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1- レス

【SSです】幻想でない軽業師


[328]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 00:51:58 ID:???
魔理沙「よう!」
佐野「あ、魔理沙だ」
魔理沙「……だから『さん』をつけろって何度言えばわかんだ? あぁん?」

佐野の姉弟子にあたる霧雨魔理沙――彼女の姿もその中には見受けられた。

魅魔「準備は終わったかい、佐野?」
佐野「おうよ。 まぁ、つっても荷物なんて大して無いんだけどな」

相変わらずあまり仲がいいとは言えない佐野と魔理沙が言い争いをする前に、
魅魔が佐野に問いかけると佐野はグッと右手を掲げながら準備は万端であると宣言する。 省55

[329]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 00:53:10 ID:???
誰もかれもが個性的ではあるが、それでもサッカーに対して真摯だったのは指導者だった佐野もわかっている。
幻想郷においては珍しい、他者を思いやる心がある者たちばかりだという事も知っている(一名例外はいたが)。
召喚されはしたものの、衣食住――人が最低限生活するのに必要なものを持っていなかった佐野としては、
そんな自分を必要としてくれ、保護してくれた一同に感謝する気持ちが無い筈もない。

佐野「(つってもなんつっていいもんか……こういうのはこっぱずかしくていけねぇな) 省73

[330]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 00:54:18 ID:???
思わず自分の得意技の有用性について言及してしまう佐野だったが、それすらも一笑に伏される。
実際の所、今更ヒールリフトの有無程度で自慢げにされた所で……という話ではあるのだが。
佐野に対してやけに突っかかるぬえを制しながら、温厚な者たちで占められる命蓮寺の中で人一倍温厚である星が仲介に入る。
思いがけず優しい言葉をかけられて佐野はいつもの流れとはちょっと違うなと感じながら周囲を見やり……。

小町「短い間だったけど同じ釜の飯を食ったんだ。 ま、達者でやりなよ」 省56

[331]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 00:55:20 ID:???
そして、この命蓮寺の代表――聖白蓮がそっと歩み寄りながら口を開く。
……案の定、佐野の名前を間違えていた事に、佐野自身は丁寧に訂正を入れるのだが、
白蓮は聞いていないのかそれとも気にしていないのか、ふわりとやわらかな笑みを浮かべたままだ。

白蓮「貴方がこの命蓮寺に来てからの数か月……我々が、まるで知らなかったサッカーというものを教えて貰い、本当に感謝しています。
   終ぞ、幻想郷での大会には参加が出来ませんでしたが……。 省75

[332]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 00:57:22 ID:???
佐野「(不公平だぜ……俺だって、俺達だって頑張ってきたのによ……。 畜生……)」
白蓮「佐古くん」
佐野「……だから佐野だって」

少しばかりネガティブになってしまう佐野であったが、再び白蓮に呼ばれ、現実に引き戻される。
再三に渡って名前を間違える白蓮に、やはり佐野は訂正するのだが……。
白蓮はやっぱり気にする素振りは見せず、慈愛に満ちた表情で口を開く。

白蓮「貴方が私達に教えてくれた事、口では色々と言いながらも努力をし、鳥町さん達に勝とうとしていた事。 省60

[333]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 00:58:56 ID:???
佐野「ま、まあ……さっきも言ったけど俺も頑張ってくっから! 白蓮さん達も頑張ってな!
   レベル不足で前までは幻想郷での大会にも出られなかったけど、今なら全然出れるだろうし!」
ぬえ「へーんだ、アンタに言われなくたってそのつもりだよっ!
   アンタがいなくたってこの私の力で優勝させてやるんだから!」
佐野「にゃにおう!? この俺のローリングオーバーヘッドが無くても優勝が出来ると言うのか!?」 省65

[334]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 01:00:16 ID:???
佐野「(……ま、こいつが生意気なのは今に始まったこっちゃねーしなぁ。
    それに、サッカーに関しちゃ真面目なのはわかりきった事だし。 白蓮さん始め、命蓮寺のメンバーはお人よしばっかだ。
    1人くらいこういう底意地の悪いのがいた方が安心……か?)」

素直になれないのは佐野もまた同じ。
なんのかんのと言いながらも、ぬえがこのチームの中で締める役割というものが大きいのは知っている。
特に白蓮や星といった、超がつく程の善人達がいる中、 省68

[335]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 01:01:29 ID:???
椛「本当に自分で良かったんスか? やっぱ白蓮さんとかの方が……」
佐野「もう決まった事だろ、似合ってんぜキャプテンマーク?」
椛「わ、わふ……」
ぬえ「(っていうか別に試合じゃないのにつけてるあたり、なんだかんだでこの天狗もキャプテンになれてうれしいんじゃない?)」

その腕に締めた腕章を見て、佐野が言うと椛は照れたように頭をかき……。
しかし、小さくだが溜息を吐いた。

椛「(嬉しいのは嬉しいんスけど……本当に、いいんスかねぇ……。 省76

[336]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 01:02:54 ID:???
魅魔「……さて、そろそろいいかい?」
佐野「お? おう」

そして全員との挨拶を終えた所で、魅魔は改めて佐野に声をかけた。
名残惜しい思いはあれど、それに縛られてはいけない。
佐野は大きく頷くと、よいしょとオッサン臭い声を上げながらスポーツバッグを肩にかける。

佐野「……って、あれ? どうやって外の世界まで行けばいいんだ?」
魅魔「私の魔法で飛ばす。 ちょいと時間がかかるが……じっとしときな」
佐野「はぇー……師匠ってそんな事も出来んだな」 省33

[337]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 01:04:08 ID:???
佐野「今更だけどさ、俺が行く留学先ってどこなんだ?」
魅魔「そいつはついてからのお楽しみさ……だが、悪いようにゃせんよ。
   しっかりと調べて選んだからね。 ま、環境についてはお前も文句言わんだろうさ」
佐野「ほへー」

明確な答えは貰えなかったものの、魅魔がここまで言うのならばきっとそうなのだろう。
今よりずっといい環境、というとやはりサッカー先進国――ヨーロッパ諸国か南米か。
佐野が新天地に想いを馳せる中で、魅魔は魔力をステッキへと込めると詠唱をし……。 省9

[338]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/05(月) 01:05:22 ID:???
ムラサ「おお、本当にいなくなっちゃってる。 これって送れたって事でいいんだよね?
    ちょっと動きがあまりに地味すぎてちゃんと送れたのか単純に佐野くんがただ消えちゃったのか判別しにくいんだけど」
魅魔「人里で流行ってるような貸本屋の漫画とかならいわゆる『えふぇくと』とかいうのが出るんだろうが、
   本当の魔法ってもんはこういう地味なもんさ。
   地面に魔方陣だかを書いて魔力を増幅するのだって、私からいわせりゃ自分の持前の魔力じゃあ不足してるから、 省46


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0ch BBS 2007-01-24