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【SSです】幻想でない軽業師


[202]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:25:53 ID:???
魔理沙「よう」
小町「あれっ、魔理沙じゃないか?」

普通の魔法使い――霧雨魔理沙の姿が、そこにあった。

魔理沙「しかし……改めて見るとどういう集まりだこりゃ?
     寺の連中はともかく、死神に人食い妖怪に白狼天狗。 とんと共通点が見当たらんぜ」
椛「まあ、話せば色々長いッスよ」
魔理沙「じゃあいいや。 そこまで興味はない」
魅魔「バカタレ、興味が無かろうが話くらいは聞いとけ。 少なくとも、あたしがそこそこ長い間滞在したチームの事だ」

パコッ
省34

[203]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:27:08 ID:???
魅魔「……あいつはまだあの調子かい」

大会後、魅魔が一旦命蓮寺のメンバーから離れ魔界へと向かった際、彼女の気がかりとなったのが佐野の事である。
試合中、点差が決定的となった時から糸が切れた人形のように脱力し、試合が終わってからも立ち直る素振りすら見せなかった。
果たしてそんな彼を置いていって大丈夫か――と、後ろ髪を引かれながらも、
しかし、今後を考えて神綺たちと共に魔界へと戻った。
省31

[204]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:29:14 ID:???
軽く声をかけてみても、返ってくるのは上の空の返事。
一目魅魔を見て、しかしすぐに視線を虚空へと向けて溜息を吐く佐野を見て、いよいよもって重症だと魅魔は悟る。

魅魔「(落ち込む事こそあれど……こいつはそこまで引きずるタイプには思わなかったがねぇ。
    ……まぁ、こういう事もあろうさ)」

体育座りこそしていないものの、ジメジメとした佐野の態度に眉を潜めながら、
それでも魅魔は佐野の隣へと腰かけた。

魅魔「……ちゃんと飯は食ってるかい?」 省51

[205]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:31:20 ID:???
単純な力量不足ではあるものの、反町も佐野も十把一絡げの一員でしかなかった。
反町は単純に、雑魚チームを相手に得点を荒稼ぎしてなんとか得点王を取っただけの凡夫。
そして佐野はキープ力に関してはある程度目を見張るものがあるものの、FWとしては得点力の低さが目立ち、
おまけにそのキープ力についてもチーム内にはもっと上手いものがゴロゴロいるという有様だった。

圧倒的なシュート力を持ち、FWの中でも頭一つ抜けている日向小次郎の相方を任せるに足るサブFW。 省58

[206]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:32:50 ID:???
佐野「……俺と反町さんの何が違うってんだ」
魅魔「………………」

魅魔の言葉を聞き、そして、それが彼の何かに触れたのか。
ぽつりと、小さく――しかし、隣にいる魅魔が聞こえる程度の声量でそう呟く。
佐野と反町の何が違う――かつては、立場はそう変わらなかった。
ユース世代になれば共に切り捨てられるような、そんな不安定な立ち位置だった筈だ。お互いに。

佐野「俺だってこの命蓮寺にやってきて、自分なりに必死こいてやってきた。 省45

[207]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:34:32 ID:???
佐野「俺と反町さんの何が違う……!」
魔理沙「………………」

いつしか大声となっていた佐野の言葉に、命蓮寺のメンバーは胸を締め付けられ、
そして、姉弟子である魔理沙もまた奥歯をギリとかみしめる。
彼女もわかっていた――立場が違えど、反町に苦しめられた者として……佐野の気持ちが痛い程わかる――。

佐野「なんで……なんで……!!」
魅魔「佐野……」


佐野「なんで反町さんに彼女が出来て!! 俺に出来ねぇんだよォォォオオオオ!!!」



[208]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:35:56 ID:???
「「「………………」」」

ルーミア「かのじょ?」

佐野の絶叫を受けて、唯一、言葉を発する事が出来たのはルーミアだった。
基本的に能天気であり、性質としてはオータムスカイズのリグルなどに近いのが彼女である。
あまりにも予想外過ぎる佐野の言葉に、純粋に疑問を持てたのが彼女だけだった。

魔理沙「………………」

逆に他の者たちはといえば、絶句である。
二の句を継げないどころか、一の句すら発する事が出来ない。 省47

[209]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:37:12 ID:???
佐野「こんなの絶対おかしいよ……」
小町「あー……あー……えーっと、あれか。 つまり……」
星「……反町くんに、伴侶が出来たとあって落ち込んでいた、という事でしょうか?」
椛「いや、別に伴侶って訳じゃ……いや、もうどうでもいいッス……」

えぐえぐと、涙すら流し始めながら慟哭する佐野だったが――。
ここにきて、ようやく一同は気づいた。
佐野がここまで落ち込んでいたのは、とどのつまり、反町に彼女が出来たのに自分にはいないから――という事に。
省48

[210]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:38:35 ID:???
………
……


佐野「……という事で、どうすれば俺に彼女が出来るか会議をこれから始めたいと思います」
ムラサ「却下」
小町「否決」
ぬえ「死ね」
佐野「あれ……なんかみんないつもより辛辣……」

落ち込みも、しかし溜まっていたものを全て吐き出してスッキリしたのか、佐野はすっかり元の調子に戻っていた。
……あっさりと戻った事によって、今までの心配はなんだったんだと一同は思い切り肩すかしを食らい、 省50

[211]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:39:36 ID:???
魅魔「オホン……さて、まあそれはともかくとしてだ。 佐野、ちょいと話がある」
佐野「ん? なんだよ師匠?」

とにもかくにも、これでは話が進まない――と、魅魔はコホンと咳払いをしてから佐野に告げた。
うかうかしていると本格的に佐野が彼女を作りたい会議を始めかねない。

魅魔「その前にだ……割と心配だから一つ聞いとくよ。 ……お前さん、まだ反町くんと戦う意思はあるかい?」
佐野「ったりめーだろ! あんな可愛い彼女いる人にサッカーでまで負けてたまるか!! 省50


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0ch BBS 2007-01-24