キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
キャプテン森崎まとめ掲示板TOP

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50
【花の都の】キャプテン岬2【色物達】

1 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/09/09(日) 12:46:00 ID:xc04KWKg
『はじめに』
この物語はフィクションです。
現実世界で実在する人物も登場いたします。また1983年から91年までの史実を踏まえてはいます。
ただ物語の展開上脚色や私的設定付与も多々あり、純然たる歴史的事実からは離れてしまっております。

またキャプテン翼のキャラクターのみならず、非サッカー漫画以外のキャラクターも多く
登場しておりますが、実在人物同様、物語に沿う形での脚色や設定付与が多く、どうかご寛恕を願います。

最後に、この物語の主人公は岬太郎です。
ここの岬君は原作を参考にしたり、本編をチェックしてみたり、自身の願望を当てはめてみたりと、
どれにもピタリとは当てはまらない、大変面妖な様相をとっております。
それでも彼の物語として、読み進め楽しめてもらえれば幸いです。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
1983年8月、岬太郎はパリに来仏。
日本人学校の都合により10月1日まで投稿できなくなった岬は、
サッカー部員全員を相手に勝負をしたり、人知れぬ共産趣味的商店に訪れたり、
テレビゲームに目覚めたり、パリ特別市第一書記と会食したり、ぶん投げられてパリの空を舞ったり、
トラックに轢かれそうな男の子を助けたりとパリの夏休みを満喫中。現在は学校で
ナムコの誇るレースゲーム、ポールポジションの3本勝負をしようとしています。

432 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/03/23(土) 21:03:57 ID:kzsdGeLw
申し訳ありませんが、今日は話をまとめられなかったので、続きは
来週までお待ちください。

433 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/03/31(日) 22:14:13 ID:VKCendUQ
1レスだけですが、投稿を行わせていただきます。


★如月優の誕生日 10月 ハートJ + ハートK + 2 日★→10月26日(第5週)
★誕生会のメンバー  ハート7 ★→如月一家4人+岬+あずみ、双海姉妹、シャルポワ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(10月26日か。これから話す事について、家族に話す時間が1月もある。
   話が重すぎて胸の奥にしまっておくとしても、それだけあれば心の整理もつく。
   万一問題が起こっても十分なフォローができる)」

誕生日の日取りを確認しながら、密かに胸を撫でおろしていた。これだけ時間があれば不測の事態にも対処できるだろう。

岬「そうか。楽しみだなあ賑やかそうで」
千早「そうね、優の友達が来てくれるみたいだから、少なくとも退屈はしないと思うわ。
   早川さんに真美と亜美、それとポワロも」
岬「(ポワロ?ああ、シャルポワの事か。ちょっと言いよどんだり、呼び捨てにしているところをみると、
   わだかまり解けてそうにないなあ。もう少しそこのところ、話を振ってみた方がいいかな。
   いや、まだ勾玉の件も話してないのに、余計な事を抱え込むはめになるかもしれない。さて、どうするかな)」

A 話してみる(さらに分岐)
B 話さない。面倒事は増やしたくない
C 話さない。聴きに徹して情報収集だけにとどめる

1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

434 :森崎名無しさん:2019/04/01(月) 18:16:32 ID:???
A

435 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/06(土) 21:05:24 ID:gtgTVhYw
今週も1レスしかできません。現在モチベーションが落ちている状態でして、あまり執筆できないでいます。
もちろんこれからも書き続けますが、なにとぞご容赦願います。



A 話してみる(さらに分岐)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(さて、どうなっているのかな)」

千早の内情を探るべく、急いで思案をめぐらせる。

岬「(胸の事だけで意固地になっているなら笑い話で済むけど、そこまで単純な人だろうか)へえ、色んな人が来るんだね」
千早「ええ、優がゲーム好きになったのは早川さんのおかげだし、真美達が優を引っ張り出してくれなかったら、
   あの子の歓心が外に向かう事も無かった。来てくれるのが楽しみ」

さりげなく千早の人付き合いを尋ねた頃には、千早の言葉は柔らかいものになっていた。

岬「(へえ、あずみちゃんやイタズラっ子達とねえ。目的の情報は引き出せなかったけど、中々面白いな。
   ただ本来訊きたかったシャルポワの事は分からなかった。どうするかな)」


A 優の交友関係について尋ねる(さらに分岐)
B 優の過去について尋ねる
C 本来の目的通り、千早とシャルポワとの間柄について尋ねる
D その他、自由回答(要2票)

1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

436 :森崎名無しさん:2019/04/06(土) 23:15:30 ID:SrJcSCkM
B

437 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/14(日) 22:40:23 ID:m9q3xldo
          第24話『事が起こってしまった故に』



B 優の過去について尋ねる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(どうも引っかかるな)」

千早とやり取りを交わしていて、フッと違和感が差し込む。

岬「(『関心が外に向かう事もなかった』?
   どういう事だ、何かあったのか?それまでは外の世界に興味が無かったという事になる。訊いてみよう)
   そうか、優君は今色んな事に興味があるんだ」
千早「え、ええ」
岬「昔はそうじゃなかったみたいだけど、そのあたりの事について教えてもらえないかな」
千早「あの、それは」
岬「僕は命を賭けて優君を守る」

目の前の少女はハッとした顔になって、僕に見入る。彼女が次の反応を示す前に、語り続ける。

岬「僕は優君の力になりたい。前に間一髪で助かった時、あの子の口から出た言葉が『カセットは大丈夫ですか!?』
  怖がりも泣きもせず第一にそれ、その次に出たのが『ありがとうございます』だった。
  そう言って僕にお辞儀する姿を見て、優君は本当に優しい子なんだって感じたんだ。
  そんな子に2度と危ない目に遭ってほしくないし、優君の事をもっとよく知って友達になりたいと思っている。
  だからお姉さんの如月さんから、優君について訊きたいんだ」

弟と友達になりたい。誠意を込めた申し出を丁寧に、しかし叩きつけるような勢いで千早に告げる。
僕が語る勢いにたじろいだのか、視線をそらして黙り込んでいた。

438 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/14(日) 22:41:45 ID:m9q3xldo
千早「そうよ、岬君は優を助けてくれた。大丈夫よ」

しばらくして、自分に言い聞かせる口調でつぶやいた後、僕に触れるか触れないかの距離まで近づき、そっと袖を引く。

千早「ちょっと外へ出て、人がいない所で」

そう言われてチラリと視線を横に動かしてみる。
あずみちゃんと聖薇はにらみ合いに飽きたのか、2人とも椅子から離れ店内をブラブラしている。

岬「(視線がこっちに向く気配もない。それでも外か、よほどデリケートみたいだ)」

どうもただ事ではなさそうだ。そんな気配を悟られぬよう何気ない具合に2人へ外出すると告げ、外に向かう。
マロニエを横に抜けル・エストと大通りの中間まで来たところで千早が立ち止まり、口を開く。

千早「岬君は、PTSDって知ってる?」

聞き慣れない言葉が耳に飛び込む。PTSD。意味を考える間もなく答えが返ってきた。

千早「日本語で『心的外傷後ストレス障害』。強い精神的ショックが心にダメージを与え、
   その後遺症で強い恐怖や緊張を引き起こす症状よ」

そこまで告げてから視線を僕ではなく大通りへと向ける。騒音こそパリにしては静かだが、
車は欧州屈指の大都市らしく引っ切り無しに行き交っている。そんな車の群れを見てから僕の方に向き直し、告白した。


千早「優は昔、車に轢かれたの」

439 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/14(日) 22:43:53 ID:m9q3xldo
千早「昔、まだ日本にいた頃、私と優の2人でお祭りに出かけた事があった。
   その帰り道に落とし物を拾おうとした優へ、車が飛び込んできた」

そう言った後、千早はギュッと堅く目をつぶった。幼い日の惨劇が脳裏を駆けめぐったのだろう。
嫌な記憶を振りちぎるように頭を振った後、話を続ける。

千早「万一の覚悟を、とまで告げられたほどの大怪我だったけど、何とか命は取りとめた。
   動かなくなった腕もリハビリのおかげで動かせるようになった。でも心は」

そこまで語ったところで千早の口が詰まる。僕は千早の袖を軽くつまみ、もう一方の手で通路路肩を指さし、
促すように自分から縁石に腰を下ろす。一連の仕草から意思を察してくれたらしく、
かすかに頭を下げ僕の隣へ寄り添うように座り、切なげに息をついた後、話を続けた。

千早「撥ねられた時の激痛か生死の境をさまよった体験のせいか。
   退院してからも優は苦しい苦しいとうめき続けて、眠る事もできなかった。
   起きている時も時々、カチカチと歯を鳴らしながら金縛りにあったみたいに体が動かなくなった。
   母さんに連れられてアメリカに渡り、PTSDを診てもらえるお医者さんに出会ってから、
   だんだん落ち着いてきて不眠も金縛りも無くなった。これで大丈夫だと思ったのだけど」

440 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/14(日) 22:46:19 ID:m9q3xldo
千早「フランスに来る少し前、朝早く起きてみると優が自分の部屋で絵を描いていたの。
   尋ねてみると夜から一眠りもせずに描き続けていたって。叱ろうとしたら表情も変えずにこう言ったわ。
  『だってぼく、明日死ぬかもしれないんだよ?1枚でも多く描いて生きてたんだっていうしょうこを残したいんだ』」

岬「明日、死ぬかあ」

あまりの言葉に、ため息と共にうめきに似たつぶやきが出てしまった。

岬「(『雨の予報が出てたから傘持っていくよ』
   そんなレベルで自分の短命を確信してしまっているなんて。これからの事をどうやって伝えれば)」

生還の代償は大きく、僕が背負うべき責任は途方もなく大きいものとなった。だが僕には頭を抱える事すらできなかった。

千早「岬君に優を助けてもらってから、段々怖くなってきたの。
   自分の命なんて長くないからいいやと思って、道路に飛び出したんじゃないかって。
   優にきいたら本当にそう言いそうな気がする。岬君、わたし、どうしよう!怖い、怖い……」

愁声を越えて悲哀極まり、頭を伏し顔を手で覆い震えだす。
そんな千早に対しかける言葉も見つからず、ただ黙って背中をさする事しかできなかった。

441 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/14(日) 22:48:03 ID:m9q3xldo
そうしてしばらく一緒にいて千早の震えも止まった頃に、コホンと1つ、小さな咳が横から聞こえる。
ギョッとして振り向くと、聖薇とあずみが数歩分横に立っていた。
聖薇の顔は憂色深く、あずみは申し訳なさげに顔をそらしている。

聖薇「岬さん、如月さん。料理ができたと母から言伝がありました。一緒に行きましょう」
千早「早乙女さん、早川さん、聞いてたの?」

赤くなった目を2人に向けて、分かり切った事を尋ねる。
聖薇は眼鏡の縁を押さえたまま押し黙る。何と言っていいのか分からないのだ。

呼びかけに答えたのは、あずみだった。

あずみ「あたし達、確かに全部聞いちゃった。でも信じて、あたしは千早の事友達だと思ってる。
    だから私にできる事は何でもするし、悪い事言う奴がいたらブン殴ってやる。
    コイツだってあたしにとってはいけ好かない奴だけど、困っている人がいたら
    その人のためだけに一生懸命頑張ってくれる。だから大丈夫。そうでしょ、聖薇?」

聖薇「はい。私は非力ですが、力があろうがなかろうが苦しむ人悲しむ人を助けるのは
   風紀委員長、いえただの人間としての聖薇として当然のつとめ。痛苦を取り除くのに力を尽くします。
   ですからどうか、私達を信じて、頼ってください」

