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異邦人モリサキ
[411]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:39:54 ID:???
***
「なあ、ヤングのおっさん」
「教官と呼ばんか! モリサキ、貴様は今日明日の基礎訓練を倍にしろ!」
汗まみれの森崎がヤング・マジョラムをつかまえて尋ねたのは、とある昼下がりのことである。
耳どころか下腹にずしんと響く大声を受けながら、森崎は平然と肩をすくめてみせる。
「はン、いつものことじゃねえか」
「……俺も段々と、貴様に懲罰を与えているのか特訓をしてやっているのか分からなくなってきた。
で、何だ。気になることでもあったか」
省38
[412]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:41:40 ID:???
「……彼らは自由騎士だ。訓練は義務ではない」
「自由騎士……?」
耳慣れない言葉に森崎が首を傾げる。
つい最近どこかで聞いた気もするが、思い出せない。
少なくともこれまで渡り歩いてきた各国には存在しない階級だった。
そんな森崎に、ヤングが説明を加える。
「自身で騎士の称号を得たわけではなく、また軍属としての階級も持たない世襲の騎士のことを、
我らがドルファンでは畏敬を込めてそう呼んでいる」
省35
[413]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:42:55 ID:???
華々しく並ぶ言葉の数々を聞いた森崎が、ボソリと漏らす。
「さしずめ老中の子……ってとこか。道理で偉そうなわけだ」
「ロージュー? 何だそれは」
「いや、こっちの話だ。続けてくれねえか」
呟きを耳にしたヤングが怪訝そうな顔をする。
森崎が小さく首を振って、先を促した。
「……まあ現当主といっても、聖騎士として名を馳せた奴の父親は既に他界しているから、
いま家を切り盛りしているのはその妻、つまりジョアンの母であるエリータス卿夫人だ。
省27
[414]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:47:13 ID:???
「おっさん、連中には訓練の義務もないって言ったろ。
要は気が向いた時に集まっちゃあ、ああやって遊んでるだけ。
どうせこの後は汗を流してどこぞで盛大に宴でも開くんだろうな」
「……」
沈黙は、雄弁な肯定だっただろうか。
「ジョアンのヤツもあの中にいるのか?」
「どうだろうな。気紛れな男で、自由騎士たちの『訓練』に参加するかどうかも
その日の気分次第と聞いている」
「……そうかい」
肩をすくめた森崎が、ふと銀の鎧の一団を見やる。
省28
[415]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:48:51 ID:???
ジョストとは、欧州で古くから行われていた騎士たちの遊興である。
集団戦ではなく、一騎討ちの形式で行われる試合をそう呼んだ。
しかし時代の流れとともに廃れ、どの国でも何十年も前に途絶えているような、
古典的な競技のはずであった。
「実際ンなことやってんの、初めて見たぜ……骨董品市場かよ」
「あれがこの国の、今の騎士の戦いだ。彼らは彼らなりに、本気で訓練をしているつもりだろう」
再び、静寂が降りた。
省36
[416]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:49:54 ID:???
「だが俺たちはその絵巻物と轡を並べるのさ」
「なにィ!?」
驚愕する森崎に、ヤングが淡々と言葉を紡ぐ。
「ドルファン王都騎士団は俺たち傭兵大隊を覗いては全八大隊から構成されている」
俺たち、とヤングは言った。
傭兵大隊の長を兼任するとはいえ、彼は大尉の階級を持つれっきとした正規軍の軍人である。
そこに込められた感情は、森崎には分からない。
分からないがしかし、その立ち居地の一筋縄ではいかないことだけは、理解できた。
省36
[417]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:51:12 ID:???
「騎士の定数は100名と言ったな。だが実のところそれが正騎士だけで満たされたことは、
先のプロキア=ゲルタニア戦役以来、一度もない」
「……」
「現役で戦場を知る歴戦の騎士たちは年老い、騎士団を退いていく一方だ。
軍属を望まん自由騎士どもを数に組み入れて、ようやく誤魔化している。
……今となっては、定数の約半分が自由騎士だ」
「ちょ、ちょっと待て」
開陳された事実を整理するように、森崎が言う。
省29
[418]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:52:39 ID:???
「……はァ。ところでさっき、連中の輜重は従卒がやるって言ってたけどよ」
「ああ」
「肝心の、俺たちの補給は誰がやってくれるんだよ」
「それは御用の酒保商人が着いてくる。食料、武器防具の替えから博打、女まで何でもござれの一座だ。
ま、分かってるだろうが連中に嫌われるとしんどいぞ、上手く付き合えよ」
言ったヤングが、ぽんと森崎の肩を叩くと踵を返して歩いて行く。
話はこれで終わり、ということのようだった。
省8
[419]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:54:11 ID:???
訓練ダイス
※訓練は前後半に分かれています。
★マークごとにお一人づつ、!と numnumの間のスペースを消してダイスを引いてください。
目標値【50】に対しプラスマイナス30以内で成功、プラス31以上で大成功、マイナス31以下で失敗となります。
大成功時は成果が1.5倍、失敗時は0.5倍となります。
★
前半(体術)1
! numnum + ! numnum + ! numnum =
★
前半(体術)2
! numnum + ! numnum + ! numnum =
★
後半(魅力)1
省6
[420]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/19(火) 03:55:13 ID:9bPY4BPI
今回は三つのスキル獲得チャンスがありますが、三つめは体術の結果次第……といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。
[421]◆9OlIjdgJmY
:2012/06/19(火) 04:37:43 ID:???
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