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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】


[39]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 01:17:15 ID:ao7BawPE
一度は足首の激痛により、浦辺の突破を許した森崎であったが、その痛みを振り切り猛追撃。
森崎を抜いた事で、石崎・高杉に注意を奪われていた浦辺の背後からの奇襲に成功。
森崎は呆気なくボールを奪う事に成功して見せた。

中山「…やはり、あれで終わる男ではなかったか(何故だ? 森崎。 お前は何故こうも――)」

森崎の常人離れしたメンタリティから放たれる執念の一撃は、
技術こそ伴ってはいなかったが、それゆえに無謀であり危険。 省47

[40]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 01:18:18 ID:ao7BawPE

森崎 「――本当の勝負はこれからだ!」

中山 「――必ずボールを奪って、今までの借りは返すぞ!森崎!!」

森崎と中山は……そうして相対する。
森崎は世代でも翼と並びトップクラスのドリブラーであったが、
中山もまた、世代最高峰のDFとして相応しい能力の持ち主。

中山「(今日の試合を見るに、俺のタックルと森崎のドリブルはほぼ互角。
――この勝負、恐らく拮抗した物になるっ! ならば、ここは正面から迎え撃つのみだ!)
――はああああっ!!」
省37

[41]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 01:19:21 ID:ao7BawPE
中山「…なにィ!?(まさか――森崎がこんな高等技術を!?)」

中山は思わず当惑し、情けなく声を上げてしまう。

森崎「…へへっ(まさか、こんな高等技術が成功する訳ないだろうなぁ)」

しかし一方で、どうせ失敗するのだとうと森崎自身は思っていた。
だが――奇跡は起こる。

フワッ! ――スルッ…

タックルの体勢に入っていた為、低くなっていた中山の頭上を、ボールがするすると抜けてゆく。

中山「(そ、そんな…! 森崎。 お前は、一体……!)」
省18

[42]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 01:20:21 ID:???
〜回想シーン終了〜

中山「(――一体どこまでが俺の回想で、どこからが現実だったか)」

そして――『今』この瞬間。
中山はあの試合の時と同じように、低くなっていた自分の頭上を通り抜けるボールを見つめながら、
あの試合の時と同じような事を考えていた。

中山「(まあ、いいさ。 一年前も今も――俺は同じだ。 奇跡では無く――。
道を、自分の手で切り開く!!)はあああっ!!」

バアアッ!!
省23

[43]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 01:21:23 ID:???
超モリサキ「バーカ」

悪態を付きながら、ニヤリと笑う。
中山は一瞬、超モリサキのその余裕の意味が理解できなかったが。
その意味は、コンマ数秒後に嫌でも理解させられた。

フワッ……ククッ! ――ポムッ…!

超モリサキ「へへへ、わりいな中山。 俺だって、あれから成長したんだ。 ――――お前と違って、な」

――超モリサキの放ったヒールリフトは、中学生の時の試合に比べて大きく進歩していた。 省35

[44]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 01:26:49 ID:???
――と、言った所で時間も遅いですので今日の更新はここまでにしたいと思います。
>>36
中山さんがジャパンカップの中山状態、と言っていたのはこの展開が伏線だったりします。
ここから中山さんは真の中山さんになる……には、まだもう少し時間がかかりそうですが(汗)
>>37
情報提供ありがとうございます。
妖怪の山の天狗社会は高度な文明と強力な組織があるという設定がありましたので、 省10

[45]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 23:59:17 ID:ao7BawPE
こんばんは。凄く遅くなりましたが更新します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
中山「(……やはり、俺は甘かった…! 森崎は、俺よりも先を進んでいた…!)」

中山にとって、森崎は常に自分の先を進んでいた存在だった。
自分には思いつかないような発想で勝利をもぎ取り、
血のにじむような努力を重ね続けていく森崎に、中山は並び立ちたいと思っていた。
省36

[46]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/13(日) 00:03:03 ID:XAPLec82
…だが、今まで自分が信じて来た道を否定された上に嘲笑われても……中山は辛うじて折れなかった。

中山「………ああ、ありがとよ、森崎」

自分の伸び悩みの根源を直視した中山は、過去の自分の行為全てを後悔してしまいそうになるが。
それでも、そうする事の無為さを知っていた中山は、目に涙を溜めながらも辛うじて強がれた。

森崎「――ふ。 それでこそ俺の認めてやった男だぜ、中山」

森崎はそんな中山の強さを見て、傲慢ながらも、どこかほっとしたような表情を見せて微笑む。 省47

[47]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/13(日) 00:04:51 ID:XAPLec82
中山の内心にはまだ葛藤こそあったが、それでも大分持ち直したような様子を見ると。

森崎「ハハッ、ようやくかよ」

森崎はそこで一旦笑い、会話は自然と重い物から近辺の物へとシフトしていく。
チームの事、練習の事、そして―――今日の試合の事。
森崎は、今日の試合を振り返った上で、

森崎「ま、お前のチームもそこそこやる選手も居るしな。 あの―――」

印象に残った選手の名を一名挙げた。
弱者であったが故の、鋭い洞察力を備えた彼が見た、ある選手の脅威。 省33

[48]森崎名無しさん:2013/10/13(日) 00:05:01 ID:???
★ライバルフラグは立つのか!?→ ハートJ


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