私心の無いまっすぐな言葉に、千早は目頭を押さえながら体を起こし、ありがとうと小さな声で答え、
2人に連れられてル・エストへと向かって行ったのだった。

442 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/14(日) 22:52:09 ID:m9q3xldo
話が長くなり、選択肢もありませんが、本日はここまでにいたします。

なお、優君の設定については、鈴木貫太郎P様の動画
『【超NovelsM@ster】 ありえたかも知れない未来』の「そのなな」と「そのはち」
での設定を参考にしております。設定利用の許可をくださいました
鈴木貫太郎P様、誠にありがとうございました。

『【超NovelsM@ster】 ありえたかも知れない未来 そのなな』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm17543021

『【超NovelsM@ster】 ありえたかも知れない未来 そのはち』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm17559429

443 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/21(日) 22:16:28 ID:HA8Joy+M
すみません、私事で本日は投稿を休ませてください。
文章自体は書き上がっていますので、こちらの都合により明日か明後日の午後か夜に
投稿いたしますので、何卒もう少しお待ちください。

444 :森崎名無しさん:2019/04/21(日) 23:14:28 ID:HA8Joy+M
すみません、私事で本日は投稿を休ませてください。
文章自体は書き上がっていますので、こちらの都合により明日か明後日の午後か夜に
投稿いたしますので、何卒もう少しお待ちください。

445 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:31:54 ID:4xvP23YM
              第25話『Sub rosa』



洗面所にて身なりを整え食卓に向かいドアを開けると、シャンデリアに赤いバラが爛々と掲げられていた。

あずみ「あっ、バラだ。キレイねー」
千早「いい香り。バラの香りに包まれながらおもちを食べるのも、おいしそう」

あずみちゃんは昼食時に見られなかった、濃いワイン色をたたえた花の色合いに感心している。
千早の方はすっかり元気になったらしく、バラの下で食べる餅の味を思い浮かべているようだ。

聖薇「母さん、これは」

最後の1人は他の2人とは異なり、困惑した顔つきで母親に尋ねる。その母親はくすりとした笑みで問いを受け流し、

早乙女「さあ、皆さんどうぞ」

と、僕達に着席を促していた。あまりにさらりと流され発言の機会を失った聖薇は、
何となく落ち着かない様子で椅子に座らざるを得なくなった。

446 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:32:56 ID:4xvP23YM
席についた僕は、色とりどりに彩られた様々なマロニエ料理を見つめていた。
正面に折り目正しく並ぶ箸を共にして、お椀に餡子が入ったぜんざいが鎮座し、そのぜんざいを要とした扇状に、
焼いてきつね色がかった草焼餅、クルミやジャガイモが入っているまぜ餅、
餅の傍らに醤油、すりおろしたゴマにきな粉が添えられたものが、それぞれ小皿により分けられていた。

これだけの説明だと単に雑然とした、洋式空間にそぐわぬ不調和な配膳というだけで終わる。
けれども、この早乙女の母親が食卓を整えると、まるで清潔な前衛芸術とも言うべきものをそっと用意したような、
さり気なくも目が覚める清新な空間が生み出されていた。

千早「はむ、あむ、はむ」

すっかり和やかな雰囲気の中、心底幸せそうな顔をして、箸に2つも餅をつまみながら頬張っている。

あずみ「アクが強いっていうからどんだけ苦いかと思ったけど、結構イケるわ。そう思うでしょ岬君も」

口にゴマときな粉をまぶしたあずみちゃんが、僕に同意を求めてくる。
栗のような実をつぶし、もち米とこね合わせてできたこの餅、
ほのかに青臭みを感じる他は苦みも渋みも無く、かえって単調なもち米餅にクセを与えてくれている。

岬「うん。いくらでも食べられそうだよ」
早乙女「ふふ、よかった」

447 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:34:45 ID:4xvP23YM
マロニエ餅の味に満足した僕達を見て、母親は満足げだ。その満ち足りた表情で母親は、娘へと話しかける。

早乙女「おもちね、ふふ、懐かしいわ。聖薇は覚えているかしら」
聖薇「覚えている、とは」
早乙女「あら、忘れた?まだ小さかった頃に、初めて聖薇がおもちを口に入れた時の事。
    食べようとしたはいいけど、いつまでたっても噛み切れなくて、泣いちゃったでしょう」

えっ、と聖薇が軽く声を上げた後、ギクリとした顔つきになる。
案の定、僕の隣にいるきな粉まみれの少女は、仇敵の過去の失態を知ってニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべていた。
とうの母親はそんな事は気づいてもいないという風に話を続ける。

早乙女「昔の事を思い出すわ。母さんもその時の聖薇ぐらいの頃は、
    やっぱりおもちを噛んでも噛んでも噛み切れなくて、泣きそうになったの。
    そんな時におばあ様、聖薇にとってはひいおばあ様が、私を膝に乗せて昔話をしてくれたものね」

心なしか語調がうっとりとしたような気がする。聖薇の方はというと
こちらも初耳だったらしく、興味津々といった顔で母に尋ねていた。

聖薇「ひいおばあ様が。どんな話をしてくださったのですか?」

448 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:36:07 ID:4xvP23YM
早乙女「うちの、早乙女家のご先祖様についての話よ。
    昔々、安芸の国、早乙女家が広島の大名だった毛利家に仕えるお侍様だった頃の話。
    関が原で敗者となった毛利家は領地を減らされたうえ、広島から山口へと移るよう命令されたのは知っているわね。
    家来である早乙女家もついていかなければいけなくなった訳だけれども、
    その頃の家中は身分が低く貧しかったから、更に狭くなった見知らぬ領地への移住、
    それ以前にそこまで行くまでの食べ物すらなくて、みんな途方に暮れていたそうね。
    調達の目途もつかず困り果てた一族の当主は、
    早乙女家代々の守り神を祀る鏡山に向かって、これからどうすべきかを伺おうとしたの」

何やら聞き覚えのある地名が耳に入る。既に母親は聖薇だけではなく、僕達全員を見据えるように視点を移していた。

早乙女「巫女の体を借りて現れた神様は当主に、2つの授け物を渡しました。
    1つ目は鎮守の森になる実から作られたトチ餅よ。
    神力のこもった餅を噛み続ける間空腹を感じず、力尽きる事無く歩き続けられると告げられたの。
    お告げに従い一族皆神様の餅を移動中ずっと噛みながら向かったら、
    他の食べ物を一口も入れず1人も欠ける事無く、領地に無事たどり着けたというわ」

聖薇「広島から山口まで。大変だったでしょう」
千早「お餅にそんな力が」
あずみ「あんたのところ、昔は結構苦労してたんだねえ。で、もう1つの授け物って?」
早乙女「ふふふ、それはね」

449 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:37:22 ID:4xvP23YM
友達の家の昔話に、皆すっかり関心が向かっている。母親はニコニコとしながら、再び語り継ぎ始めた。


早乙女「もう1つはこれから一族に試練が訪れる前に、事前に察知し覚悟を固められるようにと渡されたわ。
    玉のように高貴な光沢を放ち、神社の祭具にして生命の象徴、
    そして危機を感ずるや持ち主を照らし出し、覚悟の時を告げる、勾玉をね」



勾玉。



その言葉で僕も皆もハッとした。和気あいあいの空気がピシリと締まる。母親だけは微笑を崩していないが、
その顔から体から、神託時の沙織さんと同じ底知れぬ威圧が発せられていた。

早乙女「岬君」
岬「は、はい」
早乙女「あなたが持っている勾玉について、詳しく教えてください。
    どうしてあなたがこれを持っていたのか、何を告げられたのか、
    そしてあなたがどう行動していきたいかについて」

450 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:39:34 ID:4xvP23YM
僕は勾玉に関わる事全てを、包み隠さず話した。
沙織さんの事、無間神社でのやり取りと下されたお告げ、光る勾玉に込められた意味。
あずみは何度も目を丸くし、千早は何回も顔を蒼ざめ、
聖薇はじっと目をつむり口を堅く締めながら、僕の話を聴きいってくれているようだった。

早乙女「それで、いつまでに行動しなければいけません」
岬「遅くとも1年後というところしか、分かりません。もう1度神社に出向いて伺ってこないと」
早乙女「そう」

この段階に至ってもこの母親は、子供の悪ふざけ話をのぞき聞きでもしているかのような
笑みを崩さぬまま、僕の話を聴いている。

岬「(そのくせこの人を見つめるたびに、息が詰まるような、威力を感じる。こんな事は何でもないというのか?)」
早乙女「岬君」
岬「は、はいっ!」
早乙女「そろそろ訊かせてください。あなたはどうすべきと思うか、そしてどうしたいか」

遂に訊かれた。いつかは誰かに問われると考え、それゆえに何日も1人思い考え悩み、
それでいて決意がつかなかった選択を、遂に決めなくてはいけない。

岬「(僕は……こうする)」

451 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:42:50 ID:4xvP23YM
【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】
【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】【WARNING!】
                                   
今回の選択で重大な事、優君の生命と岬君の進退を決めなければなりません。
この判断次第で今後の護衛そして交流関連の判定に差が発生します。

ミスとなる判定を選択しましてもその後の選択で十分に取り返しはつきます。
ただ、いかに創作の物語であっても人1人の命と多くの人達の将来に影響を及ぼすものであり、
真剣に考えて選択する事を望んでおります。


A 岬「皆さん、どうか僕に命をください」
B 岬「僕1人でも優君を助け出します」
C 岬「正直、逃げ出したくてたまりません」(判定あり)
D 岬「(じっと黙って、3人の反応を探ってから答えよう)」(判定あり)
E 岬「(ただじっと見つめる事で、答えとするしかない)」(判定あり)
F 岬「皆さんの心の整理がつきましたら、無間神社へ来てください。そこで決心を述べます」
G 岬「警察などに通報すべきではないかと、僕達には手が負えません」
H その他、自由回答(要3票)


2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
なお、今回に限り投票開始は平成31年4月23日の午後9時からとなります。
【本日午後9時以前の投票は無効になる】ので、何卒ご了承願います。
議論はそれまでもそれからもよく考え議論して、選択を行ってください。

452 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/23(火) 14:46:49 ID:4xvP23YM
人生の岐路に立ったところで、本日はこれまでと致します。
なお、大連休中の投稿については、旅行に出かけるためおそらくは
投稿できないかと思います。文章が書きあがりましたらスマートフォンから
登校したいとは思いますが、どれだけ書き進められるかは分からない以上、
皆様はどうか気にせずに連休を楽しんでいてください。
万一投稿が出来ましたら、Twitterにて報告いたします。
それでは皆様、大連休が良いものとなりますように。

453 :森崎名無しさん:2019/04/24(水) 20:18:59 ID:lLJjOYzg
A

454 :森崎名無しさん:2019/04/24(水) 23:04:28 ID:JQLR6fPw
F

455 :森崎名無しさん:2019/04/26(金) 16:25:14 ID:N+S+9yP2


456 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/02(木) 20:11:15 ID:FNnDkHv+
F 岬「皆さんの心の整理がつきましたら、無間神社へ来てください。そこで決心を述べます」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(ここで決意表明をするのは簡単だ)」

命を賭けて優君を守ってみせる。
そう宣言してしまえばこの場の雰囲気と、実際にパリの大通りで
トラックから助け出した実績から、見栄や騙りとは思われないだろう。
ひょっとしたら尊敬され、見る目と待遇も良くなるかもしれない。

