私の初めてのファンでもある優へと向かっていった。
小さい頃から優は私の歌が好きだった。コーラス部の人達も私の歌が上手いとほめてはいるが、
私の歌を聴いて手を叩き次をせがむ優の姿は、他の誰よりほめられるより嬉しい。
優の笑顔に心を馳せてニッコリとしていると、その当の優の姿を見つけた。
優は1人ではなく、私と同じぐらいの日本人らしき男の子と…スタイルのいいフランス人少女と一緒に歩いてきている。
早く挨拶を済ませて連れて帰ろう。そう思って小走りになって向かっていく途中、外人が私に暴言を吐いてきたのだ。


外人少女「おお、見えた!我が心眼に映りしは、まさしくバキュラ!」

645 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:33:58 ID:1d+YvWAA
シャルポワが指さした先には、僕と同じぐらいの全身スレンダーな少女がいた。
優と同じぐらい深い青みをおびた髪が肩よりも長く伸び、
上は水色のポロシャツ、下は灰色のスラックスとスニーカーを身に着けている。
そんな暗色系統の身づくろいの少女が、急に赤みを帯びはじめた。
それも桃や橙といった淡いものでは無く、赤旗のような正真正銘の赤色になってきている。

岬「(これは怒る寸前の顔だ。マズ……)」


少女「だっ、誰がバキュラよーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」


怒髪天を衝く。そんな言葉がふさわしい形相になって大いにヴォルテール通りを響かせる。
叫んだ後は口を閉ざしズンズンとこちらへと詰め寄り、むんずとシャルポワの胸倉をつかんだ。

少女「いきなり何のご挨拶?人の体を鉄板呼ばわりなんて、ねえ?」

口調こそ静かになっているが、シャルポワをつかみ上げる眼差しは傍目でも分かるほど、敵意に満ちている。
突然の因縁にシャルポワはあたふたしながら、ポケットからカートリッジを取り出す。

シャルポワ「な、何の事デスカ?バキュラとはゼビウスの第3ステージから出る敵キャラで」
少女「ぐるぐる回転する破壊不可能な銀色の板、でしょう。見ず知らずの人の胸を板呼ばわりなんて……」

そう言うなり目の前の少女は手に力を込め、グイとシャルポワを両手で持ち上げ上下にシェイクし始めた。
こんなほっそりとした体のどこにそんな力があるかと思える程、激しく体全体を揺らしている。

シャルポワ「ヒイッ!待ッテ!止めてクダサイッ!」
少女「ちょっと成長が早かったからって、思いあがらないようにね?
   私だっていつかきっと、あなたみたいに立派に成長するんだから、ね?」

もはや殺意になったのではないかと思える程の気迫を敵にぶつけている。
どうしようかと手をこまねいていると、横から優が袖を引いて制止した。

646 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:36:37 ID:1d+YvWAA
優「岬さん、今のお姉ちゃんに近づいちゃ危ないです」
岬「姉さん?あの人優の姉さんなの」
優「はい。いつもは優しいお姉ちゃんですけど、どうしてか時々あんなになって、
  ああなると怖いですから、危ないです」

ギュッと掴んで離そうとしない。確かにあの鬼気迫る表情を見ると、下手に触ると
こっちまで火の粉が飛んできそうだ。そう思って優と共に目の前のいざこざを眺めているうちに、
少女の手が勢い余ってシャルポワの手首をはたき、カートリッジが勢いよく宙を舞う。

あっ、と声を上げたのは優だ。そしてほとんど同時に、大事に抱えていたキャンパスなどの画材を僕に押し付ける。

優「すみません!」

言うなりバッと道路へ走り、最後はわき目もふらずに飛び込み2本とも無事にキャッチした。
だがそこは道路のど真ん中、それもパリ中心部の大通りである。車が来ない訳が無い。


グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!
ギイイイイイッ!


案の定、大型トラックが優に向かってきている。相手も気付いたのだろう、
急いでブレーキを踏んでいるが、スピードが速すぎて到底間に合いそうにない。
1トンや2トンでは済まない大型車だ。轢かれたらひとたまりもないだろう。

647 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:38:21 ID:1d+YvWAA
少女「優!」
シャルポワ「ユー!」
岬「優君!(どうする!?)」

緊急事態だ。トラックの勢いそのままに思考回路を叩きつけて思案する。

岬「(案その1。今すぐ僕が飛び込んで優君を助ける。
   僕の運動神経と優君との距離、トラックのスピードから見て助けられる可能性が高いだろう。
   だけどその代わり僕が轢かれる可能性が否定できない。轢かれたら大怪我は免れないだろう。
   案その2。ここにあるキャンパスとイーゼルを蹴り飛ばして
   トラックのタイヤの間に挟ませ、トラックを強制的に挟ませる。
   僕の身は確実に無事に済むけど、そうしたところでちゃんと止められるか怪しいし、止められたところで
   大事なものを勝手に壊されたら、優君も素直には喜べないだろう。
   案その3。何もできない。現実は非常である。これは僕がどうこうできる事ではないんだ。
   ……女の子が助け出さないよう、取り押さえておくか)」

