キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】

1 :キャプテン岬 ◆AE6MkoqxCE :2017/11/12(日) 12:38:42 ID:???
『はじめに』
この物語はフィクションです。
現実世界で実在する人物も登場いたします。また1983年から91年までの史実を踏まえてはいます。
ただ物語の展開上脚色や私的設定付与も多々あり、純然たる歴史的事実からは離れてしまっております。

またキャプテン翼のキャラクターのみならず、非サッカー漫画以外のキャラクターも多く
登場しておりますが、実在人物同様、物語に沿う形での脚色や設定付与が多く、どうかご寛恕を願います。

最後に、この物語の主人公は岬太郎です。
ここの岬君は原作を参考にしたり、本編をチェックしてみたり、自身の願望を当てはめてみたりと、
どれにもピタリとは当てはまらない、大変面妖な様相をとっております。
それでも彼の物語として、読み進め楽しめてもらえれば幸いです。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
1983年8月、岬太郎はパリに来仏する。その2日後の日本人学校訪問後、
サッカー部員を探すべくブローニュの森のシュッセ運動場まで出かけ、
そこでサッカー部キャプテン天ケ瀬冬馬を発見する。
自己紹介代わりの手合わせで岬に完敗した天ケ瀬は、他のメンバーにも
紹介すべく急遽電話で呼び出す。そして呼びだしたメンバーとの1VS10勝負が
はじまった、といったところまで進んでいます。

241 :森崎名無しさん:2018/04/08(日) 13:53:19 ID:???
★ドッジ・エムby岬 8+ クラブ4
ドッジ・エムby あずみ 13+ スペード9 =★

242 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 14:38:23 ID:s85CX2cM
★ドッジ・エムby岬 8+ クラブ4 =12
ドッジ・エムby あずみ 13+ スペード9 =21★
X<−2→あずみ「どうよ、あたしに勝つなんて10年早いわ!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

画面には、同心円ならぬ同心四角の形をとった、4つのレーンと4つの交差点があるステージが
映し出されている。レーン上にはたくさんの点が散らばっている。

あずみ「プレーの前にコントローラーを代えるわね。はい、ジョイスティック(※)」

ゲームを始める前にパドルではなく、別のコントローラーを渡された。
手のひらほどの台の上にすりこ木のようなレバーがつき、台の端にはオレンジ色のボタンがついている。
レバーに触れると、プニプニと根元が揺れている。このレバーを倒して操作するのだろう。

あずみ「これについてるオレンジのボタン、このゲームでは加速できるから、上手く使ってね。
    それじゃ、スタート!」

試合が始まる。だが、先程とは違い、使ったことの無いジョイスティックは掴み方さえ
あやふやなままであり、手は滑る、力が入らない、逆に入り過ぎて曲がれないなど、
思うような操作さえできなかった。

次の戦いではスティックの扱いには慣れたものの、ボタンによる加速が上手く行かない。
押し過ぎて曲がるべきカーブを通り越してしまったり、同じルートを一周してしまったりと
ロスを繰り返してどうにもならず、あっという間に負け越しとなってしまった。

あずみ「どうよ、あたしに勝つなんて10年早いわ!」

ぐうの音も出ないほどに相手を打ち負かして、嬉しそうに勝ち誇っている。


※アタリ2600のジョイスティック
https://ja.wikipedia.org/wiki/Atari_2600#/media/File:AtariJoystick.jpg

243 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 14:40:10 ID:s85CX2cM
岬「うーん、正直なところ、このコントローラーに慣れるだけで終わっちゃったな」
あずみ「あらそう?ま、初めてだし仕方ないわ。次のもジョイスティックを使うゲームだし、
もっと簡単なルールだから大丈夫よ」

そういってまた早々とドッジ・エムを外し、今度は池から飛び上がるカエルが映ったカートリッジを差し込む。

あずみ「今度はフロッグアンドフライ。私達はカエルになって、ひたすら空飛ぶハエを舌でキャッチして食べるゲームよ。
    日没までに食べたハエの数が多い方が勝つゲームね。ジョイスティックの向きと傾け方でジャンプを調整して、
    ボタンを押して舌を伸ばし、ハエを食べるのよ。
    さあ、行くわよ!」


★フロッグアンドフライby岬 8+! card=
フロッグアンドフライby あずみ 13+! card=★

と書き込んで下さい。!とcardの間を埋めると数値化し、カード数値の結果で分岐します

【岬】−【あずみ】
X≧1→あずみ「ウソ、あたしが負けるなんて……」 好感度大幅UP
‐2≦X≦0→あずみ「やるじゃない。こんなに上手いのはあんたが初めてよ」 好感度UP
X<−2→あずみ「どうよ、あたしに勝つなんて10年早いわ!」

※岬基礎値内訳8=5+1×3(高得点を出したアステロイド+ルナランダー+ブレイクアウトの計3点)


参考動画:ジェームズ&マイク ATARI(part2) 名作編の4分4秒から5分19秒
http://www.nicovideo.jp/watch/sm25312413

244 :森崎名無しさん:2018/04/08(日) 15:00:21 ID:???
★フロッグアンドフライby岬 8+ クラブ8
フロッグアンドフライby あずみ 13+ ダイヤ5 =★

245 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:32:39 ID:s85CX2cM
★フロッグアンドフライby岬 8+ クラブ8 =16
フロッグアンドフライby あずみ 13+ ダイヤ5 =18★
‐2=あずみ「やるじゃない。こんなに上手いのはあんたが初めてよ」 好感度UP
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

テレビには池の上に浮かぶ大きな葉っぱ。周りには青い空と青々とした木々の葉が
(粗いドットで)描かれていて、先程までの暗い画面とは対照的な、涼やかささえ感じさせる
画面が映し出されていた。

あずみ「とりゃー!」

掛け声で意識はゲームプレイに移る。葉っぱの方に目を移すと灰色のカエルがちょこんと
座っている。灰色ガエルの反対側の葉っぱには何もいない。正確には赤いカエルが
反対側の葉っぱから飛び上がり、空飛ぶハエを捕まえようとしていた。
となると灰色のカエルが、僕だ。

それと心に気合を入れて、スティックを傾ける。飛んだ。飛んだはいいが勢いがあり過ぎて
ハエを飛び越し、そのまま池に落下してしまった。

あずみ「池に落ちても自動で戻ってきてくれるから、落ち着いて狙って」

上級者らしい余裕を持って、アドバイスを暮れている。それを黙って受け取りながら、
葉っぱを這いあがったカエルを再びジャンプさせる。
ハエはどう見ても3点ぐらいでしか構成されていないが、グラグラとした動きや
ちらつき具合からちゃんと羽ばたいて見える。そんな電子バエを今度はやすやすとキャッチする事ができた。

それからは日が暮れるまで黙々とハエ取り合戦である。ハエの飛ぶ位置は一定ではなく、
時々大きく落下したりと、捕まえる楽しさをかき立たせてくれた。
結局は最初のミスが響き、52対56の僅差で負けてしまったが、相手も充実した試合だったらしい。

あずみ「やるじゃない。このゲームでもここまでついてこれるなんてね。このゲームがこんなに上手いのはあんたが初めてよ……そうだ」

246 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:33:50 ID:s85CX2cM
試合が終わった後、カートリッジを早々に抜きとって、またも新しいカートリッジを入れた。
絵を見る限りまたハエが出てくるみたいだが、先程に比べてメカメカしいハエである。

あずみ「ここまでついてきたあんたに、特別に紹介してあげる。あたしのお気に入りの
    シューティングゲーム、ヤーの復讐(Yars' Revenge)(※)!」

右手を高々と掲げる。その手には差し込んだのと同じ、口からビーム弾を撃ちまくる機械バエのカートリッジがあった。

あずみ「これはねー、普通のシューティングとは違うのよ!謎解きというか、ただ撃つだけじゃないの。
それとクリアした後の爽快感がたまらないわね。さ、百聞は一見に如かず、百見はワンプレイに如かず。やってみてよ」

ゲームが始まる。見たところ、ゲーム画面は2分割されている。
左にいるのは僕が操作する機械ハエだろう。右には壁に覆われたビーム砲がある。あれを破壊しろ、という事なのだろう。
奇妙なのは画面中央にバーコードの様な虹色の帯が広がっている。

あずみ「さ、ちゃっちゃとコティル(Qotile)を倒しちゃって!」


※ジェームズ&マイク ATARI(part3) 続・名作編 6分10秒から8分26秒
http://www.nicovideo.jp/watch/sm25414318

247 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:34:50 ID:s85CX2cM
コティルと呼ばれるビーム砲を倒すべく、機械ハエを動かし、ボタンを発射する。
見る見るうちに防護壁は破壊され、敵は丸裸となった。打ち出される追尾弾もかわし
とどめを指すべく発射した。だが、コティルは破壊されない。何発撃ってもやられる
気配さえ見えない。

そうこうするうちに敵が渦巻き弾を発射した。スピードは速いが事前に姿が見えているので
何てことはない。あっさりとかわす。それからも何十発も撃ち続けたが、何にも変わらない。
撃つ位置を変えたり、弾の着弾位置を変えたりしてみたが、何も変わらない。
そのうちに追尾弾の速度が速くなりはじめた。段々とかわす事に精一杯となり、ついには
逃げきれず撃ち落とされてしまった。

あずみ「あーあ、やっぱり気付かなかった」

ニコニコと嬉しそうに、僕に向かって語り掛ける。さすがにムッとして、あずみに問い質した。

岬「あんなのどうやって倒せばいいんだ」
あずみ「あら、もう少し利口だと思っていたんだけど、思ったより単純なのかな」

フフフとほほえむ。笑顔そのものに悪意は見えない。

あずみ「ま、見てなさい。謎解きをしてあげるから」

あずみは僕の隣に座り、コントローラーを取り上げてゲームを始める。

248 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:35:59 ID:s85CX2cM
あずみ「まずは敵のバリアをはがす」

弾をどんどん打ち込んでバリアを破壊する。ここまでは僕と同じだ。

あずみ「ここからよ。そんじょそこらのシューティングじゃみられないやっつけ方。
行くぞーっ、スーパーフライングカミカゼアターック!」

そう叫ぶや否や、あずみは追尾弾と渦巻き弾をかわし、
コティルに体当たりをかましてみたのだ。やられたかと思いきや何ともない。
いや、左端に何かチョークのようなものが現れた。

あずみ「出たぞ必殺ミサイル、ボルロン(Zorlon)キャノン、ファイヤーッ!」

ボタンを押すと同時に、チョークみたいなミサイルが発射される。
見事にコティルに衝突した。すると画面一面に淡いピンクの光がステージにかぶさり輝きだした。

あずみ「やったあ!」
岬「(ああ、あざやかだ)」

ゲーム画面か、あずみの腕か。よく分からないが、直観的にそう感じた。

249 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:37:20 ID:s85CX2cM
薄い紫、薄い青、ライムグリーンと変化しながら縦に縮まり1本の線に収束して消えていく。
そして再びコティルが現れ、ゲームが再開された。