岬「(でも、今はまだ早い)」

護衛にあたってのパートナーとなる3人をちらりと見回してみる。
あずみ、千早、聖薇。
どの顔も僕からの打ち明け話で表情が重く沈んでしまっている。同時に、僕がどんな事をこれから口にするかという、
緊張と不安もこみあげているようだ。とても喜び勇んで助太刀を申し出てくれる風ではない。

千早「警察に頼んで犯人を捕まえてもらえばいいんじゃないかしら。私達ではとても」
あずみ「な、なによ、こわいの?」
千早「怖いに決まってるじゃない。私だって優を自分の手で守りたい。
   でも話だと相当凶悪な相手、小学生がどうにかできる相手じゃない」

事が重大過ぎるのだろう、実の姉である千早ですら自ら関わり合いになる事を避けようとしている。
あずみの方も虚勢を張るのが精一杯で、とても凶悪犯に立ち向かっていけそうもない様子だった。

457 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/02(木) 20:12:37 ID:FNnDkHv+
早乙女「失礼、少し離れてよろしくて」

あずみと千早の会話にかぶさる形で、母親が離籍を求める発言をする。僕ははいとだけ答え、3人は無言でうなずくと、
後ろを向いて棚の引き出しを開け、何枚かの新聞か雑誌の記事の切り抜きを取り出し、机の上へと広げた。

早乙女「ここ最近のパリで起きた事件の記事よ」

近くに置かれた記事を手に取ってみる。勉強したとはいえ、まだ全ての単語を理解できる訳ではない。
それでも幾つも記事を眺めてみて、知らぬ間にパリのあちこちで起こっていた凄惨な事件の数々に、身震いがする想いだった。

岬「(『日本人男性3人殺害。全員全身を切り刻まれる』
   『女性2人の遺体が相次いで発見される。性的暴行の後ナイフ等の狂気により殺害か』
   『捜査中の警官2名殺害1名重体、犯人は現在も単身逃走中』……警官でも、ダメか!)」

襲い掛かって来るであろう敵の残忍ぶりが目に浮かびそうになる。加えて捕まえるべき犯人に返り討ちにあったばかりか、
ほとんど身辺が明らかになっていないところを見ると、相当に厄介な相手だと考えざるを得なかった。
そう思案に暮れていた時、僕達の頭越しに声が投げかけられた。

早乙女「認めたくないけれど、フランスでも起きているのよ、聖薇」

458 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/02(木) 20:17:54 ID:FNnDkHv+
様子を見ようと振り向き、聖薇の方を向き、驚いた。一目で分かるほどに顔色が失せ、震えだしているじゃないか。
どうフォローすべきかと思いをめぐらせ始めたところで、今度は僕に言葉が降りかかってきた。

早乙女「さあ、そろそろ本題の返事を聞かせてもらえないかしら」

容赦なく回答を迫ってくる。ただでさえ緊迫した状況の中、犯人の凶悪ぶりを細かく伝え娘を追い詰める母の意図は何か。
ともかくここは正直に話し、相手の反応をうかがう他は無い。

岬「皆さんの心の整理がつきましたら、無間神社へ来てください。そこで決心を述べます」

できるだけ動揺を押さえつけ、目の前の相手に挑むようにして答える。僕からの返事を受け取ったその相手は目をつむり、
じっと黙りはじめた。ジリジリと心を削るような沈黙の後、相手は目を開きピンと右人差し指を上げる。

早乙女「ヨーロッパの昔の風習で、秘密の会議や打ち明け話をする際は天井に薔薇を吊るし、
    話の内容を外部に漏らさぬよう互いに誓ったと聞きます。
    ここで交わした話はそれぞれ自分の胸にとどめ、みだりに口外しないように」

バラの背後に神様がいるかのような神妙な面持ちで、他言無用を告げる。指を元に戻した後、目の前の女性は、語った。

459 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/02(木) 20:20:13 ID:FNnDkHv+
早乙女「岬君、如月さん、早川さん、そして聖薇。
    あなた達が悩みぬいた末に出した結論がどのようなものであっても、私は決して否定しません。
    ただ、1人の人生の先輩として、少し言わせてもらいます。
    悩んで悩んで悩みぬいてそれしか考えられなくなった時、ハッと自分の中から出てきた声が、自分の本心です。
    その本心が聞こえたら、絶対にその言葉を守りぬきなさい。
    その為に世間の常識と正義を敵にし、プライドを捨てねばならなくなっても、
    自分の大切なものを守るために戦いなさい。
    それが選択する、いいえ生きるという事です」

どうするにしろ覚悟を決めて戦いぬけ。そう宣言を下されて返す言葉がある筈もなく、ただ黙る他なかった。
ジッと声も殺した沈黙の中、突然ブウンと外から音が聞こえ、思わずビクリとする。

早乙女「ちょうどいいタイミングで来てくれたわ」
岬「ちょうどいい、って」
早乙女「タクシーよ。あなた達が外に出ている間に手配したの。こんな具合では歩いて帰る元気もでないでしょうし。
    お代はこちらで全て出していただきますのでご心配なく」

言われてみて窓の外を見ると、西空に薄っすらと紅色が差し込みはじめていた。
時間がたっていた事を意識した途端急に体が重く、鈍くなる。
重大事の話をした事のストレスが今になって体にのしかかってきたらしい。
ここは好意に甘えておく事にして母親に食事と足の提供、打ち明け話への傾聴に礼を述べた後、ル・エストを後にした。

460 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/02(木) 20:21:28 ID:FNnDkHv+
明かされた話の整理ができていないためか、同乗するあずみも千早も一言も話そうとせず、無言のまま別れる事となった。
そうして最後に1人自宅の前で降ろされ、一息ついて空を見上げると、
建物で狭くなっていたはずのパリの空が、広く高く感じられてしまった。



岬「(これからどうなるんだろう?)」



考えまいとしていた思考が空を眺めて浮かんでしまう。
きりの無い事だと振り切るように顔を向け直し、手すりにつかまって階段を上る。
そうやってドアの前に着き鍵を開けて中に入った途端、糸が切れた人形のようにドアにもたれて倒れこみ、
父が帰るまで1歩も動けずにうずくまっていた。

461 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/02(木) 20:28:38 ID:FNnDkHv+
以上で本日の投稿、そして創作開始から1年半かけて、ようやく、ようやく、プロローグが終わりました!
次回は本編での説明事項や変更点について紹介した後、遅くとも次々回から本編を開始いたします。
岬君、サッカーします!


最後に、3日後の5月5日は我らが主人公岬太郎君の誕生日です。当日に記念イラストを投稿いたしますので、
Twitterにてご鑑賞してくだされば幸いです。

「キャプテン岬の人」
https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC

462 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/05(日) 09:54:05 ID:???
今日5月5日は岬太郎君の誕生日です!誕生日祝いに拙いながらもアタリ2600で
遊ぶ岬君を描いてみました。よろしければこちらからどうぞ。

https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC/status/1124818666619412481

463 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/11(土) 17:12:42 ID:Al7h3fQs
申し訳ありませんが、今週は投稿を休ませてください。5日の岬君誕生日イラストの準備や
10日のアタリ2800発売36周年報告など趣味に走り過ぎて、余力を使い切ってしまいました。
何とか来週の土日に投稿できるよう頑張りますので、どうかもう少しお待ちください。

464 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/17(金) 22:30:30 ID:BJFd4I9w
前回の投稿を終えて、ようやくプロローグである入学待機期間が終わり、岬君が
日本人学校に入学します。この物語の物語の区切りの際に、適当に決めていた
物語の進行システムを整理したく、いくつか変更を申し上げたいと思います。


1.描写方法の一部変更
 これまで主人公の岬君への感情没入を促すため日常会話からサッカー描写まで1人称視点で描写しておりましたが、
筆力の不足によりこれからは試合中の描写は他キャラクターの心情も描写した、1人称+3人称、
つまり他作品と全く同じ形式で描写いたします。

2.感情値
 各キャラクターが岬君に対して抱く信頼・友情等の度合いを示します。この数値は
0〜13までであり、初登場時のキャラクターが岬君に抱く初期感情値は4になります。

0⇒敵対:陰に陽に敵対、サッカーでは妨害や分派工作を引き起こす。指示には極力従わない
1・2⇒不信:サッカー判定で指示に従わない事がある
3・4⇒普通:特になし
5〜9⇒信頼:自分よりの発言やフォローを行ってくれる事がある
10〜12⇒親友:サッカー時に岬に関わる行動で+1補正
13⇒???⇒??????

次レスにてこれまで登場したキャラクターの現在の感情値について紹介します。

465 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/17(金) 22:34:47 ID:BJFd4I9w
天ヶ瀬(+1、つまり4→5)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/31

サッカー部員共通(+1、つまり4→5)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/31

聖薇(+2、つまり4→6)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/79
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/431

あずみ(+2、つまり4→6)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/251
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/602

直(+1、つまり4→5)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/540

千早(+1、つまり4→5)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/688

優(+1、つまり4→5)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1510457921/688

亜美(+1、つまり4→5)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1536464753/82

真美(+1、つまり4→5)
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1536464753/139

なお、夕子や絹代、絵理のように特段の変化を記していない人は4です。
あずみや聖薇、千早の母親など同年代以外のキャラクターはカウントしておりません。

466 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/17(金) 22:39:17 ID:BJFd4I9w
3.「倦怠感」の設置
 ドリブル、パス、ブロックなどの各項目それぞれに設けられます。項目につき5つまでカウントされ、
該当項目の練習回数が5つになると、その項目の練習レベルが1下がります。その倦怠感への対策は以下になります。

一、サッカー関連の雑誌を買う
 ル・エストで販売されているソビエツキ・スポルトなど
 サッカー練習の効率を上げる資料を読む事で、下がった練習レベルを戻す事が出来ます。この方法の長短は以下の通り。
長所:読む事で確実にレベルが上がる
短所:所持金が無ければ使えない、雑誌の内容により上げたい練習とズレが生じる恐れあり

二、ゲームセンターで遊ぶ
 アタリフランスもしくはナムコフランスのゲームセンターでプレイする事により、ストレス解消を図り、
倦怠感を解消させます。この方法の長短は以下の通り。
長所:1と違い、その日1日のプレイで全ての練習の倦怠感を解消します。
   また判定により他人と交流できる可能性あり。
   (アタリとナムコでは若干異なりますので、機会を見つけて知ってそうな人に尋ねてください)
短所:プレイ代金がかかります。具体的には2× 50 フラン。

三、友達と遊ぶ
 仲の良い人達と遊ぶ事で、ストレスを解消します。遊びには外で遊ぶ事と家でテレビゲームをする事の2つがあります。
(電話をしてからどちらにするか尋ねられます)

三の一:外遊び
長所:相手との関係進展チャンス、練習項目のうち1つ分の倦怠感が解消される
短所:選択肢によってはマイナスになりうる
三の二:テレビゲーム
長所:相手の得意ジャンル選択により好印象が得やすくなる、また練習項目のうち2つ分の倦怠感が解消される
短所:ゲーム機を持っている家でないと選べない、能力が下がるおそれあり

なお、ゲームソフトはアタリフランスにて1本160フランで購入できます。
(80年代前半のゲームソフト平均価格は20〜30ドルであり、83〜85年の交換レートは1ドル8フランとしているため)

467 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/17(金) 22:44:45 ID:BJFd4I9w
これまでのように物語は1月4週、1週分を最低単位として進んでいきます。
1週間の行動コマンドは以下のように進みます。

