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1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[722]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:17:54 ID:???
「……」
「……ですよね」

不満気に口を尖らせたレズリーだったが、しかしそれ以上は食い下がろうとしない。
子供の駄々をどう片付けたものかと思案していた森崎が、ほっと胸を撫で下ろす。
森崎一人の説得であれば強い反発が返ってきたかもしれなかったが、クレアという人物には
こういうとき、ある種の強制力とでもいうべきものが備わっているようだった。

「つーか、もうすぐ日が暮れちまうぜ」
「え……そんな時間?」
省35

[723]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:18:54 ID:???
「今、俺がどんな風にその台詞を受け取ったか知ったら、きっと激怒するんだろうな」
「……?」

言われたレズリーはといえば、やはり意味を取りかねているらしい。
怪訝そうな顔をするばかりであった。

「―――モリサキさん」

そんな二人の間にすう、と滲むような声は、クレアである。
心臓を爪の先で引っかかれるような悪寒に、森崎が飛び上がって返事をする。

「は、はいっ!?」
「きちんと、お家まで送ってあげて下さいね」
省25

[724]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:19:55 ID:???
「それじゃ……。ほら、帰るぞ」

頭を下げた森崎が、レズリーを促すと少し離れたカウンターの向こうに声をかける。

「勘定、頼むわ」
「かしこまりました。……こちらになります」

間髪を入れず歩み寄ってきた店主が、森崎に伝票を渡す。
その末尾に記された数字を見た森崎が、

「げ」

一瞬、絶句した。
その様子に、森崎の手元を覗き込もうとするレズリー。

「……いくらだったんだい?」
「いや、まあ……気にすんな」
省22

[725]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:20:56 ID:???
「これで、足りるかい」

腰に下げた、財布代わりの革袋から十数枚の銀貨を取り出すと、
店主の恭しく掲げる皿へと並べてみせる森崎。

「……はい、承ります。ありがとうございました」
「さっきの勝ち分がすっ飛んで、まだこれかよ。とほほ……」

銀貨の種類と枚数を瞬時に見分け、深々と頭を下げる店主に背を向けると、森崎が力なく
片手を振って扉の方へと歩み出す。

「またご贔屓に」
省28

[726]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:25:02 ID:???

*D26.9月
フレーバーテキスト選択

*ドロー


今月の巻頭特集は → ! card


スペード→ 情報「ダナン造反疑惑」
ハート→ 日常「燐光石と悪代官」
ダイヤ→ 情報「ヴァン=トルキア継承戦争」
クラブ→ 歴史「ハンガリア革命」
JOKER→ 視点「老婦人の憂鬱」


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
 このドローでの分岐は順不同です。JOKERを除いてカード序列による有利・不利は特にありません。


****** 省9

[727]傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/21(金) 14:53:48 ID:???
今月の巻頭特集は →  クラブ3
久しぶりに選択肢JOKERを拝みたいのう

[728]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:03:32 ID:???
>>727
せっかく用意したものですし、いつか陽の目を見てほしいですねw
******

◎ハンガリア革命


ハンガリア共和国は新興国家である。
革命によって王政を打破し、議会共和制を敷いた。
旧国名をボルキア王国という。

このボルキア王国、人口で多数を占めていたのはハンガリア人であったが、
支配階層にあったのはボルキア人であった。
ボルキア人とはハンガリア人と祖を一にしながら、かつて北西熱帯圏に覇を唱えた 省45

[729]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:04:34 ID:???
国軍士官の四分の一、下士官の半数強、兵卒に至っては八割を占めるハンガリア人が
雪崩をうって革命軍に参加した。
膨大な兵力差に焦りを覚えた王権派は隣国に救援を要請したものの、先のゲルタニア革命戦争への
介入失敗で手痛い打撃を受けたプロキアはこれを無視。
同じく介入に失敗し、加えてボルキアとは西洋圏−マルタギニア交易の中継点として
鎬を削っていたドルファンもまた、国内安定を優先するとの名目で出兵を拒絶する。
省62

[730]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:05:47 ID:???

またこのとき、爵位を持たぬ中流ボルキア人の多くが迫害を恐れ、難民として大量に
ドルファンやヴァン=トルキアへ流入したため、無数の摩擦を引き起こしている。
このボルキア難民による混乱は南欧諸国、特にドルファン王室会議においては
アレルギーとなって尾を引き、後に新たな、そして大きな社会問題の引き金となった。


(※歴史『ハンガリア革命戦争』がオープンされました)


******

[731]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:06:47 ID:???

*D26.9 「気のいい一級ギャンブラー」森崎有三
訓練所イベント


ドルファン陸軍第一総合訓練所、運動場。
ただの荒野と呼ぶより他にないそこに、三百に近い数の男たちが集っている。
人種も外見も統一感のない彼らこそが、外国人傭兵大隊であった。

「総員二百八十九名、揃っている」

傍らに立つトニーニョが灰色の瞳で言うのへ頷いて、森崎有三が眼前の男たちを見回す。
すう、と息を吸うと、

「―――地獄へようこそ、新入りどもォ!!」
省21

[732]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:07:48 ID:???
『……ま、もっとも、キミたちもちょっと前まではこんなもんだったけどさ』

散々な言われようの面々は、この九月に新規入隊を遂げた傭兵たちである。
その数、五十。
軍馬と共に編成部が調達した、補充要員であった。

『確か、三ヶ月に一度はこうやって補充されるって話だったけど……。
 このままじゃ、数合わせにしかなんないね。ビッシビシ鍛えてやんないと!』

むん、と小枝のような腕に爪の先ほどの力こぶを作ってみせる相棒は、
無論のこと実際の訓練で何をするでもない。 省16


0ch BBS 2007-01-24