あずみ「このボルロンキャノン、敵への特攻以外にも出す方法があるのよ。それもハエっぽいやり方でね」

ハエっぽいやり方?なんだと思っているうちに、あずみはハエを今度はバリアに突っ込ませた。

あずみ「ヤーは手をする足をする、突っ込んでバリアを食わせても、ボルロンキャノンは出来るのよ。
    あ、ヤーっていうのはこの宇宙バエね。そもそもヤーっていうのは
    人類が滅亡した後に生まれた高度な知能と力を持ったハエのことで……」

あずみの蘊蓄を聞き流しながら、僕は今日の事を振り返っていた。
ゲームセンターやあずみの部屋でプレイしたゲーム。テンペスト、センチピード、アステロイド、
バトルゾーン、ルナランダー、ウォーロード、ドッジ・エム、フロッグアンドフライ、そして、ヤーの復讐。
日常では決してあり得ない架空の、それでいて心に思い描ける未知の世界。
宇宙船に乗り、戦車を操り、ロケットで月面着陸し、果てはカエルやハエになったりと、
様々な世界を移り渡り、なり切り、楽しめた。

岬「(とても良かった。もし先にサッカーに出会えてなかったら、ここでゲーム漬けになっていたかもしれない)」

250 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:39:03 ID:s85CX2cM
あずみ「お、なんかとっても良い顔してるね。凛々しくなったというかさ。そんなに面白かった」

ゲームを終わらせたあずみが僕に尋ねる。さっぱりとした気持ちのまま正直に答えてみた。

岬「うん。ここに来て初めてゲームの素晴らしさを知った気がする」
あずみ「ホント!うれしい!」
岬「うわ、あずみちゃん!ちょっと!」

あずみも相当嬉しかったのだろう!喜びの感情のまま僕に抱きついてきた!

あずみ「良かった良かった!ホント、ゲームって楽しいんだから!もうあんたに恨みなんてない。
    これからは友達、そして仲間よ。ゲーム仲間!」
岬「仲間、それは良かった。僕もあずみちゃんと仲間になれてうれしいよ。あ、あと…」
あずみ「その返事を待ってたわ、もうカンパはしてあげられないけど、また来てね!あ、そうだ」

そう言うなりあずみは後ろを向いて僕から離れ、後ろの棚からゲームソフトの入った箱を取り出し、僕に渡す。

岬「これは、ヤーの復讐。良いの、お気に入りじゃないの」
あずみ「良いの、あんたにはこのゲームを何回もプレイしてほしい。
    それだけの価値はあるゲームだからね。ま、ぶっちゃけるとまだ部屋にヤーの復讐はあるから大丈夫」
岬「そうか、でも、そういえば僕まだアタリ2600持ってないんだけど」
あずみ「あーそれね、まあここで買ってもいいんだけど……」

そこまで言って言いよどむ。何かマズい事でもあるのだろうか。

251 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:42:02 ID:s85CX2cM
岬「どうしたの?マズい事ならいいけど」
あずみ「違うの、いや、友達だからまあいいや実は近いうちにに新しいアタリのゲーム機が完成するの」

岬「新しいゲーム機?」
あずみ「そう、アタリの次世代機。今の奴は正直言ってゲーム内容はともかくグラフィックとか音とかはショボかったでしょ?
    今度出るのはそれを大幅にグレードアップしたやつよ。しかも下位互換機能っていって、
    今までのアタリ2600ソフトも扱えるから、ゲーム機買うならそれの方が良いかなって」

岬「そうなんだ。どうしようかな」
あずみ「まあそのソフトは気にしないでもらっていっちゃって。友達の証として、さ、ね」
岬「わかった。ありがとう、あずみちゃん」


*あずみの感情が以下のようになりました。
あずみ→(対等なゲーム仲間)→岬

*岬の所有物に『ヤーの復讐』が追加されました。

252 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:44:33 ID:s85CX2cM
こうして僕はゲームソフト『ヤーの復讐』を手に入れた。
その後、行きと同じように眼帯をつけさせられた後で、ゲームセンターに戻る。

岬「すっかり誰もいなくなったね」
あずみ「この時期のパリジャンパリジェンヌはみんなバカンスにいっちゃうし、移民の人達は
    忙しくてゲームどころじゃないし、とっても退屈なんだ。だからまた来てね。また部屋にも来てゲームしよ」
岬「うん、必ず来るよ、約束す……」

??????「「ちょっとまて→い!!」」

突如頭上から声がする。あずみと共に上を向くと、僕達よりさらに小さい
女の子2人が、筐体の上に立ってこちらを見下ろしていた。

253 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:48:43 ID:s85CX2cM
台上の2少女は鏡写しのようによく似ている。
ほんわかとした、だがとっても活発そうな童顔、ハート付きの
イエローグリーンのパーカー、髪留めで結わえた短めのポニーテール。
左の子の髪留めが赤、右の子が紫と気付かなければ、
あっという間にこの双子の区別などつかなくなってしまうに違いない。
その双子がこれまた鏡写しになったようなライダーポーズをとりながら、僕に向かって告げた。

???「あずみお姉ちゃんを誑かすあくと→め→!」
???「天がゆるち地がみのがちても!」
??????「「この双海→ズが許さないぞ→っ!とうっ!!」」

高らかに悪人退治を宣言した後、ためらいもなく筐体から飛び降りた。双子の身長の倍はある筐体だが、
落下の衝撃もものともせず着地し、飛ぶような勢いで僕に襲い掛かった。

??????「「お姉ちゃんのて→そ→を汚す奴はちねアターック!!」」

そう言うなりこの双子姉妹はそれぞれ僕の両脚に飛び込み、ぎゅっとひっ捕まってくる。
別に痛くも何もないが、突然の幼き襲撃者に戸惑わざるを得ない。

254 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:52:28 ID:s85CX2cM
???「んっふっふ〜、どうだ、まいったかあ?」
???「泣いて謝ってもゆるさないぞ→この後は必殺フタミツイストを……」
あずみ「いい加減にしなさい、真美、亜美」

ヤレヤレといった顔になってあずみが双子に声をかける。口ぶりからして顔見知りなのだろうか。

あずみ「この人は悪党でもスケコマシでもじゃないの。岬太郎っていう、あたしの友達よ」
真美「え→なんだつまんないの→」
亜美「せっかく面白くなりそ→だったのに→」

あずみ「見知らぬ人でいきなり遊ぶのはやめなさい、それとこんな子供が貞操なんて言葉を軽々しく使っちゃダメでしょ」
真美「う→るさいな→、あずみお姉ちゃん、まるでお母さんみたいだね」
亜美「分かった、愛しの彼氏がいるから大人ぶりたいんだ!そんなに大人ぶってると、いつか行き遅れちゃうぞ→」


小鳥「くしゅん!ああ、風邪かしら。いけない小鳥、今日は光速船とそのソフトを買いに行く日。
   風邪ひくわけにはいかないのよ。あのチャンネルFの悲劇はもう繰り返さないんだから……」


あずみ「違う!そういうんじゃないの!全くこのガキンチョどもは……それでどうしたの?
またゲームのお金が尽きてせびりに来たの?今月はもう……」
真美「ちがうよ!真美達アメリカ旅行から帰ってきたから、そのせんりひんを教えに来たんだよ!」

255 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:53:38 ID:s85CX2cM
紫色の髪留めをした女の子があずみに話しかける。となると赤い方が亜美、という事になるな。

真美「フランスで見なかった新しいゲーム機がアメリカで売ってて、
   すっごく絵がきれいだったから、パパにお願いして買ってきてもらえたんだ→!」
亜美「とってもすごかったよ!キレイなだけじゃなくてと→っても、どのソフトも面白かったんだよ!」
あずみ「えっ、ゲーム機!?新しい!?」

ゲーム機という単語を聞いた途端、あずみの目が(今度はまともに)輝いている。
すっかりそのゲーム機に興味津々なのだろう。きっとすぐにでもプレイしたいに違いない。

あずみ「ねえ、今から家に出かけていい?」
真美「い→よ→だいかんげい!」
亜美「そのためにここまで来たんだかんね、オッケ→よ!」

あずみ「ありがと!じゃ、岬君も行きましょ、ね、いい?」
真美「う→ん、ま、遊ぶ人が多い方がおもしろいからいいよ」
亜美「あずみお姉ちゃんのお友達なら仕方ない、岬お兄ちゃん、お姉ちゃんに感謝するんですなあ」
岬「(うーん。どうしようかな。ゲームもしてお昼寝もしたから、
   ここで付き合えばこの後の自由時間は無くなってしまいそうだ。
   でもここで付き合っておけばあずみちゃんとの仲も深くなるし、年下との交流の機会も掴める。どうする)」


A 参加する(自由行動を全て費やします。あずみ+双海姉妹との好感度UPチャンスあり)
B 参加しない(8月4週目の自由行動1つを残す代わりに好感度UPなし)
C その他、自由回答(要3票)

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

256 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 20:02:01 ID:s85CX2cM
双海家でゲームをするか判断を迫られたところで、今日はここまでにします。

ちなみにここの小鳥さんは、1977年10月に日本で発売された
世界初のカセット交換ゲーム機『チャンネルF』を定価128000円で購入し、
その後ソフトを買おうとしたら販売中止となっていて、店先で号泣したという
しょーもない裏設定が有ったりしますww


257 :森崎名無しさん:2018/04/10(火) 20:44:49 ID:l6bA7iqE
A

258 :森崎名無しさん:2018/04/10(火) 20:49:22 ID:Y7mjWIA2
A

259 :森崎名無しさん:2018/04/10(火) 21:11:49 ID:???
双子という共通点のある立花兄弟の事を話してみたら盛り上がるかな

260 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/14(土) 19:33:18 ID:m9q3xldo
A 参加する(自由行動を全て費やします。あずみ+双海姉妹との好感度UPチャンスあり)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

折角の機会だ、僕はよろこんで招待を受け、双海家に向けて4人で出発した。
行く道々でこの不意の来訪者、双海姉妹について彼女達と言葉を交わす。

真美「初心者の岬兄ちゃんはこの髪留めで見分けるといいよ。紫が真美、赤が亜美だかんね」
亜美「亜美たちはつねにいっしんどーたい、一度髪留めを外してしまえば、あずみお姉ちゃん以外には分からないのだ→!」
岬「へえ、すごいねあずみちゃん。この2人の区別ができるなんて」
あずみ「まあね。この子達とは長い付き合いだし、長い付き合いだから」