学校内⇒練習時間⇒自由時間

3つのフェイズを1つずつ行っていく形になります。練習時間についてはこれまで通りですので、
「学校内」と「自由時間」についての変更を説明いたします。


T.学校内

@自分の教室、A上級生の教室、B下級生の教室 C音楽室、D情報室、E校庭、そして
F誰とも会わずまっすぐ帰宅

のどれかを選ぶ、Fを選んだ場合、2分の1の確率で練習時間か自由時間のどちらかをもう1回多く利用できます。
それ以外の場合は、その場所にいるであろう人と交流を行えます(誰もいない場合もあります)。
場所によって会える人が変わってきますし、複数の箇所で会える人もいます。


468 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/17(金) 22:46:50 ID:BJFd4I9w
U.自由時間

これまでは、
A サッカーの練習に出かける
B パリのどこかに出かける(さらに分岐)
B1 所持品を使う・持ち歩く(さらに分岐)

となっていますが、簡略化の為B1は廃止します。所持品は原則常日頃持ち運ぶものとし、
明らかに持ち運びが不自然なもの(冷蔵庫を持ち運ぶなど)は事前にその旨を伝えます。
そしてBを選んだ後についてですが、

A 日本人学校
B 天ケ瀬家
C ヴォルテール通り
D ル・エスト
E 【アタリフランス(早川家)】
F 【双海家】
G 如月家
H 15・16区周辺を散歩する
I1 15・16区以外の散歩(要行き先の記述。
            これが採用された場合、この週の日常生活は選択できなくなります)
I2 15・16区以外の散歩(要行き先の記述。交通機関(註)を利用します)
J その他、自由回答(要2票)

現状の選択肢のうち、日本人学校とヴォルテール通り、I1とI2の選択肢は廃止いたします。
代わりに「無間神社」と「ナムコフランス」を追加し、如月家は電話での事前確認が可能になるものとします。
(学校に通い担任から連絡表を渡される形でクラスメイトの住所と電話番号が伝えられる)
また、Hは「15・16区周辺を散歩する」から「居住地域周辺を散歩する」に変更します。

469 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/17(金) 22:52:09 ID:BJFd4I9w
変更後の選択肢は以下のようになります。

A 【天ケ瀬家】
B ル・エスト
C 【アタリフランス(早川家)】
D 【双海家】
E 【如月家】
F 無間神社
G ナムコフランス
H 居住地域周辺を散歩する
I その他、自由回答(要2票)


以上で変更内容についての報告を終わります。多くの変更を行ったため、どこかで
齟齬があったり変更内容を忘れてしまうかもしれませんが、その際はどうか遠慮なく
ご指摘をお願いいたします。

それでは次回より、物語を再開いたします。なにとぞもう少しお待ちください。

470 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/25(土) 17:21:30 ID:29osmXDg
設定の追加、83年10月現在のアタリ2600の価格は1200フランとします。
カセット(1本160フラン)と並んで岬君の収入源となりうるものとなりますので、覚えておいてください。
詳細はスレ主によるツイートを御参照願います。

https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC/status/1132197229702180864

あと、これは最近になってようやく気付いたのですが、アナザーカンピオーネの作者様が
物語のネタ帳を公開してくれました。

http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1398138423/959-983

Twitterでも色々と三杉君に対する思いを綴っていますので、よければこちらもどうぞ。

https://twitter.com/irumi_inoldays

岬君の物語についてはただいま執筆中であり、明日には投稿できるかと思われます。
なにとぞもう少しお待ちください。

471 :森崎名無しさん:2019/05/25(土) 20:22:56 ID:???
三杉「こ、これが特製ブルガリアヨーグルト!」

特製ブルガリアヨーグルトがあれば三杉も大復活!

472 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:02:44 ID:QYGgiLiY
>>471
一口食べれば心臓病も治り、ZEROシステムの洗脳も解け、
ついでに身長もグングン伸び視力も回復し異性にもモテモテ、
そんな現代の霊薬こと、ブルガリアヨーグルト!……なんてなりそうな勢いですね。
ル・エストあたりで導入した方がいいのかなあ。


さて……


ついに!キャプテン岬本編がはじまりました!
これまでの計1スレ半を費やした展開はほんのプロローグ。
これより本番、岬太郎君の物語が本格的にはじまりまーーーーーーーーーーーーーーーーす!

473 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:04:57 ID:QYGgiLiY
   第1章 パリ留学編 
     第1部 日本人学校
       第1話「岬太郎の入学、そして入部」



岬「日本からやってきました、岬太郎です。よろしくお願いします」

昭和58年10月3日、ようやくパリ日本人学校へと入学する事ができた。
転校は今まで数え切れない程繰り返してきたが、今度ばかりは違う。
遠い異国の地という事もあるが、これから何年もの間ここが根城になるのだ。絶対にヘマはできない。
幸い、ワイワイガヤガヤと新参者をネタにしゃべるクラスメイト達に、警戒の色は見られない。

夕子「この人が、如月さんの弟君を助けたの」
千早「ええ、私の目の前でね。岬君がいなかったらどうなってたか。感謝してもしきれないわ」
夕子「そうなんだ、男の子ってスゴイんだなあ……」

クラスメイトの一部からは尊敬のまなざしさえ投げかけられている。優を助け出した事はあえて学校には伝えなかった。
上から「偉業」として讃えられるよりも、コミュニティ内の口コミを通した方が
自然に、変な邪推が入る事なく伝わってくれるだろう。
そうして自己紹介も終わって指定された席に座った後、丸山先生が皆へと話しかけてきた。

丸山「さあ、新しく入ってきた岬君への説明も兼ねて、新校舎引っ越しの件について話をするわね。
長い事決まらなかったけど、ようやく決まりました」

丸山春子先生はそう告げた後、黒板の方を向きチョークで描きだし始めた。
この先生はあずみや聖薇、千早の母親と同じか少し若い位の年頃、ふんわりとしたパーマに血色の良い丸顔、
そしてハキハキとした声で、いかにも元気そうだという印象の先生だ。

474 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:06:50 ID:QYGgiLiY
その先生がカツカツと亀の甲羅のようなパリ市地図を描き、その内の一点にグリグリとチョークを押し付ける。
位置からしてこの日本人学校を指しているのだろう。そこから左下に手を動かして左端の出っ張り、
位置と大きさからみていつも練習に行くブローニュの森だろう。そこを通り抜けてちょうどパリの外へ出た所で再び手を止め、
またもチョークを押し付けて点をつけてから、こちらを向いて話しだした。

丸山「この学校はみんな知っての通り、昔の貴族のお屋敷を手直しして出来たものです。
   ですからここに大勢通うようになってきてからスペースが手狭になってきました。そこで来年4月から
   中学部の皆さん、つまりここにいるあなた達6年生から上は全員、
   ここから引っ越して別の場所に通ってもらう事になります」

引っ越しという言葉を改めて聞いて、周囲はざわつきはじめた。大人はとっくに忘れてしまっただろうが、
僕ら子供は月1度の席替えが少なくとも前後3日はおしゃべりのネタとなり、
年1度のクラス替えでは友達と離れ離れになってしまうと、
学校にベルリンの壁でもできたかのごとく嘆き悲しむ人が出る人種である。
そんな子供人達が一生に一度もないであろう学校替えという一大イベントを前に、心穏やかでいられるはずもなかった。

丸山「はいはい静かに、いよいよお待ちかねの新校舎発表なんだから、うるさくして見逃さないようにね」

パチリと茶目っ気たっぷりにウィンクを飛ばした後、最後に点打ちした場所を指でたたきながら、発表した。

475 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:08:51 ID:QYGgiLiY
丸山「みんなが気になる引っ越し先はココ!ブローニュの森の隣、パリ市の境にあるシュレンヌのマンションに移りまーす!
   そのマンションの写真がこちら!」

ハイテンションになりながら、机の上に置いたA3程の紙を掲げ、校舎と思われるマンションの姿を皆に見せる。
そこに見えるマンションはお洒落というかなんというか、語彙が足りずに上手く表現できないのがもどかしくなるが、
センスのいい建物、いや建築物だった。

丸山「このマンションの幾つかの部屋を間借りして学校にしますから、皆さん住んでいる人達にお行儀よくしなさいね。
   この新学校は遠い所にありますから、学校への登下校はバスを使う事になります。集合場所は決まり次第また伝えます」

バス通学ときいて再び教室が騒がしくなる。楽が出来ると喜ぶ子や金持ち気分に浸る子で賑わっていたが、
僕は何か引っかかるものを感じて、聖薇の方を向いてみた。

相手の方から見て死角となる位置から眺めていると、聖薇は先生に向かいほんの一瞬、
ざわめきを乱さない程度に軽くであったが、頭を下げる姿が見えた。

岬「(お辞儀、か。母親を通じて、いや母親が働きかけてくれたんだろうか)」

想像の通りならあの母親は相当な有力者という事になり、そうなれば早乙女電子の社長だったという話も
単なるホラ話ではないかもしれないという事になるが、遠くからのぞき見るだけで真相が分かる訳も無く、
引っ越しの話は終わって授業へと移っていくのであった。

476 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:14:34 ID:QYGgiLiY
*岬による人助けが口づてに伝わっていった事で、岬に対する感情値が以下のように変化しました。
(あずみ、聖薇、千早は既に知っているため変化なし)

天ヶ瀬(5→6)
サッカー部員共通(5→6)
夕子(4→5)
絹代(4→5)
直(5→6)
亜美(5→6)
真美(5→6)



天ヶ瀬「来たか、岬が来るのを今か今かと待ってたぞ!」
あずみ「待ってたぞー!」

放課後、自分が所属する部活動を決めるべく、サッカー部の臨時部室に入ると、
ドアの前で天ケ瀬とあずみちゃん、そしてサッカー部の部員達が大賑わいで出迎えてくれた。

丸山「あらあら、すごい歓迎ぶり。これなら1回位は勝てるかもしれないわね」

後ろでこの光景を微笑ましく見守っているのは、僕らの担任丸山先生。学業終了後に彼女から部活動選択について教わった後、
方向が同じという事でついてきた人だ。この反応を見る限り彼女がサッカー部の顧問なのだろう。
主要人物3人がうっかり八兵衛で成り立っているような部に一抹の不安を覚えたが、
そんな事には気にもかけずに先生は僕達を部屋の奥へと誘導していき、備え付けの黒板の前に立って話し始めた。

丸山「全員集まったところで、岬君への連絡を兼ねて今後の目標を確認するわね。当面の目標は周りの
   同年代フランス人学校のチームと戦って1勝する事。これは岬君の参加と早川さんの復帰で勝ち目が見えてきそうだから」
   置いておく事にして、これから来年の、84年8月の西ドイツはハンブルグで開催される
   日本人学校対抗親善試合大会について話すわ」

477 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:16:23 ID:QYGgiLiY
岬「(ハンブルグというと、たしか若林が留学に行った場所のはず。もしかしたら会えるかな)」

丸山「このパリの他に今回は5校、ベルギーのブリュッセル校にオランダのアムステルダム校、
   西ドイツのハンブルグ校とデュッセルドルフ校、そしてイギリスのロンドン校とトーナメント形式で戦う事になるわ。
   この中で気を付けるべきはアムステルダムとロンドンの2つ。これはアムステルダムの先生から聞いた話だけど、
   あそこには日本で活躍した子が多数入ってきてるそうで、オランダの同年代の子達ともいい勝負が出来ているというわ。
   そしてロンドンの方だけど、これについては天ケ瀬君」