ほんの数瞬を何時間にも引き延ばしたように思考、逡巡、苦悩を何層にも折り重ね折り重ね、
人生の岐路になるであろう選択を、手遅れにならないうちに下した。

648 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:40:17 ID:1d+YvWAA
案1:直接優君を助けに行く
案2:画材をトラックのブレーキにして止める事で優君を助ける
案3:何もしない。いや、何もできなかったんだ
案4:その他、自由回答(要3票)


メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
人の生死に関わる判定であるため、今回に限り先に2票入った選択肢で進行します。
そして18日分の投稿は、これで終わりにいたします。

皆様、どうか熟慮の上投票をお願いいたします。

649 :森崎名無しさん:2018/08/19(日) 00:45:49 ID:/R4zQnFw
案1

650 :森崎名無しさん:2018/08/19(日) 00:52:13 ID:AOGDCg02
案1

651 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 10:48:07 ID:1d+YvWAA
2レスだけ投稿します。続きは夜に出せると思います。



案1:直接優君を助けに行く
――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「これ、持ってて!」

シャルポワと見知らぬ少女へ投げるように画材を押し付ける。
飛び出そうとしていた少女にはキャンパスとイーゼルを放り込む。一緒に飛び込んで巻き添えにならないように。
これで何の憂いも無くなった。思い切り跳躍する。僕が優に近づく以上の勢いでトラックが優に迫ってきている。

岬「(間に合え!)」

奇跡的にもこのトラック以外には車は通っていない。これさえかわせば助かるはずだ。
優に飛びつくようにして体を引き上げる。
トラックは手を伸ばせばひき潰される位まで迫っている。止まろうとして発せられるブレーキ音が
地獄の轟音のように僕達へ襲いかかってくる。

岬「(飛べ!飛べ!飛べえええええっ!!)」

全身全霊、これからの人生の跳躍力全てを投げ込む勢いで、優を抱え跳躍した。そして……

652 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 10:50:01 ID:1d+YvWAA
先着で
★岬たちよ 生きていてくれ! ! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。マークで分岐します。


JOKER→シャルポワ「トオッ!」後ろから来たシャルポワに助けられる!
         いつの間にか白いマントにコスチューム、鳥の帽子をかぶっているぞ?
ダイヤ絵柄→グゴオオオオオッ! 突然シンクホールが発生!トラックは穴にはまり込み、岬と優は無事で済んだ
ダイヤ〜スペード→岬の鍛え抜かれた脚力で脱出成功!優はキズ1つついていない

クラブ絵柄→岬「(間に合わない!なら……)」岬、優を放り投げる!優は向かいの街路に投げ出され
                      無事だが、岬はトラックと接触し、怪我をしてしまう
クラブ4〜10→岬「(間に合わない!なら……)」岬、優を放り投げる!優は向かいの街路に投げ出され
                      無事だが、岬はトラックに轢かれ、大怪我を負ってしまった
クラブ2・3→岬「(間に合わない!)」岬、優共に轢かれてしまう。優は軽傷だが岬は大怪我を負ってしまった
クラブA→岬「(間に合わない!)」岬、優共に轢かれてしまう。優は大怪我、そして……


BGM:Maximum Speed
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13279555

653 :森崎名無しさん:2018/08/19(日) 11:09:26 ID:???
★岬たちよ 生きていてくれ!  ダイヤA

654 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 21:14:50 ID:1d+YvWAA
★岬たちよ 生きていてくれ!  ダイヤA ★→岬の鍛え抜かれた脚力で脱出成功!優はキズ1つついていない
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
行け!

ただその一念そのものになって優を抱え、再び飛び出す。
道路から右足が離れる。体がピンと伸びて道路と平行になり、コンクリートとキスをする寸前
左足が着き力の限り蹴りだす。

トラックは既に止まっていた。僕と優は中央分離線を越え五体のどこにも衝撃を感じなかった。

岬「(助かった!)」

駆けた勢いでそのまま反対側の歩道へ渡り、アパルトメンの壁に手をつく。
抱き取った男の子が怪我無い事を確認した途端、体中から冷や汗が爆発する。
同時にまるで憑き物が落ちたかのように脱力し、壁に背をつけズルズルと下へ滑り落ちた。

岬「(助かった……あっ、優だ)はあっ、はあっ、だ、大丈夫、ケガはない?」

荒い息を吐きながら安否を尋ねる。トラックが来た時には既に離れていたはずだが、優君は
ポカンと目を開けたまま返事をしない。

岬「(もしかしたらショックで意識を失った?)ゆうく」
優「あ!み、岬さん、カセットは大丈夫ですか!?」

急に大声で優が叫びだした。カセット。命をかけてまで守ろうとしたゼビウスのカートリッジの事だろう。
優が握りしめる両手を引き寄せ2つのカートリッジの具合を見る。本体も端子もカケラ1つ欠けていない。

岬「大丈夫。どっちも無事だよ」
優「そうですか、よかった」

ふうと大きく安堵のため息をついた後、僕の事に意識が向いたのか、
助けてくれてありがとうございますと、申し訳なさげにペコリとうなずきながらお礼をした。

655 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 21:15:58 ID:1d+YvWAA
岬「(命の危機に会って泣くでも震えるでもなくゲームの心配か。相当だなあ。ま、これでだいじょう……)」


ゾクン!