岬「そうなんだ。やっぱりあのゲームセンターで?」
真美「そ→!いろんなゲームのコツとか教えてくれたんだよ!そ→して鍛え抜かれた今では、
   お姉ちゃんとよきゲームのライバルとなっているのだ!」
亜美「『早撃ちのアミ』って言えばこの辺じゃちょっとは知られた名前なんだぞ、すごいでしょ→!」
あずみ「ふふふ、最初に来た時よりたしかに随分上手くなった。おかげであたしも張り合いがあるわ」

得意げにはしゃいでいる双子と楽しそうに語る少女。傍から見るとまるで本当の三姉妹のような、
にこやかで微笑ましい光景が広がっている。

岬「(いいなあこういうの。こういう中に溶け込んでいければ強力な味方になってくれるだろう。
さて、どんな事を話そうかな)」

261 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/14(土) 19:36:06 ID:m9q3xldo
A 岬「改めて挨拶するよ。僕は岬太郎、10月から同じ学校で通う」うやうやしくひざまついで姉妹の右手にキスをする
B 岬「君たちはサッカーしてるの?サッカー部について何か知ってる?」
C 岬「僕はサッカーが得意なんだ、日本じゃちょっとは活躍したんだよ(得意分野の話、興味持ってくれるかな?)」
D 岬「日本にも君達みたいな瓜二つの双子がいたなあ(興味を引くかな、立花兄弟の話でもしてみるか)」
E 岬「あずみちゃんって真美ちゃん達のお姉さんみたいだね(関係性を探れるかな?)」
F 岬「君達の間にもゲーム好きってどれ位いるの?(お金儲けのヒントが得られるかな)」
G 岬「実はね、あずみちゃんの部屋で手料理をいただいて、ベットで「寝た」んだよ
   (悪戯好きみたいだし、こういう話の方が面白がってくれるかも)」
H 岬「さっきゲームセンターでルナランダー50万点いったんだ(かるーく自慢でもしてみようかな)」
I 岬「アメリカ旅行どうだった?(特に思いつかないから、四方山話で場をつないでもらおう)」
J 岬「よし、じゃ、髪留めを外してみて。僕が真美ちゃん亜美ちゃんを当ててみせよう」
   ※トリッキーに見分けると3人の好感度大UP
K その他、自由回答(要3票)

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
なお、この選択に限り全ての選択肢に「さらに分岐」と続きます。

262 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/14(土) 21:02:38 ID:m9q3xldo
本日はここまでと致します。どうかゆっくりとどうするかを考えていてください。

なお、岬君が得意としているルナランダーのプレイ動画はこちら。
lunar lander high score
https://www.youtube.com/watch?v=X34MB_P37jM

よく見ると得点の桁が4つ程しかありませんが、
この世界でのルナランダーは桁も得点も段違いだと考えてくださいw
どうかそう考えてください。

263 :森崎名無しさん:2018/04/14(土) 21:03:58 ID:qulm9w16
B

264 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 08:58:50 ID://eVeGXs
B

265 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 10:12:56 ID:nTW49MsY
B 岬「君たちはサッカーしてるの?サッカー部について何か知ってる?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
僕の得意分野は何と言ってもサッカーで、将来はそれを元に立身を企てている身だ。
だから相手がサッカーにどれ位関心を持っているかにはどうしても興味がわく。
初対面の相手にはなおさらだ。それとなく姉妹にサッカーの事について尋ねてみた。


先着で
★姉妹のサッカー能力 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

JORER:真美「んっふっふ〜、じゃ、ゲーム終わった後で広場に行こう!」
    亜美「亜美たちのこうそくれんけい、見せつけてやるのだ→!」(さらに分岐)
ダイヤ絵柄:あずみ「結構うまいわよこの子達。2人がかりなら補欠相手には勝てる……かな?」(さらに分岐)
ダイヤ・ハート:真美「遊びでする事はあるよ」亜美「外の学校のチームに混ざって遊ぶんだ」
スペード:真美「遊びでする事はあるよ」亜美「真美としか遊ばないんだけどね」
クラブ:真美「サッカー?やったこともないよ」
    亜美「ヤローどもがタマを足でいじくりまわして開かれた門にブチ込み快感を得るスポーツだっけ?それ」

266 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 10:14:33 ID:nTW49MsY
先着で
★真美のサッカー部情報 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

JORER:真美「サッカー部の補欠にシン君ってクラスメイトがいて、
      よく亜美にちょっかいかけてくるんだよね→」(さらに分岐)
ダイヤ:ハート+真美「そういやあまとうの家でゲームしたことがあったよ。聞いたことない会社のゲーム機だった」
ハート:真美「うちのは知らないけど、他の学校のはみーんな知ってるよ」
スペード・クラブ:真美「分かんない。あんまり興味ないや」

先着で
★亜美のサッカー部情報 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

JORER:亜美「サッカー部の補欠にシン君ってクラスメイトがいて、
       よく真美にちょっかいかけてくるんだよね→」(さらに分岐)
ダイヤ:ハート+亜美「そういやあまとうの家でゲームしたことがあったよ。聞いたことない会社のゲーム機だった」
ハート:亜美「うちのは知らないけど、他の学校のはみーんな知ってるよ」
スペード・クラブ:亜美「分かんない。あんまり興味ないや」

267 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 10:16:36 ID:nTW49MsY
少々所用がありますので、一旦失礼します。夜になりましたら再開できる、かもしれません。

>>259
提案ありがとうございます。早速選択肢に入れさせてもらいました。

268 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 11:37:58 ID:???
★姉妹のサッカー能力  スペード2

269 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 11:49:41 ID:???
★真美のサッカー部情報  ダイヤ8

270 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 11:51:22 ID:???
★亜美のサッカー部情報  クラブ8

271 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 13:10:40 ID:???
アンサイクロペディアかな?

272 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:22:36 ID:nTW49MsY
★姉妹のサッカー能力  スペード2 ★真美「遊びでする事はあるよ」亜美「真美としか遊ばないんだけどね」
★真美のサッカー部情報  ダイヤ8 ★真美「うちのは知らないけど、他の学校のはみーんな知ってるよ」+
                 真美「そういやあまとうの家でゲームしたことがあったよ。
                     聞いたことない会社のゲーム機だった」
★亜美のサッカー部情報  クラブ8 ★亜美「分かんない。あんまり興味ないや」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
真美「遊びでする事はあるよ」
亜美「真美としか遊ばないんだけどね」

先程までのゲームを語る時とは打って変わって、淡々とした様子で答えている。
少なくともサッカーにはそれ程思い入れがある訳ではなさそうだ。

亜美「時々ひまつぶしで真美とボール持って遊ぶぐらいかな。
   PKしたり、ボールの奪いっこしたり。でも真美はもうちょっと遊んでるんだっけ」
真美「そーだね。外の学校のチームに混ざって試合したりしてるよ」
岬「外っていうと、フランス人の学校の事?いきなり入って大丈夫だった」
真美「大丈夫だったよ。入ってい→い→ってきいてOKなら入るし、入った後も特に何も言われなかったよ。
   ダメだったらほかの所へ行けばいいから。今まで結構いろんなところ行ったから、
   そこいらの学校はみーんな知ってるよ」
岬「(そうか。これは将来他チームに飛び入り参加するのに役立ちそうだ。後日また聞いてみよう)
   僕は10月に入学したらすぐにサッカー部に入ろうと思っているんだ。
   よかったら部の事について、何か教えてくれないかな」

273 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:24:15 ID:nTW49MsY
真美「おっ、ほほーう」

足元手前の幼な子の目が不敵に光る。

真美「これはお目が高いですなあお兄様、この真美めがじゅーよーきみつを教えましょうぞ」

時代劇の悪代官にすり寄りへつらう越後屋みたいな声色で、情報を提供すると伝えてくれた。
せっかくなので僕も調子を合わせて答えてみる。

岬「大儀であった。よし、そちの知りえるところを語ってみせい」
真美「ははーっ、それではこれよりサッカー部のキャプテン、あまとうについて語らせていただきまする」
岬「あまとう?それって天ケ瀬冬馬さんの事」
真美「さよう、我らのうちではないないにて、その天ケ瀬とやらをあまとうと呼ぶのがしきたりであります」
あずみ「我らって、そう呼んでるのってあんたと亜美だけじゃない。無駄話は辞めて要点を早く」
真美「やむを得ませぬ。あずみの姐御のたってのおおせ、それでは述べまする。
   実はあまとうの奴、姐御に負けず劣らずのゲームマニアだそうで」

274 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:25:49 ID:nTW49MsY
岬「あずみちゃんと同じぐらいかあ。それは凄い(奇行的な意味で)」
真美「実際にあまとうの家まで出向いてこの目で見ました。奴は家に入った真美に茶菓子をふるまった後、
   見た事もないゲーム機を取り出して褒めたたえた後、ゲームプレイを強いたのでございます」
亜美「ゲーム機?面白かった?」
真美「あまとうが鼻高々にすすめるだけあって、中々に歯ごたえがありました。
   絵もそこそこキレイで、熱中するのもわかる気がいたします」

あずみ「それってどんなゲーム機、どんな会社が作ってた?」
真美「あまとうのゲーム機は今まで見た事がございませぬ。会社の名前は散々申したようでありますが。
   この真美。しっかりと聞き流しておりました。ですが、ゲーム機の名前は見覚えがございます。たしかSG‐1000だったか」
あずみ「SG‐1000?聞いた事ないわ。岬君や亜美は?」
岬「いや、日本でもそんなゲーム機は聞いた事がない」
亜美「ぜんぜんない。ホントにそんなゲーム機あるの?」
真美「あるってば、あ、もうめんどくさいから普段どおりに話すよ、でも真美も他の場所で見てないんだよ」

*天ケ瀬冬馬がとある会社のゲームマニアである事が判明しました。

275 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:30:18 ID:nTW49MsY
第8話『Game Console Wars in 1983』



こうして、まるで幽霊のような幻のゲーム機、SG‐1000について他愛もない話を交わしながら、
僕と少女と童女2人で真夏のパリの街歩きを楽しむ事ができたのであった。

そうしてしばらく歩いてとあるアパルトマンに入った。両親共に仕事中なのか、部屋には誰もいない。
姉妹に連れられて彼女達の部屋に招待される。
ツインベッドの隣に座布団が敷かれ、その上には白い布が何物かに覆いかぶさっている。
この布の中に新しいゲーム機があるのだろう。

あずみ「うふふ、これが真美ちゃん亜美ちゃんの愛しのゲーム機?」
真美「そのと→り!あずみお姉ちゃん、岬兄ちゃん、見て見て→!」
亜美「これが亜美達のお気に入りゲーム機!」


共に片膝をつき、口真似で効果音を発しながら、バッと布を取り上げた。



真美亜美「「コレコビジョン(※)で→→→す!!」」



参考:コレコビジョン
https://ja.wikipedia.org/wiki/
%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3#/media/File:ColecoVision.jpg

