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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】


[360]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/12(土) 16:31:33 ID:1wYTmN2E
★無間神社への参拝者  ハート5 ★→特に知っている人は現れなかった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
幸か不幸か、参拝者の中に知っている人はいなかった。これで余計な心配はせずに済む。
知人への心配をする必要が無くなったため、今気にかけるべき事はただ1つとなった。
これからはじまる新室祭の進行である。

岬「皆様、何卒もう少しだけ下がってください。これよりこの広場にて修祓(しゅばつ)を執り行います」
省51

[361]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/12(土) 16:32:52 ID:1wYTmN2E
沙織「さ、太郎くんはこれね。兄さんはくれぐれも塩湯をこぼさないように」

本殿から少し離れた母屋で、神事を行うための最後の儀式を行う。
僕は白木の棒に紙垂(しで)をつけた大麻(おおぬさ)と神楽鈴を手に持ち、
父は海水を模した塩湯を入れた杯を両手でつかんでいる。

沙織「さ、行くわよ。しっかりね」


そうして僕達はドアを開き、参拝者達の前に現れる。
無間神社の主として、そして神職として現れた沙織さんは普段のはっちゃけぶりは毛ほども見せぬ、 省33

[362]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/12(土) 16:34:38 ID:1wYTmN2E
沙織「掛けまくも畏き
   伊邪那岐大神
   筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に
   禊ぎ祓へ給ひし時に
   生り坐せる祓戸の大神等
   諸々の禍事・罪・穢
   有らむをば
   祓へ給ひ清め給へと
   白すことを聞こし召せと
   恐み恐みも白す」


(口に出してご尊名を申し上げるのも恐れ多い、
イザナギノ大神が、
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で、
禊祓いをなされた時に、
お生まれになった祓戸の大神達よ、 省7

[363]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/12(土) 16:38:10 ID:1wYTmN2E
祓詞が終わり僕は身をかがめ、大麻を沙織さんへ捧げる形をとる。
沙織さんはまず大麻を右手に収めて念じるように目をつむった後、右へ左へと腕であおぐ。
穢れを祓う神風を乞うた後は大麻を祭壇へ置き、代わりに桐の箱から榊の枝を取り出して
僕と入れ替わりに差し出された塩湯へ榊を漬ける。左、右、左と榊を振って塩湯を境内へ播き、禊ぎ祓いを行った。

このようにして禊祓、玉串拝礼、直会(なおらえ)へと進んでいき、滞りなく新室祭を終わらせる事ができた。 省30

[364]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/14(月) 21:27:51 ID:???
私事ではありますが、先月ようやくTwitterをはじめまして思う事があればをこれからつぶやこうと思っています。
もしお時間がある方がいましたら、どうか一言物語の感想など、好きな事をつぶやきに来てください。

[365]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:53:15 ID:yKt/9G66
            第21話『神おろし、そして宣告』


夜になり、空もようやく暗くなりはじめ、参拝客は皆帰った。ようやく巫女服を脱ぎ普段の服装に戻れたが、
休む間もなく沙織さんの指示により神社に接した鎮守の森まで行かされ水垢離をさせられた。
そうやって体を清めた後は母屋へと連れていかれ、潔斎の場と呼ばれる大部屋で
沙織さんが神おろしを行う準備が整うまで、正座で待機する事となった。

コトコトと時おりかすかに障子が揺れる他は、物音一つしない。 省64

[366]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:56:05 ID:yKt/9G66
精神集中のためであろう、かすかに数を詠みあげる声が聞こえる。
何十度もそうして詠みあげている姿が、突如吊るした糸が切れた人形のように、ドウと床に倒れた。
体が震えているが、何が起きたかと思っている間に
すぐに止み、何事もなかったかのようにすっくと立ちあがり、僕達に向けて語りかけた。

祖霊「我が苗裔(びょうえい)よ、畏みて我らが言を授かるがよい、
   我は女にあらず、ただ一人(いちにん)にもあらず、我らは汝ら岬家の祖先の霊が 省51

[367]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:57:46 ID:yKt/9G66
ドキリとして巫女の肉体をまとった先祖へと顔を向ける。命を落とすと言われて心穏やかでいられるものか。

岬「命の危機にあう程の危難と天命とは?」
祖霊「これから一歳(ひととせ)もせぬ間に、汝の親しき者が凶賊に襲われる。
   汝はかの者を助けねばならず、それが為に自らも危地に赴かねばならなくなる」
岬「僕の、親しき者といいますと」
祖霊「友が宝を守るため、逡巡せずに自らの命を路傍に投じようとした幼子だ」
岬「っ!」
省43

[368]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 17:59:25 ID:yKt/9G66
そう告げるなり先祖の霊は、沙織さんの体に降りたまま潔斎の場から立ち去ってしまった。
それから5分か10分は経っただろうか。
ガタリと襖が開いて現れ、手の甲を下に向けた握りこぶしを目の前に伸ばし手を開く。中には3つの勾玉がほのかに青く光っている。

祖霊「この玉を持っているがいい。定命を共にするものあれば、忽ち輝きて天命を明らかとさせるであろう。
   汝とは縁が深いゆえ、断る事はない。安心して、命に向かうがよい。拒んではならぬ。 省42

[369]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 18:01:03 ID:yKt/9G66
沙織「いやー、新室祭は大入り満員で無事終わったし、肩の荷がおりたわ。ささ、私の奢りだから遠慮せずに食べちゃって!」

深夜のパリ。とある高級レストランにて祭の成功を祝っての祝宴が僕と父さんとの3人で催されている。
穢れを厳しく禁じているはずの無間神社神主がステーキを軽やかに切り分け口の中に放り込む様を見ても、
何の気も起きず何を言う気にもなれなかった。
父さんも針のむしろに座っているかのような居たたまれない顔になっている。 省38

[370]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/01/20(日) 18:02:43 ID:yKt/9G66
岬父「死ぬって言われたんだぞ。お前の神おろしでのお告げは外れた事が無い、なのにどうして」
沙織「決まっているからよ」

父さんの狼狽に対し水面のような穏やかさで応じている。
カチャリと手に持っていたナイフとフォークを皿に揃え口元をハンカチで拭った後、
僕達に向けて遺言ともなるであろう言葉を語りはじめた。

沙織「どんな内容でもお告げはお告げ。バタバタと見苦しくしてたら
   それこそご先祖様から『何だ沙織、好き勝手生きた末路がそれか』ってお叱りを受けちゃうわ。 省49


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