天ヶ瀬「はい」
丸山「あなたの口から語ってくれた方がいいわね。あなたが直接、脅威を目の当たりにしたんだから」
天ヶ瀬「分かりました」

顧問からの要請に従い、体育座りをしていた天ケ瀬が立ち上がり、先生の代わりに僕らへと向かい合う形で、話し始めた。

天ヶ瀬「親父の仕事の都合で今年の夏休みはイギリス中を巡っていたんだが、ロンドンの公園で見かけたんだ。
    日本人の、岬位の子供が明らかに年長の、高校生ぐらいの年頃とガタイのイギリス人を何人も相手にして、
    ある時は抜き去り、またある時は対格差を物ともせず吹き飛ばしていたんだ。あの切り返しとパワー、
    ひょっとしたら岬よりも強いかもしれない」
岬「(僕よりも?それは相当な相手だな、一体誰……)」

478 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:19:05 ID:QYGgiLiY
天ヶ瀬「だが、俺の目に止まったのはイギリス人相手に圧倒した奴の表情だった。
    ほほ笑んでいるはずなのに感じられる残忍ぶり、必要とあらば顔色も変えず妊婦の腹を引き裂けるような感じの、
    遠くから眺めて恐怖を感じたのは初めてだった。あの白髪は夢に出てきそうだ……」

岬「(残忍?小次郎なら容赦はないだろうけど、イギリスまで留学できるとは思えないしなあ。
   それに白髪って、誰なんだろ?)」

天ヶ瀬「俺からは以上だ。先生、もう戻ってもいいですか」
丸山「ええ、ありがとう。さて、これで親善試合については終わりだけれども、何か質問はあるかしら」
岬「(質問か、何を訊こうかな)」



A ロンドンの謎の少年について尋ねる
B アムステルダムのチームについて尋ねる
C 周辺のフランス人学校のチームについて尋ねる
D その他、自由回答(要2票)

1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

479 :森崎名無しさん:2019/05/26(日) 12:23:45 ID:GP1JbSMQ
C

480 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 12:29:51 ID:QYGgiLiY
何を聞き出そうか考えているところで、今日はこれまでといたします。
ちなみにこの丸山先生はスレ主創作のオリキャラという訳ではなく、昭和版アニメ『キャプテン翼』にて
翼や石崎達の担任となった、アニメオリジナルキャラクターになります。
埋もれてしまったキャプつばキャラの掘り起こしも、このキャプテン岬の目的の1つでもあります(爆)


Twitterでも彼女について画像付きで記しておりますので、もし興味のある方はこちらをどうぞ。
https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC/status/1124278960894775297

岬君が通う学校や転校先についてもTwitterでつぶやきますので、良ければこちらもどうぞ。
https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC

481 :森崎名無しさん:2019/05/26(日) 13:51:21 ID:???
ということは昭和版アニメ『キャプテン翼』のオリジナルキャラ東一中の小野田も登場するということでしょうか?

482 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/05/26(日) 19:45:40 ID:QYGgiLiY
>>481
恥ずかしながら今こうして指摘されるまで、小野田君の事を知りませんでした。
調べてみると彼についての関心がむくむくと湧いてきたので、彼の登場を前向きに検討したいと思います。
ただ、スレ主の想像や願望も交えたものになるため、皆様のイメージとはずれた人物像になるかもしれませんが、
そこのところは何卒御了承願います。

483 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/06/02(日) 21:58:05 ID:JIgFu7NU
今週の投稿はお休みさせてください。

484 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:31:17 ID:t0TyXqb6
C 周辺のフランス人学校のチームについて尋ねる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(親善大会の事は、後で訊こう)」

近隣学校の状況を尋ねる事に決めた。今日明日にでもあるかもしれない現地人との初交流を少しでも有利にしたいという思惑が……

天ヶ瀬「……」

目と目が合う、瞬間ウソをひっこめた。いや確かにそう言う意図もあったが、それ以上に今目の前に見える
天ヶ瀬の表情に目が行く。顔が引きつっていて、とても遠くで見ただけのようには見えない。

岬「(迂闊に話しかけたらとばっちりまで来るかもしれない。気にはなるけどここは話題を変えよう)
   先生、よければ今このあたりの他の学校について、教えてもらえないでしょうか」

丸山「あら、大会に興味が向くかと思ったけれど。まあいいわ、教えてあげます」

そう言って先生は手元に持っているノートを開いた後、ノートと黒板を見比べながら、
チョークでポジションと能力値について書きだしていった。


★フランス人中学校生の平均的フィールダー能力★
ポジション/左から順にドリブル・パス・シュート・タックル・パスカット・ブロック・せりあい値
FW/16、16、14、12、10、10、12、合計90
MF/15、16、13、12、11、11、12、合計90
DF/13、12、12、14、13、13、13、合計90
GK/12(せりあい)、17(パンチング)、15(キャッチ)

丸山「ガッツは全員600、これはうちも同じぐらいね、早川さんは500より少し多いぐらいだけど。
   フランス側の戦力は私が何年もの間サッカー部の顧問やってきて、何十回も観察した結果だから、信用しても大丈夫よ」

485 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:32:24 ID:t0TyXqb6
丸山「そして、うちのところはこんな感じ」

★我らが日本人学校のフィールダー能力★
●FW
・中江/12、11、13、11、10、8、9、合計74
・秋山/12、11、13、11、10、8、9、合計74
・あずみ/15、11、15、13、9、11、11、合計85
●MF
・渋沢/12、12、11、12、10、8、9、合計74
・黒田/12、12、11、12、10、8、9、合計74
・永井/12、12、11、12、10、8、9、合計74
・天ケ瀬/14、13、15、14、13、14、14、合計97
●DF+GK
・西園寺/10、11、8、12、11、11、11、合計74
・大杉/10、11、8、12、11 、11、11 、合計74
・金子/10、11、8、12、11 、11、11 、合計74
・藤田/10、11、8、12、11 、11、11 、合計74
・塩野/12(せりあい)、13(パンチング)、11(キャッチ)


岬「(うわあ、やっぱり)」

予想はしていたが、周囲との実力差は大きい、2周りも差を付けられているとなると、
天ヶ瀬とあずみちゃんが頑張ったところで勝利できなかったはずだ。

岬「(けど、僕が入れば話は違う。この位なら僕の立ち回り次第で試合をものにする事ができるはずだ)」
丸山「さあ、話はこれで終わり、早速練習に向かうわよ」

486 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:33:31 ID:t0TyXqb6
             第2話『ならず者蹴球部隊との賭け』


部室で説明を受けてから数十分後、僕達はブローニュの森のシュッセ運動場へと来ている。

丸山「ふーう、ようやくついたわねえ。運動場も空いてるし、今日はちゃんと練習できそう」
岬「(今日は?それに『ちゃんと練習』って)」

これまでに何度か訪れた時のように、運動場には僕達以外の人達が何人もいて、思い思いに体を動かしている。

岬「(人の入り具合で満足に練習もできないって事か。やっかいな……)」
???「おーす、負け犬ども!」

ふと後ろからガラの悪い声が投げつけられる。振りむくと髪は金、瞳は青、こちらの先輩方と同じ年頃のフランス人達が、
どう見ても友好的には見えないニヤケ顔を浮かべてこちらに近づいてくる。

ならず者A「ちゃんとバカンス中にサッカーしてたかあ?2カ月もあれば少しはマシになっただろ?」
ならず者B「いいかげん上手くなってもらわねえと、こっちまで鈍っちまうんだよ。他との試合で負けたらテメエらのせいだな」
ならず者C「ま、今回もムリじゃねえの?最後に試合したときなんか、怖じ気ついて何人もここに来てなかったからな!」

487 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:35:24 ID:t0TyXqb6
ならず者D「今も女まで呼ばないと人数そろわないみたいだしな、もう戦うまでもないだろ、ハハッ!」
あずみ「なによ!言わせておけば」

殴りかかろうとしたあずみちゃんを、手首を掴んで制止した後、先生の顔を見てみる。
これ程険悪な空気が漂っている中、先生の顔に怒りや怯えといった類の表情にはなっておらず、
先程と変わらぬ平然とした顔で異国のならず者達を見すえていた。

天ヶ瀬とあずみちゃんは憎々しげな顔でならず者達を睨み、それ以外の人達はどこか気圧された自信のない顔つきで、
心持ち視線が下に向きながら押し黙っている。
ともあれ互いに沈黙しながら向かい合う形になった。と思ったのだが、
相手からの天ケ瀬を指して叫んだ爆弾発言で、状況は動き出した。


ならず者E「ハハハハハ!思い出したぞコイツ!ロンドンで恥をさらしたポンコツだぁ!!」
天ヶ瀬「んなっ!」

思わぬ言葉に目を見開いた後、苦虫を噛み潰したような顔へと表情が染まっていく。
相手は天ケ瀬の感情を気に掛けるはずもなく、ペラペラと暴露していく。

ならず者F「マジかよ!そいつぁダッセーな!」
ならず者E「そうそう、マジマジ!それもよ、最後なんかゴール飛び越える位吹っ飛ばされたんだぜ!
      その程度の実力じゃ、また俺達の勝ちは圧勝で決まりよ!」
岬「(年下に吹っ飛ばされた!?これは相当な実力者だ、日本以外にもこれ程のプレーヤーがいるのか)」

488 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:37:14 ID:t0TyXqb6
天ヶ瀬の醜態が口に出されるにつけ、彼らから楽勝ムードが目に見えそうになる程になっている。
そんな彼らから発せられた言葉が、僕にひらめきをもたらしてくれた。

ならず者G「今日は俺、チョーシいいんだ、ハットトリックいったら100フランな!」
ならず者H「バカ言え、ハットトリック決めるのはオレだ。お前より先にハット決めるのに200賭ける」
ならず者I「今日はDFでも決められそうな気がするぜ!オレが決めたら……」


岬「いいかげんにしろっ!」


反射的に体が突き動いた、ように勢いよく彼らの前に飛び出す。
賭け、それに金額。これら単語からあるアイデアが浮かんできた。

ならず者I「見ねえ顔だな、テメエはだれだ?」
岬「岬太郎、日本人学校のサッカー部員だ!僕達は君達にいつまでも負け続けるだけの存在じゃない!」
ならず者I「ナマいってくれちゃって、新入りらしいから教えてやるよ。
      こいつらはオレらに負けて負けて20連敗、敗北率150%よ!試合が終わって負ける100%に、
      後半はじまる前から負けが見える50%!お前らはせいぜいオレらのカケ用道具がおにあ」
岬「なら今度は僕と賭けろ!」

ノッてきた。敵方の他の仲間も賭けを制止する様子も見られない。
激しい怒りの顔を叩きつけながら、僕は宣言する。

岬「僕の手持ちは400フラン、全財産鍵集めれば1000はある。
  今度勝負して負けたら全部、お前達にくれてやるっ!お前達も口だけじゃないなら賭けてみろ!」
ならず者A「言ってくれるじゃねえか、いいぜ」

489 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:38:51 ID:t0TyXqb6
集団の後ろにいたならず者が鷹揚に声をかける。周りが異議を唱えないところから見て、この少年がキャプテンだろう。

天ヶ瀬「お、おいみさ」
ならず者A「ただし!せっかく賭けてやるんだ、もっと儲からないとな。1000じゃ1人頭100フランにもなりゃしねえ、
      そうだな、2200出せば相手してやろうじゃねえか。受けなかったら
      お前らの弱虫ぶりケチぶりをパリ中に広がるから覚悟しておけ」
丸山「はいはい、そこまで」