276 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:31:24 ID:nTW49MsY
インテリビジョンを黒く塗ったようなゲーム機だ。インテリビジョンにあったゆったりとした
家具のような趣きは無くなり、かわりにずっしりとした武骨なつくりが、
自分は高性能なゲーム機だと無言で訴えているような気がした。

真美「どーだ!カッコいいだろ→!」
亜美「ゲーム屋で一目見て分かったよ、これは凄いって!それで実際にプレイしたら
予想通り面白かったよ!」
岬「(ん、カートリッジの差込口の下に、別の差込口がある。これは何だ?)」

キャッキャと自慢の宝物を披露する双子姉妹。
ゲーム機を見回し、その形状について考察する僕。
そのせいで気付くのが遅れてしまった。

あずみ「……どうして……」
真美「あずみお姉ちゃん、早くゲームしよう!」
亜美「絶対お姉ちゃんも気に入るよ!」

青くなった顔、震える手、目頭にまたたきだした光。そして、



あずみ「どうしてコレコなんて買うのよおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」



彼女の、怒りに。

277 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:33:13 ID:nTW49MsY
あずみ「何であんた達がコレコなんて買うのよ!あんた達だけはそんな事しないって思っていたのに!」
真美「え?え?ええっ!?」
亜美「な、なんであずさお姉ちゃん、そんなに怒ってるの!?」
あずみ「アタリの成果をパクってばかりいるからよ!
    アタリのゲームを遊べるモジュールなんて勝手に作るなんて!
    あれのせいでどれだけ客がアタリから盗られたと思ってるのよ!
    母さん達も裁判でどれ程引っ掻き回されたか……!それだけじゃない!母さんから聞いたけど、
    今度アタリ2600のコンパチハード『コレコジェミニ』まで売る予定だそうじゃない!
    どこまで人をコケにすれば気が済むのよ!」

最後には絶句して顔を上に向けている。まるで真美と亜美がコレコビジョンの開発責任者でも
あるかのような口ぶりで、怒りの様を思うままぶつけていた。

あずみ「信じてたのに……」

顔を下ろすと、あずみの顔はさめざめと涙が流れていた。姉妹はギョッとしてすくんでいる。

あずみ「信じてたのに!あれだけアタリゲームに熱中していたあんた達ならそんな事しないって信じてたのに!
    もういい!あんた達には新しいゲーセンマシンも、次世代機アタリゲーム機でも遊ばせてあげないんだから!」

岬「(マズい!)」

278 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:34:30 ID:nTW49MsY
僕は感じた。このままでは間違いなくあずみはこの家を去る。

そしてこのままではこの姉妹との関係性は修復不可能となるだろう。
それだけではない。今後あずみと会うと必ずゲームの「党派性」を問われる事になる。
そうすればこの姉妹との関係も悪くなるし、ひいては学校内の評判も悪くなる。
かといってあずみを見捨てる訳にもいかない。彼女をぞんざいに扱えば、今度は同年代の
評判が悪くなるかもしれない。日本人学校の規模を考えると、サッカー部にまで
悪評が達するのもそう遠い事ではない。
だがこれで対処を誤ると怒りの矛先がこちらに向かい、より悲惨な事態に陥るかもしれない。

岬「(ゲームしに来てこんな修羅場になるとは思わなかった。ともかく、どうする!)」

グズグズしている暇はない。とっさに出した僕の結論は……


A あずみを追いかける(さらに分岐)
B この場に留まり、姉妹から事情を聴く
C 岬「待てっ!」 できる限りの大声であずみを呼び止める
D 岬「ゲームは面白いかどうかだよ。一度実際にプレイすればいいじゃないか」道理を説く
E 岬「アタリのソフトで一番売れたゲームソフトは?初めて出たソフトは?」質問を投げかけて頭を冷やさせる
F その他、自由回答(要3票)

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

279 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 18:36:11 ID:nTW49MsY
あずみから始まったゲハ戦争の対処を考えているところで、今日はここまでにします。

>>271
その通りです。たまたまその記事を見て吹いたため、ネタに使ってみましたw

280 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 18:56:57 ID:???
うわあ、序盤でこんな修羅場とは…
このスレで八方美人を目指すのはやめといた方がいいな

281 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 19:03:46 ID:iNj+y+Vk


282 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 19:19:45 ID:???
ゲハ戦争って面倒くさいな、おい
そもそもアタリ創始者のブッシュネルもゲームやプログラム基盤の盗作とかしてるんだがあずみには納得は出来んのか

283 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 20:26:44 ID://eVeGXs
A

284 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 22:06:56 ID:nTW49MsY
少々展開についての注釈と、分岐展開の選択肢公開のため、もう数レスだけ投稿します。

>>280
確かに修羅場となりましたが、先程の選択肢でも両者を上手に和解させる選択肢はありましたし、
「関係性は修復不可能」というのもあくまであずみ・双海姉妹だけでの事であって、岬などの
第3者が仲介となって心を解きほぐしていく事で、解決は可能になります。
さらにいえば今後のイベントの都合上、来年(スレ内時間)の夏頃に和解のチャンスが訪れますので、
まだまだ諦めないでください。

>>282
ネタバレになりかねないのであまり詳しくは言えませんが、ここでは2つ、
83年8月当時の状況が背景にある事、
岬とプレイしたフロッグアンドフライがサードパーティ製のゲーム
(Mネットワーク)であるように、偏執的な優越心によるものでは無い事を、ここで申し上げておきます。

285 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/15(日) 22:10:16 ID:nTW49MsY
A あずみを追いかける(さらに分岐)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

先着で
★岬、あずみを追う 21+! card+(双海家初訪問‐1)★
★あずみ、泣き走る 14+! card+(激情+1)★
と書き込んで下さい。数値差で分岐します。!との間のスペースは埋めてください。

【岬】‐【あずみ】
X≧6→部屋から出る前にあずみを捕まえられた!
4≦ X<6→双海家内であずみを捕まえた! (岬の選択肢判断あり)
2≦ X<4→屋外であずみを捕まえた!(さらに分岐)
0≦ X<2→あずみを掴むもTシャツが勢いで脱げた!あずみは下着姿のまま逃げてしまった……(岬の選択肢判断あり)
X <0→あずみに逃げられてしまった……(双海家に戻ります)

ただし、岬がクラブA〜3を出してしまった場合「双海ツイスト」が発動され、足止めされてしまいます。



それでは今度こそ、失礼いたします。

286 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 22:38:51 ID:???
★岬、あずみを追う 21+ ハート7 +(双海家初訪問‐1)★

287 :森崎名無しさん:2018/04/15(日) 22:39:21 ID:???
★あずみ、泣き走る 14+ ハート6 +(激情+1)★

288 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:10:55 ID:HA8Joy+M
★岬、あずみを追う 21+ ハート7 +(双海家初訪問‐1)=27★
★あずみ、泣き走る 14+ ハート6 +(激情+1)=21★
X=6→部屋から出る前にあずみを捕まえられた!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
激高した少女はクルリと後ろを向く。やはり立ち去ろうとしている。

ダンと荒く右足を踏みしめ脚をあげようとするところを、まず肩を掴み次いで両脇に僕の腕を挟み込んで抱き止めた。

あずみ「離して!」

かき抱いた僕の腕を振りのけようと、手足をばたつかせてもがく。
僕はただ黙って混乱している少女を抱き締め動きを抑える。心乱れている時は落ち着くまで待つのが良い。
多少の傷はつくかもしれないが、今後の目標のための、いたし方ない犠牲だ。

あずみ「いや、いや、離して、どいて、あたしは、アタリなんだ。あたしには、アタリしかないんだ……」

289 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:12:41 ID:HA8Joy+M
それから何分たったか。泣きながら暴れるあずみに対し、時には圧迫し、またある時は重心を
ずらして動きを乱れさせ、すったもんだと立ち乱れた後、とりあえず大人しくさせる事ができた。
落ち着いたあずみは火の消えたロウソクのように、活気どころか生気もなくうつむいている。
そのあずみと向かい合う形になっている姉妹も、「自分たちがあずみお姉ちゃんを傷つけた」
と思っているのか、罪悪感あふれた表情で黙って座っていた。

あずみ「……あたしはアメリカのサンフランシスコの南にある、サンタクララって街で生まれた」

唇の間から漏れ出るようなか細い声で、言葉を発しはじめた。

あずみ「母さんはその頃からアタリで働いてた。あたしを背中でおんぶしながら、
    ゲーセンで使う機械の基盤を設計したり、筐体を組み立てたりしてたんだって。
    周りの人達はみんなマリファナ吸って、大声で歌ったり騒いだりしてうるさかったって、
    楽しそうにあたしに話してくれた」

身の上話を耳にして、姉妹も僕も神妙な面持ちとなる。重要な情報だ。しっかり覚えておかなくては。

あずみ「あたしが7歳の誕生日に、母さんからプレゼントでアタリVCS、今日プレイした2600をもらったんだ。
    やっとプレゼントができたぞーって言ってね。母さんはアタリ2600の開発者の1人だったから、
    その頃は毎日いつ寝てるのか分からない位遅くまで頑張っていたわ。
    VCSを手に入れてから、外ではゲーセン家では2600で毎日遊んでた。
    新しいゲームができる前、テストプレイで何十個のゲームをプレイできた。
    あたしの背丈が大きくなった頃から、アタリ以外の会社のゲームも出てきた。毎日楽しかったわ」

母の活躍を語るあたりから、あずみの顔に幾分か生気が戻ったように見えた。
が、それもつかの間だった。

290 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:14:35 ID:HA8Joy+M
あずみ「でもその頃から母さんは辛そうだった……アタリの偉い人達はバカな事ばかりしてるって。
    ゲームを作るプログラマーさん達を何人もクビにしたり、
    クリスマスに間に合わせるために開発途中のゲームを売り出させたり。
    母さんは何回も反対して偉い人に直談判までしたんだけど、結局ダメ。
    それで母さん、このフランスに飛ばされちゃった。母さんがリーダーになってた次世代機開発をはずさせられて。
    母さん。大泣きしてた。どんなに仕事がきつくても涙どころか、疲れた顔さえ見せてなかったのに……」

あずみ「その後、フランスへ行く準備をしている間にどんどんアタリの調子が悪くなっていった。
    毎日毎日山のようにゲームソフトが店から帰ってきた。毎日どこかの支社か直営店が店じまいしてた。
    1年前に100ドルで飛ぶように売れてたアタリ2600が、今は40ドルでも売れなくなってた。
    売れないゲームソフトをトラックに満載して砂漠に捨てたって噂もある。
    小さいあたしでも分かったわ。このままじゃアタリが無くなっちゃうって」

岬「(そうか。初対面の僕にお金まで出して熱心に勧めていたのは、このためか)」
真美「あずみお姉ちゃん、ごめんなさい……」
亜美「そこまで、あずみお姉ちゃん、が追い詰められてた、なんて、思わなかったよ……」