岬「(な、なんだ?この嫌な予感は?)」

胸をなでおろそうとした途端、その胸の奥から急速に悪寒が走った。
終わっていない。まだ始まってすらいない。
そんな得体のしれない、かつパリの空全体からプレスするように押し寄せてくる危機感が
突き刺すように僕へ襲い、そして消えた。

岬「(どうしたんだ。あわやという危機のショックがまた襲ってきた?)」

再び荒くため息を2度3度吐き、頭を振って動揺を振り払った。

岬「(大丈夫大丈夫。もう危険は去ったんだ。それよりも優君を姉の元へ連れてかないと)
気にしないで。もうすぐ僕の後輩君になるんだから、さ」

グッと優君を抱きかかえたまま、横断歩道へ向かう。頭と膝裏を両腕で抱えているので、
さながらお姫様抱っこの形となっている。

優「だ、ダメですよ岬さん、ちゃんと歩けますから」
岬「目に見えなくてもどこか痛めてるかもしれないし、無理は禁物。さ、行くよ」

親以外の人間に抱かれるのが恥ずかしいのだろう。そのまま歩くと、
視線をそらしてしまった。

656 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 21:17:23 ID:1d+YvWAA
少女「優!」
シャルポワ「ユウ!」

交差点を渡り切ると、優の姉とシャルポワが勢いよく駆け寄ってきた。
どちらも優の無事な姿を見て、喜色を満面に浮かべている。

岬「(全く、柄でもない事をするもんじゃないな、僕の顔までウズウスしちゃう。さて、どうしようかな)」


A 優の姉に預けよう。姉弟水入らずが良いだろう。
B シャルポワに預けよう。命がけで守り通した優の手からカートリッジを返しておかないとね。
C 岬「もう大丈夫。助かったんだよ」 優しく優の頭を撫でる。
D その他、自由回答(要3票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

657 :森崎名無しさん:2018/08/19(日) 21:22:14 ID:/R4zQnFw
A

658 :森崎名無しさん:2018/08/19(日) 21:54:56 ID:???
ひょっとして選択ミスったかも…
カートリッジをシャルポワに返し損ねる可能性があるかもしれない

659 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 22:31:06 ID:1d+YvWAA
本日の投稿はこれまでにいたします。

658さんの意見についてですが、このスレでも投票した人に限りもう一度ID欄を空白にする事で、
投票の訂正が行えます。
選択をどう選ぶかはこれまでの描写から推測してください。また、今回の選択では
誰とどんな会話をするかという選択でもあります。
つまり優の姉を選んだらシャルポワと、シャルポワを選べば優の姉と選択つき会話をする事になります。

660 :森崎名無しさん:2018/08/19(日) 22:33:06 ID:/R4zQnFw
Bに変更します。すいませんでした

661 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/22(水) 19:24:57 ID:q0pGXksc
これより投稿を開始します。ただ、数スレ投稿した後で、数時間ほど間を置きます。
660さん、どうか気にしないでください。



B シャルポワに預けよう。命がけで守り通した優の手からカートリッジを返しておかないとね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(シャルポワに優を預けよう。幼いとはいえど、乙女の宝を命がけで守り切った
   騎士を凱旋させてやらないと、優の勇気が報われない)
はい、シャルポワさんにカセット、返してあげて」

優をシャルポワの前に下ろす。ぺこりと僕に一礼した後、優はシャルポワへと顔を向け、
カートリッジを握りしめた手を伸ばした。

優「はい。シャルポワさん、カセットはぶじ」
シャルポワ「ユウウウウウウウー!」
優「うわっ!うぶ、うぶっ」

お礼の言葉を満足に口に出す前に、シャルポワが優を抱き上げ力一杯胸へと抱きつけた。
胸に埋もれた優は言葉も出ない。

シャルポワ「オウ、モン プティ シェリ、モン シュヴァリエ!」

言葉は分からないが、瞳には敬意が灯り、顔は聖画でも仰ぎ見るような敬虔な表情で優を見つめている。
自分の宝物のためにここまでしてくれた小さな勇者に、人種も歳の差も関係ない敬意を払わずにはいられないのだろう。
優の顔を自分の顔の高さまで上げた後、どうしても感謝を伝達させたかったか、今度は日本語で話し始めた。

