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【レイセン】鈴仙奮闘記33【アレアレオー】


[578]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/29(火) 21:17:47 ID:???
藍「(私は分かっていなかった。これまでの平和が、如何に薄氷の上に立つ、儚いものだったかを。
そして、それを取り戻すには、私の力など取るに足らないものという事実を……!)」

鈴仙がプロジェクト・カウンターハクレイにつく事を決めて以降も、
藍は結界の修復の傍ら、当初の計画――リアル・幻想・セブンを利用した、チームの内部改革を進めていた。
しかし、その結果は今の結界修復作業以上に、実の成らないものに終わった。
省49

[579]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/29(火) 21:20:42 ID:???
紫「貴女が余計な事を繰り返しているのは、知っていますわ」

夜の闇に紛れて現れた彼女は、そのまま闇に紛れたままに藍を見つめる。
虚ろにして深淵を眺め渡すその眼は、藍が昔から知る主のそれに似ているようで大きく違った。
藍が押し黙るのを良い事に、八雲紫によく似た少女は歌うように続けた。

紫「……境界を操る能力なんて、下らない。そんなのが無くてもね、藍。
最近の私は全てを知る事ができるんだから。そう、私は未来すら見えるのよ。 省66

[580]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/29(火) 21:21:44 ID:???
紫「――そ。もの分かりの良い部下で助かったわ。……それじゃ、ちょっと失礼するわね」

ブウン……バシュウッ!

藍「――!?」

第一の誤算。八雲紫は豹変してはいても賢く狡猾な妖怪である事には変わりない。
そんな彼女が、そこそこ強力な力を持ち八雲の秘密を知る藍を、みすみす野放しにする筈が無かった。
紫が放った小さな気弾が藍の懐を貫き、彼女はよろめき地面にへばりつく。

藍「あ、ぐ……!」
省41

[581]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/29(火) 21:23:18 ID:???
ラズリーと名乗ったその少女を、藍は地面を這いながら睨みつけた。
炎のように燃えて肩まで掛かる、赤いセミロングの髪。
背丈は長身の藍より少し低い位で、概ね十代半ばか後半程度に見えるその少女は、
その瞳だけは深い深淵を湛える。人間では無い――いや、妖怪ですら無い「何か」だと藍は確信した。
純粋な容姿としては普通に可愛らしい、という印象までにしか過ぎないが、
彼女が纏う神秘的な雰囲気が、そうした陳腐な感想を否定していた。
省46

[582]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/29(火) 21:24:23 ID:???
…と、言ったところで一旦ここまでです。

[583]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:11:54 ID:???
〜第二章・エンディング〜
【運命の子達】

――大会開会から21日目の朝。
それは全幻想郷選抜代表選手が決まり、プロジェクト・カウンターハクレイが本格的に始動し、
鈴仙がこの地を発つ手筈となる運命の朝。

佳歩「れ、鈴仙さま大変ですっ! そ、外……それに空とか海とか大地とか呪われし姫様とか……!?」

鈴仙「ふにゃ……え? 大地……? 姫様がどうかしたって……?」

暢気に熟睡していた鈴仙を起こしたのは、血相を変えた佳歩の報告だった。 省9

[584]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:15:53 ID:???
〜永遠亭・外〜

ガヤガヤ、ガヤガヤ……。

アナウンサー「――こちらが、近日忽然と現れた長野県・幻想郷地区の一角です!
竹林に囲まれた豪華な和風建築に出入りするのは、兎耳……の、コスプレをした
幼稚園から小学生程の少女たちが居ます! これはどういう文化でしょうか!?」

永遠亭を囲う迷いの竹林は、今や無数の人間達によって四方を包囲されていた。
彼らはカメラやマイク――幻想郷では河童か鴉天狗以外は身に付けないであろう機材を持っており、 省53

[585]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:16:59 ID:???
やがて周囲の喧しさに耐えかねた輝夜が外に出たらしく、
マスコミに対して幾つか受け答えをしているが……。

鈴仙「(良く分からないけど、姫様が永遠亭の恥を全世界に曝してるような気がする……。
――と、兎に角。そんな事言ってる場合じゃないわ!)し、ししょーっ!? 皆ー!!」

鈴仙はここで寝ぼけた状態から覚めた。異常事態を把握し、ドタドタと家内を駆け回る中、
途中で何度か他人とぶつかって転んでも気にせず永琳の部屋へと向かう。
省53

[586]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:18:19 ID:???
……シーン。

鈴仙「そ、そんなァ。私、飛べなくなってます!?」

永琳「……あんたクラスの妖怪が飛べないんだったら、今頃一大事ね。
きっと今頃、妖怪の山の下級天狗達は謎の転落事故に四苦八苦してると思うわ」

この私ですら、今は連続1200時間程度、最高時速400キロメートルでしか浮遊できないのに…等と、
自虐風の自慢をかます永琳をよそに、鈴仙の頭はますますパニックになっていた。
省42

[587]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:19:25 ID:???
空中に映像が投影された。機械によるものなのか、魔術的な何かによるものなのかは分からない。
兎に角、鈴仙が空を見ると、空には雲の代わりに幻想郷のどこかの屋内であろう映像が映された。

ざわざわ、ざわざわ……!

恐らく鈴仙と同時にそれを見上げているであろう、外界の報道陣のざわめきが一層大きくなる。
神経を映像に集中させるよう鈴仙が意識していると、やがて一人の女性が空に映し出された。
……無論、それはおぞましくも胡散臭く。内に狂気を抱えた様子の八雲紫その人だった。 省36


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0ch BBS 2007-01-24