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【新天地は】鈴仙奮闘記35【魔境】
[573]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:20:15 ID:KsOxxqbA
女の子はきょとんと首をかしげた。
だけど、すぐに僕の言っている事が分かったみたいで、
その子はぱあっと顔を輝かせると、僕の手を取り、こう言ってくれた。
「ありがとう。ずっと、ずうっと……会いたかったよ」
だから、僕はその子の名前を呼んで、こう言ってあげることにした。
「……ごめんね。だけど、これからは、ずっと一緒だよ」
――決して終わる事の無い紅葉の雨が降り注ぎ、永遠の豊穣を喜ぶ楽園の中で。
省12
[574]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:22:23 ID:KsOxxqbA
*****
??「ねぇ……」
涼やかな秋風そよぐ中、甘ったるく優しい声が耳朶に溶け込む。
??「起きて、反町君……」
甘ったるさを良い具合に中和してくれる、凛々しくて気持ちの良い声がその上に層を作った。
あまりに魅力な聴覚情報を入手した脳みそは、快感物質を大量に放射し、
その結果、あまりの気持ちよさにこれはきっと夢なのだと言う結論を下した。
反町「(――だめだ。後5分。こんな良い夢、できれば覚めたくない……)」
省36
[575]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:23:54 ID:KsOxxqbA
*****
??「ねぇ……」
涼やかな秋風そよぐ中、甘ったるく優しい声が耳朶に溶け込む。
??「起きて、反町君……」
甘ったるさを良い具合に中和してくれる、凛々しくて気持ちの良い声がその上に層を作った。
あまりに魅力な聴覚情報を入手した脳みそは、快感物質を大量に放射し、
その結果、あまりの気持ちよさにこれはきっと夢なのだと言う結論を下した。
反町「(――だめだ。後5分。こんな良い夢、できれば覚めたくない……)」
省36
[576]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:25:25 ID:KsOxxqbA
――そんな時、反町少年の耳元で不快な音が鳴った。
それは夢で良くあるような、少女がベッドにダイブして来たとか、そんなんじゃなかった。
ドスっと言うのは布が破けた音で、その前のチャキッという音はどう見ても刃物を出す時の音だった。
反町「(な、なんだ……!?)」
自分の眼前に銀色の刃が落ちて来て、反町は漸く本格的に目を覚ます。
しかし、ここで叫びたい事すら叫べない彼の修正が裏目に出た。
??「う〜ん。まだ起きないかぁ。……じゃあ、もういっか〜い!」
省48
[577]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:30:34 ID:KsOxxqbA
パキッ。
静葉「……穣子が乱暴にカッターを使うから、刃こぼれしちゃって。ぺキって折っただけよ」
反町「そ、そうですか……」
――このカッターナイフ芸は、今や彼女の一部を構成していると言っても良い、
大事なアイデンティティだった。昔はともあれ、今の落ち着いた静葉はカッターナイフを正義の為に使う。
……寝坊助を起こすという行為を正義の行為に入れるべきか否かについては、議論の余地があったが。
省45
[578]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:33:23 ID:KsOxxqbA
反町は改めて、神っぽいようで神っぽくない会話を聞きながら、二人を見つめる。
スレンダーではあるが少女らしい柔らかさがあり、はっとする可憐さがある静葉も、
中肉で素朴という印象こそあるが、逆にその素朴さ故の魅力が輝く穣子も、
反町にとってはどちらも大切な大切な神様であり、守るべき女性だと感じた。
反町「(――そうだ。俺は。俺達3人は『プロジェクト・カウンターハクレイ』計画の一環として、
ここフランスに最近出来た、名門サッカースクールに編入学したんだった。
省30
[579]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:34:32 ID:KsOxxqbA
***
キーン、コーン、カーン、コーン…………
ピエール「遅いぞ、ソリマチ。女の子とデートも良いが、俺達の本分を忘れてはいないな?」
反町「申し訳ない、ピエール委員長」
ピエール「……そこまで謝らなくても良いさ。結果的に、ベルが鳴ってから教室に入って来ているしな」
クラスを纏める学級委員長が、かのエル・シド・ピエールだと知った時、反町は初め大きく驚いた。
そしてその後納得した。フランスでは、ユース代表選手を含めた将来有望な選手達は、
省35
[580]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:44:39 ID:KsOxxqbA
ボッシ「よおソリマチ。見た感じ夜のシュート練習は上手くいってそうだが。
今日の午後からのシュート練習は、また俺が勝たせて貰うぜ?」
反町「おはよう、ボッシ。今日こそは俺が勝ってみせるよ」
ルスト「確かボッシとソリマチは、これまで3勝3敗だったっけか。
『サーブルノワール』対『ポイズンヘッド』のシュート勝負は白熱するからなァ」
ボッシ「ふふん。実は俺、『ネオサーブルノワール』を開発中でさ。これさえ出来れば、ソリマチなんて目じゃないね」
省40
[581]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:46:17 ID:KsOxxqbA
クラスで一番気弱なアモロが、おずおずと手を挙げてそう答えた。
噂では彼は、クラス一の不良と言われるナポレオンに、陰でイジメを受けているとの事だった。
教員はフンと鼻をならすと、
担当教員「――理論を知らずに非科学的な活動を続ける問題児め。奴には一度、灸を据えてやらねばならんな。
まぁ良い。授業を始める。日直、号令を」
厳格さを体現する風体のままそう呟き、無理矢理に授業を始めるべくそう言った。
省31
[582]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2016/03/24(木) 00:47:45 ID:???
担当教員「こら、そこで何を話している!」
反町「あっ、すみません!」
穣子の号令から始まった、隣席の静葉との会話を打ち切られ、反町は慌てて前を向く。
――これが、フランスに来てからの、反町一樹の日常だった。
教員の役に立つが退屈な講義を聞きながら、反町はこう考えていた。
反町「(……平和な学園生活。理論に裏打ちされたサッカー講習。規律を重んじる仲間達。
そして……穣子さんと静葉さんが隣に居てくれる。――これこそが、俺が夢見た生活だ!
省24
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0ch BBS 2007-01-24