シャルポワ「ありがとう、私の小さな騎士様。ささやかだけれども、私から祝福を」

662 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/22(水) 19:27:08 ID:q0pGXksc
そう言うなりシャルポワは優の顔に近づき、頬に唇を重ねた。何秒もの間、頬に唇があるかのように、口を接し続ける。

シャルポワ「ありがとう、でももうあんな事はしないでクダサイ。大きくなった後の続きができませんカラ」
優「つ、続き?続きって」
シャルポワ「さあ、ナンデショウ?それは優がもっと大きくなってからの、おたのしみデスヨ」

長い祝福が終わり、ポカンとした顔の優にささやいている。

岬「(うわあ、フランスってやっぱり愛情表現がストレートだなあ。良いものが見れた。
   これで少しは、こっちも命を張った甲斐があるかな。あとは)」

少女「……」
岬「(この子だ。弟を取られちゃって、どうしていいか分からずにいるみたいだ。さて、何て話しかけよう?)」


A 岬「僕は岬太郎と言います。君は?(相手の名前も知らないからな、早いところ教えてもらおう)」
B 岬「(ここは黙ってほほ笑んで、相手の出方を見よう)」
C 岬「気にしないでください、当然の事をしたまでです
   (型どおりに。正道に。変な小細工はせずにいく。今回はこれでいい)」
D 岬「優君を誇りに思ってください、あの子は義務を果たしました(優君のフォローを入れておかないと)」
E 岬「そろそろ、優君を引き戻しましょうか(これ以上1人ぼっちだと姉の立場がなくなるな)」
F 岬「お礼はお茶一杯、お家でいただければ(もう少しこの姉弟と交流できないかな)」
G 岬「生きていてよかった。生きてないとこんな姿も見れませんよ
   (「無事だった」という事をもう一度意識してもらえば、素直になるだろう)」
H その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

663 :森崎名無しさん:2018/08/22(水) 19:30:36 ID:sODL0vZ2
C

664 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/22(水) 22:39:24 ID:q0pGXksc
今日は続きが書けそうにないので、これまでにします。

665 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 10:34:36 ID:YHZeuACI
これより投稿を開始します。あまりきちんと描写できている気がしませんが、なにとぞご容赦願います。
また展開の都合上、一部箇所で台本形式になっている箇所もありますが、その点につきましてもご容赦をお願いいたします。

666 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 10:39:28 ID:YHZeuACI
C 岬「気にしないでください、当然の事をしたまでです
(型どおりに。正道に。変な小細工はせずにいく。今回はこれでいい)」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
優の姉はまるで無能な歌舞伎役者のように、じっと優を見つめたまま、表情を変えずに立ち尽くしていた。

岬「(うーん、このままじゃ話がしにくいなあ。何とかして関心をこっちに向けないと)」

状況をこちら側に良いものとすべく、密かに考えをめぐらせる。

岬「(そうだ。優を置いた後で少し引き下がったものだから、少し優・シャルポワとの間に距離が出来ている。なら)」

近づいてやり取りをよく見ようとする態で、2人と少女の間に入るようにし、少女の視界内に入る。
そうすれば否応なく弟の命の恩人たる僕の事に意識が向いて、何らかのアクションを起こしてくれるだろう。
そう思い定めてよっと体を少女の視線上に動かす。
チラリと眼球だけを動かしてみると、思惑通りハッとした表情になって、こちらに話をかけてきた。

少女「あの、弟を助けてもらいまして、ありがとうございました!」

グンと勢いよく頭を90度は傾けて、僕にお礼の言葉を告げてくれた。

667 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 10:42:31 ID:YHZeuACI
岬「気にしないでください、当然の事をしたまでです(型どおりに。正道に。小細工は無し。そうしておけば)」
少女「いえ、優の命を助けてくれた人に、そんな事はできません」

岬「大丈夫。それより優君を病院に連れてあげて。もしかしたら見えないところを痛めているかも
 (必然的に、こうなる。ここまでしておいて何もしない訳にもいかないところで「タメ」を作っておく)」

少女「いえ、そんな」
岬「(うんうん、するべき義務を相手が受けてくれないから、どうしていいか分からなくなってきた。
   これ以上僕が断っても角が立ち始めるから)」

シャルポワ「名残惜しいけれど、姉上の元へお帰りナサイ。私以上に心配しているでしょうカラ」
優「お姉ちゃん、危ないことしてごめんなさい!」
少女「優!」
岬「(優に任せた。あとは落ち着いた頃について行けば、如月姉弟の家も分かるし、
   自分の都合のいいタイミングで行けるようになる、と)」


ヴォルテール通りを過ぎ、如月姉弟の住むアパルトメンの前にたどり着く。

岬「それじゃあ今日はこの辺で。優君、今度来る時は絵を見せてくれるかな」
優「はい、僕の絵でよければ、いくつかありますから」
岬「楽しみにしてるよ、ありがとう。えっと」