話を続けるにつれ、哀愁が姉妹にも伝わって来たらしく、暗い面持ちになって謝りだす。
あずみは気づいていないのか、答える元気がないのか、返事をせずに言葉を発し続ける。

291 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:15:52 ID:HA8Joy+M
あずみ「アタリが無くなるなんて嫌だ。ビデオゲームを創ったのはアタリなんだ。
    アメリカ中のテレビをコンピューターゲームに変えたのはアタリなんだ。
    テレビの中でなんでも出来る、なんにでもなれる世界を作り出したのはアタリなんだ……」

最後はぼそぼそとした声でつぶやきながら、おもむろにあずみは立ち上がった。

あずみ「ごめんね真美、亜美、あんた達は何にも悪くない。あたしがバカなことを口走っただけ。
    アタリに愛想を尽かしてなかったら、またゲーセンでプレイしても良いしあたしの部屋に来てもいい。
    あのゲーム機だって性能は良いし、好きになるのも無理はないわ。でも」

ふらふらと後ろを向いて部屋を出ようとしている。先程とは異なり、僕はあずみを止めようと
する気にはなれなかった。今触れると粉々にあずみの体が砕ける。幽霊のように動くさまを見て、
そう思ってしまったのだ。

あずみ「あたしはアタリのゲーセンとゲーム機のゲームしかやらない。
    あたしからアタリが消えるなんて、あっちゃいけないんだ」

返事も待たず目を向けもせず、あずみは玄関を出て、家から消えてしまった。

僕も真美も亜美も、何もそれ以上口に出せなかった。

292 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:17:03 ID:HA8Joy+M
それから何十分たっただろうか。結局ゲームどころではなくなり、僕も双海家を出る事になった。

真美「それじゃあ、岬兄ちゃん、またね。せっかく来てくれたのに、真美のせいでこんなことになってごめんなさい」
亜美「あんなあずみお姉ちゃん初めて見たよ、亜美たちどうすればいいんだろう」
岬「真美ちゃん亜美ちゃん安心して。あずみちゃんも言ってたよ。2人とも悪くないって。
  そんな湿っぽい顔してる方が、ますます悲しむよ」

真美「そ、そうだね。次会うときまでに元気になってるよ」
亜美「兄ちゃん、またここに来てくれる?今度こそ一緒にゲームしたいと思ってるんだ。
   お姉ちゃんの気持ちも分かるけど、やっぱりコレコのゲームも遊びたいから」
岬「うん、また近いうちに遊びに来るよ。それじゃあね」

こうして、波乱に満ちた今日のゲーム体験は終わったのであった。


岬「(これもゲームの魅力、と言えるのかな。深くのめりこむからこそ悩み、苦しみ、悲しむ。
サッカーがただの球蹴りで終わらないように、ただの物理的運動で終わらない、人の心に響く
ところがあるからのめりこむ……覚えておこう)」

293 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:18:26 ID:HA8Joy+M
今日の事から教訓を引き出そうと思考を働かせながら、帰路途中にヴォルテール通りへと戻る。
あのアタリのゲームセンターを通りがかりながらふっと横を見ると、向かい側のビルに
横断幕が掲げられていた。1階はガラス張りで中が良く見え、その中はアタリと同じような
ゲーム筐体が幾つも並べられている。そして横断幕には、こう書かれていた。


9/17,NAMCOLAND L'ouverture!


岬「(L'ouverture、たしか「開店」って意味だったな。それであの内装、となると)」

フランスでもあずみの苦悩はなかなか収まらないだろう。
少女の状況にただ同情するばかりであった。


*岬の訪問可能な場所に「アタリフランス」「双海家」が追加されました!
*人間関係について、以下の関係・変更が追加されました!

真美・亜美→(姉的存在)→あずみ
真美・亜美→(あずみの友達)→岬
あずみ→(手のかかる妹)→真美・亜美

294 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:21:49 ID:HA8Joy+M
というところで今日はこれまでにします。次回はトレーニングの選択から始めます。
ちなみに1983年9月17日は9月の第3週にあたります。

今更ながら気づきましたが、ここまで書いてようやく、
アイドルマスター出身キャラクターの紹介を全くしていませんでした。
かつて森崎板で東方をからめた外伝が発表され始めた頃、各キャラクターの簡単な説明がされていましたが、
ここでもアイマスキャラの説明は必要でしょうか?

295 :森崎名無しさん:2018/04/27(金) 20:27:42 ID:???
お願いいたします。

296 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/28(土) 22:23:04 ID:EwNUVF4U
これからこのスレにて登場してきたアイドルマスター出身キャラクターについて
紹介させてもらいます。ただこのスレ主は基本悪い意味でいい加減、興に乗ると自分勝手に
空を飛ぶような性格ですので、「またバカなこと言ってるぜハハハ」と笑い飛ばしながら
おおまかなイメージを掴むぐらいにして読み飛ばしてください。


・天ヶ瀬冬馬
 アイドルマスター2(以下アイマス2)初出の男性アイドル。主人公勢のアイドル事務所「765プロ」と
 敵対する「961プロ」に所属していた(その後移籍したそうですが省略)。
 馴れ合いを嫌い、口は悪いが曲がった事が嫌いで「勝負事には常に正々堂々と挑む熱血漢」
 それでいて趣味がフィギュア集めだったり、
 3回対戦で2勝先取勝利のアイドルランクアップフェスティバルで必殺技的なものを使い切ったりと、
 孫臏先生大歓喜な戦法を取っちゃったりする方です。
 (現実の男性アイドルを全然知らないので)ゲームで例えると、目指しているのは
 グラディウスみたいなクールでカッコいいアイドルなんだろうけど、期せずしてにじみ出るとぼけた感じがいい感じ。

・双海真美
 双海亜美とは双子の姉。アーケード版アイドルマスターからのメンバーであり、若干12歳
 (このスレの世界では8歳)。キャプテン翼の立花兄弟のように大抵双子キャラは
 キャラクター節約の為に大した区別をつけてもらえないケースが多いように思えますが、
 こちらの双子は見た目こそ変わらないものの、声質や仕草なんかで不自然にならない程度に
 差別化を図り、続編のアイマス2では髪型も変わり、前作では亜美の影武者扱いから
 1人前の選択可能キャラクターとなった子。まるで徳川家康や句践です。

297 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/28(土) 22:26:05 ID:EwNUVF4U
・双海亜美
双海真美とは双子の妹。真美もそうだが、良くも悪くも子供要素が強く、遊び・イタズラ好き。
真美もそうだがゲームが好きらしく、初期設定ではゲームボーイアドバンスで遊んでいるそうな。
このスレではおそらくゲーム&ウォッチになるでしょう。
この双子姉妹を書いている時は書きやすくて楽しかったです。

・音無小鳥
765プロの事務員。年齢と過去話は禁句の若干2(この文言は消去されました)歳。
彼女が仕事に使っているパソコンがMSX2+ではないかという噂から、このスレでは
魂の半分をゲームに捧げる残念美人さんとなりました。(残り半分は同性間の乗算研究)
あと、このスレで真美と共に、近々不定期の幕間劇を行ってくれるそうなのでお楽しみ。

(アイドルマスターをよく知る前は、機会あるごとに女の子の体をタッチしたり、ネタ回答を選択したりして反応を楽しむ
ギャルゲー版『ロウオブザウェスト』みたいなゲームだと思っていたのは内緒ですよ)

それでは、これより投稿をほんのレスですが、開始します。

298 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/28(土) 22:32:20 ID:EwNUVF4U
(今月の自由行動枠を全て使ったので、サッカー練習に入ります)

A ドリブル:21 少し上がりやすい
B パス: 22 少し上がりやすい
C シュート:19 少し上がりやすい
D タックル:19 少し上がりやすい
E パスカット:21 少し上がりやすい
F ブロック:20 少し上がりやすい
G せりあい:19 少し上がりやすい
H ガッツ:700 少し上がりやすい

*(初期状態の上昇ポテンシャル。()内はガッツ)
・上がりにくい
JOKER→1+&必殺技のフラグ習得!
11〜13→+1! (+5)
1〜10→効果がなかった

・少し上がりやすい
JOKER→+1&必殺技のフラグ習得!
9〜13→+1! (+5)
1〜8→効果がなかった

・凄く上がりやすい
JOKER→+2&必殺技のフラグ習得!
13→+2! (+10)
7〜12→+1! (+5)
1〜6→効果がなかった

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

299 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/28(土) 22:38:13 ID:EwNUVF4U
思ったより遅くなってしまったので、今日はここまでにします。
5月3日からの4連休では帰省しますので、良くて最終日に幕間劇を
投稿できるかどうかという所です。

ル・エストでの早乙女母娘みたいな、他作品マイナーキャラ(母親の方は
かつては有名だったのですが昔過ぎるので)も紹介は必要でしょうか?

300 :森崎名無しさん:2018/04/28(土) 22:39:28 ID:Ip9MZunw
H

301 :森崎名無しさん:2018/04/28(土) 22:43:44 ID:4p/fM6Fg
H

302 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 09:37:18 ID:K3Jg4K+Q
H ガッツ:700 少し上がりやすい
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先着で ★83年8月4週1回目のガッツ練習(少し上がりやすい)→! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。数値で分岐します。

JOKER→+10!
9〜13→+5!
1〜8→効果がなかった

303 :森崎名無しさん:2018/04/29(日) 10:24:18 ID:???
★83年8月4週1回目のガッツ練習(少し上がりやすい)→ ダイヤ4

304 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 11:53:29 ID:K3Jg4K+Q
★83年8月4週1回目のガッツ練習(少し上がりやすい)→ ダイヤ4 ★
→効果がなかった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(時間の都合により、練習描写は後でまとめて行います)

A ドリブル:21 少し上がりやすい
B パス: 22 少し上がりやすい
C シュート:19 少し上がりやすい
D タックル:19 少し上がりやすい
E パスカット:21 少し上がりやすい
F ブロック:20 少し上がりやすい
G せりあい:19 少し上がりやすい
H ガッツ:700 少し上がりやすい

*(初期状態の上昇ポテンシャル。()内はガッツ)
・上がりにくい
JOKER→1+&必殺技のフラグ習得!
11〜13→+1! (+5)
1〜10→効果がなかった

・少し上がりやすい
JOKER→+1&必殺技のフラグ習得!
9〜13→+1! (+5)
1〜8→効果がなかった

・凄く上がりやすい
JOKER→+2&必殺技のフラグ習得!
13→+2! (+10)
7〜12→+1! (+5)
1〜6→効果がなかった

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

305 :森崎名無しさん:2018/04/29(日) 12:50:45 ID:nI852qrc
A

306 :森崎名無しさん:2018/04/29(日) 14:44:37 ID:TULMcdrw
A

307 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 15:42:08 ID:K3Jg4K+Q
A ドリブル:21 少し上がりやすい
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先着で ★83年8月4週2回目のドリブル練習(少し上がりやすい)→! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。数値で分岐します。

