キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】

289 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:12:41 ID:HA8Joy+M
それから何分たったか。泣きながら暴れるあずみに対し、時には圧迫し、またある時は重心を
ずらして動きを乱れさせ、すったもんだと立ち乱れた後、とりあえず大人しくさせる事ができた。
落ち着いたあずみは火の消えたロウソクのように、活気どころか生気もなくうつむいている。
そのあずみと向かい合う形になっている姉妹も、「自分たちがあずみお姉ちゃんを傷つけた」
と思っているのか、罪悪感あふれた表情で黙って座っていた。

あずみ「……あたしはアメリカのサンフランシスコの南にある、サンタクララって街で生まれた」

唇の間から漏れ出るようなか細い声で、言葉を発しはじめた。

あずみ「母さんはその頃からアタリで働いてた。あたしを背中でおんぶしながら、
    ゲーセンで使う機械の基盤を設計したり、筐体を組み立てたりしてたんだって。
    周りの人達はみんなマリファナ吸って、大声で歌ったり騒いだりしてうるさかったって、
    楽しそうにあたしに話してくれた」

身の上話を耳にして、姉妹も僕も神妙な面持ちとなる。重要な情報だ。しっかり覚えておかなくては。

あずみ「あたしが7歳の誕生日に、母さんからプレゼントでアタリVCS、今日プレイした2600をもらったんだ。
    やっとプレゼントができたぞーって言ってね。母さんはアタリ2600の開発者の1人だったから、
    その頃は毎日いつ寝てるのか分からない位遅くまで頑張っていたわ。
    VCSを手に入れてから、外ではゲーセン家では2600で毎日遊んでた。
    新しいゲームができる前、テストプレイで何十個のゲームをプレイできた。
    あたしの背丈が大きくなった頃から、アタリ以外の会社のゲームも出てきた。毎日楽しかったわ」

母の活躍を語るあたりから、あずみの顔に幾分か生気が戻ったように見えた。
が、それもつかの間だった。

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