ここで優に別れと次の再会の口実を作った後、姉の方へ顔を向ける。

668 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 10:45:08 ID:YHZeuACI
岬「千早さん、それではここで失礼します」
千早「今日は本当に済みませんでした。つまらない事で怒ったり、優の命を危ない所で救ってくれて」

如月千早。優の姉であり僕と同い年のクラスメートとなる。帰る道々言葉を交わし、
コーラス部に所属している事や、日本にいた頃も優が轢かれそうになった事など、
様々な情報を入手する事ができた。

シャルポワ「ビスー、ユウ!どうかご自愛アレ!」

チュッと投げキッスを優に横目にして、如月姉弟と分かれようとした。
その去り際に、ピンと針で刺したような痛みが、頭の奥を走った。

嫌な予感がする。なにかあの姉弟に危ない事でもあるんじゃないか。
そんな事がチラリと頭をかすめたが、この時の僕は特にそれ以上気にすることなく。
その場を離れていった。


**日常生活時間にて「如月家」が訪問可能になりました!
*登場人物間の感情が判明いたしました。

優→(命の恩人)→岬
千早→(優の恩人・借り)→岬
シャルポワ→(???)→優


669 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 10:46:30 ID:YHZeuACI
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

???「イイねえ、可愛いねえ、ゾクゾクするぜえ」
?????「なんだ、また持病が出たのか」
???「へっへっへ、お察しの通りで、ミスター・クリスマス」
クリスマス「発症はしばらく押さえておけ、我々がフランスに進出して以来一番の大仕事の準備を、しなくてはならんからな」
???「どうしてもダメですかい?俺はあの、いつか見つけた、年頃の小娘を楽しんだ後に隅々まで切り刻んだ、
あの感覚が忘れられねえんですよ。感情のある人間を叫ばせ、絶望させてから肉塊に変える快感」
クリスマス「おい」
???「そして!ズダボロの肉になった妹を警察に連れられて見せられた、兄貴の苦痛と憤怒の表情を!
    あれはただ絶頂だ!小娘の中に突っ込んだ時よりも!」
クリスマス「その辺にしておけ、貴様は今街中だろう、万が一聞かれると面倒になる。
いいな、あの『高性能爆撃機』を撃ち落とせればフランスのサッカー界は握ったも同然、サボるなよ」
???「ヘイヘイ分かりましたよミスター・クリスマス。病気の『治療』はその後という事で」

(ガチャリと男は受話器を置く)

???「カワいいガキンチョだなあ。あれをこの俺が……ヒヒヒ、興奮してきた」

(頬をかこうと左手を伸ばすも空を切る)

???「おっといけねえ、忘れていた、俺の左手は『右手』だった……」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

670 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 10:48:58 ID:YHZeuACI
第16.4話『フランス1のゴールキーパー』



しばらくしてシャルポワが走って僕の元へやってきた。

シャルポワ「つれないですネエ、乙女1人置き去りにして変えるナンテ」
岬「いや、優と楽しそうに話してたから、邪魔するといけないと思って」

シャルポワ「だとしても置いていくなんてヒドイデス!ミサキも私を助け出してくれた
      騎士様なんですから、お礼の1つ位しなければ」
岬「(助け…ああ、そういやそうだな。すっかり忘れてた。……ん)お礼って」
シャルポワ「その事について、1つ確認したい事が」

こっちの方に顔を向ける。確認と言ったが表情は確信しきっているといった風の、自信に満ちた顔をしている。

シャルポワ「あなた、サッカー選手デスネ」

岬「どうして、そう思ったの(見抜いたのか、何らかのルートから聞いたのか、どっちだろ)」
シャルポワ「私を助けた時の動きですよ、体の動かし方がサッカー選手のものでしたからネ。
      見慣れているからすぐ分かりマシタ。機敏な動きを見るに、相当上手いデショウ」

岬「凄い、その通りだよ。よく分かったね(見慣れている、という事は)」
シャルポワ「フフフ、ミサキは実にラッキーです!これから特別に魅せてあげましょう、
      フランス1のゴールキーパー、マリア・シャルロット・ポワロの実力を!」

671 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 10:50:55 ID:YHZeuACI
そうして僕はシャルポワ、本名マリア・シャルロット・ポワロに連れられて、とある
サッカーゴールのある公園へとやって来たのだ。

そのシャルポワは芝生の先を撫でたり摘まんだりした後、軽く足で周りを踏んだり、ポケットから何らかの電子機器を動かしている。

岬「何をしているの?」
シャルポワ「フィールド測定ですよ、芝生の長さと硬さ、土の粘り具合、風向きと風速、
      それらを完璧に把握しておく事で、セービングの成功確率が上がりますカラ」