JOKER→+10!
9〜13→+5!
1〜8→効果がなかった

308 :森崎名無しさん:2018/04/29(日) 15:53:29 ID:???
これガッツじゃね?
★83年8月4週2回目のドリブル練習(少し上がりやすい)→ スペードA

309 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 15:59:28 ID:K3Jg4K+Q
すみません、ガッツの所から転載して、訂正を忘れてました。
どうかこちらで引き直してください。

先着で ★83年8月4週2回目のドリブル練習(少し上がりやすい)→ ! card ★
と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。数値で分岐します。

JOKER→+1&必殺技のフラグ習得!
9〜13→+1!
1〜8→効果がなかった

310 :森崎名無しさん:2018/04/29(日) 16:31:24 ID:???
★83年8月4週2回目のドリブル練習(少し上がりやすい)→  ハート7

311 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 19:23:39 ID:K3Jg4K+Q
★83年8月4週2回目のドリブル練習(少し上がりやすい)→ハート7 ★
→効果がなかった
――――――――――――――――――――――――――――――――――
僕がアタリを訪れてから数日後、すっかりお馴染みの練習場になった
シュッセ運動場へとやってきて、体力づくりとドリブルの練習を行った

タッタッタッ……
ザッザッザッ……

だが、どうもサッカーの練習というより、ただの脚の上下運動にしかなってないような
気がする。

岬「(だめだ、どうも気がのらないな。今日は早めに切り上げて帰ろう)」

見切りをつけて練習を家に帰る。家に帰ってみると、部屋の境のふちに
僕と父さんの「衣装」が吊るされていた。

チフォネリの細いストライプの紺の背広。宝石のようなきめ細かな輝きを放つ
ジリのネクタイ。履いただけで紳士に見えるであろうオーベルジーの革靴。

日本にいた頃から父さんがその地方その業界の名士と会う際の、話を和ませるための一種の小道具として、
また将来の人脈づくりの布石として、たびたび荘重な礼服を着用して出かけている。

岬「もう新しいのが届いたんだ。今度は誰に会うの?」
岬父「まずは日本での『党本部』との顔つなぎをしないといけない。
   相手はジャコブ・マルシェ(Jacob Marchais)。
   パリ特別市党第一書記であり」

ここで父さんは一旦言葉を切り、そしてしてやったりといった顔になって、告げた。

岬父「フランス共産党書記長、ジョルジュ・マルシェ(Georges Marchais)の弟だ」

312 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 19:24:58 ID:K3Jg4K+Q
フランス共産党の大物と会う、という事が分かったところで、本編の投稿を終わりとします。
ただ、もしかしたら幕間劇は投稿できるかもしれません。

313 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 20:36:36 ID:K3Jg4K+Q
それでは、幕間劇がはじまります。ここに出てくる人達は本編とは一切関係ありません。
この投稿をもって、この3連休及び次の4連休中の投稿は終わりです。

それにしても元ネタマイナー過ぎるかな……



1983年、どこかの平行世界の東京都大田区池上某所の某社前にて





真美「真美ちゃんと→」
小鳥「お姉さんの」
真美・小鳥「ゲームなぜなに講座ー!」







314 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 20:38:00 ID:K3Jg4K+Q
真美「ピヨちゃんピヨちゃん!」
小鳥「なあに、真美ちゃん」

真美「どうしてパックマンとかギャラクシアンとかポールポジションとか、アタリにはナムコのゲームが多いの?」
小鳥「それはね、真美ちゃん。1974年、まだナムコが中村製作所って呼ばれてた頃からはじまるわ。
   アタリの日本支社であるアタリジャパンを買収してから、ナムコとアタリの関係がはじまったのよ。
   そしてそれが、ナムコの飛躍に大きく貢献する事になるわ」

真美「へえ→どうして?」
小鳥「アタリジャパンを買収した後、ナムコはアメリカから運ばれてくる
   アーケードゲーム筐体内のコンピューターボードの修理や、
   ちゃんと直ったかどうかのテストプレイ、どんなゲームかを説明するための説明書作成をしていたの。
   説明書には元々は無かったキャッチフレーズやコメントまでつけてね。
   当時最先端のゲームに触れていったから、ナムコの開発部の技術力もモチベーションも、
   そしてナムコ全体の勢いも上がっていったわ。
   後にパックマンを生み出した岩谷徹さんはこう言いました。
  『当時勢いがあったアタリ社製ゲームの販売ができるというのは、実質上、日本国内のビデオゲーム市場を手中に収めること
  (中略)ゲーム性・アイディア、デザインなどすべての面でカルチャーショックを受けたのです』」

315 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 20:39:45 ID:K3Jg4K+Q
真美「へえ→ナムコの発展の陰に、アタリがあったんだね→」
小鳥「そうよ真美ちゃん。それからナムコはアタリをライバルにして頑張ったわ。また岩谷さんの言葉を借りるけど、
  「「1980年代前半のライバルはアタリです。
  『アタリのような、新鮮でどこにもない発想のゲームをつくる』というのが、ナムコ社内の目標だったのです。
   当時は、アタリの新作が登場するたびに良い刺激を受けたものです」ってね。
   その後も、アタリジャパンの元社長さんをナムコアメリカの社長にしたり、それから……
   って、これ以上はネタバレになるわね」

真美「う→ん、でも、そもそもキャプテン翼ベースのこのスレで、こんなにゲームの話題を取り上げていいのかなあ」
小鳥「大丈夫よ真美ちゃん。詳しい事はまだ言えないけど、岬君の選択いかんで、
   世界のテレビゲーム史が激変するし、岬君のサッカー人生にも大きく関わってくるの。お楽しみにね」
真美「わあ→い、楽しみだな→!」


チャッチャラチャッチャーチャッチャ ドンッ

  ┌───‐、   ┌‐──‐、 ┌─────‐ 、  ,.‐───┐ , ───‐ 、 (R)
  l ┌─┐ │  ニニニ  | | ┌‐┐ ┌‐┐ ! !  r─‐─┘ | ┌─ ┐ │
  |  |  │ | i'´┌─┐ | |  |   |  |   |  | |  |        | │   │ │
  |  |  │ l ヽ.└─┘ | |  |   |  |   |  l ヽ.  ̄ ̄ ̄| ヽ.  ̄ ̄ ノ
    ̄    ̄    ` ̄ ̄ ̄   ̄    ̄     ̄   ` ̄ ̄ ̄      ̄ ̄ ̄


316 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/29(日) 20:42:34 ID:K3Jg4K+Q
以上で幕間劇は終わりです。

岩谷さんの発言については著書岩谷徹「パックマンのゲーム学入門」より引用しております。


317 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/03(木) 03:05:13 ID:ueDOSdyE
僕の父さんは変わっている。
ネクタイを締めながら父さんを見て、つくづくそう感じる。

息子1人を連れて日本中を周り、自分の名で個展を開いていけるにもかかわらず、
巧みに名画家の絵を新しく「作り上げ」て発見したとしてにわか画商で売りさばいたり、
父さん言うところの仕事仲間を集めてお金持ちを集め大金をせしめたりしている。

僕の名前をつける時も、その特性を存分に発揮したらしい。
前に名前の由来を尋ねた時は、「波瀾万丈の人生、名前位は平凡な方が良い」と
分かったような分からないような理由を淡々と語ってくれた。

こうした変哲な父さんの特徴から最も訳が分からないのを挙げるとすれば、
父さんが共産党員だ、と言う事だろう。

318 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/03(木) 03:42:18 ID:ueDOSdyE
共産党。

デモやストの音頭をとったり、鉄のカーテンの向こう側の人達と和やかに
話し合っていたり、時々思い出したようにどこかからかのタレコミを元に
国会で色々追求したりする、アレの事だ。

机によく党員証とバッジが転がっていて、時々その筋の人が来て声高に
「業界用語」を並べ立てていたのをよく覚えている。

僕の友達の間で話題になることはただの一度も無かったし、父親母親もほとんど無かった。
まれに語られた時の場の引いた様子から、子供ながらに世間での空気を察する事ができた。

そんなところに入っても、父さんは父さんだった。

赤旗を振り回したりデモについていったところなんか、見た事も聞いた事もない。
党の偉い人の頭の固さしつこさ一人よがり二枚舌ぶりは、百ダースは聞かされたと思う。
「幽霊を見に行こう」とどこかの大学に連れられて、学生さんが素通りする中
叫んで演説する人を見物もした。
父さんの友達の家に上がった時は、ミヤケンがバカ言った、大作がまた勲章増やしたと
互いにのトップの馬鹿話を酒のつまみにして盛り上がっていた人だ。


319 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/03(木) 04:29:07 ID:ueDOSdyE
一度、なんで共産党員やっているのか尋ねたら、
父さんは人は何故煙草を吸うのかと僕に聞き返してきた。

父さんは言う。年中人をイライラさせ喉や肺を痛めつけるにも関わらず、皆吸い続けるではないか。
共産党は父さんの煙草である。

煙に巻かされた言葉を懐かしく思い出すと同じ頃、届いたばかりの正装一着、
ピシリと着こなす自分の姿を眺めていた。
格式高くも肩肘張るところがない。整った色合いが僕の心を落ち着かせ、
クラシックなつくりがそよ風のように心の中へふきこみ、威厳と矜持を与えてくれていて、
何百年も続いた名家の子、といった出で立ちになる。

この姿になった僕が、一番好きな自身の姿だといつも思う。
これが理想だ。この立居振る舞いで自分の利益をつかみながら、他人には気取られるどころか
そうある事で魅了されたい。こうして眺めている事でもう、そうなったような気になり、
心の底から満たされていくのである。

320 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/03(木) 04:36:59 ID:ueDOSdyE
帰省で夜行バスに乗っていますが、全然眠れないので、ここまで書いてみました。

ちなみに315の末尾の名状しがたい何物かは、
mamcoロゴです。ワードの転載じゃ駄目だなあ。

321 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/13(日) 22:33:02 ID:???
パソコンで見たら、全く問題なくnamcoのロゴが表示されているのに気づき、
気まずくなったスレ主です。
執筆に難航しており、今週は投稿を休みます。

代わりに今ゲームしたい二次創作ゲームを一言紹介して終わります。

FC風『無尽合体キサラギ』
https://www.youtube.com/watch?v=LQup2UJtm9A
 FC風というよりPCエンジンHUカード風といった風なロボットアクションゲーム。
ゴエモンインパクトや暴れん坊天狗ばりに自機ロボットで躊躇なく街を破壊する
快感を味わうだけでも一見の価値あり。

MegaMan X: Corrupted - Weapon Factory
https://www.youtube.com/watch?v=ZId-ykThO2U
 ロックマンXの二次創作ゲーム。滅多に更新されないので歯がゆいですが、
音楽、グラフィック、何より敵キャラのそれらしさは公式とも引けを取りません。
これこそロックマンXのあるべき方向性をとらえていると言っていい作品。
X5あたりから敵キャラ数が寂しくなったし、クールでリアルな感じが無くなったし……
早くカプコンはこれを認可して発売するんだ!



