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【契約書に名前】鈴仙奮闘記34【書いてみて】
[924]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/14(日) 22:00:49 ID:???
それに追い打ちを掛けたのは、皮肉にも新田君の気遣いだった。
彼はおどけたような笑顔で私の肩をポンと叩き、心の底から心配したような声を掛けてくれる。
……私の所属するサンパウロFCは、概ね理想的なチームだった。
プロサッカー選手としての厳格さを持ちつつも、
不毛な馴れ合いに堕さない程度のフレンドリーシップを持つ選手が多く、
――そのお蔭で、現に私は今、皆に助けられている。
妖夢「(――同じだ。あの時と……あの、皆に迷惑を掛けて、惨めで暗くてどうしようも無い、
省40
[925]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/14(日) 22:02:23 ID:???
――不甲斐ない過去の自分に対するエールが、今の自分に対する励ましとリンクする。
やれ決定率100%だ、全試合ハットトリックだ、銀色の死神などと言われ、
すっかりその気になっていた私の姿はさぞかしお笑いだった。
もしも状況が許すなら、自ら残り半分の命を絶ってでも、私はこの場から逃げ出したかった。
妖夢「(でも、それは単なる逃避に過ぎない。逃げようが、自ら命を絶とうが。
それは私の弱さを証明する事にしかならない……)」
省53
[926]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/14(日) 22:03:58 ID:???
そして、今の私の対応はギリギリ及第点だったらしく、
翼君はベンチに居るジウ君との交代は提案せず、皮肉交じりの笑顔で返すにとどめた。
妖夢「(……リオカップ。そうだ。私は、そこで優勝しなくてはならないんだった)」
また、彼が何気なく発した単語は、私に残り10分を走り切る程度の動機を与えてくれた。
……リオカップ。これから約2か月後に開催される、若手サッカー選手の登竜門とも呼べる大会にして、
私が優勝を目指すべき大会。
省46
[927]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/14(日) 22:06:07 ID:???
翼「あーあ。流石に1試合10ゴール10アシストは出来なさそうかなァ」
そして、翼君の口からこんな狂った独り言が飛び出す中――パルメイラスは明らかに戦意喪失。
サトルステギとトニーニョとの間にいざこざがあったらしく、中盤から前線への攻めが上手く行かない。
そうこうしている間に、私がもう一度ハットトリックの機会を伺おうとするも、
キーガンを中心とした最終ラインが粘り、得点の機会は結局無く。
省39
[928]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/14(日) 22:08:45 ID:???
新田「あの。姉御……」
新田君がおずおずと私に声を掛ける。試合中、私は彼の気配りに礼を言う事が出来なかった。
妖夢「……ありがとう。ごめんね、新田君」
そのため、私はこの場で新田君に対して感謝の意を告げる。
彼は少し照れたように顔を赤らめて、私にこう言ってくれた。
新田「あの……ホントに、姉御は気に病む必要無いと思いますから。
日ごろの活躍度合いで言えば俺なんてカスですし。あ、勿論現状に甘んじる気はさらさらないですけど。
省13
[929]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/14(日) 22:10:17 ID:???
…と、言った所で一旦ここまでにします。
出来れば今日中に、パチュリーと妖夢等の絡みを書きつつ、
妖夢の章完まで書いていければと思っています。
[930]森崎名無しさん:2016/02/14(日) 22:17:34 ID:???
判定に一回負ける度にイチイチ落ち込むからむしろ昔より弱くなってる
試合中に判定に勝つごとに耳元で「みんな迷惑に思ってる」とか「何も成長してない」とか絶望的な言葉を吹き込み続ければ簡単に勝てる
……まぁうどんげさん操作なんでそんなこと出来ないんだけどさ!
[931]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/15(月) 00:12:38 ID:???
*****
〜試合後・スタジアム入口〜
パチュリー「一体どういう事? こんな短い間に……」
試合を一通り観戦していたパチュリーは、スタジアムの選手用出入り口に待ち伏せして妖夢を呼び出した。
サポーター達が試合の余韻に浸って喧噪を作る中から少し離れた、
休憩用のテーブルに座りながら、パチュリーは改めてこう妖夢に問いかけた。
妖夢「パチュリーさん。全幻想郷選抜のコーチ兼選手であろう貴女が、どうしてここに?」
省44
[932]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/15(月) 00:14:14 ID:???
――その表情は、間違いなくパーフェクトで無かった。
実際、妖夢の試合を見ていたパチュリーは勘付いていた。
彼女の実力は確かに二流クラスから一流へと上がったが、精神面では未熟さが残ると。
……いや、むしろ。精神面で未熟であるにも関わらず、大きすぎる力を身に着けたが故に、
彼女は今、そのギャップに苦しんでいると推測出来た。
パチュリー「……ある方、ね。聖徳太子がサッカーコーチを兼任するとは、世も末だわ」
省56
[933]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/15(月) 00:15:15 ID:???
パチュリー「(私はなし崩し的とは言え、【プロジェクト・カウンターハクレイ】の一員となった。
これは、八雲紫が率いる全幻想郷代表を倒す事で、妖怪中心だった幻想郷の秩序に一石を投じるもの。
そして同時に、このキャプテン候補である鈴仙は、大会優勝時に発生するエネルギーを使い、
八雲紫の中に潜む恐るべき月の神霊――『純狐』を祓う事を目的としている。
省54
[934]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/02/15(月) 00:16:28 ID:???
周囲の声はおろか、その者の内心の欲や思考すら聞き取れる豊く聡い耳を使い、
神子はいきなり本題を切り出し始めた。……とは言え、その内容は非常に抽象的だったが。
神子「私は思う事があるのだよ。サッカーのコーチはピアニストに似ているとね」
パチュリー「はぁ……。意外に詩人なのね」
神子「――家にあらば 妹が手まかむ 草枕 旅に臥やせる この旅人あはれ。
……私とて、万葉集に編纂される程度には歌を嗜むさ。……と、話は逸れたが。
省43
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0ch BBS 2007-01-24