メモを取りながら答えるシャルポワを見て、彼女について考える。
女子とはいえサッカー大国のフランスでナンバーワンを自称する程だ、
相当腕に自信があるのだろう。そう思っているとシャルポワが声をかけてきた。

シャルポワ「思ったのですが、ただ1回勝負するだけというのもツマラなくないデスカ?ちょっと賭けマセン?」
岬「賭け?」
シャルポワ「そうデス!2回勝負して1回もミサキが決められなかったら、何か私にプレゼント、
      っていうのはどうデス?来月の1日に私誕生日ですのデ。
      逆に2回目の対決でゴールを奪えたら、私を好きにしていい、っていうのはどうデショウ?」

岬「(好きにしていい、か。相当の自信があるんだな。賭けを別にしても興味があるな。
財布の持ち合わせも十分だし、賭けに乗るかな、どうするかな)」


A 乗る
B 乗らない
C その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

672 :森崎名無しさん:2018/08/26(日) 12:59:46 ID:pvDuDVfE
A

673 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 13:55:42 ID:YHZeuACI
A 乗る
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「よし、その勝負、受けて立つ(そこまで言った以上、期待してるよ)」
シャルポワ「その言葉を待ってマシタ!早速いきマショウ!」
岬「シャルポワさん、ボールについてだけど……」


A 岬「距離はこの位?(普通のシュートにしよう。ただのシュートで決められれば、それだけ尊敬してくれるはず)」
B 岬「高い浮き球上げてくれる?(オーバーヘッドキックにしよう。見栄えのする技を決めて度肝を抜いてみよう)」
C 岬「低い浮き球上げてくれる?(ダイビングボレーで行く。相当できそうだ、全力でいかないと)」

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

*岬の技(補正が低いほどシュート成功時のシャルポワの好感度が高まります。)
シュート(シュート値+0)
オーバーヘッドキック(高シュート値+2)
ダイビングボレー(低シュート値+3)

674 :森崎名無しさん:2018/08/26(日) 14:24:31 ID:pvDuDVfE
C

675 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 14:39:40 ID:YHZeuACI
C 岬「低い浮き球上げてくれる?(ダイビングボレーで行く。相当できそうだ、全力でいかないと)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シャルポワ「分かりマシタ。フフフ、ワクワクしてきましたヨ、デハ!」

僕が動きを止めたのを確認してから、シャルポワがボールを投げてきた。

岬「(いい高さだ。これならいけるぞ)行くよ、シャルポワ!」
シャルポワ「来なさい、ミサキ!」

バシュッ!

★岬 ダイビングボレー 25(! card) +(! dice +! dice)=
シャルポワ キャッチ 25(! card) +(! dice +! dice)=★

と書き込んで下さい。!とcardの間を埋めると数値化し、カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
2≦X→シャルポワの手をすり抜け、ゴールに突き刺さる!
−2<X<2→シャルポワ「(速い!)」 シャルポワ、かろうじてボールを弾き出す
X≦−2→シャルポワ「遅いデスネ!」 ボールをキャッチされてしまった!

676 :森崎名無しさん:2018/08/26(日) 14:43:04 ID:???
★岬 ダイビングボレー 25( ハート6 ) +( 1 + 2 )=
シャルポワ キャッチ 25( スペード2 ) +( 2 + 2 )=★

677 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 15:50:05 ID:YHZeuACI
★岬 ダイビングボレー 25( ハート6 ) +( 1 + 2 )=28
シャルポワ キャッチ 25( スペード2 ) +( 2 + 2 )=29★
∸1→シャルポワ「(速い!)」 シャルポワ、かろうじてボールを弾き出す
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シュウウウウッ!

ボールに飛び掛かるようにして蹴りこむ。矢のような速さでゴールへと飛んでいく。

シャルポワ「(速い!今まで見た事ない速さデス!デスガ!)」

バッ!

シャルポワ「ハッ!(コースが甘いデスヨ!)」

バチイッ!

シャルポワ「(弾くのがやっとでしたカ、アレでコレとは……)」
岬「(弾かれた、女の子がここまでやるとは)」

左腕を伸ばしてボールを弾き出す。弾くというよりは辛うじて届いた指が
触れてコースが外れた、といった感じだったが、形はどうあれ僕が打てる中で
最も破壊力の強いシュートが阻まれてしまった。

岬「凄いなあ、結構サッカーには自信があったのに」
シャルポワ「当然デス!伊達でトリコロールを肩に付けてた訳じゃないんですヨ、それと」

体の芝生を払ってシャルポワが立ち上がる。向かい直った顔はムスッとしていて、
物足りないと不満を告げていた。どう答えるかと考えるうちに、相手が口で不満を告げてくる。

