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【高みを目指して】鈴仙奮闘記16【どこまでも】
[470]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 21:55:35 ID:2+NqAup6
諏訪子「……選手名を全員媒体の「人形」にしといて、その中身は外界の選手の魂を映しこむとか。
その上ピエール君を確保して……更には日本でも第二位のGKを呼び出すなんて。
これで勝てなかったら、ウチら恥だよ、恥」
神奈子「(ホントはGKも日本第一位を呼びたかったんだけどねぇ…)
――分かってるさ、諏訪子。 こいつらは最終兵器だ。 予選くらいは、私達の手で勝ち抜こう」
若林「…良く分からないが、俺の力が必要だと言うのか。 ならば…力を貸そう」
省50
[471]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 21:56:37 ID:2+NqAup6
諏訪子はまるで外見通りの童女のような、理解の伴わぬ呻き声を洩らす。
彼女のすぐ数メートル先にて行われた惨劇を見て。
自分達の数か月越しの努力が一瞬で破壊された様子を見て。
彼女は一時的な錯乱状態に陥っていた。
神奈子「――「メテオリックオンバシラ」ッ!」
ギュウウウウウウウウウッ! バゴオオオオオン!!
――そのため、次に動けたのは比較的この惨劇を客観視出来ていた神奈子だった。
省43
[472]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 21:57:44 ID:2+NqAup6
かくして弾幕ごっこの域を超えた、明確な殺意の籠った蹂躙を受けた暗殺者は…
それでも、怯える事すらしなかった。むしろ彼は不敵に顔を歪ませて――。
ビュンッ、バシュッ! ビュンッ、バシュッ! ビュンッ、バシュッ! ビュンッ、バシュッ!
――まるで流れ作業のように、その手刀で飛来する柱を薙ぎ払って行く。
その目はただひたすらに澱んでおり、満たされぬ気配すらあった。
神奈子「(いや、大丈夫だ……! ヤツの動きも少しではあるが鈍っている!
省33
[473]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 21:58:45 ID:2+NqAup6
数千発の布石の後に――とうとう、神奈子は彼の脳天に柱を撃ち付ける事に成功する。
そしてそのまま神奈子の神徳により硬度と退魔力を強化された御柱が、間違い無く彼の頭をすり潰す。
と、確信していたが――。
???「…………フンッ!」
バギイッ! ベキッ!
彼の頭はすり潰れるどころか、殆ど傷一つ付いてはいなかった。
彼は痛みを訴える事すらせず、全く自然な動作でその柱を掴み…そのまま握力で握りつぶす。
……神奈子と諏訪子はこの時、漸く理解した。
省45
[474]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 21:59:48 ID:2+NqAup6
若島津「俺は――自分の力を試したかった。 そしてはそれは今までのような武芸では無くサッカーで。
先の試合で弱さを実感した俺が、貴女の導きを受けてどれほどまで強くなったのか。 それを試したかったのだ。
そして……俺の眼鏡に叶いかつ、GKが不在のチームと言えば……ここしかなかった」
諏訪子「ちょっ、それで私らが丹精込めて作った若林くんロボを破壊したってのかい?
そうなら、素直に話してくれれば何とでも手は打ったのにさ。
省52
[475]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 22:00:53 ID:2+NqAup6
神奈子「――まぁまぁ、そう怒るな諏訪子。 話を聞けば…そして、先の実力を見れば、
この若島津君もまた、若林源三に負けぬ実力者。 外来人の彼なら、名簿も上手く誤魔化せるだろうし、良いじゃないか」
諏訪子「アンタってば……数千年前から思ってたけど、とことん前向きだねぇ…」
神奈子「そういうアンタは、昔から根に持ち過ぎるのよ。感情に囚われて、合理的かつ効率的な手段を取るのを躊躇っちゃいけない。
省64
[476]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 22:04:19 ID:2+NqAup6
☆紅魔スカーレットムーンズの場合☆
〜紅魔館・特設サッカーコート〜
昼でも日光が当たらず、雨天時でも雨が当たらないようドーム式となっている紅魔館の特設サッカーコートにおいても、
大会前だからこそと紅帝達の一軍は真夜中から真昼まで練習を繰り返す。
先日の永遠亭ルナティックスとの試合――そして敗北は彼女達の士気を俄かに高揚させ。
紅魔スカーレットムーンズの選手達もまた、急造ではあるが新たな力を身につけようとしていた。
省43
[477]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 22:05:19 ID:2+NqAup6
フラン「う、うんっ! ――でも私は決めたいな、お姉様……「アレ」の練習もしようよ〜」
レミリア「「トランシルヴァニア」か……。 そうね、やってみましょうか」
陸「――って、朕を忘れちゃ駄目アルよ! くらえい、「襲爪雷斬脚」!!」
バシュッ! ……グワアアアアッ! バチイイイイイッ!!
レミリア「…あら、居たのね、中国」
省45
[478]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 22:06:33 ID:2+NqAup6
☆聖徳ホウリューズの場合☆
〜仙界〜
岬「成程。 あの人の狙いは――これだったのか」
岬はもはや日課となったランニングをこなした上で、チームの最終調整を見て……漸く、
彼を連れ去った聖徳道士――豊聡耳神子の狙いを悟っていた。
神子「それに早々に気付くとは……君はやはり、私の補佐をさせるに相応しい人物だったわね。
屠自古にしても布都にしても、優秀だけど頭が堅いから。 優秀かつ気回りの効く人物が丁度必要だったのよ」
岬「…ありがとうございます、道士」
省43
[479]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/13(日) 22:08:09 ID:2+NqAup6
布都「冠位十二階の最上位。 「大徳」を表す見事な紫の召し物ですぞ、太子様」
神子「ええ、ありがとう神子。 ――それでは」
布都から仰々しくマントを受け取った神子は颯爽とそれを羽織り。
岬や布都を始めとする臣下と――外界から寄せ集めた「助っ人達」に向かって、こう宣言をした。
神子「――さあ、皆の者! 戯れは終わりじゃ! 堕落した幻想郷を救えるのは、もはや「道」を極めし君達しかいない。
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0ch BBS 2007-01-24