322 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/26(土) 20:41:34 ID:QYGgiLiY
まだまだ頑張って次を書いていますが、テーブルマナー等が
分からず、難渋しています。仕事の都合やスクランブルなどのレトロゲームの
やりこみで時間がなくなってしまったという失態もあったのですが。
遅くとも来週には投稿が再開できると思いますので、もうしばらくお待ちください。


第8話で問題になったコレコビジョンのモジュール。
以下の動画の30秒目程から紹介されてます。

https://www.youtube.com/watch?v=6W4RIOeZJfk

さも当然のようにアタリのゲームが使えますとテレビCMで流しちゃう神経と
それが通じるアメリカ社会に乾杯。

323 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:07:05 ID:4HTfgGS2
第9話『赤い世界への道』



服を着替え、外に出る。アパルトマンの階段を降りると、目の前にはタクシーが停まっている。

岬父「ルドワイヤンへ。シャンゼリゼのロン・ポワンの角の」

運転手への指示を横目にして、後部座席へ乗り込む。

岬「今日会う人とは『お仕事』、それとも『付き合い』」

岬父「両方だ。今日は初対面である以上。まず顔合わせが必要、それ程込み入った話にはならないはずだ。
   それと、その相手にお前の事を伝えておいたら、ぜひ来てくれと言っていたよ」

岬「僕に」
岬父「ああ、プレゼントもあると言っていたな」

パリの党第一書記が異国の小学生に何のプレゼントか。そう思って尋ねてみたが、
知っている訳が無いだろうと一笑にふされてしまった。

移動の間の短時間で相手の意図もプレゼントの中身も分かるはずがなく、目的地のルドワイヤンへたどりついた。

パリには珍しいレストラン前の駐車場で降りる。レストラン前とは言ったが、これまた
珍しい事に、ちょっとした大きさの公園で見られるような遊歩道と樹木が見られる。
悠々と木々の風を感じながら歩いて、ルドワイヤン正面へたどりつく。

岬「(なるほど)」

紳士のいで立ちで出向いた訳だ。この建物はレストランという事だが、
小さな劇場か音楽会場かといったような趣向のつくりになっている。
悠々とした会食をするに相応しい場所だ。

324 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:09:00 ID:4HTfgGS2
ドアマンに案内されてルドワイヤンに入る。予約の確認が済んだ後、今度は食事の用意が出来るまでと、
ウエイティングコーナーへと案内された。細かい柄の絨毯、壁の美しい装飾、
落ち着いた明るさの照明が部屋に満たされている。

芸術的な待合室の様子にうっとりとしかかっていると、
部屋の中央近くの椅子で葉巻をくゆらせている壮年の紳士を見かけた。

顔つきは長嶋茂雄をフランス人にして、社交界の風に慣らした風といった方が良いだろうか。
眉は濃く目鼻の彫りは深く、貫録がありながらもどこか飄々とした風を漂わせている。
何やら雑誌を読んでいるようだが、僕らに気付くとパタリと閉ざし、
にこやかな笑顔を向けて歩み寄ってきた。

紳士「ムッシューミサキ、遠路はるばるよくお越しになりました」
岬父「ムッシューマルシェ、こちらこそ一介の異邦人への心遣い痛み入ります」

鷹揚に遠方の客をねぎらう相手に、父さんは東洋的微笑を卑屈にみられない程度に浮かばせて
礼を返す。
この人が今日の会食の相手、パリ特別市党第一書記ジャコブ・マルシェその人なのだろうが、
この人もオーダーメイドのランパン・オン・ブルーのスーツを小粋に着こなし、
ピシリとしながらも華やかさを失わないオーベルシーの革靴でスラリと立つ様は、
とても「労働者階級の前衛部隊」指導者層のいで立ちとは思えない。

こうした思想的、社会階級的矛盾を目の当たりにしているうち、相手は父さんから僕の方に向かい、
親し気に僕へと話しかけてきた。

マルシェ「モン・プサン(※)、フランスへようこそ。君を見ると羨ましくなる、
     私も君ぐらいに聡明な子供だったら、もっと幸福な子供時代を過ごせただろうに」
岬父「いえいえ、愚息にそれは褒めすぎです。私ともども至らぬところばかりですよ」
岬「ど、どうも、初めまして。岬太郎です」


※:直訳は「ひよこ」、他人の子供を呼ぶときの愛称の1つ。

325 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:10:26 ID:4HTfgGS2
見慣れぬ外国人の相手に戸惑う態を見せ、声を堅めに返事をする。
年相応の純朴な子供だとさりげなく印象付け、余計な警戒を抱かせない仕草。
日本にいるころ年配者と相対する場面でこう振舞って歓心を得て心理的に相手の懐に入り込み、
父さんと共に肉体の懐にしまわれた財布を相手から差し出させてきた。

そんな一連の流れを見た相手は、一瞬にやりと笑った後、ハッハッハッと芝居気かかって笑い出した。

マルシェ「やはりです、ミサキの息子さんは大変素晴らしい。よく大人への礼儀をわきまえている」
岬「(えっ)」

見抜かれたか。しかしなぜ。

マルシェ「見知らぬ相手に浮かべる迷いと憂いの表情、ほんのわずかに外れる視線と声のトーン、
     そして失礼のないようにと緊張して体を強張らせる姿。
     さすがはミサキの愛息子。将来が楽しみだ」

よくやったぞといった様子で僕の頭を撫でた後、父さんの方へと向きなおして安心した
声音で語る。

マルシェ「これで安心しました。この歳でここまで自然に振舞えるならば、
     さぞ日本で『階級敵』から人民の資産を『取り戻した』でしょう」
岬父「いやいやまだまだ拙いものです。慣れない異国の地であなたの助けが得られれば何とか」
マルシェ「ご心配なさらずに。決して無下にはしません。おっと」

僕らの方へヘッド・ウェーターと思わしき人がいつのまにか近くに来ている。

マルシェ「続きは食事の場で行いましょう。今日の料理はさぞ美味になるでしょうな」

僕達の事はとっくに承知済みだった。このパリの偉い人も父さんとそう変わらない、変わり者らしい。

326 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:12:46 ID:4HTfgGS2
給仕「こちらドラモットのブラン・ド・ブランになります。料理が出来上がるまで、今しばらくお待ちください」

食前酒にシャンパンが(僕にはガス抜きの水が)運ばれ、並々とグラスに注がれる。
グラスが置かれたテーブルのクロスはアラベスク模様の白レースで、
下に敷いている深紅色のサテンも相まって、しっとりとした煌びやかさを放っている。
父さんとマルシェはウェイターに軽く会釈を交わした後、グラスを目の上に挙げる。

マルシェ「日仏社会主義の連帯に」
岬父「代わることの無い両党の友好に」

マルシェ「A votre sante」
岬父「ア・ヴォートル・サンテ」
岬「乾杯」

互いに視線を交わした後、すっと飲み干しグラスを空にする。
グラスをテーブルに置きちらりとウェイターの不在を確認した後、
相手はおもむろに懐から厚く膨れた封筒を取り出し、父さんに差し出した。

マルシェ「早速ですが、こちらを受け取っていただきたい。ここにあなたの仕事に不可欠な
     同志の住所、電話番号、職業、人脈等個人情報が記載されている」

父さんが封筒を開けると、何枚もの紙には全て達筆なフランス語がぎっちり詰まっていた。
文章をじっくりと熟読している間、僕はさりげないほほ笑みを浮かべながら、じっと黙っていた。
内容からして真っ当な仕事でない以上、迂闊に話すと迷惑になる。
気にはなるが相手が話を振るまで待つほかない。

327 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:14:57 ID:4HTfgGS2
しばらくして父さんは紙を収めて封筒に戻し、自らの懐へ入れた後、目の前の協力者に感謝の言葉を伝えた。

岬父「ありがとうございます。これで明日からでも仕事ができそうです」
マルシェ「それは良かった。不足したところは」

岬父「ありません」
マルシェ「おお、その言葉を聴いて安心しました。これで我が党の完全な独立も、遠いものではなくなるでしょう」

相手は笑みを浮かべている。ただ初体面の時とは違いどこか皮肉めいているというか、どこかに
影がかかったような笑顔である。

ヤレヤレといった風に軽く両手をハの字に広げた後、僕に向かっておどけた様子で話しかける。

マルシェ「モン・プサン、いやそれでは君に失礼だ、ムッシュー・プティ・ミサキ。
     ここで少し我が党の弁解を許してもらいたい。
     これからの父君の『仕事』の意義を、知ってもらいたいのだ」

そう言って改めて周りを見回した後、彼が言う「弁解」を清聴する機会に恵まれた。

328 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:16:45 ID:4HTfgGS2
マルシェ「知っての通りフランスという国名はラテン語のFrancia、『フランク人の国』を意味する女性名詞だ。
     女性と言ってもローマの昔から侵略者をただ黙って迎えはしない、
     馬上で槍を握って我さきへと敵に向かっていく敢然とした女性だ。
     この遺伝子は我が共産党にも濃厚に受け継がれている。
     先の大戦で侵略者達に国土を踏みにじられた後、他のブルジョア政党はただ右往左往するばかりだったが、
     我が党の偉大なる闘士たちは何度苛烈な弾圧を受けても銃弾をもって抵抗し、
     我が国の開放に大いに貢献したものだ。たとえば」

滔々とフランス共産党の偉大なる抵抗の業績を語る姿を、初めて凄い話を聞いたような顔をして顔を向ける。
思う所はあるが、今は清聴だ。そう思っていると、相手がふっと最初に見せたような皮肉を含んだ笑顔に戻っていた。

329 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:18:46 ID:4HTfgGS2
マルシェ「だが、現在はそうではない。現在の我が党指導部、私的関係でいえば私の兄上は、
     国内で右往左往し、国外で貞淑さを示すばかりだ。
     社会党の内閣に入閣したはいいものの、ゴタゴタと揉めてばかりで
     影響力を発揮するどころか、今にも離脱してしまいそうだ。
     目を外に向けると、4年前のソ連のアフガン侵攻、3年前のポーランド干渉など、
     共産主義の理想を逸脱した覇権主義的行為に対し、
     我々は真にさようでございますと、父親の、ソ連に恭しくしているばかりだ」

父親の、といったあたりからか、相手の顔に険が、声にトゲが混ざりはじめた。ちょうどここまで話し終わったところで、
ウェイターが前菜を持って現れ、テーブルに並べはじめた。