678 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 15:52:45 ID:YHZeuACI
シャルポワ「ミサキ、あなた手加減してましたネ、気がつかないと思ってマシタ?
      マナーとして勝ちを譲ったとしたら侮辱ですヨ!
      久しぶりに全力で闘える相手に出会えたのですカラ、遠慮や気配りは無用デス!」
岬「(言ってくれるね、それじゃ)体が温まってなかっただけだよ、次こそ決めてみせるさ」

シャルポワ「いい返事デス!それでこそ私のはじめて、見せる価値がありますネ!」
岬「(はじめて!?あ、いやいや、変な意味じゃない、きっと新技だ、油断はできないぞ)それっ!」


★岬 ダイビングボレー 25(! card) +(! dice +! dice)=
シャルポワ バックハンドキャッチ 29(! card) +(! dice +! dice)=★

と書き込んで下さい。!とcardの間を埋めると数値化し、カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
4≦X→岬「(シャルポワがこっちに来て……跪いたぞ!?)」
2≦X<4→シャルポワの手をすり抜け、ゴールに突き刺さる!
−2<X<2→シャルポワ「(さっきよりも速い!)」 シャルポワ、かろうじてボールを弾き出す
−4<X≦−2→シャルポワ「遅いデスネ!」 ボールをキャッチされてしまった!
X≦−4→シャルポワ「この私に勝つなんて百年早いデス!」 ボールをキャッチされ、格下とみなされてしまった

679 :森崎名無しさん:2018/08/26(日) 15:54:03 ID:???
★岬 ダイビングボレー 25( スペード4 ) +( 3 + 4 )=
シャルポワ バックハンドキャッチ 29( JOKER ) +( 4 + 6 )=★

680 :森崎名無しさん:2018/08/26(日) 15:57:38 ID:???
敵の覚醒もありでしたっけ?

681 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 18:42:47 ID:YHZeuACI
>>600
【覚醒設定】
いいえ、今まで記していませんでしたが、敵はJOKERを引いても覚醒しません。

それでは遅くなりましたが、投稿を再開いたします。

682 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 18:44:01 ID:YHZeuACI
★岬 ダイビングボレー 25( スペード4 ) +( 3 + 4 )=32
シャルポワ バックハンドキャッチ 29( JOKER ) +( 4 + 6 →12)=41★
X≦−4→シャルポワ「この私に勝つなんて百年早いデス」 ボールをキャッチされ、格下とみなされてしまった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シュルルルルッ!

シャルポワ「(シュートの位置、発射角、最大弾道高……よし、計算完了シマシタ
       速さも強さも先程よりも速いですが、軌道が分かれば取るのは造作もない事。
       フランス1のゴールキーパーの秘儀、とくと御覧なさい)」

バッ!ギュルウッ!

岬「(左足を後ろに…回った!?)」
シャルポワ「(左脚を軸に回転し、トルクをセービングに活用する!私の計算能力と、
       シュート破壊力に対抗するセービングがあれば!)」

ギュルウウッ!
バシッ!

シャルポワ「この私に、取れないシュートはありませんッ!」
岬「くっ!(手加減も蹴りぞこないもないシュートがワンハンドキャッチ、か。ここまでとは)」

わずかの乱れもなく流れるようにボールは左手へ収まった。

岬「(ここまで差があるなんてね。若林君より強いんじゃないか?)まいったな、本気出したのに」
シャルポワ「フフフ、この私に勝とうなんて百年早いデスネ!ご心配なく、
      暇な時間があったらこのシャルポワが教えてあげますカラ」

683 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 18:47:52 ID:YHZeuACI
岬「(うーん完全に格下に見られちゃったな。ここまで強かったとは、誤算だった)」
シャルポワ「でもミサキも中々イケてましたよ。やはりあなたも、日本代表デシタ?」

岬「いや、別にそういうのは無かったよ。小学校の大会で優勝したチームにはいたけど」
シャルポワ「むむむ、残念デス。ミサキがフランスに生まれていれば、
      今頃私と互角の勝負ができてたでしょうに……さて、行きましょう」

岬「え、どこに」
シャルポワ「とぼける気デスカ?始める前に私と賭けたデショウ?
      2回とも止めたら私の誕生日プレゼント買うって。さ、行きマショウ!」

忘れたふりをしてやり過ごそうとするもそうもいかず、約束の履行として
シャルポワの誕生日プレゼントを買いに出かけた。そうして出かけた先は……


先着で
★シャルポワの無心先! ! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。マークで分岐します。

JOKER→宝石店に着いた。シャルポワ「小さな騎士様と生涯を共に……」岬「あっ(察し)」
ダイヤ→シャルポワ「なーんて、冗談デスヨ!本気を出させるための方便デス!」
ハート→スポーツ屋に着いた。シャルポワ「良いものばかりデスヨ、値は張りますケド」
スペード→アタリフランスに着いた。シャルポワ「アタリ次世代機前売り券1枚!」あずみ「あいよ!」
クラブ→洋服屋に着いた。シャルポワ「この お姫様ドレス 、ステキ!
                  でも サンバカーニバル も良いデスシ、 スリングショット も……」

