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1- レス

【さらば】森崎in異世界完結編【遠き日】


[79]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:35:34 ID:???
「──!!」

脳裏に閃光が迸ると同時にカミーユは操縦桿を押し込める。刹那…赤と青の光芒が螺旋状に絡み合いながら
ウェイブライダーの脇を掠めていく。あと数瞬でも回避行動が遅れていれば今の攻撃で宇宙の藻屑と化していたであろう。
その事にひやりとするも、カミーユには今の攻撃に見覚えがあった。そして事態はもっと深刻なものだと告げていた。

「シロッコはジ・Oじゃない…!?それに今のは…!」
省32

[80]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:36:42 ID:???
「パプティマス=シロッコ!」

『カミーユ=ビダンか…』

「こんなことをして、お前は何をなそうとしているんだ!?」

『…俗人には理解できんだろうな』

「出来るわけがない!あんなものが落ちたら地球は誰も住めなくなる!
お前の名は非人道的な悪行をなした男として忌み嫌われる事になるんだぞ!?」

そう、まるで理解できない。行為そのものも無論そうだったが、パプテマス・シロッコという男がこれを行っていると言う事こそ 省37

[81]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:37:44 ID:???
ヴァルシオンの掲げた右腕から先程見せた赤と青の光芒…クロスマッシャーがウェイブライダーに向けて放たれる。
それを予め読んでいたカミーユはその暴力的な光を回避しつつ間合いを詰めながら機体をモビルスーツ形態に変形させ、
同時に右マニピュレーターでサイドスカートアーマーのウェポンラックからビームサーベルを取り出しそのまま切りかかる。

「シロッコッ!分からないのか!?今お前がやろうとしている事こそお前が忌み嫌う、地球の重力に魂を引かれた 省54

[82]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:39:11 ID:???
『そんな軟弱なモビルスーツでこのヴァルシオンは倒せはせんよ!!』

「くぅ!?」

Zガンダムは後方に全力でバーニアを噴かす事で辛くもその圧力から逃れると、再びウェイブライダーに変形し一旦距離を取る。

『フッ…さっきまでの威勢はどうした?私を倒すのではなかったのか?』

「くッ…!」

シロッコのせせら笑いにカミーユは臍を噛むが、実際Zガンダムとヴァルシオンでは機体性能に絶望的な差がある。 省49

[83]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:40:22 ID:???
「シロッコめ…どこまでも人を見下して馬鹿にする!」

憤るカミーユ。武器が通じない事に憤っていたわけではない。そんな事は最初から分かっていた事。
本来であればロンド・ベルの全主力をもって当たるべき相手であり、モビルスーツ単体での交戦など自殺行為と同義である。
カミーユが歯痒いのは今の攻撃もシロッコの技量ならば回避できるのをわざわざ歪曲フィールドで弾いた事や、
更にそのフィールドまで外してわざと受けて見せた事でカミーユとZガンダムの無力さを嘲笑っている事にある。 省56

[84]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:41:38 ID:???
「戦場で感傷事かい、少年ッ!!」

そしてそのカミーユが見せたほんの僅かな隙をシロッコは逃すはずも無く、その緩みの呼吸に合わせるように
容赦なくクロスマッシャーを放り込んでくる。これをバランスを崩しながらもギリギリのところで回避するZガンダムだったが、
シロッコからすればこれは想定内で本命はこの次の一撃。

『しま──ッ!?』

「落ちろ!カトンボ!!」
省58

[85]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:42:44 ID:???
「だが…ここまでだな。いくらセンスがあろうとも、自らの力の使い方も満足に知らず、感情を碌にコントロール
できんような子供ではこれが限界だ」

そしてもうすでにまともに動けないであろうZガンダムにゆっくりとクロスマッシャーの照準を合わせるシロッコ。
後はトリガーを引くだけで己の天敵ともいえる不愉快な存在を消滅させられる。その事に柄にも無い高揚感を覚えながら
シロッコはクロスマッシャーのトリガーに手を掛ける。

「く…くそッ…ううう…」
省37

[86]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:43:53 ID:???
「バカな…有り得ん…」

我が目を疑い思わず呆然と呟くシロッコ。それはそうだろう。クロスマッシャーの威力からすればZガンダムの装甲など
紙細工にも等しいはずで、直撃すれば文字通り塵一つ残るはずがないのだ。しかし目の前の光景では塵どころか、
さしたる損傷も無くZガンダムは存在していた。そして更にそのZガンダムを粉状の淡い碧の光がオーラのように
覆い尽くしている。その光はまるでZガンダムを護るかのように徐々に広がりつつあった。

省49

[87]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:44:58 ID:???
「ゼ、Zが…どうしたんだ?」

Zガンダムにそう形容してよいのか分からないが、人魂のようなモノが集まるのが見える。果たして気でも触れたのだろうか。
そうでも思わなければ目の前の光景を現実として認識するには余りにも浮世離れしている。
だがそれが真実だと告げるかのようにシロッコの脳髄は不愉快さと共にかつてないほどの疼きを彼に伝えていた。
そして人魂のようなものを吸い込んだZガンダムは燃え盛る炎のような赤いオーラを輝かせながらその身に纏う。
省50

[88]キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:46:36 ID:???
「まだ、抵抗するのなら…!」

そしてカミーユがブーストペダルを限界まで踏み抜くと、Zガンダムはまるで意思を持つかのようにデュアル・アイを光らせ
ヴァルシオンに向かって真っ直ぐにバーニアと粉状の碧の光の軌跡を残しながら宇宙を駆ける。

「勝てると思うな…小僧ォォッ!」

全身には鳥肌が立ち、操縦桿を握る手は僅かに震えを見せ、脳髄の疼きはいよいよ我慢できるレベルの物では無くなって来ている。 省78


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