口にして見ると、中身は液状にした牡蠣のキャビアのせといった所だろうか。濃厚な牡蠣の味が
舌にしみわたる。
ただあまりにも液化しているため牡蠣を食べるというよりスープをすすっているような気分だ。
マルシェ氏も父さんも黙って牡蠣のスープをすすっていたが、先に食べ終わったマルシェ氏が
口をハンカチで拭いた後、再び柔らかな口調で語りを再開した。

330 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:23:56 ID:4HTfgGS2
マルシェ「すまない、少々興奮しすぎて、見苦しい所を見せてしまった」
岬父「いえいえ、お陰で私にかけてくださっている期待の大きさが分かりました」
マルシェ「そういってもらえると有難い。問題は深刻だがその原因の1つが資金源だ。ここだけの話だが」

ここまで語ってふいにマルシェ氏が立ち上がり、こちらに来る。僕らの後ろに立って
身をかがめ、耳元で小声でつぶやく。

マルシェ「ソビエト共産党から多額の金銭援助を受けている。スポンサーに逆らえないのはどこも変わらない。
     財政の自立なくして、意志の自立はありえない」

ここまで言った後再び自分の席に戻り、何事もなかったかのように語りを続ける。

マルシェ「とにかく、今後もこちらから情報を提供するし、必要とあれば
     コネも用意する。どうかそれらを活用して「人民の資産」を回収してほしい。
     あなたが得意とする絵画によって。条件はこれでいかがだろうか」

そう言って彼はスッと1枚の紙を取り出し、父さんの前に差し出す。紙には単に

1:2
France:Japon

とのみ記されている。

岬父「D’accord.」

即座に父さんは返事をした。ダコード、つまり「承諾した」
仕事で得た収益のうち3分の1を情報紹介などの便宜料としてフランス共産党へ提供するというのだろう。

331 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:25:13 ID:4HTfgGS2
マルシェ「有難い。これで何の心配もいらなくなって、安心してここの料理に味わえるというものだ。
     ここのエシーヌ・フリアンドは絶品でね。ここのを口にすると他のエシーヌは口に入らぬ」

エシーヌ・フリアンド。メニューで見たときはトンカツに似た料理のようだった。
だが実際にはトンカツとは違う。

金モール付きのマホガニーで作られたワゴンで運ばれたエシーヌが、テーブルへと運ばれる。
金縁に赤紫の花が咲くお皿に金のナイフとスプーン。そしてエシーヌの見事なつくりが、
料理というより芸術品を鑑賞しているような気分になる。
豚のカツの上に油で揚げた卵のフライ、二つ割のトマト、ニンニク、バターをのせて焼き上げている。
アーモンドとパルメザンチーズの香りがただようエシーヌをナイフで切り取り口に入れ、
ブクブクとした脂からあふれ出る肉の旨味で、とろけてしまいそうになる。

マルシェ「ああ、旨い。ことにクリームをつけたエシーヌは最高だ」

皿の隣に置かれた生クリーム入り容器から、僕もエシーヌにかけてみる。
心持ち酸味が残る濃い重厚な味がたまらない。

3人こうしてエシーヌ・フリアンドを心行くまで満喫し、食後のデザートとワインも味わい、
そろそろお開きという空気が流れだしたところで、どこからか取り出したのか1冊の雑誌を
持ち出して、今度は僕の目の前へ差し出した。

332 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:28:07 ID:4HTfgGS2
マルシェ「私からのプレゼントだ。フランス共産党が発刊しているサッカー雑誌、
     Le Miroir de football。きっと参考になると思うよ」
岬「サッカー、雑誌、ですか」

手渡された雑誌を目にして、僕は戸惑いを覚えた。
サッカーが盛んな国であるし、共産党がサッカー雑誌を作っていても
おかしくないのかもしれないが、それにしても表紙が奇抜である。

僕位の歳の金長髪の男の子がキーパーウェアを着てしとけなくゴールポストに寄りかかり、
恋人でも見るような眼差しでボールを眺めている。
どう見てもファッション雑誌かアイドル雑誌にしか見えないが、これがサッカー雑誌なのだ。
さすがはフランス、殺人集団たるカンプチア共産党をフランス語に訳すだけで、
クメール・ルージュという化粧品みたいな名前になってしまう国だ。

マルシェ「驚いたかね。さすがにこんなファッショナブルな共産党の雑誌は世界でもこれだけだろう。世界中でそうだが、
     若者の共産党への関心は低下するばかりでね。今現在関心を持っている雑誌を大いに参考にしたのだよ。
     批判も大きかったがその甲斐はあった。ちょうどパリの党員の子弟に
     美男子がいてくれたおかげで、若い女性の入党者数が増えてくれている」

岬「パリ?サッカーをしている共産党の子がいるんですか」
マルシェ「ああ、運がよかったよ。この子はジュスト・アルナルディ(Juste Arnardi)。
     パリのサッカークラブサンジェルマンの年少部に所属していて、いずれ育成部門の下部チーム
     シャンゼリゼかモンマルトルの正キーパーになるだろうという腕前だそうな」
岬「(ジュスト、か、覚えておこう)」

333 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:29:54 ID:4HTfgGS2
思わぬところで耳にした同年代のフランス人実力者。それがパリにいるのだ。きっと
何かの役に立つだろう。だが次の言葉で現実に引き戻される。

マルシェ「ところで君は、サッカーで世界を目指す気はないかね」
岬「え、も、勿論」

マルシェ「そう言うだろうと思った。思ってなければ日本一にはなれなかっただろうからね。だがここはフランス、
     君は外国人だ。残念ながら外国人の少年が世界レベルの大会に出られる機会が殆どない。
     このままでは君の、神から与えられた才能が生かされずに朽ちてしまうだろう」

マルシェ氏に指摘されて、心中苦いものが走る。確かにこのままではダメだ。パリ中の年長者に
混ざってプレーするにしても限度がある。フランスは確かに強いが、
ドイツ・イタリア・ブラジルなどといった国と比べると確実に劣る。
何より目標が無ければ、意志を保ち続ける事など至難の業だ。
そう思っていると、マルシェ氏の口から僕の人生を一変させる
言葉が、何の気もなく放たれようとしていた。

334 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:32:24 ID:4HTfgGS2
マルシェ「君の父親の友人の1人として私も非常に残念に思う。
     こうした現実は全ての人間に平等な機会を与えるべきという共産主義の理念にも反する。
     だから。ここを見てほしい」


Spartakiada Mezhdunarodnaya Podrostkami se tenant!


マルシェ「タロー・ミサキ。君に国際友好諸国年少者総合体育大会、
     通称国際ジュニアユーススパルタキアーダへの参加テスト権を与える」



岬「国際……スパルタキアーダ?」
マルシェ「そうだ。全世界の共産党の子弟で行われるサッカー大会で、2年に1度モスクワで
     行われる。西ヨーロッパでは西側諸国の共産党の子弟を集めて作られる。
     実のところ言えばこの臨時サッカークラブの創設には国籍事項が無い。外国人が入ることを
     想定していなかったころの規約だからだが、この点を突いて君も参加できるよう働きかけてみよう」

岬「えっ、いいんですか!?」

思わず素っとんきょうな声を上げてしまう。この場でこんな声を上げてしまい恥じ入ってしまったが、
マルシェ氏はかわいい孫をたしなめるような顔で、手を軽く振る。

335 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:34:06 ID:4HTfgGS2
マルシェ「落ち着きなさい。入団テストに参加できる権利が与えられるというだけの話だ。
     君が代表入りするに相応しい実力が無ければ、それ以上は私にもどうにもならない」
岬「あ、すみません。マルシェさんありがとうございます。僕にここまでしてくれまして」

マルシェ「いやいや、君の父親の貢献に対するささやかな恩返しのつもりだ。気にしないでくれ。
     それより、この雑誌は隔月慣行でね。君ぐらいの歳の東欧の選手の情報も載っていることがある。
     新しいのが出来たら君の家に送るから、ぜひ読んでほしい。スパルタキアーダの情報もいずれ
     この雑誌に載る」

ありがとうございます。再びマルシェ氏に感謝の言葉を述べながら、僕の胸奥で熱い液が
流れるのを感じた。これだ、これで活躍すれば東側といえど世界大会、
日本にも日本人が活躍したという事で耳に届き、日本での立身のめどがつくかもしれない。
たとえ届かなくても、世界の強い相手と戦えるというなら、これからの生活にも張りが出る。

こうして思わぬところからの活路に心躍らせながら、
僕と父さんはルドワイヤンを後にした。


*フランス共産党雑誌『Le Miroir de football』を手に入れました。

336 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:35:33 ID:4HTfgGS2
【1983年9月第1週】
岬「ふーう、世間はもう学校か。そう思うとフランスに越してきたのは良かった。
  僕だけ夏休みが増えたみたいで。さて、この貴重な期間のうちに、何しようかな」


A サッカーの練習に出かける、あと2回選択可
B パリのどこかに出かける(さらに分岐、B1含めあと2回選択可)
B1 所持品を使う・持ち歩く(さらに分岐、B含めあと2回選択可)

所持金:954フラン

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

337 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/05/27(日) 20:38:47 ID:4HTfgGS2
と、いう事で岬君の活路となるスパルタキアーダ(+ジュスト)の存在が
明らかになったところで、今日はここまでにします。


スパルタキアーダは実在していた大会です。日本の国体のような国内全国の年少者の生徒・学生の
選抜大会だったそうですが、この世界ではサッカー部門の(東側)世界大会として存在しています。

338 :森崎名無しさん:2018/05/27(日) 20:44:12 ID:WiIMzB+U
B1

339 :森崎名無しさん:2018/05/27(日) 21:07:31 ID:75tTQhPE
B1

340 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/02(土) 19:38:41 ID:JIgFu7NU
B1 所持品を使う・持ち歩く(さらに分岐、B含めあと2回選択可)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
持ち物(日常時間消費無し)
A:財布
B:ヤーの復讐(アタリ2600の「シューティング」ゲームソフト)
C:オリンピア(ソ連のスポーツ飲料。飲むとガッツを年齢性別問わず100回復させ、さらに最大ガッツを5上昇させる)
D:この持ち物リストからは選ばない
E:全部選ぶ


持ち物(注!日常時間が消費されます)
T:ソビエツキ・スポルト(ソ連のスポーツ雑誌、ソ連のサッカー訓練も扱う、さらに分岐)
U:ル・ミロワール・デ・フトバル(フランス共産党発行サッカー雑誌、東側ユースサッカー事情も扱う、さらに分岐)
V:この持ち物リストからは選ばない

所持品:現時点でなし

先に2票入った選択肢で、何の持ち物を所持するか、持ち物を使うか、外すかについての選択を行います。
メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

341 :森崎名無しさん:2018/06/02(土) 19:43:21 ID:bqn4dhcg
T

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