684 :森崎名無しさん:2018/08/26(日) 18:48:27 ID:???
★シャルポワの無心先!  クラブ2

685 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 19:42:29 ID:YHZeuACI
★シャルポワの無心先!  クラブ2 ★
クラブ→洋服屋に着いた。シャルポワ「このお姫様ドレス 、ステキ!でもサンバカーニバルも良いデスシ、 スリングショット も……」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
旅は人生を豊かにし、現地人との交流は視野を広くする。
洋服店に着いてからシャルポワを眺めるに、そんな言葉が頭に浮かんでくる。
ゼビウスの時もそうだったが、どうもこの少女、感性が常人とは少々ズレているようである。
フランス人と言えば日本にいた頃はファッションセンスの塊だと思っていたし、周りの人間も信じて疑わなかった。

シャルポワ「このお姫様ドレス 、ステキ!こんなキラキラ輝くドレスでダンスをしたら、きっとユウも……」

ウエディングドレスを簡素化したような具合の、鮮やかだが化織のテカりが痛々しいドレスを熱いまなざしで見つめたかと思うと、

シャルポワ「でも、サンバカーニバルもイイデスネ、これで踊れば嫌な事もすぐ忘れそうデス!」

派手派手しい飾り羽根に目に焼き付きそうなきわどい衣装を手に取って喜んでいる。
こんな格好でパリを歩けば3歩で野次馬に取り囲まれそうだが、そんな事は頭に無さそうだ。

686 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 19:43:58 ID:YHZeuACI
シャルポワ「まあ、こんな水着があるなんて!……これを着て絵のモデルになろうカシラ」
岬「(優の事想定してるんだろうな……目の毒だよ、千早は憤死するんじゃない?)」

ルンルンと服を眺め、選び取っている。特に目についた3着を手に取った後、僕に困り事を押し付けてきた。

シャルポワ「ミサキ、この中でどうしても1着にしぼれないのデスガ、どれがいいでショウ?」

どうでもいいよ。とは言えない。僕が金を出す以上、適当には選べない。
それにどうもこれらの衣装、優に向けてのアピールにも使うらしい。
下手をすると衣服選びのせいで僕にまで悪影響が出かねない。さて、何を薦めるべきか。


A お姫様ドレス。500フラン。他の2つに比べれば常識的だし、内々のパーティー用に使えばいいかな
B サンバカーニバル。800フランと値は張るけど、すぐ噂になって見つけられるようになるだろ
C スリングショット。100フランと一番安いし、水場で披露する際には問題ないはず
D その他、自由回答(要2票)

所持金:954フラン。

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

687 :森崎名無しさん:2018/08/26(日) 19:59:43 ID:pvDuDVfE
A

688 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 20:37:15 ID:YHZeuACI
A お姫様ドレス。500フラン。他の2つに比べれば常識的だし、内々のパーティー用に使えばいいかな
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(他の2つは遅かれ早かれ恥をかくから問題外、お姫様ドレスにするとしよう)
   これがいいんじゃないかな、買ってくるよ」
シャルポワ「まあ、ありがとうございます!これで再来週は…ウフフフフ……」

あれこれ愛のキャンバスを脳内に広げているのを置いといて、ドレスを持って行き会計を済ませる。
痛すぎる出費となったが、実力者とのコネを作るための先行投資だと自分を納得させ、500フランを支払った。

岬「はい、どうぞ」
シャルポワ「ありがとう、ミサキ!こんなにいい服買ってくれるナンテ!

岬「あ、いえ、どういたしまして」
シャルポワ「それでは私はここで失礼シマス、急いで招待状を作らなケレバ。
待っててねユウ、あなたのシャルポワがお待ちしていますわ」

最後は想像にどっぷりとつかりながら、僕の元から去ってしまった。
色んな事があり過ぎてポカンと気が抜けたような感じで家路に着き、家のドアを開けた時には
疲れがどっと押し寄せ、それから1時間、玄関で動けずに転がるはめになってしまった。


*岬の所持金
954→454フラン

689 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/26(日) 20:44:29 ID:YHZeuACI
【1983年9月第3週】
岬「はあ、1回もゲームしなかったのに、お金使っちゃったなあ……
  ま、いい、気持ちを切り替えないと。さ、どうしよう」

A サッカーの練習に出かける、あと2回選択可
B パリのどこかに出かける(さらに分岐、B1・B2含めあと2回選択可)
B1 所持品を使う・持ち歩く(さらに分岐、B含めあと2回選択可)

所持金:454フラン

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。



固定イベントが終了したところで、今日はこれまでに致します。

何だかシャルポワが(割とその場のノリで)優LOVEになりましたが、
彼らの仲が進展すると、副作用として岬にも若干のプラスとなるので
積極的に応援してみるのも悪くないでしょう。

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