僕と相手との口論を先生がさえぎった。右手には開ききったノートを手の平いっぱいに広げて支えている。
左手は手のひらを地面から見て垂直に立てていて、キリスト教徒が聖書を前に宣誓するような身振りで、僕らに告げる。

丸山「エキサイトするのはサッカーだけにしなさい。あなた達、賭け試合する気ね」
ならず者A「ああ、そうだ。悪いか」

他校とはいえ先生相手に悪びれもせず答えた。この分だとこの手の金のやり取りは慣れっこになっているのだろう。
先生はそんな横柄な態度には全く関心なしといった風らしく、顔色も変えずに言葉を返す。

490 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:41:00 ID:t0TyXqb6
丸山「約束を守らなければね。守る分には、借りた金を返すため金策に走り回って返済するのも、良い社会勉強になるから」
ならず者A「ほーお、毎日の勉強や勝てないサッカー部の練習だけじゃなく、
      世の中の仕組みまで学ばせるとは、教育熱心な先生ですなあ」
丸山「御託を並べてないでここに書きなさい。あなた達の氏名と学校名、賭ける金額を記す事。
   もし裏切っておかしなマネをしたら、あなた達の先生に伝えるべき事を伝えるだけよ」
ならず者A「へっ、チクってうやむやにしようってか?」
丸山「大丈夫よ、約束を守る限りそんな事はしないわ。それに」

先生は懐に手を入れ、1枚の赤みがかった紙切れを取り出し、ならず者達に見せつける。

丸山「あなた達が勝ったら、私が1人分200フラン、合計2200フラン出しましょう。岬君の分と合わせて3200フラン、
   賭け金が多い人が多くもらうようにしなさい。ま、負けたら関係のないこ」

「3200フラン!」

フランス側メンバーの誰かが叫び、それ以外のメンバーも色めき立つ。無理もない、
フランスでも細々と流通し始めた日本の漫画が何十フランもし、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで
買っていく子供としては、山分けとはいえ3200フランとは山のような大金だ。

491 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:42:37 ID:t0TyXqb6
ならず者B「言ったな、後悔するなよ!」
丸山「出なかったら学校に訴えるなり警察に行くなり自由にしなさい。
   それより私達がここまで出す以上、あなた達も賭け金はそれなりに持ってこないとね」
ならず者B「当然よ!お前らとは物持ちが違うからな」
ならず者C「どうせ勝つんだ、気前のいいとこ見せてやるぜ!」
ならず者D「みんなわりい、オレハットトリック決めるから、1000フランぐらいもらっちゃうわ」
ならず者E「ちょうど昨日、小遣いが入ったんだ、取り分が増えるぜ!」
丸山「はいはい、受け取りたかったらここに記入しなさいね」

やいのやいの、既に勝って賭け金を受け取ったかのような高揚した様子で、敵方は湧き立ち
喜び勇んでノートに名前と賭け金を記帳していく。どれくらいの額になったかというと……


先着で、
★クレベーユ ! powerフラン
セルビー ! powerフラン
デュイソン ! powerフラン★

★ギュイーズ ! powerフラン
モンモランシー ! powerフラン
テナルディエ ! powerフラン★
(続きます。次のレスを投下するまで投稿は行わないでください)

492 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/08(土) 19:44:25 ID:t0TyXqb6
★ブリュイ ! powerフラン
マルタン ! powerフラン
ピラーグ ! powerフラン
ブーアン ! powerフラン
ギャロス ! powerフラン★

と書き込んで下さい。!とpowerの間のスペースは埋めてください。
投票チャンスを増やすため、投票は1人1項目(★〜★)でお願いします。




岬君が儲けのタネを見つけ、丸山先生が賭け試合を了承したところで、本日はこれまでと致します。
岬君の算段については次回か次々回でもう少し詳しく説明します。
なお、再来週の投稿についてですが、松山光・三杉淳誕生祭の準備と私事により、投稿ができないかもしれません。
投稿できないと確定した時点でお知らせしますので、なにとぞご了承ください。

493 :森崎名無しさん:2019/06/08(土) 20:22:18 ID:???
★クレベーユ  231 フラン
セルビー  454 フラン
デュイソン  13 フラン★

494 :森崎名無しさん:2019/06/08(土) 20:44:31 ID:???
★ギュイーズ  315 フラン
モンモランシー  419 フラン
テナルディエ  358 フラン★

495 :森崎名無しさん:2019/06/08(土) 20:48:26 ID:???
★ブリュイ  742 フラン
マルタン  537 フラン
ピラーグ  813 フラン
ブーアン  432 フラン
ギャロス  409 フラン★

496 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/16(日) 12:28:43 ID:DNkmwWcQ
★クレベーユ  231 フラン
セルビー  454 フラン
デュイソン  13 フラン★
★ギュイーズ  315 フラン
モンモランシー  419 フラン
テナルディエ  358 フラン★
★ブリュイ  742 フラン
マルタン  537 フラン
ピラーグ  813 フラン
ブーアン  432 フラン
ギャロス  409 フラン★
⇒合計4723フラン
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(……凄い額だ)」

次々と書き入れられる金額が目に入り、ゴクリとつばの音がのどに響く。
周りに聞こえてはいないかと、ヒヤリとさえしてしまった。

岬「(4723フラン。円にすると10万円以上だ。これをそっくり手に入れてしまえば、何年もの間お金に困る事はなくなるだろう。
   巻き上げる前に『ほんのわずかな差で負けてしまった』と感じるように上手く勝てば、
   相手は負けを取り戻そうとムキになって挑戦し続ける。
   後は時々負けてやっていけば、少なくとも半分は手元に残せる、
   そして収益を今以上に増やす事だってできるはずだ。問題は)」

僕の横や後ろで先生とならず者、そして事の発端たる僕をチラリチラリと交互に視線が飛び交っている。

497 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/16(日) 12:30:52 ID:DNkmwWcQ
岬「(『お前のせいで大変な事になった、どうしてくれる』と言いたげな
    この先輩達をやる気にさせないといけないんだよなあ。そしてやる気を出させた後は、
    なるべく少ない分け前で満足してもらわないと。そのためには)」

協力者が必要だ。金儲けのシステムを維持し、自分の存在を分かりづらくする存在が必要となる。

岬「(でもその前に)」

賭け試合の話が一通り決まってからだ。幸い取り決めは先生が滞りなく進めてくれている。

テナルディエ「……っと、これで終わりだ。金の調達もしなきゃならんだろ、5日後の9時か10時、この運動場で試合だ。
       雨が降ったら立ち合いの元、延期するか決める。これでどうだ」
丸山「そうね、こっちも問題ないわ」
テナルディエ「そうか、じゃ、決まりだ。忘れずに来いよ、金づるさんよ、じゃあな!」

試合の取り組みが彼らと先生との間で締結され、彼らは運動場から去っていった。
その先生は残った僕らの方に向いてわざとらしく咳をする。
皆催眠術から覚めたかのようにハッとした顔になり、口々に先生へ苦情を申し立てた。

渋沢「先生、いくらなんでもあんまりですよ!勝手に決めるなんて!」
大杉「俺達あいつらに20連敗してるんですよ!20連敗!」
西園寺「だいたい岬の奴が勝手に……」

パアン!

先生が勢いよくノートを閉じた。予想外の動きに皆がたじろぐ瞬間、語った。

丸山「これで、勝つしかなくなったわね」

498 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/16(日) 12:32:10 ID:DNkmwWcQ
フフンと笑みを浮かべながら、挑発的に言い放つ。

丸山「なあにその顔、そんなに負けたがってるのかな」

煮え切らぬ顔で黙る先輩達に、さらなる挑発を重ねてきた。
そこまで言われてさすがに思う所があるらしく、少しずつ口を開きはじめる。

永井「いや、自分達だって負けたくないですよ。でも」
大杉「いくら練習しても勝てないし、これ以上こっちから恥をさらしたくないです」
西園寺「少し周りより上手いからって、思い上がりもたいがいに……」


天ヶ瀬「いいけげんにしろテメエら!」


ブローニュの森にまたも怒号が響く。公衆の面前で辱めを受けてから沈黙していた天ケ瀬が、沸騰している。

天ヶ瀬「テメエら全員サッカーやめちまえ!頭踏みつけられて当然みたいな顔しやがって!
    俺は1人になっても、アイツらに頭を下げはしないぞ!」
丸山「そこまで」

激昂したサッカー部部長の口に人差し指をそっと当てて制止した後、先生が宣言する。

丸山「騒いでも何しても、約束をした以上試合は行います。
   確かにこれまで負け続けてきた相手ですが、嫌だからといって私達が無様なふるまいをさらすと、
   異国の人達は私達だけではなく、日本や日本人全体をさげずむようになります。
   何より、あなた達は以前に比べ成長しました。臆する事がなければ必ずいい勝負ができると、私は信じています」

そこまで語った後、ことさらに声を張り上げて、さあ練習をはじめましょうと呼びかける。
先輩達の動きは重く、迷いが身体に反映されているのがありありと分かった。

499 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/16(日) 12:33:26 ID:DNkmwWcQ
岬「(いい展開だ)」

練習終了後のクールダウンの体操を行いながら、開始前の展開を振り返っていた。

岬「(先生や天ケ瀬が目立ってくれたおかげで、非難の矛先が僕以外に向かってくれた。
   これで先輩達への手間は少なくなって、その分を協力者の方へ注ぐことができる。)」

練習が終わって全員運動場から去り、ブローニュの森から抜け出て、自宅位置を基にした集団帰宅班を作った後で解散し、
他の人達がいなくなり目当ての相手と2人きりとなったのを見計らい、声をかけた。

岬「あずみちゃん」
あずみ「ひゃっ!な、なによ!」

心ここにあらずだったらしく、呼びかけに驚きすっとんきょうな声を上げていた。

岬「ごめん。ちょっと相談したい事があって」
あずみ「そ、相談?えっとあの」
岬「練習前の、あのこと。僕が意地を張って迷惑をかけちゃったあの事について、思うところがあるんだ」
あずみ「あ、あの、その事だけど、ちょっといい?」

あずみちゃんの方も思うところがあるらしい。僕が本格的に話へ入ろうとする前に、相手の方から
話しかけてきた。協力者候補が話しかけてきた内容は、以下の通りだった。

500 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/16(日) 12:34:46 ID:DNkmwWcQ
先着で
★あずみの発案 ! card★
と書き込んで下さい。スートで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

JORER:ダイヤ・ハート+ あずみ「あ、あの……あの時の岬君、カッコよかったよ……」
ダイヤ・ハート:スペード+あずみ「今度また、一緒に練習しない?あたし、絶対に勝ちたいの」
スペード:クラブ+あずみ「あたし、岬君達の役に立ちたい。明日の夜8時に、うちに来てくれる?」
クラブ:あずみ「あたし、いいお金儲け思いついた!」岬「(おっ、これは話が早く済みそうだ)」



そろそろあずみに協力をという前に相手から話があった、というところで今日はこれまでにいたします。
なお、来週は松山光・三杉淳誕生祭への準備のため、投稿は休ませてください。
何を作ったか見たい方は、こちらのTwitterをどうぞ。

https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC

501 :森崎名無しさん:2019/06/16(日) 12:35:39 ID:???
★あずみの発案  ハート7

502 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/23(日) 16:20:21 ID:CUuOZBZY
今週の投稿はお休みさせてください。代わりと言ってはあれですが、
本日6月23日はガラスのエース、三杉淳の誕生日です。その記念イラストを
Twitterにて投稿しましたので、よろしければご覧になってください。

