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1- レス

【SSです】幻想でない軽業師


[294]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:11:23 ID:???
おくう「(さとり様が留学に行ってくれたら、今よりもっと強くなってくれる!
     そして今度こそ、あの意地悪な人間を倒すんだ!!)」
さとり「………………」

心を読む覚り妖怪――古明地さとりには、おくうの心が透けて見える。
今、おくうの中にあるのは、純粋にさとりがこの留学に行き、
意地悪な人間――反町を今度こそシャットアウトするのだという確信。
そんなおくうの心から……しかし、目を逸らすようにしてさとりは矛先を変える。

さとり「お燐はどう?」 省46

[295]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:12:35 ID:???
この幻想郷界隈で、かつて三大キーパーと謳われていた古明地さとり。
しかしながらオータムスカイズとの戦いを経ていく内に、さとりに降りかかる罵詈雑言の嵐は日に日に増えて行った。
対戦する時は常に大量失点。
反町どころか、他の選手にもゴールを奪われる始末。
遂にはフィールダー全員を含めての、驚異の11人抜きゴールという屈辱にも甘んじた。
……しかも、その時の反町のシュートは完全なるミスキックで――である。
省56

[296]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:13:40 ID:???
その上、フランスJrユースはキャプテンであるピエールとストライカーのナポレオン以外は、
幻想郷の各チームに所属をする妖精やら羽目玉やらバケバケやら……そういった類の選手と大差無い実力。
有り体に言って、雑魚である。
このチームで勝てる筈が無い。誰もがそう思う。だからこそ、さとりは諦めていた。

だが、そんなさとりを――2人が救ってくれた。
1人は古明地こいし……さとりの唯一の肉親であり、誰よりも大切な妹。 省54

[297]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:14:41 ID:???
――思えば、さとりがこうして駄目になるまで、こいしとさとりは決して仲が良い訳ではなかった。
悪かった訳ではない。
ただ、こいしの性格上、姉であるさとりに対して大きな執着を見せるという事は無かったのである。
それがさとりの地位が失墜するや否や、こいしは献身的にさとりの為にと動いた。
チームを強くする為にと、フランスの選手たちを鍛え上げ、さとりを懸命に励ました。
フランスの選手たちもそのこいしの気持ちに応えようと――彼らに出来る、精一杯の努力を積み重ねた。 省49

[298]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:16:20 ID:???
さとり「(そう、私はもう十二分に活躍が出来ました……)」

さとりの心中では、まだ、これ以上を望む気持ちは当然ながらある。
何故なら、彼女はまだ反町一樹に一度として勝っていない。
選手個人としても、チームとしても。

幻想郷三大キーパーという称号如何はともかく、ある程度の権威は回復出来たとはいえ――。
未だに彼女自身はリベンジを果たせていないのだ。
本音を言えばそのリベンジの機会が欲しい――その為の、強くなる土壌が欲しい。
ただ、それは出来ない。 省64

[299]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:17:23 ID:???
さとり「……そういえばこいしはどうしたのかしら?」

そう、つい先ほどまで考えていた――最愛の妹、こいしの姿が見えない。
いや、見えないのはいつもの事だ。何せ無意識を操る彼女――完全な視覚外から出てきて驚かせるのは日常茶飯事。
ただ、この場――大事な話があるからと言い聞かせていたにも関わらず、姿を見せないというのは変である。
あの大会から帰ってきてからも、今まで以上に姉妹仲が深まっていた古明地姉妹。 省52

[300]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:18:43 ID:???
呆気らかんと言うこいしに、さとりは思わず眉を潜める。
もう聞いた――つまり、恐らくは、こいしはきっと最初からこの場にいたのだろう。
そしてさとりがサッカー留学の話をすると共に、この部屋を出て行った。
無意識を操るこいしだ。姿を現さないだけでなく、誰にも感づかれず部屋を出て行く事など造作もない。
それ自体は問題では無い。問題は――何故そんな事をしたのか?という事だ。
省53

[301]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:20:03 ID:???
さとり「あ、あのねこいし……貴女、何を考えてるの」
こいし「何ってお姉ちゃんの代わりに地霊殿を管理するんだよ! 大丈夫大丈夫、まっかせて!」
さとり「………………」
おくう「流石こいし様! うにゅう、私もお手伝い頑張ります!!」
お燐「いや、いやいや……ちょっと待ちなよおくう」

簡単に言ってのけるこいしだが、さとりから見てみれば無謀極まりない。
というか、屋敷の管理という仕事を甘く見ているのではないだろうか、と感じてしまう。 省72

[302]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:21:13 ID:???
やらなければならない事は、数えだせばキリが無い。
1つ思いつくとまた1つと仕事を思い出すさとりを横目で見ながら、お燐はこいしを諭すのだが……。

こいし「そだねー、私1人じゃ難しいかも。 でもね」

ガチャッ!!

こいし「みんなが力を貸してくれるって言ってるから、大丈夫だよ!」

言いながら、こいしは自分が入ってきた扉を思い切り開いた。
そこから入ってきた――否、なだれ込んできた一団を見て、一同は目を丸くして驚く。
省5

[303]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/24(土) 00:22:35 ID:???
そこにいたのは、地霊殿の誇るぬいぐるみ型ペット――ウサコッツ。
愛らしくとてとてと歩きながらさとりに対して語り掛ける一方、
その後ろからは更に続々とさとりが所有するペット達がさとりに声をかける。

デビルねこ「僕もまだちょっと体の調子が悪いけどさとり様の為に頑張るよ〜」

生活習慣病を患いながらも、健気にさとりの後押しをするデビルねこ。

Pちゃん・改「………………」

何も言わず、無垢な表情でさとりを見つめるPちゃん・改。
省13


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0ch BBS 2007-01-24