※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【SSです】幻想でない軽業師
[84]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:03:05 ID:???
神奈子「ん、んん……」
いまいち恰好がつかない形となってしまったものの、そこはそれ。
一つ咳払いをしてから、神奈子は彼の人――反町に視線をやる。
頬をかきながら困ったように反町はその視線を受けつつ……しかし、自身の視線を彷徨わせる事はない。
彼自身としても、この場は一世一代の大舞台。
割と小心者ながら、精一杯情けない姿は見せないように――と頑張っているのだろう。
神奈子「(そういえばそんなのこの子の人となりは知らないんだよねぇ……。
省45
[85]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:04:06 ID:???
神奈子「(あれは……銘酒『ふぁいなるふらっしゅ』!!
『びっぐばんあたっく』や『ぎゃりっくほう』はまだ市場に出回っているが……手に入れるのは相当困難な筈!)」
事実、神奈子は声には出さないものの内心は大層喜んでいた。
――ちなみに、この酒を勧めてくれた店員さんは、口では文句を言いながらも、
手土産にするのならばこれくらいでなければならないだろうと格安で譲ってくれたという。
思わず今晩の晩酌が楽しみになる神奈子だが、それは表情には出さず。
省34
[86]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:05:31 ID:???
反町「お付き合いをさせていただいてます」
神奈子「………………」
知っていたことではある、が――やはりショックである。
隣で反町自身の口からそういった言葉が出た事で照れている早苗も含めて。
無論、神奈子とて反町の事が嫌いな訳ではない。
先に言ったように、反町のお蔭で早苗の常識は戻ったのだから……むしろ感謝をしているくらいである。
ただ、それとこれとは話が別なのだ。
保護者の心は色々と複雑である。
神奈子「うむ……うむ。 そうか」
省56
[87]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:06:49 ID:???
諏訪子「何言ってんだい、紅魔杯が終わった後って言ったらもうすぐにJrユース大会が始まる頃じゃないか。
私たちだって準備があったし、反町くんだってそうだよ。
そんな時間取れなかったんじゃないの?」
早苗「それにその……Jrユース大会では同じチームで活動する事が決まっていましたから。
公私混同を避ける為にも、公表をするのはやめましょうとお互い話し合って決めたんです。
ご報告が遅れて申し訳ありません」
省21
[88]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:08:18 ID:???
諏訪子「ところで反町くんはさ、今後どうするかとかは決めているの?」
反町「今後、ですか?」
神奈子「そ、そうだよ。 うむ……君は八雲紫に拉致同前にこの幻想郷にやってきて、
帰る方法が無い故にサッカーに興じていたようだけど、既にJrユース大会を通じて外の世界への道も開けた」
反町「………………」
神奈子「外の世界に戻るのか、幻想郷に留まるのか。 そのくらいは考えたのか?」
省33
[89]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:09:32 ID:???
諏訪子「今日は反町くんも晩御飯食べていけるんだよね?」
反町「は、はい。 チームには断りを入れてますので、団欒のお邪魔にならなければ是非……」
諏訪子「いやいや、いつも同じ面子での食事だからね。 賑やかなのはいい事だよ。
それじゃあ用意しないとね、早苗も手伝ってくれるかい?」
早苗「はい……あ、でも……」
ここで夕飯を作りに行っては、茶の間に残るのは神奈子と反町だけである。
省34
[90]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:10:52 ID:???
神奈子「………………」
反町「………………」
そして、である。
残された2人は無言のまま茶の間にいた。
元々、決して口数が多い訳ではない反町と神奈子。
おまけに今は彼女のご実家で挨拶という世の男性緊張してしまう場面ランキングトップ5には入ろうかという状況の反町に、
未だに反町に対して何とも言えない感情を隠せない神奈子だ。
言い知れぬ緊張感が漂い、反町にとって居心地の悪い沈黙が場を支配するのだが……。
神奈子「……早苗はね」
反町「! は、はい」
省40
[91]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:12:09 ID:???
それは偽らざる神奈子の本心だった。
反町がそれなりに真面目だという事も、ここまでの短い間の会話でよくわかる。
だが、果たしてそんな反町が――早苗を幸せにしてくれるのか。
真面目であるというのは美徳ではある、しかし、それが万人に幸せを与える存在かと言えば否である。
神奈子「早苗は君の事を好いていると思う。 あんなに嬉しそうで、照れている早苗を私は見た事が無い。
悔しいが、それは認める。
省50
[92]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:13:23 ID:???
その神奈子の言葉は、正に青天の霹靂であった。
今まで反町の考えにあったのは、即ち。
外の世界に戻り、どこの高校に通うかはともかくとして――外の世界のいち学生、いちサッカー選手として生活をしていくか。
はたまた、幻想郷に残り、オータムスカイズのキャプテンとしてこれからもチームに為に戦っていくか。
その2択であった。
ただ、神奈子の提案した1つの案を聞いて気づく。
反町「(俺が……守矢フルーツズに移籍する?)」
3つ目の選択肢について。
省58
[93]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/01/26(金) 22:15:46 ID:???
それがわかった上で尚、反町は考える。
早苗の事が大切である事は間違いない、思いがようやく通じ合えた人だ。大切でない訳がない。
ただ、それと同じく、反町にとってはオータムスカイズも大切であった。
自分が全日本からも、東邦学園からも離れ、生まれ変わる切っ掛けとなれたチーム。
秋穣子、秋静葉の姉妹と共に、チームメイトを集める所から始まった。
最初は無名。木端妖怪と名前も無い妖精、そして反町のような箸にも棒にもかからない選手しかいなかったチーム。
省70
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24