三杉淳誕生日記念イラスト
https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC/status/1142448595196497921

503 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/29(土) 16:28:47 ID:V6oe0aho
★あずみの発案  ハート7 ★
あずみ「今度また、一緒に練習しない?あたし、絶対に勝ちたいの」
+あずみ「あたし、岬君達の役に立ちたい。明日の夜8時に、うちに来てくれる?」
+あずみ「あたし、いいお金儲け思いついた!」岬「(おっ、これは話が早く済みそうだ)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どんな事を言い出すか。そういえばあの場所では先生や天ケ瀬、ならず者達に目が向かい、
彼女には全くといっていいほど関心を払っていなかった。どんな反応を

あずみ「やるねえ!」

勢いよく手のひらが僕の肩に打ちおろされる。もっともスピードの割には痛みはほとんど感じない。

あずみ「よく言った!あんのムカツク奴らにタンカをきって!あたしすっごくスーッとしたんだから!」

上機嫌で僕の肩をポンポンと叩き、先の挑戦を褒めたたえた。
その後も興奮収まらないらしく、ハイテンションの口調で僕が語りたかった事を口に出してくれた。

あずみ「それとねえ!あたし、すっごいアイデアひらめいたんだよ!」
岬「アイデア?なんのこと」
あずみ「商売はんじょー金もうけ!賭け金の話してる時にひらめいたんだけどさ、うちのゲーセン通していけば、
    ずっとずーっと儲けられるの!えっとね」
岬「しっ」

得意げに儲け話を披露しようとするあずみちゃんの唇に、そっと人差し指を当てて、たしなめた。

504 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/29(土) 16:29:56 ID:V6oe0aho
岬「ダメだよ、そんな大切な事を路上で軽々しくしゃべっちゃ」
あずみ「ふえ、あ、そうね」

不意をつく仕草に意表をつかれたのか、うろたえ気味におとなしくなって、僕の話を聴いてくれた。

岬「その話は別の時にきかせてくれないかな、それよりも今は試合の事を話そうよ。
  あそこまで言った以上、必ず試合に勝ちたい。日数は少ないけどできる事はあるだろうし、するべきだと思う」
あずみ「それもそうね。それじゃ、また一緒に練習しない?今からまんべんなく練習するだけじゃなくて、
    将来有望な選手をマンツーマンで鍛え上げれば、勝ち目も増えると思うんだけど」
岬「そうだね、そうしよう」

後日の個人レッスンへと話題が移っていくにつれ、僕の方も少々考えが変わってきた。
相手が金儲けに乗り気な以上、こちらから色気を見せるより
相手の気分を引き立てて、相手から切り出させる方が良いだろう。

そう考えて僕は彼女と別れた。そして約束の日、彼女と会って練習を行う事となった。

505 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/29(土) 16:31:35 ID:V6oe0aho
A ドリブル 凄く上がりやすい+α
B パス  凄く上がりやすい+α
C シュート 凄く上がりやすい+α
D タックル 凄く上がりやすい+α
E パスカット 凄く上がりやすい+α
F ブロック 凄く上がりやすい+α
G せりあい 凄く上がりやすい+α
H ガッツ 凄く上がりやすい+α

*(初期状態の上昇ポテンシャル。()内はガッツ)

・凄く上がりやすい
JOKER→+2&必殺技のフラグ習得!
13→+2! (+10)
7〜12→+1! (+5)
1〜6→効果がなかった


あずみとどのような練習をするかを選択してください。友達との共同練習のため、若干のプラス補正が付きます。
共同練習の場合ではどちらにも効果が適用されます。
なお、投票の際はID欄を空白にして投票してください。先着1名で決定いたします。


*参考、岬の能力値
ドリブル、パス、シュート、タックル、パスカット、ブロック、競り合い、ガッツ
21、21、19、19、21、20、19、705
*参考、あずみの能力値
15、11、15、13、9、11、11、510

506 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/29(土) 16:33:53 ID:V6oe0aho
私用につき一旦離れます。続きが投稿できるかについては3〜4時間後を目途に報告しました。

507 :森崎名無しさん:2019/06/29(土) 18:15:56 ID:bg8VISzc


508 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/06/29(土) 20:04:35 ID:V6oe0aho
明日は私用で朝早く出かけなくてはいけなくなった為、本日の投稿はこれまでと致します。
続きは明日の午後からとさせてください。試合を開始できるところまで進めるよう努力いたします。

509 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/30(日) 13:01:38 ID:rP/hjaG2
E パスカット 凄く上がりやすい+α
――――――――――――――――――――――――――――――――
先着で
★岬の83年10月の特別パスカット練習→! card
あずみの83年10月の特別パスカット練習→! card★
と書き込み、!とcardの間の隙間を埋めて下さい。数値で分岐します。

JOKER→+2&共同必殺技習得!
13→+2!&共同必殺技のフラグ習得!
10〜12→+2! (+10)
4〜9→+1!
1〜3→効果がなかった

*岬とあずみのパスカット値:それぞれ21、9
*岬のパスカット練習倦怠感:0→1(5になると練習レベルが1下がります)


なお、前回提示した練習のデータ上昇は正しくは以下の者になります。訂正して
お詫び申し上げます。
また、共同必殺技につきましては、片方が習得した場合未収得側も技が使えるようになりますが、
本人が習得できるようになるまでマイナス補正(−2)がつくものとします。

・凄く上がりやすい+α
JOKER→+2&共同必殺技習得!
13→+2!&共同必殺技のフラグ習得!
10〜12→+2!
4〜9→+1!
1〜3→効果がなかった

510 :森崎名無しさん:2019/06/30(日) 13:24:26 ID:???
★岬の83年10月の特別パスカット練習→ ダイヤ7
あずみの83年10月の特別パスカット練習→ スペード9

511 :森崎名無しさん:2019/06/30(日) 13:33:17 ID:???
質問です
練習倦怠感を解消するにはどうしたらいいのでしょうか?

512 :森崎名無しさん:2019/06/30(日) 13:34:29 ID:2Wg99gDs
★岬の83年10月の特別パスカット練習→ ハートJ
あずみの83年10月の特別パスカット練習→ スペード2

513 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/30(日) 13:50:23 ID:rP/hjaG2
>>511
倦怠感の解消については>>466に記しております。一部記述にミスもありましたので、訂正も兼ねて再掲いたします。
         3.「倦怠感」の設置
 ドリブル、パス、ブロックなどの各項目それぞれに設けられます。項目につき5つまでカウントされ、
該当項目の練習回数が5つになると、その項目の練習レベルが1下がります。その倦怠感への対策は以下になります。
        一、サッカー関連の雑誌を買う
 ル・エストで販売されているソビエツキ・スポルトなど
 サッカー練習の効率を上げる資料を読む事で、下がった練習レベルを戻す事が出来ます。この方法の長短は以下の通り。
長所:読む事で確実にレベルが上がる
短所:所持金が無ければ使えない、雑誌の内容により上げたい練習とズレが生じる恐れあり
         二、ゲームセンターで遊ぶ
 アタリフランスもしくはナムコフランスのゲームセンターでのプレイで、
 ストレスを解消し倦怠感を解消させます。この方法の長短は以下の通り。
長所:1と違い、その日1日のプレイで全ての練習の倦怠感を解消します。
   また判定により他人と交流できる可能性あり。
   (アタリとナムコでは若干異なりますので、機会を見つけて知ってそうな人に尋ねてください)
短所:プレイ代金がかかります。具体的には2×! numフランと判定で変化します。
   不足した場合は残金0で止まります。
                三、友達と遊ぶ
 仲の良い人達と遊ぶ事で、ストレスを解消します。遊びには外で遊ぶ事と家でテレビゲームをする事の2つがあります。
(電話をしてからどちらにするか尋ねられます)
              三の一:外遊び
長所:相手との関係進展チャンス、練習項目のうち1つ分の倦怠感が解消される
短所:選択肢によってはマイナスになりうる
             三の二:テレビゲーム
長所:相手の得意ジャンル選択により好印象が得やすくなる、また練習項目のうち2つ分の倦怠感が解消される
短所:ゲーム機を持っている家でないと選べない、能力が下がるおそれあり

なお、ゲームソフトはアタリフランスにて1本160フランで購入できます。
(80年代前半のゲームソフト平均価格は20〜30ドルであり、83〜85年の交換レートは1ドル8フランとしているため)

514 :森崎名無しさん:2019/06/30(日) 14:05:00 ID:???
どうもありがとうございます
うーんどれも一長一短なんですね…
そんなにうまい話は無いって事ですか

515 :キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2019/06/30(日) 14:28:56 ID:rP/hjaG2
>>514
お礼の言葉をありがとうございます。

この倦怠感とその対策についてはバランス調整の他に、「サッカー以外の人生を楽しむ岬君」を
描きたかったためでもあります。この倦怠感抜きのシステムのままであると、能力上昇を優先して
サッカー練習に専念した選択となる事を、私は危惧しておりました。
確かにその方が効率は良いですし、下克上のカタルシスも大きくなりますが、
せっかくの青春をサッカーだけに費やすという事は、私としては望んでいませんでした。
もっといろんな経験をし様々な人と関係を結んでほしい。そう思って
倦怠感等の設定を追加いたしました。

どうか青春を過ごそうとする岬君を応援してやってください。


なお、これより遅い昼食に入りますので、続きは後になります。
本日中に投稿いたしますので、なにとぞお待ちください。

516 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/06/30(日) 19:28:31 ID:rP/hjaG2
そして、特別練習から数日後。
渡仏後初の賭け試合が行われる日、目が覚め服を着替え朝食をとり身繕いを済ませたところで電話が鳴る。
受話器を取るとサッカー部キャプテンの声が聞こえた。

天ヶ瀬「家にいるか、これからすぐ部室に来い。ミーティングだ」
岬「えっ、ミーティングはあと2時間後じゃ」
天ヶ瀬「あれは表向きだ。実際の方向付けはその前に行う。すぐに来い、分かったな」

有無を言わせず言いたい事だけ言ってさっさと切ってしまった。仕方なく学校に行き部室に入ると、
教室の椅子に座って腕組をした天ケ瀬がいる。

天ヶ瀬「よく来た。これからフォーメーションとかのどう試合をするかについて詰めていくぞ」
岬「あ、あの、勝手に決めていいんでしょうか」
天ヶ瀬「大丈夫だ。先生はこう言う事を俺達に一任してくれている。
    他の奴は何年も前からほとんど意見も出さんから、ミーティングが今ほとんど形骸化してしまっている。
    だが岬は違うだろう。あそこまで言い切ったからには絶対に勝つ。
    その為にはこういった場にも積極的に発言するだろうと思ってな、呼んできた。で、まずはこれを見ろ」

黒板を指さす。そこにはサッカー部のと思われるフォーメーションが記されていた。

517 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/06/30(日) 19:30:59 ID:rP/hjaG2
−H−J− Hあずみ J中江or秋山
−−−−− 
−−I−− I天ケ瀬
F−−−G F黒田 G永井
−−E−− E渋沢
AB−CD A西園寺 B金子 C大杉 D藤田
−−−−− 
−−@−− @塩野


天ヶ瀬「これがいつもよく組んでいるフォーメーションだ。これからこれをどうするかを決めるんだがその前に」

チョークを手に持ちフォーメーション図の横に大きく



と記した。

天ヶ瀬「お前の希望を聞いておきたい。お前は、どこでプレーしたいと思っている?」

518 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/06/30(日) 19:32:57 ID:rP/hjaG2
岬「(来たか)」

試合前に訊かれるであろうとした質問が来た。この時になる前にあれこれ考えた事でもある。

岬「(この試合、僕が注目されるのは簡単だ。点を取って攻撃を防いで、縦横無尽に活躍して尊敬を一身に集められるだろう。
   だが、敵側はどうだ。あまりに活躍して圧勝したら2度と試合をしなくなるかもしれない。
   そうなったら稼ぎのタネが無くなる。マークがきつい所にパスを出したりして、
   程々に勝てるよう試合をコントロールしないといけない。
   そのために僕が就くべきポジションは……ここだ)」


A 岬「FWです」
B 岬「MFです」
C 岬「DFです」
D 岬「GKです」天ケ瀬「なにィ!」(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。



再び私用が入ったため、再び中断いたします。再開は午後9時〜10時台を予定しております。

519 :森崎名無しさん:2019/06/30(日) 20:20:20 ID:2Wg99gDs
B

520 :森崎名無しさん:2019/06/30(日) 20:20:41 ID:XbE+nd8I
B

521 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/06/30(日) 21:01:40 ID:rP/hjaG2
済みません、こちらの事情により今日はこれ以上投稿出来なくなってしまいました。
明日か明後日には、なんとか投稿出来るようにしますので、少々お待ちください。

522 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/02(火) 21:42:44 ID:ikezHPZg
B 岬「MFです」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
天ヶ瀬「ほう、どうして」
岬「MFこそサッカーの展開に一番関わる大事なところだと、考えたからです。
  色んな学校のサッカーをプレイして感じたのですけれど、どれ程攻撃と守備が優れたチームであっても、
  MFが貧弱なところは攻撃でFWまでボールをつなげられず、
  相手が攻勢になればDFとGKは連続攻撃にさらされ、そう遠くないうちにゴールを奪われてしまいます」
天ヶ瀬「なるほどな、日本であちこちのサッカー部にいたんだ。その通りなんだろう」

部員からか先生からか、目の前にいるキャプテンは自分の過去を大雑把につかんでいるようだった。
そうだとすればありがたい。僕が話す内容はそれ相当の経験を踏まえたものとして聞いてくれるはず。
その証拠はあれこれ観察する必要も無く、相手の口から発せられてきた。

天ヶ瀬「じゃあ、今日の試合どうしたらいいと思う。具体的にはフォーメーションだが、少しは意見があるんじゃないか」
岬「(きた)」

意見を求められた。僕はここまでに検討した思案をまとめてみる。

523 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/02(火) 21:43:53 ID:ikezHPZg
いつものフォーメーション
−H−J− Hあずみ J中江or秋山
−−−−− 
−−I−− I天ケ瀬
F−−−G F黒田 G永井
−−E−− E渋沢
AB−CD A西園寺 B金子 C大杉 D藤田
−−−−− 
−−@−− @塩野

岬「(これが今までのフォーメーション。この陣形をいじって都合の良いものにすれば、
   試合展開をコントロールしやすくなるはずだ。今日までに考えたフォーメーションは3つ)」


3−1−3−3
G−H−J Hあずみ
−−−−− 
E−I−F I天ケ瀬
−−−−− 
−−D−− D岬
−−−−− 
−ABC− 
−−@−− 

岬「(この「1」のところに僕が入る。これならパスの送り箇所が6つにもなって、
   状況を見てパスを送り試合展開の「調整」も簡単になるだろう。
   それにこれならDFの数も少なくサイドは空いていて、相手は得点を入れやすいだろう。
   そうなればこっちは得点を入れる必要が生じて、僕が活躍できる機会も増えるはずだ。
   試合展開だけを考えればこれでいいけど、意中の相手に活躍の場を増やさしてさりげなく
   友好的になってもらうのも良いかもしれない。その場合には、まずこれだ)」

524 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/02(火) 21:46:29 ID:ikezHPZg
3−3−1−3
−−−−− 
G−H−J Hあずみ
−−−−− 
−−I−− I天ケ瀬
D−E−F E岬
−−−−− 
A−B−C 
−−@−− 

岬「(これはキャプテンの副官として活躍する場合。
   チャンスをできるだけ多く提供して活躍させてあげて恩を売るにはこの陣形が確実かな。
   あずみちゃんに恩を売る場合は、こういう風になる)」

5−4−1
−−−−− 
−−J−− Jあずみ
−−−−− 
−H−I− H岬 I天ケ瀬
F−−−G 
C−D−E 
−A−B− 
−−@−− 

岬「(FW1人しかいないとなったら、得点のチャンスは彼女が一番多くなる。
   彼女のフォローでもう少し前に入っておけば「調整」もサポートもこなせる)」

525 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/02(火) 21:49:20 ID:ikezHPZg
岬「(さて、どれにしよう)」


A 3−1−3−3にする。
B 3−3−1−3にする。
C 5−4−1にする。
D 通例通り4−4−2にする。
E その他、自由回答(要2票)

先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
AとBは表記が似ておりますので、選択の際はお気を付けください。
訂正する場合はIDが必要となりますので、必ずID欄は空白にしてください。

526 :森崎名無しさん:2019/07/02(火) 21:57:18 ID:7fzGgIWw
A

527 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/02(火) 22:15:45 ID:ikezHPZg
A 3−1−3−3にする。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「フォーメーションについてですが、僕はこうした方がいいのではないかと思います」

問いに応じる形で立ちあがり、黒板に意図するフォーメーションを記しながら、本来の目論見を伏せて説明する。

岬「今回の試合はただ勝つだけではなく、みんなの劣等感や無力感を解消するべき
  試合にすべきだと思いますし、それができる試合だと思っています。
  格上の相手と思っていたチームから大量の得点をもぎ取って大勝すれば、
  過去に何連敗していてもお釣りがくるほどの高揚感を感じ、自信を取り戻す事ができるでしょう」

この部の部員の実力から見てチャンスを与えても得点につながるとは考えにくいが、
このフォーメーションを薦める理由としては妥当だろう。僕からの進言に対し目の前のキャプテンはというと。


先着で
★キャプテン天ケ瀬の判断→! card★
と書き込んで下さい。スートで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

JOKER→天ケ瀬「……今日は、お前がつけてみろ」 懐からキャプテンマークを取り出したぞ?
ダイヤ・ハート→天ケ瀬「いいだろう、それでいこう」
スペード・クラブ→天ケ瀬「駄目だ、今日の今日で変えたら混乱がおきる」



本日の投稿は以上といたします。続きはいつも通り土日に投稿したいと思います。

528 :森崎名無しさん:2019/07/02(火) 22:48:48 ID:Hif1kwtc
★キャプテン天ケ瀬の判断→ スペード9

529 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/06(土) 13:28:56 ID:e5Dh67Po
これより投稿をはじめようと思いますが、投稿前に1つ、申し添える事があります。
以前に申し述べた「倦怠感」についてですが、告知前の入学前の練習についてはカウントしておりません。
現在はパスカット練習においてのみ1つ溜まっている状態となります。
それではこれより投稿を開始いたします。



★キャプテン天ケ瀬の判断→ スペード9 ★⇒天ケ瀬「駄目だ、今日の今日で変えたら混乱がおきる」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
じっと目をつむって考えているのだろう、しばらく沈黙の時間が流れてから、答えが返ってきた。

天ケ瀬「駄目だ、今日の今日で変えたら混乱がおきる」
岬「(やっぱり駄目か、何の根回しもしてなかったからなあ)」

あれこれ思案を重ねた上での提言は、あっさりと断られてしまった。だが、全く考慮対象外という訳ではなかったらしい。

天ケ瀬「岬はボランチに入ってもらう。攻守両軸共に活躍して、ウチの初勝利に貢献してもらうぞ」

530 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/06(土) 13:30:43 ID:e5Dh67Po
−H−J− Hあずみ J中江
−−−−− 
−−I−− I天ケ瀬
F−−−G F黒田 G永井
−−E−− E岬
AB−CD A西園寺 B金子 C大杉 D藤田
−−−−− 
−−@−− @塩野


岬「(ポジションの希望は通ったか。条件は厳しくなったけど、何とか試合の調整はできるかな)はい」

そうしてフォーメーションをまとめ終わったところで、
天ケ瀬がドカリと荒々しく腰を椅子に下ろし、僕に語りかけてきた。
精一杯威厳を保っている。そう見せようとしているように見えた目の前の先輩が発した言葉は、ひどく気弱なものだった。

天ヶ瀬「この試合で勝てなかったら、俺はサッカー部を辞めようかと思っている」

531 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/06(土) 13:33:35 ID:e5Dh67Po
岬「えっ」
天ヶ瀬「ブローニュではああ言ったが、もう俺もつらくなってな。いくら練習しても、周りを励ましおどしすかしても、
    一勝すら出来ず何十連敗だ。気力も尽きる。それにお前は俺がフランスで出会ったサッカー仲間の中で一番上手い。
    そのお前を加えても勝てないとなったら、いよいよ俺達に闘志のかけらもなくなり、
    サッカー部は解散も同然になるだろう。……これが、最後のチャンスなんだ」
岬「(うわあ、入っていきなり廃部なんて冗談じゃないよ)
   大丈夫です。他の先輩達もやる気を出してくれますし、成長している人もいます。
   キャプテンが元気を無くしたら、みんなのファイトもしおれてしまいますよ」
天ヶ瀬「あ、ああそうだな、すまん。しょげたところで勝ちが厳しくなるだけだ。岬」
岬「はい」
天ヶ瀬「今日の試合、必ず勝つぞ」
岬「はい!頑張ります!」

キャプテンとしての義務感から、無理無理闘志をしぼり出したような感がする。
少しでもやる気を出してもらおうと景気よく声を張り上げたが、天ケ瀬の動きは鈍いままだった。



その数時間後にミーティングがはじまった。天ケ瀬の言葉通り発言を求められても、皆口を開くことなく黙りこくっていた
(あずみちゃんは布陣論議にまるきり関心なしという顔だったが)
ままに終わり、試合を行うべくブローニュの森へと向かったのだった。

532 :キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/07/06(土) 13:36:12 ID:e5Dh67Po
              第3話『初試合』



ブローニュの森に着き、準備体操を済ませ、各自ポジションにつく。
その間敵の面々はニヤニヤとイヤミな笑いをこちらに飛ばし、あれこれと煽り立ててくる。

テナルディエ「今日はお手柔らかに頼むぜ。金を払わず逃げる奴らを取っ捕まえるのは骨だからな」

金の為なら死人の衣服もまさぐりそうな卑しさと貪欲さを漂わせて、敵チームのキャプテンが挑発する。
そっくりそのまま返すと我らのキャプテンも言葉を返すものの、どことなく生彩を欠いている。

丸山「はいスポーツマンが口汚く罵らない!正々堂々、スポーツマンシップにのっとりましょう!」

そう言って口撃を止めさせたのは、今日の試合の審判兼実況中継の丸山先生。
性に合っているのか、いつもよりノリノリになっている気がする。
ともかく両チームのキャプテンは互いに向かい合い、先生が上に放ったコインをじっと見やっていた。結果は……


先着で
★コイントスの結果→! dice★
と書き込んで下さい。数値で分岐します。!とdiceの間のスペースは埋めてください。

偶数→日本人学校側が先攻
奇数→フランス人学校側が先攻

511KB
続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail(省略可)

0ch BBS 2007-01-24